JP3647938B2 - 軟質ポリウレタンの加工方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、軟質ポリウレタンの加工方法に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来、所望形状の木型を製造し、木型から金型を製造し、金型内に軟質ポリウレタンの発砲体を注入して発泡させて、所望形状の軟質ポリウレタン形状モデルを得る成形方法は周知である。
また、従来、公知公報はないが、必要とする形状より大なる大きさのウレタンブロックを、金属ブラシにより手作業で、所望形状にする加工方法は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知例のうち前者の成形方法は、大量生産するには非常に良いが、新製品の形状を決定するために、少数の相違する形状のものを製造するのには、相当なコストが係る。
また、後者の手作業による加工方法では、豊富な経験と勘という熟練を要し、この点で、正確な所望形状の形状モデルを得るのが困難であるという課題がある。即ち、軟質ポリウレタンの場合、弾性復元力を有しているから、外面形状が変化しやすく、正確に希望する形状に制作するには、外形が決定される前記金型による成形となり、切削加工は困難とされていたのである。
【0004】
【発明の目的】
少数の正確な形状の軟質ポリウレタン形状モデルの提供、コストの削減。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、必要とする形状より大なる大きさの軟質ポリウレタンブロック1を固定台座2に固定し、アーム5の先端に設けた回転切削刃3を前記ウレタンブロック1に対して3次元方向に移動させ、前記回転切削刃3は、その刃部6を、モーター4により高速で前記ウレタンブロック1の当接部分が弾性変形して切削刃3と共回りしないように、しかも、切削刃3がウレタンブロック1に当接したときの摩擦抵抗を小となるように、回転切削刃3の回転速度と移動速度を相対的に設定すると共に、前記回転切削刃3の当接圧力、送り速度および切削形状の情報等の数値を制御部に入力し、前記入力する数値は前記回転切削刃3の通過する軌跡と通過後のウレタンブロック1の復元を予測した数値とし、この数値に基づいて自動制御する自動数値制御型加工装置により前記切削刃3を回転移動するように構成した軟質ポリウレタンの加工方法としたものである。
【0006】
【実施例】
本発明の方法を実施しうる装置の実施例を図面により説明すると、1は軟質ポリウレタン(イソシアネートと活性水素等の反応で生成するといわれ、密度は0.018 〜0.024g/cc ぐらいの車両関係、家具等に使用されるものをいう)のウレタンブロックであり、ウレタンブロック1は必要とする形状より大なる大きさに形成し、任意の固定台座2に固定する。3はウレタンブロック1を切削加工する回転切削刃であり、モーター4に取付け、モーター4は自動数値制御型加工装置のアーム5に取付ける。自動数値制御型加工装置は回転切削刃3を3次元方向にアーム5により移動させて前記ウレタンブロック1のあらゆる部分に当接させると共に、回転切削刃3の回転数、当接圧力、送り速度、切削しようとする外形形状等を制御部に数値入力することにより自動制御する。なお、回転切削刃3はアーム5に設けた取付部に取付け、別に設けたモーター4から回転を伝達する構成でももちろんよい。
【0007】
しかして、前記回転切削刃3は、高速回転でウレタンブロック1に当接して摩擦抵抗が小になるように、回転切削刃3の回転速度と移動速度を相対的に設定して移動させる。
従来、軟質ポリウレタンは、外面形状が変化するので、切削加工は困難とされており、単に、回転切削刃3により軟質ポリウレタンを切削加工しようとすると、回転切削刃3とウレタンブロック1が共回りして、必要以上にむしり取ってしまい、所望形状に加工できなかった。即ち、金属ブラシの手作業による加工は、金属ブラシを往復摺動させるので、むしるという問題はないが、勘による作業のため、金型による成形と同じように正確に希望する形状に制作するのは難しい。
【0008】
実験研究したところによると、回転切削刃3の回転に対して、ウレタンブロック1の当接部分が所定時間を越えて弾性変形しないようにすると、ウレタンブロック1は回転切削刃3と共回りしない。
即ち、回転切削刃3の移動速度(当接圧力)に対して回転速度が遅いと、回転切削刃3の刃部6がウレタンブロック1を回転方向に所定時間を越えて圧縮させて弾性変形させ、これにより回転切削刃3とウレタンブロック1の接触部分の摩擦抵抗が大になって、共回りしてむしられるが、所定の高速回転させた回転切削刃3をウレタンブロック1に当接させると、刃部6がウレタンブロック1を回転方向に圧縮する時間が短くなって、接触部分の摩擦抵抗が小になり、ウレタンブロック1の当接部分を回転切削刃3と共回りさせてむしり取るのを防止して、確実に切削のみ行える。
【0009】
そこで、回転切削刃3の通過する軌跡と、通過後のウレタンブロック1の復元は、ウレタンブロック1の材質より予想できるので、この予想に基づいて形状を数値入力すると、正確なモデル形状に切削加工する。
なお、回転切削刃3は、特殊なものではなく、切削加工に使用されるものであればいずれのものでも使用できるが、余りに小径なもの余りに大径なものは、周速度が極端になり不適切であり、実施例では直径20mmぐらいのものが好適であった。
【0010】
【作用】
次に作用を述べる。
ウレタンブロック1が回転切削刃3と共回りしないような5000rpm 〜20000rpmで回転切削刃3を回転させ、最初に4m/min 程度で移動させて、図1から図2のように荒加工を行い、次に、コーナーや細部を1m/min 程度で移動させて仕上すると、ウレタンブロック1はクッション材となる。
【0011】
この場合、回転切削刃3の回転速度が高速回転になるように、回転切削刃3の回転速度と移動速度を相対的に設定しているから、刃部6がウレタンブロック1を回転方向に圧縮する時間が短くなって回転切削刃3とウレタンブロック1の接触部分の摩擦抵抗を小にし、共回りするのを防止して確実に切削のみ行え、回転切削刃3とウレタンブロック1の当接部分の弾性変形を極力少なくするので、回転切削刃3により切削した後の形状の変化もなく、所望形状に切削加工できる。即ち、回転切削刃3の通過する軌跡と、通過後のウレタンブロック1の復元は、ウレタンブロック1の材質より予想できるので、この予想に基づいて形状を数値入力すると、正確なモデル形状に切削加工する。
【0012】
回転切削刃3による加工は、いずれの形状でもできるので、車両用シートのクッション材、あるいはヘッドレストのクッション材等を加工成形できる。特に、車両用シートやヘッドレストの形状を把握するために制作する試作モデルのとき、コストが低く、実際のウレタンを使用できるので、判断容易である。
また、前記回転切削刃3は、該回転切削刃3を3次元方向に移動可能のアーム5を有し、回転数、当接圧力、送り速度等を制御部に数値入力することにより自動制御する自動数値制御型加工装置により回転移動させるようにしたから、正確に移動させ、所望形状の軟質ポリウレタン形状モデルを提供する。
【0013】
【効果】
本発明は、必要とする形状より大なる大きさの軟質ポリウレタンブロック1を固定台座2に固定し、アーム5の先端に設けた回転切削刃3を前記ウレタンブロック1に対して3次元方向に移動させ、前記回転切削刃3は、その刃部6を、モーター4により高速で前記ウレタンブロック1の当接部分が弾性変形して切削刃3と共回りしないように、しかも、切削刃3がウレタンブロック1に当接したときの摩擦抵抗を小となるように、回転切削刃3の回転速度と移動速度を相対的に設定すると共に、前記回転切削刃3の当接圧力、送り速度および切削形状の情報等の数値を制御部に入力し、前記入力する数値は前記回転切削刃3の通過する軌跡と通過後のウレタンブロック1の復元を予測した数値とし、この数値に基づいて自動制御する自動数値制御型加工装置により前記切削刃3を回転移動するように構成した軟質ポリウレタンの加工方法としたものであるから、
a.回転切削刃3では無理であるとされていた軟質ポリウレタンブロック1の切削加工を、回転切削刃3では無理であるとする理由となる回転切削刃3の通過軌跡とウレタン外観形状のずれがむしりにあることを知見したことにより、軟質ポリウレタンブロックを手作業でなく可能にした効果を奏する。
b.モーター4により回転する回転切削刃3を使用するので、手作業の場合に比し、作業が簡単であり、回転切削刃3の通過する軌跡と、通過後のウレタンブロック1の復元は僅かであってウレタンブロック1の材質より予想できるので、この予想に基づいて回転切削刃3を移動させることにより、手作業による加 工では得られない正確な形状のモデルに加工できる。
c.制作コストを制作個数に対して著しく低くできる。
d.回転切削刃3の通過する軌跡と、通過後のウレタンブロック1の僅かな復元(変形)を予想して、この予想に基づいて形状を数値入力すると、手作業による加工では得られない正確な形状のモデルに加工でき、加工を全部自動化できる。
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウレタンブロックを固定台座に固定した状態図。
【図2】 ウレタンブロックを部分的に加工した状態図。
【図3】 ウレタンブロックを加工して車両用シートのクッション材モデルにした状態図。
【図4】 ウレタンブロックの加工状態図。
【図5】 ウレタンブロックの加工状態図。
【図6】 回転刃の側面図。
【図7】 A−A断面図。
【図8】 回転切削刃の先端図。
【符号の説明】
1…ウレタンブロック、2…固定台座、3…回転切削刃、4…モーター、5…アーム、6…刃部。
Claims (1)
- 必要とする形状より大なる大きさの軟質ポリウレタンブロック1を固定台座2に固定し、アーム5の先端に設けた回転切削刃3を前記ウレタンブロック1に対して3次元方向に移動させ、前記回転切削刃3は、その刃部6を、モーター4により高速で前記ウレタンブロック1の当接部分が弾性変形して切削刃3と共回りしないように、しかも、切削刃3がウレタンブロック1に当接したときの摩擦抵抗を小となるように、回転切削刃3の回転速度と移動速度を相対的に設定すると共に、前記回転切削刃3の当接圧力、送り速度および切削形状の情報等の数値を制御部に入力し、前記入力する数値は前記回転切削刃3の通過する軌跡と通過後のウレタンブロック1の復元を予測した数値とし、この数値に基づいて自動制御する自動数値制御型加工装置により前記切削刃3を回転移動するように構成した軟質ポリウレタンの加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22710795A JP3647938B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 軟質ポリウレタンの加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22710795A JP3647938B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 軟質ポリウレタンの加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0957516A JPH0957516A (ja) | 1997-03-04 |
JP3647938B2 true JP3647938B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=16855595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22710795A Expired - Lifetime JP3647938B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 軟質ポリウレタンの加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3647938B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6704431B1 (en) | 1998-09-04 | 2004-03-09 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Method and apparatus for digital watermarking |
KR101926173B1 (ko) * | 2016-10-31 | 2019-02-26 | 연세대학교 원주산학협력단 | 욕창을 방지할 수 있는 쿠션 제작 방법 및 이를 이용하여 제작된 쿠션 |
-
1995
- 1995-08-11 JP JP22710795A patent/JP3647938B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0957516A (ja) | 1997-03-04 |
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