JP3657906B2 - 静電気センサを搭載したディスク記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドにより少なくとも情報の読み取りが行われるディスク記憶装置に係り、特に静電気の印加を検知する静電気センサを搭載したディスク記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、ヘッドにより情報の読み出し/書き込みが行われるディスク記憶装置、例えば磁気ディスク装置では、読み取りヘッドに、再生出力が大きく高記録密度化に適したMRヘッドと呼ばれる磁気抵抗効果型(Magneto Resistive)ヘッドを用いるのが一般的になっている。
【0003】
ところが、MRヘッドは薄膜構造であるため、静電気の印加によって破壊されやすいという問題がある。加えてMRヘッドは、高記録密度化を目的とする狭トラックピッチ化、高感度化に対応するため、年々微細化の傾向をたどっており、ますます静電気に弱くなりつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
磁気ディスク装置における静電気の印加によるヘッド破壊は、磁気ディスクに記録されているデータが読み出せなくなることから、つまりデータの喪失を招くことから、磁気ディスク装置において致命的である。しかしながら、静電気の印加によるヘッド破壊の回避は難しい問題でもある。特にヘッドの一部が破壊された場合は、完全な破壊まで徐々に症状が進行し、そのため製造時の検査において破壊を検知できないこともあり得る。また静電気が頻繁に印加される環境で使用されるような場合には筐体の金属部分からの放電や誘導によるヘッド破壊も発生し得る。
【0005】
そのような場合にエンドユーザにおいてヘッドの破壊という最悪の状況を回避するため、ヘッドの破壊水準を超えるような静電気が過去に印加されたか、或いは使用環境において静電気がたびたび印加されていないかを検知することは重要な問題である。
【0006】
しかしながら、MRヘッドを備えたディスク記憶装置において、現在のところ、そうした問題への対策はなされていないのが現実である。
【0007】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、近年のディスク記憶装置において最も深刻な問題の1つである静電気によるヘッド破壊を予知することができ、これにより重要なデータの喪失を回避して、信頼性を高めることができる静電気センサを搭載したディスク記憶装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係るディスク記憶装置は、ヘッドにより少なくとも情報の読み取りが行われるディスク記憶装置であって、コンデンサタイプの静電気センサと、この静電気センサに蓄積された電荷を強制的に放電する放電手段と、この放電手段による電荷の放電の後に、静電気の印加によって上記静電気センサに蓄積された電荷の量を反映した当該静電気センサの電位を監視し、その監視結果に応じて上記ヘッドに基準レベルを超える静電気が印加されたことを検知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このような構成のディスク記憶装置において、コンデンサタイプの静電気センサ、つまり非破壊型の静電気センサの電位は、当該センサに蓄積される電荷の量によって変化し、その電荷量は、当該センサに印加される静電気のエネルギ量によって変化する。したがってディスク記憶装置の動作時には、静電気センサに蓄積された電荷を放電手段により強制的に放電した後に、静電気センサの電位を監視することで、その監視結果から、ヘッドに基準レベルを超える静電気が印加されたことを簡単に検知することができる。また、コンデンサタイプの静電気センサは非破壊型のため、破壊型の静電気センサと異なって何度でもヘッドへの静電気印加を検知できる。
【0013】
本発明の第2の観点に係るディスク記憶装置は、コンデンサタイプの静電気センサと、静電気の印加によって前記静電気センサに蓄積された電荷の量を反映した当該静電気センサの電位を予め定められた基準電位と比較する比較手段と、この比較手段の比較結果を定期的にチェックすることにより上記静電気センサの電位を監視して、一定時間内で上記静電気センサの電位が上記基準電位を超えたことが検知された回数を計測し、その検知回数が予め定められた基準回数を超えた場合に、ヘッドに基準レベルを超える静電気が印加されたと判定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
このような構成のディスク記憶装置においては、上記基準電位を変えることで、センサの感度を容易に変えることが可能となる。また、比較手段の比較結果を定期的にチェックして、一定時間内で静電気センサの電位が基準電位を超えたことが検知された回数を計測し、その検知回数が予め定められた基準回数を超えた場合、つまり静電気センサの電位が基準電位を超えたことが検知される頻度が高い場合だけ、ヘッドに基準レベルを超える静電気が印加されたと判定する構成とすることにより、ノイズなどの影響で誤って判定されるのを防止することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を磁気ディスク装置に適用した実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の内部構造を示す斜視図である。
【0017】
図1に示す磁気ディスク装置(以下、HDDと称する)は、上面の開口した矩形箱状の導電性ケース10と、複数のねじにより当該ケース10にねじ止めされてケース10の上端開口を閉塞するトップカバー(図示せず)とを有している。
【0018】
ケース10内には、少なくとも1枚、例えば2枚のディスク(磁気ディスク媒体)11-0及び11-1と、当該ディスク11-0及び11-1を支持及び回転駆動するスピンドルモータ(以下、SPMと称する)12と、当該ディスク11-0及び11-1の各記録面に対して情報の読み出し/書き込みを行うヘッド(磁気ヘッド、複合ヘッド)35-0,35-1及び35-2,35-3(図2及び図3参照)を備えたロータリ型のアクチュエータ(キャリッジ)13と、ヘッド35-0〜35-3がディスク11-0,11-1の最外周の退避位置に移動した際、当該ヘッドをディスク11-0,11-1から離間した位置に保持するランプ(ランプ機構)14と、基板ユニット15とが収納されている。ヘッド35-i(i=1〜3)は、MR(Magneto Resistive)素子からなるリードヘッドと、誘導型の記録用薄膜素子からなるライトヘッド(インダクティブヘッド)とがスライダ上に一体化された複合ヘッドである。ここでは、複合ヘッド35-iを便宜的にMRヘッド35-iと称することにする。
【0019】
各ディスク11-0,11-1は、例えば直径65mmに形成された2.5インチ型の磁気記録媒体である。ディスク11-0,11-1の上面及び下面の少なくとも一方の面、例えば両面はデータを記録するための記録面をなしている。ディスク11-0,11-1は、SPM12の図示せぬハブに互いに同軸的に嵌合されると共にクランプばね16により保持されている。ディスク11-0,11-1は、SPM12によって所定の速度で回転駆動される。
【0020】
アクチュエータ13は、ディスク11-0及び11-1の各記録面にそれぞれ対応して配置されるヘッドサスペンションアセンブリ(以下、HSAと称する)20-0,20-1及び20-2,20-3と、これらのHSA20-0,20-1及び20-2,20-3をディスク11-0及び11-1に対して回動自在に支持した軸受組立体22と、当該アクチュエータ13の駆動源となるボイスコイルモータ(以下、VCMと使用する)24とを備えている。
【0021】
ランプ14は、ディスク11-0,11-1の外周側に位置し、各HSA20-i(i=0〜3)のタブ29(図2及び図3参照)をガイド及び支持するガイド面を有している。各ガイド面は、それぞれ対応するサスペンション28のレベルに合わせて配置され、ディスク11-0,11-1の半径方向に沿って、ディスク11-0,11-1の外周縁近傍まで延びていると共に、タブ29の移動経路上に配置されている。
【0022】
ケース10の底壁外面には、SPM12、VCM24及びヘッド35-0〜35-3(図2及び図3参照)の動作等を基板ユニット15を介して制御する(回路群が実装された)図示せぬメインプリント回路基板(以下、メインPCBと称する)がねじ止めされている。
【0023】
各HSA20-iは、図2に示すように、アーム26及びサスペンション28を備えている。サスペンション28は、その基端がアーム26の先端にスポット溶接あるいは接着により固定され、アーム26から延出している。サスペンション28の先端には、タブ29が形成されている。アーム26は、例えば、SUS304等のステンレス系の材料により、板厚0.3mm程度の薄い平板状に形成され、その基端には軸受組立体22を挿通するための円形の透孔30(図3参照)が形成されている。サスペンション28は、板厚50〜75μmの細長い板ばねにより構成されている。なお、スペンション28は、アーム26と同一の材料によりアームと一体に形成されていてもよい。
【0024】
HSA20-iはまた、サスペンション28及びアーム26上に固定されたフレクシャ(flexure)と呼ばれる中継用のフレキシブルプリントケーブル(フレキシブルプリント基板)(以下、中継FPCと称する)32-iと、この中継FPC32-i上に実装されたMRヘッド35-iを備えている。
【0025】
中継FPC32-iは細長い帯状に形成されており、図3に示すようにMRヘッド35-iと接続されたヘッド配線パターン320-iを備えている。ヘッド配線パターン320-iは、ステンレス板上に形成されたポリイミド等からなる絶縁層上に形成されている。中継FPC32-iは、サスペンション28及びアーム26のうち、ディスクの記録面と対向する側の表面上に固定され、サスペンション28の先端からアーム26の中途部まで延びている。中継FPC32-iの基端部には、後述するメインFPC17(図1乃至図3参照)と接続するためのFPC接続部(図示せず)が設けられている。中継FPC32-iのFPC接続部は、ヘッド配線パターン320-iの端部と接続されており、アーム26から外方に延出している。なお、図2及び図3に示すヘッド35-0,35-1,35-2,35-3は実際にはスライダであり、本来のヘッドは当該スライダの所定箇所に形成されるものであるが、ここでは作図の都合上、当該スライダがヘッドを表しているものとする。
【0026】
アクチュエータ13は、図2に示すように、軸受組立体22と、軸受組立体22に取り付けられ、HSA20-0〜20-3の各アーム26と反対方向に延出している支持フレーム25と、この支持フレーム25に一体的に埋め込まれているボイスコイル240とを備えている。軸受組立体22は、基台として機能する図1に示すケース10の底壁上に固定されている。ボイスコイル240は、図1に示すトップヨーク241と図示せぬボトムヨークとの間に位置し、これら両ヨークとボトムヨークに固定された図示せぬ永久磁石と共にVCM24を構成する。各HSA20-iは、軸受組立体22のハブをアーム26の透孔30(図3参照)に挿通することにより、当該軸受組立体22に取り付けられ、ボイスコイル240を有するVCM24によって軸受組立体22の回りで回動される。各HSA20-iが回動することにより、サスペンション28の先端部に支持されたMRヘッド35-iは、ほぼディスク11-j(j=0,1)の半径方向に沿って移動される。
【0027】
各HSA20-iに設けられている中継FPC32-iのFPC接続部は、いずれも基板ユニット15から延出したメインFPC17のFPC接続部170と電気的且つ機械的に接続されている。メインFPC17上には、各中継FPC32-i上のヘッド配線パターン320-iとFPC接続部を介して接続されるヘッド配線パターン171-iが並行に形成されている。メインFPC17上にはまた、VCM24と接続されているVCM配線パターン172が形成されている。メインFPC17上にはまた、グラウンド配線パターン(以下、GND配線パターンと称する)173が形成されている。メインFPC17の先端部にはGND配線パターン173の先端部を貫通する透孔(図示せず)が形成されている。メインFPC17の先端部は、上記透孔を介して導電性のねじ174によりアクチュエータ(キャリッジ)13の軸受組立体22に固定されている。これにより、GND配線パターン173の電位は、基本的には、軸受組立体22が固定されている(基台としての)ケース10の底壁と同レベルとなる。ここで、各配線パターンの並びは、上から、配線パターン171-0,171-1,171-2,171-3,173,172の順である。GND配線パターン173は、電気的なシールドとしての機能を実現するために、ヘッド配線パターン171-0〜171-3とVCM配線パターン172との間に設けられている。つまり、GND配線パターン173は、VCM24のボイスコイル240にスパイク状の電流が流れた際に、その誘導電流がヘッド配線パターン171-0〜171-3に流れるのを防止する目的で設けられている。
【0028】
基板ユニット15は、ケース10の底壁上に固定された基板本体150を有し、この基板本体150には、メインPCBとコネクタ接続するためのコネクタ156等が隣接して実装されている。メインFPC17は、フレキシブルプリント回路基板により基板本体150と一体的に形成されている。つまり、基板本体150はメインFPC17の固定部といえる。
【0029】
さて、静電気によってMRヘッド35-i(i=0〜3)の破壊が起きる場合を考えると、本発明者は当該静電気の経路が、図4に示すように、主として3つ存在することを認識するに至っている。第1の経路は、静電気が基板ユニット15(図2参照)側及びVCM24のボイスコイル240側(図2参照)から矢印41及び42に示すようにVCM配線パターン172に印加される経路(電気的な経路)であり、このVCM配線パターン172に印加された静電気がヘッド配線パターン171-i,320-i(図4の例ではi=3)を介してヘッド35-iに影響を及ぼす。第2の経路は、静電気が基台としてのケース10(図1参照)側から矢印43に示すように軸受組立体22を介してヘッド配線パターン171-i,320-i(図4の例ではi=3)に印加される経路である。第3の経路は、静電気が矢印44に示すように直接ヘッド配線パターン171-i,320-i(図4の例ではi=3)に印加される経路である。但し、第3の経路で静電気が印加される確率は第1または第2の経路で静電気が印加される確率より低い。第1または第2の経路で静電気が印加される場合、VCM配線パターン172により近い位置、或いはケース10により近い位置にあるヘッド配線パターンほど、つまりヘッド配線パターン171-3,320-3ほど、静電気が印加される確率が高い。したがってヘッド35-0〜35-3が静電気によって破壊される確率は、ヘッド配線パターン171-3,320-3に対応するヘッド35-3が最も高く、以下ヘッド35-2→ヘッド35-1→ヘッド35-0の順に低くなる。
【0030】
そこで本実施形態では、図4に示した静電気の経路と当該経路に最も近いヘッド35-3との間に、図2及び図3に示すように、静電気を検知する静電気センサ40を設けるようにしている。具体的には、図3に示すように、メインFPC17の面上の、当該のFPC17先端側で且つヘッド配線パターン171-3の近傍の位置に、静電気センサ40を設けるようにしている。そのため、メインFPC17上には、静電気センサ40と接続されたセンサ配線パターン175が形成されている。本実施形態で適用される静電気センサ40は、例えば2つの端子を有する薄膜抵抗体から構成されている。静電気センサ40は、MRヘッド35-0〜35-3(を構成するMR素子)に比べてより低いレベルの静電気量で破壊されるように、予め設定されている。つまり静電気センサ40は一種の破壊型センサである。ここでは、静電気センサ40を構成する薄膜抵抗体の幅を、ヘッド35-0〜35-3を構成するMR素子(MR膜)より細くすることで、静電気センサ40がMRヘッド35-0〜35-3に比べてより静電気破壊に弱くなるようにしている。
【0031】
図5は、図1の内部構造を持つHDDの主として回路構成を示す。
図5において、SPM12及びVCM24は、モータドライバ(ドライバIC)51からそれぞれ供給される駆動電流により駆動される。モータドライバ51からSPM12及びVCM24にそれぞれ供給される駆動電流を決定するための値(制御量)は、CPU57により決定される。
【0032】
各ヘッド35-0〜35-3はヘッドIC52と接続されている。このヘッドIC52は、図1乃至図3では省略されているが、メインFPC17に実装されているものとする。ヘッドIC52は、ヘッド35-0〜35-3により読み出されたリード信号を増幅するリードアンプ、及びライトデータをライト電流に変換するライトアンプを含む、1チップ化されたヘッドアンプ回路である。
【0033】
ヘッドIC52は、リード/ライトチャネル(以下、R/Wチャネルと称する)53と接続されている。R/Wチャネル53は、ヘッドIC17から出力される増幅されたリード信号(アナログ信号)に対するA/D(アナログ/デジタル)変換処理、ライトデータの符号化処理及びリードデータの復号化処理等の各種の信号処理を実行する。R/Wチャネル53はまた、リード信号からヘッド35-iの位置決めに必要な情報(サーボ情報)を抽出してゲートアレイ(ASIC)54に出力する。
【0034】
ゲートアレイ54は、R/Wチャネル53により抽出されたサーボ情報からヘッド35-iの位置決めに必要なヘッド位置信号を検出する。このヘッド位置信号はCPU57に送られて、ヘッド35-iを目標位置に位置決めするための制御に用いられる。ゲートアレイ54はまた、HDDを利用するホストとの間のコマンド、データの通信を制御するインタフェース機能と、R/Wチャネル53との間のデータの通信を制御するディスクコントローラ機能と、ホストに転送すべきデータ及びR/Wチャネル53に転送すべきデータが一時記憶されるバッファRAM55を制御するバッファコントローラ機能とを有する。ゲートアレイ54は更に、静電気センサ40の検知出力をセンサアンプ回路56を介して入力し、ディジタルデータに変換してCPU57から読み込み可能な特定レジスタ(図示せず)に設定する機能も有する。
【0035】
センサアンプ回路56は、図6に示すように、アンプ561を含んでいる。アンプ561は、静電気センサ40の一端と接続される入力と、当該センサ40の他端と接続される入力との2つの入力を有している。この静電気センサ40とセンサアンプ回路56との接続には、メインFPC17上のセンサ配線パターン175が用られている。アンプ561の一方の入力はプルアップ抵抗562を介して電源電圧Vccに接続され、アンプ561の他方の入力は接地されている。プルアップ抵抗562には、静電気センサ40を構成する薄膜抵抗体に比べて十分高い抵抗値の抵抗が用いられている。
【0036】
再び図5を参照すると、CPU57は、制御プログラムが格納された不揮発性メモリ、例えば書き換えが可能なFROM(フラッシュROM)58を内蔵している。CPU57は、FROM58に格納されている制御プログラムに従ってHDD内各部を制御する。CPU57が制御プログラムを実行することにより実現される制御には、ゲートアレイ54から送られるヘッド位置信号に基づいてヘッド35-iをディスク11-j上の目標位置に位置決めする周知の制御が含まれている。CPU57はまた、HDD内各部を制御する他に、ゲートアレイ54を介して静電気センサ40の検知出力を監視することで、更に具体的に述べるならば静電気センサ40の導通状態を監視することで、ヘッド35-iへの過大な静電気印加を判定(検知)するように構成されている。
【0037】
次に本実施形態の動作について、ヘッド35-0〜35-3への静電気の印加状態を、静電気センサ40の導通状態により監視する場合を例に説明する。
まず、静電気センサ40に静電気が印加されていないか、静電気が印加されていても静電気量が低レベルの場合には、静電気センサ40は破壊されない。この状態では、当該静電気センサ40を構成する薄膜抵抗体の抵抗値はセンサアンプ回路56のプルアップ抵抗562より十分低い。したがって、静電気センサ40と接続されているセンサアンプ回路56内のアンプ561の入力レベルは、GNDレベル(接地レベル)に近い。
【0038】
これに対し、図4に示したような経路で静電気がヘッド35-0〜35-3に印加され、これにより当該経路上に設けられた静電気センサ40にも静電気が印加されるようになると、その静電気の大きさによっては、静電気センサ40が破壊される可能性がある。静電気センサ40が破壊されると、当該静電気センサ40が非導通状態となり、アンプ561の入力レベルは、ほぼGNDレベルからVccレベル近くまで上がる。
【0039】
したがって、アンプ561の出力を監視することで、静電気センサ40の破壊の有無、つまりヘッド35-0〜35-3への危険な静電気印加の有無を検知することが可能となる。そこで本実施形態では、アンプ561の出力レベルをゲートアレイ54内の図示せぬA/D変換器でディジタル値に変換して、そのディジタル値をCPU57から読み込み可能な特定レジスタに設定する動作を例えば定期的に行うことにより、アンプ561の出力レベルをCPU57から監視できるようにしている。CPU57は、例えばHDDの起動時及び又はHDDの動作期間に定期的(例えば1分毎)に、ゲートアレイ54内の上記特定レジスタの設定値を読み込む。そしてCPU57は、読み込んだ値、即ちアンプ561の出力レベルがしきい値を超えているか否かにより、静電気センサ40の破壊の有無を判定する。CPU57は、静電気センサ40の破壊の有無の判定結果から、静電気センサ40により検知された静電気の印加状態、即ちヘッド35-0〜35-3、特にヘッド35-3を破壊する恐れのある静電気が当該ヘッドに印加されているか否かを認識する。
【0040】
CPU57はヘッド35-0〜35-3を破壊する恐れのある静電気印加状態が静電気センサ40により検知されたと判定した場合、その検知結果を、故障予知等のためのデータの1つとして、ディスク11-0,11-1の各記録面に予め確保されているシステム領域(図示せず)の少なくとも1つに保存する動作を行う。システム領域は、システムのみが使用する、つまりユーザからは見えないリング状の非ユーザ領域である。ここでは、システム領域上の特定位置が、静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果を示す特定のパラメータ(システムパラメータ)の格納位置に予め割り当てられている。CPU57は上記特定パラメータ(フラグ)を所定値に設定する(ONする)制御を行うことで、静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果を保存する。システム領域内の故障予知等のためのデータは、ホストからの専用のコマンドでホスト内に読み込むことが可能である。
【0041】
ホストは、自身の起動時に、或いは自身が動作状態にある場合に定期的に、例えば静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果の通知を要求する特定コマンドをHDDに発行する。HDD内のCPU57は、ホストから上記特定コマンドが与えられた場合、ディスク11-0または11-1のシステム領域内の特定位置に保存されている特定パラメータを読み出し、当該パラメータの示す静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果をホストに通知する。
【0042】
なお、CPU57が上記特定パラメータを所定値に設定して静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果を保存した際に、当該CPU57の制御によりゲートアレイ54からホストに割り込みを発生して、上記特定パラメータの読み取りをホストに要求するようにしてもよい。
【0043】
この他に、ホストからHDDに上記特定コマンドが与えられた際に、CPU57がゲートアレイ54内の上記特定レジスタの設定値を読み込んで静電気印加状態を判定し、その判定結果を静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果としてホストに通知するようにしてもよい。また、特定パラメータをディスク11-0または11-1のシステム領域ではなくて、FROM58内の特定領域に書き込むようにしてもよい。
【0044】
ホストは、HDDから通知された静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果により、ヘッド35-0〜35-3を破壊する恐れのある静電気が印加されたことが示されている場合、この静電気印加によりヘッド35-0〜35-3にダメージが与えられた可能性があったと判断する。この場合、ホストは、近い将来にHDDの故障が発生し得る旨の警告を、例えば表示画面等を通してユーザに提示し、HDDに格納されているデータのバックアップを促す。
【0045】
このように本実施形態においては、静電気の印加でヘッド35-0〜35-3よりも破壊されやすい構造の薄膜抵抗体から構成された静電気センサ40を、HDD内の、静電気の経路と当該経路から最も近いヘッド35-3との間に設けることにより、ヘッド35-0〜35-3にダメージを与える可能性のある静電気が印加されたことを、ヘッド35-0〜35-3が実際に破壊され前に、静電気センサ40の破壊により高感度に検知できる。また、この状態をHDD(内のゲートアレイ54)からホストに通知することで、ホストでは、ユーザに対してHDDに格納されているデータのバックアップを促すことができるため、その後にヘッド35-0〜35-3に静電気が頻繁に印加されていずれかのヘッドが破壊されたとしても、重要なデータが喪失するのを未然に防止できる。しかも本実施形態においては、静電気センサ40に、基準レベル以上の静電気が印加されると破壊(切断)される、薄膜抵抗体から構成される破壊型静電気センサを用いている。このため、HDDの非動作状態で例えばケース10を介して基準レベル以上の静電気が印加されても、当該静電気センサ40が破壊されることで、ヘッド35-0〜35-3にダメージが与えられた可能性があったと簡単に判定できる。
【0046】
[第1の変形例]
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。
第1の変形例の特徴は、静電気センサ40に、上記実施形態で適用した薄膜抵抗体から構成される破壊型静電気センサに代えて、コンデンサ(キャパシタ)と同様の構造の非破壊型静電気センサ、つまりコンデンサタイプの非破壊型静電気センサを用いた点にある。このコンデンサタイプの非破壊型静電気センサの端子間電圧は、静電気が印加されることにより蓄積される電荷の量に比例することから、当該電圧を監視することにより静電気の印加状態を静電気のレベルも含めて検知できる。
【0047】
静電気センサ40に、コンデンサタイプの非破壊型静電気センサを用いた第1の変形例では、図6の構成のセンサアンプ回路56に代えて、図7に示す構成のセンサアンプ回路56′が用いられる。センサアンプ回路56′は、静電気センサ40に蓄積されている電荷を強制的に放電させるリセットスイッチ563と、静電気センサ40の電位を増幅する入力抵抗値が非常に高い高入力抵抗型アンプ564と、コンパレータ565とを含んでいる。リセットスイッチ563は、ゲートアレイ54からの制御信号566によりオン/オフされる。コンパレータ565は、アンプ564の出力電位をしきい値電位567と比較することで、静電気センサ40に一定レベル以上の電荷が蓄積されたか否かを示す静電気検知信号568を出力する。しきい値電位567は、CPU57の指示によりゲートアレイ54を介して可変設定することが可能である。また、静電気検知信号568はゲートアレイ54を介してCPU57から監視可能である。
【0048】
次に、静電気センサ40にコンデンサタイプの非破壊型静電気センサを適用した第1の変形例の動作について、図8に示すゲートアレイ54の処理手順を説明するためのフローチャート及び図9に示すCPU57の処理手順を説明するためのフローチャートを適宜参照して説明する。
【0049】
まず、例えばHDDの起動時には、ゲートアレイ54は、センサアンプ回路56′に制御信号566を出力して、リセットスイッチ563をオンさせる(ステップS1)。リセットスイッチ563がオンする(閉じる)と、静電気センサ40の端子間が短絡されて、その時点までに当該静電気センサ40に蓄積されていた電荷が直ちに(強制的に)放電される。ゲートアレイ54は、リセットスイッチ563をオンしてから静電気センサ40に蓄積されていた電荷が放電されるのに必要な第1の一定時間が経過すると、リセットスイッチ563をオフする(開く)(ステップS2)。この状態でゲートアレイ54は、第2の一定時間経過後にセンサアンプ回路56′からの静電気検知信号568の2値状態を取り込み(ステップS3)、しかる後にリセットスイッチ563をオンする(閉じる)動作(ステップS1)を、例えば定期的(ここでは、ディスク11-0,11-1の1回転毎)に繰り返す。ここでは、第1の一定時間≪第2の一定時間であり、第1の一定時間+第2の一定時間≒ディスク11-0,11-1の1回転時間である。
【0050】
さて、コンデンサタイプの非破壊型静電気センサ40の端子間電圧Vは、当該静電気センサ40に印加される静電気によって当該静電気センサ40に蓄積された電荷Qに比例し、当該センサ40のキャパシタンス(容量)をCとすると、V=Q/Cで表される。本実施形態では、静電気センサ40の一端は接地されている。したがって、静電気センサ40の他端の電位は、当該センサ40の両端電圧Vに一致する。センサアンプ回路56′内の高入力抵抗型アンプ564は、静電気センサ40の上記他端の電位を増幅する。コンパレータ565は、アンプ564の増幅出力電位をしきい値電位567と比較し、アンプ564の増幅出力電位がしきい値電位567を超えている期間だけ、例えば論理“1”の有効な静電気検知信号568を出力する。
【0051】
ゲートアレイ54は、センサアンプ回路56′内のコンパレータ565からの静電気検知信号568の2値状態をディスク11-0,11-1の1回転毎に取り込んで(ステップS3)、当該ゲートアレイ54内の特定レジスタにセットし(ステップS4)、しかる後に再度リセットスイッチ563をオンさせる(ステップS1)。明らかなように、静電気検知信号568は、一定期間(ディスク11-0,11-1が1回転する期間)内に静電気センサ40に印加された静電気によって当該センサ40に蓄積された電荷の量が、しきい値電位567(と静電気センサ40のキャパシタンスと)で決まるしきい値の電荷量より多いか否か、つまり基準レベル以上の静電気が静電気センサ40に印加された異常状態が検知されたか否かを示す。
【0052】
一方、CPU57は、HDDが起動されて一定時間(例えばディスク11-0,11-1が1回転する期間)が経過すると、2つの変数n,cを初期値0に設定する(ステップS11)。変数nは、ゲートアレイ54内の特定レジスタからの、静電気検知信号568の2値状態の読み込み回数を示すカウンタ値であり、変数cは、読み込んだ2値状態が“1”である回数を示すカウンタ値である。
【0053】
次にCPU57は、ゲートアレイ54内の特定レジスタをアクセスして、センサアンプ回路56′からの静電気検知信号568の2値状態を読み込む(ステップS12)。またCPU57は、静電気検知信号568の2値状態を読み込む毎に、その2値状態が“1”であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0054】
CPU57は、読み込んだ2値状態が“1”である場合だけ、変数cを1だけインクリメントして(ステップS14)、ステップS15に進む。これに対し、読み込んだ2値状態が“0”の場合には、そのままステップS15に進む。CPU57は、ステップS15で変数nを1だけインクリメントした後、そのインクリメント後のnの値がしきい値nsを超えたか否かを判定する(ステップS16)。ここで、nsの値は、例えば100である。もし、nの値がnsを超えていないならば、CPU57は上記ステップS12の処理に戻る。
【0055】
これに対し、nの値がしきい値nsを超えたならば、CPU57はステップS12〜S15の処理を予め定められたns回繰り返し、したがってステップS11の実行後一定時間が経過したと判断して、現在の変数cの値がしきい値csを超えているか否かを判定する(ステップS17)。もし、cの値がcsを超えているならば、CPU57は上記一定時間内で基準レベル以上の静電気が静電気センサ40に印加された頻度が高く、したがってヘッド35-0〜35-3にも基準レベル以上の静電気が印加されており、ホストへの警告が必要であるものと判定する(ステップS18)。この場合、CPU57は上記実施形態において静電気センサ40の破壊を判定した場合と同様に、上記システム領域内の上記特定パラメータを所定値に設定する(ONする)ことで、ヘッド35-0〜35-3を破壊する恐れのある静電気印加状態が検知されたことを記録して(ステップS19)、ステップS21に進む。これに対し、cの値がcsを超えていないならば、CPU57は基準レベル以上の静電気が静電気センサ40に印加された頻度が低く、したがってヘッド35-0〜35-3には基準レベル以上の静電気が印加されなかったものと判定する(ステップS20)。この場合、CPU57はそのままステップS21に進む。CPU57は、ステップS21では終了条件が成立したか否かを判定し、終了条件が成立していないならば、CPU57はステップS11以降の処理を再度実行する。これに対し、終了条件が成立しているならば、CPU57はステップS11以降の一連の処理を終了する。ここで終了条件は、例えば、HDDが動作状態から非動作状態となる場合、或いはHDDが起動されてから、静電気印加の判定(ステップS17,S18またはS17,S20)を予め定められた回数実行した場合などである。
【0056】
第1の変形例におけるホストの動作は上記実施形態と同様である。即ちホストは、自身の起動時に、或いは自身が動作状態にある場合に定期的に、上記特定コマンドをHDDに発行する。HDD内のCPU57は、ホストから上記特定コマンドが与えられた場合、ディスク11-0または11-1のシステム領域内の特定位置に保存されている特定パラメータを読み出し、当該パラメータの示す静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果をホストに通知する。ホストは、HDDから通知された静電気センサ40による静電気印加状態の検知結果により、ヘッド35-0〜35-3を破壊する恐れのある静電気が印加されたことが示されている場合、近い将来にHDDの故障が発生し得ることを、表示画面等を通してユーザに提示し、HDDに格納されているデータのバックアップを促す。
【0057】
上記した第1の変形例によれば、静電気センサ40にコンデンサ(キャパシタ)タイプの非破壊型静電気センサを用いていることから、ヘッド35-0〜35-3にダメージを与えるような静電気印加を何度でも検知できる。但し、非破壊型静電気センサに蓄積された電荷は自然放電されることから、上記実施形態で適用された破壊型静電気センサと異なって、HDDが非動作状態にあるときの静電気印加は検知できない。
【0058】
また、第1の変形例では、基準レベル以上の静電気が静電気センサ40に印加された頻度によって、ヘッド35-0〜35-3にダメージを与えるような静電気が印加されたか否かを判定しているため、ノイズの影響で誤って静電気印加が判定されるのを防ぐことができる。
【0059】
なお、第1の変形例では、変数cの値、即ち基準レベル以上の静電気が静電気センサ40に印加された回数がしきい値csを超えている場合に、特定パラメータを所定値に設定することで、ヘッド35-0〜35-3にダメージを与えるような静電気が印加されたことを記録しているが、これに限るものではない。例えば、ステップS11以降の一連の処理をns回繰り返した後に、その時点の変数cの値自体、つまりns回の検査で(一定時間内に)基準レベル以上の静電気が静電気センサ40に印加されたと判定された回数自体、或いは当該回数の累積値を、故障予知等のためのデータとして記録するようにしてもよい。
【0060】
また、ユーザの操作で、ホストからHDDに対して、異常検知のためのしきい値電位567、或いは警告を発するのに及ぶしきい値csを可変設定することも可能である。また、HDDの出荷段階で、一定のノイズ環境下で、しきい値電位567を低電位から順次上げていき、静電気検知信号568が論理“0”となるしきい値電位567を求めて、そのしきい値電位から、当該HDDの出荷後に当該HDDで使用するしきい値電位567を決定することも可能である。このようにすると、しきい値電位567を適切に設定できるため、静電気検知信号568が論理“1”となったこと、即ちアンプ564の出力がしきい値電位567を超えたことをもって、直ちにヘッド35-0〜35-3にダメージを与えるような静電気が印加されたと判定することも可能である。
【0061】
[第2の変形例]
次に、本実施形態の第2の変形例について、図10を参照して説明する。
第2の変形例の特徴は、図10に示すように、静電気センサ40をメインFPC17上ではなくてMRヘッド35-3と接続されたヘッド配線パターン320-3を含む中継FPC32-3上に配置した点にある。ここでは、静電気センサ40は、HSA20-3のサスペンション28に対応する中継FPC32-3上に設けられている。そのため、中継FPC32-3上には、静電気センサ40と接続されるセンサ配線パターン321が形成されている。このセンサ配線パターン321はメインFPC17上のセンサ配線パターン175と接続されている。
【0062】
この第2の変形例においても、図4に示した静電気の経路と当該経路に最も近いヘッド35-3との間に、静電気センサ40が設けられているため、ヘッド35-0〜35-3、特にヘッド35-3にダメージを与えるような静電気の印加を確実に検知できる。なお、静電気センサ40を、HSA20-3のアーム26に対応する中継FPC32-3上に設けてもよい。
【0063】
上記実施形態と第1及び第2の実施形態では、ヘッド35-0〜35-3とは別に静電気センサ40を設けた場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、ヘッド35-3に代えて静電気センサ40を実装することも可能である。以下、このような構成が適用可能なHDDについて説明する。まずHDDには、基本構造は同一でありながら、実際にデータが記録可能なデータ面の数が異なる複数種類のモデル、つまり同一シリーズで複数種類のモデルが存在することがある。例えば、4本ヘッドモデルのHDDと同じシリーズで3本ヘッドモデルや2本ヘッドモデルのHDDも製造する場合が、これに該当する。この種の3本ヘッドモデルや2本ヘッドモデルのHDDでは、通常は該当するヘッドに同じ重量のダミーヘッドが搭載される。そこで、例えばヘッド35-3のダミーヘッドに代えて、静電気センサ40を搭載することも可能である。
【0064】
以上は、本発明をHDD(磁気ディスク装置)に適用した場合について説明したが、本発明は、ヘッドにより少なくとも情報の読み取りが行われるHDD以外のディスク記憶装置、例えば光磁気ディスク装置、フレキシブルディスク装置等のディスク記憶装置にも適用可能である。
【0065】
なお、本発明は、上記実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態または変形例には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0066】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、コンデンサタイプの静電気センサにより、ヘッド破壊を招く前に静電気によるヘッド破壊を予知することができるため、ヘッド破壊によりディスク媒体からデータが読み取れなくなることによる重要なデータの喪失を回避して、ディスク記憶装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置(HDD)の内部構造を示す斜視図。
【図2】図1中のアクチュエータ13と当該アクチュエータ13の軸受組立体22に固定されるメインFPC17とを示す斜視図。
【図3】メインFPC17及び中継FPC32-0〜32-3上の配線パターン位置と静電気センサ40の位置との関係を示す図。
【図4】図1のHDDにおける静電気の経路を説明するための図。
【図5】図1のHDDの回路構成を示すブロック図。
【図6】上記静電気センサ40が破壊型静電気センサの場合の図5中のセンサアンプ回路56の構成を示す図。
【図7】上記静電気センサ40に非破壊型静電気センサを用いた上記実施形態の第1の変形例において、上記センサアンプ回路56に代えて用いられるセンサアンプ回路56′の構成を示す図。
【図8】同第1の変形例におけるゲートアレイ54の処理手順を説明するためのフローチャート。
【図9】同第1の変形例におけるCPU57の処理手順を説明するためのフローチャート。
【図10】静電気センサ40を中継FPC32-3上に配置した上記実施形態の第2の変形例を説明するための図。
【符号の説明】
10…ケース(基台)
11-0,11-1…ディスク(ディスク媒体)
12…SPM(スピンドルモータ)
13…アクチュエータ
17…メインFPC(フレキシブルプリント回路基板)
22…軸受組立体
24…VCM(ボイスコイルモータ)
26…アーム
28…サスペンション
32-0〜32-3…中継FPC
35-0〜35-3…ヘッド
40…静電気センサ
54…ゲートアレイ
56…センサアンプ回路
57…CPU(検知手段、通知手段)
171-0〜171-3,320-0〜320-3…ヘッド配線パターン
172…VCM配線パターン
173…GND配線パターン
174…ねじ
175,321…センサ配線パターン
563…リセットスイッチ(放電手段)
565…コンパレータ(比較手段)
Claims (2)
- ヘッドにより少なくとも情報の読み取りが行われるディスク記憶装置において、
コンデンサタイプの静電気センサと、
前記静電気センサに蓄積された電荷を強制的に放電する放電手段と、
前記放電手段による電荷の放電の後に、静電気の印加によって前記静電気センサに蓄積された電荷の量を反映した当該静電気センサの電位を監視し、その監視結果に応じて前記ヘッドに基準レベルを超える静電気が印加されたことを検知する手段と
を具備することを特徴とする静電気センサを搭載したディスク記憶装置。 - ヘッドにより少なくとも情報の読み取りが行われるディスク記憶装置において、
コンデンサタイプの静電気センサと、
静電気の印加によって前記静電気センサに蓄積された電荷の量を反映した当該静電気センサの電位を予め定められた基準電位と比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果を定期的にチェックすることにより前記静電気センサの電位を監視して、一定時間内で前記静電気センサの電位が前記基準電位を超えたことが検知された回数を計測し、その検知回数が予め定められた基準回数を超えた場合に、前記ヘッドに基準レベルを超える静電気が印加されたと判定する手段と
を具備することを特徴とする静電気センサを搭載したディスク記憶装置。
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