JP3651969B2 - ペット用レインコート - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、雨天時においてペット犬等の散歩に使用するペット用レインコートに関する。
【0002】
【従来の技術】
ペット犬等の散歩は、生理現象の処理、適度な運動量の確保のため欠かすことのできない重要な日課の一つであり、晴天雨天を問わず必要とされている。このような散歩のうち、雨天時あるいは雨上がり直後の散歩においては、ペット犬の身体が濡れたり、また跳ねた泥が身体に付着したりして、その都度シャンプーが必要となるばかりでなく、特に長毛犬の場合、濡れることによって皮膚病発生の原因ともなっている。
【0003】
このような問題点を解消したものとして、例えば、実開平4−124067号公報、実開平4−71449号公報、実開平1−60663号公報に、ペット用のレインコートが提案されている。
【0004】
図7は、実開平4−124067号公報に記載されたペット用レインコートの展開図である。51はペットの胴体部分をその上方から覆う胴部覆い部で、この胴部覆い部51は、ペットの胸部分において開閉され、開閉止着具53が付設された開閉部52を有し、臀部側下面には、ペットの排出器官外部を露出させる排出器官露呈部54を開口形成している。また、ペットの頭部を覆うフード56、ペットの前後左右の脚を覆う前脚覆い部57、後脚覆い部58を連設し、胴部覆い部51には胴体部を巻回する調節胴ベルト55が、また脚覆い部57,58には脚下端を巻回する脚ベルト59が付設されている。
【0005】
雨天時等には、人間と同様ペット用レインコート60を装着することによって、ペット犬等の身体及びその前後の脚を覆うことが可能となり、雨水や雨天時の散歩中に生じる泥水の跳ね上がりからペットの身体全体を保護して、ペットを雨から極めて有効に保護することができる。
【0006】
このようなペット用レインコートにおける問題として、散歩中における激しい運動によってレインコートが後ろ側にずれ、甚だし場合抜けてしまうことがあげられる。この対策として、第1に、ペット犬の体型にあった正確な寸法のものを選ぶこと、第2に、脚及び胴部部分を調節胴ベルト55,脚ベルト59によってきつく縛ることなどが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、それぞれ微妙に体型の異なるペット犬に対し、すべての体型のペット犬に合ったレインコートを揃えることは不可能に近く、また、脚及び胴部をきつく縛って固定することは、本来がペット犬のストレス解消のために行う散歩が、却ってストレスを蓄積する結果となり好ましくない。このような問題は、上記実開平4−124067号公報に記載のものに限らず、実開平4−71449号公報及び実開平1−60663号公報に記載のものにも同様に言える問題である。
【0008】
本発明者はこのような問題点を解消するために、約300頭のペット犬について、背丈(首の付け根から尻尾のつけ根まで)、胴回り、脚の長さ等を測定し、この寸法に合った各種レインコートを作成し着用させて実際に運動を行った。その結果、上記したような運動時におけるレインコートのずれは、主に、装着しているペット用レインコートとペット犬の実際の背丈の不一致、及び、前脚の付け根すなわち胸部にゆとりがないことに起因することを発見した。
【0009】
すなわち、本発明は、運動に支障を生じさせることなくかつずれを防止し、しかも数少ない品数で体型の異なるペットに適用可能なペット用レインコートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、ペットの胴体部分をその上方から覆い下面を開口した胴体覆い部と、同胴体覆い部に連設された筒状の前脚覆い部及び後脚覆い部と、ペットの頭部を覆うフードとを備えたペット用レインコートにおいて、前記胴体覆い部の先端側及び前脚覆い部に連設して直線状の襟部を形成し、前記胴体覆い部の下面を形成する左右の前身頃を重ね合わせ可能に形成すると共に、前記襟部の両端及び左右の前身頃縁部に胴体部調整用の幅広の面ファスナを設け、さらに、前記前記前脚覆い部と前記襟部の接合部に弛みを形成したことを特徴とする。
【0011】
ここで、前記面ファスナを、ループが群設されたパイル状毛片および同パイル状毛片に着脱可能なフックが群設されたパイル状毛片によって形成し、前記左右の前身頃のうち、装着時にペットの身体に対向する面に前記ループが群設されたパイル状毛片を配設するとともに、他方に前記フックが群設されたパイル状毛片を配設することができる。
【0012】
また、前記胴体覆い部にリード挿通用の孔と同リード挿通用の孔の上面を覆うカバーとを備えることもできる。
【0013】
【作用】
胴体覆い部の先端側及び前脚覆い部に連設して直線状の襟部を形成し、胴体覆い部の下面を形成する左右の前身頃を重ね合わせ可能に形成すると共に、襟部の両端及び左右の前身頃縁部に胴体部調整用の幅広の面ファスナを設けることによって、胴体の大きさに関係なく、装着するペットの背丈に合わせるだけで各種体型のペットに適用可能となる。
【0014】
また、前脚覆い部と襟部の接合部に弛みを形成したことによって、特に動きが激しい前脚上部にゆとりができ、ペット用レインコートのずれを生じさせることなく、かつ歩行の障害になることもない。
【0015】
【実施例】
以下本発明の特徴を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の一実施例であるペット用レインコートの展開図、図2は図1の状態から前身頃を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【0016】
本実施例のペット用レインコート10は、ナイロンタフタに防水加工(耐水圧250mmH2 O)及び撥水加工を施した生地によって形成され、ペットの胴体部分をその上方から覆い下面を開口した胴体覆い部11と、この胴体覆い部11に連設された筒状の前脚覆い部12及び後脚覆い部13と、ペットの頭部を覆うフード14とを備えている。
【0017】
胴体覆い部11は、背面部11aと、右前身頃11bおよび左前身頃11cによって形成され、背面部11a,右前身頃11b,左前身頃11cおよび前脚覆い部12の上端側には、直線状の襟部15を形成している。
【0018】
16a,16bは、襟部15の両端、及び左右の前身頃11b,11c縁部に設けられた胴体部調整用の幅広の面ファスナで、本実施例では、装着時ペットの身体に対向する面、すなわち、右前身頃11bの裏面にループが群設されたパイル状毛片の面ファスナ16aを配設し、他方、すなわち、左前身頃11cの表面にフックが群設されたパイル状毛片の面ファスナ16bを配設している。このように、装着時ペットの身体に対向する面にループが群設されたパイル状毛片の面ファスナ16aを配設することによって、ペット犬の身体に不必要な刺激を与えるのを防止し、また、ペット犬の体毛が面ファスナに付着し接着力が低下するのを防止している。
【0019】
面ファスナ16a,16bは図3(a)に示す通り、幅、すなわち胴回り方向にそれぞれ5cmと2.5cm縫い付けており、これによって、図3(b),(c)の説明図に示すように、胴回りを最大から最小まで約5cm増減させることができる。
【0020】
17は前脚覆い部12と襟部15の接合部に形成したギャザーで、これによってペット犬に装着した際の弛みとなるようにしている。このギャザー17が、ペット犬の運動時において重要な意味を有し、激しく前脚を動かした際にもその動きによって前脚覆い部12がずり上がったり、また、ペット犬の動きが制約を受けることがなくなる。
【0021】
図4は図1に示すペット用レインコートを背面側から見た要部の斜視図で、同図に示すように、背面部11a中央にリード挿通用の孔18を形成し、このリード挿通用の孔18の上面にはカバー19を設けている。これによって、ペット用レインコート10内に雨を漏らすことなく、リードを挿通することができる。
【0022】
図5及び図6は、図1に示すペット用レインコートをペット犬に装着した状態で示す斜視図で、装着手順は、先ず、ペット用レインコート10を上から着せかけて、前脚覆い部12に前脚を入れ、次に襟部15の面ファスナ16a,16bを止め、後脚覆い部13に後脚を入れて胴体覆い部11の面ファスナ16a,16bを止める。脱がせるときは、全ての面ファスナ16a,16bを離し、前脚を前脚覆い部12から抜き、この状態で後ろに引っ張って行う。
【0023】
このように本実施例のペット用レインコート10によれば、胴体の大きさに関係なく、装着するペットの背丈に合わせるだけで各種体型のペットに適用可能となり、また、前脚覆い部と襟部の接合部に弛みを形成したことによって、特に動きが激しい前脚上部にゆとりができ、ペット用レインコートのずれを生じさせることなく、かつ歩行の障害になることもない。
【0024】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏することができる。
【0025】
(a)胴体覆い部の先端側及び前脚覆い部に連設して直線状の襟部を形成し、胴体覆い部の下面を形成する左右の前身頃を重ね合わせ可能に形成すると共に、襟部の両端及び左右の前身頃縁部に胴体部調整用の幅広の面ファスナを設け、さらに、前脚覆い部と前記襟部の接合部に弛みを形成することによって、運動に支障を生じさせることなくかつずれを防止し、しかも数少ない品数で体型の異なるペットに適用可能となる。
【0026】
(b)左右の前身頃のうち、装着時にペットの身体に対向する面に前記ループが群設されたパイル状毛片を配設するとともに、他方に前記フックが群設されたパイル状毛片を配設することによって、ペットに不必要な刺激を与えず、かつ接着力を持続することができる。
【0027】
(c)胴体覆い部にリード挿通用の孔と同リード挿通用の孔の上面を覆うカバーとを備えることによって、ペット用レインコート内に雨を漏らすことなく、リードを挿通することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるペット用レインコートの展開図である。
【図2】本発明の一実施例であるペット用レインコートの斜視図である。
【図3】胴回り調整手段の説明図である。
【図4】図1に示すペット用レインコートを背面側から見た要部の斜視図である。
【図5】図1に示すペット用レインコートをペット犬に装着した状態で示す斜視図である。
【図6】図1に示すペット用レインコートをペット犬に装着した状態で示す正面図である。
【図7】従来のペット用レインコートの展開図である。
【符号の説明】
10 ペット用レインコート
11 胴体覆い部
11a 背面部
11b 右前身頃
11c 左前身頃
12 前脚覆い部
13 後脚覆い部
14 フード
15 襟部
16a ループが群設されたパイル状毛片の面ファスナ
16b フックが群設されたパイル状毛片の面ファスナ
17 ギャザー
18 リード挿通用孔
19 カバー

Claims (3)

  1. ペットの胴体部分をその上方から覆い下面を開口した胴体覆い部と、同胴体覆い部に連設された筒状の前脚覆い部及び後脚覆い部と、ペットの頭部を覆うフードとを備えたペット用レインコートにおいて、
    前記胴体覆い部の先端側及び前脚覆い部に連設して直線状の襟部を形成し、前記胴体覆い部の下面を形成する左右の前身頃を重ね合わせ可能に形成すると共に、前記襟部の両端及び左右の前身頃縁部に胴体部調整用の幅広の面ファスナを設け、さらに、前記前脚覆い部と前記襟部の接合部に弛みを形成したことを特徴とするペット用レインコート。
  2. 前記面ファスナを、ループが群設されたパイル状毛片および同パイル状毛片に着脱可能なフックが群設されたパイル状毛片によって形成し、前記左右の前身頃のうち、装着時にペットの身体に対向する面に前記ループが群設されたパイル状毛片を配設するとともに、他方に前記フックが群設されたパイル状毛片を配設したことを特徴とする請求項1記載のペット用レインコート。
  3. 前記胴体覆い部にリード挿通用の孔と同リード挿通用の孔の上面を覆うカバーとを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のペット用レインコート。
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