JP3655362B2 - 光学機器および写真機器を支持するためのクランプ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第１および第２の顎部、第１の顎部に装着されたロッドを持つ部材、その部材と第２の顎部との間に印加されるクランプ負荷を受け止めるためにロッドと第１の顎部との間を拘束する手段、およびクランプ負荷を印加するためのクランプ手段を具備しているタイプの光学機器および写真機器を支持するためのクランプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このタイプのクランプは、野外撮影中に見出される管状の要素、テーブル面等のような支持物に光学機器または写真機器を固定するために幅広く使用されている。
【０００３】
通常、これらのクランプは、中央部分によって強固に相互接続されており、その一方が捩子の付けられたロッドを持つ部材を有する、２つの顎部で形成されている。部材のロッドが適切なグリップによって上方に捩じって締められると、ロッドの端部プレートは、プレートが顎部との間に配置される支持物をクランプするまで、他方の顎部の方へ移動する。
【０００４】
従ってプレートは、それが支持物をクランプするまで、ロッドを捩じって締め付けるためにグリップを繰り返し回転させることによって支持物の方へ移動され得る。また、顎部から外すためにロッドを捩じ戻し、繰り返しグリップを操作することも必要である。
【０００５】
このクランプは支持物上への有効なクランプを確実に行うとはいえ、これらの両方の操作は、比較的遅いロッドの操作という欠点と、片手が予め選択された位置にクランプを保持するために、もう一方の手はグリップを回転するために、両方の手を使用する必要があると言う欠点とを有する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の帰する問題は、前述された従来技術に関して訴えられた全ての欠点を克服するような構造および設計のクランプを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この問題は、拘束手段が、ロッドが第２の顎部から離れるおよびその方向に近付くように第１の顎部に対して自由に滑動できる不作動状態と、ロッドがクランプ負荷を受け止めるように第１の顎部上に拘束されている作動状態との間を選択的に切換えられることができることを必要とし特徴としたタイプのクランプによる本発明によって解決される。
【０００８】
本発明の特徴および利点は、添付図面を参照して非限定の例示の方法で記載された好ましい実施例の以下の詳細な説明から明瞭となるであろう。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図１において、例えば、全体をＳで示され破線の輪郭線で示された管状要素のような支持物上に光学機器および写真機器を支持するために使用されるタイプのクランプが、全体的に１で示されている。
【００１０】
クランプ１は、それぞれ互いに対向しており、縦軸Ｘを有する中央部分４の両端部に直角に接続されている第１の顎部２および第２の顎部３を具備する。さらにクランプ１は、軸Ｘに平行でな縦軸Ｌを有し、顎部２に装着されており、軸Ｌに沿って滑動可能である捩子の付けられたロッド15を有する部材５をも具備する。
【００１１】
ロッド状の支持体６は、中央部分４内で軸Ｘに沿って調整可能に滑動可能であり、軸方向の両端部に写真機器用の各取付け要素７，８を有する。取付け要素７，８のそばには夫々、中央部分４に収容され、支持体６に対して弾性的に押し付けられている保持要素11が解放可能に係合することができる夫々の凹部９，10がある。保持要素11は凹部９または10において係合されて、支持体６が中央部分４から出るのを防ぎ支持体の紛失を防ぐ手段を構成する。
【００１２】
捩子の付けられた穴12は、顎部３と反対側の位置で中央部分４に形成されている。操作グリップ14を有する捩子13は、穴12に捩じ込まれる。捩子13は、このクランプに対して予め定められた位置に支持体６をクランプするように働く。
【００１３】
プレート16および操作付加物例えばグリップ17は、それぞれロッド15の軸方向の両端部に装着されている。顎部３は、このクランプが管、木の枝等のような湾曲した表面上にクランプされ得るようにプレート16に対向する位置に凹状の表面３ａを有する。
【００１４】
ロッド15は、顎部２のシート部18内に嵌合され、軸方向に止められているブッシュ19の軸方向の穴20に、半径方向の隙間を有して滑動するように収容される。
【００１５】
盲穴21は、ブッシュ19と穴20とに交差するような位置で顎部２に形成されており、押しボタン25は、ロッド15の軸Ｌと交差して、図１の軸Ｋによって同定された方向に滑動するように穴21内に装着されている。
【００１６】
押しボタン25は、顎部２から突出し、軸Ｌに平行に延在している穴23を有する。穴23の部分的な捩子によって形成される内側の捩子を付けられたセクタ22は、ロッド15の周囲の半分より少なくロッド15を囲むことができる。
【００１７】
内側に捩子を付けられたセクタ22が、セクタおよびロッド15の捩子が相互に係合している作動状態と、内側に捩子を付けられたセクタ22がロッド15との係合から外されている不作動状態との間を、スプリング24の作用に対向して、押しボタン25によって軸Ｋに沿って移動されることができるような半径方向の隙間を有する穴23にロッド15は収容される。
【００１８】
ロッド15および内側に捩子を付けられたセクタ22の捩子は、図３において大きさＣで示された、26で示された全ての捩子の対応している側面間の予め定められた角度を有する。
【００１９】
ロッド15上に作用するクランプの負荷Ｈは、相互接触状態にあるロッド15および内側に捩子を付けられたセクタ22の各側面26の間に圧力Ｐを生じる。
【００２０】
圧力Ｐの軸Ｋに沿う方向の成分は、図３においてＴで示されている。この軸は、ある角度で軸Ｌに対して傾斜されており、その大きさは図２においてＢで示されている。
【００２１】
角度Ｂおよび捩子の角度Ｃは、成分Ｔがゼロであるか、またはせいぜい作動状態の方へ内側に捩子を付けられたセクタ22を押して、スプリング24の弾性効果の作用を補うように選択されている。
【００２２】
角度Ｂは、約６０°の捩子の角度Ｃに対して５８°より小さいか、またはそれに等しいことが好ましい。
【００２３】
クランプ１は、支持物Ｓに取付けられるべきクランプ１に対して顎部３からプレート16が十分に離れているような部材５の位置から始まる以下の方法で支持物Ｓに取付けられる。
【００２４】
内側に捩子を付けられたセクタ22は、スプリング24の作用に対向する押しボタン25への圧力によって図２の不作動状態へ移動される。押しボタン25が押されると、ロッド15は、プレート16が支持物Ｓに対して迅速に位置されることができるように顎部３から離れたりそれに向かうように顎部２内で滑動するように自由になる。
【００２５】
プレート16が支持物Ｓと接触する位置の決定が達成されたとき、押しボタン25は解放され、内側に捩子を付けられたセクタ22はスプリング24のバイアス作用によって図１の作動状態に移動される。この状態で、内側に捩子を付けられたセクタ22はクランプ負荷Ｈを受け止めることができる。クランプ負荷Ｈは、顎部２内でロッド15を捩じ込み、顎部３とプレート16との間に支持体Ｓをクランプするようにグリップ17を回転することによって印加される。このようにして、本発明は諸問題を解決し、多くの利点を獲得する。特に、このクランプは非常に迅速に操作されることができ、片方の手だけで支持物から取外せて、他の作業のために他方の手を自由のままにしておくことができるという利点がある。事実、支持体から部材を外さずにクランプ負荷を除去するには片手での数回の回しによってグリップを捩じ戻すことで十分であり、そしてクランプはピストルのように把持され、同じ方の手で押しボタンを押して、ロッドを自由に滑動させ、クランプを支持物から取外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によって形成されたクランプの部分断面側面図。
【図２】操作の異なる段での図１のクランプの詳細な部分断面図。
【図３】図１の矢印III で示された部分の詳細な拡大断面図。
【図４】図１の線IV−IVに沿って採られた断面図。
【符号の説明】
１…クランプ
２，３…顎部
５…部材
15…ロッド
22…セクタ

Claims (6)

1. 第１および第２の顎部（２，３）と、第１の顎部（２）に装着されロッド（15）を有する部材（５）と、部材（５）と第２の顎部（３）との間に印加されるクランプ負荷（Ｈ）を受け止めるためにロッド（15）と第１の顎部（２）との間を拘束する手段と、クランプ負荷（Ｈ）するためのクランプ手段を具備するクランプであり、ロッド（15）が第２の顎部（３）から離れるようにおよび第２の顎部（３）の方へ近付くように第１の顎部（２）に対して自由に滑動できる不作動状態と、ロッド（15）がクランプ負荷（Ｈ）を受け止めるように第１の顎部（２）に拘束される作動状態との間で前記拘束する手段が選択的に切換られることができ、捩子を切られたロッド（ 15 ）が予め定められた軸（Ｌ）および捩子の角度（Ｃ）を有し、前記拘束する手段がロッド（ 15 ）の周囲の半分以下の範囲でロッド（ 15 ）を取り囲むことができ、内側に捩子を付けられたセクタ（ 22 ）およびロッド（ 15 ）の捩子が相互に係合されている作動状態と、内側に捩子を付けられたセクタ（ 22 ）がロッド（ 15 ）から係合を外されている不作動状態との間で可動である少なくとも１つの内側捩子を付けられたセクタ（ 22 ）を具備して前記クランプを支持物 (S) にクランプして光学機器及び写真機器を支持するためのクランプに於いて；
   内側に捩子を付けられたセクタ（ 22 ）は捩子の軸（Ｌ）と交差する軸（Ｋ）に沿って、対応する顎部（２）内で滑動するように誘導され、交差している軸（Ｋ）の方向および捩子の角度（Ｃ）は、ロッド（ 15 ）に作用するクランプ負荷（Ｈ）の内側に捩子を付けられたセクタ（ 22 ）の滑動の軸（Ｋ）に沿った方向の成分（Ｔ）がゼロになるか、またはせいぜい内側に捩子を付けられたセクタ 22 を作動状態の方へ押すように選択されていることを特徴とする前記クランプ。
2. クランプ手段が捩子を付けられたロッド（15）および操作付加物（17）を具備して、前記操作付加物（17）によってロッド（15）が内側に捩子を付けられたセクタ（22）に捩じ込まれることができる請求項１記載のクランプ。
3. 内側に捩子を付けられたセクタ（22）が作動状態の方へ弾性的に押されている請求項１或いは２のいずれか１項記載のクランプ。
4. 第１の顎部（２）が、内側に捩子を付けられたセクタ（22）を不作動状態の方へ移動させるための、内側に捩子を付けられたセクタ（22）と協同する押しボタン（25）を有する請求項１乃至３のいずれか１項記載のクランプ。
5. 顎部（２，３）を堅く接続し、且つ調整可能に滑動可能であり、軸方向の両端部に前記機器用の少なくとも１つの取付け要素（７，８）を有するロッド状の支持体（６）を内部に有する中央部分（４）を具備する請求項１乃至４のいずれか１項記載のクランプ。
6. 支持体（６）が、両端部に各凹部（９，10）を有し、中央部分（４）に装着された保持要素（11）が前記凹部に解放可能に係合されることができて、保持要素（11）および凹部（９，10）がロッド状の支持体（６）の紛失を防ぐ手段を構成する請求項５記載のクランプ。

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