JP3653719B2 - 光ファイバ伝送路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重伝送システムにおいて多波長の信号光を伝送する光ファイバ伝送路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
波長多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)伝送システムは、多波長の信号光を伝送することにより高速・大容量の光通信を行うことができる。光伝送路として用いられる石英系光ファイバの伝送損失が波長1.55μm付近で小さく、波長1.55μm帯の信号光を光増幅する光増幅器が実用化されていることから、WDM伝送システムでは波長1.55μm帯の多波長の信号光が用いられている。
【0003】
多波長の信号光を伝送する光ファイバ伝送路については、信号光波長帯域(波長1.55μm帯)において波長分散があると、信号光のパルス波形が崩れて伝送品質が劣化する。したがって、この観点からは、信号光波長帯域において波長分散値が小さいことが望まれる。一方、信号光波長帯域において波長分散値が略0であると、非線形光学現象の1種である四光波混合が発生し易くなり、これに因り漏話や雑音が生じて伝送品質が劣化する。四光波混合の発生を抑制するためには、中継間隔を短くして信号光パワーを小さくすればよいが、多数の光増幅器を設ける必要があることから、光伝送システム全体として高価なものとなる。
【0004】
このような問題に対処すべく、1本の光ファイバで波長1550nmにおける波長分散値が正である部分と負である部分とが長手方向に交互に設けられて、分散マネージメントされた光ファイバ伝送路が提案されている。このような光ファイバ伝送路を用いれば、光ファイバ伝送路全体の波長分散値の平均値を略0とすることにより、波長分散に因る伝送品質の劣化を抑制することができる。また、光ファイバ伝送路の殆どの領域において波長分散値の絶対値が0付近ではないことにより、四光波混合に因る伝送品質の劣化を抑制することができるとされている。
【0005】
例えば、文献1「白木、他、"DSFを用いたWDM伝送システムにおける分散変動の効果"、1997年電子情報通信学会総合大会予稿集、B-10-210 (1997)」には、波長1550nmにおける波長分散値が値0を中心として長手方向に正弦波状に変動する光ファイバ伝送路について記載されている。この文献1では、このように分散マネージメントされた光ファイバ伝送路について、波長分散値の変動の周期および振幅ならびに伝送距離の間の関係について数値解析がなされている。
【0006】
また、文献2「V. A. Bhagavatula, et al., "Novel Fibers for Dispersion Managed High-Bit-Rate-Systems", OECC'98 Technical Digest, 15C1-2 (1998)」には、波長1550nmにおける波長分散値が正である部分と負である部分とが長手方向に周期0.1km〜6kmで交互に設けられた光ファイバ伝送路について記載されている。この文献2では、このように分散マネージメントされた光ファイバ伝送路を用いることで四光波混合の発生の抑制が可能であることが実験により確認されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の文献1や文献2に記載されたような分散マネージメントされた光ファイバ伝送路を用いた場合であっても、必ずしも四光波混合の発生を有効に抑制することができるとは限らず、また、伝送損失の増大が問題となる場合があることを、本願発明者は見出した。本発明は、本願発明者による知見に基づいて、上記問題点を解消する為になされたものであり、四光波混合の発生を有効に抑制することができ伝送損失が小さい光ファイバ伝送路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバ伝送路は、波長1550nmにおいて、長手方向に波長分散値の符号が変化する符号変化位置が1つの中継区間に4箇所以上あって、符号変化位置を含み波長分散値の絶対値が2ps/nm/km未満である各符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値が0.04ps/nm/km/m以上4ps/nm/km/m以下であり、全体での波長分散値の平均値の絶対値が2ps/nm/km以下であり、全体での有効コア断面積の平均値が50μm2以上であり、全体での伝送損失の平均値が0.25dB/km以下であり、全体での偏波分散値の平均値が0.2ps/km1/2以下であることを特徴とする。
【0009】
この光ファイバ伝送路は、波長1550nmにおける波長分散値が正である部分と負である部分とが長手方向に交互に設けられて、分散マネージメントされたものである。波長1550nmにおいて長手方向に波長分散値の符号が変化する符号変化位置が1つの中継区間に4箇所以上あることで、波長分散値の累積値を小さくすることができる。波長1550nmにおいて符号変化位置を含み波長分散値の絶対値が2ps/nm/km未満である各符号変化範囲で、波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の下限値を0.04ps/nm/km/mとすることで、四光波混合の発生を抑制することができる。各符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の上限値を4ps/nm/km/mとすることで、伝送損失の増加を抑制することができる。なお、1つの中継区間とは、送信器(または中継器)から受信器(または中継器)までの区間であって、この間に中継器が設けられていない区間をいう。
【0010】
また、波長1550nmにおいて全体での波長分散値の平均値の絶対値を2ps/nm/km以下とすることで、波形劣化に因る伝送品質の劣化が抑制される。波長1550nmにおいて全体での有効コア断面積の平均値を50μm2以上とすることで、非線形光学現象の発生が抑制される。波長1550nmにおいて全体での伝送損失の平均値を0.25dB/km以下とすることで、中継間隔を長くすることができ、光増幅器の設置台数を少なくすることができることから、光伝送システム全体として安価なものとなる。また、波長1550nmにおいて全体での偏波分散値の平均値を0.2ps/km1/2以下とすることで、高速の光通信を行う上で好適である。以上のように本発明に係る光ファイバ伝送路は、分散に因る波形劣化および四光波混合の発生を抑制することができ、伝送損失が小さく、ビットレート40Gb/s以上の光伝送システムにおいても好適に用いられる。
【0012】
また、本発明に係る光ファイバ伝送路は、全体での波長分散値の平均値の温度依存性が0.005ps/nm/km/℃以下であることを特徴とする。この場合には、例えば光ファイバ伝送路が陸上に設置される場合であって50℃という大きな温度変動を想定したときでも、光ファイバ伝送路の全体での波長分散値の平均値の変動値は0.25ps/nm/km以下であり、ビットレート40Gb/s以上の高速光通信を行う上で好適である。
【0013】
また、本発明に係る光ファイバ伝送路は、長手方向にコア径およびファイバ径が調整されて波長分散値が変化することを特徴とする。或いは、長手方向にクラッド径が一定のままコア径が調整されて波長分散値が変化することを特徴とする。これら何れの場合にも、上記の光ファイバ伝送路を実現する上で好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、本願発明を想到するに到った経緯について説明する。1本の光ファイバで波長1550nmにおける波長分散値が正である部分と負である部分とが長手方向に交互に設けられて分散マネージメントされた光ファイバ伝送路においても、長手方向に波長分散値の符号が変化する位置があり、このような位置を含む範囲では波長分散値が値0に近くなる。以下では、長手方向に波長分散値の符号が変化する位置を「符号変化位置」という。また、符号変化位置を含み波長分散値の絶対値が2ps/nm/km未満である範囲、すなわち、一般に四光波混合の発生に因り光伝送上問題が生じるとされている波長分散値の値の範囲を、「符号変化範囲」という。
【0015】
もし、符号変化位置が多かったり、符号変化範囲が長かったりすると、四光波混合の発生を無視することができなくなり、分散マネージメントの効果が小さくなる。そこで、四光波混合の発生の抑制の観点からは、符号変化位置が少なく、或いは、符号変化範囲が短いのが好適である。特に後者を考慮すると、各符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値が大きいのが好適である。
【0016】
一方、波長分散値を変化させるためには光ファイバ構造(例えばコア径)を変化させることが必要であるが、光ファイバ構造の急激な変化は、モードフィールド径のミスマッチに因る伝送損失の増加をもたらす。そこで、伝送損失の増加の抑制の観点からは、光ファイバ構造の変化すなわち波長分散値の変化率の絶対値は小さいのが好適である。
【0017】
このように、四光波混合の発生および伝送損失の増加の双方を抑制する観点から、波長分散値の変化率の絶対値には好適な範囲が存在することを、本願発明者は見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0018】
次に、添付図面を参照して本発明に係る光ファイバ伝送路の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る光ファイバ伝送路10の説明図である。本実施形態に係る光ファイバ伝送路10は、1本の石英系の光ファイバで波長1550nmにおける波長分散値が正である部分10aと負である部分10bとが長手方向に交互に設けられて、分散マネージメントされたものである。図2は、本実施形態に係る光ファイバ伝送路10のうち波長分散値が正である部分10aおよび負である部分10bそれぞれの波長分散特性を説明する図である。
【0019】
この光ファイバ伝送路10は、波長1550nmにおいて、長手方向に波長分散値の符号が変化する符号変化位置Pが1つの中継区間に4箇所以上ある。光ファイバ伝送路中の1つの中継区間10における符号変化位置Pの所要数は、波長分散値の累積と非線形光学現象との相互作用に因る信号光の波形劣化の程度による。例えば、中継区間10の長さが50kmであって、符号変化位置Pが1つの中継区間に4箇所であるとすると、或る符号変化位置Pと次の符号変化位置Pとの間の1セグメントは長さが12.5kmとなる。そして、四光波混合の発生を抑制するためにセグメントにおける波長分散値の平均値を2ps/nm/km以上とすると、1セグメントにおける波長分散値の累積値は25ps/nm以上となる。この25ps/nm以上という波長分散値の累積値は、ビットレート40Gb/s以上の光伝送システムでは問題となる場合がある。このような問題を回避する為には、符号変化位置Pの数を多くして、1セグメントにおける波長分散値の累積値を小さくすることが重要となる。したがって、分散マネージメントを実施する上で、符号変化位置Pが1つの中継区間に4箇所以上であることが実際上の前提となる。
【0020】
また、この光ファイバ伝送路10は、波長1550nmにおいて、符号変化位置Pを含み波長分散値の絶対値が2ps/nm/km未満である各符号変化範囲Aにおける波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲を有する。図3は、本実施形態に係る光ファイバ伝送路10の符号変化範囲Aにおける波長分散値の平均変化率の説明図である。波長分散値が−2ps/nm/kmから+2ps/nm/kmまで変化するのに長手方向に長さL(単位m)だけ要したとすると、波長分散値の平均変化率は4/L(ps/nm/km/m)である。そして、各符号変化範囲Aにおける波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の下限値は、0.008ps/nm/km/mであり、より好適には、0.04ps/nm/km/mである。各符号変化範囲Aにおける波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の上限値は、4ps/nm/km/mである。この範囲が好適であることの理由は、定性的には既に述べたとおりであり、定量的には後述する。
【0021】
また、この光ファイバ伝送路10は、波長1550nmにおいて、全体での波長分散値の平均値の絶対値が2ps/nm/km以下である。このようにすることにより、光ファイバ伝送路10を伝送した信号光は、パルス波形の劣化が小さく、波形劣化に因る伝送品質の劣化が抑制されることになる。
【0022】
また、この光ファイバ伝送路10は、波長1550nmにおいて、全体での有効コア断面積の平均値が50μm2以上である。このようにすることにより、光ファイバ伝送路10における非線形光学現象の発生が抑制され、非線形光学現象に因る伝送品質の劣化が抑制されることになる。
【0023】
また、この光ファイバ伝送路10は、波長1550nmにおいて、全体での伝送損失の平均値が0.25dB/km以下である。このようにすることにより、中継間隔を長くすることができて、光増幅器の設置台数を少なくすることができることから、光伝送システム全体として安価なものとなる。
【0024】
また、この光ファイバ伝送路10は、波長1550nmにおいて、全体での偏波分散値の平均値が0.2ps/km1/2以下である。この範囲が好適である理由は以下のとおりである。例えば、光ファイバ伝送路10の長さが500kmであるとすると、全体での偏波分散値の平均値が0.2ps/km1/2以下であれば、光ファイバ伝送路10の全体の偏波分散値は4.5ps以下である。この値は、ビットレート40Gb/s以上の光伝送システムにおける信号のタイムスロット25psの約2割に相当し、高速の光通信を行う上で好適である。
【0025】
さらに、この光ファイバ伝送路10は、波長1550nmにおいて、全体での波長分散値の平均値の温度依存性が0.005ps/nm/km/℃以下であるのが好適である。このようにすることにより、光ファイバ伝送路10が陸上に設置される場合であって50℃という大きな温度変動を想定したときでも、光ファイバ伝送路10の全体での波長分散値の平均値の変動値は0.25ps/nm/km以下であり、ビットレート40Gb/s以上の高速光通信を行う上で好適である。
【0026】
図4は、本実施形態に係る光ファイバ伝送路10の構造を説明する図である。この図は、光ファイバの光軸を含む面で切断したときの断面図を示している。以上説明したように長手方向に波長分散値が変化する光ファイバ伝送路10は、例えば図4(a)に示すように、長手方向にクラッド領域12の径が一定のままコア領域11の径が調整されたものである。一般に、コア領域11の径が大きいほど、波長分散値を大きくすることができる。このような光ファイバ伝送路10は、コア部の径が長手方向に変化しクラッド部の径が長手方向に一定である光ファイバ母材を作製して、この光ファイバ母材からクラッド径が一定の光ファイバを線引することにより製造される。
【0027】
或いは、光ファイバ伝送路10は、例えば図4(b)に示すように、長手方向にコア領域11の径およびファイバ領域12の径が調整されたものである。この場合も、一般に、コア領域11の径が大きいほど、波長分散値を大きくすることができる。このような光ファイバ伝送路10は、コア部およびクラッド部それぞれの径が長手方向に一定である光ファイバ母材を作製して、この光ファイバから光ファイバを線引する際に長手方向にクラッド径を変化させることにより製造される。
【0028】
次に、本実施形態に係る光ファイバ伝送路10の具体的な実施例、および、各符号変化範囲Aにおける波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の根拠について説明する。以下に説明する光ファイバ伝送路10は、図4(b)で説明した構造を有する石英系の光ファイバである。波長1550nmにおける波長分散値が正である各部分10aは、波長分散値が+2ps/nm/kmであり、長さが約2kmである。一方、波長1550nmにおける波長分散値が負である各部分10bは、波長分散値が−2ps/nm/kmであり、長さが約2kmである。光ファイバ伝送路10の全体での有効コア断面積の平均値が55μm2であり、全体での偏波分散値の平均値が0.08ps/km1/2である
このような光ファイバ伝送路10を作製して、符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値の各値に対して、四光波混合により発生した光のパワー、および、光ファイバ伝送路10の全体での伝送損失の平均値を測定した。図5は、符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値と、四光波混合により発生した光の相対的パワーとの関係を示すグラフである。図6は、符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値と、光ファイバ伝送路10の全体での伝送損失の平均値との関係を示すグラフである。
【0029】
図5から判るように、符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値が大きいほど、四光波混合により発生した光の相対的パワーが小さい。これは、既に述べたとおり、符号変化範囲において波長分散値の変化が急激であるほど、一般に四光波混合の発生に因り光伝送上問題が生じるとされている波長分散値の値の範囲(絶対値が2ps/nm/km未満である範囲)が短いからである。
【0030】
長さLが1000mで波長分散値が1ps/nm/kmだけ変化する場合、すなわち、波長分散値の平均変化率の絶対値が0.001ps/nm/km/mである場合を基準とする。この基準の条件は、分散マネージメントされた光伝送路としては、四光波混合が生じ易く不適切なものである。波長分散値の平均変化率の絶対値が0.008ps/nm/km/mである場合には、四光波混合により発生する光のパワーは、基準の場合と比較して10分の1程度に減少する。また、波長分散値の平均変化率の絶対値が0.04ps/nm/km/mである場合には、四光波混合により発生する光のパワーは、基準の場合と比較して300分の1程度に減少する。さらに、波長分散値の平均変化率の絶対値が0.4ps/nm/km/mである場合には、四光波混合により発生する光のパワーは、基準の場合と比較して3万分の1程度に減少する。以上のことから、符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の下限値は、0.008ps/nm/km/mであり、より好適には0.04ps/nm/km/mであることが判る。
【0031】
一方、図6から判るように、符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値が大きいほど、光ファイバ伝送路10の全体での伝送損失の平均値が大きい。これは、既に述べたとおり、符号変化範囲において波長分散値の変化が急激であるほど、光ファイバ構造の変化も急激となって、モードフィールド径のミスマッチに因る伝送損失の増加をもたらすからである。波長分散値の平均変化率の絶対値が4ps/nm/km/mである場合には、伝送損失が0.25dB/kmである。また、波長分散値の平均変化率の絶対値が0.4ps/nm/km/mである場合には、伝送損失が0.21dB/kmである。以上のことから、符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の上限値は、4ps/nm/km/mであり、より好適には0.4ps/nm/km/mであることが判る。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、波長1550nmにおいて長手方向に波長分散値の符号が変化する符号変化位置が1つの中継区間に4箇所以上あることで、波長分散値の累積値を小さくすることできる。波長1550nmにおいて符号変化位置を含み波長分散値の絶対値が2ps/nm/km未満である各符号変化範囲で、波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の下限値を0.04ps/nm/km/mとすることで、四光波混合の発生を抑制することができる。各符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値の好適範囲の上限値を4ps/nm/km/mとすることで、伝送損失の増加を抑制することができる。波長1550nmにおいて全体での波長分散値の平均値の絶対値を2ps/nm/km以下とすることで、波形劣化に因る伝送品質の劣化が抑制される。波長1550nmにおいて全体での有効コア断面積の平均値を50μm2以上とすることで、非線形光学現象の発生が抑制される。波長1550nmにおいて全体での伝送損失の平均値を0.25dB/km以下とすることで、中継間隔を長くすることができ、光増幅器の設置台数を少なくすることができることから、光伝送システム全体として安価なものとなる。また、波長1550nmにおいて全体での偏波分散値の平均値を0.2ps/km1/2以下とすることで、高速の光通信を行う上で好適である。
【0033】
以上のように本発明に係る光ファイバ伝送路は、分散に因る波形劣化および四光波混合の発生を抑制することができることから伝送品質が優れ、また、伝送損失が小さい。したがって、本発明に係る光ファイバ伝送路は、ビットレート40Gb/s以上の光伝送システムにおいても好適に用いられる。
【0035】
また、全体での波長分散値の平均値の温度依存性が0.005ps/nm/km/℃以下である場合には、例えば光ファイバ伝送路が陸上に設置される場合であって50℃という大きな温度変動を想定したときでも、光ファイバ伝送路の全体での波長分散値の平均値の変動値は0.25ps/nm/km以下であり、ビットレート40Gb/s以上の高速光通信を行う上で好適である。
【0036】
また、長手方向にコア径およびファイバ径が調整されて波長分散値が変化する場合、或いは、長手方向にクラッド径が一定のままコア径が調整されて波長分散値が変化する場合には、上記の光ファイバ伝送路を実現する上で好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光ファイバ伝送路の説明図である。
【図2】本実施形態に係る光ファイバ伝送路のうち波長分散値が正である部分および負である部分それぞれの波長分散特性を説明する図である。
【図3】本実施形態に係る光ファイバ伝送路の符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の説明図である。
【図4】本実施形態に係る光ファイバ伝送路の構造を説明する図である。
【図5】符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値と、四光波混合により発生した光の相対的パワーとの関係を示すグラフである。
【図6】符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値と、光ファイバ伝送路10の全体での伝送損失の平均値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…光ファイバ伝送路、10a…波長分散値が正である部分、10b…波長分散値が負である部分、11…コア領域、12…クラッド領域。
Claims (4)
- 波長1550nmにおいて、長手方向に波長分散値の符号が変化する符号変化位置が1つの中継区間に4箇所以上あって、前記符号変化位置を含み波長分散値の絶対値が2ps/nm/km未満である各符号変化範囲における波長分散値の平均変化率の絶対値が0.04ps/nm/km/m以上4ps/nm/km/m以下であり、全体での波長分散値の平均値の絶対値が2ps/nm/km以下であり、全体での有効コア断面積の平均値が50μm2以上であり、全体での伝送損失の平均値が0.25dB/km以下であり、全体での偏波分散値の平均値が0.2ps/km1/2以下であることを特徴とする光ファイバ伝送路。
- 全体での波長分散値の平均値の温度依存性が0.005ps/nm/km/℃以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ伝送路。
- 長手方向にコア径およびファイバ径が調整されて波長分散値が変化することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ伝送路。
- 長手方向にクラッド径が一定のままコア径が調整されて波長分散値が変化することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ伝送路。
Priority Applications (2)
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