JP3661280B2 - 温度式膨張弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクル内を循環する冷媒の循環量を制御する温度式膨張弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
温度式膨張弁は、周知のごとく、蒸発器出口側の温度を感知する感温筒内のガス圧を第1圧力室に導入するとともに、蒸発器内の圧力を第2圧力室に導入し、両圧力室の圧力差が蒸発器出口での冷媒の加熱度に応じて変化することを利用して絞り通路の開度を調節するものである。
【0003】
つまり、温度式膨張弁は、過熱度が大きいときは、冷房負荷(熱負荷)が大きいので、絞り通路の開度を大きくし、また、加熱度が小さいときは、冷房負荷が小さいので、絞り通路の開度を小さくすることにより、冷凍サイクルの冷房能力を制御するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、加熱度の変化に対して絞り通路の開度は線形的に変化し、かつ、冷媒の循環量の変化量に対する冷凍能力の変化量が大きいので、特に冷房負荷が小さいときには、絞り通路が頻繁に開閉されるという、いわゆるハンチング現象が発生する。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、ハンチング現象の発生を防止することができる温度式膨張弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1に記載の発明では、圧力応動部材(49)の変位と両圧力室(50、51)の圧力差によって弁作動部材(47)に及ぼす荷重との関係を示す圧力応動部材(49)の特性線(DL)が、加熱度が大きくなるに従って密から粗に変化するように設定されており、圧力応動部材(49)の変位と弾性部材(46)の弾性力との関係を示す弾性部材(46)の特性線(SL)が、圧力応動部材(49)の正方向から負方向の変位に対して圧力応動部材(49)の特性線(DL)の密なる領域から粗なる領域にかけて延びるように設定されており、弁体(44)が絞り通路(43)を開き始めた時に、圧力応動部材(49)の変位が中立状態より正方向に所定量変位しているように弁作動部材(47)の長さが設定されていることを特徴とする。
【0007】
この特徴により、過熱度に対する圧力応動部材(49)の変位は、過熱度が大きくなるほど、過熱度の変化量に対する圧力応動部材(49)の変位の変化量が大きくなるように非線形的に変化することになる。これにより、冷房負荷の小さい状態では、過熱度の変化量に対して圧力応動部材(49)の変位の変化量が小さくなるので、絞り通路(43)が頻繁に開閉することを防止することができる。つまり、ハンチング現象を防止することができる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(実施形態)
図1は、本発明を自動車空調用冷凍サイクルの温度式膨張弁(以下、膨張弁と略す。)に適用した実施形態を例示するもので、冷凍サイクルは、自動車エンジンにより駆動される圧縮機1、この圧縮機1から吐出されたガス冷媒を冷却、凝縮する凝縮器2、この凝縮器2からの冷媒を溜めて、冷媒の気液を分離し、液冷媒のみを導出する受液器3、本発明による膨張弁4、およびこの温度式膨張弁4で減圧、膨張した低温低圧の気液2相冷媒を蒸発させる蒸発器5とから構成されている。
【0009】
次に、膨張弁4について詳述すると、40はアルミニュウム等の金属で成形された弁ハウジングで、受液器3からの液冷媒が導入される円筒状の冷媒入口41、および蒸発器5の入口側に連通する円筒状の冷媒出口42を有している。そして、この冷媒入口41と冷媒出口42との間に、冷媒を減圧する絞り通路43が設けられており、この絞り通路43の開度は球状の金属製弁体44により調整できるようになっている。
【0010】
球状の弁体44は図1の上下方向に移動可能なもので、その下側にはスプリング受け座45が配設されており、この受け座45にコイルバネ(弾性部材)46の一端が当接し、支持されている。このコイルバネ46の他端は、円筒状の冷媒入口41の内壁面にねじ止めにより移動可能に装着された取付荷重調整板(図示せず)に当接し、支持されている。
【0011】
球状の弁体44の図1の上側には、金属製の弁作動棒(弁作動部材)47の一端が溶接等により接合されており、この弁作動棒47の他端はストッパー部材48に当接している。このストッパー部材48はダイヤフラム(圧力応動部材)49に常時当接して、ダイヤフラム49の変位を弁作動棒47に伝達するものである。
【0012】
ダイヤフラム49の上下には、第1、第2圧力室50、51が形成されており、第1圧力室50にはキャピラリチューブ52を介して、蒸発器5出口の冷媒温度を感知する感温筒53が連通しており、この感温筒53内のガス圧力(蒸発器5出口の冷媒温度に応じたガス飽和圧力)が第1圧力室50に導入されるようになっている。
【0013】
また、第2圧力室51には、弁ハウジング40に開けられた連通穴(内部均圧通路)54を通して、絞り通路43下流の低圧側冷媒圧力が導入されるようになっている。
上記第1、第2圧力室50、51は、ダイヤフラム49と、受け部材55および蓋部材56とのサンドウイッチ構造により構成されており、このサンドウイッチ構造にて、膨張弁4のエレメント部4Aが構成される。なお、本実施形態では、ダイヤフラム49の外縁部に、図1、4に示すように、波形状の折曲部が形成されているが、これは、ダイヤフラム49の機械的強度を低下させることなく、ダイヤフラム49を撓み易くするため(剛性を小さくするため)の形状である。したがって、後述するように、ダイヤフラム49に折曲部を形成せず、単純な円盤形状としてもよい。
【0014】
次に、膨張弁4の作動および特徴について述べる。
図2の複数本の曲線(以下、ダイヤフラム特性線DLと呼ぶ。)は、加熱度をパラメータとして、ダイヤフラム49の変位と両圧力室50、51の圧力差によって弁作動部材47に及ぼす荷重との関係を示しており、直線(ばね特性線SLと呼ぶ。)は、コイルバネ46の弾性力(荷重)と変形量との関係を示している。
【0015】
なお、ダイヤフラム特性線DLは、第1圧力室50内の冷媒の飽和蒸気密度、冷媒の温度およびダイヤフラム49の剛性によって決定するものである。すなわち、複数本のダイヤフラム特性線DLのうち、紙面上方側の曲線ほど過熱度が大きい。また、図2中、ダイヤフラム49の正(+)方向の変位とは、第1圧力室50の体積が縮小する方向(紙面上方)、つまり、絞り通路43の開度を小さくする方向の変位をいい、変位0の状態を中立状態と呼ぶ(図4の49’の状態)。
【0016】
ところで、上述の説明からも明らかなように、弁体44には、両圧力室50、51の圧力差による圧力荷重(圧力差とダイヤフラムの面積との積)F1 と、これと対抗する向きにコイルバネ46の弾性力F2 が作用しているので、弁体44は、両者F1 、F2 とが釣り合う位置、すなわちダイヤフラム特性線DLと、ばね特性線SLとの交点で停止する。
【0017】
つまり、膨張弁4は、両圧力室50、51の圧力差を機械的に検出することにより、蒸発器4の出口側での過熱度を検出し、後述するように、この圧力差を弁体44に直接作用させて絞り通路43の開度を調節するものである。そこで、例えばコイルバネ46のばね定数kを1kgf/mmとし、ダイヤフラム49が+0.5mm変位した状態でコイルバネ46の弾性力F2 が13kgfとなるように設定した場合(以下、この状態での弾性力F2 を初期設定値と呼ぶ。)、蒸発器5の出口での冷媒の過熱度に対するダイヤフラム49の変位(弁体44のリフト量)は、図3に示すように、過熱度が大きくなるほど、過熱度の変化量に対するダイヤフラム49の変位の変化量が大きくなるように非線形的に変化する。
【0018】
したがって、絞り通路43が開き始めた時に、ダイヤフラム49の変位が中立状態より正方向に所定量変位しているように弁作動棒47の長さを選定することにより、絞り通路43の開き始めでは、過熱度の変化量に対するダイヤフラム49の変位の変化量は小さくなる。ところで、膨張弁4は、従来の技術の欄で述べたように、過熱度に応じて絞り通路43の開度を調節するものであるから、冷房負荷の小さい状態は、絞り通路43の開き始めに相当する。したがって、冷房負荷の小さい状態では、過熱度の変化量に対してダイヤフラム49の変位の変化量が小さくなるので、絞り通路43が頻繁に開閉することを防止することができる。延いては、ハンチング現象を防止することができる。
【0019】
以上に述べたように、本発明は、コイルバネ46のばね定数kおよび初期設定値を適切に選定することにより、過熱度に対する弁体4を非線形的に変位(リフト)させてハンチング現象を防止するものであるので、例えば特公昭52−32117号公報に記載のように、ハンチング現象を防止するために弁体をテーパー状に加工したり、補助バネ等を用いる必要がない。したがって、部品点数が増加しないので、膨張弁4の製造原価上昇を防止しつつ、ハンチング現象を防止することができる。
【0020】
ところで、本発明は、上述のように、コイルバネ46のばね定数kおよび初期設定値を適切に選定することにより、ハンチング現象を防止するものであるから、ダイヤフラム49の形状には影響されない。したがって、図5に示すように、単純な円盤状のダイヤフラムを用いても本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す膨張弁の半断面正面図と冷凍サイクル図とを組み合わせた図である。
【図2】ダイヤフラム特性線DLおよびばね特性線SLを示すグラフである。
【図3】過熱度とダイヤフラムの変位量との関係を示すグラフである。
【図4】エレメント部(A部)の拡大図である。
【図5】ダイヤフラムの変形例を示すエレメント部(A部)の拡大図である。
【符号の説明】
4A…エレメント部、43…絞り通路、44…弁体、
46…コイルバネ(弾性部材)、47…弁作動棒(弁作動部材)、
49…ダイヤフラム(圧力応動部材)、50…第1圧力室、
51…第2圧力室。
Claims (1)
- 冷凍サイクルの蒸発器(5)出口における冷媒の過熱度に応答して、高圧側冷媒を減圧し、膨張させる温度式膨張弁であって、
ハウジング(40)と、
前記ハウジング(40)に設けられ、前記高圧側冷媒を減圧し膨張させる絞り通路(43)と、
前記ハウジング(40)に設けられ、前記絞り通路(43)の開度を調整する弁体(44)と、
前記蒸発器(5)出口側の冷媒温度に応じて内圧が変化する第1圧力室(50)、および前記蒸発器(5)内の圧力が導入される第2圧力室(51)が形成されたエレメント部(4A)と、
前記エレメント部(4A)内に設けられ、前記両圧力室(50、51)の圧力差に応じて変位する圧力応動部材(49)と、
前記圧力応動部材(49)の変位に連動して前記弁体(44)を作動させる弁作動部材(47)と、
前記第1圧力室(50)内の圧力が前記弁作動部材(47)を介して前記弁体(44)に及ぼす作動力に対抗する弾性力を発生する弾性部材(46)とを備え、
前記圧力応動部材(49)は、変位しない状態を中立状態とし前記第1圧力室(50)の体積が縮小する方向を正方向として変位するようになっており、
前記圧力応動部材(49)の変位と前記両圧力室(50、51)の圧力差によって前記弁作動部材(47)に及ぼす荷重との関係を示す前記圧力応動部材(49)の特性線(DL)が、前記加熱度が大きくなるに従って密から粗に変化するように設定されており、
前記圧力応動部材(49)の変位と前記弾性部材(46)の弾性力との関係を示す前記弾性部材(46)の特性線(SL)が、前記圧力応動部材(49)の正方向から負方向の変位に対して前記圧力応動部材(49)の特性線(DL)の密なる領域から粗なる領域にかけて延びるように設定されており、
前記弁体(44)が前記絞り通路(43)を開き始めた時に、前記圧力応動部材(49)の変位が中立状態より正方向に所定量変位しているように前記弁作動部材(47)の長さが設定されていることを特徴とする温度式膨張弁。
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