JP3657982B6 - 非ペプチド性タキキニン受容体拮抗物質 - Google Patents

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Description

タキキニンは、共通のアミド化カルボキシ末端配列:
Phe−Xaa−Gly−Leu−Met−NH2
を共有する一群のペプチドである[以下、配列番号1と称する]。サブスタンスPは、この群で単離された最初のペプチドであったが、その精製と一次配列の決定は、1970年代初期まで行われていなかった。サブスタンスPは、以下のアミノ酸配列:
Arg−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−NH2
を有する[以下、配列番号2と称する]。
1983年〜1984年の間に、幾つかのグループが新たに2つの哺乳類タキキニンを単離したことを報告したが、これらは現在、ニューロキニンA(サブスタンスK、ニューロメジンL、およびニューロキニンαとしてもまた知られている)、およびニューロキニンB(ニューロメジンKおよびニューロキニンβとしてもまた知られている)と呼ばれている[これらの発見を概観するには、J.E.Maggio,Peptides,6(増刊3号):237−243(1985)を参照]。ニューロキニンAは、以下のアミノ酸配列:
His−Lys−Thr−Asp−Ser−Phe−Val−Gly−Leu−Met−NH2
を有する[以下、配列番号3と称する]。ニューロキニンBの構造は、アミノ酸配列:
Asp−Met−His−Asp−Phe−Phe−Val−Gly−Leu−Met−NH2
である[以下、配列番号4と称する]。
タキキニンは、中枢神経系と末梢神経系との両方に広く分布しており、神経から放出されて、大抵の場合、標的細胞膜上に発現される特異的受容体の活性化により、種々の生物学的作用を発揮する。タキキニンはまた、多くの非神経組織によっても産生される。
哺乳類タキキニンであるサブスタンスP、ニューロキニンA、およびニューロキニンBは、各々NK−1、NK−2、およびNK−3として示される、3つの主要な受容体サブタイプを介して作用する。これらの受容体は、種々の臓器に存在する。
サブスタンスPは特に、片頭痛や関節炎に伴う痛みを含め、痛覚の神経伝達に関与すると考えられる。これらのペプチドはまた、炎症性腸疾患のような胃腸管の胃腸障害および疾患にも関係している。タキキニンはまた、以下に論じるように、他の多くの疾患における役割を担うものとして関係している。
過剰のタキキニンが関与する莫大な数の臨床疾患から考えて、タキキニン受容体拮抗物質の開発は、これらの臨床病態を抑制するのに役立つであろう。一番最初に開発されたタキキニン受容体拮抗物質はペプチド誘導体であった。それらの代謝不安定性から、これらの拮抗物質は医薬的有用性が限定されたものであることが証明されている。
最近の刊行物には、新たに非ペプチド性タキキニン受容体拮抗物質類が記載されており、これらは一般に、以前のタキキニン受容体拮抗物質類より優れた経口バイオアベイラビリティと代謝安定性を有する。そのような新規非ペプチド性タキキニン受容体拮抗物質の例は、欧州特許公開第591,040号[1994年4月6日公開]、特許協力条約公開WO94/01402号[1994年1月20日公開]、特許協力条約公開WO94/04494号[1994年3月3日公開]、および特許協力条約公開WO93/011609号[1993年1月21日公開]に見い出される。
本質的には、本発明は、一連の有効な非ペプチド性タキキニン受容体拮抗物質を提供する。それらの非ペプチド性により、本発明の化合物には、代謝不安定性の面において、ペプチドを基本構造とする既知のタキキニン受容体拮抗物質が有するような欠点がない。
発明の要約
本発明は、過剰のタキキニンが関与する生理的障害を治療する、または予防するための方法であって、式(I):
Figure 0003657982
[式中、
mは0、1、2、または3であり;
nは0または1であり;
oは0、1、または2であり;
pは0または1であり;
Rはフェニル、2−もしくは3−インドリル、2−もしくは3−インドリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、またはナフチルであり;
これらのR基は、1つまたは2つのハロ、C1−C3アルコキシ、トリフルオロメチル、C1−C4アルキル、フェニル−C1−C3アルコキシ、もしくはC1−C4アルカノイル基で置換されていることがあり;
R1はトリチル、フェニル、ジフェニルメチル、フェノキシ、フェニルチオ、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、インドリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ヘキサメチレンイミニル、ベンゾフラニル、テトラヒドロピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、還元キノリニル、還元イソキノリニル、フェニル−(C1−C4アルキル)−、フェニル−(C1−C4アルコキシ)−、キノリニル−(C1−C4アルキル)−、イソキノリニル−(C1−C4アルキル)−、還元キノリニル−(C1−C4アルキル)−、還元イソキノリニル−(C1−C4アルキル)−、ベンゾイル−(C1−C3アルキル)−、C1−C4アルキル、または−NH−CH2−R5であり;
これらのR1基のうちいずれか1つは、ハロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、もしくはC2−C4アルカノイルアミノで置換されていることがあり;
または
これらのR1基のうちいずれか1つは、フェニル、ピペラジニル、C3−C8シクロアルキル、ベンジル、C1−C4アルキル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリミジニル、C2−C6アルカノイルアミノ、ピロリジニル、C2−C6アルカノイル、もしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されていることがあり;
これらの基のうちいずれか1つは、ハロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、もしくはC2−C4アルカノイルアミノで置換されていることがあり;
または
R1はアミノ、脱離基、水素、C1−C4アルキルアミノ、もしくはジ(C1−C4アルキル)アミノであり;
R5はピリジル、アニリノ−(C1−C3アルキル)−、またはアニリノカルボニルであり;
R2は水素、C1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルホニル、カルボキシ−(C1−C3アルキル)−、C1−C3アルコキシカルボニル−(C1−C3アルキル)−、または−CO−R6であり;
R6は水素、C1−C4アルキル、C1−C3ハロアルキル、フェニル、C1−C3アルコキシ、C1−C3ヒドロキシアルキル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、または−(CH2−R7であり;
qは0〜3であり;
R7はカルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルオキシ、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、C1−C6アルコキシカルボニルアミノ、またはフェノキシ、フェニルチオ、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、インドリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、還元キノリニル、還元イソキノリニル、フェニル−(C1−C4アルキル)−、キノリニル−(C1−C4アルキル)−、イソキノリニル−(C1−C4アルキル)−、還元キノリニル−(C1−C4アルキル)−、還元イソキノリニル−(C1−C4アルキル)−、ベンゾイル−C1−C3アルキルであり;
これらのアリールまたは複素環式R7基のうちいずれか1つは、ハロ、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、もしくはC2−C4アルカノイルアミノで置換されていることがあり;
または
これらのR7基のうちいずれか1つは、フェニル、ピペラジニル、C3−C8シクロアルキル、ベンジル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、C2−C6アルカノイル、もしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されていることがあり;
これらの基はいずれも、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、もしくはC2−C4アルカノイルアミノで置換されていることがあり;
R8は水素またはC1−C6アルキルであり;
R3はフェニル、フェニル−(C1−C6アルキル)−、C3−C8シクロアルキル、C5−C8シクロアルケニル、C1−C8アルキル、ナフチル、C2−C8アルケニル、または水素であり;
水素以外のこれらの基のうちいずれか1つは、1つまたは2つのハロ、C1−C3アルコキシ、C1−C3アルキルチオ、ニトロ、トリフルオロメチル、もしくはC1−C3アルキル基で置換されていることがあり;
および
R4は水素またはC1−C3アルキルである。ただし、R1が水素またはハロなら、R3はフェニル、フェニル−(C1−C6アルキル)−、C3−C8シクロアルキル、C5−C8シクロアルケニル、またはナフチルであり;R1が水素またはハロなら、R3はフェニル、フェニル−(C1−C6アルキル)−、C3−C8シクロアルキル、C5−C8シクロアルケニル、またはナフチルである。]
で示される化合物またはそれらの医薬的に許容され得る塩の有効量を、該治療を必要とする哺乳動物に投与することから成る方法を包含する。
別の態様において、本発明は、式(I)で示される新規化合物およびそれらの医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、並びにプロドラッグ、さらにはまた式(I)で示される化合物を活性成分として、医薬的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤と共に含んでなる医薬品製剤を包含する。本発明はまた、式(I)で示される化合物の新規合成法も包含する。
本明細書中で指示する温度は全て、摂氏度(℃)である。本明細書中で使用する測定単位は全て、体積単位である液体を除き、重量単体である。
本明細書で使用する「C1−C6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の一価の飽和脂肪族鎖を示し、これらに制限されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチルおよびヘキシルが含まれる。「C1−C6アルキル」という用語には、その定義範囲内に、「C1−C4アルキル」という用語が含まれる。
「二価の(C1−C4)アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の二価の飽和脂肪族鎖を示す。典型的な二価の(C1−C4)アルキル基には、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン等が含まれる。
「ハロ」は、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを示す。
「ハロ(C1−C4)アルキル」は、1、2もしくは3個のハロゲン原子が結合した、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を示す。典型的なハロ(C1−C4アルキル)基には、クロロメチル、2−ブロモエチル、1−クロロイソプロピル、3−フルオロプロピル、2,3−ジブロモブチル、3−クロロイソブチル、ヨード−t−ブチル、トリフルオロメチル等が含まれる。
「ヒドロキシ(C1−C4アルキル)」は、ヒドロキシ基が結合した、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を示す。典型的なヒドロキシ(C1−C4アルキル)基には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシイソプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシイソブチル、ヒドロキシ−t−ブチル等が含まれる。
「C1−C6アルキルチオ」は、硫黄原子に結合した、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を示す。典型的なC1−C6アルキルチオ基には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ等が含まれる。「C1−C6アルキルチオ」という用語には、その定義範囲内に、「C1−C4アルキルチオ」という用語が含まれる。
本明細書で使用する「C2−C8アルケニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の一価の不飽和脂肪族鎖を示す。典型的なC2−C6アルケニル基には、エテニル(ビニルとしてもまた知られている)、1−メチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、1−ヘキセニル、2−メチル−2−プロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル等が含まれる。
「C5−C8シクロアルケニル」は、5〜8個の炭素原子を含み、またその環内に少なくとも1つの二重結合を有する炭化水素環構造を示し、これは置換されていないか、またはハロ、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノもしくは−(CH2−Rc[式中、aは1、2、3または4であり、またRcはヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである]から独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基で置換されている。
「C1−C4アルキルアミノ」は、アミノ基に結合した、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキルアミノ鎖を示す。典型的なC1−C4アルキルアミノ基には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ等が含まれる。
「ジ(C1−C4アルキル)アミノ」は、共通のアミノ基に結合した、1〜4個の炭素原子を各々独立して有する2つのアルキル鎖を有する直鎖状または分枝鎖状のジアルキルアミノ鎖を示す。典型的なジ(C1−C4)アルキルアミノ基には、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、t−ブチルイソプロピルアミノ、ジ−t−ブチルアミノ等が含まれる。
「アリールスルホニル」は、スルホニル基に結合したアリール部分を示す。この用語で使用する「アリール」は、場合によりハロ、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノもしくは−(CH2−Rb[式中、aは1、2、3または4であり、またRbはヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである]から独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基で置換されている、フェニル、ナフチル、複素環、または不飽和複素環部分を示す。
「複素環」という用語は、置換されていない、もしくは置換されている、安定な5〜7員の単環式複素環または7〜10員の二環式複素環を示し、該環は飽和であり、またこれは炭素原子と、窒素、酸素または硫黄より成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子とから成るが、ここでヘテロ原子である窒素および硫黄は場合により酸化されていてもよく、ヘテロ原子である窒素は場合により四級化されていてもよく、また先に定義した複素環のいずれかがベンゼン環に縮合した二環式基が含まれる。その複素環は、いずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合して、安定な構造を与えることができる。その複素環は、置換されていないか、またはハロ、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノもしくは−(CH2−Rd[式中、aは1、2、3または4であり、またRdはヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである]から独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基で置換されている。
「不飽和複素環」という用語は、置換されていない、もしくは置換されている、安定な5〜7員の単環式複素環または7〜10員の二環式複素環を示し、該環は1つまたはそれ以上の二重結合を有し、またこれは炭素原子と、窒素、酸素または硫黄より成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子とから成るが、ここでヘテロ原子である窒素および硫黄は場合により酸化されていてもよく、ヘテロ原子である窒素は場合により四級化されていてもよく、また先に定義した複素環のいずれかがベンゼン環に縮合した二環式基が含まれる。その不飽和複素環は、いずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合して、安定な構造を与えることができる。その不飽和複素環は、置換されていないか、またはハロ、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノもしくは−(CH2−Re[式中、aは1、2、3または4であり、またReはヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである]から独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基で置換されている。
そのような複素環および不飽和複素環の例には、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾアゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、3−メチルイミダゾリル、3−メトキシピリジル、4−クロロキノリニル、4−アミノチアゾリル、8−メチルキノリニル、6−クロロキノキサリニル、3−エチルピリジル、6−メトキシベンゾイミダゾリル、4−ヒドロキシフリル、4−メチルイソキノリニル、6,8−ジブロモキノリニル、4,8−ジメチルナフチル、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、N−メチルキノリン−2−イル、2−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−イソキノリン−7−イル等が含まれる。
「C1−C6アルコキシ」は、酸素原子に結合した、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を示す。典型的なC1−C6アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ等が含まれる。「C1−C6アルコキシ」という用語には、その定義範囲内に、「C1−C4アルコキシ」という用語が含まれる。
「C2−C6アルカノイル」は、カルボニル部分に結合した、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を示す。典型的なC2−C6アルカノイル基には、エタノイル、プロパノイル、イソプロパノイル、ブタノイル、t−ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、3−メチルペンタノイル等が含まれる。
「C1−C4アルコキシカルボニル」は、カルボニル部分に結合した、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ鎖を示す。典型的なC1−C4アルコキシカルボニル基には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等が含まれる。
「C3−C8シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和炭化水素環構造を示し、これは置換されていないか、またはハロ、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノもしくは−(CH2−Rf[式中、aは1、2、3または4であり、またRfはヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである]から独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基で置換されている。典型的なC3−C8シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、3−メチルシクロペンチル、4−エトキシシクロヘキシル、4−カルボキシシクロヘプチル、2−クロロシクロヘキシル、シクロブチル、シクロオクチル等が含まれる。
本明細書中で使用する「アミノ保護基」という用語は、化合物上の他の官能基を反応させる間、アミノ官能性を遮断する、または保護するために一般に使用されるアミノ基の置換基を示す。そのようなアミノ保護基の例には、ホルミル、トリチル、フタルイミド、トリクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、並びにベンジルオキシカルボニル、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、1,1−ジフェニルエチ−1−イルオキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロピ−1−イルオキシカルボニル、2−フェニルプロピ−2−イルオキシカルボニル、2−(p−トルイル)プロピ−2−イルオキシカルボニル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1−メチルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(メチルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)エトキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル(「FMOC」)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロペ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンゾイソオキサリルメトキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロポキシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボニル等といったようなウレタン型保護基、ベンゾイルメチルスルホニル基、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィンオキシドおよび類似のアミノ保護基が含まれる。誘導化アミノ基が中間分子の他の位置での後の反応条件に安定であり、また他のあらゆるアミノ保護基が含まれる分子の残りを分解することなく、適当な時点で選択的に取り除くことができる限り、使用するアミノ保護基の種類は、通常、重要ではない。好ましいアミノ保護基は、トリチル、t−ブトキシカルボニル(t−BOC)、アリルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルである。先の用語により称される基のさらなる例は、E.Haslam,「Protective Groups in Organic Chemistry」,(J.G.W.McOmie編,1973),第2章;およびT.W.Greene並びにP.G.M.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」(1991),第7章により記載されている。
本明細書中で使用する「カルボキシ保護基」という用語は、化合物上の他の官能基を反応させる間、カルボキシ官能性を遮断する、または保護するために一般に使用されるカルボキシ基の置換基を示す。そのようなカルボキシ保護基の例には、メチル、p−ニトロベンジル、p−メチルベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4−メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'−ジメトキシベンズヒドリル、2,2',4,4'−テトラメトキシベンズヒドリル、t−ブチル、t−アミル、トリチル、4−メトキシトリチル、4,4'−ジメトキシトリチル、4,4',4"−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロピ−2−イル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェナシル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(ジ(n−ブチル)メチルシリル)エチル、p−トルエンスルホニルエチル、4−ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1−(トリメチルシリルメチル)プロペ−1−エン−3−イルおよび類似の部分が含まれる。好ましいカルボキシ保護基は、アリル、ベンジルおよびt−ブチルである。これらの基のさらなる例は、E.Haslam,上記,第5章;およびT.W.Greeneら,上記,第5章において見い出される。
本明細書中で使用する「脱離基」という用語は、求核置換反応における求核試薬の攻撃により炭素原子から排除される原子の基を示す。本文中で使用する「脱離基」という用語は、これに制限されるものではないが、活性化基を包含する。
本明細書中で使用する「活性化基」という用語は、それが結合したカルボニル(−C=O)基を用いた場合、遊離酸でのように、その基が存在しない場合よりも、アシル化反応により関係するであろう脱離基を示す。そのような活性基は当業者に周知であって、例えば、スクシンイミドキシ、フタルイミドキシ、ベンゾトリアゾリルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、アジド、または−O−CO−(C4−C7アルキル)であり得る。
本発明の方法で使用する化合物は、複数の不斉中心を有する。これらのキラル中心の結果として、本発明の化合物は、ラセミ体、エナンチオマーの混合物として、また個々のエナンチオマーとして、さらにはまたジアステレオマーおよびジアステレオマーの混合物として存在する。不斉型、個々の異性体およびそれらの組合せは全て、本発明の範囲内である。
「R」および「S」という用語は、有機化学において一般に使用されるように、キラル中心の特異的立体配置を示すために本明細書中で使用する。「R」(rectus)という用語は、優先順位が最も低い基に向かう結合に沿って見た場合、基の優先順位(最も高い基から2番目に低い基への)が時計回りの関係にあるキラル中心の立体配置を示す。「S」(sinister)という用語は、優先順位が最も低い基に向かう結合に沿って見た場合、基の優先順位(最も高い基から2番目に低い基への)が反時計回りの関係にあるキラル中心の立体配置を示す。基の優先順位は、それらの原子番号(原子番号が減少する順)に基づく。一部の優先順位表および立体化学の議論は、「Nomenclature of Organic Compounds:Principles and Practice」,(J.H.Fletcherら編,1974),103−120頁に含まれている。
(R)−(S)システムの他に、古典的なD−Lシステムをまた、特にアミノ酸に関する絶対配置を示すために本明細書中で使用することもできる。このシステムにおいて、フィッシャーの投影式は、主鎖の第1番の炭素が最も上となるよう配向する。接頭辞「D」は、官能(決定)基がキラル中心である炭素原子の右側にある異性体の絶対配置を示すために使用し、また「L」は、官能(決定)基が左側にある異性体の絶対配置を示すために使用する。
上述のように、本発明には、式(I)により定義される化合物の医薬的に許容され得る塩が含まれる。本発明の化合物は、十分に酸性の官能基、十分に塩基性の官能基、または両方の官能基を有し得ることから、多くの有機塩基並びに無機塩基、および無機酸並びに有機酸のうちのいずれとも反応して、医薬的に許容され得る塩を形成する。
本明細書中で使用する「医薬的に許容され得る塩」という用語は、生体系に対して実質的には全く毒性のない、先の式で示される化合物の塩を示す。典型的な医薬的に許容され得る塩には、本発明の化合物を医薬的に許容され得る無機酸もしくは有機酸、または有機塩基もしくは無機塩基と反応させることにより製造される塩が含まれる。そのような塩は、酸付加塩および塩基付加塩として知られている。
酸付加塩を形成するために一般に使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等といったような無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等といったような有機酸である。そのような医薬的に許容され得る塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、塩酸塩、二塩酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩等である。好ましい医薬的に許容され得る酸付加塩は、塩酸並びに臭化水素酸といったような無機酸と形成される酸付加塩、およびマレイン酸並びにメタンスルホン酸といったような有機酸と形成される酸付加塩である。
塩基付加塩には、アンモニウムまたはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等といったような無機塩基から誘導される塩基付加塩が含まれる。従って、本発明の塩を製造する際に有用な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が含まれる。カリウム塩およびナトリウム塩の形が特に好ましい。
塩全体が薬学的に許容され得る限り、また対イオンが塩全体に望ましくない特性を与えない限り、本発明のあらゆる塩の一部を形成する個々の対イオンは、通常、重要ではないということを認識すべきである。
本発明はさらに、式(I)で示される化合物の医薬的に許容され得る溶媒和物を包含する。式(I)の化合物の多くは、水、メタノール、エタノールおよびアセトニトリルといったような溶媒と結合して、対応する水和物、メタノレート、エタノレートおよびアセトニトリレートといったような医薬的に許容され得る溶媒和物を形成することができる。
本発明の方法で使用する特に好ましい化合物は、式(I)で示され、式中、
a)Rが置換されている、または置換されていない2−もしくは3−インドリル、フェニル、またはナフチルであり;
b)nが1であり;
c)R1がフェニル、置換フェニル、ピペリジニル、置換ピペリジニル、ピペラジニル、置換ピペラジニル、ピロリジニル、ピリジル、ベンゾイル、またはモルホリニルであり;
d)R2が−CO−R6、C1−C4アルキルスルホニル、またはC1−C3アルコキシカルボニル−(C1−C3アルキル)−であり;
e)R3がフェニル、置換フェニル、C3−C8シクロアルキル、置換C3−C8シクロアルキル、ナフチル、または置換ナフチルであり;また
f)R8が水素またはメチルである
化合物である。
本発明の方法で使用する化合物の最も好ましいグループは、式(I)で示され、式中、Rが場合により置換されているインドリルであり、R1が置換ピペリジニルまたは置換ピペラジニルであり、R8が水素であり、またR2がアセチルまたはメチルスルホニルである化合物である。本発明の方法で使用する化合物の別の好ましいグループは、式(I)で示され、式中、Rがナフチルであり、R1が場合により置換されているフェニル、置換ピペリジニル、または置換ピペラジニルであり、R2がアセチルまたはメチルスルホニルであり、またR3がフェニルまたは置換フェニルである化合物である。
本発明の特に好ましい化合物は、式(I)で示され、式中、
a)Rが置換されている、または置換されていない2−もしくは3−インドリル、フェニル、またはナフチルであり;
b)nが1であり;
c)R1がトリチル、フェニル、置換フェニル、ピペリジニル、置換ピペリジニル、ピペラジニル、置換ピペラジニル、ピロリジニル、ピリジル、ベンゾイル、またはモルホリニルであり;
d)R2が−CO−R6、C1−C4アルキルスルホニル、またはC1−C3アルコキシカルボニル−(C1−C3アルキル)−であり;
e)R3がフェニル、置換フェニル、C3−C8シクロアルキル、置換C3−C8シクロアルキル、ナフチル、または置換ナフチルであり;また
f)R8が水素またはメチルである
化合物である。
本発明の化合物は、当業者に周知の種々の手順により製造することができる。式(I)で示される化合物を製造するために必要とされる工程の個々の順序は、合成しようとする個々の化合物、出発化合物、および置換部分の相対反応活性度に左右される。
そのようなプロトコルの例を反応式(I)〜(IV)に示す。置換アミンの、式(II)で示される化合物へのカップリング(方法A)は、当業界で知られている多くの方法により行うことができ、利用する個々の方法は、出発物質として使用する式(II)で示される個々の化合物、およびカップリング反応で使用する置換アミンの種類に左右される。これらのカップリング反応は、1,1−カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、アゾジカルボン酸ジエチル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、クロロギ酸アルキル並びにトリエチルアミン、フェニルジクロロホスフェート、およびクロロスルホニルイソシアネートといったような、一般に使用されるカップリング試薬を使用することが多い。これらの方法の例を以下に記載する。アミノ基を脱保護した後、式(III)で示される化合物が得られる。
次いで、式(III)で示される化合物を還元し、アミドをアミンに転換する(方法B)。アミドは、当業界で周知の手順を用いてアミンに還元することができる。これらの還元は、水素化アルミニウムリチウムを用いて、さらにはまた他の多くの様々なアルミニウムをベースとする水素化物を使用することにより行うことができる。あるいはまた、該アミドを接触水素化により還元することができるが、これには通常、高い温度と圧力が必要とされる。アミドを還元するために、他の試薬と組み合わせた水素化ホウ素ナトリウムを使用することができる。ボランジメチルスルフィド複合体のようなボラン複合体が、この還元反応において特に有用である。
反応式(I)における次の工程(方法C)は、方法Cにより代表されるような、標準方法を用いての第一級アミンの選択的アシル化である。第二級アミンのより高い立体要求から、第一級アミンを選択的置換のために容易に利用することができる。
このアシル化は、有機化学において当業者により必ず利用される大多数の技術のうちの幾つかを用いて行うことができる。そのような反応式の1つは、無水酢酸のような無水物を用いての置換である。第一級アミンをアシル化するために利用されることが多い他の反応式は、好ましくは先の方法Aに記載したような活性化剤と共にカルボン酸を使用する。アミノ−脱−アルコキシル化型の反応は、第一級アミンをアシル化する方法としてエステルを使用する。高い選択性を得るために弱められた活性化エステルは、大変有効なアシル化剤である。
Figure 0003657982
[式中、
R"は−(CH2−R1に等しく;また
R2は水素ではない。]
Figure 0003657982
第一級アミンはまた、本質的には交換反応であることを行うためのアミドを用いてアシル化することもできる。この反応は、通常、アミンの塩を用いて行う。三フッ化ホウ素は、脱離するアンモニアと複合体を形成させるために、通常、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル複合体の形で、この反応に加えることが多い。
次の手順は、第二級アミンの置換のうちの1つである(方法D)。式(I)で示される化合物の大部分に関して、この置換は、アルキル化、アシル化、またはスルホン化のうちの1つである。この置換は、通常、十分に知られた方法を用いて成し遂げられる。一般的には、アルキル化は、ハロゲン化アルキル等を用いて、さらにはまた先の反応式(II)の方法Gで見られるような、アルデヒドまたはケトンを使用する周知の還元的アルキル化方法を用いて成し遂げることができる。先に論じたアシル化反応プロトコルの多くは、第二級アミンも有効にアシル化する。第二級アミンをスルホン化するために、アルキル−およびアリール−塩化スルホニルを使用することができる。
多くの場合、式(I)で示される化合物の合成における後の工程のうちの1つは、アミノ−またはカルボキシ−保護基の除去である。使用する保護基の種類、さらにはまた化合物上の他の部分の相対反応活性度に応じて変化する、そのような手順は、T.W.Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis(1991)のような多くの標準関連研究において詳細に記載されている。
反応式(II)および(III)は、式(I)で示される化合物の合成に関する別のプロトコルおよび方法を示す。個々の反応の多くは、反応式(I)に記載した反応と同様であるが、反応式(II)および(III)の反応は、様々であるが、当業者には既に周知の一連の工程で行う。
Figure 0003657982
[式中、結合したカルボニル基とカップリングしたR2aはR2に等しい。]
ある光学異性体をそのエナンチオマーより優先的に製造するために、当業者は、2つの経路のうちの1つにより進めることができる。当業者は、最初にエナンチオマーの混合物を製造した後、2つのエナンチオマーを分離することができる。ラセミ混合物(またはエナンチオマーの混合物)を個々のエナンチオマーへ分割するために一般に使用される方法は、光学的に活性な塩または塩基との塩を形成することにより、最初にエナンチオマーをジアステレオマーに転換することである。次いで、これらのジアステレオマーを、溶解度の差、分別結晶、クロマトグラフィー、または類似の方法を用いて分離することができる。エナンチオ混合物の分割に関する、さらなる詳細は、J.Jacquesら,「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」(1991)に見い出すことができる。
上記反応式の他に、本発明の実施者はまた、式(I)で示される化合物の製造にエナンチオ特異的プロトコルを選択することもできる。以下の反応式(IV)は、出発物質中に存在するキラル中心を所望の配向で、この場合、「R」の立体配置で保持する、典型的な合成反応計画を示す。これらの反応式は、通常、標記生成物の95%以上が所望のエナンチオマーである化合物を製造する。
反応式(IV)で利用する合成工程の多くは、他の反応式、特に反応式(III)で使用する合成工程と同一である。
Figure 0003657982
以下に、式(I)で示される化合物の製造で利用する反応条件の代表例を示す。
方法A
〈アミドを形成するための、カルボン酸と第一級アミンとのカップリング〉
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−メトキシベンジル)プロパンアミドの製造
ジオキサン500ml中のN−(t−ブトキシカルボニル)トリプトファン(46.4g、152.6mmoles)の溶液に、カルボニルジイミダゾール(25.4g、156mmoles)を滴加した。その結果得られた混合物を室温で約2.5時間撹拌した後、45℃で30分間撹拌した。次に、2−メトキシベンジルアミン(20.7ml、158.7mmoles)を加えた後、その反応混合物を室温で16時間撹拌した。
ジオキサンを減圧下に除去した。生成物を酢酸エチルと水との間で分配して、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、水、およびブラインで連続的に洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を除去した。最後にメタノールから結晶化して、均質な生成物52.2gを黄色の結晶として得た。収率80.8%。融点157−160℃。
〈第一級アミンの脱保護〉
2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−メトキシベンジル)プロパンアミドの合成
先に製造した2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−メトキシベンジル)プロパンアミド(25.1g、59.2mmoles)とアニソール(12ml、110.4mmoles)との混合物に、水50ml中のトリフルオロ酢酸(118ml、1.53moles)の水溶液を0℃で滴加した。この混合物を0℃で1時間撹拌した後、室温で約2.5時間撹拌した。次いで、その混合物を約16時間冷蔵した。
揮発物を減圧下に除去した。生成物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液との間で分配した後、水、続いてブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に除去した。1:1のジエチルエーテル/シクロヘキサン溶液から再結晶化して、均質な生成物18.0g(94.2%)をオフホワイト色の粉末として得た。融点104−108℃。
方法B
〈アミドカルボニルの還元〉
2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]プロパンの合成
無水テトラヒドロフラン100ml中の、上記のように製造した2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−メトキシベンジル)プロパンアミド(9.81g、30.3mmoles)の還流溶液に、10Mボラン−メチルスルフィド複合体(9.1ml、91.0mmoles)を滴加した。その結果得られた混合物を約2時還流した。その混合物を室温まで冷却して、メタノール160mlを滴加することにより、過剰のボランをクエンチした。その結果得られた混合物を15分間還流して、メタノールを減圧下に除去した。
残留物を塩酸の飽和メタノール溶液(250ml)に溶解して、その溶液を約1時間還流した。メタノールを減圧下に除去して、5N水酸化ナトリウムを加えた後、ジエチルエーテルで抽出することにより、生成物を単離した。次いで、その生成物を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に除去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10:100:0.5のメタノール:塩化メチレン:水酸化アンモニウムで溶離する)にかけて、標記化合物(75%)と標記生成物のインドリン誘導体(25%)との混合物7.1gを琥珀色の油状物質として得た。
方法C
〈第一級アミンのアシル化〉
3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例17の化合物]
無水ジメチルホルムアミド35ml中の、2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)酢酸,ナトリウム塩(1.64g、6.8mmoles)とトリエチルアミン臭化水素酸塩(1.24g、6.8mmoles)との混合物を50℃まで加熱して、約35分間その温度のままとした。その混合物を室温まで冷却した。その混合物に、1,1−カルボニルジイミダゾール(1.05g、6.5mmoles)および無水ジメチルホルムアミド10mlを加えた。その結果得られた混合物を室温で約3時間撹拌した。
無水ジメチルホルムアミド10mlに溶解した、先に製造した2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]プロパン(75%)およびそのインドリン誘導体(25%)の溶液を先の反応混合物に加えた。その結果得られた混合物を室温で約16時間撹拌した。ジメチルホルムアミドを減圧下に除去した。
標記生成物およびそのインドリン誘導体を酢酸エチルと水との間で分配した後、ブラインで洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に除去した。この処理により、標記生成物とそのインドリン誘導体との混合物3.2gを黄色の油状物質として得た。次いで、これらの2つの化合物を、逆相カラム、続いてシリカゲルカラムを用いる高性能液体クロマトグラフィーを用いて分離して、標記生成物(収率5.2%)を黄色の泡状物質として得た。
方法D
〈第二級アミンのアシル化方法〉
1−[N−エトキシカルボニル−N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例28の化合物]
無水テトラヒドロフラン5mlの3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン(0.43g、0.85mmole)およびトリエチルアミン(130μl、0.93mmole)の溶液に、エチルクロロホルメート(89μl、0.93mmole)を滴加した。その結果得られた混合物を室温で約16時間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下に除去した。
アシル化された生成物を酢酸エチルと0.2N水酸化ナトリウムとの間で分配した後、水およびブラインで連続的に洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、2.5:97.5のメタノール:塩化メチレン)にかけて、均質な標記生成物390mgを白色の泡状物質として得た。
3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)−N−(メチルアミノカルボニル)アミノ]−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例29の化合物]
無水テトラヒドロフラン10ml中の3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン(0.40g、0.78mmole)の室温の溶液に、イソシアン酸メチル(140μl、2.3mmoles)を滴加した。次いで、その結果得られた混合物を室温で16時間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下に除去した。酢酸エチル、水、およびブラインで連続的に洗浄することにより、標記生成物を単離した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルおよびメタノール/塩化メチレン(5/95)の溶離液を用いてのフラッシュクロマトグラフィーにかけて、均質な生成物396mgを黄色の油状物質として得た。
〈第二級アミンのアルキル化〉
1−[N−エチル−N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例9の化合物]
無水N,N−ジメチルホルムアミド5ml中の3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン(0.41g、0.80mmole)の室温の溶液に、ヨウ化エチル(120μl、1.5mmoles)および炭酸カリウム(120mg、0.87mmole)を加えた。次いで、この混合物を50℃まで加熱して、その温度で約4時間保持した後、これを室温で約16時間撹拌した。次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下に除去した。生成物を酢酸エチルと水との間で分配した後、ブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に除去した。分取薄層クロマトグラフィーにかけて、標記生成物360mgを黄色の泡状物質として得た。
方法E
〈アミドのカルボニルの還元〉
1,2−ジアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンの製造
トリプトファンアミド(20.3g、0.1mole)のテトラヒドロフラン(24.4ml)溶液に、三フッ化ホウ素エーテラート(12.3ml、0.1mmole)を室温で撹拌しながら加えた。還流温度で一定に撹拌しながら、ボランメチルスルフィド(32.25ml、0.34mole)を滴加した。その反応体を還流温度で撹拌しながら5時間加熱した。テトラヒドロフラン:水の混合物(26ml、1:1)を注意して滴加した。水酸化ナトリウム溶液(160ml、5N)を加えて、その混合物を還流温度で撹拌しながら16時間加熱した。
冷却した混合物の相を分離して、水相を各々テトラヒドロフラン40mlで2回抽出した。これらの合わせたテトラヒドロフラン抽出物を蒸発させた。酢酸エチル(800ml)を加えて、この溶液を飽和塩化ナトリウム溶液80mlで3回洗浄した。酢酸エチル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物18.4g(97%)を得た。
〈第一級アミンの保護〉
2−アミノ−1−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンの製造
先に製造した1,2−ジアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン(1.06g、5.6mmoles)に、テトラヒドロフラン10ml中のジ−t−ブチルジカーボネート(0.90ml、3.9mmoles)を室温で滴加して、これをテトラヒドロフラン28mlに溶解した。この滴加を5時間にわたって行った。溶媒を蒸発させた。エタノール/水酸化アンモニウム/酢酸エチルを用いてのフラッシュクロマトグラフィーにかけて、所望のカルバメート0.51g(1.76mmoles、31%)を得た。
〈第二級アミンのアシル化〉
1−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例151の化合物]
アセトニトリル(1200ml)中の2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)酢酸(2.47g、11.2mmoles)およびトリエチルアミン(3.13ml、22.5mmoles)のスラリーを還流温度まで撹拌しながら短時間に加熱した。その結果得られた溶液がまだ温かいうちに、カルボニルジイミダゾール(1.82g、11.2mmoles)を加えて、その混合物を還流温度で10分間加熱した。次いで、その反応体に、アセトニトリル50ml中の2−アミノ−1−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン(3.25g、11.2mmoles)を加えた。その結果得られた混合物を撹拌しながら30分間還流した後、室温で一晩撹拌した。
次いで、その反応混合物を撹拌しながら5時間還流した後、溶媒を減圧下に除去した。その結果得られた油状物質を炭酸ナトリウム溶液で洗浄した後、水で6回洗浄し、次いで、これを飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。その結果得られた液体を硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過した。次いで、保持された残留物を減圧下に乾燥した。濾液の体積を減らした後、クロマトグラフィーにより部分的に精製した。クロマトグラフィーから得られた試料を、フィルターにより保持された残留物を共にプールすると、合わせて標記生成物3.94g(収率72%)であった。
方法F
〈第一級アミンの脱保護〉
1−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの合成
[実施例150の化合物]
70%水性トリフルオロ酢酸(全量4.0ml中、トリフルオロ酢酸2.8ml)の氷冷溶液に、1−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン(0.80g、1.63mmoles)およびアニソール(0.4ml)を加えた。この混合物を35分間撹拌した結果、透明な溶液が得られた。次いで、その溶液をさらに1時間撹拌した後、蒸発させた。
次いで、その結果得られた液体に酢酸エチルを加えた後、炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。次いで、このように洗浄した後、飽和塩化ナトリウム溶液で3回洗浄した。次いで、その結果得られた溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、蒸発させた結果、標記生成物0.576g(収率90%)が得られた。
方法G
〈第一級アミンの還元的アルキル化〉
1−[N−(2−クロロベンジル)アミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例2の化合物]
トルエン中、2−クロロベンズアルデヒド(0.112g、0.8mmole)を1−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン(0.156g、0.398mmole)と合わせた。次いで、その結果得られた混合物を撹拌して、温めた後、蒸発させた。次いで、その残留物にトルエンを加えて、この混合物を再び蒸発させた。その残留物にテトラヒドロフランを加えた後、その混合物を氷浴中で冷却した。
次いで、その反応混合物に水素化シアノホウ素ナトリウム(0.025g、0.4mmole)を加えた。その液体混合物上に塩化水素ガスを定期的に加えた。その混合物を室温で16時間撹拌した後、減圧下に体積を減らした。
次いで、その残留物に希塩酸溶液を加えた後、その溶液をエーテルで2回抽出した。5N水酸化ナトリウムを滴加することにより、その酸性水性抽出物を塩基性とした。次いで、この塩基性とした溶液を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル洗浄物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、蒸発させた。このように処理した後、クロマトグラフィーにかけて、標記生成物0.163g(収率79%)を得た。
方法H
〈トリチル化〉
3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンアミドの製造
トリプトファンアミド(26.43g、0.130mole)を塩化メチレン260mlに懸濁させて、この混合物を窒素で流した後、アルゴン下においた。塩化トリチル(38.06g、0.136mole)を塩化メチレン75mlに溶解した。氷浴中に置いたトリプトファンアミド溶液に、その塩化トリチル溶液を徐々に加えたが、その添加には約25分かかった。次いで、その反応混合物を一晩撹拌した。
次いで、その反応混合物を分液漏斗に注ぎ入れて、水250ml、続いてブライン250mlで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムにより濾過して、乾燥すると、固体が沈殿した。濾液を集めて、溶媒を蒸発させた。
次いで、プールした固体に酢酸エチルを加えて、この混合物を撹拌した後、一晩冷蔵した。翌日、その結果得られた固体を冷酢酸エチルで数回洗浄した後、減圧下に乾燥した。収量49.76g(85.9%)。
〈カルボニルの還元〉
1−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンの製造
アルゴン下、3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンアミド(48.46g、0.108mole)をテトラヒドロフラン270mlに懸濁させた。次いで、この混合物を還流温度まで加熱した。次いで、その反応混合物に、ボラン−メチルスルフィド複合体(41.3g、0.543mole)を徐々に加えた。ボラン−メチルスルフィド複合体を加える間に、出発原料であるアミドを全て溶解した。次いで、この溶液を83℃の油浴中で一晩撹拌した。
冷却した後、その溶液に、テトラヒドロフラン:水の1:1の混合物(合計75ml)を加えた。次いで、その混合物に水酸化ナトリウム(5N、230ml)を加えた後、これを還流温度まで約30分間加熱した。
水相と有機相とに分配した後、有機相を集めた。次いで、水相をテトラヒドロフランで抽出した。有機相を合わせた後、溶媒を蒸発させることにより除去した。次いで、その結果得られた液体を酢酸エチルとブラインとの間で分配して、ブラインで2回洗浄した。次いで、その溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に除去して、所望の中間体48.68gを得た。
〈第一級アミンの置換〉
1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンの製造
トルエン(1.13L)に溶解した1−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパン(48.68g、0.109mole)の混合物に、2−メトキシベンズアルデヒド(23.12g、0.169mole)を加えたが、その2−メトキシベンズアルデヒドは、塩基で洗浄することにより、あらかじめ精製しておいた。その反応混合物を一晩撹拌した。次いで、溶媒を減圧下に除去した。
回収した固体をテトラヒドロフラン:メタノールの1:1の混合物376mlに溶解した。この溶液に水素化ホウ素ナトリウム(6.83g、0.180mole)を加えた。この混合物を氷上で約4時間撹拌した。溶媒を蒸発させることにより除去した。残りの液体を酢酸エチル1200mlとブライン:20N水酸化ナトリウムの1:1の溶液1000mlとの間で分配した。これを各々酢酸エチル500mlで2回抽出した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、溶媒を一晩蒸発させることにより除去して、所望の生成物67.60g(収率〉99%)を得た。
方法J
〈トリチル化〉
3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパン酸の製造
[N−トリチルトリプトファン]
窒素雰囲気下、無水塩化メチレン(800ml)中のトリプトファン(100.0g、0.490mole)の撹拌スラリーに、クロロトリメチルシラン(70.0ml、0.527moles)を適度な速度で加えた。この混合物を連続的に4.25時間撹拌した。トリエチルアミン(147.0ml、1.055moles)を加えた後、滴加漏斗を用いて、塩化メチレン(400ml)中の塩化トリフェニルメチル(147.0g、0.552mole)の溶液を加えた。窒素雰囲気下、その混合物を室温で少なくとも20時間撹拌した。メタノール(500ml)を加えることにより、その反応体をクエンチした。
その溶液を回転蒸発器上で濃縮して、ほぼ乾燥状態とし、その混合物を塩化メチレンおよび酢酸エチルに再び溶解した。次いで、5%クエン酸溶液(2×)およびブライン(2×)を伴う水性後処理を行った。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、回転蒸発器上で濃縮して乾燥状態とした。固体を熱ジエチルエーテルに溶解した後、ヘキサンを加えて、結晶化を促進した。この処理により、分析的に純粋な3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパン酸173.6g(0.389mole)が淡黄褐色の固体として2つのクロップで単離され、全体の79%の収率を得た。
〈カップリング〉
3−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−メトキシベンジル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンアミドの製造
窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(1.7L)および無水N,N−ジメチルホルムアミド(500ml)中の3−(1H−インドール−3−イル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパン酸(179.8g、0.403mole)、2−メトキシベンジルアミノ(56.0ml、0.429mole)、およびヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(57.97g、0.429mole)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(60.0ml、0.430mole)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エトキシカルボジイミド塩酸塩(85.25g、0.429mole)を0℃で加えた。窒素雰囲気下、その混合物を室温まで少なくとも20時間温めた。その混合物を回転蒸発器上で濃縮した後、塩化メチレンに再び溶解して、5%クエン酸溶液(2×)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×)、およびブライン(2×)の水性後処理を行った。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、回転蒸発器上で濃縮して乾燥状態とした。次いで、標記生成物を桃色の固体として2つのロットに濾過した。分析的に純粋な物質215.8g(0.381mole)を単離した(収率95%)。
〈還元〉
3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンの製造
窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(1.0L)中の、アシル化生成物である、先に製造した3−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−メトキシベンジル)−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンアミド(228.6g、0.404mols)の還流溶液に、滴加漏斗を用いて、無水テトラヒドロフラン(400ml)に溶解した、Red−Al(商標)[3.4Mの、トルエン中の水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(sodium bis(2−methoxyethoxy)aluminum hydride)の溶液](535ml、1.819moles)を徐々に加えた。その反応混合物は紫色の溶液となった。過剰の飽和ロッシェル塩溶液(酒石酸ナトリウムカリウム四水和物)を徐々に加えることにより、その反応体を少なくとも20時間後にクエンチした。有機相を単離し、ブライン(2×)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転蒸発器上で濃縮して油状物質とした。さらなる精製を行うことなく、その生成物を次の工程に直接使用した。
方法K
〈アシル化〉
3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンの製造
窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(1.2L)中の3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパン(0.404mole)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(66.5ml、0.477mole)および無水酢酸(45.0ml、0.477mole)を0℃で加えた。4時間後、その混合物を回転蒸発器上で濃縮し、塩化メチレンおよび酢酸エチルに再び溶解し、水(2×)およびブライン(2×)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、回転蒸発器上で濃縮して固体とした。その結果得られた固体をクロロホルムに溶解し、シリカゲル60(230−400メッシュ)上に充填して、酢酸エチルとヘキサンとの1:1の混合物で溶離した。次いで、その生成物を酢酸エチル/ヘキサンの混合物から結晶化した。その結果得られた生成物である3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパンを結晶化して、3つのクロップで単離し、分析的に純粋な物質208.97g(収率87%)を得た。
方法L
〈脱トリチル化〉
2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]プロパンの製造
窒素雰囲気下、無水塩化メチレン中の3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−2−(N−トリフェニルメチルアミノ)プロパン(14.11g、23.763mmoles)の撹拌溶液に、ギ酸(9.0ml、238.540mmoles)を0℃で加えた。4時間後、その反応混合物を回転蒸発器上で濃縮して油状物質とし、ジエチルエーテルおよび1.0N塩酸に再び溶解した。水相をジエチルエーテルで2回洗浄して、pH12以上となるまで水酸化ナトリウムで塩基性とした。その生成物を塩化メチレン(4×)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、回転蒸発器上で濃縮して白色の泡状物質とした。化合物2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]プロパン(7.52g、21.397mmols)を単離して、90%の収率を得た。さらなる精製は必要なかった。
方法M
〈ブロモアセチル化〉
2−[(2−ブロモ)アセチル]アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]プロパンの製造
窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(100ml)中の2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]プロパン(7.51g、21.369mmoles)の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(4.1ml、23.537mmoles)および臭化ブロモアセチル(2.05ml、23.530mmoles)を0℃で加えた。2時間後、酢酸エチルを加えて、その反応混合物を水で2回、1.0N塩酸(2×)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×)、およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、回転蒸発器上で濃縮して黄褐色の泡状物質とした。この方法で、2−[(2−ブロモ)アセチル]アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]プロパンを定量的な収率で得た。さらなる精製は必要なかった。
方法N
〈求核置換〉
1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−シクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例74の化合物]
窒素雰囲気下、塩化メチレン中の2−[(2−ブロモ)アセチル]アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]プロパン(21.369mmoles)および粉末状の炭酸カリウム(3.56g、25.758mmols)の撹拌溶液に、1−シクロヘキシルピペラジン(3.65g、22.492mmoles)を加えた。その反応混合物を室温で一晩撹拌した。塩を濾過して、その溶液を回転蒸発器上で濃縮して褐色の泡状物質とした。100%塩化メチレンから開始して、5%メタノール/94.5%塩化メチレン/0.5%水酸化アンモニウムで終了するグラジエント10Lを用いて、所望の生成物をPrep500カラム上で精製した。純粋でない画分を合わせて、逆相分取高性能液体クロマトグラフィー(メタノール/アセトニトリル/水/酢酸アンモニウム)により、さらに精製した。両方のクロマトグラフ精製から得られた物質を合わせた後、標記化合物(10.43g、18.663mmoles)を単離した(収率87%)。
反応式(IV)の合成プロトコルの最終工程において示すような第一級アミンの別のアシル化方法は、イソブチルクロロホルメートおよびN−メチルモルホリンの存在下、式:
Figure 0003657982
で示される化合物を、式:
Figure 0003657982
で示されるカルボン酸カリウムと反応させることによるものである。この反応は、通常、塩化メチレンのような非反応性溶媒の存在下、低温、通常、−30℃〜10℃の間、さらに好ましくは−20℃〜0℃の間の温度で行う。この反応では、通例、等モル量の2つの反応体を使用するが、他の割合でも実施可能である。第一級アミノをアシル化する、この好ましい方法の例を以下の実施例に示す。
方法P
(R)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−シクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパンの製造
[実施例75の化合物]
最初に、無水塩化メチレン5体積中、2−((4−シクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸カリウム塩を−8℃〜−15℃の間の温度まで冷却することにより、標記化合物を製造した。次いで、この混合物に、その温度が−8℃を越えないような割合でイソブチルクロロホルメートを加えた。次いで、その温度を−8℃〜−15℃の間で保持しながら、この反応混合物を約1時間撹拌した。
次いで、この混合物に、その温度が0℃を越えないような割合で(R)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]プロパン二塩酸塩を加えた。次に、この混合物に、その温度が0℃を越えないような割合でN−メチルモルホリンを加えた。次いで、この混合物を−15℃〜−8℃の間の温度で約1時間撹拌した。
水5体積を加えることにより、その反応混合物をクエンチした。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回洗浄した。次いで、その有機相を無水炭酸カリウムで乾燥して、濾過し、乾燥剤を除去した。次いで、濾液に2当量の濃塩酸を加えた後、イソプロピルアルコール1体積を加えた。次いで、減圧下に蒸留することにより、塩化メチレンをイソプロピルアルコールと交換した。
次いで、イソプロピルアルコールの最終体積を減圧により3体積まで濃縮した。その反応混合物を20℃〜25℃まで冷却して、生成物を少なくとも1時間結晶化した。次いで、濾過することにより所望の生成物を回収し、イソプロピルアルコールで十分に洗浄して、無色の濾液を得た。次いで、結晶ケークを減圧下に50℃で乾燥した。
以下の表は、本質的には反応式(I)〜(IV)に記載した工程を用いて製造される化合物の多くを説明する。当業者は、欲する以外の反応を回避するために、多くの場合、ある一定の工程順序を使用しなければならないことを容易に理解するであろう。例えば、先の方法でのように、ある特定部分での反応を阻止するために、保護基を使用することが必要であることが多い。
以下の表中で使用する略語は、当分野において一般に使用されており、また当分野の技術者により容易に理解されるであろう。例えば、「Ph」という略語はフェニル基を示し、「i−Pr」はイソプロピル基を示し、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「t−Bu」はtert−ブチル基を示す等である。
以下の表において、最初の欄には、化合物の実施例番号を示す。次の欄(1つ、2つ、または3つの欄であり得る)には、個々の実施例の置換パターンを記載する。「Mp℃」という題がついた欄には、それが固体ならば化合物の融点を示し、または室温での物質の形状を記載する。「MS」という題がついた、その次の欄には、質量分析により測定された化合物の質量を示す。その次の欄には、合成された実施例化合物の核磁気共鳴プロフィールを示す。最後に欄には、実施例化合物の分子式、さらにはまたその元素分析を示す。
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本発明の化合物の生物学的活性は、既知のNK−1およびNK−2受容体部位に対する試験化合物の結合を迅速かつ正確に測定する初期スクリーニングアッセイを利用して評価した。タキキニン受容体拮抗物質を評価するのに有用なアッセイは、当業界において周知である[例えば、J.Jukicら,Life Sciences,49:1463−1469(1991);N.Kucharczykら,Journal of Medicinal Chemistry,36:1654−1661(1993);N.Rouissiら,Biochemical and Bioph ysical Research Communications,176:894−901(1991)を参照]。
NK−1受容体結合アッセイ
放射線受容体結合アッセイは、既に公表されているプロトコル[D.G.Payanら,Journal of Immunology,133:3260−3265(1984)]の誘導方法を利用して行った。このアッセイでは、高濃度の競合物質の存在下、IM9細胞のアリコート(1×106細胞/チューブ:このチューブは10%のウシ胎児血清を添加したRPMI 1604培地を含む)を20pMの125I−標識化サブスタンスPと共に4℃で45分間インキュベートした。
IM9セルラインは、十分に特徴付けられ、また容易に入手できるヒトセルラインである[例えば、Annals of th e New York Academy of Science,190:221−234(1972);Nature(ロンドン),251:443−444(1974);Proc eedings of the National Academy of Sciences(米 国),71:84−88(1974)]。これらの細胞は、50μg/mlの硫酸ゲンタマイシンと10%のウシ胎児血清を添加したRPMI 1640で慣例的に培養した。
あらかじめ0.1%のポリエチレンイミンに20分間浸しておいたフィルターを使用するガラスファイバーフィルター採取システム(glass fiber filter harvesting system)を通して濾過することにより、反応を終結した。20nMの標識していないリガンドの存在下、標識化サブスタンスPの特異的結合を測定した。
NK−2受容体結合アッセイ
CHO−hNK−2R細胞、すなわち1細胞につき受容体を約400,000個発現するヒトNK−2受容体で形質転換したCHO−由来のセルラインを、10%のウシ胎児血清を添加した最少必須培地(α改変)を含む75cm2のフラスコまたは回転瓶中で増殖させた。ヒトNK−2受容体の遺伝子配列は、N.P.Gerardら,Journal of Biological Chemistry,265:20455−20462(1990)に示されている。
膜を調製するために、各回転瓶を、カルシウムとマグネシウムを含んでいないダルベッコのリン酸緩衝溶液(PBS)10mlで洗浄した後、酵素を含んでいない細胞解離溶液[PBSをベースとする、Specialty Media,Inc.製]10mlを加えることにより、30個の全面成長回転瓶培養物を解離した。さらに15分後、解離した細胞をプールして、臨床用遠心分離機中、1,000RPMで10分間遠心分離した。Tekmar(商標)のホモジナイザーを用い、その細胞ペレットを50mMのトリス緩衝液(pH7.4)300mlに10−15秒間ホモジナイズした後、Beckman JA−14(商標)のローターを用い、12,000RPM(20,000×g)で30分間遠心分離することにより、膜を調製した。そのペレットを、先の手順を用いて一回洗浄し、最終的に得られたペレットを、50mMのトリス緩衝液(pH7.4)100−120ml、および−70℃で凍結保存しておいたアリコート4mlに再び懸濁させた。この調製物のタンパク濃度は2mg/mlであった。
受容体結合アッセイを行うために、CHO−hNK−2Rの膜調製物の1つのアリコート4mlを、50mMのトリス緩衝液(pH7.4)、3mMの塩化マンガン、0.02%のウシ血清アルブミン(BSA)および4μg/mlのキモスタチンを含むアッセイ用緩衝液40mlに懸濁させた。1試料につき200μl量(タンパク40μg)のホモジネートを使用した。放射性リガンドは、[125I]ヨードヒスチジル−ニューロキニンA[New England Nuclear,NEX−252,2200Ci/mmol]であった。アッセイ用緩衝液中、100μlにつき20nCiの割合でリガンドを調製すると、アッセイで最終的に得られる濃度は20pMであった。非特異的結合は、1μMのエレドイシンを用いて測定した。0.1〜1000nMまで、10段階濃度のエレドイシンを標準濃度−応答曲線に使用した。
インキュベーションするために、全ての試料および標準品をスクリーニングの場合にはジメチルスルホキシド(DMSO)10μl(1回量)、もしくはIC50測定の場合にはDMSO5μl中でインキュベーションに加えた。インキュベーションを行うための添加順序は、アッセイ用緩衝液190または195μl、ホモジネート200μl、試料を含むDMSO10または5μl、放射性リガンド100μlであった。試料を室温で1時間インキュベートした後、0.5%のBSAを含む50mMのトリス緩衝液(pH7.7)にあらかじめ2時間浸しておいたGF/Bフィルターを通して、48ウエルのBrandel細胞採取機(cell harvester)で濾過した。そのフィルターを50mMの冷トリス緩衝液(pH7.7)約3mlで3回洗浄した。次いで、12×75mmのポリスチレンチューブにフィルター環をあけ、γ−カウンターで計数した。
以下の表(II)では、そのような幾つかのニューロキニン結合アッセイの結果を示す。1欄には、先の表(I)で詳述した拮抗物質である試験化合物の実施例番号を記載する。次の欄には、欄の見出しに記載したような、適当なニューロキニンの結合を50%阻害する試験化合物の濃度(ナノモル量で)、または記した濃度での、そのような結合の阻害パーセントを記載する。ある値は、1回以上の実験平均値を示す。
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式(I)で示される化合物は有効なタキキニン受容体拮抗物質であることから、これらの化合物は、過剰のタキキニンの存在により特徴付けられる、広範囲にわたる種々の臨床的病態を治療する際に重要な化合物である。従って、本発明は、過剰のタキキニンが関与する生理的障害を治療する、または予防するための方法であって、式(I)で示される化合物または医薬的に許容され得るそれらの塩の有効量を、該治療を必要とする哺乳動物に投与することからなる方法を提供する。「過剰のタキキニンが関与する生理的障害」という用語には、局部に存在する実際のタキキニン量には関係なく、タキキニン受容体の不適当な刺激が関与する障害が包含される。
これらの生理的障害には、不安、うつ病、精神病、および精神分裂病といったような中枢神経系障害;アルツハイマー型の老人性痴呆、アルツハイマー病、エイズ(AIDS)関連痴呆、およびダウン症候群を含む痴呆といったような神経変性障害;多発性硬化症並びに筋萎縮性側索硬化症といったような脱髄疾患および末梢神経障害、糖尿病並びに化学療法により誘発される神経障害、および疱疹後神経病並びに他の神経病といったような他の神経病理学的障害;成人呼吸障害症候群、気管支肺炎、気管支痙攣、慢性気管支炎、ドライバーカフ(drivercough)、並びに喘息といったような急性および慢性の閉塞性気道疾患;炎症性腸疾患、乾癬、結合組織炎、変形性関節症および慢性関節リウマチといったような炎症性疾患;骨粗鬆症といったような筋骨格系障害;湿疹および鼻炎といったようなアレルギー;毒ヅタといったような過敏症障害;結膜炎、春季カタル等といったような眼疾患;接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、じんま疹、および他の湿疹様皮膚炎といったような皮膚疾患;アルコール中毒症といったような嗜癖障害;ストレスが関係する身体障害;肩手症候群といったような交感神経反射性異常行動;気分変調障害;移植組織の拒絶反応といったような免疫学的有害反応および全身性エリテマトーデスといったような免疫増強または抑制が関与する障害;潰瘍性大腸炎、クローン病および過敏腸症候群といったような臓器神経細胞調節が関与する胃腸障害または疾患;膀胱排尿筋反射亢進および失禁といったような膀胱機能障害;動脈硬化症;強皮症および好酸性肝蛭症といったような繊維化並びに膠原疾患;良性前立腺肥大の刺激性症状;アンギナ、片頭痛、並びにレイノー病といったような血管拡張および血管痙攣疾患が原因で起こる血流障害;また例えば、前述の病態のいずれか、特に片頭痛における痛みの伝播が原因となる、もしくは関与する痛みまたは痛覚が含まれ得る。例えば、式(I)で示される化合物は、不安、精神病、および精神分裂病といったような中枢神経系障害;アルツハイマー病およびダウン症候群といったような神経変性障害;気管支痙攣および喘息といったような呼吸性疾患;炎症性腸疾患、変形性関節症および慢性関節リウマチといったような炎症性疾患;移植組織の拒絶反応といったような有害な免疫学的障害;潰瘍性大腸炎、クローン病並びに過敏腸症候群といったような臓器神経細胞調節が関与する胃腸障害および疾患;失禁;血管拡張が原因で起こる血流障害;また例えば、前述の病態のいずれか、または片頭痛における痛みの伝播が原因となる、もしくは関与する痛みまたは痛覚を治療する際に使用するのが適当であろう。
幾つかの実験結果より、式(I)で示される化合物の多くは選択的タキキニン受容体拮抗物質であることが証明される。これらの化合物は、他のそのような受容体に比べて、1つのタキキニン受容体サブタイプを優先的に結合する。そのような化合物が特に好ましい。
例えば、NK−1拮抗物質は、痛み、特に神経障害痛、術後痛、および片頭痛といったような慢性痛、関節痛に伴う痛み、癌関連痛、慢性下部背痛、群発頭痛、ヘルペス性神経痛、幻想肢痛、中枢性疼痛、歯痛、神経障害痛、オピオイド耐性痛、内臓痛、外科手術痛、骨損傷痛、分娩時並びに出産時の痛み、火傷によって起こる痛み、分娩後の痛み、アンギナ痛、および膀胱炎を含む尿生殖路が関係する痛みを治療する際、特に最も好ましい。
痛みの他に、NK−1拮抗物質は、尿失禁;良性前立腺肥大の刺激性症状;過敏腸症候群といったような胃腸管運動性障害;気管支痙攣、気管支肺炎、喘息、並びに成人呼吸障害症候群といったような急性および慢性の閉塞性気道疾患;動脈硬化症;炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性関節リウマチ、変形性関節症、神経性炎症、アレルギー、鼻炎、咳、皮膚炎、じんま疹、乾癬、結膜炎、刺激誘発性縮瞳といったような炎症性病態;移植組織拒絶反応;サイトカイニン化学療法等によって起こる血漿の血管外遊出;脊髄外傷;発作;脳卒中(虚血);アルツハイマー病;パーキンソン病;多発性硬化症;筋萎縮性側索硬化症;精神分裂病;不安;およびうつ病を治療する、また予防する際、特に好ましい。
NK−2拮抗物質は、尿失禁、気管支痙攣、喘息、成人呼吸障害症候群、過敏腸症候群といったような胃腸管運動性障害、および痛みを治療する際、特に好ましい。
先に記載したインビトロにおける結合アッセイの他に、本発明の化合物の多くはまた、過剰のタキキニンが関与する病態に関して、インビボにおけるモデルシステムにおいても試験されている。インビボにおいて試験されたこれらの化合物のの多くが、該病態に対する効能を示している。
式(I)で示される化合物は、通常、医薬組成物の形で投与する。これらの化合物は、経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含め、種々の経路により投与することができる。これらの化合物は、注射用組成物としても、また経口用組成物としても有効である。そのような組成物は、医薬品業界において周知の方法で製造され、また少なくとも一つの活性化合物を含んでなる。
本発明にはまた、医薬的に許容され得る担体と共に、活性成分として、式(I)で示される化合物を含む医薬組成物も含まれる。本発明の組成物を製造する際は、通常、活性成分を賦形剤と混合して、賦形剤により希釈するか、またはカプセル、サシェ、紙または他の容器の形態であり得る担体内に充填する。賦形剤が希釈剤として働く場合、賦形剤は、固体、半固体、または液体の物質であってよく、これは活性成分に対してビヒクル、担体または媒質として働く。従って、配合物は、錠剤、丸剤、粉末剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体として、または液体媒質中に)、例えば、活性化合物を10重量%まで含む軟膏剤、軟カプセル剤および硬カプセル剤、坐剤、滅菌注射用溶液剤、および滅菌密封粉末剤の形にすることができる。
製剤を製造する際は、他の成分と組み合わせる前に、活性化合物を粉砕して適当な粒子径とすることが必要である。活性成分が実質的には不溶性であるならば、通常、粒子径が200メッシュ未満となるまで粉砕する。活性成分が実質的には水溶性であるならば、通常、粉砕することにより調節して、実質的には、製剤中での分布が均一(例えば、約40メッシュ)となるようにする。
適当な賦形剤の幾つかの例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが含まれる。製剤には、さらに以下のものが含まれ得る:タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油といったような減摩剤;湿潤剤;乳化剤並びに懸濁剤;メチルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸塩といったような保存剤;甘味料;および香料。当業界で既知の製法を利用することにより、患者に投与した後、活性成分を即座に、持続的に、または遅延して放出するよう、本発明の組成物を製剤化することができる。
組成物は、単位用量形態で製剤化するのが好ましく、各々の用量に、活性成分を約5〜約100mg、さらに通常は約10〜約30mg含む。「単位用量形態」という用語は、対象となるヒトや他の哺乳動物に対する単位的用量として適当な、物理的に独立した単位を示し、各々の単位は、所望の治療効果が得られるよう、適当な医薬品賦形剤と共に、あらかじめ決定された量の活性物質を含む。
活性化合物は、広い用量範囲にわたって有効である。例えば、1日の用量は、通常、約0.5〜約30mg/kg(体重)の範囲内である。成人を治療する際は、1回の服用量または分割する服用量が、約1〜約15mg/kg/日の範囲であるのが特に好ましい。しかし、実際に投与される化合物の量は、治療すべき病態、選択された投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年令、体重および反応、並びに患者の症状の重篤度を含め、関連事情を考慮した上で、医者により決定されるであろうから、上記用量範囲は、本発明の範囲を何ら制限するものではないということが分かるであろう。ある場合には、前記範囲の下限より低い用量レベルがもっと適していることがある一方で、他の場合には、有害な副作用を何ら起こすことなく、もっと多い用量を使用することがある(ただし、そのような多い用量は、1日かけて投与するため、最初に幾つかの少ない用量に分ける)。
錠剤のような固体組成物を製造するためには、主要な活性成分を医薬的に許容され得る賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質混合物を含む固体予製剤組成物を形成する。これらの予製剤組成物を均質と呼ぶ場合、組成物を、錠剤、丸剤、およびカプセル剤といったような、同等に有効な単位用量形態へ容易に細分できるよう、その活性成分が組成物中にむらなく分散していることを意味する。次いで、この固体予製剤を、本発明の活性成分を0.1〜約500mg含む、先に記載した種類の単位用量形態へ細分する。
本発明の錠剤または丸剤を被覆したり、または別の方法で調合したりして、有利な長時間作用を与える用量形態を与えることができる。例えば、錠剤または丸剤は、内層投与成分と外層投与成分とを含んでなり得、後者は、前者を覆うエンベロープの形態であり得る。その2つの成分は、胃における崩壊に耐えるよう働いて、内層成分が十二指腸を完全に通過できるようにする、または放出を遅延できるようにする腸溶性層により分けることができる。種々の物質をそのような腸溶性層またはコーティングに使用することができるが、そのような物質には、多くのポリマー酸、およびポリマー酸の、セラック、セチルアルコール、並びに酢酸セルロースといったような物質との混合物が含まれる。
本発明の新規組成物を経口投与に、または注射により組み合わせることができる液体形態には、水溶液剤、適当に矯味の付けられたシロップ剤、水性または油性懸濁剤、および矯味の付けられた、綿実油、ゴマ油、ヤシ油、または落花生油といったような食用油との乳剤、さらにはまたエリキシル剤並びに同様の医薬品ビヒクルが含まれる。
吸入または通気のための組成物には、医薬的に許容され得る、水性もしくは有機溶媒中の溶液剤および懸濁剤、またはそれらの混合物、および粉末剤が含まれる。液体または固体組成物は、先に記載したような、適当な医薬的に許容され得る賦形剤を含み得る。好ましくは、該組成物を局所または全身効果のために経口または鼻腔呼吸経路により投与する。不活性ガスを使用することにより、好ましくは医薬的に許容され得る溶媒中の組成物を噴霧化することができる。噴霧化した溶液を噴霧装置から直接吸入してもよいし、または噴霧装置をフェイスマスク、テント、もしくは間欠陽圧吸入器に取り付けてもよい。溶液、懸濁液、または粉末の組成物は、適当な方法で製剤を送り出す装置から、好ましくは経口または鼻腔投与することができる。
以下の実施例により、本発明の医薬組成物を説明する。
製剤例1
以下の成分を含む硬ゼラチンカプセル剤を製造する。
Figure 0003657982
上記成分を混合して、硬ゼラチンカプセルに340mg量を充填する。
製剤例2
以下の成分を用いて、錠剤を製造する。
Figure 0003657982
各成分を混合し、圧縮して、各々の重量が240mgである錠剤を成形する。
製剤例3
以下の成分を含む乾燥粉末吸入剤を製造する。
Figure 0003657982
活性混合物をラクトースと混合し、その混合物を乾燥粉末吸入器に入れた。
製剤例4
活性成分を各々30mg含む錠剤を以下のようにして製造する。
Figure 0003657982
活性成分、デンプンおよびセルロースを米国No.20メッシュの篩にかけて、完全に混合する。その結果得られた粉末とポリビニルピロリドン溶液とを混合した後、これを米国No.16メッシュの篩にかける。このようにして製造した顆粒を50〜60℃で乾燥し、米国No.16メッシュの篩にかける。次いで、あらかじめ米国No.30メッシュの篩にかけておいたカルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを顆粒に加え、混合した後、これを打錠機で圧縮して、各々の重量が120mgの錠剤を得る。
製剤例5
薬物を各々40mg含むカプセル剤を以下のようにして製造する。
Figure 0003657982
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、米国No.20メッシュの篩にかけて、硬ゼラチンカプセルに150mg量を充填する。
製剤例6
活性成分を各々25mg含む坐薬を以下のようにして製造する。
Figure 0003657982
活性成分を米国No.60メッシュの篩にかけ、必要最小限の熱を用い、あらかじめ溶融しておいた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁させる。次いで、その混合物を容量2.0gの坐薬型に注入して放冷した。
製剤例7
5ml用量につき、薬物を各々50mg含む懸濁液剤を以下のようにして製造する。
Figure 0003657982
薬物、スクロースおよびキサンテンゴムを混合して、米国No.10メッシュの篩にかけた後、あらかじめ製造しておいた、微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香料および着色料を少量の水で希釈して、撹拌しながら加える。次いで、水を加え、所望の容量とする。
製剤例8
薬物を各々15mg含むカプセル剤を以下のようにして製造する。
Figure 0003657982
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、米国No.20メッシュの篩にかけて、硬ゼラチンカプセルに425mg量を充填する。
製剤例9
静脈注射用製剤を以下のようにして製造する。
Figure 0003657982
製剤例10
局所製剤を以下のようにして製造する。
Figure 0003657982
白色ソフトパラフィンが溶融するまで加熱する。その液体パラフィンと乳化ワックスとを組み合わせて、溶解するまで撹拌する。実施例67の化合物を添加して、分散するまで撹拌し続ける。次いで、その混合物が固体となるまで冷却する。
実施例11
活性成分を各々約10mg含む舌下錠またはバッカル錠は以下のようにして製造することができる。
Figure 0003657982
連続的に撹拌して、温度を約90℃で維持することにより、グリセロール、水、クエン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンを一緒に混合する。ポリマーが溶液となったら、その溶液を約50−55℃まで冷却して、薬物を少しずつ添加する。その均質な混合物を不活性材料で作られた型へ流し込んで、厚さ約2〜4mmの薬物含有拡散マトリックスを製造する。次いで、この拡散マトリックスを切断して、各々適当な大きさの錠剤を成形する。
本発明の方法で使用する別の好ましい製剤は、経皮吸収形態(「パッチ」)を利用する。調節された量の本発明の化合物が連続的に、または不連続的に浸出されるよう、そのような経皮パッチを使用することができる。薬剤吸収のための経皮パッチの構成と使用法は、当業界において周知である[米国特許第5,023,252号、1991年6月11日発行を参照][この米国特許に記載された内容は本明細書の一部を成す]。そのようなパッチは、薬剤が連続的に、一定に、または要求あり次第吸収されるよう構成することができる。
医薬組成物を脳へ直接、または間接的に取り入れることが望ましく、または必要であることが多い。直接法では、通常、血液脳関門を迂回させるために、薬物導入カテーテルを患者の脳室系へ配置する必要がある。身体の特異的解剖部位へ生理学的因子を輸送するのに利用される、そのような移植可能な導入系の1つは、米国特許第5,011,472号,1991年4月30日発行に記載されている[この米国特許に記載された内容は本明細書の一部を成す]。
一般に好ましいとされる間接法では、通常、親水性薬物を脂溶性薬物またはプロドラッグへと転換することで薬物潜在性が得られるように、組成物を製剤化する必要がある。一般に潜在性は一般に、薬物上に存在するヒドロキシ、カルボニル、スルフェート、および第一アミン基を遮断し、薬物をより脂溶性として、血液脳関門を介して輸送しやすいようにすることにより得られる。あるいはまた、血液脳関門を一時的に開放することのできる高張溶液の動脈内潅流により、親水性薬物の導入を高めることができる。

Claims (11)

  1. 式:
    Figure 0003657982
    [式中、
    mは1である。
    nは1である。
    oは1である。
    pは1である。
    Rは3−インドリルである。
    R1はトリチル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ヘキサメチレンイミニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、インドリニル、還元イソキノリニル、フェニル−(C1−C4アルキル)−、フェニル−(C1−C4アルコキシ)−、ベンゾイル−(C1−C3アルキル)−または−NH−CH2−R5であって、
    それらR1基のうちいずれか1つは、ハロ、C1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、フェニル、C3−C8シクロアルキル、ベンジル、ピペリジニル、ピリミジニル、C2−C6アルカノイルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換され得ていて、
    それらの基のうちいずれか1つは、ハロ、トリフルオロメチルもしくはC2−C4アルカノイルアミノで置換され得ているか、あるいは
    R1はブロモである。
    R5はピリジル、アニリノ−(C1−C3アルキル)−またはアニリノカルボニルである。
    R2は−CO−R6である。
    R6は水素、C1−C4アルキル、C1−C3ハロアルキル、フェニル、C1−C4アルコキシ、C1−C3ヒドロキシアルキルまたはC1−C4アルキルアミノである。
    R8は水素またはC1−C6アルキルである。
    R3はフェニル、フェニル−(C1−C6アルキル)−、C3−C8シクロアルキル、C1−C8アルキルまたは水素であって、
    水素以外のそれらの基のうちいずれか1つは、1つのハロ、C1−C3アルコキシ、C1−C3アルキルチオ、ニトロ、トリフルオロメチルまたはC1−C4アルキル基で置換され得る。そして、
    R4は水素またはC1−C3アルキルである]
    で示される化合物、またはそれらの医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
  2. R2がアセチルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 式:
    Figure 0003657982
    [式中、
    Raはハロ、C1−C3アルコキシ、C1−C3アルキルチオ、ニトロ、トリフルオロメチルまたはC1−C3アルキルである]
    で示される、請求項に記載の化合物。
  4. RaがC1−C3アルコキシ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはC1−C3アルキルチオである、請求項3に記載の化合物。
  5. R1がピペラジニル、ピペリジニル、置換ピペラジニルまたは置換ピペリジニルである、請求項4に記載の化合物。
  6. R1が1−(4−フェニル)ピペラジニル、1−(4−シクロヘキシル)ピペラジニル、1−(4−フェニル)ピペリジニル、1−(4−シクロヘキシル)ピペリジニル、1−(4−イソプロピル)ピペラジニル、1−[4−(1−ピペリジニル)]ピペリジニルである、請求項5に記載の化合物。
  7. 化合物は、
    (R)1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−クロロベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−シクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−クロロベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−シクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペリジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−クロロベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−フェニル)ピペリジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−シクロヘキシル)ピペリジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−クロロベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−シクロヘキシル)ピペリジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−イソプロピル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−クロロベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−イソプロピル)ピペラジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、
    (R)1−[N−(2−メトキシベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン、または
    (R)1−[N−(2−クロロベンジル)アセチルアミノ]−3−(1H−インドール−3−イル)−2−[N−(2−((4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)アセチル)アミノ]プロパン
    である、請求項6に記載の化合物。
  8. 過剰のタキキニンが関与する生理的障害の治療または予防に使用するための、請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物。
  9. 過剰のタキキニンが関与する生理的障害が、不安症、うつ病、精神病、精神分裂病、痴呆、アルツハイマー病、ダウン症候群、多発性硬化症、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、成人呼吸障害症候群、気管支肺炎、気管支痙攣、喘息、尿失禁、過敏性腸管症候群、炎症性腸疾患、乾癬、結合組織炎、変形性関節症、慢性関節リウマチ、痛みおよび痛覚からなる群から選ばれる、請求項8に記載の化合物。
  10. 過剰のタキキニンが関与する生理的障害の治療または予防に使用するための医薬製剤であって、1つ以上の医薬的に許容し得る担体、希釈剤または賦形剤と共に、活性成分として請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含有する、該医薬製剤。
  11. 請求項3〜7のいずれか1つに記載の化合物の製造法であって、該方法は式:
    Figure 0003657982
    で示される化合物を、式:
    Figure 0003657982
    で示される化合物と反応させ、
    次いで、場合により塩化する、
    ことを含む製造法であって、
    上記式中、
    R1はトリチル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ヘキサメチレンイミニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、インドリニル、還元イソキノリニル、フェニル−(C1−C4アルキル)−、フェニル−(C1−C4アルコキシ)−、ベンゾイル−(C1−C3アルキル)−または−NH−CH2−R5であって、
    それらR1基のうちいずれか1つは、ハロ、C1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、フェニル、C3−C8シクロアルキル、ベンジル、ピペリジニル、ピリミジニル、C2−C6アルカノイルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換され得ていて、
    それらの基のうちいずれか1つは、ハロ、トリフルオロメチルもしくはC2−C4アルカノイルアミノで置換され得ているか、あるいは
    R1はブロモであり;
    nは1であり;
    R2は−CO−R6であり;
    R6は水素、C1−C4アルキル、C1−C3ハロアルキル、フェニル、C1−C4アルコキシ、C1−C3ヒドロキシアルキルまたはC1−C4アルキルアミノであり;そして、
    Raはハロ、C1−C3アルコキシ、C1−C3アルキルチオ、ニトロ、トリフルオロメチルまたはC1−C3アルキルである、
    該製造法。
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