JP3660558B2 - 画像符号化方法、画像符号化装置及び画像符号化プログラムを記憶した媒体 - Google Patents

画像符号化方法、画像符号化装置及び画像符号化プログラムを記憶した媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像符号化方法、画像符号化装置及び画像符号化プログラムを記憶した媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、静止画像又は動画像の圧縮符号化にはDCT(離散コサイン変換)が広く用いられてきた。しかしながら、DCTによる画像符号化は、ある程度以上の圧縮率では、変換処理の単位であるブロックの境界が不連続になるブロック歪みや、急峻なエッジ部周辺に発生するモスキートノイズ等の特有の画質劣化が主観画質上問題となっていた。これらの問題点を回避する符号化方法として、離散ウェーブレット変換(I.Daubechies,”Orthonormal bases of compactly supported wavelets”,Comm.Pure Appl.Math,vol.41,pp.909−996,1988)を利用した符号化方法が種々検討されている。
【0003】
離散ウェーブレット変換は、階層的なサブバンド分割と同様に、画像を解像度の異なる周波数帯域成分に分解する。分解された変換係数の総数は原画像の画素数と同じであるが、一般的に、より低い周波数成分に信号エネルギーが集中したものになる。
【0004】
ウェーブレット変換係数は、1次元のフィルタバンクとサブサンプリング処理によって求められる。
【0005】
図1(a)に示すように、画像X(z)の水平方向について低域フィルタHl(z)及び高域フィルタHh(z)出力を求め、その出力を1/2(↓2)に間引く。さらに、同様の処理を垂直方向に適用することにより、4成分LL1,LH1,HL1,HH1に分解される。このうち、最も低い周波数成分LL1をLL2,LH2,HL2,HH2に再分解する。この処理を必要な階層数繰り返すことにより、図2に示すような画像のオクターブ分割を求めることができる。
【0006】
再生過程においては、図1(b)に示すように、帯域成分LLi+1、LHi+1の垂直方向の各係数間にゼロ値を挿入(↑2)し、その垂直方向にそれぞれ合成フィルタFl(z),Fh(z)をかけ、それらの出力の和を求める。同様の処理を水平方向にHLi+1,HHi+1成分に行う。即ち、得られた2成分に、水平方向に同様のフィルタ処理を行うことによりLLi成分が合成される。この合成処理を必要な階層数だけ繰り返すことにより、画像の再生値が得られる。
【0007】
画像が完全再構成されるためには、分解・合成フィルタは
l(z)Hh(−z)+Hl(−z)Hh(z)=c ……(1)
l(z)=(2/c)Hh(−z) ……(2)
h(z)=(2/c)Hl(−z) ……(3)
という条件を満たしていなければならない。ここで、分解・合成フィルタのタップ長は奇数であり、cは任意の定数である。また、分解及び合成フィルタ係数の相互関係を図3に示す。
【0008】
入力画像信号に水平・垂直ウェーブレット変換を施して得られたウェーブレット変換係数は量子化され、符号化される。一般に、同階層の高周波数帯域(HLm,LHm,HHm,m∈自然数)内の変換係数を同じ量子化ステップで量子化を行い、量子化後のウェーブレット変換係数をRun−Length符号化、Run−Level符号化等を用いて可変長符号化し、発生符号量を低減する。
【0009】
この時、最低周波数帯域LLを除く他の高周波数帯域内のウェーブレット変換係数値は、ゼロ近傍に集中するラプラス分布で近似可能なため、後述のゼロツリー符号化の効率改善を考慮し、一般的にセンターデッドゾーン付きスカラー量子化が用いられる。なお、LL帯域は粗く、量子化すると復号画像に視覚的に妨害な歪みが目立つため、量子化を行わずにDPCMを用いて可逆符号化する手法が一般的である。
【0010】
また、ウェーブレット変換係数の符号化方法に関しては、各周波数帯域の相似な位置の係数間で相関を持つことを利用した符号化方法も提案されている。ウェーブレットを用いた二次元オクターブ分割では、1階層の分解によりLL,LH,HL,HHの4成分に分解され、M階層の分割を行うと、最低周波数帯域であるLLM成分から、LH1,HL1,HH1成分までの(3M+1)個の成分に分解される。図4はM=3の時の周波数帯域分割例である。
【0011】
分割された周波数帯域信号には、図4に示すようにLL,LH,HL,HHの各周波数帯域がある。
【0012】
LL帯域は水平・垂直方向に低域側の信号であり、画像に2次元の低域フィルタ(LPF)をかけた信号である(以下、「低域成分」あるいは「最低周波数帯域」と呼ぶことがある。)。HL帯域は水平方向に高域フィルタ(HPF)、垂直方向に低域フィルタをかけた信号であり、垂直方向のエッジ成分が現れる(以下、「水平成分」と呼ぶことがある。)。LH帯域は水平方向に低域フィルタ、垂直方向に高域フィルタをかけた信号であり、水平方向のエッジ成分が現れる(以下、「垂直成分」と呼ぶことがある。)。HH帯域は水平、垂直方向ともに高域フィルタをかけた信号で、斜め方向のエッジ成分が現れる(以下、「対角成分」と呼ぶことがある。)。
【0013】
先に述べた自己相似性によるデータの冗長性を除くため、i階層の分割で得られたLHi,HLi,HHiの3つの高周波成分内の各変換係数と、(i−1)階層のLHi-1,HLi-1,HHi-1帯域内において、前記各変換係数とそれぞれ空間的に相似な位置の変換係数間で親子関係を定義する。この高周波成分間の前記親子関係は、一つの係数(親,親係数)に対し4つの係数(子供,子供係数)が対応する。また、最低周波数帯域LLM帯域内の変換係数に対しては、例外的にLHM,HLM,HHM帯域内において該変換係数と同位置の3つの変換係数が3つの子として対応する。従って、この親子関係は最低周波数帯域LL内の各変換係数を幹(以下、「ルート」又は「root」と呼ぶことがある。)とし、解像度の粗い低周波側から解像度の密な高周波側に向かって、相似な位置の変換係数に対して枝(以下、「ノード」又は「node」と呼ぶことがある。)が生成され、図4に示すような木構造(以下、「ツリー」又は「tree」と呼ぶことがある。)が生成される。
【0014】
先に、各変換係数の逆方向、即ちルート方向へのノードに対応する変換係数のことを親あるいは親係数と呼び、各変換係数の順方向のノードに対応する変換係数のことを子あるいは子供あるいは子供係数と呼ぶと定義したが、ここで、親子関係に基づくツリー構造に関し、以下、いくつかの言葉について定義を行う。
【0015】
各変換係数の親係数の子供係数のことを兄弟あるいは兄弟係数と呼ぶ。例えば、図4中のHH2帯域内にハッチングで示した4係数のうち、任意の1係数から見て該4係数は兄弟係数である。各変換係数の子供及び該子供の子供等、各変換係数から順方向に最後のノードまでの各変換係数を子孫と呼ぶ。例えば、HH3帯域内にハッチングで示した係数から見て、HH2帯域内のハッチングで示した4係数及びHH1帯域内のハッチングで示した16係数は子孫である。また、あるツリー中の任意の変換係数及び該変換係数以下の全ての変換係数によって構成される係数群をサブツリーと定義する。サブツリーとは、即ち”変換係数+該変換係数の子孫”である。
【0016】
以上定義した周波数帯域間の係数ツリーを用いて、ウェーブレット変換係数に対しエントロピー符号化を行う方式として、ゼロツリー符号化が提案されている。
【0017】
ゼロツリー符号化では、あるサブツリー中の各変換係数を量子化した結果、量子化後の係数が全てゼロとなる場合、該サブツリーをゼロツリーと呼び、該サブツリーを1つのゼロツリールート(Zero Tree Root:ZTR)符号に置き換えて符号化することでデータ圧縮を行う。
【0018】
ZTR符号で置換されたサブツリーはこの時点で既に符号化済みであり、該ZTR符号の子孫を後に符号化する必要はない。また、ZTR符号とは逆に、ある変換係数自体の量子化後の値はゼロであるものの、該変換係数の子孫の係数に一つでも有意係数がある場合は、該変換係数を孤立ゼロ(Isolated Zero:IZ)符号として符号化データに出力する。また、符号化対象の変換係数が有意係数である場合は、ZTR符号・IZ符号のいずれの条件にも合わない。この場合は、該有意係数の量子化番号(以下、「レベル」または「LEVEL」と呼ぶことがある。)の絶対値を直接、可変長符号化する。
【0019】
図5に、ゼロツリー符号化を用いて、LL3帯域内のある変換係数をルートとするツリーを符号化する例を示す。図中の各変換係数はウェーブレット変換係数のレベルであり、それぞれサブツリー(a)はLH帯域、サブツリー(b)はHL帯域、サブツリー(c)はHH帯域内でのサブツリーである。
【0020】
サブツリー(a)はLH2帯域内の右下の係数がゼロツリールートであるため、その子孫係数である4係数を符号化する必要はない。同様に、サブツリー(b)は、HL2帯域内の上の2係数がゼロツリールートであるため、その子孫係数である8係数を符号化する必要はない。サブツリー(c)は、HH3帯域内の係数がゼロツリールートであるため、そのサブツリー自体を一つのゼロツリールート符号に置換して符号化することができる。
【0021】
以上説明したゼロツリー符号化は有効な符号化方式であるが、ゼロツリー符号化の符号体系には幾つかの冗長性がある。
【0022】
(a)IZ符号とその子供の係数
IZ符号は、(1)符号化対象量子化後係数がゼロであり、(2)符号化対象量子化後係数以下のサブツリー中の係数の中に一つ以上有意係数が存在することを示す符号である。従って、IZ符号の4つの子供が全てZTRである可能性はない。しかし、実際にはIZ符号の4つの子供が全てZTRとなっている符号化データを復号器で復号することが可能である。符号化器から出力されることのあり得ない符号を復号器が復号可能と言うことは、符号体系に冗長性があることとなる。
【0023】
(b)親係数の絶対値の大きさに関係なく4つの子供の係数を符号化する
ゼロツリー符号化では、ある符号化対象の量子化後係数がゼロである場合、該量子化後係数以下のサブツリー中の量子化後係数が全てゼロである可能性が高くなる性質を利用して、これを一つのZTR符号に置き換えることで圧縮を行う。
【0024】
しかし、実際にはゼロの場合だけではなく、量子化後係数のレベルの絶対値が小さければ小さい程、該量子化後係数の4つの子供を幹とするサブツリーがそれぞれZTRである可能性が高くなり、逆に量子化後係数の絶対値が大きい程、該量子化後係数の4つの子供がそれぞれZTRである可能性が低くなる。しかし、従来のゼロツリー符号化ではこの性質を利用することが困難である。
【0025】
(c)符号化対象のシンボル数が少ない
ゼロツリー符号化において、実際に可変長符号化を行う対象のシンボルは、ZTR符号・IZ符号・各レベルの絶対値である。しかし、実際には、符号化ビットレートが低い程、ゼロツリールートの出現確率が増加し、一般的に50%以上となる。このため、可変長符号化を行う入力シンボルの出現確率をそれぞれ1/2n(nは任意の自然数)で近似することができず、可変長符号の平均符号長が、そのエントロピーと比較して著しく増大する。即ち、一番出現頻度の高いシンボルの出現確率が50%(1/2)以上ある時点で、エントロピーと比較して、可変長符号の平均符号長が長くなってしまい、可変長符号化の効率が悪くなる。
【0026】
以上の3つの問題点を改善するため、最低周波数帯域の係数をルートに持つ階層的なツリー内のある量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の直接の子供係数のうち、該子供係数を幹とする部分木がゼロツリーである個数(以下、Zカウントと呼ぶ。)及び該量子化後変換係数のレベルの絶対値からなる二次元可変長符号を用いてエントロピー符号化する方法が提案されている(特願2000−23890号)。
【0027】
この符号化方法では、さらに問題点(a)を解決するため、ツリーのルート以外の量子化後変換係数を符号化するに当たり、該変換係数の兄弟係数を一単位として走査し、該兄弟係数それぞれに対応する前記二次元可変長符号を符号化データに出力する前に、該兄弟係数のうちのどの係数がゼロツリールートであるかを示す符号(以下、マップ符号と呼ぶ。)を符号化データに出力する。復号器では、該兄弟係数内のZTRである係数は、親係数を符号化した際に出力済みの該兄弟係数のZカウント及び該マップ符号によりどの係数がZTRであるかが一意に定まる。
【0028】
この符号化方法による符号化例を図6に示す。符号化対象の係数及びその兄弟係数は
1.左上がZTR
2.右上のレベルの絶対値が1で子供係数のZカウントが2つ
3.左下のレベルの絶対値が3で子供係数のZカウントが0
4.右下のレベルの絶対値が0で子供係数のZカウントが2つ
の4係数である。
【0029】
該兄弟係数を符号化するに当たり、左上の係数はZTRなので、親係数とともに既に符号済みであり、符号化不要である。右上・左下の係数は、それぞれレベル=1,Zカウント=2とレベル=3,Z力ウント=0の該二次元可変長符号を出力した後に、前者はマイナスを示すNEG、後者はプラスを示すPOSの1ビット符号を出力する。右下の係数は、同様にレベル=0,Zカウント=2の二次元可変長符号を出力するが、レベルがゼロであるため、符号の1ビットは必要ない。この兄弟係数の符号化データを多重化すると、図6の下部に示す多重化された符号を出力することとなる。
【0030】
通常、4係数がZTRであるかのON/OFFを表すためには4ビット必要である。特願2000−23890号におけるゼロツリーマップの符号化では、兄弟係数のZカウントが1,2,3の場合に対応する可変長符号化テーブルを切り替えて符号化する。これにより、符号量はZカウントが2以外の時で2ビット、Zカウントが2の時は2あるいは3ビットの符号量で済む。復号器では、該兄弟係数の親係数を符号化した時に符号化データに出力済みである該兄弟係数のZカウントを元に、符号化器・復号器の間で共有される対応する可変長符号化テーブルを用いて復号する。該兄弟係数のZカウントが0あるいは4の場合は、マップ符号を出力する必要はない。0の場合は該兄弟係数内の全係数がZTRでないこと、4の場合は全係数がZTRであることを一意に示すためである。
【0031】
マップ符号の符号化テーブルの一例を表1に示す。表中、兄弟係数内のZTRの位置とは、係数のスキャン順に、第一係数、第二係数、第三係数、第四係数、がゼロツリールート(ZTR)であるか、非ZTR(―)であるかを示している。
【0032】
【表1】
Figure 0003660558
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
ウェーブレット変換係数をエントロピー符号化する際に、ゼロツリールート符号、孤立ゼロ符号、レベルの絶対値を用いてゼロツリー符号化を行う方法が一般に利用されている。この符号化方法は符号化効率の点で幾つかの冗長性が既に指摘されており、この問題点を改善するため、係数の絶対値及びZカウントからなる二次元可変長符号とマップ符号を用いて符号化効率を改善する方法も提案されている。
【0034】
マップ符号は兄弟係数内のゼロツリールートの場所を短い平均符号長で符号化し得る有効な手段であり、親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの符号化対象係数の兄弟係数のZカウントを元に、符号化テーブルを切り替えて符号化することによりその平均符号長を短くする。しかし、Zカウントが2、即ち兄弟係数のうちの2つの係数がZTRである場合、表1あるいは図7に示すように42=6通りの組み合わせがあるが、これらのゼロツリー/非ゼロツリー係数の組み合わせの出現確率を、各々1/2nで近似することは現実的にはできず、そのエントロピーと比較して平均符号長が増大し、符号化効率が低減する。
【0035】
本発明の目的は、入力画像信号を、サブバンド分割あるいはウェーブレット変換を用いて周波数帯域に分割し、算出された変換係数をエントロピー符号化する際に、上記問題点を解決し、符号化効率を改善できる画像符号化方法、画像符号化装置及び画像符号化プログラムを記憶した媒体を提案することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するため、本発明の請求項1では、入力画像あるいは動き補償予測差分画像を符号化対象信号として符号化する画像符号化方法において、符号化対象信号を、水平及び垂直の両方向について高域と低域に周波数帯域分割し、水平及び垂直の両方向に対しての低域成分を同様に再分割し、該再分割処理を再帰的にそれぞれ指定された回数繰り返すことで符号化対象信号変換係数を算出するステップと、該符号化対象信号変換係数をそれぞれ量子化して量子化後変換係数を算出するステップと、前記各周波数帯域間で空間的に相似な位置として対応する量子化後変換係数間で、垂直成分・水平成分・対角成分の各成分毎に、最低周波数帯域の係数を幹に持つ階層的な4分木構造であるツリーを形成するステップと、該ツリー中の各量子化後変換係数について、該量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の全ての子孫が有意係数を持たない部分木であるゼロツリーを探索するステップと、前記ツリー内のある量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の直接の子供係数について、各該子供係数がゼロツリーの幹であるかどうかを判定し、該子供係数内の各係数がゼロツリーの幹であるか、そうでないかを示すゼロツリーパターンを検出するステップと、該ゼロツリーパターンに対応するインデックスを算出するステップと、量子化後変換係数の量子化番号の絶対値及びゼロツリーパターンのインデックスからなる二次元可変長符号を符号化データに出力するステップとを有する画像符号化方法を提案する。
【0037】
また、本発明の請求項2では、請求項1記載の画像符号化方法において、子供係数のゼロツリーパターンとして、
・全てゼロツリーの幹でないパターン
・4つの子供係数のうちの1つがゼロツリーの幹であるパターン
・4つの子供係数のうちの3つがゼロツリーの幹であるパターン
・全てゼロツリーの幹であるパターン
の4つのパターンと、4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹である場合、その2つのゼロツリーの位置関係により
・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で横方向に並んでいるパターン
・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で縦方向に並んでいるパターン
・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で対角方向に並んでいるパターン
の3つのパターンを用いる画像符号化方法を提案する。
【0038】
また、本発明の請求項3では、請求項1または2記載の画像符号化方法において、ツリーの幹以外の量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の親係数の子供の係数を示す兄弟係数を検査し、該兄弟係数それぞれに対応する前記二次元可変長符号を符号化データに出力する前に、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のパターンのインデックスに応じて、該兄弟係数のうちのどの係数がゼロツリーの幹であるかを示す固定長符号である順列符号を符号化データに出力する画像符号化方法を提案する。
【0039】
また、本発明の請求項4では、請求項3記載の画像符号化方法において、兄弟係数の順列符号を出力するに当たり、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のゼロツリーパターンのインデックスを参照し、該インデックスが、該兄弟係数が全てゼロツリーの幹である、あるいは全てゼロツリーの幹ではないゼロツリーパターンを示している場合には前記順列符号を符号化データに出力せず、それ以外の場合には前記順列符号を符号化データに出力する画像符号化方法を提案する。
【0040】
また、本発明の請求項5では、入力画像あるいは動き補償予測差分画像を符号化対象信号として符号化する画像符号化装置において、符号化対象信号を、水平及び垂直の両方向について高域と低域に周波数帯域分割し、水平及び垂直の両方向に対しての低域成分を同様に再分割し、該再分割処理を再帰的にそれぞれ指定された回数繰り返すことで符号化対象信号変換係数を算出する手段と、該符号化対象信号変換係数をそれぞれ量子化して量子化後変換係数を算出する手段と、前記各周波数帯域間で空間的に相似な位置として対応する量子化後変換係数間で、垂直成分・水平成分・対角成分の各成分毎に、最低周波数帯域の係数を幹に持つ階層的な4分木構造であるツリーを形成する手段と、該ツリー中の各量子化後変換係数について、該量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の全ての子孫が有意係数を持たない部分木であるゼロツリーを探索する手段と、前記ツリー内のある量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の親係数の子供の係数を示す兄弟係数を符号化するに当たり、該兄弟係数のうちのいくつかはゼロツリーの幹であり、いくつかはゼロツリーの幹でないことを示している値である場合には、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のゼロツリーパターンのインデックスに応じて、該兄弟係数のうちのどの係数がゼロツリーの幹であるかを示す固定長符号である順列符号を符号化データに出力し、該兄弟係数が全てゼロツリーの幹である、あるいは全てゼロツリーの幹ではないことを示している値である場合には前記順列符号を符号化データに出力せず、該兄弟係数内の各量子化後変換係数毎に、該量子化後変換係数の直接の子供係数がゼロツリーの幹であるかどうかを判定し、該子供係数内の各係数がゼロツリーの幹であるか、そうでないかを示すゼロツリーパターンを検出し、子供係数のゼロツリーパターンとして、
・全てゼロツリーの幹でないパターン
・4つの子供係数のうちの1つがゼロツリーの幹であるパターン
・4つの子供係数のうちの3つがゼロツリーの幹であるパターン
・全てゼロツリーの幹であるパターン
・4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹であり、その2つのゼロツリーの幹が子供係数内で横方向に並んでいるパターン
・4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹であり、その2つのゼロツリーの幹が子供係数内で縦方向に並んでいるパターン
・4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹であり、その2つのゼロツリーの幹が子供係数内で対角方向に並んでいるパターン
の7つのパターンを用い、該ゼロツリーパターンに対応するインデックスを算出する手段と、該量子化後変換係数の量子化番号の絶対値及びゼロツリーパターンのインデックスからなる二次元可変長符号を符号化データに出力する手段とを有する画像符号化装置を提案する。
【0041】
また、本発明の請求項6では、入力画像あるいは動き補償予測差分画像を符号化対象信号として符号化する画像符号化プログラムを記憶した媒体であって、前記プログラムはコンピュータに読み取られた際、該コンピュータに、符号化対象信号を、水平及び垂直の両方向について高域と低域に周波数帯域分割し、水平及び垂直の両方向に対しての低域成分を同様に再分割し、該再分割処理を再帰的にそれぞれ指定された回数繰り返すことで符号化対象信号変換係数を算出するステップと、該符号化対象信号変換係数をそれぞれ量子化して量子化後変換係数を算出するステップと、前記各周波数帯域間で空間的に相似な位置として対応する量子化後変換係数間で、垂直成分・水平成分・対角成分の各成分毎に、最低周波数帯域の係数を幹に持つ階層的な4分木構造であるツリーを形成するステップと、該ツリー中の各量子化後変換係数について、該量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の全ての子孫が有意係数を持たない部分木であるゼロツリーを探索するステップと、前記ツリー内のある量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の直接の子供係数について、各該子供係数がゼロツリーの幹であるかどうかを判定し、該子供係数内の各係数がゼロツリーの幹であるか、そうでないかを示すゼロツリーパターンを検出するステップと、該ゼロツリーパターンに対応するインデックスを算出するステップと、量子化後変換係数の量子化番号の絶対値及びゼロツリーパターンのインデックスからなる二次元可変長符号を符号化データに出力するステップとを実行させる画像符号化プログラムを記憶した媒体を提案する。
【0042】
また、本発明の請求項7では、請求項6記載の画像符号化プログラムを記憶した媒体において、子供係数のゼロツリーパターンとして、
・全てゼロツリーの幹でないパターン
・4つの子供係数のうちの1つがゼロツリーの幹であるパターン
・4つの子供係数のうちの3つがゼロツリーの幹であるパターン
・全てゼロツリーの幹であるパターン
の4つのパターンと、4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹である場合、その2つのゼロツリーの位置関係により
・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で横方向に並んでいるパターン
・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で縦方向に並んでいるパターン
・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で対角方向に並んでいるパターン
の3つのパターンを用いる画像符号化プログラムを記憶した媒体を提案する。
【0043】
また、本発明の請求項8では、請求項6または7記載の画像符号化プログラムを記憶した媒体において、ツリーの幹以外の量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の親係数の子供の係数を示す兄弟係数を検査し、該兄弟係数それぞれに対応する前記二次元可変長符号を符号化データに出力する前に、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のパターンのインデックスに応じて、該兄弟係数のうちのどの係数がゼロツリーの幹であるかを示す固定長符号である順列符号を符号化データに出力する画像符号化プログラムを記憶した媒体を提案する。
【0044】
また、本発明の請求項9では、請求項8記載の画像符号化プログラムを記憶した媒体において、兄弟係数の順列符号を出力するに当たり、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のゼロツリーパターンのインデックスを参照し、該インデックスが、該兄弟係数が全てゼロツリーの幹である、あるいは全てゼロツリーの幹ではないゼロツリーパターンを示している場合には前記順列符号を符号化データに出力せず、それ以外の場合には前記順列符号を符号化データに出力する画像符号化プログラムを記憶した媒体を提案する。
【0045】
本発明によれば、符号化対象係数の絶対値と、該符号化対象係数の子供係数を幹とするゼロツリーのパターンを用いた二次元可変長符号化を用いて、ウェーブレット変換係数をエントロピー符号化することにより、符号体系に冗長性がない状態で符号化することができる。
【0046】
さらに、符号化対象係数の兄弟係数内のゼロツリーの位置を符号化する際に、従来の方法ではエントロピーと比較して非効率的な可変長符号を用いていたが、本方式では、効率的なゼロツリーパターンを用いることにより、前記ゼロツリーの位置を固定長符号である順列符号で符号化することができ、その符号長をエントロピーとほぼ同値まで短くすることが可能となる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0048】
図8は本発明に関わる画像符号化方法及び装置の全体を示すもので、図中、1はウェーブレット変換部、2は量子化部、3は係数符号化部である。
【0049】
入力画像あるいは動き補償予測差分画像等の符号化対象信号4は、ウェーブレット変換部1にて、水平及び垂直の両方向について高域と低域に周波数帯域分割され、水平及び垂直の両方向に対しての低域成分が同様に再分割され、該再分割処理が再帰的にそれぞれ指定された回数繰り返されることで符号化対象信号変換係数5として出力される。符号化対象信号変換係数5は、量子化部2にて量子化され、量子化後変換係数6として係数符号化部3に出力される。
【0050】
係数符号化部3では、入力された量子化後変換係数6を、予め符号化器・復号器間で決められた変換係数のスキャン順にスキャンしながら符号化し、符号化データ7として出力する。
【0051】
本発明は、係数符号化処理を行う係数符号化部3に関わるものであり、ウェーブレット変換部1及び量子化部2は、従来と同様の手法で良い。従って、以下、係数符号化部3について説明する。
【0052】
図9は本発明による係数符号化処理及び係数符号化部の実施の形態の一例を示すもので、図中、11はゼロツリー生成部、12はゼロツリーメモリ、13はスキャン部、14は絶対値・符号分離部、15は二次元可変長符号化部、16は多重化部、17は子供係数位置算出部、18は子供係数パターン検査部、19は順列符号生成部、20は遅延器である。
【0053】
前述した量子化後変換係数6は、ゼロツリー生成部11に入力される。ゼロツリー生成部11では、まず、各周波数帯域間で空間的に相似な位置として対応する量子化後変換係数間で、垂直成分・水平成分・対角成分の各成分毎に、図4に示したような最低周波数帯域の係数をルートに持つ階層的なツリーをそれぞれ形成する。そして、該ツリー中の任意の変換係数について、該変換係数をルートとするサブツリーが全てゼロであるサブツリーを探索する。この探索処理を最低周波数帯域の係数をルートに持つ全てのツリー中の全変換係数に関して行い、どの変換係数がゼロツリーのルート係数(ゼロツリールート)であるか、あるいは既にゼロツリーにより打ち切られている係数であるかを示す情報をゼロツリー情報21として、ゼロツリーメモリ12に出力する。
【0054】
同時に、量子化後変換係数6及びスキャン部13より与えられる符号化対象係数位置22が、絶対値・符号分離部14に入力される。絶対値・符号分離部14では、量子化後変換係数6のうちの符号化対象係数位置22の位置にある変換係数が取り出され、これを符号化対象係数として符号化するに当たり、該符号化対象係数のレベルの絶対値が絶対値23として二次元可変長符号化部15に、該符号化対象係数の正負の符号が符号24として多重化部16に出力される。
【0055】
符号化対象係数位置22は、子供係数位置算出部17にも入力され、ここで該符号化対象係数の子供係数の位置が算出され、子供係数位置25は子供係数パターン検査部18に出力される。該符号化対象係数の属する周波数帯域毎に異なるが、一つの親に対し子供係数位置25としては4つの係数位置が示される。
【0056】
同様に、子供係数パターン検査部18には、ゼロツリーメモリ12より、量子化後変換係数6のゼロツリーの情報であるゼロツリー情報26が入力され、該ゼロツリー情報26のうち、該子供係数位置25により示される位置にあるゼロツリー情報を子供係数ゼロツリー情報として取り出す。そして、4つの子供係数内におけるゼロツリールートの位置関係より、ゼロツリーパターンを検出する。ゼロツリーパターンとしては、図10に示す7種類のパターンを用いる。
【0057】
図10において、
パターンAは、兄弟係数が全てゼロツリールートではないパターン、
パターンBは、兄弟係数のうちの1つがゼロツリールートのパターン、
パターンCは、兄弟係数のうちの2つがゼロツリールートで2つのゼロツリールートが子供係数内で横方向に並ぶパターン、
パターンDは、兄弟係数のうちの2つがゼロツリールートで2つのゼロツリールートが子供係数内で縦方向に並ぶパターン、
パターンEは、兄弟係数のうちの2つがゼロツリールートで2つのゼロツリールートが子供係数内で対角方向に並ぶパターン、
パターンFは、兄弟係数のうちの3つがゼロツリールートのパターン、
パターンGは、兄弟係数が全てゼロツリールートのパターン、
である。そして、パターンA〜Gの符号を、ゼロツリーパターンのインデックス27として二次元可変長符号化部15に出力する。
【0058】
また、各ゼロツリーパターンは、図10に示したように各々転置体を有している。パターンA,Gは1種類のみ、パターンB,Fは4種類、パターンC,D,Eは2種類ある。転置1〜4の符号を、その転置体インデックス28として順列符号生成部19に出力する。
【0059】
順列符号生成部19では、入力された転置体インデックス28を元に、符号化テーブル29を用いて、子供係数の符号化の際に出力する順列符号30を生成する。各ゼロツリーパターンに対応する転置体は1あるいは2あるいは4通りあり、また、各転置体は出現確率がほぼ等しくなるため、固定長符号で効率的に符号化することが可能である。
【0060】
具体的には、パターンC,D,Eは転置体が2種類あるため、転置体インデックスをそのまま1bitの固定長符号で順列符号を符号化する。パターンB,Fは転置体が4種類あるため、転置体インデックスを2進化し、これを2bitの固定長符号で順列符号を符号化する。パターンA、即ち兄弟係数の全てがゼロツリールートではない場合、あるいはパターンG、即ち兄弟係数の全てがゼロツリールートである場合は、順列符号を出力する必要はなく、順列符号30として空の符号を出力する。
【0061】
順列符号の符号化テーブルの一例を表2に示す。表2中、兄弟係数内のZTRの位置とは、兄弟係数内の4係数がゼロツリールート(ZTR)であるか、非ZTR(―)であるかを示している。
【0062】
【表2】
Figure 0003660558
【0063】
符号化テーブル29を用いて算出された順列符号30は、該符号化対象係数の子供係数を符号化する時に多重化して符号化データに出力するため、遅延器20に出力しておく。
【0064】
二次元可変長符号化部15では、絶対値・符号分離部14より入力された絶対値23及び子供係数パターン検査部18より入力されたゼロツリーパターンのインデックス27を二次元可変長符号化データ31として符号化し、多重化部16に出力する。
【0065】
多重化部16では、遅延器20より入力される順列符号32と、二次元可変長符号化データ31と、正負符号データ24とを多重化して符号化データ7として出力する。遅延器20を介して入力される順列符号32には該符号化係数を含む兄弟係数のゼロツリー情報が含まれており、二次元可変長符号化データ31及び正負符号データ24は該符号化係数を含む兄弟係数毎の符号化データである。
【0066】
以下の4係数、即ち
1.左上がZTR
2.右上のレベルの絶対値が1で子供係数のゼロツリーパターンのインデックスがC
3.左下のレベルの絶対値が3で子供係数のゼロツリーパターンのインデックスがA
4.右下のレベルの絶対値が0で子供係数のゼロツリーパターンのインデックスがE
からなる、垂直方向の周波数帯域内のある兄弟係数を多重化部16にて符号化すると、図11に示す多重化された符号を符号化データとして出力することとなる。図11において、ZPはゼロツリーパターンのインデックス、absはレベルの絶対値をそれぞれ示す。
【0067】
なお、本発明は、コンピュータ読み取り可能な媒体であって、コンピュータに読み取られた時、該コンピュータに、前記説明した処理を実行させるプログラム(ソフトウェア)を記憶した媒体によっても実現可能である。
【0068】
【発明の効果】
J.M.Shapiroらによる従来のゼロツリー符号化にはその符号体系に冗長性があり、親の係数のレベルの大きさに応じて、子供のZTR符号の発生確率を動的に変更することは、極めて困難である。
【0069】
これに対して、本発明によれば、その存在自体が冗長である孤立ゼロ符号を用いる必要がなく、また、親係数の絶対値に応じて子供係数にゼロツリールートが発生する確率が変動する特性を効率的に利用して符号化を行えるため、符号化効率を改善することが可能となる。
【0070】
さらに、符号化対象係数の兄弟係数内のゼロツリーの位置を符号化する際に、従来の方法ではエントロピーと比較して非効率的な可変長符号を用いていたが、本方式では、効率的なゼロツリーパターンを用いることにより、前記ゼロツリーの位置を固定長符号である順列符号で符号化することができ、その符号長をエントロピーとほぼ同値まで短くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】離散ウェーブレット変換の概要を示す説明図
【図2】画像のオクターブ分割のようすを示す説明図
【図3】分解フィルタ及び合成フィルタの係数の相互関係を示す説明図
【図4】画像の二次元オクターブ分割のようすを示す説明図
【図5】ゼロツリー符号化を用いた符号化の一例を示す説明図
【図6】マップ符号を用いた符号化データ出力の一例を示す説明図
【図7】兄弟係数における2つのゼロツリールートを含む組み合わせを示す説明図
【図8】本発明に関わる画像符号化方法及び装置全体の実施の形態の一例を示す構成図
【図9】本発明の係数符号化部の実施の形態の一例を示す構成図
【図10】ゼロツリーパターンの一例を示す説明図
【図11】符号化データ出力の一例を示す説明図
【符号の説明】
1:ウェーブレット変換部、2:量子化部、3:係数符号化部、11:ゼロツリー生成部、12:ゼロツリーメモリ、13:スキャン部、14:絶対値・符号分離部、15:二次元可変長符号化部、16:多重化部、17:子供係数位置算出部、18:子供係数パターン検査部、19:順列符号生成部、20:遅延器。

Claims (9)

  1. 入力画像あるいは動き補償予測差分画像を符号化対象信号として符号化する画像符号化方法において、
    符号化対象信号を、水平及び垂直の両方向について高域と低域に周波数帯域分割し、水平及び垂直の両方向に対しての低域成分を同様に再分割し、該再分割処理を再帰的にそれぞれ指定された回数繰り返すことで符号化対象信号変換係数を算出するステップと、
    該符号化対象信号変換係数をそれぞれ量子化して量子化後変換係数を算出するステップと、
    前記各周波数帯域間で空間的に相似な位置として対応する量子化後変換係数間で、垂直成分・水平成分・対角成分の各成分毎に、最低周波数帯域の係数を幹に持つ階層的な4分木構造であるツリーを形成するステップと、
    該ツリー中の各量子化後変換係数について、該量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の全ての子孫が有意係数を持たない部分木であるゼロツリーを探索するステップと、
    前記ツリー内のある量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の直接の子供係数について、各該子供係数がゼロツリーの幹であるかどうかを判定し、該子供係数内の各係数がゼロツリーの幹であるか、そうでないかを示すゼロツリーパターンを検出するステップと、
    該ゼロツリーパターンに対応するインデックスを算出するステップと、
    量子化後変換係数の量子化番号の絶対値及びゼロツリーパターンのインデックスからなる二次元可変長符号を符号化データに出力するステップとを有する
    ことを特徴とする画像符号化方法。
  2. 請求項1記載の画像符号化方法において、
    子供係数のゼロツリーパターンとして、
    ・全てゼロツリーの幹でないパターン
    ・4つの子供係数のうちの1つがゼロツリーの幹であるパターン
    ・4つの子供係数のうちの3つがゼロツリーの幹であるパターン
    ・全てゼロツリーの幹であるパターン
    の4つのパターンと、4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹である場合、その2つのゼロツリーの位置関係により
    ・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で横方向に並んでいるパターン
    ・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で縦方向に並んでいるパターン
    ・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で対角方向に並んでいるパターン
    の3つのパターンを用いることを特徴とする画像符号化方法。
  3. 請求項1または2記載の画像符号化方法において、
    ツリーの幹以外の量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の親係数の子供の係数を示す兄弟係数を検査し、該兄弟係数それぞれに対応する前記二次元可変長符号を符号化データに出力する前に、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のパターンのインデックスに応じて、該兄弟係数のうちのどの係数がゼロツリーの幹であるかを示す固定長符号である順列符号を符号化データに出力することを特徴とする画像符号化方法。
  4. 請求項3記載の画像符号化方法において、
    兄弟係数の順列符号を出力するに当たり、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のゼロツリーパターンのインデックスを参照し、該インデックスが、該兄弟係数が全てゼロツリーの幹である、あるいは全てゼロツリーの幹ではないゼロツリーパターンを示している場合には前記順列符号を符号化データに出力せず、それ以外の場合には前記順列符号を符号化データに出力することを特徴とする画像符号化方法。
  5. 入力画像あるいは動き補償予測差分画像を符号化対象信号として符号化する画像符号化装置において、
    符号化対象信号を、水平及び垂直の両方向について高域と低域に周波数帯域分割し、水平及び垂直の両方向に対しての低域成分を同様に再分割し、該再分割処理を再帰的にそれぞれ指定された回数繰り返すことで符号化対象信号変換係数を算出する手段と、
    該符号化対象信号変換係数をそれぞれ量子化して量子化後変換係数を算出する手段と、
    前記各周波数帯域間で空間的に相似な位置として対応する量子化後変換係数間で、垂直成分・水平成分・対角成分の各成分毎に、最低周波数帯域の係数を幹に持つ階層的な4分木構造であるツリーを形成する手段と、
    該ツリー中の各量子化後変換係数について、該量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の全ての子孫が有意係数を持たない部分木であるゼロツリーを探索する手段と、
    前記ツリー内のある量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の親係数の子供の係数を示す兄弟係数を符号化するに当たり、該兄弟係数のうちのいくつかはゼロツリーの幹であり、いくつかはゼロツリーの幹でないことを示している値である場合には、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のゼロツリーパターンのインデックスに応じて、該兄弟係数のうちのどの係数がゼロツリーの幹であるかを示す固定長符号である順列符号を符号化データに出力し、該兄弟係数が全てゼロツリーの幹である、あるいは全てゼロツリーの幹ではないことを示している値である場合には前記順列符号を符号化データに出力せず、該兄弟係数内の各量子化後変換係数毎に、該量子化後変換係数の直接の子供係数がゼロツリーの幹であるかどうかを判定し、該子供係数内の各係数がゼロツリーの幹であるか、そうでないかを示すゼロツリーパターンを検出し、子供係数のゼロツリーパターンとして、
    ・全てゼロツリーの幹でないパターン
    ・4つの子供係数のうちの1つがゼロツリーの幹であるパターン
    ・4つの子供係数のうちの3つがゼロツリーの幹であるパターン
    ・全てゼロツリーの幹であるパターン
    ・4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹であり、その2つのゼロツリーの幹が子供係数内で横方向に並んでいるパターン
    ・4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹であり、その2つのゼロツリーの幹が子供係数内で縦方向に並んでいるパターン
    ・4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹であり、その2つのゼロツリーの幹が子供係数内で対角方向に並んでいるパターン
    の7つのパターンを用い、該ゼロツリーパターンに対応するインデックスを算出する手段と、
    該量子化後変換係数の量子化番号の絶対値及びゼロツリーパターンのインデックスからなる二次元可変長符号を符号化データに出力する手段とを有する
    ことを特徴とする画像符号化装置。
  6. 入力画像あるいは動き補償予測差分画像を符号化対象信号として符号化する画像符号化プログラムを記憶した媒体であって、
    前記プログラムはコンピュータに読み取られた際、該コンピュータに、
    符号化対象信号を、水平及び垂直の両方向について高域と低域に周波数帯域分割し、水平及び垂直の両方向に対しての低域成分を同様に再分割し、該再分割処理を再帰的にそれぞれ指定された回数繰り返すことで符号化対象信号変換係数を算出するステップと、
    該符号化対象信号変換係数をそれぞれ量子化して量子化後変換係数を算出するステップと、
    前記各周波数帯域間で空間的に相似な位置として対応する量子化後変換係数間で、垂直成分・水平成分・対角成分の各成分毎に、最低周波数帯域の係数を幹に持つ階層的な4分木構造であるツリーを形成するステップと、
    該ツリー中の各量子化後変換係数について、該量子化後変換係数及び該量子化後変換係数の全ての子孫が有意係数を持たない部分木であるゼロツリーを探索するステップと、
    前記ツリー内のある量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の直接の子供係数について、各該子供係数がゼロツリーの幹であるかどうかを判定し、該子供係数内の各係数がゼロツリーの幹であるか、そうでないかを示すゼロツリーパターンを検出するステップと、
    該ゼロツリーパターンに対応するインデックスを算出するステップと、
    量子化後変換係数の量子化番号の絶対値及びゼロツリーパターンのインデックスからなる二次元可変長符号を符号化データに出力するステップとを実行させることを特徴とする画像符号化プログラムを記憶した媒体。
  7. 請求項6記載の画像符号化プログラムを記憶した媒体において、
    子供係数のゼロツリーパターンとして、
    ・全てゼロツリーの幹でないパターン
    ・4つの子供係数のうちの1つがゼロツリーの幹であるパターン
    ・4つの子供係数のうちの3つがゼロツリーの幹であるパターン
    ・全てゼロツリーの幹であるパターン
    の4つのパターンと、4つの子供係数のうちの2つがゼロツリーの幹である場合、その2つのゼロツリーの位置関係により
    ・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で横方向に並んでいるパターン
    ・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で縦方向に並んでいるパターン
    ・2つのゼロツリーの幹が子供係数内で対角方向に並んでいるパターン
    の3つのパターンを用いることを特徴とする画像符号化プログラムを記憶した媒体。
  8. 請求項6または7記載の画像符号化プログラムを記憶した媒体において、
    ツリーの幹以外の量子化後変換係数を符号化するに当たり、該量子化後変換係数の親係数の子供の係数を示す兄弟係数を検査し、該兄弟係数それぞれに対応する前記二次元可変長符号を符号化データに出力する前に、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のパターンのインデックスに応じて、該兄弟係数のうちのどの係数がゼロツリーの幹であるかを示す固定長符号である順列符号を符号化データに出力することを特徴とする画像符号化プログラムを記憶した媒体。
  9. 請求項8記載の画像符号化プログラムを記憶した媒体において、
    兄弟係数の順列符号を出力するに当たり、該兄弟係数の親係数を符号化した際に符号化データに出力済みの該兄弟係数のゼロツリーパターンのインデックスを参照し、該インデックスが、該兄弟係数が全てゼロツリーの幹である、あるいは全てゼロツリーの幹ではないゼロツリーパターンを示している場合には前記順列符号を符号化データに出力せず、それ以外の場合には前記順列符号を符号化データに出力することを特徴とする画像符号化プログラムを記憶した媒体。
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