JP3657914B2 - １回使用使い捨て型飲料フィルタカートリッジ - Google Patents

Description

【０００１】
（関連出願の相互参照）
本出願は、２０００年２月１８日に提出された特許仮出願第６０／１８３，５６９号、および２００１年２月１３日に提出された正式な米国特許出願第０９／７８２，６６５号から優先権を主張し、これらの両方をその全体において本願に引用して援用する。
【０００２】
（技術分野）
本発明は、一回使用の使い捨て型飲料フィルタカートリッジに関する。
【０００３】
（背景技術）
周知の一回使用の使い捨て型飲料フィルタカートリッジは、それぞれ１９９４年７月５日および１９９８年１１月２４日付けの米国特許第５，３２５，７６５号および第５，８４０，１８９号（シルヴァン他）に開示されている。この飲料フィルタカートリッジは、基本的に、かなり剛性のプラスチック材料から熱成形、または射出成形され、浸透性のコーン形のフィルタによって内部が第１および第２室に分割された、不浸透性の、降伏可能に穿孔可能なカップ形の容器で構成される。たとえば焙煎された粉末コーヒーなどの顆粒状または粉末状の乾いた飲料媒体が、第１室内に保存され、容器は、金属の箔およびプラスチックのラミネートを備える、不浸透性の、降伏可能に穿孔可能な蓋によって閉じられている。
【０００４】
抽出サイクル中、蓋および容器底部は、管状の入口および出口プローブによって、それぞれ反対方向から穿孔される。入口プローブは、飲料媒体で抽出するために加熱された液体を第１室内に入れて、結果として得られる抽出された飲料をフィルタを通って第２室内へ送り、下に置かれたカップに供給するために、そこから出口プローブを介して排出する。
【０００５】
この周知の飲料フィルタカートリッジは、その初期の導入以来存続している、その使用に関するある問題点および欠点にもかかわらず、急速に広範に受け入られてきた。
【０００６】
たとえば、蓋と比べて、カップ形の容器の底部はかなり厚く、穿孔に対してより高い抵抗がある。底部は、酸素の透過性を妨げるために必要なカップの側壁の厚さと、酸素遮断用材料に損傷を与えずにフィルタ材料が側壁と接続できる可能性とに不利な影響を与えることなく、容易に薄くすることはできない。したがって、出口プローブによって穿孔されるうちに、底部は、それに付随する容器側壁の座屈を伴って内側にねじれる傾向がある。側壁の座屈を伴う底部のねじれは、穿孔プロセスに不利な影響を与え、その結果、出口プローブの周囲で漏出が生じる可能性がある。
【０００７】
関連する問題は、より抵抗のある容器底部を穿孔するのに必要な程度まで尖らせることができ、長期の使用期間にわたる摩耗に耐えることができる、高価な金属製の出口プローブを抽出機に備える必要があることに起因する。
【０００８】
また、出口プローブの開口が容器の底部の上方にあり、飲料のうちのいくらかを排出する手段がないため、抽出された液体飲料のうちのいくらかは、排出することができない。
【０００９】
したがって、必要となるのは、上記に述べた問題点および欠点を除去する、または少なくともかなり最小にする、改良型の飲料フィルタカートリッジである。
【００１０】
（発明の開示）
本発明によると、飲料フィルタカートリッジは、アクセス開口を有する不浸透性の外側容器を備える。平面状のフィルタ部材が、容器内部を第１室および第２室に分割するように構成および配置されている。飲料媒体は第１室内に保存され、不浸透性の蓋がアクセス開口を閉じている。
【００１１】
蓋は、第１室の上にある第１セクションと、第２室の上にある第２セクションとを有する。第１および第２の蓋セクションは、単一のまたは複数の入口および出口プローブによって、それぞれ同じ方向から降伏可能(yieldably)に穿孔することができる。入口プローブは、飲料媒体で抽出ために加熱された液体を第１室内に入れて、結果として得られる抽出された飲料をフィルタ部材を通って第２室内へ送り、そこから出口プローブを介して排出する。
【００１２】
蓋の材料は、容器底部の抵抗に比べて、降伏可能に穿孔されることに対するより低い抵抗を有し、したがって、容器側壁の座屈を伴って内側へねじれる傾向は小さい。最終結果は、よりきれいな穿孔、および出口プローブの周囲の改善された密封である。
【００１３】
蓋がかなり容易に穿孔できることはまた、単一または複数の構成の、より低価格のプラスチックの入口および出口プローブを抽出機に備えることを可能にする。
【００１４】
本発明のこれらのおよびその他の特徴および利点を、添付の図面を参照にして、ここでより詳細に説明する。
【００１５】
（発明を実施するための最良の形態）
最初に図１〜５を参照すると、本発明による飲料フィルタカートリッジの一実施形態は、一般に１０で示されている。飲料フィルタカートリッジは、不浸透性の外側容器１２と、浸透性のフィルタ部材１４と、不浸透性の蓋１６とを備える。
【００１６】
外側容器１２は、一般に、底壁１２ａと、アクセス開口１３を囲む平坦なリム１２ｃを持つ側壁１２ｂと、底壁から上方向に突き出して、容器の長さ方向に対して平行に延びている、横方向に間隔の空いた複数の支持リブ１２ｄとを有するトレイ形状である。
【００１７】
図３に示すように、リブ１２ｄは、１８で側壁１２ｂと結合しており、下方向に曲がり、底部１２ａに対して平行に延び、再び上方向に曲がって２０で終端している。
【００１８】
フィルタ部材１４は、支持リブの上縁部の形状と一致するように形成されたシート材料から形成されている。フィルタ部材は、容器１２内に受容され、その前端および後端の縁部１４ａは、容器の側壁１２ｂの縁１２ｃに重なって密閉され、その側部の縁部１４ｂは、容器の側壁と一体に形成された最も外側のリブ１２ｄに重なって密閉されている。このように配置されたとき、フィルタ部材は、第２室「Ｂ」から分離した第１室「Ａ」を規定し、後者は、支持リブ１２ｄを分離している開通路と連絡している。
【００１９】
通常焙煎された粉末コーヒーである、飲料媒体「Ｍ」が、室Ａ内に装填され、その後、蓋１６が容器壁１２ｂのリム１２ｃに対して（およびフィルタのいかなる重なって密閉された縁部部分に対しても）密閉される。このように配置されたとき、蓋は室Ａの上にある第１セクション１６ａと、室Ｂの上にある第２セクション１６ｂとを有する。
【００２０】
外側容器は、通常射出成形によって、不浸透性の熱融着可能な材料から形成されてもよい。
【００２１】
フィルタ部材１４は、任意の適切な、しなやかな浸透性の、降伏可能に穿孔可能なシート材料から切断または圧断することができる。好ましい例は、イギリス、ランカシャ州ベリーのＪ．Ｐ．Ｃｒｏｍｐｔｏｎ，Ｌｔｄ．によって供給されている、セルロースポリプロピレンである。蓋は、任意の適切な、不浸透性の、熱融着可能な、降伏可能に穿孔可能な材料から切断または圧断されてもよい。好ましい例は、カナダ、モントリオールのＨｅａｔ Ｓｅａｌ−Ｗｉｎｐａｋ，Ｌｔｄ．によって供給されている、金属／ポリマーラミネートである。蓋は、外側容器と比べて降伏可能に穿孔されることに対する抵抗が小さく、降伏可能に穿孔可能であってもなくてもよい。
【００２２】
図５に示すように、抽出サイクル中、カートリッジは鉛直方向に向けることができ、蓋１６は、圧力下の湯を室Ａ内に入れて飲料媒体Ｍを浸すために、１つ以上の管状の浸出プローブ２２によって穿孔される。結果として得られる飲料は、フィルタ部材１４を通って、支持リブ１２ｄの間に規定された通路内に送られる。ここから、飲料は下方向に室Ｂ内へ流れ、そこから、蓋およびフィルタ部材を室Ｂの上にある位置で穿孔する、１つ以上の管状の出口プローブ２４によって抽出される。プローブ２２、２４は、外側容器を穿孔することなく、同じ方向に向けられて、カートリッジの片側で動作される。容器内に射出される湯の速度が出口プローブによって提供される流出速度よりも大きいため、溶解性の飲料媒体は完全に浸漬され、その結果、第２室Ｂは、抽出された飲料で充填され、第１室Ａは，湯で完全に充填されるようにする。
【００２３】
図示されていないが、カートリッジは、抽出プロセス中、または抽出プロセス後、図５で以前に示したのとは別の方式で方向付けられてもよいことが理解されよう。
【００２４】
図６〜１３で３０で一般に示された場合の、本発明による飲料フィルタカートリッジの第２の実施形態。カートリッジ構成部品は、図７に別個に示されており、外側容器３２と、平面状のフィルタ部材３４と、蓋３６とを備える。
【００２５】
容器３２は、底部壁３８と、前部壁４０と、背部壁４２と、側壁４４、４６とを有する。前部、背部および側壁は、底部壁から、上部開口５０を囲んでいる周縁リム４８のほうへ上方向に延びている。
【００２６】
側壁４４、４６は、前部および背部壁４０、４２の間に延びている一般にＶ字型の棚５２を画定するように輪郭付けられている。棚５２の下部は、容器底部３８の上方に間隔を空いている。底部３８は、好ましくは、上方向に突き出した中央に位置するボス５４を提供するような輪郭形状にされている。
【００２７】
容器の内部に向かって開いた窪み５６が提供されるように、背部壁４２は輪郭を形成され、上側リム４８はくぼみを作られている。
【００２８】
フィルタ部材３４は、前縁部および背縁部領域３４ａ、３４ｂおよび側縁部領域３４ｃを有する。フィルタ部材は、容器の内部を第１および第２室「Ａ」、「Ｂ」に分割するように構成され、寸法付けられ、動作可能に配置されている。窪み５６は、室Ｂ内に開いて、その一部を形成している。フィルタ部材がこのように配置されたとき、その側縁部領域３４ｃが、熱融着によって側壁４４、４６の棚５２と固定され、前側縁部領域３４ａ、後縁部領域３４ｂは同様に前壁４０、背部壁４２と固定されることが理解されよう。好ましくは、フィルタ部材の底部もまた、熱融着によってのように、上方向に突き出したボス５４と固定される。
【００２９】
飲料媒体「Ｍ」は、上部開口５０を通って受けられ、第１室Ａ内に保存される。その後上部開口は、熱融着によってのように、蓋３６を周縁の容器リム４８と固定することによって閉じられる。
【００３０】
外側容器は、不浸透性の熱融着可能な材料から形成されてもよい。好ましい例は、アメリカ、ウィスコンシン州オシュコシュのＣｕｒｗｏｏｄ Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｐａｃｋａｇｉｎｇによって供給されている、ポリエチレン／ＥＶＯＨ／ポリスチレンである。
【００３１】
フィルタ部材３４および蓋３６が形成される材料は、第１の実施形態のフィルタ部材１４および蓋１６について前に述べたものと同じであってもよい。
【００３２】
蓋３６は、室Ａの上にある第１のセクション３６ａ、および窪み５６上にある第２のセクション３６ｂを有する。
【００３３】
図１３に示すように、抽出サイクルの始めに、蓋セクション３６ａが１つ以上の入口プローブ５８によって穿孔され、蓋セクション３６ｂおよびフィルタ部材の下にある部分が、出口プローブ６０によって穿孔される。入口プローブは、飲料媒体Ｍで浸すために、加熱された流体を室Ａ内に入れ、結果として得られる抽出された飲料は、フィルタ部材を通って室Ｂ内に送られ、そこから出口プローブ６０を介して外に出される。
【００３４】
したがって、両実施形態でわかるように、外側容器は穿孔されない。むしろ、カートリッジの同じ側から動作して、容易に穿孔可能な蓋の異なる部分を穿孔する、入口および出口プローブによって、別個室Ａ、Ｂとの液体の連絡が達成される。
【００３５】
外側容器および蓋が、不浸透性の材料から形成されるものとして説明されてきたが、別法として、これらの構成部品の一方または両方に浸透性の材料を採用してもよいことが当業者には理解されよう。浸透性の材料を採用するところでは、完成されたカートリッジは、続いて、好ましくは、個別にまたは一括して、不浸透性の包装材に包まれる。このような包装材用の材料は周知であり、たとえば、ＥＶＯＨフィルム、アルミ箔などを含む。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による飲料フィルタカートリッジの一実施形態の透視図である。
【図２】 容器内部を詳細に示すために蓋およびフィルタ部材の一部が切り開かれた、図１に示す飲料フィルタカートリッジの上部平面図である。
【図３】 図２の線３−３に沿った拡大した断面図である。
【図４】 図１〜３に示す飲料フィルタカートリッジを構成する基本構成部品の分解図である。
【図５】 飲料抽出サイクル中、入口および出口プローブによって穿孔された飲料フィルタカートリッジの蓋を示す、図３と同様の横断面図である。
【図６】 本発明による飲料フィルタカートリッジの別の実施形態を示す透視図である。
【図７】 図６に示す飲料フィルタカートリッジの基本構成部品の分解図である。
【図８】 図６の矢印「Ｘ」の方向から見た、飲料フィルタカートリッジの側面図である。
【図９】 図８の線９−９に沿った拡大断面図である。
【図１０】 図８の線１０−１０に沿った拡大断面図である。
【図１１】 図８の線１１−１１に沿った拡大断面図である。
【図１２】 図８の線１２−１２に沿った拡大断面図である。
【図１３】 飲料抽出サイクル中、入口および出口プローブによって穿孔された飲料フィルタカートリッジの蓋を示す、図１０と同様の断面図である。

Claims (9)

1. アクセス開口を有する外側容器と、
   前記容器内に受容され、その内部を第１室および第２室に分割するように構成され、かつ配置された浸透性のフィルタ部材と、
   前記第１室内に保存された溶解性の飲料媒体と、
   前記アクセス開口を閉じる蓋と、
   を備える飲料フィルタカートリッジであって、
   前記蓋が、前記第１室の上にある第１セクションと、前記第２室の上にある第２セクションとを有し、前記蓋の第１セクションが、飲料媒体を浸して飲料を産出するために前記第１室内への流体の流入を調節するために降伏可能に穿孔可能であり、前記フィルタ部材が、前記第１室から前記第２室への飲料の流れに適応するように浸透可能であり、前記蓋の第２セクションが、前記第２室から前記カートリッジの外部への流出に適応するように降伏可能に穿孔可能であることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
2. 請求項１に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記蓋が前記容器のものと比べて、降伏可能に穿孔されることに対して低い抵抗を有することを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
3. 請求項１に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記フィルタ部材が降伏可能に穿孔可能であることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
4. 請求項１に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記フィルタ部材の第１セクションが、前記容器の内部表面と共働して、前記第１室を規定すること、および前記フィルタ部材の第２セクションが、前記蓋の第２セクションの下にあることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
5. 請求項１に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記容器が、前記アクセス開口を囲み、そこから外側に突き出した平坦なリムを備え、および前記フィルタ部材の縁部部分が前記リムの部分と重なり、熱融着されていることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
6. 請求項４に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記蓋および前記フィルタ部材の両方の第２セクションが、前記第２室からの飲料の流出を調節するために降伏可能に穿孔可能であることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
7. 請求項１に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記フィルタ部材が、浸透性の、降伏可能に穿孔可能な材料の平面状のシートを備えることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
8. 請求項１に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記外側容器が不浸透性であることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。
9. 請求項１または８に記載の飲料フィルタカートリッジであって、前記蓋が不浸透性であることを特徴とする飲料フィルタカートリッジ。

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