JP3663468B2 - 天井設置形ヒートポンプ式空調機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は天井設置形ヒートポンプ式空調機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
【特許文献１】
特開平２−２４７４３４号公報
従来、天井に設置するヒートポンプ式空調機などにおいて、内部部品の保守や冷媒交換などは、ケーシングごと天井から取り外したり、特開平２−２４７４３４号公報のように機体に点検扉を設けて作業していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空調機が狭小な場合など作業に手間がかかる問題があった。そこで、これらの問題点を解決する天井設置形ヒートポンプ式空調機を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の天井設置形ヒートポンプ式空調機は、ケーシング内に、冷媒循環回路を構成する凝縮器と蒸発器と圧縮機と、前記凝縮器を設けたＵ字状の外気送風路と、前記蒸発器を設けたＵ字状の還気送風路と、前記冷媒循環回路付のフレームと、を備え、前記外気送風路と前記還気送風路を隣接させ、前記冷媒循環回路付のフレームを、前記排気用送風路と前記外気用送風路にまたがって設け、前記冷媒循環回路付のフレームを、前記ケーシング内部に設けた伸縮自在なダンパーにて、吊持状として着脱自在に連結し、前記ケーシングの底面に、冷媒循環回路付のフレームを上下に出し入れする開口部を、形成し、この開口部を、着脱又は開閉自在な外装板にて施蓋した。さらに、凝縮器及び蒸発器のフィンチューブを楕円管にした。
【０００５】
【発明の実施の形態】
図１〜図３は、本発明の天井設置形ヒートポンプ式空調機の一実施例を示しており、この空調機は、ケーシング１内に、冷媒循環回路Ｃを構成する凝縮器２と蒸発器３と圧縮機４と、凝縮器２を設けたＵ字状の外気送風路Ａと、蒸発器３を設けたＵ字状の還気送風路Ｂと、冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５と、を備えている。冷媒循環回路Ｃは、図示省略の受液器と膨張弁と冷媒循環方向の切換弁等も有し、凝縮器２及び蒸発器３の吸熱と放熱を切換自在に構成される。実線及び点線の白抜き矢印は風向を示す。
【０００６】
冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５は、ケーシング１内部に設けた伸縮自在な棒状のダンパー２１にて、吊持状として着脱自在に連結する。ケーシング１の底面には、冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５を上下に出し入れする開口部６を、形成し、この開口部６を、着脱又は開閉自在な外装板７にて施蓋する。フレーム５と外装板７の間にはドレンパン２０を着脱自在に設ける。ダンパー２１は、ガスやオイルを充填したシリンダ内にピストンロッドを伸縮自在に設けて成る。ダンパー２１は、冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５の降下速度を遅延させるように即ちその降下方向（ロッドの伸び方向）のみに抵抗力（減衰力）が働くように構成し、上昇方向には抵抗力がかからないようにして出し入れを容易にする。
【０００７】
外気送風路Ａと還気送風路Ｂは、それぞれＵターンするように仕切板などで区画形成し、両ターン部を対向させて略平行に隣接させ、凝縮器２と蒸発器３と圧縮機４などを隣接させて、冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５を、排気用送風路Ａと外気用送風路Ｂにまたがって設ける。外気送風路Ａと還気送風路Ｂには夫々送風機１４、１５を設ける。冷媒循環回路Ｃの間に配置される仕切板はフレーム５とケーシング１のどちら側に設けてもよい。図例では、送風機１４、１５を外気送風路Ａと還気送風路Ｂの空気入口側に、冷媒循環回路Ｃを空気出口側に、それぞれ設けているが、その逆であってもよい。凝縮器２と蒸発器３のフィンチューブ８は楕円管（図４参照）にするのが好ましいが円形管でもよい。
【０００８】
ケーシング１には、外気取入口１０、給気口１１、還気取入口１２及び排気口１３を形成し、還気取入口１２と給気口１１を還気送風路Ｂにて連通連結し、外気取入口１０と排気口１３を外気送風路Ａにて連通連結する。還気取入口１２はダクトや吸込口等を介して被空調ゾーンたる屋内と連通連結し、給気口１１はダクトや吹出口等を介して屋内と連通連結する。外気取入口１０と排気口１３はダクト等を介して屋外に通じさせる。
【０００９】
この天井設置形ヒートポンプ式空調機では、還気取入口１２から取入れた還気を蒸発器３で熱交換し、冷風又は温風を給気口１１から給気し、同時に外気取入口１０から取入れた外気で凝縮器２の循環冷媒を熱交換して吸熱又は放熱しつつ排気口１３から屋外へ排気する。
【００１０】
【発明の効果】
請求項１の発明では、ケーシング全体を取り外すことなく冷媒循環回路のみをケーシングから取出して冷媒回収作業やメンテナンスを容易に行え、取付け収納にも手間がかからない。また、冷媒循環回路だけ交換することにより、リニューアル時のコストダウンも図れる。冷媒循環回路をフレームに一体化してあるので、取出し・収納に手間がかからず作業性が良い。ダンパーにより、冷媒循環回路付のフレームを自重でもってゆっくり自動的に下ろせて（取出せて）労力を軽減でき、かつ落下事故を防止でき安全性にも優れる。このように冷媒循環回路付のフレームのスライド機能と落下防止機能をダンパーだけで兼用でき部品点数の削減を図れ製作が容易となる。外気送風路と還気送風路を隣接させて、それにまたがるようにして冷媒循環回路を設けてあるので、冷媒循環回路ひいては空調機がコンパクトになる。
請求項２の発明では、高風速で使用しても圧力損失が増加せずかつ熱交換能力も低下しないので小型の蒸発器と凝縮器を使用でき空調機を大幅にコンパクト化できる。また、通常風速では圧力損失が減少して熱交換効率が向上するので小型の送風機を用いることができ騒音低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す平面図である。
【図２】図１の側面図である。
【図３】一部を省略したフレーム降下状態の斜視図である。
【図４】フィンチューブ群の断面図である。
【符号の説明】
１ ケーシング
２ 凝縮器
３ 蒸発器
４ 圧縮機
５ フレーム
６ 開口部
７ 外装板
８ フィンチューブ
２１ ダンパー
Ａ 外気送風路
Ｂ 還気送風路
Ｃ 冷媒循環回路

Claims (2)

1. ケーシング１内に、冷媒循環回路Ｃを構成する凝縮器２と蒸発器３と圧縮機４と、前記凝縮器２を設けたＵ字状の外気送風路Ａと、前記蒸発器３を設けたＵ字状の還気送風路Ｂと、前記冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５と、を備え、前記外気送風路Ａと前記還気送風路Ｂを隣接させ、前記冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５を、前記排気用送風路Ａと前記外気用送風路Ｂにまたがって設け、前記冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５を、前記ケーシング１内部に設けた伸縮自在なダンパー２１にて、吊持状として着脱自在に連結し、前記ケーシング１の底面に、前記冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５を上下に出し入れする開口部６を、形成し、この開口部６を、着脱又は開閉自在な外装板７にて施蓋したことを特徴とする天井設置形ヒートポンプ式空調機。
2. 凝縮器２及び蒸発器３のフィンチューブ８を楕円管にした請求項１記載の天井設置形ヒートポンプ式空調機。

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