JP3654862B2 - 磁気泳動表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の人間が水中でコミュニケーションできる磁気泳動表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数のダイバーが水中に潜ったときは、口にマウスピースを嵌めているので、互いの意思を伝達することはできず、手や足で表現するしかなかった。そのため、水中で意思の疎通を欠き、事故につながる可能性も考えられる。
【0003】
これに対し、従来から子どもを中心に磁気泳動表示装置が使用されてきた。これは磁性粒子を密封した描画板の表面を磁気ペンでなぞることにより、磁性粒子を磁気ペンの磁力で描画面まで浮上させて描画し、消去部材の磁力で浮上させた磁性粒子を元の位置に沈降させるもので、何度でも繰り返し使用できるものである。
【0004】
このような磁気泳動表示装置は主に低年齢の子どもの知育玩具として支持されているが、その他の用途の開発も求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解消し、主に水中での意思伝達手段として使用することに適合した磁気泳動表示装置を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る磁気泳動表示装置は、水中での使用に供され、かつ以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)磁気泳動表示装置本体の一側には持ち手が形成されていること
(ロ)上記磁気泳動表示装置本体の縁に、磁気泳動表示装置の表示面を照明する発光装置を着脱自在に備えていること
(ハ)上記磁気泳動表示装置本体の適宜個所に、発音装置を着脱自在に備えていること
(ニ)上記発光装置は1つのスイッチの操作により発光、点滅、消灯を繰り返すものであること
【0007】
なお、前記発光装置は、以下の要件を備えるように構成してもよい。
(イ)前記磁気泳動表示装置本体の縁に着脱可能な取付部と、取付部から延伸されるアームと、アームの先端に設けられた発光部とを有すること
(ロ)発光部はLED(発光ダイオード)とLEDを包囲する半透明の横長のカバー材とによって形成されていること
(ハ)上記LEDは1つのスイッチの操作により発光、点滅、消灯を繰り返すものであること
【0008】
また、前記発音装置は、以下の要件を備えるように構成してもよい。
(イ)前記磁気泳動表示装置本体の縁に着脱可能な取付部を有すること
(ロ)内部には密閉された中空部が形成され、中空部内には複数の粒状部材が収納されていること
【0009】
さらに、前記磁気泳動表示装置本体の裏面は、鉛筆による筆記可能な粗面に形成するのがよい。
【0010】
さらに、前記磁気泳動表示装置本体には、表示面を覆うカバーを設けるのが好ましい。
【0011】
【発明の詳細な説明】
【発明の実施の形態】
図1は磁気泳動表示装置を示すもので、この磁気泳動表示装置は磁気泳動表示装置本体1と発光装置2と発音装置3とから構成されている。なお、磁気泳動表示装置本体1には、磁気ペン4が付属している。
【0012】
磁気泳動表示装置本体1は、磁性粒子を密封したハニカムボードを内蔵した表示板1aの表面を磁気ペン4でなぞることにより、磁性粒子を磁気ペン4の磁力で描画面まで浮上させて描画し、消去部材5を左右に移動させて消去部材5の磁力で浮上させた磁性粒子を元の裏側の位置に沈降させるもので、公知の磁気画板と同じ構造を有するものを利用すればよい。
【0013】
磁気泳動表示装置本体1の裏面は、鉛筆によって筆記できるように粗面に形成されている。
【0014】
磁気泳動表示装置本体1の一側には持ち手7が形成されている。持ち手7の表側は凹状に形成され、その内側にはスパイラルコード8の収納部9が形成されている。また、持ち手7の近傍には磁気ペン4の収納部9が形成されている。磁気ペン4には上記スパイラルコード8が連結されている。
【0015】
なお、磁気ペン4は図2のように2本着脱構造とし、元側に鉛筆4aを設け、磁気ペン4の基部側を筒状にして鉛筆側に嵌合させる構造にすればよい。
【0016】
磁気泳動表示装置本体1には、図1に示されるような表示面を覆う保護カバー10を設けてもよい。なお、保護カバー10は耐衝撃性の高い素材、たとえばウレタン等で構成するのが好ましく、また磁気泳動表示装置本体12の4隅に係脱自在に取りつければよい。
【0017】
また、磁気泳動表示装置本体1の縁には発光装置2が配置されている。この発光装置2は、図3に示されるように、磁気泳動表示装置本体1の縁に着脱可能な取付部11と、取付部11から延伸されるアーム12と、アーム12の先端に設けられた発光部13とを有するものである。
【0018】
磁気泳動表示装置本体1の上縁の裏面6側には2つの凹部14、15が形成され、両凹部14、15には顎部16が形成されている。
【0019】
取付部11は、2個のクリップ片17を軸18を介して回動自在に連結し、合成樹脂製の弾性片19によって常に一方の側が閉じるように付勢した留め金具20によって形成されている。クリップ片17の閉じ側の端部には、溝21が向き合いに形成されている。また、一方のクリップ片17には起立片22が対向形成され、起立片22間には軸23が固定されている。軸23にはアーム12の一端がきつめに嵌合され、アーム12の他端には発光部13の軸24がきつめに嵌合されている。
【0020】
発光部13は、ボックス状の本体13aと本体13aに取りつけられた発光部13とから構成されている。本体2aの内部には電池とIC基板とスイッチ27とLED(発光ダイオード)25とを一体に結合したユニット26が配置されている。
【0021】
また、発光装置本体2aの上部にはシールされた有弾性ボタン28が設けられ、ボタン28の裏側には押圧部29が突出形成され、押圧部29は上記スイッチ27を押圧可能に配置され、バネ30によってスイッチ27から離間するように付勢されている。
【0022】
なお、上記ボタン28を押す度毎にスイッチ27がオンオフを繰り返すとともに、1回のオンオフ操作によりLED25が発光、点滅、消灯を繰り返すように構成されている。
【0023】
発光部13は、LED25とLED25を包囲する半透明の横長のカバー材32とによって形成されている。すりガラスのような半透明にすることにより、LED25から発光される光が拡散されて広がるようになる。
【0024】
なお、発光装置2は、図4のように、上記磁気泳動表示装置本体1の上縁裏側の凹部14、15の顎部16をクリップ片17で挟み込むようにして装着すればよい。クリップ片17を開けば取り外すことができる。
【0025】
次に、上記磁気泳動表示装置本体1の持ち手7と反対側の側縁には、発音装置3が着脱自在に備えられている。
【0026】
図5に示されるように、磁気泳動表示装置本体1の側縁には膨突部33が突設され、その基部には係止溝34が形成されている。これに対し、発音装置3は内部に密閉された中空部35を有し、中空部35内にはステンレス等の複数の粒状部材36が収納されている。そして、発音装置3の一側には対向する係止片37が形成され、これによって取付部11が構成されている。係止片37は上記膨突部33を挟みこんでその先端の係止溝34に弾発的に係止され、強く引っ張れば係止が外れるように形成されている。
【0027】
なお、発音装置3はスピーカから音を出すものであってもよい。
【0028】
次に、上記磁気泳動表示装置の使用態様について説明すると、上述のように磁気泳動表示装置本体1に発光装置2と発音装置3とを装着し、身体の適宜部位に付けて水中に潜る。潜水中に誰かとコミュニケーションを取る必要が生じたときは、磁気泳動表示装置を取り出し、持ち手7を持って上下に振る。これにより発音装置3の粒状部材36が中空部35内で激しく動くから、音が発生する。音は水中でも伝播するから、相手の耳に届く。ボタン28を押してLED25を発光させてもよい。他人の注意を引くとき、あるいは緊急のときは、LED25を点滅させるのが有効である。いずれの場合も、1個のボタン操作でできるので便利である。
【0029】
相手が気づいたら、LED25を発光状態にして磁気ペン4で表示板1aに文字や絵を描けばよい。そのとき、LED25からの光はカバー材32により拡散されて表示面がよく見えるが、アーム12を調整してLED25が最もよく表示板1aを照射するようにするのが好ましい。意思の伝達は文字を通じて行なわれるので、間違いが少ない。相手も同じ磁気泳動表示装置を持っていればよりスムーズに意思疎通を図ることができる。
【0030】
なお、磁気泳動表示装置本体1の裏面6に鉛筆で筆記できるから、消したくない情報を裏面6に残すことができる。
【0031】
このようにして、マウスピースをしたままでも細かいコミュニケーションができるので、水中での行動をより確実で安全なものにすることができる。
【0032】
もちろん、発光装置2と発音装置3とを磁気泳動表示装置本体1とは別個に持ち、現場で組み立ててもよい。
【0033】
陸上で使用するときは、発光装置2と発音装置3を外せばよい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、水中で使用するときは、発音装置によって音を出し、意思を伝えようとする者を振り向かせる。次に、発光装置で磁気泳動表示装置本体の表示面を照らして表示面に文字等を表示すればよい。これによって良好なコミュニケーションを図ることができる。意思の伝達は文字を通じて行なわれるので、間違いが少ない。緊急のときは、LEDを点滅させるのが有効である。
【0035】
このようにして、マウスピースをしたままでも細かいコミュニケーションができるので、水中での行動をより確実で安全なものにすることができる。
【0036】
請求項2に係る発明によれば、発光装置は取付部によって磁気泳動表示装置本体に対して着脱され、発光はLEDによって行なわれるから、小さいながらも十分な光量が得られる。しかも、カバー材によって光が拡散されるから、広い範囲を照射できる。
【0037】
また、LEDによる発光、点滅、消灯は1つのスイッチによって行なわれるから、自由があまりきかない水中では操作が便利である。
【0038】
請求項3に係る発明によれば、発音装置の中空部には複数の粒状部材が収納されているので、発音装置を装着した状態で磁気泳動表示装置本体を振ると、音が発せられる。この音は水中を伝わり、意思を伝えるべき相手の注意を促すことができる。
【0039】
請求項4に係る発明によれば、磁気泳動表示装置本体の裏面に鉛筆で筆記できるから、消したくない情報を裏面に残すことができる。
【0040】
請求項5に係る発明によれば、カバーによって磁気泳動表示装置本体の表示面を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気泳動表示装置の斜視図
【図2】磁気ペンの分解側面図
【図3】発光装置の装着前の状態を示す断面図
【図4】発光装置の装着状態を示す断面図
【図5】発音装置の装着状態を示す断面図
【符号の説明】
1 磁気泳動表示装置本体
2 発光装置
3 発音装置
Claims (5)
- 水中での使用に供され、かつ以下の要件を備えたことを特徴とする磁気泳動表示装置。
(イ)磁気泳動表示装置本体の一側には持ち手が形成されていること
(ロ)上記磁気泳動表示装置本体の縁に、磁気泳動表示装置の表示面を照明する発光装置を着脱自在に備えていること
(ハ)上記磁気泳動表示装置本体の適宜個所に、発音装置を着脱自在に備えていること
(ニ)上記発光装置は1つのスイッチの操作により発光、点滅、消灯を繰り返すものであること - 前記発光装置は、以下の要件を備えている、請求項1記載の磁気泳動表示装置。
(イ)前記磁気泳動表示装置本体の縁に着脱可能な取付部と、取付部から延伸されるアームと、アームの先端に設けられた発光部とを有すること
(ロ)発光部はLED(発光ダイオード)とLEDを包囲する半透明の横長のカバー材とによって形成されていること
(ハ)上記LEDは1つのスイッチの操作により発光、点滅、消灯を繰り返すものであること - 前記発音装置は、以下の要件を備えている、請求項1又は2記載の磁気泳動表示装置。
(イ)前記磁気泳動表示装置本体の縁に着脱可能な取付部を有すること
(ロ)内部には密閉された中空部が形成され、中空部内には複数の粒状部材が収納されていること - 前記磁気泳動表示装置本体の裏面は、鉛筆による筆記可能な粗面に形成された、請求項1、2又は3記載の磁気泳動表示装置。
- 前記磁気泳動表示装置本体には、表示面を覆うカバーを設けた、請求項1記載の磁気泳動表示装置。
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