JP3660990B2 - 光空間伝搬特性の評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光空間通信における通信品質を改善するための光空間伝搬特性の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
隣接したビル間での通信に光空間通信が行われることがある。この通信では、一般に、変調されたレーザ光線などの光信号を発する送信器と、その光信号を受ける受信器とが用いられる。これらの送信器と受信器の間は、大気の空気や大気に含まれる水蒸気などの透明なガス体や、ガラスなどの透明な板材、あるいは光信号を反射する鏡などが設置される。
【0003】
この通信方法の利点は、簡単な設備を導入するだけで、高速の通信路を実現できることにある。しかし、見とおしの利く遠距離に有る地点間の通信では、この通信方法は、いくつかの欠点を備えている。
【0004】
たとえば、送信器は通常ビルなどに固定されるが、ビルの揺れがあるため、送信器も揺れることになり、それから送信される光ビームも微小な揺れを伴っている。この揺れは、より遠距離の光空間通信に適した高層ビルなどでより顕著になる。一般に、物体の運動成分は、平行移動成分と、回転運動成分に分けられる。送信器の揺れにおいては、揺れの平行移動成分は、距離の依存性を持たないが、回転運動成分は、通信距離が長くなるほど増大する。このため、遠距離の光空間通信では受光器に光が入射しないこともありうる。これを避けるためには、光ビームの発射角度を大きくすることも行われるが、この方法では、波面の乱れた光信号を受光することになり、通信速度の限界が低くなってしまう。
【0005】
また、光空間通信の光路は、空気や水蒸気などの透明なガス体に設けられるが、その光路が長距離になると、時間的にあるいは空間的に変動する空気や水蒸気の密度変化の影響を多く受ける。空気の密度変化は、光路の温度変化や風によって起こる。また、水蒸気の密度変化は、光路の置かれた環境変化による。このような光路の変動は、乱雑であることが知られている。
【0006】
光空間通信において、送信機から受信機へ向けて発射された光ビームは、気流等による大気の屈折率分布の変化により、図1に示す様にその進行方向が変化する。このような現象はビームベンディング、あるいは受信位置におけるビームスポットの動きに着目してスポットダンシングなどと呼ばれる。
【0007】
伝搬距離が数kmの場合、ビーム到達位置の変動は数mにも及ぶことがあり、光ビーム径が小さいと受信機の視野から外れ、受信不能となることがある。
【0008】
そのため、送信機側でビームの発射角度を大きくすることも行われるが、この方法では受光効率が小さくなってしまうため、通信速度を高めることができない。
【0009】
スポットダンシングのもう一つの対処方法として、送受信機に追尾機能を持たせることも行われている。この場合は、受信機側でビームの最適位置からのずれを何らかの方法で検出し、そのずれをキャンセルするように送信機側でビームの向きを変化させる。
【0010】
スポットダンシングの特性(揺れの振幅、方向、周波数スペクトル)は、上に述べたような追尾機能の設計を行う上で重要な情報になる。
【0011】
このように、光空間通信は、ビルの揺れや、光路の環境変化により影響を受ける、という欠点があるが、これらを簡単に評価する方法は、これまで提案されていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
スポットダンシングは、大気伝搬後の光ビームをスクリーンに当てることにより、図2に示す様に、カメラなどで観察することができる。しかし、この場合のスクリーン上のスポットの動きは、大気の揺らぎによるものと、ビルあるいは送信機自体の揺れによるものとが重なったものである。従って、大気揺らぎのみの影響の大きさを知ることができない。
【0013】
大気の影響とビルの揺れの影響を切り分けることができれば便利なことも多い。例えば、ビルあるいは送信機自体の揺れの影響が大きいことが分かれば、送信機の設置場所あるいは設置方法を工夫することができる。大気の影響が大きければ、その特性に従った、より普遍性の高い追尾機能の設計が可能となる。
【0014】
上記の様に、光空間通信は、ビルの揺れや、光路の環境変化により影響を受ける、という欠点があるが、これらを簡単に評価する方法は、これまで提案されていなかった。
【0015】
この発明は上記に鑑み提案されたもので、簡単な設備で、送信器の揺れと、光路の変化とを同時に評価するできるすることができる光空間伝搬特性の評価方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における第1の発明は、光空間伝搬特性の評価方法に関しており、複数の光ビームを発射するステップと、第1の目標点と第2の目標点においてその光ビームを受光し、その光ビームの第1の目標点と第2の目標点における空間的位置の時間的変動を読み取るステップと、光源から第1の目標点に至る第1距離と光源から第2の目標点に至る第2距離とを用いて上記の光ビームの空間的位置の時間的変動を規格化するステップと、第1の目標点における光ビームの規格化された空間的位置と、第2の目標点における光ビームの規格化された空間的位置との差を導くステップと、その導かれた空間的位置の時間的変動についての周波数スペクトルを求めるステップとを含むことを特徴としている。
【0017】
また、本発明における第2の発明は、光ビームの光源の揺れの成分を解析しやすくするために、上記した第1の発明に加えて、上記の複数の光ビームのうちの少なくとも2つの光ビームは、お互いに逆向きに進む光ビームであることを特徴としている。
【0018】
また、本発明における第3の発明は、接近した光路においては、光空間伝搬特性が同じであることを観測するために、上記した第1の発明に加えて、上記の複数の光ビームのうちの少なくとも2つの光ビームは、平行であることを特徴としている。
【0019】
また、本発明における第4の発明は、光ビームの光源の揺れの成分を解析しやすくするために、上記の複数の光ビームのうちの少なくとも2つの光ビームは、同一の台座に固定された光源から発射されたものであることを特徴としている。
【0020】
また、本発明における第5の発明は、それぞれの目標点における光ビームの揺れが受光器の受光体のみでは捉えらないほど大きい場合でも受光することができる様にするために、上記した第1ないし第4のいずれかの発明に加えて、上記の光ビームを受光する構成は、それぞれの光ビームを、光散乱体によって散乱させ、その散乱された光を結像系を用いて結像させ、その結像させた光を受光する構成であることを特徴であることを特徴としている。
【0021】
また、本発明における第6の発明は、平均消費電力の小さい光源でも容易に評価できるようにするために、上記した第1ないし第5のいずれかの発明に加えて、少なくともひとつの光ビームは、パルス状の光ビームであることを特徴としている。
【0022】
また、本発明における第7の発明は、背景雑音となる光の強度が大きい場合でも評価できる様にするために、上記した第6の発明に加えて、上記のパルス状の光ビームを受光する受光器は、パルス状の光ビームに同期して動作することを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同様のもの、あるいは同様の機能をもつものには、同じ符号を付して説明する。
【0024】
まず、スポットダンシングの周波数スペクトル測定においてビルの揺れの周波数成分を除去する原理を説明する。ここで説明する方法によれば、図3に示す様に、2本の光ビームを用いて、図3のA、BおよびCの3点を含む地域の大気におけるスポットダンシングの特性を知ることができる。
【0025】
まず、A点からBに向けたA−B光ビームおよびA点からCに向けたA−C光ビームの2本の光ビームを発射する。ここで、A点における二つの光源は、十分に高い剛性を持った台座の上に強固に固定されており、また台座はビルに固定されているものとする。
【0026】
より具体的には図4に示す構成となる。図4は、ビル(ビルディング)30の屋上に設置したレーザ光源1−1から発射された光ビームは光路11をたどって、2次元の光検出器をもった受光器2−1に入射し、受光器からの光ビームの位置情報は、図には記載されないデータ処理装置へ送られる。また、同様に、レーザ光源1−2から発射された光ビームは光路12をたどって、2次元の光検出器をもった受光器2−2に入射し、受光器からの光ビームの位置情報は、図には記載されないデータ処理装置へ送られる。ここで、レーザ光源1−1あるいは1−2の光は、近赤外光で有ることが望ましい。これは、光空間通信で用いられる光が、多くは、近赤外光で有るためである。しかし、近赤外光を見るには、それに応じた眼視装置が必要になることから、補助的には、赤色光を用いてもよい。
【0027】
この場合、A点におけるビルの揺れが、A−C光ビームのスポットダンシングへ及ぼす影響とA−B光ビームのスポットダンシングへ及ぼす影響とは、同様であると考えられる。つまり、例えば、天から見てA点のビルの重心を中心としてこれが右にねじれれば、B、C点においてビームスポットは同様に天から見て右へ移動する。ただし、その移動量は、B、C点のA点からの距離に比例する。光ビームの発射方向と垂直に立てたスクリーン上におけるビームスポットの動きの(水平方向成分、垂直方向成分)を、B、C両点において、それぞれ(x1,y1)、(x2, y2)とおく。上述したように、(x1, y1)と(x2,y2)とは、強い相関を持ったビルの揺れ成分を持っているため、ビームの伝搬距離とビルの位置関係によって決まる係数を掛けて減算を行うことにより、スポットダンシングの観測データから、天から見て左右にねじれる事によるビルの揺れによる成分を除去することが可能となるが、これを以下により詳しく説明する。
【0028】
ここで、ビルの揺れとビームスポットとの動きとの一般的な関係を記述するため、図5のようにa、b、c直角座標系を用いて、ビルの動きを表現する。ここで、A−B光ビームの向きは、a軸と平行であるものとする。また、A−B光ビームの伝搬距離をl1とする。ビルの揺れによる光源の動きは、力学の原理に従って、6つの自由度、つまり、a、b、c軸方向の平行移動と各軸を回る回転θ、φ、ρとにより全てを表現することができる。ここで、時間tと光源の動きを示す座標点(a、b、c、θ、φ、ρ)とを用いて、ビームスポットの動きを、下のように関数f1、g1、f2、g2により表現する。
【0029】
【数1】
Figure 0003660990
【0030】
【数2】
Figure 0003660990
【0031】
ここで、f1を(a, b, c,θ,φ,ρ, t)=(0, 0, 0, 0, 0, 0, t)の点を中心に変数a, b, c,θ,φ, ρでテーラ展開すると、次のようになる。
【0032】
【数3】
Figure 0003660990
ただしDは、数4で定義されるオペレータである。
【0033】
【数4】
Figure 0003660990
【0034】
数3において、1次以上の項がスポットダンシングにおけるビルの揺れ成分を表現している。2次以上の項の影響は、1次の項に比べ一般に小さいため、ここでは無視するものとする。蜃気楼のような特殊な大気状態でない限り、このような近似は妥当であると考えられる。この時、数3は、数5のようになる。
【0035】
【数5】
Figure 0003660990
座標系におけるAB両点の幾何学的位置関係から、数6が導かれる。
【0036】
【数6】
Figure 0003660990
数6を数5に代入することにより、関数f1について数7の近似式が導かれる。
【0037】
【数7】
Figure 0003660990
また、g1についても上記と同様の近似を行うことにより、数8が求められる。
【0038】
【数8】
Figure 0003660990
【0039】
図3のC点におけるビームスポットの関数(数2)と取り扱いは、A、BおよびC点の位置関係により異なる。以下、
(1)光ビームを反対の向きに発射する場合、
(2)光ビームを同じ向きに発射する場合、
(3)光ビームが平行でない場合、
について、3つの場合に分けて数2の近似表現と、ビルの揺れ成分の除去方法について述べる。
【0040】
(1)光ビームを反対の向きに発射する場合
【0041】
図6に示すように、C点への光ビームがB点へのビームと平行かつ反対の向きである場合を考える。このとき、上と同様の議論から、数2は数9、数10で近似できる。
【0042】
【数9】
Figure 0003660990
【0043】
【数10】
Figure 0003660990
【0044】
上記の数7から数10において、ビルの揺れ成分はl1、l2を含む項が主要なものとなる。これは、ビルのわずかなねじれに対しても、それが到達点において増幅され、ビームスポットが大きく動いてしまうためである。ビルの水平方向の揺れ成分b、cは、通常の場合数mm以下の小さな動きであり、実際上問題とならない。従って、数11、数12のx、yを求めることにより、ビルのねじれによる揺れ成分を除去できることがわかる。
【0045】
【数11】
Figure 0003660990
【0046】
【数12】
Figure 0003660990
【0047】
ここで、A、BおよびC点を含む地域の大気におけるスポットダンシングの周波数スペクトルを求める場合は、A−B間とA−C間とに大気変動の周波数スペクトルに関する特徴差が無いことを仮定できるので、f1、f2間およびg1、g2間にスペクトル上の特徴差は無いものと考えられる。よって、数11、数12のような線形演算を行ってもスペクトルの特徴が失われることはない。従って、数11、数12のx、yに対してフーリエ変換(例えば高速フーリエ変換;FFT)を行うことにより、ビルの揺れの主要成分を除去したスポットダンシングの周波数スペクトルを求めることができる。
【0048】
(2)光ビームを同じ向きに発射する場合
【0049】
上記の(1)では、A−B間およびA−C間に大気変動の特徴差が無いことを仮定していた。しかし例えば、A−B間の光ビームのみが川をまたぐような場合、A−B間とA−C間とで周波数スペクトル上の特徴差が生ずることが考えられ、数11、数12のような演算を行うと、スペクトルの分布が変化してしまう。
【0050】
このような場合は、図7に示す様にA−B間に2本のビームをある程度の距離を離して平行に発射して、上記と同様の測定を行うことができる。このとき、x1、x2、およびy1、y2は同じビルの揺れ成分を持つため、減算により数13を求める。
【0051】
【数13】
Figure 0003660990
【0052】
【数14】
Figure 0003660990
【0053】
ただし、この方法を用いる場合、2本のビームの間の距離に十分注意を払う必要がある。例えば、ビーム間の距離が1mであった場合、1m以上の長さを単位にするような大きさよりも小さい(つまり空間周波数が1m以下の)大気揺らぎに対しては、2本のビームが同様に揺れるため、数13、数14のような減算を行うと、その揺らぎ成分がキャンセルされてしまう。この場合は、B点とC点とを、数メートル以上離間させることが望ましい。この測定方法の利点は、B点における2つのビームスポットが近いため、1つのカメラで2つのスポットを同時に観察することができ、測定が簡単に行えることである。
【0054】
(3)光ビームが平行でない場合
【0055】
上記の(2)に述べた測定方法では、2本のビーム間の距離は、大気の揺らぎの空間周波数よりも大きく取る必要があるという欠点があった。
【0056】
しかし、図8に示す様に、2本の光ビーム間に角度を持たせて測定を行うことにより、この欠点を軽減することができる。ただしこの方法では、A−C光ビームがビルのねじれθの影響を受けるため、2本の光ビーム間の角度が直角に直角に近づくにつれ、θのねじれ成分による誤差が大きくなってしまう。そのため、光ビーム間の角度については、この角度による誤差が十分小さくなるように、B、C点の配置を十分に接近させることが望ましい。
【0057】
また、A−B光ビームとA−C光ビームとを近接してほぼ平行に配置することによって、光空間伝搬特性は、近接した光路においては、同じ特性を持つことを確認することができる。同じことであるが、近接した光路であるにも拘わらず、異なる光空間伝搬特性を持つ場合は、何らかの異常があるものとして、光空間伝搬特性の解析を中断して、むだを省くことができる。
【0058】
さらにまた、受光器の位置におけるビームの揺れが大きく、受光器のみでは、受光できない場合には、図9に示す様に、光ビームを一旦、光散乱体でできたスクリーンに照射し、散乱された光を結像系と2次元の光検出器をもった受光器3で電気信号に変換する。この方法により、ビームの揺れが大きい場合でも、その位置情報を得ることは容易である。
【0059】
また、この方法では、光ビーム11には、強度の大きい光源が必要になるが、その平均強度を抑制したい場合は、繰り返し発振周波数の高いレーザ光源を用いる。この際、図10に示す構成により、受光系をそのパルスに同期させることによって、微弱な光でも、その位置情報を得る事ができる。
【0060】
図10に示す受光系では、光ビーム12を分岐器20を用いて分岐し、一方の光から光検出器23によりパルス信号を復元し、この信号から、同期信号発生部24において、同期信号を生成する。この同期信号は、受光器21を間歇動作させるかあるいは信号処理部を用いて同期検出を行う事により、微弱な光信号でもその位置情報を得る事ができる様に成り、出力平均強度のより小さい光源を用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0062】
第1の発明では、実質的に同じ揺れ成分をもった複数の光源と複数の受光器からのデータを用いる構成としたので、光源の揺れ成分と光空間伝搬特性とを分離できるようになる。
【0063】
また、第2の発明では、お互いに逆向きに進む光ビームを用いる様にしたので、光源の揺れ成分の分離が容易になる。
【0064】
また、第3の発明では、平行な一対の光路を用いる様にしたので、光路の条件をそろえることが容易になる。
【0065】
また、第4の発明では、少なくとも2つの光ビームは、同一の台座に固定された光源から発射されたものを用いる様にしたので、光源の揺れ成分の分離が容易になる。
【0066】
また、第5の発明では、一旦、スクリーンなどの光散乱体によって散乱させた後受光するようにしたので、光ビームの揺れが大きい場合でも、光空間伝搬特性の評価が可能になる。
【0067】
また、第6あるいは7の発明では、光源にパルスレーザを用いるようにしたので、光源の平均光強度を抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光空間通信における問題点を説明するための模式図である。
【図2】スポットダンシングを観測するための構成を示す模式図である。
【図3】本発明の原理を示すための構成を示す模式図である。
【図4】本発明のより具体的な構成を示す模式図である。
【図5】ビルの動きを表現する直角座標系を示す図である。
【図6】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図7】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図8】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図10】本発明の実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1−1、1−2、1−3 光源
2−1、2−2、2−3 受光器
3 受光器
4 スクリーン
11,12,13 光路
14 散乱光
20 分岐器
21 受光器
22 信号処理部
23 光検出器
24 同期信号発生部
25 他の受光系
26 コンピュータシステム
30、31、32 ビルディング

Claims (7)

  1. 複数の光ビームを発射するステップと、第1の目標点と第2の目標点においてその光ビームを受光し、その光ビームの第1の目標点と第2の目標点における空間的位置の時間的変動を読み取るステップと、光源から第1の目標点に至る第1距離と光源から第2の目標点に至る第2距離とを用いて上記の光ビームの空間的位置の時間的変動を規格化するステップと、第1の目標点における光ビームの規格化された空間的位置と、第2の目標点における光ビームの規格化された空間的位置との差を導くステップと、その導かれた空間的位置の時間的変動についての周波数スペクトルを求めるステップとを含むことを特徴とする光空間伝搬特性の評価方法。
  2. 上記の複数の光ビームのうちの少なくとも2つの光ビームは、お互いに逆向きに進む光ビームであることを特徴とする請求項1に記載の光空間伝搬特性の評価方法。
  3. 上記の複数の光ビームのうちの少なくとも2つの光ビームは、平行であることを特徴とする請求項1に記載の光空間伝搬特性の評価方法。
  4. 上記の複数の光ビームのうちの少なくとも2つの光ビームは、同一の台座に固定された光源から発射されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光空間伝搬特性の評価方法。
  5. 上記の光ビームを受光する構成は、それぞれの光ビームを、光散乱体によって散乱させ、その散乱された光を結像系を用いて結像させ、その結像させた光を受光する構成であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光空間伝搬特性の評価方法。
  6. 少なくともひとつの光ビームは、パルス状の光ビームであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光空間伝搬特性の評価方法。
  7. 上記のパルス状の光ビームを受光する受光器は、パルス状の光ビームに同期して動作することを特徴とする請求項6に記載の光空間伝搬特性の評価方法。
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