JP3659214B2 - コンバ一タ制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC/DCコンバ一タの入力電力源を判定するコンバ一タ制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術においては、DC/DCコンバ一タの入力電力源は特定のものだけが接続されるものであった。また、特定の入力電力源以外のものが接続される場合には、別に機構的な切替のための手段を必要としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の技術においては、特定の入力電力源しか使用することが出来ず、汎用性に欠けるものであった。あるいは、切替のための機構的な手段を必要とするため、切替のための手間がかかって使用方法が煩雑となり、また機構的な部品を必要とするために高価なものとなっていた。
【0004】
本発明は、この従来の課題を解決するもので、入力電力源に汎用性をもたせ、簡単な手段でDC/DCコンバ一タの入力電力源を判定することができるコンバ一タ制御方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のコンバ一タ制御方法は、スイッチング素子の導通比によって、DC/DCコンバ一タの入力電圧が変動するか否かにより入力電力源を判定するものである。
【0006】
これにより、別に切替手段を必要とすることなく、入力電力源が太陽電池であるか否かを判定することができるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、DC/DCコンバ一タを構成するスイッチング素子の導通比を変更した際の入力電圧を検知し、入力電圧の変動よりDC/DCコンバ一タの入力電力源を判定し、前記入力電力源が太陽電池と判定された場合において、太陽電池の最大電力 追従制御を行うコンバ一タ制御方法とすることにより、別に切替手段を必要とすることなく、入力電力源が太陽電池であるか否かを判定することが可能となるとともに太陽電池の能力を最大限に引き出して電力を取り出すことが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、入力電力源の判定は、DC/DCコンバ一タの制御開始から一定時間経過後の入力電圧の変動より判定する請求項1に記載のコンバ一タ制御方法とすることにより、負荷をとることによって急激に電圧が低下するような電力源の場合でも、正確に太陽電池であるか否かを判定しやすくすることが可能である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、DC/DCコンバ一タの出力側に二次電池を接続して充電制御を行う場合において、DC/DCコンバ一タの出力電流を定電流で制御し、定電流充電を行う請求項1〜2のいずれかに記載のコンバ一タ制御方法とすることにより、二次電池の充電方法として最も一般的な定電流充電を行うことで二次電池を効率よく充電することが可能となる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、DC/DCコンバ一タの出力側に二次電池を接続して充電制御を行う場合において、太陽電池の最大電力追従制御よりも定電流制御を優先する請求項3に記載のコンバ一タ制御方法とすることにより、二次電池の過充電を防ぐことが可能となる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項における制御機能の全てまたは一部をプログラムにより実現したコンバ一タ制御方法とすることにより、マイコンは勿論のことDSPや汎用コンピュータを用いて容易に実現することが可能である。また、記録媒体に記録したり、通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単に出来るものである。
【0012】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0013】
図1において、電力供給源1は、DC/DCコンバ一タに電力を供給するものである。電力供給源1としては、交流電力をトランスで昇降圧して整流する事によって直流電力としても良い。また、太陽電池や燃料電池などの直流電力を発生するものや、鉛蓄電池、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池、あるいは一次電池といった直流電源を電力供給源1としても良い。
【0014】
入力端子2は、DC/DCコンバ一タに電力を供給する電力供給源1を接続するためのものである。電力供給源1は様々なものが接続されるが、この入力端子2によってDC/DCコンバ一タ側と簡単に接続することが出来るようになる。入力端子2は1つだけとすることで、切替の必要がなくなり、安価に製造可能なものとなる。
【0015】
電圧検知部3は、入力端子2に接続された、電力供給源1の電圧を測定するためのものである。電圧検知部3としては、抵抗分圧したものであっても良いし、センサーであっても良い。
【0016】
そして、入力平滑コンデンサ4は、入力波形を平滑するものである。またコイル5は、電力供給源1より供給されたエネルギーを一時的に蓄えておくものである。スイッチング素子6は、電力供給源1によって供給される電力を制御するものである。
【0017】
制御部7は、電圧検知部3の検出電圧に基づき、最適な導通比でスイッチングを行うための導通比計算を行い、その結果に基づいてスイッチング素子6のオンオフの制御を行うものである。
【0018】
出力平滑コンデンサ8は、出力波形を平滑するものである。出力端子9は、DC/DCコンバ一タの出力を出すためのものである。
【0019】
ここで、簡単にDC/DCコンバ一タの動作原理を説明すると、スイッチング素子6がオンの状態、つまり導通状態にあるとき、電力供給源1から供給される電力はコイル5に一時的に蓄えられる。その後、スイッチング素子6がオフの状態、つまり開放状態にあるとき、コイル5に一時的に蓄えられていた電力は放出され、出力平滑コンデンサ8に蓄えられる。この動作を繰り返すことによって、入力端子2に接続された電力供給源1の電圧は、スイッチング素子6の導通比に応じた昇圧比で昇圧され、出力端子9に出てくるものである。
【0020】
図2は太陽電池の一般的な電気出力特性を示すものであり、図に示すとおり、動作点が変動する。解放時の動作点は開放端電圧(電流は零)となる。太陽電池をDC/DCコンバ一タと接続し、スイッチング素子6の導通比を大きくしていくと電圧は降下し、電流は上昇して動作点が移動する。逆に導通比を小さくすると電圧は上昇し、電流が減少する。それぞれの動作点における電力は一定ではないため、最大電力となる点が存在する。したがって、このように動作点を変動して行き、最大電力点で動作するように制御することによって、太陽電池の能力を最大限に引き出すことが可能となる(このような制御を最大電力追従制御という)。
【0021】
この最大電力追従制御を行った際の太陽電池の電圧変動を利用して、DC/DCコンバ一タの入力源として太陽電池が接続されたか否かを判定する。
【0022】
このときのフローチャートを図3に示す。DC/DCコンバ一タの制御開始時の導通比は零とし、電力供給源1からの電力を供給出来ない状態とする(STEP1)。この状態から制御を開始する(STEP2)。制御部7によってスイッチング素子6の導通比を大きくし(STEP3)、その際の入力端子2の電圧を電圧検知部3によって検出し(STEP4)、制御部7に取り込まれる。制御部7に取り込まれたデータは、制御部7内で記憶される(STEP5)。これらの制御を数回繰り返し、入力電圧の変動を記憶して行く。そして入力電圧低下があったかどうかを判断し(STEP6)、低下があれば太陽電池と判断(STEP7)するものである。なお、制御部7での制御繰り返しの回数は何回でもよく、単調に減少したときのみを太陽電池であると判定しても良い。STEP6で入力電圧低下がなければ、電力供給源1が太陽電池以外であると判断する(STEP8)。
【0023】
図4は、スイッチング素子6における導通比の変化のパターンに、導通比が小さくなるように変更した場合の入力電圧の変動を見る項目を追加したもので、STEP1〜STEP6までは図3と変わらない。STEP7〜STEP10で入力電圧が上昇するかどうかを判断し、太陽電池か否かを判定する(STEP11、12)。こうすることによって、より確実に太陽電池であるか否かを判定することが出来る。
【0024】
ここで、本発明の実施例では、DC/DCコンバ一タの制御を開始し、スイッチング素子6の導通比を上げて行ったとき、ある一定時間の入力電圧の変動は判定のための情報として採用せず、一定時間経過後の入力電圧の変動を判定情報として用いるものである。
【0025】
これは、二次電池等の場合、開放電圧は十分な電圧があっても、負荷をとることによって一気に電圧が低下してしまうため、それを太陽電池の特性によるものと混同してしまう恐れがあるため、その影響を排除することによって、より正確に判定することが可能となる。
【0026】
また、電力供給源1が太陽電池であると判定された場合には、太陽電池の能力を最大限に引き出すために、最大電力追従制御を行うものである。最大電力追従制御を行う理由は既述のとおりである。
【0027】
次に、図5により本発明の他の実施例について説明する。
【0028】
図5において、出力端子9には二次電池10を接続している。こうすることによって、DC/DCコンバ一タを充電制御回路として動作させることが可能である。
【0029】
通常、DC/DCコンバ一タの導通比は、入力端子2に印加された電圧を、出力端子9の電圧まで昇圧する昇圧比と一意の関係となる。換言すれば、導通比によって出力端子9を流れる電流を制御することは出来ない。
【0030】
しかしながら、出力端子9に二次電池10が接続された場合、出力端子9の電圧は二次電池10の電圧となるため、入力端子2に印加される電圧を一定とすると昇圧比も一定となる。その際、導通比によって制御されるものは出力端子9を流れる電流となるため、二次電池の充電方法として最も一般的な定電流充電を行うことが可能となる。
【0031】
そこで、電力供給源1が太陽電池と判定された場合、既述したように最大電力追従制御を行うことによって太陽電池の能力を最大限に引き出すことが可能となる。しかしながら、本実施例のように出力端子9に二次電池10を接続し、DC/DCコンバ一タを充電制御回路として動作させる場合には、最大電力追従制御をすると二次電池を過充電してしまう恐れがある。そのため、たとえ電力供給源1が太陽電池であっても最大電力追従制御は行わず、定電流制御を行うことによって二次電池10を定電流充電し、二次電池10の過充電を防いでいるものである。
【0032】
また、本発明の実施例における制御機能の全てまたは一部は、プログラムにより実現されるものであって、その手順は図3、図4に示したフローチャートで示したとおりである。この際、導通比の設定、入力電圧の記憶、入力電圧の判定は制御部7によって行われる。また、入力電圧の測定は、電圧検知部3で得られたデータを制御部7によって受信する事で実現される。そして、上記プログラムは、マイコンは勿論のことDSPや汎用コンピュータを用いて容易に実現することが可能である。また、記録媒体に記録したり、通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単に出来るものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、DC/DCコンバ一タを構成するスイッチング素子の導通比を変更した際の入力電圧を検知し、入力電圧の変動よりDC/DCコンバ一タの入力電力源を判定するコンバ一タ制御方法としたものであり、DC/DCコンバ一タを構成するスイッチング素子の導通比を可変し、その際のDC/DCコンバ一タの入力電圧の変動により、入力電力源が太陽電池であるか否かを判定することが可能となるとともに太陽電池の能力を最大限に引き出して電力を取り出すことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるDC/DCコンバ一タの回路図
【図2】 太陽電池の一般的な電気出力特性図
【図3】 同実施例におけるフローチャート
【図4】 同実施例における他のフローチャート
【図5】 本発明の他の実施例におけるDC/DCコンバ一タの回路図
【符号の説明】
1 電力供給源
2 入力端子
3 電圧検知部
4 入力平滑コンデンサ
5 コイル
6 スイッチング素子
7 制御部
8 出力平滑コンデンサ
9 出力端子
10 二次電池
Claims (5)
- DC/DCコンバ一タを構成するスイッチング素子の導通比を変更した際の入力電圧を検知し、入力電圧の変動よりDC/DCコンバ一タの入力電力源が太陽電池であるか否かを判定し、前記入力電力源が太陽電池と判定された場合において、太陽電池の最大電力追従制御を行うコンバ一タ制御方法。
- 入力電力源の判定は、DC/DCコンバ一タの制御開始から一定時間経過後の入力電圧の変動より判定する請求項1に記載のコンバ一タ制御方法。
- DC/DCコンバ一タの出力側に二次電池を接続して充電制御を行う場合において、DC/DCコンバ一タの出力電流を定電流で制御し、定電流充電を行う請求項1〜2のいずれか1項に記載のコンバ一タ制御方法。
- DC/DCコンバ一タの出力側に二次電池を接続して充電制御を行う場合において、太陽電池の最大電力追従制御よりも定電流制御を優先する請求項3に記載のコンバ一タ制御方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載した制御機能の全てまたは一部をプログラムにより実現したコンバ一タ制御方法。
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