JP3658281B2 - 手鏡 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主としてお年寄りの婦人とか体の不自由な人の使用に適するようにした手鏡に関するもので、鏡本体の背面側に備えた保持部と鏡との間に指先を通すことにより、掌で鏡を使用状態に保持できるようにしたことを特長とする。
【０００２】
【従来の技術】
指先を鏡の背面側に挿通して使用できるようにした手鏡には、たとえば、実開平６−７９４２１号公報とか登録実用新案第３０５７３０９号公報がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
近年、お年寄りの婦人とか体の不自由な人の機能訓練として、お化粧をすることが重要な訓練手段の一つであると認められるようになって、機能回復とか機能低下防止のために、積極的にお化粧をすることがすすめられるようになった。
しかしながら、この種の訓練をする人には、手鏡はある程度重い上に、鏡を手に持ちながら使用状態を維持できる能力に不足する場合があって、誰にでも応用できる訓練とは言い切れない面があった。
【０００４】
指先に付けられるようにした実開平６−７９４２１号の手鏡は、ステンレス製鏡の背面側に、ベルベットファスナーを備えた左右一対の指バンドを取り付け、複数本揃えた指をバンドで括るようにして止着し、鏡面を掌の甲側に向けて使用するものであった。そのため、軽量化という面では評価できるがステンレス製鏡の安全性とか取り付け方に問題がある。例えば化粧用の鏡としては使い難い、その取付け状態が指輪と同様なので鏡面が掌の甲側に向くなど、本発明が目的とする機能訓練のための使用には適していなかった。
【０００５】
一方、登録実用新案第３０５７３０９号公報の鏡は、化粧品入れとしてのコンパクトの蓋の表面に指を通せるようにしたＵ字形等の爪を設けたもので、全体として大型で、機能訓練のための使用には採用できないし、また、そのように使用できることを目的とするものでもなかった。
【０００６】
このようなことから本発明が解決しようとする課題は、機能低下防止とか機能回復の訓練のために行う化粧用に適した手鏡を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、鏡を前面に取り付けた鏡本体の背面に軸孔を設け、この軸孔に、軸部の先端に逆止爪を具えるとともに、左右一対の挟持片を両側に延設した保持部を嵌着し、保持部の両挟持片と鏡本体の背面との間に指先を通して、鏡本体の背面側に沿わせた掌の内側に鏡を置いて見られるようにしたことを特徴とする手鏡を提供するものである。
【０００８】
上記のように構成した本発明手鏡は、保持部に具えた左右一対の挟持片の両側に指先を通すという簡単な方法で手鏡が保持できる。そして、鏡本体の背面側に沿わせた掌の内側に鏡を置いて、あたかも、掌自体が鏡面になるような使用ができる。
【０００９】
次に請求項２の発明は、鏡本体の背面側に設けた軸孔と、逆止爪を具えた保持部の軸部との嵌合により、鏡本体と保持部を互いに回転可能に結合するとともに、保持部の周縁を花柄縁に形成したこと特長とするもので、鏡の保持と鏡の使用をより容易にできるようにするとともに、手鏡に装飾性を施して、機能回復または機能維持のための化粧に対する関心をより一層高めたり、エレガントな手鏡が使用できるようにしたものである。
【００１０】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面について説明する。
図１は、実施例の一部切欠横断面図、図２は、一部切欠分解図、図３は、使用状態とともに示す正面図である。
【００１１】
同上図において、１は、鏡２を前面側に嵌め込んで固着した鏡本体、３は、鏡本体１の背面側中心に開口する軸孔、４は、左右一対の挟持片５を具え、先端に逆止爪６を設けた軸部７を一体に備えた保持部である。
【００１２】
保持部４の軸部７は、中心線に沿って下端を開放した切込み８を設け、弾性的に撓んで径を小さくして軸孔３に嵌入した後、該孔３の内端で撓みから復帰する逆止爪６を軸孔３の縁に掛止させることにより、保持部４を抜け止めし、鏡本体１と保持部４を互いに一体に回転可能に結合する。
【００１３】
保持部４に一体形成した左右一対の挟持片５は、図１に示すように、鏡本体１の背面との間にそれぞれ指ｆが挿通できる間隙を形成し、適度の弾性を具え、図３に示すように、鏡本体１の背面側に沿って差し込まれる指ｆを軽く挟み、掌の内側に鏡本体１の背面側を沿わせ、掌の内側に鏡２を置いた状態で使用できるようにする。
【００１４】
鏡本体１の周縁は、図３に示すように花柄縁９に形成されており、装飾性が付与されていて、エレガンスな外観を具えることによって、使用者に手鏡を使うこと、化粧をすることへの関心を起こさせるようにしている。
【００１５】
上記実施例に示す鏡本体１と保持部４は、それぞれプラスチック製であるが、本発明に係る鏡本体１の大きさとか保持部４の形状は、図示した実施例の態様に限定されるものではなく、使用者の筋力とか能力に応じた重さと形状の手鏡を形成することが望ましいことはいうまでもない。
【００１６】
【発明の効果】
前記のように構成され、上記のように用いられるようにした本発明手鏡は、鏡本体の背面側に指を通すという簡単な操作で着用ができ、鏡面が使用者の掌側にあって見易いという利点がある上に、安全な使用ができ、化粧に対する訓練者の意欲を促す上に有用であるなど、多くの優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は実施例の一部切欠横断面図
【図２】図２は一部切欠分解図
【図３】図３は使用状態とともに示す正面図である。
【符号の説明】
１ 鏡本体
２ 鏡
３ 軸孔
４ 保持部
５ 挟持片
６ 逆止爪
７ 軸部
８ 切込み
９ 花柄縁
ｆ 指

Claims (2)

1. 鏡を前面に取り付けた鏡本体の背面に軸孔を設け、この軸孔に、軸部の先端に逆止爪を具えるとともに、左右一対の挟持片を両側に延設した保持部を嵌着し、保持部の両挟持片と鏡本体の背面との間に指先を通して、鏡本体の背面側に沿わせた掌の内側に鏡を置いて見られるようにしたことを特徴とする手鏡。
2. 前記鏡本体は、前記軸孔と軸部との嵌合により、前記保持部に対して回転可能に結合するともに、周縁を花柄縁に形成したことを特徴とする請求項１記載の手鏡。

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