JP3647557B2 - 換気ガラリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は強風時等に雨水が室内側に侵入することを防止し得る換気ガラリに係り、特に複数枚の固定ルーバー或いは複数のガラリ部を表側に有する固定ルーバーを用いて1個の通気部を形成すると共に、この通気部に1枚の可動フラップで該通気部の一部を閉鎖し得るように構成した換気ガラリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来もこの種の換気ガラリについては、種々の技術が開発されている。例えば、本件特許出願人が開発した特公平3ー29516号公報(第1公知技術)、或いは特開昭63ー251548号公報(第2公知技術)、特開平5ー295959号公報(第3公知技術)、特公昭49ー35781号公報(第4公知技術)及び実開昭63ー167589号公報(第5公知技術)等に示す技術が知られている。
【0003】
前記第1公知技術は、固定ルーバーの一部に断面碗型溝条を設け、かつ可動フラップの一部に支持アームを介して丸棒を設け、これ等の丸棒を前記碗型溝条に回動自在に嵌入することによって、可動フラップが強風時に自動的に回動し得るようにした構造の技術である。また第2公知技術は、表面側に換気ガラリと網体とが設けられた外壁の内部の一部をくり抜いて換気フードを形成し、この換気フードに設けた開口部をダンパーで開閉するようにした技術である。
【0004】
第3公知技術は、外壁の一部に通気路を形成し、この通気路をじゃま板で遮断するようにした技術である。第4公知技術は、通気窓の側枠に複数のスラット片を設けると共に相互間に通気路を設け、これ等の通気路を夫々可動式シャッター片で閉鎖し得るように構成した通気窓の技術である。更に第5公知技術は、窓の側枠に複数の固定式傾斜板を設けてその間に通気路を設け、かつ各傾斜板の間に可動式フラップを設け、このフラップによって通気路を閉鎖し得るようにした構造である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前述の第1公知技術、第4公知技術及び第5公知技術に於いては、夫々1枚の固定ルーバーに対して1枚の可動フラップが組まれているために、1個の換気ガラリに形成される通気路の数が多くなり、全体の構成が複雑であり、構成部品数も多くなる等の問題があった。また、組立作業が複雑で効率悪く、しかも多数の通気部を個々に可動フラップで閉鎖しなければならないので、水密性が悪くなる問題もあった。その上に永年使用していると可動フラップの回動に問題が出来て来たりして、故障が生ずる可能性もあった。
【0006】
更に、前述の第2公知技術及び第3公知技術は、夫々外壁内に通気用の開口を設け、この開口内に換気フードを形成し、かつ換気フード内に可動フラップ(タンパー)を取付けなければならず、作業が大がかりであり、構成が複雑で、コスト高になる問題があった。特に第2公知技術の場合には、換気ガラリとは全く別に換気ガラリが表面に取付けられた外壁自体に、前記換気フードを構成しなければならない問題があった。
【0007】
本発明に係る換気ガラリは、前述の従来の問題点に鑑み開発された全く新しい技術であって、特に複数枚の固定ルーバーを組合せることによって1個の通気部を形成し、かつこの1個の通気部に1枚の可動フラップを取付けて通気部を開閉し得るように構成した全く新しい構造の換気ガラリを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る換気ガラリは、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術であって、その第1発明の要旨は、水平部の後端に背板部が起立され、かつ該水平部の前部に先端部が下方に垂直に折り曲げられた上ガラリ部と下ガラリ部とが設けられ、さらに該背板部の上部と上ガラリ部の水平部とに通気口が設けられた第1固定ルーバーと、通気口を有する水平部の先端部を下方に折り曲げてガラリ部が形成された第2固定ルーバーと、これ等の第1固定ルーバーと第2固定ルーバーとを上下に配列して組込むことが可能な側枠とよりなり、前記第2固定ルーバーの後端を第1固定ルーバーの背板部の所定位置に固定した状態のセット部材が複数前記側枠に組込まれており、前記第1固定ルーバーの下面及び背板部と第2固定ルーバーの上面とによって形成される通気部内に1枚の可動フラップが回動自在に設けられて該通気部の背板部の通気口を開閉し得るように構成されていることを特徴とした換気ガラリである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る換気ガラリの一実施例を具体的に説明すると、図1は第1実施例の換気ガラリの縦断面図、図2は図1の構成要部を示す斜視説明図、図3は第2実施例の換気ガラリの縦断面図、図4は図3の構成要部を示す斜視説明図、図5は第3実施例の換気ガラリの縦断面図、図6は図5の構成要部を示す斜視説明図である。
【0010】
図1及び図2に於いて、第1実施例の換気ガラリについて説明すると次の通りである。即ち、1は第1固定ルーバーであって、その水平部1aの後端部は上方に垂直に折曲がって背板部1bを形成し、その水平部1aの前部は途中から上下に分かれて上ガラリ部1c、下ガラリ部1dを形成している。これ等のガラリ部1c,1dはその先端部が下方に垂直に折り曲げられている。
【0011】
2は第2固定ルーバーであって、前記第1固定ルーバー1の水平部1aの上方に所定の間隔を保って水平に設けられ、その先端部は下方に折曲がってガラリ部2aを形成し、かつ第2固定ルーバー2の後端は、前記第1固定ルーバー1の背板部1bの所定位置に固定されている。これ等の第1固定ルーバーと第2固定ルーバー2とは夫々押出成形方式によって、予め一体成形されている。
【0012】
前記第1固定ルーバー1の背板部1bの上部には、複数個の通気口3が左右に並列して設けられている。また、上ガラリ部1cの水平部にも複数個の通気口4が設けられている。更に第2固定ルーバー2の水平部にも複数個の通気口5が設けられている。
【0013】
本発明に係る第1実施例に係る換気ガラリは、前述の如く、第1固定ルーバー1と第2固定ルーバー2とが一体的に連結されており、かつ第1固定ルーバー1の上ガラリ部1cと第2固定ルーバー2とに夫々通気口4,5が設けられているので、図1及び図2に示す如く、これ等のセットを複数個順に連結して組合せることによって、上下の第1固定ルーバー1と第2固定ルーバーによって、その両者間に1個の通気部6を形成することが出来る。
【0014】
即ち、上ガラリ部1cと第2固定ルーバー2とに通気口4,5が設けられているので、上下に配列された第1固定ルーバー1,1の下ガラリ部1d、水平部1a及び背板部1bとによって1個の通気部6を形成することが出来る。この通気部6の前側は、下ガラリ部1d、上ガラリ部1c、第2固定ルーバー2のガラリ部2aの相互間に設けられた隙間或は前記通気口4、5を介して屋外に連通されており、かつ通気部6の後側に背板部1bに設けられた通気口3によって室内側に連通されている。
【0015】
従って、通常は第1固定ルーバー1の上下ガラリ部1c,1d及び第2固定ルーバー2のガラリ部2aの隙間より流入した空気は、全て1個の通気部6を通過した後で、背板部1bの通気口3を通過して室内側に流入するように構成されている。
【0016】
図1及び図2に於いて、7は可動フラップであって、第1固定ルーバー1の水平部1aの下面に回動自在に取付けられており、台風等で屋外の気圧が高くなったような場合には、図に示すように前記通気部6を閉鎖し得るように構成されている。前記可動フラップ7の元端には丸棒部7aが設けられ、かつ水平部1aの下面には該丸棒7aを回動自在に嵌入し得る碗状溝8が設けられており、該丸棒部7aを碗状溝8に嵌入することによって、可動フラップ7は第1固定ルーバー1に簡単にかつ回動自在に取付けることが出来るように構成されている。
【0017】
図中9は換気ガラリの側枠であって、これ等の側枠9の中に前述の第1固定ルーバー1と第2固定ルーバー2とを組込んで相互に連結することによって、本発明に係る換気ガラリを極めて簡単に組立構成することが出来る。
【0018】
上記第1実施例に於いては、第1固定ルーバー1に第2固定ルーバー2を一体的に連結固定された構造の換気ガラリについて説明したが、これ等の固定ルーバー1,2を一体的に連結固定せずに、図3及び図4の第2実施例に示す如く、複数個の固定ルーバー11,12,13を夫々換気ガラリの側枠19に別々に取付けることによっても本発明の換気ガラリを構成することも出来る。
【0019】
即ち、図3及び図4に於いて、11は第1固定ルーバーであって、水平部11aの後端部を上方に垂直に折曲げて背板部11bが形成され、かつ水平部11aの前端部を下方に垂直に折曲げて垂直部11cが形成され、かつこの垂直部11cの下端部を逆L状に折曲げてガラリ部11dが形成されている。また、12,13は夫々第2固定ルーバー及び第3固定ルーバーであって、夫々の前端部には、下方に折曲がったガラリ部12a,13aが形成されている。前記背板部11bの上部には通気口14が穿設されている。
【0020】
第2実施例に係る換気ガラリを組立構成するに当たっては、図3に示す如く、側枠19の中に夫々固定ルーバー11,12,13を夫々組込み、かつこれ等の固定ルーバー11,12,13を側枠19にビス止めすることによって構成することが出来る。
【0021】
第2実施例の場合には、側枠19内で上下に配列された第1固定ルーバー11のみによって1個の通気部15を構成することが出来、この通気部15の前側には、見せかけのガラリ部12a,13aが設けられている。また、16は可動フラップであって、第1固定ルーバー11の垂直部11cの裏面に回動自在に取付けられており、この可動フラップ16によって通気部15を閉鎖し得るように構成されている。
【0022】
前記第1及び第2実施例に於いては、複数個の固定ルーバーを組合せて使用することによって、複数のガラリ部と1個の通気部とを構成したが、図5及び図6の第3実施例に示す如く、複数個のガラリ部21d,21e,21fを前部に有する1種類の固定ルーバー21を使用することによっても、本発明の換気ガラリを構成することが出来る。
【0023】
図5及び図6に於いて、21は固定ルーバーであって、その水平部21aの後端部には高さの短い背板部21bが形成され、かつ水平部21aの前端部は下方に垂直に折曲がって垂直部21cを形成し、かつこの垂直部21cには夫々3個のガラリ部21d,21e,21fが夫々上下に所定の間隔を保って固定されている。ガラリ部21fの後端部には水平支持部21gが連設されている。
【0024】
前記垂直部21cと水平支持部21gとには夫々通気口22,23が設けられている。24は可動フラップであって、前記垂直部21cの裏面に回動自在に取付けられている。この第3実施例に於いては、固定ルーバー21を側枠25に組込んで取付けた場合に、上下の固定ルーバー21,21間に1個の通気部26を形成することが出来、かつこの通気部は前記可動フラップ24によって閉鎖することが出来るように構成されている。また、第3実施例の場合には、固定ルーバー21の背板部21bの高さが小さいので、これ等を上下に配置した場合には、背板部21b,21b間に通気口となる隙間が自動的に形成されるように構成されている。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る換気ガラリは、上述の構造と作用とを有するので、次のような多大な効果を有している。
【0026】
本発明に於ては、水平部の後端に背板部を設けかつ該水平部の前部に先端部が下方に垂直に折り曲げられた上ガラリ部と下ガラリ部とが設けられた第1固定ルーバーと、水平部の先端部を下方に折り曲げてガラリ部を形成した第2固定ルーバーとを上下に配列して側枠内に組み込んで構成するので、構成部品の点数を著しく削減して、製造時の加工工数を少なくし、作業能率を上げることが出来る。
【0027】
前記第1固定ルーバーの背板部の上部と上ガラリ部の水平部とに通気口を設けかつ第2固定ルーバーの水平部に通気口を設けたので、第1固定ルーバーの下面及び背板部と第2固定ルーバーの上面とによって通気部を形成することが出来、かつこの通気部に可動フラップを回動自在に設けることによって、該通気部を開閉することが出来る。
【0028】
前述の如く、2つの固定ルーバーに設けられた合計3個のガラリ部に対応して1個の通気部を形成するので、ガラリ部の数よりも少ない数の通気部を形成することが出来、これによって換気ガラリの水密性を向上させることが出来る。また、ガラリ部全体の面積に比較して小さな面積を有する通気部を形成することが出来る。さらに、ダミーのガラリ部を設けることが出来、ガラリピッチ、デザインの調整が簡単に行うことが出来る等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の換気ガラリの縦断面図である。
【図2】 図1の構成の要部を示す斜視説明図である。
【図3】 第2実施例の換気ガラリの縦断面図である。
【図4】 図3の構成の要部を示す斜視説明図である。
【図5】 第3実施例の換気ガラリの縦断面図である。
【図6】 図5の構成の要部を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
1,2,11,12,13,21 …固定ルーバー
1a,11a,21a …水平部
1b,11b,21b …背板部
1c,1d,2a,11d,12a …ガラリ部
13a,21d,21e,21f …ガラリ部
3,4,5,14,22,23 …通気口
6,15,26 …通気部
7,16,24 …可動フラップ
7a …丸棒部
8 …碗状溝
9,19,25 …側枠
21g …水平支持部
Claims (1)
- 水平部の後端に背板部が起立され、かつ該水平部の前部に先端部が下方に垂直に折り曲げられた上ガラリ部と下ガラリ部とが設けられ、さらに該背板部の上部と上ガラリ部の水平部とに通気口が設けられた第1固定ルーバーと、通気口を有する水平部の先端部を下方に折り曲げてガラリ部が形成された第2固定ルーバーと、これ等の第1固定ルーバーと第2固定ルーバーとを上下に配列して組込むことが可能な側枠とよりなり、前記第2固定ルーバーの後端を第1固定ルーバーの背板部の所定位置に固定した状態のセット部材が複数前記側枠に組込まれており、前記第1固定ルーバーの下面及び背板部と第2固定ルーバーの上面とによって形成される通気部内に1枚の可動フラップが回動自在に設けられて該通気部の背板部の通気口を開閉し得るように構成されていることを特徴とした換気ガラリ。
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JP20007796A JP3647557B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | 換気ガラリ |
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JPH1037620A JPH1037620A (ja) | 1998-02-10 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11198348B2 (en) * | 2016-01-12 | 2021-12-14 | Illinois Tool Works Inc. | Liquid-diverting pressure relief assembly |
US11203252B2 (en) | 2018-12-18 | 2021-12-21 | Illinois Tool Works Inc. | Staggered arrowhead retention clip for a pressure relief assembly |
-
1996
- 1996-07-30 JP JP20007796A patent/JP3647557B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11198348B2 (en) * | 2016-01-12 | 2021-12-14 | Illinois Tool Works Inc. | Liquid-diverting pressure relief assembly |
US11203252B2 (en) | 2018-12-18 | 2021-12-21 | Illinois Tool Works Inc. | Staggered arrowhead retention clip for a pressure relief assembly |
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Publication number | Publication date |
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JPH1037620A (ja) | 1998-02-10 |
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