JP3662686B2 - 打刻装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、市販の打刻用刻印ポンチを使用して例えば車体の所定部位に車体番号を刻印するための打刻装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車の製造ラインにおいては、車体の製造過程において車体部品の所定部位に車体番号を刻印するようにしている。この刻印作業は、多量生産機種においては、量産性の確保のため、量産ラインに組み込まれた自動打刻機械によって自動的に車体番号の刻印を行うようにしている。
【0003】
一方、量産ラインにのらない少量生産機種などでは、自動打刻機械による刻印作業ができないため、手作業によって打刻を行わなければならい。
【0004】
一般に、自動車の車体番号を車体部品に刻印する場合には、刻印される文字の配列ピッチ、傾斜、平行度等を、定められた規格(打刻基準)に適合させる必要がある。
【0005】
打刻基準の管理項目としては、打刻の深さ、打刻文字の傾き、打刻文字の上下ずれ、打刻文字の中心間隔、文字全体の水平度、打刻部の状態(外傷、変形がないこと)、打刻文字の状態(欠け、字くずれがないこと)、打刻指示と打刻結果の確認(打刻違いがないこと)等である。
【0006】
そこで、従来では、刻印ポンチが取り付けられるスライドロッドをスリーブ内にその軸線方向に所定距離範囲摺動可能に設置し、前記スリーブの先端部に位置決め案内を形成するようにした打刻装置(実開平5−39969号公報参照)や、シャンクを介してプレスブレークに取り付けられた下型に刻印ポンチを同一間隔で収納する複数個の薄い壁を設けるようにした打刻装置(実開昭58−79366号公報参照)などが提案されている。
【0007】
前者の打刻装置は、片手でスリーブを握って位置決め案内をワークの端面に当接した状態としてスライドロッドの頭をハンマーで叩くことで、刻印ポンチの刻印文字面がワーク表面の所定位置に平行に位置決めされて所定の位置に明瞭に刻印されるというものである。
【0008】
後者の打刻装置は、一連の文字を刻印する場合に、標準のプレスブレークを使ったとしても、文字間隔及び平行度の揃った刻印を簡単に行うことができるというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の打刻装置においては、刻印ポンチとして市販のものを使用した場合、所定の桁数の文字・数字を打刻するために、刻印ポンチを並べて打刻することが考えられる。
【0010】
しかしながら、文字・数字の配列ピッチが刻印ポンチの配列ピッチよりも小さい場合、従来の打刻装置では、文字・数字を正確に打刻することが困難になるおそれがある。
【0011】
また、上述したような少量生産機種の場合は、製造ラインの工程中に打刻作業を行わなければならず、しかも、打刻作業を狭いスペースで不安定な体勢で行わなければならないため、正確に打刻することがより困難な状況となっている。
【0012】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、市販の刻印ポンチを使用して手作業による打刻作業を容易に、かつ正確に行うことができる打刻装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る打刻装置は、以下の構成を有する刻印ホルダ、位置決め治具、バックアップ用治具及びクランプ手段を設けて構成する。
【0014】
刻印ホルダは、刻印ポンチが挿通されるポンチ挿通孔と、少なくとも1本の位置決め用ピンを有する。位置決め治具は、ワークの打刻対象面に当接されるものであり、刻印配列方向に連続して形成され、かつ前記刻印ポンチが挿通される連通孔と、前記刻印配列方向に所定ピッチをもって多数形成され、かつ前記位置決め用ピンが挿入される位置決め用孔とを有する。
【0015】
バックアップ用治具は、ワークの打刻対象裏面に当接されるものである。クランプ手段は、前記ワークを間に挟んで前記位置決め治具と前記バックアップ用治具を保持するものである。
【0016】
これにより、まず、ワークの打刻対象面に位置決め治具を当接し、ワークの打刻対象裏面にバックアップ用治具を当接して、この状態でクランプ手段により、ワークを間に挟んで前記位置決め治具及びバックアップ用治具をワークに位置決め保持する。
【0017】
その後、刻印ホルダを位置決め治具に取り付ける。このとき、刻印ホルダの位置決め用ピンが多数の位置決め用孔のうち、任意の位置決め用孔に挿入されることで、刻印ホルダが位置決め治具に位置決め固定される。
【0018】
その後、刻印ホルダのポンチ挿通孔に所定の刻印ポンチをその頭部をワークに向けて挿通し、該頭部がワークに軽く接触するまで押し込む。そして、例えばハンマーで刻印ポンチの後端を打ち、ワークに文字・数字を刻印する。
【0019】
1カ所の刻印が終了した後、刻印ポンチを刻印ホルダから抜き取り(そのままでもよい)、刻印ホルダを位置決め治具から外し、次の刻印位置に刻印ホルダを移動して刻印ホルダを位置決め用ピンを通じて固定し、必要な刻印ポンチを挿入して打刻を行う。前記一連の作業を繰り返すことで、ワークの打刻対象面に複数の文字・数字が刻印されることとなる。
【0020】
この場合、ワーク(打刻対象面)を間に挟んで位置決め治具とバックアップ用治具がクランプ手段によってワークに保持されることから、刻印ホルダの位置を変えるだけで打刻基準(傾き、ずれ、水平度等)を満足する刻印ができる。バックアップ用治具は、刻印ポンチをハンマーを用いてワークに打刻する際に、ワークの打刻部分がたわむのを防いで、打刻力が逃げないようにする役目を果たす。
【0021】
また、刻印ポンチを位置決め治具の連通孔に挿通させて刻印を行うため、1つの刻印が終了するたびに、刻印ホルダを外しながら打刻作業を行ったとしても、ワークに刻印された複数の文字・数字は、連通孔の幅方向中心線(連通孔における幅方向の中心を通り、連通孔の長手方向に沿って延びる線)に沿って配列されることとなり、その水平度は打刻基準を十分に満足するものとなる。
【0022】
また、位置決め治具に形成される多数の位置決め用孔を刻印配列方向に沿って多数配列させるようにしているため、この配列ピッチを例えば打刻基準に規定されている最小のピッチに設定することも可能となる。そのため、複数の刻印ポンチを横方向に並べた際の刻印ポンチの配列ピッチよりも文字・数字の配列ピッチが小さい場合であっても、十分に対応することができ、どのような配列ピッチの文字・数字列でも正確に刻印することができる。
【0023】
そして、前記構成において、前記刻印ホルダにおける前記ポンチ挿入孔を、該刻印ホルダのほぼ中央から一方に突出し、かつ前記位置決め治具の連通孔に挿通される刻印ガイドの軸方向に形成するようにしてもよい(請求項2記載の発明)。
【0024】
この場合、刻印ポンチは、刻印ホルダのほぼ中央から一方に突出する刻印ガイドの軸方向に形成されたポンチ挿通孔に挿通されて、該刻印ガイドによってしっかりと位置が固定されるかたちとなるため、ハンマーで刻印ポンチの後端を叩いて打刻する際に、その打刻位置がずれるということが回避される。
【0025】
また、前記構成において、前記刻印ホルダに設けられる位置決め用ピンを2本とし、これら位置決め用ピンを、前記刻印ガイドの突出方向と同じ方向に突出させ、かつ刻印ガイドの上下に配するようにしてもよい(請求項3記載の発明)。
【0026】
この場合、刻印ガイドの上下に配された一対の位置決め用ピンが位置決め治具の位置決め用孔に挿入されるため、刻印ホルダは、位置決め治具に対して正確に位置決めされることになる。これは、刻印ホルダの刻印ガイドを挿通する刻印ポンチがワークの打刻対象面に対して正確に位置決めされることと等価であり、該ワークに打刻基準を満足する文字・数字列を容易に、かつ正確に刻印することができる。
【0027】
また、前記構成において、前記位置決め治具の連通孔を、該位置決め治具のほぼ中央から一方に突出するホルダガイドに形成し、前記位置決め用孔を、前記ホルダガイドを平面から見た場合において、該ホルダガイドにおける前記連通孔の上下部分に配列するようにしてもよい(請求項4記載の発明)。
【0028】
即ち、位置決め治具のうち、刻印ポンチあるいは刻印ガイドが挿通される部分(連通孔)の内壁が厚さ方向に延在するかたちとなるため、刻印ポンチの軸方向をワークの打刻対象面に対してほぼ垂直にさせることができ、打刻文字の欠けや字くずれを防止することができる。
【0029】
また、前記構成において、前記バックアップ用治具のほぼ中央部分を肉厚に形成するようにしてもよい(請求項5記載の発明)。この場合、刻印時に生じる打刻力を十分に受けとめることができ、ワークの打刻部分におけるたわみを確実に防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る打刻装置を例えば自動車の車体部品に手作業によって車体番号を刻印する打刻装置に適用した実施の形態例(以下、単に実施の形態に係る打刻装置と記す)を図1〜図7を参照しながら説明する。
【0031】
本実施の形態に係る打刻装置10は、図1に示すように、市販の刻印ポンチ12が挿通される刻印ホルダ14と、ワークW(図6及び図7参照)の打刻対象面に当接され、かつ前記刻印ホルダ14を所定位置に位置決めする位置決め治具16と、ワークWの打刻対象裏面に当接されるバックアップ用治具18と、ワークWを間に挟んで位置決め治具16とバックアップ用治具18を保持するクランプ手段20を有して構成されている。
【0032】
前記刻印ホルダ14は、図2及び図3に示すように、平面長方形状(例えば短辺約28mm、長辺約45mm)で厚み約15mmの例えば金属製の支持台22と、該支持台22における一主面のほぼ中央部分から直立する角筒状の刻印ガイド(例えば高さ約30mm)24が例えば一体に形成されて構成されており、支持台22の他主面から刻印ガイド24の上端面にかけて連通し、かつ刻印ポンチ12の外形とほぼ同じか僅かに大とされたポンチ挿通孔26が形成されている。
【0033】
また、前記支持台22の一主面には、前記刻印ガイド24のほかに、先端の形状がテーパー形状あるいは先鋭状とされ、高さが刻印ガイド24よりも低く設定された一対の位置決め用ピン(例えば高さ約20mm)28a及び28bが一体にあるいは別体に設けられている。これら一対の位置決め用ピン28a及び28bは、支持台22の一主面上、刻印ガイド24の両側に設けられており、支持台22の短辺方向中心線m(支持台22における短辺方向の中心を通り、支持台22の長手方向に沿って延びる線)上に、前記一対の位置決め用ピン28a及び28bの平面中心と前記刻印ガイド24の平面中心がほぼ位置するように、これら一対の位置決め用ピン28a及び28bと刻印ガイド24が支持台22に設けられている。なお、刻印ガイド24の平面中心と各位置決め用ピン28a及び28bの平面中心間の距離はほぼ同じとされている。
【0034】
位置決め治具16は、図2及び図4に示すように、平面長方形状(例えば短辺約45mm、長辺約174mm)で厚み約10mmの例えば金属製の基台30と、該基台30における一主面のほぼ中央部分から直立する平面長方形状(例えば短辺約45mm、長辺約124mm)で高さ約25mmのホルダガイド32が例えば一体に形成されて構成されている。
【0035】
前記基台30の他主面は、ワークWの打刻対象面に対する当接面とされ、基台30のうち、ホルダガイド32の形成部分以外の部分(基台30の長手方向両端部)は、後述するクランプ手段20によって把持されるホルダ部34を構成する。
【0036】
また、前記位置決め治具16は、ホルダガイド32のほぼ中央部分に、該位置決め治具16を貫通し、かつ刻印配列方向(ホルダガイド32の長辺に沿う方向)に連続して形成された平面長方形状の開口36と、ホルダガイド32の上端から基台30の他主面に向かって形成された多数の位置決め用孔38(平面円形状)を有する。各位置決め用孔38は、内径が前記刻印ホルダ14における位置決め用ピン28a及び28bの径とほぼ同じか僅かに大に設定され、深さが前記位置決め用ピン28a及び28bの高さとほぼ同じか僅かに大に設定されている。
【0037】
ホルダガイド32への多数の位置決め用孔38の配置形態は、ホルダガイド32の短辺方向に沿い、かつ開口36を間に挟むように配された2つの位置決め用孔38a及び38bを一対(1組)として、これら一対の位置決め用孔38a及び38bが多数組、刻印配列方向に所定の配列ピッチPをもって形成された形態とされている。図4の例では、10組の位置決め用孔38a及び38bが所定ピッチP(例えば8mm)をもって配列された例を示す。
【0038】
バックアップ用治具18は、図2及び図5に示すように、平面長方形状(短辺約50mm、長辺約174mm)で厚み約15mmの例えば金属製の基台40と、該基台40における一主面のほぼ中央部分から直立する平面長方形状(短辺約50mm、長辺約124mm)で高さ約20mmの肉厚部42が例えば一体に形成されて構成されている。なお、肉厚部42の上面における各短辺は面取りされている。
【0039】
前記基台40の他主面は、ワークWの打刻対象裏面に対する当接面とされ、基台40のうち、肉厚部42の形成部分以外の部分(基台40の長手方向両端部)は、後述するクランプ手段20によって把持されるホルダ部44を構成する。
【0040】
クランプ手段20は、例えば図6に示すように、作業者の手によって把持される把持部50と、支点52を中心に把持部50に対して接近又は離反する方向に回転操作される操作部54と、該把持部50の一端を支点56として、互いに接近する方向と互いに離反する方向に回転可能とされた一対の挟持部58a及び58bを有する。このクランプ手段20は、1組の位置決め治具16及びバックアップ用治具18に対して2つ用意される。
【0041】
一対の挟持部58a及び58bの各先端部は、互いに対向するようにL字状に屈曲されており、これら屈曲部分の先端に例えば合成樹脂やゴム等によって構成された当て部60が固定されている。
【0042】
そして、操作部54を支点52を中心に把持部50に対して離反する方向に回転させることで、一対の挟持部58a及び58bが支点56を中心に互いに離反する方向に回転し、操作部54を把持部50に対して接近する方向に回転させることで、一対の挟持部58a及び58bが互いに接近する方向に回転し、特に、操作部54を把持部50に対して最も近接する位置になるように握りしめることにより、一対の挟持部58a及び58bは互いに最も近接した位置でロック状態とされる。この状態から操作部54を把持部50から離反する方向に回転操作することで前記ロック状態が解除される。
【0043】
本実施の形態に係る打刻装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その使用例について図6及び図7を参照しながら説明する。
【0044】
まず、図6に示すように、ワークWの打刻対象面に位置決め治具16における基台30の他主面を当接し、ワークWの打刻対象裏面にバックアップ用治具18における基台40の他主面を当接する。この状態で、クランプ手段20における一方の挟持部58aの屈曲部分先端を位置決め治具16のホルダ部34に位置させ、他方の挟持部58bの屈曲部分先端をバックアップ用治具18のホルダ部44に位置させる。
【0045】
そして、クランプ手段20の操作部54を把持部50側に近接させるように握りしめることにより、ワークWを間に挟んで位置決め治具16及びバックアップ用治具18を互いに押圧させて、これら位置決め治具16及びバックアップ用治具18をワークWに位置決め保持させる。
【0046】
その後、刻印ホルダ14の刻印ガイド24を位置決め治具16の開口36に挿入することにより、刻印ホルダ14を位置決め治具16に取り付ける。このとき、位置決め治具16の開口36に刻印ガイド24を挿入する際に、刻印ホルダ14の一対の位置決め用ピン28a及び28bが多数の位置決め用孔38a及び38bのうち、任意の一対の位置決め用孔38a及び38bに挿入されることで、刻印ホルダ14が位置決め治具16に位置決め固定される。最初は、通常、向かって左端に位置する一対の位置決め用孔38a及び38bに前記一対の位置決め用ピン28a及び28bが挿入される。
【0047】
その後、刻印ホルダ14のポンチ挿通孔26(図3参照)に刻印ポンチ12をその頭部(文字、数字等が形成されている部位。図2参照)12aをワークWに向けて挿通し、該頭部12aがワークWに軽く接触するまで押し込む。そして、例えばハンマー62で刻印ポンチ12の後端12bを打ち、ワークWに文字・数字を刻印する。
【0048】
1カ所の刻印が終了した後、刻印ポンチ12を刻印ホルダ14から抜き取り(そのままでもよい)、刻印ホルダ14を位置決め治具16から外し、次の刻印位置に刻印ホルダ14を移動して刻印ホルダ14を一対の位置決め用ピン28a及び28bを通じて固定し、必要な刻印ポンチ12を挿入して打刻を行う。
【0049】
前記一連の作業を繰り返すことで、ワークWの打刻対象面に複数の文字・数字が配列刻印されることとなる。
【0050】
この場合、ワークW(打刻対象面)を間に挟んで位置決め治具16とバックアップ用治具18がクランプ手段20によってワークWに保持されることから、刻印ホルダ14の位置を変えるだけで打刻基準(傾き、ずれ、水平度等)を満足する刻印ができる。バックアップ用治具18は、刻印ポンチ12をハンマー62を用いてワークWに打刻する際に、ワークWの打刻部分がたわむのを防いで、打刻力が逃げないようにする役目を果たす。
【0051】
また、刻印ポンチ12を位置決め治具16の開口36に挿通させて刻印を行うため、1つの刻印が終了するたびに、刻印ホルダ14を外しながら打刻作業を行ったとしても、ワークWに刻印された複数の文字・数字は、開口36の幅方向中心線n(開口36における幅方向の中心を通り、開口36の長手方向に沿って延びる線。図4参照)に沿って配列されるため、その水平度は打刻基準を十分に満足するものとなる。
【0052】
また、位置決め治具16に形成される多数の位置決め用孔38a及び38bを刻印配列方向に沿って多数配列させるようにしているため、この配列ピッチPを例えば打刻基準に規定されている最小のピッチに設定することも可能となる。そのため、複数の刻印ポンチ12を横方向に並べた際の刻印ポンチ12の配列ピッチPよりも文字・数字の配列ピッチが小さい場合であっても、十分に対応することができ、どのような配列ピッチの文字・数字列でも正確に刻印することができる。
【0053】
特に、本実施の形態に係る打刻装置10においては、前記刻印ホルダ14におけるポンチ挿通孔26を、刻印ガイド24の軸方向に形成するようにしているため、刻印ポンチ12は、該刻印ガイド24によってしっかりと位置決め固定されるかたちとなり、ハンマー62で刻印ポンチ12の後端12bを叩いて打刻する際に、その打刻位置がずれるということが回避される。
【0054】
また、本実施の形態においては、刻印ホルダ14に設けられる位置決め用ピン28a及び28bを2本とし、これら位置決め用ピン28a及び28bを、前記刻印ガイド24の突出方向と同じ方向に突出させ、かつ刻印ガイド24の上下に配するようにしたので、刻印ガイド24を位置決め治具16の開口36に挿入した段階で前記一対の位置決め用ピン28a及び28bが位置決め治具16の位置決め用孔38a及び38bに挿入され、これにより、刻印ホルダ14は、位置決め治具16に対して正確に位置決めされる。これは、刻印ホルダ14の刻印ガイド24を挿通する刻印ポンチ12がワークWの打刻対象面に対して正確に位置決めされることと等価であり、該ワークWに打刻基準を満足する文字・数字列を容易に、かつ正確に刻印することができる。
【0055】
しかも、位置決め用ピン28a及び28bの先端をテーパー形状又は先鋭状としているため、位置決め用ピン28a及び28bを位置決め用孔38a及び38bに挿入する際、スムーズに挿入することができ、打刻作業の簡便化において有利になる。
【0056】
また、本実施の形態においては、位置決め治具16の開口36を位置決め治具16のほぼ中央から一方に突出するホルダガイド32に形成し、位置決め用孔38a及び38bをホルダガイド32における開口36の平面上下部分に配列するようにしたので、位置決め治具16のうち、刻印ポンチ12あるいは刻印ガイド24が挿通される部分(開口36)の内壁が厚さ方向に延在するかたちとなるため、刻印ポンチ12の軸方向をワークWの打刻対象面に対してほぼ垂直にさせることができ、打刻文字の欠けや字くずれを防止することができる。
【0057】
また、本実施の形態においては、バックアップ用治具18のほぼ中央部分に肉厚部42を形成するようにしたので、刻印時に生じる打刻力を十分に受けとめることができ、ワークWの打刻部分におけるたわみを確実に防止することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る打刻装置10においては、市販の刻印ポンチ12を改造せずに使用することができるため、設計変更の面倒を回避することができ、設備投資をせずに少量生産に対応させることができる。
【0059】
この実施の形態では、自動車の車体部品に車体番号を刻印する場合を例に説明したが、その他、各種機器のシャーシにロット番号を刻印する場合にも適用させることができる。
【0060】
なお、この発明に係る打刻装置は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る打刻装置によれば、刻印ホルダ、位置決め治具、バックアップ用治具及びクランプ手段を設けて構成し、刻印ホルダは、刻印ポンチが挿通されるポンチ挿通孔と、少なくとも1本の位置決め用ピンを有し、位置決め治具は、ワークの打刻対象面に当接されるものであって、刻印配列方向に連続して形成され、かつ前記刻印ポンチが挿通される連通孔と、前記刻印配列方向に所定ピッチをもって多数形成され、かつ前記位置決め用ピンが挿入される位置決め用孔とを有し、バックアップ用治具は、ワークの打刻対象裏面に当接されるものであって、クランプ手段は、前記ワークを間に挟んで前記位置決め治具と前記バックアップ用治具を保持するものとしている。
【0062】
このため、市販の刻印ポンチを使用して手作業による打刻作業を容易に、かつ正確に行うことができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る打刻装置を例えば自動車の車体部品に手作業によって車体番号を刻印する打刻装置に適用した実施の形態例(以下、単に実施の形態に係る打刻装置と記す)を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る打刻装置を示す分解斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る打刻装置を構成する刻印ホルダの二面図であり、同図Aは側面図、同図Bは平面図である。
【図4】本実施の形態に係る打刻装置を構成する位置決め治具の三面図であり、同図Aは平面図、同図Bは正面図、同図Cは側面図である。
【図5】本実施の形態に係る打刻装置を構成する位置決め治具の三面図であり、同図Aは正面図、同図Bは平面図、同図Cは側面図である。
【図6】本実施の形態に係る打刻装置の使用例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態に係る打刻装置の使用例、特に、ワークに対して打刻を行う場合の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10…打刻装置 12…刻印ポンチ
14…刻印ホルダ 16…位置決め治具
18…バックアップ用治具 20…クランプ手段
22…支持台 24…刻印ガイド
26…ポンチ挿通孔 28a、28b…位置決め用ピン
30…基台 32…ホルダガイド
34…ホルダ部 36…開口
38a、38b…位置決め用孔 40…基台
42…肉厚部 44…ホルダ部
50…把持部 52、56…支点
54…操作部 58a、58b…挟持部
60…当て部 62…ハンマー
Claims (5)
- 刻印ポンチが挿通されるポンチ挿通孔と少なくとも1本の位置決め用ピンを有する刻印ホルダと、
刻印配列方向に連続して形成され、かつ前記刻印ポンチが挿通される連通孔と、前記刻印配列方向に所定ピッチをもって多数形成され、かつ前記位置決め用ピンが挿入される位置決め用孔とを有し、ワークの打刻対象面に当接される位置決め治具と、
ワークの打刻対象裏面に当接されるバックアップ用治具と、
前記ワークを間に挟んで前記位置決め治具と前記バックアップ用治具を保持するクランプ手段とを具備することを特徴とする打刻装置。 - 請求項1記載の打刻装置において、
前記刻印ホルダは、支持台と、該支持台のほぼ中央から一方に突出し、かつ、前記位置決め治具の連通孔に挿通される刻印ガイドとを有し、
前記刻印ホルダにおける前記ポンチ挿通孔は、前記刻印ガイドの軸方向に形成されていることを特徴とする打刻装置。 - 請求項2記載の打刻装置において、
前記刻印ポンチは、前記位置決め用ピンを2本有し、これら位置決め用ピンは、前記刻印ガイドの突出方向と同じ方向に突出していることを特徴とする打刻装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の打刻装置において、
前記位置決め治具は、基台と、該基台のほぼ中央から一方に突出するホルダガイドとを有し、
前記連通孔と前記位置決め用孔は、前記ホルダガイドに形成されていることを特徴とする打刻装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の打刻装置において、
前記バックアップ用治具は、ほぼ中央部分が肉厚に形成されていることを特徴とする打刻装置。
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JP5943376B2 (ja) * | 2012-01-31 | 2016-07-05 | ダイハツ工業株式会社 | 打刻治具 |
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1996
- 1996-10-09 JP JP26898096A patent/JP3662686B2/ja not_active Expired - Fee Related
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