JP3660007B2 - 高温超電導体の着磁方法及びその装置 - Google Patents

高温超電導体の着磁方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、産業用や医療用の非接触支持機構、アクチュエータ、モータ等に用いられる高温超電導体に磁界をピン止めさせ、着磁するための着磁方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高温超電導体、特にバルク高温超電導体を用いた応用機器には、特開平4−78316号公報に開示される磁気軸受、特開平5−15011号公報に開示される磁気浮上運搬装置などがある。
これらは高温超電導体の磁界ピン止め力を利用し安定浮上力を得ているもので、この高温超電導体と永久磁石の組み合わせにより、制御を行うことなく非接触で安定な浮上を実現するものである。構造的には、特開平4−78316号公報に開示される高温超電導磁気軸受では、回転子側に永久磁石、固定子側に高温超電導体が配置されており、特開平5−15011号公報に開示される磁気浮上運搬装置では、浮上体側に高温超電導体、軌道側に永久磁石が配置されている。
【0003】
これらの機器では、前述のとおり高温超電導体のピン止め力を利用しているため、高温超電導体に何らかの形で磁界を印加しピン止めさせる、即ち、高温超電導体の着磁を行う必要がある。これには、回転子或いは軌道に配置された永久磁石の発生磁界を用いている。
その手順は、次のようになっている。まず、永久磁石(=回転子、軌道)と冷却前の高温超電導体(=固定子、浮上体)とを、所定の空隙を介して配置し、常電導状態である高温超電導体に永久磁石の磁界を印加しておく。この時、高温超電導体は常電導状態にあり反磁性を持たないので、磁界はそのまま高温超電導体内に侵入している。その状態で高温超電導体側を、臨界温度以下に冷却(磁場中冷却)することにより、高温超電導体内に存在していた磁界の大部分がピン止めされる。これ以降は、永久磁石と高温超電導体の相対位置を変化させようとすると、これを妨げるような復元力が双方間に働き、非接触で安定な浮上が実現される。
【0004】
一方、特開平5−26296号公報に開示されるように、通常の電磁石を用いて高温超電導体に磁界を印加し、その磁界をピン止めさせる方法もある。
この発明は、先の発明での構成と異なり、高温超電導体を浮上側、固定側双方に配置し、両者のピン止め力により安定な浮上を得るもので、高浮上力化、浮上装置の構造の簡素化を図ろうとするものである。
【0005】
この発明では、高温超電導体のピン止めを次のようにして行っている。磁界を印加しない状態で臨界温度以下に冷却(ゼロ磁場冷却)された高温超電導体には、その後、近傍に配置された電磁石でパルス磁場が与えられ、この磁界がピン止めされる。或いは、上記の方法で磁界をピン止めした高温超電導体を用いて、もう一方の高温超電導体に磁界を与え、ピン止めさせる。このようにして磁界をピン止めした一対の高温超電導体、いわゆる高温超電導永久磁石を用い、浮上力、復元力を得ている。
【0006】
これ以外に、本願の発明者によって既に提案されている特願平6−6154号公報に開示されているような、磁界をピン止めした高温超電導体と強磁性体を組み合わせて磁気軸受や磁気浮上装置を構成し、一般に、装置内で用いられる永久磁石を削減或いは不要とすることにより、装置全体の低コスト化、高剛性化を図ったものがある。
【0007】
この発明では、強磁性体が固定側で、高温超電導体が浮上側、或いはその逆の配置となり双方間に働く磁気的吸引力を浮上安定力として用いている。この力の発生に用いる高温超電導体は、予め永久磁石或いは電磁石を用いて磁場中冷却することにより、磁界のピン止め、即ち着磁を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平4−78316号公報や特開平5−15011号公報のような、高温超電導体の相方として配置される永久磁石の発生磁界を用いて高温超電導体を着磁する方法では、使用する永久磁石の磁界強度と、この磁石と高温超電導体をどれだけ近づけて冷却するかで、ピン止めされる磁界の大きさが決定され、これにより浮上力や復元力の強さが決定されてしまう。これら力の大きさを変えるためには、使用する永久磁石を取り替える必要がある。
【0009】
また、特開平5−26296号公報のように通常の電磁石を用いて高温超電導体を着磁する方法では、浮上状態でも必要に応じて高温超電導体に磁界を印加し、浮上力や浮上距離などを変化させることが可能である。しかし、高温超電導体と電磁石を隣接して配置すると、電磁石に電流を流した時に発生するジュール熱が冷媒の急激な蒸発、或いは高温超電導体の温度上昇を招く。
【0010】
また、電磁石に大電流を流すためにリード線を大きくする必要があり、このリード線による室温部からの熱侵入が大きくなり、同じように高温超電導体の温度上昇を招く。すると高温超電導体のピン止めが低下し、悪くすると臨界温度を越えて超電導状態が破れる危険性があった。
高温超電導体と冷媒を収めた保冷容器の外に電磁石を配置する方法もあるが、磁界発生源が高温超電導体から離れることでピン止めされる磁界も低くなってしまう。ジュール熱の伝搬による冷媒の蒸発や高温超電導体の温度上昇も、完全には避けられない。また、何れにせよ着磁時に強力な磁界を必要とするために、電磁石の導体巻数が多くなり、高抵抗、高インダクタンスとなる。すると、この電磁石に電流を供給するための大容量電源が必要となり、磁場中冷却など長時間高温超電導体に磁界を印加する場合、多量の電気エネルギーが必要となる。
【0011】
これに対し、特開平5−26296号公報では、ゼロ磁場冷却した高温超電導体に電磁石でパルス磁場を印加する、としている。確かに、磁場をパルス的に発生させることにより、必要とされる電気エネルギーを低減させることは可能であるが、ジュール熱発生の問題は避けられない。また、高インダクタンスの電磁石の場合、短い時間でパルス状の電流を流すためには、電源電圧を高くする必要がある。更に、既知のとおり、高温超電導体にピン止めされる磁界は、ゼロ磁場冷却後の高温超電導体に磁界を印加した場合、同じ磁界を用いて磁場中冷却を行った場合よりも弱くなる。ピン止め磁界が弱いと発生する磁気力も弱く、従って、磁場中冷却の場合に比べて浮上力や復元力、ダンピングが小さくなってしまう。
【0012】
また、特開平6−6154号公報では、その特徴として浮上装置内から永久磁石を排除することのできる点が挙げられているが、永久磁石を用いて高温超電導体を磁場中冷却した場合、この永久磁石を高温超電導体近傍から何らかの方法で取り去らなければならない。しかし、磁場中冷却後の高温超電導体と永久磁石との間には強力な復元力が働くため、双方を引き離すのは容易なことではない。
【0013】
一方、通常の電磁石を用いて磁場中冷却する場合は、前述のようにジュール熱の発生や大容量電源を必要とする問題が避けられない。
以上説明したように、今のところ簡便で強力に高温超電導体を着磁する方法は確立されていない。現在、高温超電導体のピン止め浮上を超電導リニアモーターカーに応用する動きもあり、今後は高温超電導体の着磁を、どの様に行うかが重要な課題となってきている。
【0014】
本発明は、上記状況に鑑みて、高温超電導体に印加する磁界の大きさを自由に変えられ、それに伴う発熱が皆無に等しく、また強力な磁界が得られ、且つ、この磁界を維持する間には電気エネルギーをほとんど消費しないような、高温超電導体の着磁方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
(1)高温超電導体の着磁方法において、磁気浮上装置や磁気軸受、アクチュエータ、電磁モータの浮上力、保持力、駆動力、ダンピング発生等のために用いられる、液体窒素温度より高い臨界温度と強力なピン止め力を有する高温超電導体(以下、力発生用高温超電導体と呼ぶ)に対し、同じく、液体窒素よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた磁束ポンプで、超電導閉ループである励磁回路を構成し、前記励磁回路の一部が液体窒素よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた高温超電導電磁石となっており、前記励磁機構の高温超電導体で構成される部分を液体窒素などの冷媒で冷却し超電導状態とした後に、前記磁束ポンプを動作させ、その時、前記励磁回路に誘起される永久電流が、前記高温超電導電磁石を流れることによって発生する磁界を、前記力発生用高温超電導体に印加し、この前記磁界を前記力発生用高温超電導体にピン止めさせることによって、前記力発生用高温超電導体を永久磁石化するようにしたものである。
【0016】
(2)上記(1)記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分と、前記力発生用高温超電導体とで冷却が独立に行うことのできる機構を用い、まず前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分を冷却して超電導状態とし、前記力発生用高温超電導体を十分冷却しない状態、即ち、常電導状態において前記励磁回路の駆動により発生する磁界を、前記力発生用高温超電導体に印加し、次いで、前記力発生用高温超電導体を十分冷却して超電導状態とするようにしたものである。
【0017】
(3)上記(1)記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分と前記力発生用高温超電導体とで冷却を独立又は同時に行うことのできる機構を用い、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分と前記力発生用高温超電導体とが共に十分に冷却され超電導状態となっているときに、前記励磁回路が駆動されて発生する磁界を前記力発生用高温超電導体に印加するようにしたものである。
【0018】
(4)上記(1)、(2)又は(3)記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路が前記力発生用高温超電導体と独立して設置されており、前記力発生用高温超電導体に磁界を印加する場合には、この近傍に前記励磁回路の全部又は前記高温超電導電磁石の部分を配置し、これ以外の場合には前記励磁回路を前記力発生用高温超電導体から遠ざける態様で用いるようにしたものである。
【0019】
(5)上記(1)、(2)又は(3)記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の少なくとも前記高温超電導電磁石の部分を前記力発生用高温超電導体の近傍に常に配置し、前記力発生用高温超電導体に磁界を印加する時にだけ前記励磁回路を駆動して磁界を発生させ、これ以外の時は前記励磁回路内部を流れる前記永久電流をゼロにし、磁界を発生させないようにしたものである。
【0020】
(6)上記(1)、(2)又は(3)記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の少なくとも前記高温超電導電磁石の部分を前記力発生用高温超電導体の近傍に常に配置し、前記励磁回路を駆動して発生させた磁界を常に前記力発生用高温超電導体に印加するとにより、前記力発生用高温超電導体にピン止めされる磁界を増大させ、かつ前記力発生用高温超電導体が組み込まれている磁気回路の磁気抵抗増加などに起因する、前記ピン止め磁界の減少を防止するようにしたものである。
【0021】
(7)上記(6)記載の高温超電導体の着磁方法において、前記力発生用高温超電導体を着磁し、浮上力、保持力、駆動力を発生させている間に、前記磁束ポンプを駆動して前記励磁回路中を流れる前記永久電流を増減し、即ち前記力発生用高温超電導体に印加する磁界を増減することにより、前記力発生用高温超電導体が発生する力や浮上時の安定位置を変化させるようにしたものである。
【0022】
(8)高温超電導体の着磁装置において、液体窒素よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた磁束ポンプからなる超電導閉ループが構成される励磁回路と、この励磁回路の一部を構成する液体窒素よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた高温超電導電磁石と、この高温超電導電磁石に内装される液体窒素温度より高い臨界温度と強力なピン止め力を有する力発生用高温超電導体とを設けるようにしたものである。
【0023】
(9)上記(8)記載の高温超電導体の着磁装置において、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分の冷却容器と、該冷却容器とは分離された前記力発生用高温超電導体の冷却容器を設けるようにしたものである。
(10)上記(8)記載の高温超電導体の着磁装置において、前記励磁回路が前記力発生用高温超電導体と独立して設置されており、前記励磁回路を前記力発生用高温超電導体から離脱可能な手段を設けるようにしたものである。
【0024】
【作用】
本発明によれば、磁束ポンプを駆動した場合に誘起される永久電流が高温超電導電磁石を流れることによって発生する磁界を、力発生用高温超電導体に印加し、この磁界を力発生用高温超電導体にピン止めさせることによって、高温超電導体の着磁、即ち永久磁石化を引き起こすものである。
【0025】
上述したように、励磁回路内の永久電流が増大する、又は減少するように磁束ポンプを駆動することにより、同回路内の高温超電導電磁石の発生磁界、即ち高温超電導体に印加する磁界の大きさを自由に変えることができる。また、励磁回路が超電導閉ループを構成しているため、磁界発生に伴う発熱は皆無に等しく、また磁束ポンプに駆動力を導入する、或いは電力を供給する場合も、室温部からの熱侵入を十分小さくすることができるため、高温超電導体の温度上昇を抑えることができる。
【0026】
更に、高温超電導導体の電流密度が高いため、小型、巻数の少ない高温超電導電磁石でも強力な磁界を発生させることができる。加えて、励磁回路内の電流は永久電流であり、減衰がほとんどないので、磁界を一定に保持する間は磁束ポンプを駆動、或いは電気エネルギーを供給する必要がない。
このように、高温超電導体に印加する磁界を、磁界発生源からの発熱を気にすることなく、長期間保持することができ、或いはこの磁界の大きさを任意に変化させることができるので、高温超電導体を着磁する場合、磁場中冷却とゼロ磁場冷却後に磁界を印加する法のどちらにも対応させることができる。
【0027】
【実施例】
まず、本発明の実施例を述べる前に磁束ポンプについて説明する。
磁気浮上装置や磁気軸受、アクチュエータ、電磁モータの浮上力、保持力、駆動力、ダンピング発生等のために用いられる高温超電導体(以下、力発生用高温超電導体と呼ぶ)に対し、同じく高温超電導体で構成された、超電導電磁石を含む磁束ポンプ(フラックスポンプ)からなる励磁回路を用いる。
【0028】
磁束ポンプは、周知のとおり、超電導電磁石を含む超電導閉回路へ少量の磁束を反復して汲み込むことで大磁束を蓄積し、大電流を超電導電磁石に誘起する装置である。誘起される電流の大きさは、磁束を導入する回数、この磁束の量及び方向を変えることで変化させることができる。
また、磁束ポンプ自体が超電導閉回路であるため、ポンプの駆動を止めても回路内の電流は永久電流となって流れつづける。
【0029】
従って、定常状態では、永久電流の僅かな減少分を補う以外は電気エネルギーを供給する必要がない。金属系超電導体(低温冷媒である液体ヘリウムを使用するところから低温超電導体とも呼ばれる)からなる種々の構成が提案されているが、それらは磁束導入法の違いにより発電型(又は移動磁界型)磁束ポンプと整流型磁束ポンプとに大別される。
【0030】
発電型は超電導板上に磁界を移動させて閉回路内に磁束を汲み込むものであり、整流型は超電導変圧器と超電導スイッチ(又は超電導整流器)から構成される半波或いは全波整流回路である。
両型とも、非接触通電、低発熱、熱絶縁、電流保持性能を持ち、同じく金属系超電導体を使用した超電導発電機や超電導電磁石の電流供給源として有望視されている。
【0031】
以下、磁束ポンプの原理を、図を参照しながら詳細に説明する。
図7は、磁束ポンプの一般的な動作原理を説明するための図である。
この図に示すように、超電導閉回路である磁束ポンプ1は主に超電導スイッチ2a,2bと超電導電磁石3とで構成される。超電導スイッチ2a,2bは、普通臨界磁界の低い超電導体でできており、オフ、つまり高抵抗にする時はこれに磁界を印加して常電導にし、オンにするときは磁界を取り去り超電導に戻す。これ以外に、熱を印加する、或いは機械的に接点を開くことにより超電導スイッチをオフにするものである。超電導電磁石を励磁するには、
(1)まず、図7(a)に示すように、磁束ポンプ1全体を冷却して超電導状態にした後、超電導スイッチ2aをオフ、超電導スイッチ2bをオンにする。
【0032】
(2)次に、図7(b)に示すように、超電導回路abefに磁束4を導入する。磁束4を導入する方法として、棒状永久磁石を回路に近づけたり、電磁石を置いて、その磁束が回路に鎖交するようにしたものなどがある。
(3)次に、図7(c)に示すように、超電導スイッチ2aをオンにする。
(4)続いて、図7(d)に示すように、超電導スイッチ2bをオフにする。
【0033】
(5)次いで、図7(e)に示すように、磁束を取り去る。この時、超電導閉回路に鎖交する磁束量は変化しないという性質のため、回路acdfには取り去られた磁束4の磁束量を維持するための電流5が誘導される。Lを回路acdfのインダクタンス(超電導電磁石3のインダクタンスにほぼ等しい)、磁束4の量をφとすると、回路内に誘導される電流はΔI=φ/Lである。このサイクルを繰り返せば、超電導電磁石3を流れる電流5は増加していく。或いは、超電導スイッチ2a,2bの操作により、回路内に導入された磁束4の一部を放出したり、それまでと逆の向きの磁束を汲み込むことにより、電流5を減少させたり逆向きにしたりすることができる。
【0034】
図8は上述の原理を応用した発電型磁束ポンプの一例の動作原理図である。
この磁束ポンプは、主に超電導薄板11と超電導電磁石12、両者をつなぐ超電導導体13からなり、超電導閉回路を構成している。また、超電導薄板11に常電導領域を発生させ、超電導閉回路内に磁束を汲み込むために、超電導薄板11の近傍に磁界発生用棒磁石14(以下、単に棒磁石という)が配置される。この棒磁石14は、一般にその磁極近傍での磁束密度Bmが、超電導薄板11、超電導電磁石12、超電導導体13のそれぞれの臨界磁束密度Bc11,Bc12,Bc13と比較して、
Bc12,Bc13>Bm>Bc11
なる関係を持つよう材料や形状が決定される。
【0035】
この磁束ポンプの動作原理を説明すると、次のようになる。
超電導薄板11に棒磁石14を近付けると、棒磁石14の磁界で超電導薄板11に常電導領域(ノーマルスポット)15が発生し、そこに磁束(図示せず)が通る。図中(a)→(d)のように棒磁石14を動かすと、それにつれて常電導領域15が超電導薄板11内を移動する。その結果、超電導薄板11と超電導導体13、超電導電磁石12で構成された超電導閉回路に磁束が汲みこまれる。
【0036】
この後、図中(e)のように棒磁石14を遠ざけると、汲み込まれた磁束を維持するため回路内に電流が誘導される。発電型磁束ポンプでは、図7の回路abefに相当する超電導薄板11が、超電導スイッチ2a,2bのオンオフと磁束の出し入れを同時に行っていると考えることができる。棒磁石14を動かすための別途機構が必要であるが、外部から駆動力を導入する場合、熱絶縁性の高い材料を用いることで、低温部への熱侵入を低減することができる。
【0037】
図9は発電型ポンプの別の例の動作原理図である。
この磁束ポンプでも、図8と同様に超電導部分は主に超電導薄板21と超電導電磁石22、両者をつなぐ超電導導体23からなる。超電導薄板21近傍に配置される磁界発生部は、図8の永久磁石から磁界発生用電磁石24に置き代わっている。この磁界発生用電磁石24は複数の電磁石で構成し、多相交流を整流器25で整流した電源、或いは直流バイアスを加えた交流電源で励磁され、進行磁界を発生させる。この磁界発生用電磁石24は、磁極近傍、超電導薄板21が配置される位置での磁束密度が、超電導薄板21の臨界磁束密度より高くなるよう設計されているので、超電導薄板21内に発生する常電導領域(図示せず)は進行磁界に合わせて移動する。図8の例と異なり、磁界発生部を移動させる必要がないので、可動部を持たない発電型磁束ポンプとすることができる。また、室温部から磁界発生用電磁石24に電力を供給するためのリード線が必要であるが、高温超電導体に直接磁界を印加する場合に比べて電流が小さくて済むので、細いリード線とすることができ、室温部からの熱侵入を小さくすることができる。
【0038】
図10は全波整流型磁束ポンプの一例の動作原理図である。
この磁束ポンプは主に一次側コイル31aと二次側コイル31bを有する超電導変圧器31、超電導電磁石32、超電導スイッチ33a,33b、小電流の交流電源34からなり、この交流電源34を含む電源部分36が室温部、これ以外は低温部となる。
【0039】
この磁束ポンプの動作原理を説明すると、次のようになる。
まず、低温部を冷却して超電導状態とし、室温部から超電導変圧器31の一次側コイル31aに交流を印加する。交流の極性が変わった時、もしそれまで超電導スイッチ33aがオンで、超電導スイッチ33bがオフであったとすると、超電導スイッチ33bをオンにして超電導スイッチ33aをオフにし、次に極性が変わったときには、また超電導スイッチ33aをオンにして超電導スイッチ33bをオフにする。
【0040】
この動作を繰り返すことにより、回路の一部cfには常に直流電圧が生じ、超電導電磁石32には直流電流35が供給される。室温から超電導変圧器31の一次側コイル31aに電力を供給するためのリード線が必要となるが、高温超電導体に直接磁界を印加する場合に比べて電流が小さくて済むので、細いリードとすることができ、室温部からの熱侵入を小さくすることができる。
【0041】
以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図である。なお、この図において、保冷容器や各部材の支持機構は省略している。
図1に示すように、高温超電導体薄板41と高温超電導導体43、高温超電導電磁石42(一部破断面で図示)で発電型磁束ポンプを構成し、励磁用超電導閉回路としている。また、高温超電導電磁石42の内側には、力発生用高温超電導体46を内装している。高温超電導薄板41の近傍に配置される回転機構47の先端には、磁界発生用永久磁石44が固定されている。この磁界発生用永久磁石44は、高温超電導薄板41の直下を、一端から超電導閉ループへ、その後閉回路の外側へと向かうよう移動する。また、この磁界発生用永久磁石44は、その磁極近傍での磁束密度Bmが、高温超電導薄板41、高温超電導電磁石42、高温超電導導体43の各臨界磁束密度Bc41,Bc42,Bc43と比較して、
Bc42,Bc43>Bm>Bc41
なる関係を持つよう材料や形状が決定されている。
【0042】
この着磁装置の高温超電導体でできた部分を臨界温度以下に冷却して超電導状態とし(ゼロ磁場冷却)、磁界発生用永久磁石44を回転機構47により、図のように移動させると、磁界発生用永久磁石44が高温超電導体薄板41の下に来た時点で常電導領域45が発生し、高温超電導体薄板41を磁束(図示せず)が貫通する。この常電導領域45が磁界発生用永久磁石44の動きに合わせて高温超電導体薄板41上を移動し、磁界発生用永久磁石44が高温超電導体薄板41の下を通り抜けた時点で、超電導閉回路内に磁束が取り込まれる。
【0043】
更に、磁界発生用永久磁石44が移動し、超電導閉回路内に磁界発生源が無くなると、先に取り込まれた磁束を維持するために、超電導閉回路内に電流が流れる。ここで、超電導閉回路の電気抵抗はゼロに等しいので、この電流は永久電流となって流れ続ける。磁界発生用永久磁石44の移動による超電導閉回路内への磁束の汲み込みを繰り返すと、永久電流が増大し、これが流れる高温超電導電磁石42の発生効果が増大する。
【0044】
この磁界の大きさが力発生用高温超電導体46の下部臨界磁界Hclを越えると、この磁界が力発生用高温超電導体46の内部に侵入・ピン止めされ、着磁を起こすことができる。このまま永久電流が流れたままとし、バイアスとして磁界を印加し続けると、力発生用高温超電導体46は現状の磁化が維持され、また発生力、特に吸引力の増強を図ることができる。或いは、超電導閉回路を開放する、汲み込まれた磁束を排出する、逆向きの磁束を汲み込む等の方法で永久電流をゼロにしても、力発生用高温超電導体46の着磁状態はある程度維持される。
【0045】
更に、力発生用高温超電導体46で浮上力、保持力、駆動力を発生させている間も、磁束ポンプを駆動して永久電流を増減し、力発生用高温超電導体46に印加する磁界を増減することにより、力発生用高温超電導体46が発生する力や浮上時の安定位置を変化させることができる。
図2は図1に示した高温超電導体着磁装置の構成を説明するための回路図である。なお、図1と同じ番号を用いた部分は、図1の同部分に相当する。
【0046】
この図に示すように、高温超電導体薄板41に仮想的に存在する高温超電導スイッチ41a,41bの開閉動作により汲み込まれた、常電導領域45を貫通する磁束(図示せず)が矢印の向きに移動し、高温超電導体薄板41と高温超電導導体43、高温超電導電磁石42で構成される超電導閉回路に永久電流48が流れる。この永久電流48が高温超電導電磁石42を流れることにより発生する磁界で、内側に配置された力発生用高温超電導体46を着磁することができる。
【0047】
この実施例に使用した磁界発生用永久磁石44は、図1に示した棒状永久磁石である必要は無く、角型永久磁石やリング型永久磁石、或いは種々の形状の電磁石でも良い。また、力発生用高温超電導体46や高温超電導電磁石42の形状は、図1に示したものに必ずしも限定されることはなく、その変形は自由であることは言うまでもない。
【0048】
なお、磁束ポンプは、形の上で様々な構成がよく知られており、この実施例にも別の構成の磁束ポンプを適用することができる。
図3は本発明の第2実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図であり、図3(a)はその高温超電導体着磁装置の全体構成図、図3(b)はその高温超電導体着磁装置の高温超電導体スイッチの構成図である。なお、ここでは保冷容器や各部材の支持機構は省略している。
【0049】
この図3(a)に示すように、高温超電導変圧器51と高温超電導導体55、高温超電導電磁石52(一部断面で図示)で全波整流型磁束ポンプを構成し、励磁用閉回路としている。また、高温超電導電磁石52の内側には力発生用高温超電導体56が内装されている。高温超電導変圧器51の一次側コイル51aには、電源端子51cを介して外部室温空間から高電圧小電流の交流を供給する。二次側コイル51bは巻数の両端及び中間点から端子が出ており、この中間点は高温超電導電磁石52の一端に接続されており、二次側コイル51bの両端は高温超電導スイッチ53a,53bを介した後に接続し、高温超電導電磁石52の他端に接続されている。
【0050】
この高温超電導体スイッチ53a,53bは、図3(b)に示すように、高温超電導導体55を取り巻く非磁性絶縁体製巻枠57と、これに巻かれた高抵抗発熱体58とから構成されており、高抵抗発熱体58に電流端子54a(54b)から電流を流すことにより発生する熱で、高温超電導導体55の超電導状態を破り、超電導閉回路内に電気抵抗を発現させて高温超電導スイッチのオフを行う。
【0051】
図4は図3に示した高温超電導体着磁装置の基本動作を説明するための回路図である。なお、図4においては、図3と同じ番号を用いた部分は、図3の同部分に相当する。
この動作原理を説明すると、次のようになる。
まず、低温部を冷却して超電導状態とし(ゼロ磁場冷却)、室温部から高温超電導変圧器51の一次側コイル51aに電源端子51cを介して高電圧小電流の交流を供給する。二次側コイル51bに発生する低電圧高電流交流の極性が変わったとき、もしそれまで高温超電導スイッチ53aがオンで高温超電導スイッチ53bがオフであったとすると、電流端子54bの電流をゼロにして高温超電導スイッチ53bをオンにし、反対に電流端子54aに電流を流して高温超電導スイッチ53aをオフにする。次に極性が変わった時には、同様の操作で高温超電導スイッチ53aをオンにして、高温超電導スイッチ53bをオフにする。この動作を繰り返すことにより、高温超電導電磁石52には常に永久電流59が供給され、内装された力発生用高温超電導体56に磁界が印加される。
【0052】
この磁界の大きさが力発生用高温超電導体56の下部臨界磁界Hclを越えると、この磁界が力発生用高温超電導体56の内部に侵入・ピン止めされ、着磁を起こすことができる。このまま永久電流が流れたままとし、バイアスとして磁界を印加し続けると、力発生用高温超電導体56は現状の磁化状態が維持され、また発生力、特に吸引力の増強を図ることができる。
【0053】
或いは、高温超電導スイッチ53a,53bを開放して永久電流59をゼロにしても、力発生用高温超電導体56の着磁状態はある程度維持される。更に、力発生用高温超電導体56で浮上力、保持力、駆動力を発生させている間にも、磁束ポンプを駆動して永久電流を増減し、力発生用高温超電導体56に印加する磁界を増減することにより、力発生用高温超電導体56が発生する力や浮上時の安定位置を変化させることができる。
【0054】
この実施例に使用した高温超電導スイッチ53a,53bは、必ずしも図3或いは図4に示した熱クエンチ式スイッチである必要はなく、磁界クエンチ式や機械的スイッチでも良いことは言及するまでもない。また、高温超電導変圧器51の一次側コイル51aに供給するのは、正弦波交流でもよいし、パルス状交流でも良い。更に、力発生用高温超電導体56や高温超電導電磁石52の形状は、必ずしも図3に示すものに限定されることはなく、その変形は自由であることは言うまでもない。
【0055】
図5は本発明の第3実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図である。
この図に示すように、この実施例の高温超電導体着磁装置は、力発生用高温超電導体61を有し、この力発生用高温超電導体61は、保冷容器62を有し、この保冷容器62は内側容器62aと外側容器62b(各々、一部破断面で図示)で構成されている。
【0056】
一方、高温超電導電磁石63(一部破断面で図示)、高温超電導磁束導入部65、両者をつなぐ高温超電導導体(図示せず)からなる励磁用磁束ポンプの保冷容器64が設けられており、この保冷容器64は、内側容器64aと外側容器64b(各々、一部破断面で図示)で構成されている。
そして、前記力発生用高温超電導体61の保冷容器62と、励磁用磁束ポンプの保冷容器64とは独立しており、別々に冷却が可能となっている。
【0057】
また、力発生用高温超電導体61の保冷容器62は、励磁用磁束ポンプの保冷容器64内に位置する高温超電導電磁石63の内側に配置される。各保冷容器62,64の内側容器62a,64a内には冷媒が満たされ、これら内側容器62a,64aと外側容器62b,64bとの間の隙間は真空断熱層となっている。なお、各保冷容器62,64への冷媒供給・排出口や真空引口、励磁用磁束ポンプの磁束導入部から出る駆動力導入機構や電流供給線等は省略している。
【0058】
この実施例のように、力発生用高温超電導体61と励磁回路の冷却を独立して行えるようにすることにより、力発生用高温超電導体61を磁界中で冷却する、即ち磁場中冷却することができ、ゼロ磁場冷却に比べてより多くの磁束をピン止めさせることが可能になる。
【0059】
これは、力発生用高温超電導体61の発生力増強につながる。また、冷却後もバイアスとして磁界を印加し続けると、力発生用高温超電導体61は現状の磁化状態が維持され、更なる発生力、特に吸引力の増強を図ることができる。あるいは、別途機構による超電導閉回路の開放などで永久電流をゼロにし、印加磁界をなくしても力発生用高温超電導体61の着磁状態は大部分維持される。また、更に、力発生用高温超電導体61で浮上力、保持力、駆動力を発生させている間にも、磁束ポンプを駆動して永久電流を増減し、力発生用高温超電導体61に印加する磁界を増減することにより、力発生用高温超電導体61が発生する力や浮上時の安定位置を変化させることができる。
【0060】
図6は本発明の4実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図である。
この図に示すように、力発生用高温超電導体71は、保冷容器72を有し、この保冷容器72は内側容器72aと外側容器72b(各々、一部破断面で図示)で構成されている。
一方、高温超電導電磁石73a,73b、高温超電導磁束導入部75、両者をつなぐ高温超電導導体(省略)からなる励磁用磁束ポンプの保冷容器74が設けられており、この保冷容器74は、内側容器74a外側容器74b(各々、一部破断面で図示)で構成されている。
【0061】
そして、力発生用高温超電導体71の保冷容器72と、励磁用磁束ポンプの保冷容器74とは独立しており、別々に冷却が可能となっている。
また、磁束ポンプの保冷容器74内に位置する高温超電導電磁石73a,73bで挟まれた力発生用高温超電導体71の保冷容器72は、その位置から取外し可能となっている。各保冷容器72,74の内側容器72a,74a内には冷媒が満たされ、これら内側容器72a,74aと外側容器72b,74bとの間の隙間は真空断熱層となっている。なお、各保冷容器72,74への冷媒供給・排出口や真空引口、磁束ポンプの磁束導入部から出る駆動力導入機構や電流供給線等は省略している。
【0062】
この実施例のように、力発生用高温超電導体71と励磁回路の冷却を独立して行えるようにすることにより、力発生用高温超電導体71を磁界中で冷却する、即ち磁場中冷却することができ、ゼロ磁場冷却に比べてより多くの磁束をピン止めさせることが可能になる。これは、力発生用高温超電導体71の発生力増強につながる。また、力発生用高温超電導体71と励磁回路を分離できる構造とすることにより、力発生用高温超電導体71が汲み込まれる装置の小型計量化が可能となる。
【0063】
上記第3及び第4実施例においても、励磁回路として使用する磁束ポンプは、周知の種々の構成を持つ物とすることができる。また、磁場印加対象である力発生用高温超電導体や、磁場発生用高温超電導電磁石も種々の形状に変化させることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0064】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(A)励磁回路である磁束ポンプを駆動することにより、励磁回路内の超電導電磁石の発生磁界、即ち高温超電導体に印加する磁界の大きさを自由に変えることができる。また、励磁回路が超電導閉ループを構成しているため磁界発生に伴う発熱は皆無に等しく、また磁束ポンプに駆動力を導入する、或いは電力を供給する場合も、室温部からの熱侵入を十分小さくすることができるため、高温超電導体の温度上昇を抑えることができる。
【0065】
(B)超電導導体の電流密度が高いため、小型、巻数の少ない超電導電磁石でも強力な磁界を発生させることができ、高温超電導体を強力に着磁することができる。加えて、励磁回路内の電流は永久電流であり、減衰がほとんどないので、磁界を一定に保持する間は磁束ポンプを駆動、或いは電気エネルギーを供給する必要がない。
【0066】
このように、高温超電導体に印加する磁界を、磁界発生源からの発熱を気にすることなく長期間保持でき、或いはこの磁界の大きさを任意に変化させることができるので、高温超電導体を着磁する場合、磁場中冷却法と、ゼロ磁場冷却後に磁界を印加する法のどちらにも対応することができる。
以上のように、本発明の実用的効果は著大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図である。
【図2】図1に示した高温超電導体着磁装置の構成を説明するための回路図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図である。
【図4】図3に示した高温超電導体着磁装置の基本動作を説明するための回路図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図である。
【図6】本発明の4実施例を示す高温超電導体着磁装置の斜視図である。
【図7】磁束ポンプの一般的な動作原理を説明するための図である。
【図8】図7の原理を応用した発電型磁束ポンプの一例の動作原理図である。
【図9】発電型ポンプの別の例の動作原理図である。
【図10】全波整流型磁束ポンプの一例の動作原理図である。
【符号の説明】
1 磁束ポンプ
2a,2b,33a,33b 超電導スイッチ
3 超電導電磁石
4 磁束
5 電流
11,21 超電導薄板
12,22,32 超電導電磁石
13,23 超電導導体
14 磁界発生用棒磁石
15 常電導領域(ノーマルスポット)
24 磁界発生用電磁石
25 整流器
31a 一次側コイル
31b 二次側コイル
31 超電導変圧器
34 交流電源
35 直流電源
36 電源部分
41 高温超電導体薄板
41a,41b,53a,53b 高温超電導スイッチ
42,52,63,73a,73b 高温超電導電磁石
43,55 高温超電導導体
44 磁界発生用永久磁石
45 常電導領域
46,56,61,71 力発生用高温超電導体
47 回転機構
48,59 永久電流
51 高温超電導変圧器
51a 一次側コイル
51b 二次側コイル
51c 電源端子
54a,54b 電流端子
57 非磁性絶縁体製巻枠
58 高抵抗発熱体
62,72 力発生用高温超電導体の保冷容器
62a,72a 内側容器
62b,72b 外側容器
64,74 励磁用磁束ポンプの保冷容器
64a,74a 内側容器
64b,74b 外側容器
65,75 高温超電導磁束導入部

Claims (10)

  1. 液体窒素温度よりも高い臨界温度を有する力発生用高温超電導体に対し、同じく液体窒素温度よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた磁束ポンプで、超電導閉ループである励磁回路を構成し、該励磁回路の一部が液体窒素温度よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた高温超電導電磁石となっており、該高温超電導体で構成される部分を冷却し、超電導状態とした後に、前記磁束ポンプを動作させ、その時、前記励磁回路に誘起される永久電流が前記高温超電導電磁石を流れることによって発生する磁界を前記力発生用高温超電導体に印加し、該磁界を前記力発生用高温超電導体にピン止めさせることによって、前記力発生用高温超電導体を永久磁石化することを特徴とする高温超電導体の着磁方法。
  2. 請求項1記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分と前記力発生用高温超電導体との冷却を独立に行うことのできる機構を用い、まず、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分を冷却して超電導状態とし、前記力発生用高温超電導体を十分冷却しない常電導状態下において前記励磁回路の駆動により発生する磁界を前記力発生用高温超電導体に印加し、次いで前記力発生用高温超電導体を十分冷却して超電導状態とすることを特徴とする高温超電導体の着磁方法。
  3. 請求項1記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分と前記力発生用高温超電導体とで冷却を独立又は同時に行うことのできる機構を用い、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分と前記力発生用高温超電導体とが共に十分に冷却され超電導状態となっているときに、前記励磁回路が駆動されて発生する磁界を前記力発生用高温超電導体に印加することを特徴とする高温超電導体の着磁方法。
  4. 請求項1、2又は3記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路が前記力発生用高温超電導体と独立して設置されており、前記力発生用高温超電導体に磁界を印加する場合には、その近傍に前記励磁回路の全部又は前記高温超電導電磁石の部分を配置し、これ以外の場合には前記励磁回路を前記力発生用高温超電導体から遠ざける態様で用いることを特徴とする高温超電導体の着磁方法。
  5. 請求項1、2又は3記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の少なくとも前記高温超電導電磁石の部分を前記力発生用高温超電導体の近傍に常に配置し、前記力発生用高温超電導体に磁界を印加する時にだけ前記励磁回路を駆動して磁界を発生させ、これ以外の時は前記励磁回路内部を流れる前記永久電流をゼロにし、磁界を発生させないことを特徴とする高温超電導体の着磁方法。
  6. 請求項1、2又は3記載の高温超電導体の着磁方法において、前記励磁回路の少なくとも前記高温超電導電磁石の部分を前記力発生用高温超電導体の近傍に常に配置し、前記励磁回路を駆動して発生させた磁界を常に前記力発生用高温超電導体に印加するとにより、前記力発生用高温超電導体にピン止めされる磁界を増大させ、前記ピン止め磁界の減少を防止することを特徴とする高温超電導体の着磁方法。
  7. 請求項6記載の高温超電導体の着磁方法において、前記力発生用高温超電導体を着磁し、浮上力、保持力、駆動力を発生させている間に、前記磁束ポンプを駆動して前記励磁回路中を流れる前記永久電流を増減し、前記力発生用高温超電導体に印加する磁界を増減することにより、前記力発生用高温超電導体が発生する力や浮上時の安定位置を変化させることを特徴とする高温超電導体の着磁方法。
  8. 高温超電導体の着磁装置において、
    (a)液体窒素よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた磁束ポンプからなる超電導閉ループが構成される励磁回路と、
    (b)該励磁回路の一部を構成する液体窒素よりも高い臨界温度を有する高温超電導体を用いた高温超電導電磁石と、
    (c)該高温超電導電磁石に内装される液体窒素温度より高い臨界温度と強力なピン止め力を有する力発生用高温超電導体とを具備することを特徴とする高温超電導体の着磁装置。
  9. 請求項8記載の高温超電導体の着磁装置において、前記励磁回路の高温超電導体で構成される部分の冷却容器と、該冷却容器とは分離された前記力発生用高温超電導体の冷却容器を具備することを特徴とする高温超電導体の着磁装置。
  10. 請求項8記載の高温超電導体の着磁装置において、前記励磁回路が前記力発生用高温超電導体と独立して設置されており、前記励磁回路を前記力発生用高温超電導体から離脱可能な手段を具備することを特徴とする高温超電導体の着磁装置。
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