【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、雨水を洗車、樹木への散水、トイレの洗浄水などの生活中水として利用するシステムにおいて、空気中の塵や亜硫酸などを含んだ降り始めの雨水を浄化して、生活中水として利用できるようにする装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
我国では、水資源が豊富なこともあって、洗車や樹木への散水、トイレの洗浄水などという生活中水として上水(上水道の水)が用いられているけれども、これらの生活中水として雨水を利用することは、単に経済性のみではなく、水資源の保護や環境負荷の低減という観点からも好ましいことである。
【0003】
雨水を貯留して生活用水として利用することは、山間地や僻地では現在も行われているところであり、別に珍しいことではなく、またそれほど高度な技術を必要とすることでもないが、ある程度の容量の水槽の設置が不可欠であるため、初期費用が必要で、そのことが普及のネックになっている。
【0004】
一方、全国的な下水道の普及によって、それまで使用されていた浄化槽が不要になるという地域が多く出てきており、このような地域において、浄化槽を洗浄、消毒したうえで、生活中水の貯水槽として利用するようにすれば、雨水利用システムを安価な初期費用で実現できるというメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
降り始めの雨は、大気中の浮遊物を洗うように降り、また屋根面に付着した塵やごみを洗うように流れてくる。地域によって違いはあるが、大気中には、車両等から排出される窒素酸化物や亜硫酸ガスが浮遊しており、これらを洗うように降る初期雨水は、通常酸性を呈し、また空気中を浮遊している有機物も混入するため、生活中水としてのみ利用するにしても、これらの初期雨水を除去するかまたは浄化する必要がある。どの程度の量の初期雨水を浄化する必要があるかは、地域によって大きく異なり、密集した都市や工業地帯では、降り始めの3〜5mmの浄化が必要であると言われ、また使用目的が洗車や散水など比較的大雑把な場合、空気の清浄な地域であれば、未処理ないし1mm未満の初期雨水を処理すれば充分であると言われている。
【0006】
初期雨水の処理方法としては、初期雨水は利用しないで排出するという方法が最も簡単であるが、雨はまとまってばかり降るわけではないので、全降雨量に占める初期雨水の量は比較的多く、初期雨水を利用しないと、雨水の利用効率が悪くなる。
【0007】
そこでこの発明は、一定量の初期雨水が常に浄化されて、また降雨間隔が短いときにはそれに見合う量の初期雨水が自動的に浄化されて、その後の降り続きの雨水とともに、貯水槽に蓄えられる装置を得ることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る雨水利用システムの初期雨水浄化装置は、処理槽18と、雨水を貯水槽1に導く雨水導入管から下方に分岐して処理槽18に開口する初期雨水導入管16と、処理槽18内の雨水を貯水槽1に導く流量制限手段23を備えた処理水流出管21と、所定量の中和液を貯留する中和液槽28と、処理槽18内の雨水の水位が所定レベルに達したときに、中和液槽28と処理槽18とを連通する管路を開くフロートバルブ25とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の雨水利用システムの初期雨水浄化装置において、中和液槽28より充分容積の大きな中和液予備槽32を備え、この中和液予備槽32が流量制限手段を設けた管路24で中和液槽28に連結されていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
請求項1の発明によれば、中和処理に必要な初期雨水のみが処理槽18に流入し、中和液槽28に蓄えられた所定量の中和液が処理槽18内に自動的に流入して、中和処理が必要な量の初期雨水のみが自動的に中和処理される。
【0011】
請求項2の発明によれば、中和液槽28及び処理槽18が空になった後、所定時間が経過したときに再び中和液槽28に所定量の中和液を貯留することができ、また中和液槽のフロートバルブを開閉するフロート27の検出水位と、中和液予備槽32から中和液槽28へ少しずつ流れる中和液の流量とのバランスにより、中和液の過不足のない最適な中和処理を人手や電気制御を用いることなく自動的に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図4は、貯水槽として転用浄化槽1を利用した、雨水利用システムの一例を示した図である。転用浄化槽1は、汚水流入管から切り離され(切り離した汚水管は下水道に接続される)た後、洗浄消毒して揚水ポンプ2を設置し、この揚水ポンプの吐出管をスプリンクラー3や洗車用の屋外の蛇口4及びトイレ5の洗浄水配管などに接続し、雨樋6で集められた雨水が、フィルター及び初期雨水処理装置7を通って、転用浄化槽1に流入するように、雨水導入管8を設ける。
【0013】
屋根9に降った水は、雨樋6で集められ、雨水導入管8を通って貯水槽1に蓄えられる。洗車等の際に貯水槽1の水を利用するときは、揚水ポンプ2を駆動して、貯水槽1内の水を用水ポンプの吐出管12に圧送する。
【0014】
図1ないし3は、この発明の初期雨水浄化装置を示したものである。雨樋6の下端には、木の葉などの粗いごみを除去する金網フィルター13を備えた粗ごみ除去部14が設けられている。粗ごみ除去部14の上面は開口しており、金網フィルター13は、この開口15が上流側となるように斜めに配置されている。粗ごみ除去部14を通過した雨水は、雨水導入管8を通って転用浄化槽1へ導かれるが、その管路の途中にT字形に分岐して下方に延びる初期雨水導入管16が連結されている。雨水導入管8の水平部分から分岐する初期雨水導入管16の入口部分には、目皿17が設けられて、雨水導入管8を流れる水に若干の整流作用を付与している。
【0015】
初期雨水導入管16の下端は、処理槽18に開口している。処理槽18は蓋19によって密閉された容器で、底部に貯水槽1に接続される細い処理水流出管21が接続されている。処理槽18と処理水流出管21との接続部分には、小径のオリフィス23を設けて、処理槽18から流出する水量を制限するようにする。
【0016】
初期雨水導入管16は、処理槽18の一方の側に偏って配置されており(図3参照)、処理水流出管21はその反対側に位置している。そして処理槽18の初期雨水導入管を配置した側と、処理水流出管21を配置した側との間には、フィルター22が設けられており、このフィルター22は、、初期雨水が処理槽内を初期雨水導入管16側から処理水流出管21側へと流れるときに、初期雨水中に含まれる細かい塵埃を濾過している。従って前述したオリフィス23が詰ったり、後述するフロートバルブ25に漏れが生じたりすることはない。
【0017】
このフィルター22の処理水流出管21側には、中和液導入管24が差し込まれている。この中和液導入管は、上方部が中和液槽28となっており、その下端にフロートバルブ25が設けられている。フロートバルブ25の弁体には、下方に延びるロッド26が連結され、その下端にフロート27が固定されている。中和液槽28の容積は、処理槽18の容積に見合う大きさで、処理槽18に初期雨水が一杯に溜まったときにそれを中和するに必要な中和液が丁度溜められる大きさとする。処理槽18の初期雨水導入管16の配置側には、雨水導入管の水平部29を越える高さの空気管31が立設されており、この空気管によって処理槽18は大気に連通している。空気管31の上端は、塵埃等が入らないように逆U字形に屈曲されている。
【0018】
中和液槽28の上端には、容積の大きな中和液予備槽32が接続されており、この中和液予備槽に中和液が蓄えられている。中和液予備槽と中和液槽28とを繋ぐ配管には口径の小さなオリフィスが設けられており、中和液予備槽28内の中和液が少しずつ中和液槽28に流出するようになっている。
【0019】
次に図示実施例の初期雨水処理装置の作用を説明する。晴天が続いた後の状態においては、処理槽18内は空であり、中和液槽28内には、中和液予備槽32から流入した中和液が溜まっている。この状態で雨が降り始めると、雨樋6によって集められた雨水が、粗ごみ除去部14を通って雨水導入管8に流れてくる。雨水導入管8を最初に流れてきた初期雨水は、初期雨水導入管16の分岐部で下方に流れて、処理槽18へと導かれる。処理水流出管21の接続口に設けられているオリフィス33は非常に小径であるため、処理槽18から浄化槽1へ処理槽18内の水が流れるには時間がかかり、そのため初期雨水は処理槽18内に溜まる。処理槽18内の雨水がある水位に達すると、フロート27が押し上げられ、中和液槽のフロートバルブ25が開かれる。そこで、中和液槽28内の中和液が処理槽18内に流入し、処理槽18内の酸性の初期雨水が中和される。
【0020】
フロートバルブ25を開く水位をどの水位に設定するかは、その地域における雨の降り方の統計に基づいて決定する。すなわちフロート27のレベルに達しないような雨が時間をおいて繰り返し降ったような場合には、中和されない雨水が転用浄化槽(貯水槽)1に流入することとなる。また雨が継続するときは、フロートバルブ25が開いて処理槽18に初期雨水を中和するのに必要な中和液が供給された後、中和液予備槽から中和液槽28へと少しずつ流出する中和液がそのまま処理槽18内へと流入するため、余分の中和液が流入することとなる。そこでその両者を勘案して、トータルな中和液の量が初期雨水の量に見合うように、フロート27のレベルを設定する。
【0021】
さて中和液槽28内の中和液が処理槽18内に流入した後、さらに降雨が続けば、処理槽18が雨水で一杯になり、水位が初期雨水導入管16の分岐口のレベルにまで達する。そうすると雨水導入管8を流れる雨水は、もはや初期雨水導入管16側へは流入せず、目皿17の上を通って流れて、直接転用浄化槽1へと流入するようになる。従って処理槽18の容積を処理が必要な初期雨水の降雨量(mm)に集水面積(m2 )を乗じた大きさとしておけば、処理が必要な初期雨水のみが処理槽18に流入して中和され、その後降り続く雨水は、処理槽18に流入することなく直接転用浄化槽1へと流入することとなる。
【0022】
雨が長く降り続くと、浄化槽18はその間雨水で満たされた状態となり、フロートバルブ25が開いたままとなるから、中和液予備槽32から少しずつ中和液槽28へと流れる中和液が、そのまま処理槽18に流入し、また処理水流出管21から流出する雨水に見合う量の雨水が、処理槽18に少しずつ流入することとなるので、その間は余分の量の雨水を中和することとなる。この余分に中和される量と、フロート27の水位にまで達しない雨が降ったときに、中和されないまま処理槽18から処理水流出管21を通って転用浄化槽1に流れ込む雨水の量とを勘案して、前述したフロート27の位置が定められる。
【0023】
雨が上がると、処理槽18に流入する雨水はなくなり、処理槽18の雨水は、処理水流出管21を通って少しずつ転用浄化槽1に流出する。そのため処理槽18の水位は下がり、フロート27の水位以下となったときに、フロートバルブ25が閉じて、その後中和液予備槽32から流出する中和液は、中和液槽に蓄えられることとなる。そして雨が上がった後、一定の時間が経過すると、処理槽18が空になり、中和液槽28内には所定量の中和液が溜まる。
【0024】
処理水流出管21と濾過槽の接続部に設けるオリフィス23及び中和液予備槽32から中和液槽28へと流れる中和液の管路に設けたオリフィス33の口径は、雨が上がった後空気中に再び通常濃度の窒素酸化物や亜硫酸ガスが浮遊し始めるまでの時間を考慮して定める。すなわち雨が上がってから、大気中の窒素酸化物や亜硫酸ガスの濃度が通常濃度になるまでの時間と、雨が上がってから処理槽が空になり、かつ中和液槽28に所定量の中和液が蓄えられるまでの時間がほぼ同じになるようにする。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したこの発明により、非常に簡単な構造でかつ電気的な制御装置などを設けることなく、初期雨水のみを中和濾過し、かつ設置地域の降雨状態や大気中の窒素酸化物や亜硫酸ガスの濃度に応じて、必要な量の初期雨水を適切に中和し、かつ初期雨水に含まれる塵埃をも濾過することが可能な、初期雨水浄化装置を得ることが可能となり、初期雨水を安全に効率良く利用することが可能な雨水利用システムを安価に設置できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】初期雨水処理装置の断面側面図
【図2】初期雨水処理装置の平面図
【図3】初期雨水処理装置の断面正面図
【図4】雨水利用システムの模式図
【符号の説明】
16 初期雨水導入管
18 処理槽
21 処理水流出管
24 中和液導入管
25 フロートバルブ
28 中和液槽
29 水平部
32 中和液予備槽[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a system that uses rainwater as water for daily life such as car washing, watering trees, washing water for toilets, etc., and purifies rainwater that begins to fall, including dust in the air and sulfurous acid. It is related with the apparatus made to be able to use as.
[0002]
[Prior art]
In Japan, water resources are abundant, and water is used for daily life such as car washing, watering trees, washing water for toilets, etc. The use of rainwater is preferable not only from the viewpoint of economic efficiency, but also from the viewpoint of protecting water resources and reducing environmental burdens.
[0003]
The storage of rainwater for use as domestic water is still taking place in mountainous areas and remote areas, and it is not unusual and does not require so advanced technology, but it has a certain capacity. It is indispensable to install an aquarium, so initial costs are necessary, which has become a bottleneck for popularization.
[0004]
On the other hand, with the widespread use of sewage systems nationwide, there are many areas where the septic tanks used up to now are no longer needed, and in such areas the septic tanks are washed and disinfected before storing water for daily life. If used as a tank, there is an advantage that a rainwater utilization system can be realized at a low initial cost.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The rain when it begins to fall flows to wash suspended matter in the atmosphere, and also flows to wash dust and debris adhering to the roof surface. Although there are differences depending on the region, nitrogen oxides and sulfurous acid gas discharged from vehicles etc. are floating in the atmosphere, and the initial rainwater that falls to wash them usually shows acidity and also floats in the air Since the organic matter is also mixed, it is necessary to remove or purify these initial rainwater even if it is used only as water during daily life. The amount of initial rainwater that needs to be purified varies greatly depending on the region, and in densely populated cities and industrial areas, it is said that 3-5 mm of purification at the beginning of getting down is required, and the purpose of use is car wash. It is said that it is sufficient to treat untreated or initial rain water of less than 1 mm in a relatively rough area such as water spray or water spray.
[0006]
As the initial rainwater treatment method, the method of discharging the initial rainwater without using it is the simplest, but since the rain does not always fall together, the amount of the initial rainwater in the total rainfall is relatively large. If the initial rainwater is not used, the efficiency of rainwater use will deteriorate.
[0007]
Therefore, the present invention provides a device that constantly purifies a certain amount of initial rainwater, and automatically purifies an appropriate amount of initial rainwater when the rainfall interval is short, and stores it in a water tank together with subsequent rainwater. The challenge is to obtain.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The initial rainwater purification apparatus for a rainwater utilization system according to the first aspect of the invention includes a treatment tank 18 and an initial rainwater introduction pipe 16 that branches downward from a rainwater introduction pipe that guides rainwater to the water storage tank 1 and opens into the treatment tank 18. A treated water outflow pipe 21 provided with a flow restriction means 23 for guiding rainwater in the treatment tank 18 to the water storage tank 1, a neutralization liquid tank 28 for storing a predetermined amount of neutralization liquid, and rainwater in the treatment tank 18. When the water level reaches a predetermined level, a float valve 25 is provided that opens a conduit that communicates the neutralizing solution tank 28 and the treatment tank 18.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, in the initial rainwater purification apparatus of the rainwater utilization system according to the first aspect, the neutralization liquid preliminary tank 32 having a sufficiently larger volume than the neutralization liquid tank 28 is provided. It is connected to the neutralization liquid tank 28 by a pipe line 24 provided with a flow restriction means.
[0010]
[Action]
According to the invention of claim 1, only the initial rainwater necessary for the neutralization treatment flows into the treatment tank 18, and a predetermined amount of the neutralization liquid stored in the neutralization liquid tank 28 is automatically entered into the treatment tank 18. Only the amount of initial rainwater that enters and requires neutralization is automatically neutralized.
[0011]
According to the invention of claim 2, a predetermined amount of neutralizing liquid can be stored again in the neutralizing liquid tank 28 when a predetermined time has elapsed after the neutralizing liquid tank 28 and the processing tank 18 are emptied. The neutralization liquid can be obtained by balancing the detected water level of the float 27 that opens and closes the float valve of the neutralization liquid tank and the flow rate of the neutralization liquid that gradually flows from the neutralization liquid preliminary tank 32 to the neutralization liquid tank 28. Optimal neutralization without excess or deficiency can be performed automatically without using manual or electrical control.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 4 is a diagram showing an example of a rainwater utilization system using the diverted septic tank 1 as a water storage tank. The diversion septic tank 1 is separated from the sewage inflow pipe (the separated sewage pipe is connected to the sewer), then washed and disinfected, and the pump 2 is installed. The rainwater introduction pipe 8 is connected to the outdoor faucet 4 and the wash water piping of the toilet 5 and the rainwater collected by the rain gutter 6 flows into the diversion septic tank 1 through the filter and the initial rainwater treatment device 7. Is provided.
[0013]
The water falling on the roof 9 is collected by the rain gutter 6 and stored in the water tank 1 through the rain water introduction pipe 8. When the water in the water storage tank 1 is used at the time of car washing or the like, the pumping pump 2 is driven to pump the water in the water storage tank 1 to the discharge pipe 12 of the water pump.
[0014]
1 to 3 show an initial rainwater purification apparatus of the present invention. At the lower end of the rain gutter 6, there is provided a coarse dust removal unit 14 provided with a wire mesh filter 13 for removing coarse dust such as leaves of trees. The upper surface of the coarse dust removing portion 14 is open, and the wire mesh filter 13 is disposed obliquely so that the opening 15 is on the upstream side. The rainwater that has passed through the coarse waste removal unit 14 is guided to the diversion septic tank 1 through the rainwater introduction pipe 8, and an initial rainwater introduction pipe 16 that is branched into a T shape and extends downward is connected to the middle of the pipe. Yes. At the entrance portion of the initial rainwater introduction pipe 16 branched from the horizontal portion of the rainwater introduction pipe 8, the eye plate 17 is provided to give a slight rectifying action to the water flowing through the rainwater introduction pipe 8.
[0015]
The lower end of the initial rainwater introduction pipe 16 is open to the treatment tank 18. The treatment tank 18 is a container sealed with a lid 19, and a thin treated water outflow pipe 21 connected to the water storage tank 1 is connected to the bottom. A small-diameter orifice 23 is provided at the connection portion between the treatment tank 18 and the treated water outflow pipe 21 so as to limit the amount of water flowing out of the treatment tank 18.
[0016]
The initial rainwater introduction pipe 16 is biased to one side of the treatment tank 18 (see FIG. 3), and the treated water outflow pipe 21 is located on the opposite side. A filter 22 is provided between the side of the treatment tank 18 where the initial rainwater introduction pipe is arranged and the side where the treatment water outflow pipe 21 is arranged. When flowing from the initial rainwater introduction pipe 16 side to the treated water outflow pipe 21 side, fine dust contained in the initial rainwater is filtered. Therefore, the orifice 23 mentioned above is not clogged, and the float valve 25 described later does not leak.
[0017]
A neutralization liquid introduction pipe 24 is inserted on the treated water outflow pipe 21 side of the filter 22. The upper part of the neutralization liquid introduction pipe is a neutralization liquid tank 28, and a float valve 25 is provided at the lower end thereof. A rod 26 extending downward is connected to the valve body of the float valve 25, and a float 27 is fixed to the lower end thereof. The volume of the neutralizing liquid tank 28 is sized to match the volume of the processing tank 18 and is large enough to store the neutralizing liquid necessary for neutralizing the initial rainwater when the processing tank 18 is fully accumulated. To do. An air pipe 31 having a height exceeding the horizontal portion 29 of the rainwater introduction pipe is erected on the side of the treatment tank 18 where the initial rainwater introduction pipe 16 is disposed, and the treatment tank 18 communicates with the atmosphere by this air pipe. Yes. The upper end of the air pipe 31 is bent in an inverted U shape so that dust and the like do not enter.
[0018]
A large-capacity neutralization liquid preliminary tank 32 is connected to the upper end of the neutralization liquid tank 28, and the neutralization liquid is stored in the neutralization liquid preliminary tank. The piping connecting the neutralized solution preliminary tank and the neutralized solution tank 28 is provided with an orifice having a small diameter so that the neutralized solution in the neutralized solution preliminary tank 28 gradually flows out to the neutralized solution tank 28. It has become.
[0019]
Next, the operation of the initial rainwater treatment apparatus of the illustrated embodiment will be described. In a state after the clear sky continues, the inside of the processing tank 18 is empty, and the neutralizing liquid flowing from the neutralizing liquid preliminary tank 32 is accumulated in the neutralizing liquid tank 28. When it starts to rain in this state, rainwater collected by the rain gutter 6 flows into the rainwater introduction pipe 8 through the coarse dust removal unit 14. The initial rainwater first flowing through the rainwater introduction pipe 8 flows downward at the branch portion of the initial rainwater introduction pipe 16 and is guided to the treatment tank 18. Since the orifice 33 provided at the connection port of the treated water outflow pipe 21 has a very small diameter, it takes time for the water in the treated tank 18 to flow from the treated tank 18 to the septic tank 1, so that the initial rainwater is treated as the treated tank. Accumulate in 18. When the rainwater in the treatment tank 18 reaches a certain water level, the float 27 is pushed up, and the float valve 25 of the neutralization liquid tank is opened. Therefore, the neutralizing liquid in the neutralizing liquid tank 28 flows into the processing tank 18 and the acidic initial rainwater in the processing tank 18 is neutralized.
[0020]
Which water level is set as the water level at which the float valve 25 is opened is determined based on statistics on how rain falls in the region. That is, when rain that does not reach the level of the float 27 repeatedly falls over time, unneutralized rainwater flows into the diversion septic tank (water tank) 1. When the rain continues, the float valve 25 is opened and the neutralizing liquid necessary for neutralizing the initial rainwater is supplied to the treatment tank 18, and then the neutralized liquid preliminary tank is transferred to the neutralized liquid tank 28. Since the neutralized liquid that flows out little by little flows into the treatment tank 18 as it is, excess neutralized liquid flows in. Therefore, considering both of them, the level of the float 27 is set so that the total amount of the neutralizing solution matches the amount of the initial rainwater.
[0021]
Now, after the neutralization liquid in the neutralization liquid tank 28 has flowed into the treatment tank 18, if the rain continues further, the treatment tank 18 will be filled with rainwater, and the water level will be at the level of the branch port of the initial rainwater introduction pipe 16. Reach up to. Then, the rainwater flowing through the rainwater introduction pipe 8 no longer flows into the initial rainwater introduction pipe 16 side, flows through the top plate 17 and directly flows into the diversion septic tank 1. Therefore, if the volume of the treatment tank 18 is set to a size obtained by multiplying the rainfall amount (mm) of the initial rainwater that needs treatment by the water collection area (m 2 ), only the initial rainwater that needs treatment flows into the treatment tank 18. The rainwater that has been neutralized and continues to fall thereafter flows directly into the diversion septic tank 1 without flowing into the treatment tank 18.
[0022]
If the rain continues for a long time, the septic tank 18 will be filled with rainwater during that time, and the float valve 25 will remain open, so that the neutralized liquid flowing from the neutralized liquid preliminary tank 32 to the neutralized liquid tank 28 little by little. Since the rainwater of the amount corresponding to the rainwater flowing into the treatment tank 18 as it is and flowing out of the treatment water outflow pipe 21 gradually flows into the treatment tank 18, the excess amount of rainwater is neutralized during that time. It will be. The amount of extraneous neutralization, and the amount of rainwater that flows from the treatment tank 18 through the treated water outflow pipe 21 into the diversion septic tank 1 without being neutralized when rain that does not reach the water level of the float 27 falls. In consideration of the above, the position of the float 27 described above is determined.
[0023]
When the rain rises, there is no rainwater flowing into the treatment tank 18, and the rainwater in the treatment tank 18 flows through the treated water outflow pipe 21 little by little into the diversion purification tank 1. Therefore, when the water level in the treatment tank 18 falls and becomes below the water level in the float 27, the float valve 25 is closed, and the neutralized liquid flowing out from the neutralized liquid preliminary tank 32 is stored in the neutralized liquid tank. It becomes. Then, after a certain period of time has passed after the rain has gone up, the treatment tank 18 is emptied, and a predetermined amount of neutralizing liquid is accumulated in the neutralizing liquid tank 28.
[0024]
The orifice 23 provided at the connecting portion between the treated water outflow pipe 21 and the filtration tank and the orifice 33 provided in the neutralization liquid conduit flowing from the neutralization liquid preliminary tank 32 to the neutralization liquid tank 28 were rained. The time until the normal concentration of nitrogen oxides and sulfurous acid gas starts to float again in the air is determined. That is, the time until the concentration of nitrogen oxides or sulfurous acid gas in the atmosphere reaches the normal concentration after raining, the treatment tank is emptied after raining, and a predetermined amount is added to the neutralization liquid tank 28. The time until the neutralizing solution is stored is made approximately the same.
[0025]
【The invention's effect】
According to the present invention described above, it is possible to neutralize and filter only the initial rainwater with a very simple structure and without providing an electrical control device, etc. Depending on the concentration of the initial rainwater, it is possible to obtain an initial rainwater purification device that can appropriately neutralize the required amount of initial rainwater and filter the dust contained in the initial rainwater. In addition, it is possible to install a rainwater utilization system that can be used efficiently and inexpensively.
[Brief description of the drawings]
1 is a cross-sectional side view of an initial storm water treatment apparatus. FIG. 2 is a plan view of the initial storm water treatment apparatus. FIG. 3 is a cross-sectional front view of the initial storm water treatment apparatus.
16 Initial rainwater introduction pipe
18 Treatment tank
21 Treated water outflow pipe
24 Neutralizing solution inlet tube
25 Float valve
28 Neutralization bath
29 Horizontal section
32 Neutralization liquid reserve tank