JP3662277B2 - 往復動ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は往復動ポンプ、詳しくは、ポンプ要素の往復駆動により開閉動作する吸込・吐出用の弁装置を有する往復動ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、此種弁装置としては、図6に示すように、ポンプ要素Aの往復駆動により開閉動作する吸込弁体B1及び吐出弁体B2と、これら弁体B1・B2が着座するシート面F3及びフランジ4をもつ吸込側弁シートC1と吐出側弁シートC2とを備え、これら弁シートC1・C2を、シリンダDをもったハウジング本体H1と前記シリンダDに連通路D1を介して連通する吸込側通路E及び吐出側通路FをもったハウジングヘッドH2とから成るポンプハウジングHと別個に形成している。そして、前記吸込弁体B1と吸込側弁シートC1とを、前記連通路D1と前記吸込側通路Eとの連通部分に配置し、また、吐出弁体B2と吐出側弁シートC2とを、前記連通路D1と前記吐出側通路Fとの連通部分に配置して、各弁シートC1・C2のフランジF4を、前記ハウジング本体H1とハウジングヘッドH2との対向端面に設けられた凹入段部h間に介在させて、前記ハウジングヘッドH2をハウジング本体H1に複数本の取付ボルトGの締込みで結合するとき、前記各弁シートC1・C2のフランジF4を前記凹入段部h間で挾着固定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
所が、従来では前記したように弁シートC1・C2のフランジF4を、取付ボルトGの締込みによりハウジングヘッドH2とハウジング本体H1との対向端面間に挾着して固定するようにしているため、この弁シートC1・C2におけるフランジF4の厚さと、前記ハウジング本体H1及びハウジングヘッドH2における凹入段部hの深さとの間に寸法誤差があると、この寸法誤差により、前記ハウジング本体H1とハウジングヘッドH2との対向端面間に隙間ができて、前記対向端面間にシール材を介在させても洩れを防止できなくなったり、或は前記弁シートC1・C2を挾着するまでの間に前記対向端面が当接して、前記凹入段部hの底面と弁シートC1・C2のフランジF4との間に隙間ができ、弁シートC1・C2を固定することができなくて、該弁シートC1・C2が凹入段部h間でガタ付くことになる不具合がある。
【0004】
本発明の目的は、弁シートを挾着することなく取付けることができて、しかも、この弁シートを取付けるためのリングを利用して弁シート取付部からの洩れを防止できるようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ポンプ要素の往復駆動により開閉動作する弁体と、該弁体がその一端に着座する円筒形の弁シートと、前記ポンプ要素の往復駆動により液流が発生する液通路と、前記弁シートの他端に当接する当接面及び前記弁シートの外周面と対向する嵌合内面とを有し、前記ポンプ要素及び前記弁シートを支持するポンプハウジングと、前記弁シートの外周面及び前記嵌合内面に嵌合される弾性締付リングとを備える往復動ポンプにおいて、前記ポンプハウジングは、前記当接面及び前記嵌合内面に連なり、前記弾性締付リングの移動を阻止する阻止面と、前記嵌合内面に開放された大気開放通路とを有しており、前記弾性締付リングは前記大気開放通路の両側で前記嵌合内面と接触し、一端が前記阻止面に当接する円筒形をなしていることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、前記弾性締付リングは、両端部から径方向外方へ膨出する環状膨出部を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、ポンプ要素の往復駆動により開閉動作する弁体と、該弁体がその一端に着座する円筒形の弁シートと、前記ポンプ要素の往復駆動により液流が発生する液通路と、前記弁シートの他端に当接する当接面及び前記弁シートの外周面と対向する嵌合内面とを有し、前記ポンプ要素及び前記弁シートを支持するポンプハウジングと、前記弁シートの外周面及び前記嵌合内面に嵌合される弾性締付リングとを備える往復動ポンプにおいて、前記ポンプハウジングは、前記当接面及び前記嵌合内面に連なり、前記弾性締付リングの移動を阻止する阻止面と、前記嵌合内面に開放された大気開放通路とを有しており、前記弾性締付リングは前記大気開放通路の両側で前記嵌合内面と接触する二つのリング部材からなり、該リング部材間にスペーサを配置してあることを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1記載の発明では、ポンプハウジングの嵌合内面と弁シートの外周面との間に弾性締付リングを嵌合し、この弾性締付リングを大気開放通路の両側で前記嵌合内面と接触させ、さらに弾性締付リングの一端を阻止面に当接させるため、弾性締付リングの他端側と一端側との間の圧力差を比較的大きくすることができ、この圧力差により、弾性締付リングの他端側外周部分を前記大気開放通路に向かって弾性変形させ、この大気開放通路に連通する嵌合内面に密着状に圧接させてシールすることができる。この結果、弾性締付リングに加わる圧力により、該弾性締付リングを前記阻止面方向に押圧して、他端側外周部分を径方向に弾性変形させることができ、この径方向への弾性変形により、弁シートを、その外周側から強く締付けることができる。従って、弁シートの寸法誤差などに影響されることなく弁シートを、ガタ付きなく強く取付けることができる。しかも、弁シートを取付けるために該弁シートなどを高精度に加工しなくともよいから、加工性を高めることができ、コストを低減できるのであり、その上、弾性締付リングの前記阻止面への押圧と、径方向への弾性変形とにより、弁シート取付部を良好にシールすることができ、大気への洩れを防止できる。
【0009】
また、弁シートは、弾性締付リングの弾性変形による締付力で取付けるから、換言すると従来例のように取付ボルトの締込みで挾着固定するものでないから、弁シートが過剰に締込まれるようなことがないのであり、この結果、弁シートをセラミックスで形成したとしても、該弁シートが取付時の力で割れたりするのを防止できる。
【0010】
また、請求項2記載の発明では、弾性締付リングの環状膨出部を大気開放通路の両側で嵌合内面と接触させたから、弾性締付リングの他端側の環状膨出部を嵌合内面に密接状に圧接させてシールすることができる上、弾性締付リングの一端側は、阻止面と弁シートとの間を経て液通路に連通し、大気圧より高い圧力になるから、この一端側の圧力と大気開放通路側との間の圧力差により一端側の環状膨出部を大気開放通路に向かって弾性変形させて、この大気開放通路に連通する嵌合内面に密着状に圧接させてシールすることができ、更に、弾性締付リングを、各環状膨出部部分で弾性変形させ易くでき、径方向に弾性変形させた場合の面圧を、環状膨出部を設けない場合に較べて大きくできるのであり、この結果、大気開放通路を挾んで両側から大気に漏れるのをより一層有効に防止でき、弾性締付リングによる弁シートの保持力を増大できる。
【0011】
また、請求項3記載の発明では、二つのリング部材を、外周側だけでなく、内周側をも大気開放通路に向かって弾性変形させて、大気開放通路に連通する嵌合内面と、弁シートの外周面とに密接状に圧接させることができ、この結果、大気に漏れるのを防止できるだけでなく、弁シートの外周面を伝ってポンプハウジングの通路内に洩れるのを有効に防止できる。
【0012】
【実施例】
図2に示した往復動ポンプは、三つのシリンダ31を備えた三連式往復動ポンプであって、三つのポンプ要素2を往復駆動するクランク軸などの駆動部を内装した駆動部ハウジング1と、この駆動部ハウジング1の一側に、該駆動部ハウジングと一体に突設された四つの突出片1aを介して支持されるポンプハウジング3と、このポンプハウジング3のシリンダ31内で往復動するプランジャなどの前記ポンプ要素2と、これらポンプ要素2の往復駆動により開閉動作する弁体4と、その一端に弁体4が着座するシート面51をもった弁シート5とを備えている。
【0013】
図1に示した実施例の弁装置は、前記ポンプハウジング3と、円板状の吸込弁体4A及び吐出弁体4Bと、円筒状の吸込側弁シート5A及び吐出側弁シート5Bと、前記弁体4を前記弁シート5のシート面51に付勢する弁ばね6と、該弁ばね6を支持するばね受体7とを備え、前記弁シート5を前記ポンプハウジング3と別に形成している。
【0014】
また、図1,図2に示した前記ポンプハウジング3は、同一平面に沿って並列する三つのシリンダ31をもったハウジング本体3Aと、前記各シリンダ31の長さ方向一端部から径方向外方に延びる連通路32を介して前記各シリンダ31内と連通する吸込側通路33をもったハウジングヘッド3Bと、前記各シリンダ31の長さ方向一端から外方に延びる連通路34を介して前記各シリンダ31内と連通する吐出側通路35をもったハウジングヘッド3Cとから成り、前記ハウジング本体3Aとハウジングヘッド3Cとを、該ハウジングヘッド3Cの一側から前記駆動部ハウジング1の突出片1aへと複数本の取付ボルト10を螺締することにより結合すると同時に前記ハウジング本体3Aを駆動部ハウジング1の突出片1aに固定しており、また、前記ハウジングヘッド3Bを、該ハウジングヘッド3Bの下方側から前記ハウジング本体3Aへと複数本の取付ボルト11を螺締することにより前記ハウジング本体3Aに結合している。
【0015】
次に前記吐出側弁シート5Bのポンプハウジング3への取付けについて説明する。
【0016】
図1に示した第1実施例では、ポンプハウジング3における前記連通路34、換言すればポンプ要素2の往復駆動により液流が発生する液通路の液体出口側に、径方向外方に延び、弁シート5Bの他端に当接する当接面(以下係止面という)36と、該係止面36の外縁から前記吐出側通路35に向かって延びる環状段部37aをもった空間から成る弁シート嵌合部37とを設け、この弁シート嵌合部37の環状段部37aに前記吐出側弁シート5Bを嵌合して取付け、該弁シート5Bの他端、詳しくは反シート面側端面52を前記係止面36に当接させて、弁シート5Bが、シート面51側端面(一端)に作用する押圧力により前記連通路34方向に移動するのを係止する一方、前記弁シート5Bの径方向外側に、前記吐出側通路35の連通路34との連通部分に亘って延びるシリンダ嵌合部38を設けて、このシリンダ嵌合部38の嵌合内面38a、詳しくは弁シート5Bの外周面と対向する嵌合内面38aと前記弁シート5Bの外周面との間に、円筒形をなすゴム製の弾性締付リング8を、前記嵌合内面38a及び弁シート5B外周面と密接するように挿嵌して係止し、更に、前記リング嵌合部38の前記係止面36側(当接面側)に、前記弁シート嵌合部37の端縁から径方向外方に延びて嵌合内面38aに連なり、弾性締付リング8の一端に当接する阻止面(以下リング受止面という)39を設けて、前記弾性締付リング8が、該弾性締付リング8の他端、詳しくは反リング受止面側端面81に作用する押圧力により前記連通路34方向に移動するのを係止すると共に、前記リング嵌合部38における嵌合内面38aの長さ方向中間に、前記ハウジング本体3Aとハウジングヘッド3Bとの対向端面12を経て大気に開口する大気開放通路30を設け、前記リング嵌合部38に嵌合する弾性締付リング8の一端側外周部、詳しくは前記リング受止面39側外周部を前記大気開放通路30に連通させ、弾性締付リング8の他端、詳しくは反リング受止面側端面81を、前記ポンプ要素2の復動時においても高圧側となる吐出側通路35に連通させたのであり、弾性締付リング8は図1に示すように大気開放通路30の両側で嵌合内面38aと接触している。
【0017】
また、吸込側弁シート5Aのポンプハウジング3における通路への取付は、吐出側弁シート5Bの取付と基本的に同じであって、相違点は、前記係止面36と、前記弁シート嵌合部37と、リング受止面39とを、吸込側通路33をもった前記ハウジングヘッド3Bに形成して、弾性締付リング8の反リング受止面側端面81を、前記ポンプ要素2の往動時に高圧となる前記連通路32に連通させただけであるから、その詳細な説明を省略する。尚、この吸込側シート5Aの場合、前記ポンプ要素2の複動時、弁シート5Aには前記係止面36方向への押圧力が生じないから、前記弾性締付リング8を前記リング嵌合部38に嵌合するとき、該弾性締付リング8を径方向に弾性変形させて、その弾性復元力により前記吸込側弁シート5Aを締付け、該弁シート5Aのシリンダ31内方向への移動を防止するのである。
【0018】
また、図1〜図3に示した大気開放通路30は、前記ハウジング本体3Aとハウジングヘッド3B・3Cとの対向端面で、前記嵌合内面38aとの連続部を環状に面取りして形成している。
【0019】
また、前記弁シート5と、弁体4とはステンレスなどの金属材料或はセラミックスで形成するのであるが、その材料は特に制限されない。また、前記弾性締付リング8は、主として硬度70(HST)程度の合成ゴムで形成するのであるが、その材料は特に制限されない。
【0020】
尚、図1に示した実施例では、前記弁シート5のシート面51側外周に小径部53を設けて、この小径部53に、前記弾性締付リング8のリング受止面39と反対方向への移動を規制するストッパリング13と、前記ばね受体7とを嵌合している。また、このばね受体7は、一端に内向き鍔部をもち、外周部に複数個の窓孔をもった円筒状に形成して、その他端部を前記小径部53に嵌合し、中間円筒部で前記弁体4をガイドすると共に、前記鍔部と弁体4との間に前記弁ばね6を介在している。
【0021】
また、図2において、14は前記各シリンダ31内面と各ポンプ要素2外面との間をシールする断面V形パッキングをもったシール装置である。
【0022】
次に以上のごとく構成した実施例における弁装置の作動を説明する。
【0023】
図1,図2に示した往復動ポンプは、前記駆動部の駆動によりポンプ要素2が往復駆動すると、先ずその復動時に吐出弁体4Bが閉じると共に、吸入弁体4Aが開いて、水源の液体が、吸入管(図示せず)を介して吸込側通路33から弁シート5A内及び連通路32を経て各シリンダ31内に吸入され、また、前記ポンプ要素2の往動時に前記吸込弁体4Aが閉じると共に吐出弁体5Bが開いて、前記シリンダ31内の加圧された液体が各連通路34から弁シート5B内を経て吐出側通路35に吐出され、この吐出側通路35に開口する一つの送液口35aから送液管などに圧送されるのである。
【0024】
しかして、前記吐出側弁シート5Bは、反シート面側端面52を係止面36に当接させているため、前記ポンプ要素2の複動時、シリンダ31内が、吐出側通路35の圧力よりも低圧となり、弁シート5Bのシート面51側端面に押圧力が作用しても、前記弁シート5Bの移動を防止できるのである。
【0025】
また、前記リング嵌合部38における嵌合内面38aの長さ方向中間に、大気開放通路30を設け、前記弾性締付リング8のリング受止面39側外周部を前記大気開放通路30に連通させ、弾性締付リング8の反リング受止面側を吐出側通路35に連通させたから、ポンプ要素2の複動時、吐出側通路35と弾性締付リング8の大気開放通路30に連通するリング受止面側との間の圧力差により、弾性締付リング8の反リング受止面側外周部分を前記大気開放通路30に向かって弾性変形させて、この大気開放通路30に連通する嵌合内面38aに密着状に圧接させてシールすることができ、この反リング受止面側部分のシール状態で、前記押圧力により、弾性締付リング8を前記リング受止面39方向に押圧して、前記反リング受止面側部分を径方向に弾性変形させることができるのであり、そして、この径方向の弾性変形により、前記弁シート5Bを、その外周側から強く締付けることができるのである。また、弾性締付リング8の前記押圧力によるリング受止面39への押圧と、前記反リング受止面側部分の径方向への弾性変形とにより弾性締付リング8の両端側で良好にシールすることができるのである。
【0026】
また、ポンプ要素2の往動時には、前記弾性締付リング8の反リング受止面側端面81に作用する高圧圧力による押圧力により、弾性締付リング8の反リング受止面側部分を、前記したように大気開放通路30に連通する嵌合内面38aに圧接させてシールすることができると共に、シリンダ31内側の高圧圧力が前記係止面36及び弁シート嵌合部37と弁シート5Bとの間の僅少隙間を経て弾性締付リング8のリング受止面側端面82に作用して、このリング受止面側端面82側と大気開放通路30側との間の圧力差により、弾性締付リング8のリング受止面側外周部分を前記大気開放通路30に向かって弾性変形させて、この大気開放通路30に連通する嵌合内面38aに密着状に圧接させてシールすることができ、このリング受止面側部分を、反リング受止面側部分と同様に径方向に弾性変形させることができるのである。この結果、大気開放通路30を挾んで両側から大気に漏れるのを有効に防止できるのである。
【0027】
尚、前記弾性締付リング8による締付力は、前記ポンプ要素2が往動して弁体4Aが弁ばね6に抗して開き始めるとき、弁シート5Bの反シート面側端面52に作用する押圧力が、シート面51側端面に作用する押圧力よりも大きくなって、弁シート5Bが前記係止面36と反対方向に移動するのを防止することができる大きさの締付力となるようにするのである。詳しくは、前記弁ばね6のばね力が、0.1Kg/cm2に設定されている場合、前記弁体4Aに対しシリンダ31内側圧力P1が、吐出側通路35の圧力P2よりも前記ばね力0.1Kg/cm2に見合う圧力だけ高くなり、前記弁シート5Bを前記係止面36と反対方向に移動させる押圧力が作用することになるため、前記弾性締付リング8の押圧力を、前記(P1−P2)×弁シート5Bの反シート面側端面52の受圧面積(A)の押圧力よりも大きくなるようにするのである。
【0028】
又一方、前記吸込側弁シート5Aは、反シート面側端面52を係止面36に当接させているため、前記ポンプ要素2の往動時、シリンダ31内が、吸込側通路33の圧力よりも高圧となり、弁シート5Aのシート面51側端面に押圧力が作用しても、前記弁シート5Aの移動を防止できるのであり、また、シリンダ31内と弾性締付リング8の大気開放通路30に連通するリング受止面側との間の圧力差により、弾性締付リング8の反リング受止面側外周部分を前記大気開放通路30に向かって弾性変形させて、この大気開放通路30に連通する嵌合内面38aに密着状に圧接させてシールすることができると共に、この反リング受止面側部分のシール状態で、前記押圧力により、弾性締付リング8を前記リング受止面39に押圧して、このリング受止面39部分をシールすることができるから、ポンプ要素2の往動時における弁シート取付部分からの洩れを防止できるのである。また、前記ポンプ要素2の複動時には、弁シート5Aを前記係止面36方向に押圧する押圧力は生じないが、弾性締付リング8の前記リング嵌合部38への嵌合時における弾性変形の弾性復元力により弁シート5Aを締付けることができるので、該弁シート5Aのシリンダ31内方向への移動を防止できると共に、洩れを防止できるのである。
【0029】
以上のように弾性締付リング8を、高圧圧力による押圧力により径方向に弾性変形させて弁シート5を、その外周側から締付けて取付けるから、弁シート5の寸法誤差などに影響されることなく弁シート5を、ガタ付きなく強く取付けることができるのであり、しかも、弁シート5を取付けるために該弁シートなどを高精度に加工しなくともよいから、加工性を高めることができ、コストを低減できると共に、弁シート取付部からの洩れを防止できるのであり、また、この弁シート5は、取付ボルトの締込みで挾着固定することなく、弾性締付リング8の弾性変形による締付力で取付けるから、弁シート5が過剰に締込まれるようなことがないのである。このため、前記弁シート5をセラミックスで形成したとしても、該弁シート5が取付時の力で割れたりすることがないのである。
【0030】
次に図3に示した第2実施例について説明する。
【0031】
図3に示したものは、前記弾性締付リング8の両端側に、中間部外面に対し径方向外方に向かって膨出し、前記リング嵌合部38との面圧が大きくなる環状膨出部83,84を設けて、これら環状膨出部83,84間を前記大気開放通路30に連通させたものであって、基本的には図1,図2に示したものと同じであるため、共通点についての説明は省略する。
【0032】
斯く構成することにより、弾性締付リング8を、各膨出部83,84部分で弾性変形させ易くできるから、前記したように弾性締付リング8の両端側外周部を大気開放通路30に連通する嵌合内面38aに圧接する場合、各膨出部83,84を嵌合内面38aに密着させ易い上、前記押圧力により一方側膨出部83を径方向に弾性変形させることができるだけでなく、他方側膨出部84をも径方向に弾性変形させることができて、これら膨出部83,84の面圧を、前記膨出部83,84を設けない場合に比べて大きくできるのであり、この結果、大気開放通路30を挾んで両側から大気に漏れるのをより一層有効に防止できると共に、弾性締付リング8による弁シート5の保持力を増大できるのである。
【0033】
また、図4に示した第3実施例では、前記弾性締付リング8を、二つのリング部材8A,8Bにより形成し、前記リング嵌合部38におけるリング部材8A,8B間を前記大気開放通路30に連通させると共に、前記各リング部材8A,8B間に環状のスペーサ15を介装したものであって、基本的には図1,図2に示したものと同じであるため、共通点についての説明は省略する。尚、前記リング部材8A,8Bは、断面O形に形成しているが、その他例えば断面四角形に形成してもよい。また、前記スペーサ15には、外周面と内周面とに環状溝を設けると共に、これら環状溝部分から径方向に貫通する複数個の孔を周方向に所定間隔を置いて設けている。
【0034】
この第3実施例によると、前記二つのリング部材8A,8Bを、外周側だけでなく、内周側をも大気開放通路30に向かって弾性変形させて、大気開放通路30に連通する嵌合内面38aと、弁シート5の外周面とに密接状に圧接させることができ、この結果、リング嵌合部38から大気に漏れるのを防止できるだけでなく、弁シート5の外周面を伝って例えば吐出側通路35からシリンダ31内に洩れたり、シリンダ31内から吸込側通路33に洩れたりするのを有効に防止できるのである。
【0035】
また、以上説明した実施例では、前記リング嵌合部38における嵌合内面38aの長さ方向中間に、前記ハウジング本体3Aとハウジングヘッド3B・3Cとの対向端面を経て大気に開口する大気開放通路30を設けたが、その他、この大気開放通路30は、図5に示すようにポンプハウジング3を、前記リング嵌合部38から径方向外方に貫通する貫通孔に連通させてもよい。この場合、前記ハウジング本体3Aとハウジングヘッド3B・3Cとは、前記弁シート取付部位でない位置で結合する構造に形成するのである。また、大気開放通路30は、図1〜図3に示すように前記ハウジング本体3Aとハウジングヘッド3B・3Cとの対向端面で、前記嵌合内面38aとの連続部を環状に面取りして形成する他、面取りすることなく前記対向端面の前記嵌合内面38aとの連通部を大気開放通路としてもよいし、又、図4のように前記した面取りをすることなく弾性締付リング8の膨出部83,84間の環状凹入部を大気開放通路としてもよい。
【0036】
また、以上説明した実施例では、環状段部37aをもった弁シート嵌合部37を形成したが、前記環状段部37aは必ずしも必要でない。
【0037】
また、図3〜図5に示した実施例は、吸込側弁シートの取付けに適用してもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、弾性締付リングに加わる圧力により、該弾性締付リングを前記阻止面方向に押圧して、他端側外周部分を径方向に弾性変形させることができ、この径方向への弾性変形により、弁シートを、その外周側から強く締付けることができるため、弁シートの寸法誤差などに影響されることなく弁シートを、ガタ付きなく強く取付けることができる。しかも、弁シートを取付けるために該弁シートなどを高精度に加工しなくともよいから、加工性を高めることができ、コストを低減できるのであり、その上、弾性締付リングの前記阻止面への押圧と、径方向への弾性変形とにより、弁シート取付部を良好にシールすることができ、大気への洩れを防止できる。
【0039】
また、弁シートが過剰に締め込まれるようなことがないため、弁シートをセラミックスで形成したとしても、該弁シートが取付時の力で割れたりするのを防止できる。
【0040】
また、請求項2記載の発明によれば、弾性締付リングの他端側の環状膨出部を嵌合内面に密接状に圧接させてシールすることができる上、弾性締付リングの一端側の環状膨出部を嵌合内面に密着状に圧接させてシールすることができ、更に、弾性締付リングを、各環状膨出部部分で弾性変形させ易くでき、径方向に弾性変形させた場合の面圧を、環状膨出部を設けない場合に較べて大きくできるのであり、この結果、大気開放通路を挾んで両側から大気に漏れるのをより一層有効に防止でき、弾性締付リングによる弁シートの保持力を増大できる。
【0041】
また、請求項3記載の発明によれば、二つのリング部材を大気開放通路に連通する嵌合内面と、弁シートの外周面とに密接状に圧接させることができるため、大気に漏れるのを防止できるだけでなく、弁シートの外周面を伝ってポンプハウジングの通路内に洩れるのを有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の往復動ポンプにおける要部のみの拡大断面図である。
【図2】 本発明の往復動ポンプの一部を省略した部分縦断側面図である。
【図3】 本発明の往復動ポンプの別の実施例を示す拡大断面図である。
【図4】 本発明の往復動ポンプの別の実施例を示す拡大断面図である。
【図5】 本発明の往復動ポンプの更に別の実施例を示す拡大断面図である。
【図6】 従来例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
2 ポンプ要素
3 ポンプハウジング
30 大気開放通路
36 係止面
37 弁シート嵌合部
38 リング嵌合部
38a 嵌合内面
39 リング受止面
4 弁体
5 弁シート
51 シート面
8 弾性締付リング
83,84 環状膨出部
8A,8B リング部材
15 スペーサ

Claims (3)

  1. ポンプ要素の往復駆動により開閉動作する弁体と、該弁体がその一端に着座する円筒形の弁シートと、
    前記ポンプ要素の往復駆動により液流が発生する液通路と、前記弁シートの他端に当接する当接面及び前記弁シートの外周面と対向する嵌合内面とを有し、前記ポンプ要素及び前記弁シートを支持するポンプハウジングと、
    前記弁シートの外周面及び前記嵌合内面に嵌合される弾性締付リングとを備える往復動ポンプにおいて、
    前記ポンプハウジングは、前記当接面及び前記嵌合内面に連なり、前記弾性締付リングの移動を阻止する阻止面と、前記嵌合内面に開放された大気開放通路とを有しており、
    前記弾性締付リングは前記大気開放通路の両側で前記嵌合内面と接触し、一端が前記阻止面に当接する円筒形をなしている
    ことを特徴とする往復動ポンプ。
  2. 前記弾性締付リングは、両端部から径方向外方膨出する環状膨出部を有する請求項1記載の往復動ポンプ。
  3. ポンプ要素の往復駆動により開閉動作する弁体と、
    該弁体がその一端に着座する円筒形の弁シートと、
    前記ポンプ要素の往復駆動により液流が発生する液通路と、前記弁シートの他端に当接する当接面及び前記弁シートの外周面と対向する嵌合内面とを有し、前記ポンプ要素及び前記弁シートを支持するポンプハウジングと、
    前記弁シートの外周面及び前記嵌合内面に嵌合される弾性締付リングとを備える往復動ポンプにおいて、
    前記ポンプハウジングは、前記当接面及び前記嵌合内面に連なり、前記弾性締付リングの移動を阻止する阻止面と、前記嵌合内面に開放された大気開放通路とを有しており、
    前記弾性締付リングは前記大気開放通路の両側で前記嵌合内面と接触する二つのリング部材からなり、該リング部材間にスペーサを配置してある
    ことを特徴とする往復動ポンプ。
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