JP3648429B2 - 通信品質推定方法および装置 - Google Patents

通信品質推定方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3648429B2
JP3648429B2 JP2000061229A JP2000061229A JP3648429B2 JP 3648429 B2 JP3648429 B2 JP 3648429B2 JP 2000061229 A JP2000061229 A JP 2000061229A JP 2000061229 A JP2000061229 A JP 2000061229A JP 3648429 B2 JP3648429 B2 JP 3648429B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
data
network
quality
mib information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000061229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001044998A (ja
Inventor
織  克典
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2000061229A priority Critical patent/JP3648429B2/ja
Publication of JP2001044998A publication Critical patent/JP2001044998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3648429B2 publication Critical patent/JP3648429B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータネットワークにおける通信品質を推定して管理する通信品質推定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータネットワークのユーザにとって意味のある品質は、エンドエンドスループットなどのエンドエンド品質であるが、エンドエンドの品質情報は容易に入手できない。容易に入手できるのは、ネットワーク内の各NE(ネットワーク構成機器)における品質情報、例えばIPネットワークにおけるMIB(Management Information Base :管理情報ベース)情報などであるので、このような容易に入手できる品質情報を用いて、コンピュータネットワークの品質管理を行うことが要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、エンドエンドの品質情報は容易に入手できないので、ネットワーク内の各NEで容易に入手し得る品質情報を用いて、エンドエンドの品質を推定しつつコンピュータネットワークの品質管理を行うことが望ましいが、このような技術は従来存在していない。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ネットワーク構成機器で容易に入手し得る品質情報を用いて、コンピュータネットワークにおけるエンドエンド通信品質を推定する通信品質推定方法および装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の本発明は、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、この入手したデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについては数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の線形重回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定することを要旨とする。
【0006】
本発明にあっては、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下で各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、このデータのうち非数値データを数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の線形重回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定するため、容易に入手できる各NEにおけるMIB情報からエンドエンドのスループット品質を適確に推定することができる。
【0007】
本発明は、前記データを入手する処理が、実験回数を適正化する実験計画法を援用することを要旨とする。
【0008】
本発明にあっては、実験計画法を援用して、実験回数を適正化するため、少ない実験回数で効率的にデータを求めることができる。
【0009】
第2の本発明は、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定したデータを入力する入力手段と、この入力されたデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについて数量化理論で数量化する数量化手段と、この得られた数値化データに対して複数の線形重回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定するモデル選定手段と、この選定した最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定する推定手段とを有することを要旨とする。
【0010】
本発明にあっては、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下で各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定したデータを入力し、このデータのうち非数値データを数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の線形重回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定するため、容易に入手できる各NEにおけるMIB情報からエンドエンドのスループット品質を適確に推定することができる。
【0011】
第3の本発明は、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、この入手したデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについては数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の多変量多項式回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定することを要旨とする。
【0012】
本発明にあっては、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下で各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、このデータのうち非数値データを数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の多変量多項式回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定するため、容易に入手できる各NEにおけるMIB情報に対してエンドエンド品質が線形近似できない場合でも、MIB情報からエンドエンドのスループット品質を適確に推定することができる。
【0013】
本発明は、前記データを入手する処理が、実験回数を適正化する実験計画法を援用することを要旨とする。
【0014】
本発明にあっては、実験計画法を援用して、実験回数を適正化するため、少ない実験回数で効率的にデータを求めることができる。
【0015】
第4の本発明は、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定したデータを入力する入力手段と、この入力されたデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについて数量化理論で数量化する数量化手段と、この得られた数値化データに対して複数の多変量多項式回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定するモデル選定手段と、この選定した最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定する推定手段とを有することを要旨とする。
【0016】
本発明にあっては、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下で各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定したデータを入力し、このデータのうち非数値データを数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の多変量多項式回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定するため、容易に入手できる各NEにおけるMIB情報に対してエンドエンド品質が線形近似できない場合でも、MIB情報からエンドエンドのスループット品質を適確に推定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1〜図3は、本発明の一実施形態に係る通信品質推定方法を実施するために使用される3種類のネットワークNW1,NW2およびNW3の構成をそれぞれ示すブロック図である。図1〜図3において、1はデスクトップ型サーバ(DT)、3はノートブック型サーバ(NB)、5はMIB収集用端末(MIB)、7はハブ(Hub)、9は上流側ルータ、11は局側加入者線終端装置(SLT)、13はスターカプラ(SC)、15a〜15dは加入者側加入者線終端装置(ONU)、17a〜17dは加入者宅内ルータ(mR)、19a〜19dは端末、21は高機能加入者宅内ルータ(Cisco) 、23はハブ(Hub)である。
【0018】
図1〜図3に示す3種類のネットワークNWのうち、図1および図3にそれぞれ示すネットワークNW1およびNW3は、局側加入者線終端装置(SLT)11と加入者側加入者線終端装置(ONU)15との間のスターカプラ(SC)13において各端末19に対して分岐されているのに対して、図2に示すネットワークNW2は、高機能加入者宅内ルータ(Cisco) 21に接続されたハブ(Hub)23において分岐されている。
【0019】
今回の実験で用いたネットワークでは、各加入者側加入者線終端装置(ONU)15に対して100Kbps の帯域が保証されている。従って、図1および図3に示すネットワークNW1,NW3においては、各端末に対して100Kbps の帯域が保証される。
【0020】
また、図1および図3に示すネットワークNW1およびNW3においては、端末19aに接続されたルータが図1では加入者宅内ルータ(mR)17aであり、図3では高機能加入者宅内ルータ(Cisco) 21というように異なるが、ネットワークNW3で使用されている高機能加入者宅内ルータ(Cisco) 21はネットワークNW1で使用されている加入者宅内ルータ(mR)17aに比較して、多くのパケットを処理することができる。従って、ネットワークNW1において加入者宅内ルータ(mR)17aがボトルネックになっている場合には、ネットワーク性能に違いが出てくる。
【0021】
図1〜図3において、太線で囲んだ機器、すなわちデスクトップ型サーバ1、ノートブック型サーバ3、MIB収集用端末5、上流側ルータ9、加入者宅内ルータ(mR)17a〜17d、端末19a〜19d、高機能加入者宅内ルータ(Cisco) 21は、互いにインターネットプロトコル(IP)を用いた通信を行うことができる。
【0022】
また、上流側ルータ9および加入者宅内ルータ(mR)17の各ルータは、管理情報ベース(MIB)を備えており、その要素にはそれぞれのインタフェースを経由して送受信したデータのオクテット数が含まれている。また、その値は他の機器からSNMPを用いて参照することができる。
【0023】
端末19a〜19dおよびMIB収集用端末5の各端末は、加入者宅内ルータ(mR)17a〜17d、上流側ルータ9のそれぞれのMIBオブジェクトをSNMPを用いて修得することができる。また、収集する際にネットワークや個々の機器のCPUにかかる負荷は他の通信によるものに比べて十分小さく、SNMPを用いてMIB情報を収集することが他の通信に及ぼす影響は無視することができる。
【0024】
端末19a〜19d、デスクトップ型サーバ1、ノートブック型サーバ3、MIB収集用端末5のそれぞれの時刻は、 Network Time Protocol(NTP)を用いて同期が取られている。
【0025】
また、ルータのそれぞれのインタフェースを通過して送受信されたパケットのデータ量(オクテット数)を1秒毎にSNMPを用いて収集し、その差分を取れば、任意の1秒間にルータのインタフェースを通過して送受信されたデータ量を求めることができる。
【0026】
端末19a〜19d、デスクトップ型サーバ1、ノートブック型サーバ3には、トラヒックを発生させるためのソフトウェアDBSがインストールされており、各端末間で任意のトラヒックを発生させることができる。また、発生させたトラヒックに関して、スループットや遅延などの性能情報を受信側端で記録することができる。
【0027】
以上のように構成されるネットワークを用いて、エンドエンド性能を推定するのに最適な管理データ項目の選択方法とエンドエンド性能の推定方法、および予め与えられたエンドエンド性能の管理目標値から管理閾値を実験を通して求める手順について説明する。
【0028】
まず、本実施形態の通信品質推定方法で推定したい性能尺度、すなわちエンドエンド性能としては、図4に示した表1に記載されている条件の性能測定用トラヒックを図1〜図3に示したそれぞれのネットワークNW1,NW2およびNW3に流したときの受信側でのスループットを取り上げる。
【0029】
また、エンドエンド性能の推定に使用するデータとしては、MIB情報から収集できる情報として、上流側ルータ9の送信トラヒック量および加入者宅内ルータ(mR)17や高機能加入者宅内ルータ(Cisco) 21からなる下流側ルータの受信トラヒック量を使用する。
【0030】
更に、実験条件として、次に挙げるものを設定する。
【0031】
(1)図1〜図3に示したネットワークNW1,NW2,NW3の構成
(2)負荷トラヒックのプロトコル比率
(TCP:UDP=1:0,1:1,0:1)
(3)負荷トラヒックのパケットサイズ
(64,300,1500バイト)
(4)負荷フロー数(2,4,8)
(5)負荷生成サーバの種類
(デスクトップ型サーバ:ノートブック型サーバ=1:0,1:1,0:1)
(6)実験時間または実験回数
(1回目、2回目、3回目)
なお、想定した合計背景負荷(4.0,3.6,3.2,2.8,2.4,2.0Mbps )の実験条件は、推定のためには使用していない。
【0032】
次に、背景負荷発生方法として、上述したように設定した実験条件に従って背景負荷となるトラヒックを発生させる。すなわち、想定した合計背景負荷量、パケットサイズ、プロトコル比率、各サーバが発生する負荷量が前記実験条件に合い、更にパケット発生頻度が等間隔になるようにトラヒックを発生させる。
【0033】
それから、上述したように選択した条件のもとでトラヒックを発生させながら、エンドエンド性能の測定やMIBデータの収集を行う。すなわち、上述した背景負荷を図1〜図3に示したネットワークの上流に位置するデスクトップ型サーバ(DT)1またはノートブック型サーバ(NB)3から各端末19a〜19dに向けて均等に発生させながら、図4に示した表1にある性能測定用トラヒックを同時に上流のサーバであるデスクトップ型サーバ1から端末19aに向けて流し、受信側端末である端末19aでスループットを測定する。また同時に、送信側ルータである上流側ルータ9と受信側ルータである加入者宅内ルータ(mR)17a〜17dおよび高機能加入者宅内ルータ(Cisco) 21におけるMIBデータを直接接続されている端末19a〜19dおよびMIB収集用端末5で収集する。
【0034】
なお、上述した処理において、すべての組み合わせについて性能を測定すればネットワーク構成機器(NE)からのデータとエンドエンド性能の対応がより正確に把握できるが、多大な時間と手間を要して現実的でないので、ここではなるべく多くの要因を考慮しつつ、なるべく少ない実験回数で対応関係を把握するために実験計画法L18(上田太一郎,タグチメソッド完全理解実践マニュアル,日本ビジネスレポート,1998,Oct)を用いた。
【0035】
上述した結果、実験により得られた生データは、図5に示す表2のとおりである。
【0036】
次に、非数値化データ(カテゴリカルデータ)の数量化処理について説明する。すなわち、実験条件とMIB情報を同時に扱うため、カテゴリ別になっている実験条件を数量化する。詳しくは、上述した実験条件は、順序づけのない種類を表したデータ(カテゴリカルデータ)であるので、そのまま回帰分析に用いることはできない。そこで、数量化法1類により実験条件を数値データに変換する。このように実験条件を数値化したものが図6に示す表3である。但し、U(想定負荷量)は想定した負荷であるが、負荷に関してMIBデータを収集しているので、このMIBデータを使用することにし、変換後の表には含めなかった。
【0037】
ここで、表3の作成方法について”proto(プロトコル比率)”を例にとって説明する(詳細は、統計学辞典、竹内他、pp.368-370,参照)。
【0038】
まず、proto の要素であるTCP,T&U,UDPのうち、基準となる任意の要素を選択する。今回の例では、UDPを選択する。
【0039】
それから、1つのカテゴリカル変数proto に対して”UDP→TCP”と”UDP→T&U”の2つの変数を用意し、各測定に対して測定条件がTCPの場合は、”UDP→TCP”を1とし、測定条件がT&Uの場合は、”UDP→T&U”を1とする。その他の欄は0とする。
【0040】
ここで作成した各変数に対する係数の意味づけは、UDP→TCPの場合、「proto をUDPからTCPに変えた時の推定値の差」である。
【0041】
次に、エンドエンド性能の推定に最適な変数を選択する。MIB情報と数量化された実験条件(以下、説明変数の候補と呼ぶ)のうちからエンドエンド性能の予測に用いる変数として最も適している組み合わせを選択する。すなわち、推定するのに用いるデータのうち、いくつかの項目を説明変数として選び、推定したい性能尺度を目的変数として線形重回帰モデルを考えた場合、各説明変数に関して、モデルに含まれる場合と含まれない場合の2通り考えられる。
【0042】
すべての変数について考えると、2の”変数の数”乗の組み合わせのモデルが考えられる。これらのモデルから、最適なものを選択するわけであるが、その時の適合度を表す尺度として以下に説明するような尺度を用いることができる。実施に当たっては、すべてのモデルに関して調べることは時間がかかるので、
(1)初期モデルを任意に決める。
【0043】
(2)それぞれの変数が現在のモデルに含まれていれば、その変数を除いたモデルを考え、現在のモデルに含まれていなければ、その変数を付け加えたモデルを考え、合計で変数の数だけのモデルを考える。
【0044】
(3)上述したように考えたモデルに関して、最適なモデルを考える。
【0045】
(4)このように考えた最適なモデルと現在のモデルが同じであれば、そのモデルを(局所)最適モデルとする。そうでない場合には、(3)で考えたモデルを現在のモデルとし、(2)に戻る。
【0046】
以上の手順により、(局所)最適モデルが求まる。適合度は単調減少であり、考えられるモデルも有限であるから、適合度は以上のステップを高々2の”変数の数”乗の回数の繰り返しで終了する(Sにおける変数減増法)。
【0047】
上述したモデルの適合度を表す尺度として、赤池情報量基準(AIC)(情報統計学、坂元他、pp.138-140、式(8.33)参照)を用いる。すなわち、注目しているモデルに関して、重回帰分析を用いて各変数に対する係数を求める(係数決定法は情報統計学、坂元他、pp.138-139、式(8.30)参照)。係数が決まれば、そのモデルに関して赤池情報量基準(AIC)を計算することができる。このAICが小さい方が適したモデルといえる。すなわち、モデルに含まれる変数の組がエンドエンド性能予測に適しているといえる。この時の回帰式がエンドエンド性能の予測式である。
【0048】
図7に示す表4は、目的変数の選択の経緯を表したものである。表4において、stepの欄は変数の出し入れの操作を何回行ったかを表している。次に、それぞれの行の説明を行う。
【0049】
表4におけるstep0では、まず説明変数が全く含まれていないモデルを考える。その時のAICが「現在のAIC」欄に記されている。右の欄は、それぞれの変数が説明変数としてモデルに加えられた時のAICを表している。step0行に記入されている数値の中で最小のものは、「損失率」欄の−201.10である。そこで、次のstepでは、「損失率」を説明変数にとるモデルに関して考える。
【0050】
次のstep1では、「損失率」を説明変数に取るモデルとそれぞれの変数がモデルに加えられたときのAICが表されている。但し、括弧()で示された欄は、該当する変数がモデルから除かれた時のAICを表している。step1行に記入されている数値の中で最小のものは、「フロー数8→2」欄の−201.40である。
【0051】
step2では、次に「損失率」と「フロー数8→2」を説明変数として取るモデルから説明変数を増減させることを考える。step2行に記入されている数値の中で最小のものは、「現在のAIC」欄である。これは、現在のモデルから1変数を増減させたものの中では、より適したモデルは存在しないということを表している。そこで、現在のモデルを局所最適解とする。
【0052】
ここで求まったモデルは、y=(UDPスループット)、x1 =(損失率)、x2 =(フロー数を8から2に変化させることを意味する数量化変数)とおくと、
【数1】
y=(5.2×10-3)−(2.2×10-3)x1 −(3.3×10-4)x2
と書き表すことができる。
【0053】
回帰係数に関する統計量を図8に示す表5に示す。但し、a0 は定数項、a1 ,a2 はそれぞれx1 ,x2 の回帰係数を表す。
【0054】
次に、この結果について考察して、選択された変数の正当性について検証する。実験条件のうち、説明変数として採用されたものがあった場合、それらの正当性を検定を用いて検証する。以下の仮説を立てて、有意水準5%でF検定を試みた。
【0055】
帰無仮説、すなわちUDPスループットとフロー数には相関がない。
【0056】
分散分析を行った結果、F値の上側確率は、0.65であり、棄却できないので、測定データから相関があるとは言えないことになる。
【0057】
そこで、改めてyをx1 のみで回帰した結果が図9に示す表6となり、最終的に
【数2】
y=(5.1×10-3)−(2.1×10-2)x1
とモデル化する。
【0058】
次に、グラフを書いて、目標とするエンドエンド性能から管理に用いる損失率に対する管理閾値を導出する。上述したように求めたモデルの回帰直線およびUDPスループットの推定値の95%信頼区間を図10に示す。
【0059】
管理目標の一例として、今回の実験で用いたような測定用トラヒックを流した場合のスループットを平均0.004Mbps に保つという管理目標に対する管理閾値は、図10から、着目しているボトルネックにおける平均損失率5%を閾値に用いればよいことになる。
【0060】
次に、本発明の他の実施形態に係る通信品質推定方法について説明する。
【0061】
上述した図1〜図10に示した実施形態では、容易に入手できるネットワーク内のNEで容易に得られる品質情報であるMIB情報を用いて、容易に入手できないエンドエンドの品質情報を入手する通信品質推定方法について説明した。この方法は、エンドエンド品質がNEから得られる品質情報に対して線形に近い場合に良好な精度を得ることはできるが、線形近似できない場合には、推定精度があまり良くないということがある。
【0062】
そこで、本実施形態の通信品質推定方法では、線形重回帰モデルの代わりに多変量多項式回帰モデルを使用し、これにより容易に入手できる各NEにおけるMIB情報に対してエンドエンド品質が線形近似できない場合でも、MIB情報からエンドエンドの品質を適確に推定することができるようにしたものである。
【0063】
更に詳しくは、図11以降の図面を参照して説明する。図11に示すようなネットワークにおいて、性能上ボトルネックになると思われる回線が2ヶ所ある(ボトルネック回線115,121)。このようなネットワークにおいて、ホスト111からホスト125にパケットを往復させた場合の往復時間yを測定した場合について説明する。すなわち、この測定した往復時間は、測定用のパケットがホスト111からルータ113,117,119,123を通ってホスト125に至り、このホスト125から再度ルータ123,119,117,113を通ってホスト111に至るまでに要した時間である。また、この往復時間と同時にボトルネック回線115,121における両方向の回線の使用率x1 ,x2 ,x3 ,x4 も測定した。ここで、この回線使用率x1 ,x2 ,x3 ,x4 から往復時間yを推定するためのモデルについて考えると、次式のようになる。
【0064】
【数3】
Figure 0003648429
ここで、aは該当する項の係数であり、n1 ,n2 ,n3 ,n4 はx1 ,x2 ,x3 ,x4 に対する次数であり、a10,a20,a30,a40はそれぞれ0とする。
【0065】
次数n1 ,n2 ,n3 ,n4 が決定されると、aは最小AIC(赤池情報量基準)によって決定されるので、n1 ,n2 ,n3 ,n4 を図12および図13に示すようにステップワイズ法により決定する。
【0066】
上述したように求めたモデル(n1 =5,n2 =0,n3 =0,n4 =1)の回帰式は、次式のようになる。
【0067】
【数4】
Figure 0003648429
各回帰係数とその統計量は図14に示す表7の通りである。これは、今回用いたサンプルのうち、x1 ,x4 の2種類の回線使用率を使用し、式(2)に代入すれば、往復遅延を精度良く推定できることを表している。ここで、x4 に着目すると、最高次の回帰係数a41のt値上側確率が0.093であり、有意度5%のt検定で有意とはみなされない。一方、x1 最高次の回帰係数a15のt値上側確率は0.0014であり、x1 が非常に有意であることを示している。そこで、x1 のみによる多項式モデルを考え、回帰式を求めたところ、次に示す式(3)に示すようになった。
【0068】
【数5】
Figure 0003648429
各回帰係数とその統計量は、図15に示す表8の通りである。上記回帰式と95%信頼区間に測定値を重ねると、図16に示すようになる。この図16から、使用率の変化に伴う遅延の急激な増大を適切にモデル化できていることがわかる。
【0069】
図1〜図10に示した実施形態の通信品質推定方法によって求めたモデルは、次に示す式(4)となり、回帰係数に関する統計量は、図17の表9に示すようになる。また、このモデルのAICは、19833.44である。
【0070】
y=a0 +a111 +a313 …(4)
上述した図1〜図10に示した実施形態の通信品質推定方法によって求めたモデルのAICは、19833.44であるのに比べて、図11以降に示した本実施形態によるモデルのAICは、19031.48であり、本実施形態の方がより良くエンドエンド品質を推定することができることがわかる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下で各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、このデータのうち非数値データを数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の線形重回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドの品質を推定するので、容易に入手できる各NEにおけるMIB情報からエンドエンドの品質を適確に推定することができる。
【0072】
また、本発明によれば、種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下で各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、このデータのうち非数値データを数量化理論で数量化し、この得られた数値化データに対して複数の多変量多項式回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドの品質を推定するので、容易に入手できる各NEにおけるMIB情報に対してエンドエンド品質が線形近似できない場合でも、MIB情報からエンドエンドの品質を適確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信品質推定方法を実施するために使用されるネットワークNW1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る通信品質推定方法を実施するために使用されるネットワークNW2の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る通信品質推定方法を実施するために使用されるネットワークNW3の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における性能測定用トラヒックを示す表1を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における実験で得られた生データを示す表2を示す図である。
【図6】図5に示したデータのうち非数値化データを数量化処理したデータを示す表3を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における目的変数の選択の経緯を示す表4を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における変数増減法で求まった回帰係数に関する統計量を示す表5を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における最終モデルの回帰係数に関する統計量を示す表6を示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるモデルの回帰直線およびUDPスループットの推定値の95%信頼区間を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る通信品質推定方法を説明するためのネットワーク構成を示す図である。
【図12】図11に示した実施形態において回線使用率を推定するためのモデルにおける次数n1 ,n2 ,n3 ,n4 を決定するためのステップワイズ法における各ステップの変化の一部を示す図である。
【図13】図12に続くステップワイズ法における各ステップの変化の残り部分を示す図である。
【図14】x1 ,x4 による回帰式の係数とその統計量を示す表7を示す図である。
【図15】x1 による回帰式の係数とその統計量を示す表8を示す図である。
【図16】回帰式と95%信頼区間に測定値を重ねて回線使用率(x1 )に対する往復遅延を示すグラフである。
【図17】x1 による回帰式の係数とその統計量を示す表9を示す図である。
【符号の説明】
1 デスクトップ型サーバ
3 ノートブック型サーバ
5 MIB収集用端末
9 上流側ルータ
11 局側加入者線終端装置(SLT)
13 スターカプラ(SC)
15 加入者側加入者線終端装置(ONU)
17 加入者宅内ルータ(mR)
19 端末
21 高機能加入者宅内ルータ(Cisco)

Claims (4)

  1. 種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、
    この入手したデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについては数量化理論で数量化し、
    この得られた数値化データに対して複数の線形重回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、
    該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定すること
    を特徴とする通信品質推定方法。
  2. 種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定したデータを入力する入力手段と、
    この入力されたデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについて数量化理論で数量化する数量化手段と、
    この得られた数値化データに対して複数の線形重回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定するモデル選定手段と、
    この選定した最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定する推定手段と
    を有することを特徴とする通信品質推定装置。
  3. 種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定してデータを入手し、
    この入手したデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについては数量化理論で数量化し、 この得られた数値化データに対して複数の多変量多項式回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定し、
    該最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定すること
    を特徴とする通信品質推定方法。
  4. 種々のネットワーク構成、背景トラヒックの条件の下でネットワーク内の各ネットワーク構成機器からMIB情報およびエンドエンドの品質を測定したデータを入力する入力手段と、
    この入力されたデータのうち、ネットワーク構成、背景トラヒックのような非数値データについて数量化理論で数量化する数量化手段と、
    この得られた数値化データに対して複数の多変量多項式回帰モデルの適合度を調べ、最も良く適合するモデルを最適モデルとして選定するモデル選定手段と、
    この選定した最適モデルにMIB情報を入力してエンドエンドのスループット品質を推定する推定手段と
    を有することを特徴とする通信品質推定装置。
JP2000061229A 1999-05-27 2000-03-06 通信品質推定方法および装置 Expired - Fee Related JP3648429B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000061229A JP3648429B2 (ja) 1999-05-27 2000-03-06 通信品質推定方法および装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14871299 1999-05-27
JP11-148712 1999-05-27
JP2000061229A JP3648429B2 (ja) 1999-05-27 2000-03-06 通信品質推定方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001044998A JP2001044998A (ja) 2001-02-16
JP3648429B2 true JP3648429B2 (ja) 2005-05-18

Family

ID=26478822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000061229A Expired - Fee Related JP3648429B2 (ja) 1999-05-27 2000-03-06 通信品質推定方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3648429B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05284157A (ja) * 1992-03-31 1993-10-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 符号誤り品質監視装置
JPH09167152A (ja) * 1995-12-19 1997-06-24 Hitachi Ltd 対話的モデル作成方法
JPH10276196A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Ando Electric Co Ltd 通信監視装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001044998A (ja) 2001-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7782796B2 (en) Method for generating an annotated network topology
US20070217448A1 (en) Estimating Available Bandwidth With Multiple Overloading Streams
US20030158930A1 (en) Executable application network impact and load characteristic estimation system
Charisma et al. Analysis Quality of Service (QoS) on 4G Telkomsel Networks In Soreang
Attar et al. E-health communication system with multiservice data traffic evaluation based on a G/G/1 analysis method
Sun et al. Internet QoS and traffic modelling
Hernández-Orallo et al. Network queue and loss analysis using histogram-based traffic models
JP3648429B2 (ja) 通信品質推定方法および装置
Mandjes et al. Resource dimensioning through buffer sampling
Papadopoulos et al. Efficient identification of uncongested Internet links for topology downscaling
Aida et al. CoMPACT-Monitor: Change-of-measure based passive/active monitoring weighted active sampling scheme to infer QoS
Watabe et al. Accurate loss estimation technique utilizing parallel flow monitoring
TWM598572U (zh) 聯網裝置及通訊系統
de Oliveira Schmidt et al. Impact of packet sampling on link dimensioning
Deart et al. HTTP traffic measurements on access networks, analysis of results and simulation
Fras et al. Impact of P2P traffic on IP communication networks’ performances
Ashour et al. Priority queuing of long-range dependent traffic
Sardellitti et al. In Band Network Telemetry Overhead Reduction Based on Data Flows Sampling and Recovering
Park et al. Internet traffic measurement and analysis in a high speed network environment: Workload and flow characteristics
US8284676B1 (en) Using measurements from real calls to reduce the number of test calls for network testing
Ismail et al. Comparing the accuracy of end-to-end network performance measurement testbed and simulation model for data transfers in heterogeneous environment
KR100708450B1 (ko) 네트워크 노드간의 단대단 가용 대역폭 측정 방법
Leong et al. Performance evaluation of optimized available bandwidth estimation tools in FTTH networks
Al-Shehri et al. Towards Taxonomy of Telecommunication Network Metrics
Kajackas et al. Autonomous system for observation of QoS in telecommunications networks

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees