JP3647317B2 - Liquid discharge head substrate, liquid discharge head, method for manufacturing liquid discharge head substrate, and method for manufacturing liquid discharge head - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを液体に作用させることで起こる気泡の発生によって所望の液体を吐出する液体吐出ヘッド及びその製造方法に関し、特に、熱エネルギーを発生させるための熱エネルギー発生素子等が形成された基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱等のエネルギーをインクに与えることで、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特許第4,723,129号明細書等の公報に開示されているように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、インク流路内に配されたインクを吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体が一般的に配されている。
【0003】
この様な記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができるとともに、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた点を有している。このため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムにまで利用されるようになってきている。
【0004】
ところで、インクを吐出するためのエネルギーを発生させるための電気熱変換体は、半導体製造プロセスを用いて作製することができる。そのため、バブルジェット技術を利用した従来のヘッドは、シリコン基板からなる素子基板上に電気熱変換体を形成し、その上に、インク流路を形成するための溝を形成した、ポリサルフォン等の樹脂やガラス等からなる天板を接合した構成となっている。
【0005】
また、素子基板がシリコン基板からなることを利用し、電気熱変換体を素子基板上に構成するだけでなく、電気熱変換体を駆動するためのドライバや、電気熱変換体をヘッドの温度に応じて制御する際に用いられる温度センサおよびその駆動制御部等を素子基板上に構成したものもある(特開平7−52387号公報等)。このようにドライバや温度センサおよびその駆動制御部等を素子基板上に構成したヘッドは実用に供されており、記録ヘッドの信頼性の向上及び装置の小型化に寄与している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
素子基板に温度センサを設けた従来の液体吐出ヘッドでは、温度センサは主に素子基板の温度を測定することが目的であった。しかし、近年の高密度記録が進む中、1回で吐出されるインクの量はますます少なくなり、基板の温度よりもインク自身の温度や濃度等の状態あるいは種類が記録に与える影響が大きくなってきた。つまり、吐出量が少なくなるにつれて、従来では大きな問題とはならなかったようなインクの状態等に起因する吐出量の差が、吐出量のばらつきとして目立つようになってきた。
【0007】
このような状況の中、従来の液体吐出ヘッドの温度センサの配置では、より正確なインクの状態等を検出することが困難であった。その理由は、従来の液体吐出ヘッドの温度センサは、電気熱変換体、駆動制御部とともに、半導体ウェハプロセス技術を用いて素子基板の表面に平面的に形成されていたものであるが、素子基板の表面近傍は、インクの流れが淀み易く、また、電気熱変換体からの熱の影響により大きな温度勾配をもつためであると考えられる。
【0008】
本発明の目的は、吐出する液体の状態を精度よく検出することによって、安定した吐出を可能とする液体吐出ヘッド、及びそれに用いられる液体吐出ヘッド用基板、さらには、それらの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の液体吐出ヘッド用基板は、液体に吐出エネルギーを与えることにより液流路を介して液体を吐出させる液体吐出ヘッドに用いられ、電気エネルギーを前記吐出エネルギーに変換するためのエネルギー変換素子が形成された半導体基板からなる液体吐出ヘッド用基板において、該液体吐出ヘッド用基板は、該基板の前記エネルギー変換素子を有する面から突出し、前記液流路を構成する壁面とは異なる支柱と、該支柱に支持される梁部材と、を備える立体構造部を有し、該梁部材に前記液体吐出ヘッド内での液体の状態を検出するためのセンサの検出部が配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記の本発明の液体吐出ヘッド用基板によれば、液体の状態を検出するためのセンサの検出部が立体構造部の梁部材に設けられているので、液体吐出ヘッドに使用されたとき、基板との境界部での液体の流れの影響やエネルギー発生素子が発する熱の影響が少ない状態で液体の状態が検出される。
【0011】
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する複数の吐出口と、互いに接合されることでそれぞれ前記吐出口と連通する複数の液流路を構成するための第1の基板および第2の基板と、電気エネルギーを前記液流路内の液体の吐出エネルギーに変換するために前記各液流路内に配された複数のエネルギー変換素子とを有する液体吐出ヘッドにおいて、前記液流路は、該液流路を構成する壁面から突出し、該液流路を構成する壁面とは異なる支柱と、該支柱に支持される梁部材と、を備える立体構造部を有し、該梁部材に前記液体吐出ヘッド内での液体の状態を検出するためのセンサの検出部が配置されていることを特徴とする。
【0012】
上記の本発明の液体吐出ヘッドによれば、液体の状態を検出するためのセンサの検出部が、液流路内の立体構造部の梁部材に設けられているので、液流路の壁面との境界部での液体の流れの影響やエネルギー発生素子が発する熱の影響が少ない状態で液体の状態が検出される。
【0013】
上記センサは、第1の基板に設けられていてもよいし、第2の基板に設けられていてもよい。また、液体の吐出効率の向上のために、エネルギー変換素子が、液体に熱エネルギーを作用させることで液体に気泡を発生させるものであり、このエネルギー発生素子に対面して配され、気泡によって変位する可動部材を有する場合には、この可動部材を立体構造部の梁部材として利用してもよい。
【0014】
本発明の液体吐出装置は、上記本発明の液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を前記液体吐出ヘッドに供給する駆動信号供給手段を有する。
【0015】
本発明の液体吐出ヘッド用基板の製造方法は、液体に吐出エネルギーを与えることにより液体を吐出させる液体吐出ヘッドに用いられ、電気エネルギーを前記吐出エネルギーに変換するためのエネルギー変換素子とが形成された半導体基板を有する液体吐出ヘッド用基板の製造方法において、
前記半導体基板上に、半導体材料を含む基材層を所定のパターンで形成する工程と、
前記基材層上に、検出すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化する検出部、及び前記検出部を前記半導体基板に形成された電気回路と電気的に接続する配線を形成する工程と、
前記検出部及び前記配線が形成された基材層上に、前記配線を保護するための、半導体材料を含む保護層を形成する工程とを有する。
【0016】
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出する複数の吐出口と、互いに接合されることでそれぞれ前記吐出口と連通する複数の液流路を構成するための第1の基板および第2の基板と、電気エネルギーを前記液流路内の液体の吐出エネルギーに変換するために前記各液流路内に配された複数のエネルギー変換素子とを有する液体吐出ヘッドの製造方法において、前記第1の基板及び前記第2の基板の少なくとも一方に、半導体材料を含む基材層を所定のパターンで形成する工程と、前記基材層上に、検出すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化する検出部、及び前記検出部に電気的に接続する配線を形成する工程と、前記検出部及び前記配線が形成された基材層上に、前記配線を保護するための、半導体材料を含む保護層を形成する工程とを有する。
【0017】
上記の製造方法によれば、フォトリソグラフィ技術を用いて本発明の液体吐出ヘッド用基板及び液体吐出ヘッドを、容易に製造することができる。
【0018】
なお、本発明の説明で用いる「上流」「下流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(または可動部材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、またはこの構成上の方向に関しての表現として用いられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に適用可能な一実施形態として、液体を吐出する複数の吐出口と、互いに接合されることでそれぞれ吐出口と連通する複数の液流路を構成するための第1の基板および第2の基板と、電気エネルギーを液流路内の液体の吐出エネルギーに変換するために各液流路内に配された複数のエネルギー変換素子と、エネルギー変換素子の駆動条件を制御するための、機能が異なる複数の素子あるいは電気回路とを有し、上記素子あるいは電気回路がその機能に応じて第1の基板と第2の基板とに振り分けられている液体吐出ヘッドの説明を行う。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である液体吐出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。
【0021】
図1に示すように、この液体吐出ヘッドは、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与える複数個(図1では1つのみ示す)の発熱体2が並列に設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合された天板3と、素子基板1および天板3の前端面に接合されたオリフィスプレート4とを有する。天板3には、各発熱体2に対応する位置にそれぞれ溝が形成されており、素子基板1と天板3とが接合されることで、各発熱体2にそれぞれ対応する液流路7が形成される。
【0022】
素子基板1は、シリコン等の基板上に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリコン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵抗層および配線をパターニングしたものである。この配線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を流すことで発熱体2が発熱する。
【0023】
天板3は、各発熱体2に対応した複数の液流路7および各液流路7に液体を供給するための共通液室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体2の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリコン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリコン、酸化シリコンなど、流路側壁9となる材料を堆積した後、液流路7の部分をエッチングして形成することができる。
【0024】
オリフィスプレート4には、各液流路7に対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフィスプレート4は本発明には必ずしも必要な構成ではなく、オリフィスプレート4を設ける代わりに、天板3に液流路7を形成する際に天板3の先端面にオリフィスプレート4の厚さ相当の壁を残し、この部分に吐出口5を形成することで、吐出口付きの天板とすることもできる。
【0025】
上記構成に基づき、発熱体2を発熱させると、液流路7内の発熱体2と対面する領域である気泡発生領域10の液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0026】
一方、気泡が消泡工程に入ると、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填(リフィル)が行われる。
【0027】
また、本実施形態の液体吐出ヘッドは、発熱体2を駆動したりその駆動を制御するための回路や素子を有する。これら回路や素子は、その機能に応じて素子基板1または天板3に分担して配置されている。また、これら回路や素子は、素子基板1および天板3がシリコン材料で構成されていることから、半導体ウェハプロセス技術を用いて容易かつ微細に形成することができる。
【0028】
以下に、半導体ウェハプロセス技術を用いて形成された素子基板1の構造について説明する。
【0029】
図2は、図1に示す液体吐出ヘッドに用いられる素子基板の要部の断面図である。図2に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッドに用いられる素子基板1では、シリコン基板301の表面に、蓄熱層としての熱酸化膜302および、蓄熱層を兼ねる層間膜303がこの順番で積層されている。層間膜303としては、SiO2膜またはSi3N4膜が用いられている。層間膜303の表面に部分的に抵抗層304が形成され、抵抗層304の表面に部分的に配線305が形成されている。配線305としては、Alまたは、Al−Si,Al−CuなどのAl合金配線が用いられている。この配線305、抵抗層304および層間膜303の表面に、SiO2膜またはSi3N4膜から成る保護膜306が形成されている。保護膜306の表面の、抵抗層304に対応する部分およびその周囲には、抵抗層304の発熱に伴う化学的および物理的な衝撃から保護膜306を守るための耐キャビテーション膜307が形成されている。抵抗層304表面の、配線305が形成されていない領域は、抵抗層304の熱が作用する部分となる熱作用部308である。
【0030】
この素子基板1上の膜は半導体の製造技術によりシリコン基板301の表面に順に形成され、シリコン基板301に熱作用部308が備えられている。
【0031】
図3は、図2に示す素子基板1の主要素子を縦断するように素子基板1を切断した模式的断面図である。
【0032】
図3に示すように、P導電体であるシリコン基板301の表層にはN型ウェル領域422およびP型ウェル領域423が部分的に備えられている。そして、一般的なMosプロセスを用いてイオンプラテーションなどの不純物導入および拡散によって、N型ウェル領域422にP−Mos420が、P型ウェル領域423にN−Mos421が備えられている。P−Mos420は、N型ウェル領域422の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域425およびドレイン領域426や、N型ウェル領域422の、ソース領域425およびドレイン領域426を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428を介して堆積されたゲート配線435などから構成されている。また、N−Mos421は、P型ウェル領域423の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域425およびドレイン領域426や、P型ウェル領域423の、ソース領域425およびドレイン領域426を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428を介して堆積されたゲート配線435などから構成されている。ゲート配線435は、CVD法により堆積した厚さ4000Å〜5000Åのポリシリコンから成るものである。これらのP−Mos420およびN−Mos421からC−Mosロジックが構成されている。
【0033】
P型ウェル領域423の、N−Mos421と異なる部分には、電気熱変換素子駆動用のN−Mosトランジスタ430が備えられている。N−Mosトランジスタ430も、不純物導入および拡散などの工程によりP型ウェル領域423の表層に部分的に備えられたソース領域432およびドレイン領域431や、P型ウェル領域423の、ソース領域432およびドレイン領域431を除く部分の表面にゲート絶縁膜428を介して堆積されたゲート配線433などから構成されている。
【0034】
本実施形態では、電気熱変換素子駆動用のトランジスタとしてN−Mosトランジスタ430を用いたが、複数の電気熱変換素子を個別に駆動できる能力を持ち、かつ、上述したような微細な構造を得ることができるトランジスタであれば、このトランジスタに限られない。
【0035】
P−Mos420とN−Mos421との間や、N−Mos421とN−Mosトランジスタ430との間などの各素子間には、5000Å〜10000Åの厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域424が形成されており、その酸化膜分離領域424によって各素子が分離されている。酸化膜分離領域424の、熱作用部308に対応する部分は、シリコン基板301の表面側から見て一層目の蓄熱層434としての役割を果たす。
【0036】
P−Mos420、N−Mos421およびN−Mosトランジスタ430の各素子の表面には、厚さ約7000ÅのPSG膜またはBPSG膜などから成る層間絶縁膜436がCVD法により形成されている。熱処理により層間絶縁膜436を平坦化した後に、層間絶縁膜436およびゲート絶縁膜428を貫通するコンタクトホールを介して第1の配線層となるAl電極437により配線が行われている。層間絶縁膜436およびAl電極437の表面には、厚さ10000Å〜15000ÅのSiO2膜から成る層間絶縁膜438がプラズマCVD法により形成されている。層間絶縁膜438の表面の、熱作用部308およびN−Mosトランジスタ430に対応する部分には、厚さ約1000ÅのTaN0.8,hex膜から成る抵抗層304がDCスパッタ法により形成されている。抵抗層304は、層間絶縁膜438に形成されたスルーホールを介してドレイン領域431の近傍のAl電極437と電気的に接続されている。抵抗層304の表面には、各電気熱変換素子への配線となる第2の配線層としての、Alの配線305が形成されている。
【0037】
配線305、抵抗層304および層間絶縁膜438の表面の保護膜306は、プラズマCVD法により形成された厚さ10000ÅのSi3N4膜から成るものである。保護膜306の表面に形成された耐キャビテーション膜307は、厚さ約2500ÅのTaなどの膜から成るものである。
【0038】
次に、素子基板1および天板3への回路や素子の振り分け構成について説明する。
【0039】
図4は、図1に示した液体吐出ヘッドの回路構成を説明するための図であり、同図(a)は素子基板の平面図、同図(b)は天板の平面図である。なお、図4(a)および(b)は、互いの対向面を表わしている。
【0040】
図4(a)に示すように、素子基板1には、並列に配列された複数の発熱体2と、画像データに応じてこれら発熱体2を駆動するドライバ11と、入力された画像データをドライバ11に出力する画像データ転送部12と、発熱体2の駆動条件を制御するために必要な、液体の状態または特性を検出するセンサ13とが設けられている。本実施形態では、センサ13は、液流路7ごとの液体の状態または特性を検出するために、各発熱体2に対応して液流路7ごとに設けられている。
【0041】
画像データ転送部12は、シリアルに入力される画像データを各ドライバ11にパラレルに出力するシフトレジスタ、およびシフトレジスタから出力されるデータを一時記憶するラッチ回路で構成される。なお、画像データ転送部12は、各発熱体2に個別に対応して画像データを出力するものでもよいし、発熱体2の並びを複数のブロックに分け、ブロック単位に対応して画像データを出力するものでもよい。特に、1つのヘッドについて複数のシフトレジスタを備え、記録装置からのデータの転送を複数のシフトレジスタに振り分けて入力するようにすることで、印字速度の高速化に容易に対応することもできる。
【0042】
センサ13としては、詳しくは後述するが、液体の状態または特性として、液体の温度の変化、液体の圧力、液体中に含まれる成分、または液体の水素イオン濃度指数(PH)等を検出するセンサが用いられる。
【0043】
一方、図4(b)に示すように、天板3には、前述したように液流路および共通液室を構成する溝3a,3bが形成される他に、素子基板1に設けられたセンサ13を駆動するセンサ駆動部17と、センサ駆動部17により駆動されたセンサからの出力結果に基づいて発熱体2の駆動条件を制御する発熱体制御部16とが設けられている。なお、天板3には、外部から共通液室に液体を供給するために、共通液室に連通した供給口3cが開口している。
【0044】
さらに、素子基板1および天板3の接合面の、互いの対向する部位にはそれぞれ、素子基板1に形成された回路等と天板3に形成された回路等とを電気的に接続するための接続用コンタクトパッド14,18が設けられている。また、素子基板1には、外部からの電気信号の入力端子となる外部コンタクトパッド15が設けられている。素子基板1の大きさは天板3の大きさよりも大きく、外部コンタクトパッド15は、素子基板1と天板3とを接合したときに天板3から露出する位置に設けられている。
【0045】
上記のように構成された素子基板1と天板3とを位置合わせして接合すると、各液流路に対応して発熱体2が配置されるとともに、それぞれの接続用パッド14,18を介して素子基板1および天板3に形成された回路等が電気的に接続される。この電気的接続は例えば、接続用パッド14,18に金バンプ等を載せて行う方法があるが、それ以外の方法でもよい。このように、素子基板1と天板3との電気的接続を接続用コンタクトパッド14,18によって行うことで、素子基板1と天板3との接合と同時に、上述した回路同士の電気的接続を行うことができる。素子基板1と天板3との接合後に、液流路7の先端にオリフィスプレート4を接合し、これにより液体吐出ヘッドが完成する。
【0046】
このようにして得られた液体吐出ヘッドをヘッドカートリッジや液体吐出装置に搭載する場合には、図5に示すように、プリント配線基板23が搭載されたベース基板22上に固定し、液体吐出ヘッドユニット20とされる。図5において、プリント配線基板23には、液体吐出装置のヘッド制御部と電気的に接続される複数の配線パターン24が設けられ、これら配線パターン24は、ボンディングワイヤー25を介して外部コンタクトパッド15と電気的に接続される。外部コンタクトパッド15は素子基板1のみに設けられているので、液体吐出ヘッド21と外部との電気的接続は、従来の液体吐出ヘッドと同様にして行うことができる。ここでは、外部コンタクトパッド15を素子基板1に設けた例について説明したが、素子基板1ではなく天板3のみに設けてもよい。
【0047】
以上説明したように、発熱体2の駆動や制御のための各種回路等を素子基板1と天板3とに両者の電気的接合を考慮した上で振り分けることで、これらの回路等が1つの基板に集中しなくなるので、液体吐出ヘッドの小型化が可能になる。また、素子基板1に設けられた回路等と天板3に設けられた回路等との電気的接続を接続用コンタクトパッド14,18によって行うことで、ヘッド外部への電気的接続部の数が減り、信頼性の向上、部品点数の削減、ヘッドのより一層の小型化を実現することができる。
【0048】
また、上述した回路等を素子基板1と天板3とに分散させることで、素子基板1の歩留まりを向上させることができ、その結果、液体吐出ヘッドの製造コストを下げることができる。さらに、素子基板1および天板3を、シリコンという同一材料をベースとした材料で構成しているため、素子基板1と天板3との熱膨張係数が等しくなる。その結果、発熱体2の駆動により素子基板1および天板3が熱膨張しても両者にずれは生じなくなり、発熱体2と液流路7との位置精度が良好に維持される。
【0049】
ここで、本発明の大きな特徴の一つである、センサ13に関する事項及び本発明の適用例について詳細に説明する。
【0050】
(1)センサの形態
図1にも簡単に示しているが、センサ13は、素子基板1の表面から突出した位置に設けられている。本発明で用いられるセンサの形態には、その代表的な例として、単体検出部型と、基準電極ペア型とが挙げられる。単体検出部型とは、検出すべき液体の状態等に応じて電気抵抗あるいは電圧が変化する検出部を有するものである。単体検出部型のセンサとしては、温度センサ、圧力センサ等がある。基準電極ペア型とは、上記の検出部に加え、検出すべき液体の状態等に対して変化しない、基準となる電極を設けたものである。基準電極ペア型のセンサとしては、インク中のPHを検出するセンサ、インク中の成分を検出するセンサ等がある。
【0051】
(1a)単体検出部型のセンサ
図6に、本発明に適用可能な単体検出部型のセンサの一例の模式的拡大図を示す。
【0052】
図6に示すように、センサ13は、素子基板1から液流路7中に突出した立体構造部131と、立体構造部131に設けられた検出部132と、検出部132と素子基板1の配線(不図示)とを接続する配線133とを有する。これら立体構造部131、検出部132、及び配線133は、前述のようにして素子基板1に回路等を形成した後、半導体素子製造プロセスのリソグラフィ技術を用いて素子基板1上に形成される。
【0053】
立体構造部131は、素子基板1から突出した支柱131aと、この支柱の上端部に素子基板1の上面に沿ってカンチレバー状に支持された梁131bとで構成される。検出部132は、液体の検出する対象となる状態等に応じて電気的な特性や状態が変化する材料からなり、立体構造部131の梁131bの部分に配置されている。このような構成をとることより、検出部132の位置は素子基板1の表面から離れた位置となる。また、検出部132が設けられた部分は周囲の大半が液体で囲まれており、一面すなわち一方向だけでなく複数の方向で液体と接触し、素子基板1の表面に直接設けられた場合と比較して大きな面積で液体と接触している。
【0054】
次に、素子基板1へのセンサ13の形成方法の一例について、温度により電気抵抗値が変化する測温抵抗体を用いた温度センサを形成する場合を例に挙げて、図7を参照して説明する。
【0055】
まず、図7(a)に示すように、機能素子や回路等が形成された素子基板1上に、Alを約1μmの厚さでスパッタリング法で成膜した後、フォトリソグラフィ法及びドライエッチングによって所定の形状にパターニングし、電極135を形成する。さらに、電極135が形成された素子基板1上に電極保護層136として、SiN膜をCVD法を用いて約1μmの厚さに形成する。なお、図面上は電極135は1本しか描かれていないが、1つのセンサに対して電極135は図面の奥行き方向に2本並んで形成される。また、図面には示していないが、この電極保護層136の表面にさらに、耐キャビテーション膜としてTa膜を形成するのが望ましい。
【0056】
次いで、素子基板1と図6に示した梁131bとの間の間隙を形成するために、図7(b)に示すように、スパッタリング法によりAlを数〜十数μmの厚さに形成した後、フォトリソグラフィ法及びドライエッチングによって所定の形状にパターニングし、犠牲層としての間隙形成部材137を形成する。
【0057】
この間隙形成部材137は、後述するようにドライエッチングにより立体構造部131を形成する際のエッチングストップ層として機能する。これは、素子基板1における耐キャビテーション膜としてのTa膜や電極保護層136が、液流路7を形成するために使用するエッチングガスによりエッチングされてしまうからであり、それらの層や膜のエッチングを防止するために、このような間隙形成部材137を素子基板1上に形成する。これにより、後述のドライエッチングによる素子基板1内の機能素子の損傷が防止される。
【0058】
そして、図7(c)に示すように、電極保護層136及び間隙形成部材137を覆って、立体構造131(図6参照)の基材層としてSiN膜138を形成し、これを、間隙形成部材137が形成された部位とされていない部位とを跨る位置で立体構造部131の平面形状にパターニングする。さらに、SiN膜138の、立体構造部131の支柱131a(図6参照)となる部分に、電極135に対応するスルーホール138aを形成し、電極135を露出させる。
【0059】
次いで、図7(d)に示すように、SiN膜138上に、スパッタリング法、フォトリソグラフィ法及びドライエッチングにより、Alからなる配線133をパターニング形成する。この配線133は素子基板1上に設けられた電極135に対応して図面の奥行き方向に2本並んで形成され、それぞれスルーホール138aを介して電極135と接続される。そして、この2本の配線139を跨ぐように、測温抵抗体140をパターニング形成する。この測温抵抗体140が、図6に示した検出部132として作用する。
【0060】
次いで、図7(e)に示すように、上記の全ての構成を覆って、配線139を保護する保護層としてSiN膜141を形成し、これを立体構造部131の平面形状にパターニングする。最後に、間隙形成部材137をウェットエッチングによって除去する。
【0061】
これによって、SiN膜138,141からなる立体構造部131に、配線133、及び測温抵抗体140からなる検出部132が設けられたセンサ13を、素子基板1上に容易に形成することができる。
【0062】
素子基板1の表面から検出部132までの高さは、素子基板1から梁131bまでの位置、すなわち間隙形成部材137の厚さによって決定される。例えば、液体吐出ヘッドをインクジェット記録ヘッドとして用いた場合、梁131bの位置が素子基板1の表面から数〜十数μmの範囲であれば、後述するようなフレッシュな状態の液体を検出の対象とすることができる。なお、この梁131bの位置は、間隙形成部材137の厚さを変更して任意に設定することができる。
【0063】
前述したように、本実施形態の液体吐出ヘッドは、発熱体2を駆動したりその駆動を制御するための回路や機能素子が、その機能に応じて素子基板1と天板3とに振り分けられている。センサ13により液流路7内での液体の状態を調べたい場合、液体の状態は、素子基板1や天板3に設けられた回路等から発生する熱の影響を受ける。特に素子基板1には発熱体2が設けられているので、センサ13が素子基板1に設けられている場合には、インクの状態に与える影響は大きい。また、素子基板1の表面や天板3の表面の近傍では、液体の粘性により、他の領域に比べて液体の流れが小さくなっている。
【0064】
そこで、センサ13を立体構造部131に設け、素子基板1の表面から離れた部位で、また、周囲の大部分を液体に囲まれた状態で液体の状態を検出することで、素子基板1や天板3の熱の影響を受け難く、滞留していないフレッシュな状態の液体を検出の対象とすることができる。これにより、素子基板1の表面で液体の状態を検出する場合に比べて、より高精度に液体の状態を検出することができる。また特に本実施形態では、立体構造部131は、支柱131aと梁131bとで構成されており、素子基板1と接している面積が小さくなっているので、素子基板1上で発生したノイズの影響を低減することもできる。
【0065】
(1b)基準電極ペア型のセンサ
液体中のイオン、分子等と応答して液体との界面の電圧が変化することを利用して、液体のPH等を検出する構成の場合、検出の対象となる液体のイオン、分子等に電圧が変化しない電極が必要となる。そのような場合に、基準電極ペア型のセンサが用いられる。
【0066】
図8に、本発明に適用可能な基準電極ペア型のセンサの一例の模式的拡大図を示す。なお、図8において図6と同一の構成部分については図6と同一の符号を付している。
【0067】
図8に示すように、このセンサ13’は、接触している液体の検出対象となる成分に応じた電圧を発生しそれを検出する部材からなる検出部132aと、接触している液体の検出対象となる成分に対して電圧が変化しない、あるいは検出部132aと異なる電圧を発生する部材からなる基準部132bとを有する。検出部132a及び基準部133aは、素子基板1の表面から突出した立体構造部131の梁131bに配置されており、それぞれ配線133a,133bを介して素子基板1の配線(不図示)と接続されている。また、梁131bには検出部132a及び基準部132bに対応する位置にそれぞれ開口131c,131dが設けられており、検出部132a及び基準部132bの上面の一部が露出している。
【0068】
このようなセンサ13’の構造は、単体検出部型のセンサと同様に、半導体素子製造プロセスを用いて製造することができる。この場合、検出部132a及び基準部132bの上面の開口131c,131dは、例えば、図7に示したような手順でセンサ13’を形成するとすれば、図7(e)に示した工程の後に、SiN膜141をフォトリソグラフィ法及びエッチングにより所定の形状に除去することで形成することができる。
【0069】
詳しくは後述するが、このように検出部132a及び基準部132bを設けることで、液体を介しての、検出部132aと基準部132bとの間の電位差を検出することにより、液体のPHなどを検出することができる。
【0070】
図8に示した基準電極ペア型のセンサ13’においても、前述した単体検出部型のセンサと同様に、検出部132a及び基準部132bが立体構造部131に設けられているので、液体の成分等を、素子基板1の表面で検出する場合に比べて、より高精度に検出することができるとともに、素子基板1上で発生したノイズの影響を低減することができる。
【0071】
以上、本発明に適用可能なセンサの形態について2つの代表的な形態を例に挙げて説明したが、立体構造部131の形状は、検出部が素子基板1の表面から離れた位置にあり、一面だけでなく複数の面がインクに囲まれるような形状であれば、図6や図8に示したものに限られるものではなく、例えば立方体形状であってもよい。
【0072】
特に、図6や図8に示したような形状は、梁131bの上面及び下面が液体と接触し、液体との接触面積を大きくするという点では好ましいものであるが、このように梁131bを有する形状とした場合であっても、液流路7中における梁131bの向きは図1に示したものに限定されない。例えば、図1に示した配置においては、梁131bの先端部を液体の流れ方向に関して下流側に向けているが、図9に示すような配置であってもよい。
【0073】
図9に示す例では、立体構造部131’の形状は図6等に示したものと同じであるが、支柱131a’は液流路7の幅方向の中心に対してオフセットして設けられ、梁131b’は、支柱131a’での支持部から液流路7の幅方向と平行に延びて形成されている。なお、図9では示していないが、図6に示した検出部132、あるいは図8に示した検出部132a,基準部132bは、梁131b’の部分に形成されている。このように立体構造部131’を配置することで、センサを立体構造としても、センサによって液流路7内での液体の流れが阻害されることを抑えることができる。図9に示す立体構造部131’も、その形成に際して間隙形成部材やSiN膜等のパターニング形状を変えることによって、図7に示したのと同じ方法で形成することができる。
【0074】
また、センサが設けられる部材についても、上述した例では素子基板1に設けた例を示したが、天板3に設けても構わない。天板3が半導体基板からなるものであれば、センサを天板3に設ける場合でも、半導体ウェハプロセスを用いてセンサを形成することができる。
【0075】
(2)センサの種類
本発明では液体の状態等を検出するセンサが用いられるが、本発明で用いられるセンサの代表的な種類について、図1等を参照しつつ説明する。
【0076】
(2a)液体の温度の変化を検出する場合
吐出特性に影響を及ぼす液体の状態の一つに液体の粘性がある。液体の粘性は、吐出する液体の種類によって異なり、また、水分の蒸発等によっても経時的に変化する。従って、微小量の液体の吐出においては液体の粘性も大きく影響し、安定した吐出のためには、液体吐出ヘッドの駆動条件を液体の種類や経時的な変化に応じて制御する必要がある。
【0077】
液体の粘性を推測する目安の一つが液体の温度である。液体の温度を活用して吐出制御を行う場合は、発熱部分の影響を最小限にするのが望ましい。前述したように、素子基板1や天板3は様々な機能素子を有し、発熱体2を駆動しているときはもちろんであるが、駆動していないときでもこれらの機能素子は少なからず電力を消費しており、熱を発生している。そのため、素子基板1や天板3の表面との境界部での液体の温度は、吐出される液体の大部分の温度よりも高くなっている。従って、吐出される液体の粘性を知るためには、素子基板1や天板3の表面から離れた位置で温度を検出するのが望ましい。
【0078】
そこで、図6に示したような、立体構造部131に検出部132を有する温度センサを用いることで、吐出される液体の温度をより正確に検出することができる。温度センサとしては、検出部132を立体構造部131に設けることができるものであれば特に限定されず、前述したような測温抵抗体を用いたセンサや、多結晶シリコンを用いたセンサ(多結晶シリコンの不純物量をコントロールすることで温度によって抵抗値が変わる)、サーミスタ等を用いることができ、その中でも特に、半導体素子製造プロセス技術を用いて配線133とともに素子基板1上に形成できるものが望ましい。また、検出部132と接続される配線133には、電気抵抗が小さく、検出部132の温度特性に対して影響を与えない材料、例えばAl、を用いればよい。
【0079】
ところで、液体の基板との境界部に大きな温度勾配がある場合は、液体の流れによって、基板との境界部の熱を持っていくことができる。そこで、温度センサに近接してヒータを配置し、このヒータの駆動により液体を局所的に加熱することで液体に温度差を形成し、液体の流れにより持っていく熱が異なることを利用して液体の流量を検出する手法もある。
【0080】
このようにして流量センサを構成した場合においても、基板の表面に温度センサ及びヒータを配置した構成では、液体を局所的に加熱しても熱が基板に逃げるとともに、液体の粘性により基板表面近傍では液体の流れが小さくなり、微小な流路においては精度よく流量を検出できない。
【0081】
そこで、図6に示すような、素子基板1の表面から突出した立体構造部131に温度センサ及びヒータを設け、これらの周囲の大部分を液体で囲まれるようにすることで、ヒータの熱は基板へ逃げにくくなるとともに、液体の流れ自身も素子基板1の表面に比べて大きくなることから、液体の流れの差の検出精度を大きく向上させることができる。
【0082】
(2b)液体の圧力を検出する場合
発熱体2を駆動して液体を急激に加熱し、液体に膜沸騰に伴う気泡を発生させて液体を吐出させる液体吐出ヘッドにおいては、気泡の発生に基づく圧力が液体に作用する。従って、液体の状態のひとつとして、液体に作用する圧力を検出し、この検出結果に基づいて液体吐出ヘッドの駆動条件を制御することも、吐出特性を安定させる一つの手段である。
【0083】
そこで、図6に示した検出部132の部分に、液体の圧力により抵抗値が変化したり電圧が発生する素子を導入すれば、液体に作用する圧力を検出する圧力センサを構成することができる。しかも、上記の素子は立体構造部131に配置され、周囲の大部分が液体に囲まれているので、素子基板1の表面に配置した場合に比べて液体の圧力が良好に作用し、より正確な検出が可能となる。
【0084】
(2c)液体中に含まれる成分を検出する場合
液体吐出ヘッドにおいては、吐出する液体に含まれる成分によっても吐出特性が変化する。そこで、液体中に含まれるイオン、分子等と反応し、その平衡状態で電位差が発生する膜を、例えば図6に示したような立体構造部131の検出部132として配置することで、液体中に含まれる成分の変化や状態を検出することができる。この場合には、図6に示した検出部132を覆っている立体構造部131の一部を除去して検出部132を露出させ、検出部132が液体に接触する構造とする。
【0085】
このようにして液体中に含まれる成分を検出する場合も、液体の基板との境界部においては液体の流れが悪く安定した液体の平衡状態を得にくいので、図6に示したような立体構造131を構成することで、周囲の大部分が液体に覆われることとなり、また、検出部132が液体の流れのある部分に配置されるので、液体中の成分を安定して検出することができる。
【0086】
(2d)液体中のPHを検出する場合
液体中の水素イオン濃度に反応する膜の一つに酸化シリコン膜がある。酸化シリコン膜を、図8に示した検出部132aとして設けると、酸化シリコン膜の液体との境界面には液体の水素イオン濃度に応じて電位差が発生する。この電位差を検出することで、液体中のPHを検出することができる。ただし、酸化シリコン膜自身は絶縁膜であることから、電位差を検出するためには電極を設け、この電極とは別の電極である基準電極を、図8に示した基準部132bとして設ける。そして、液体を介しての、酸化シリコン膜(検出部132a)と基準電極(基準部132b)との間の電位差を、FET(電圧効果トランジスタ)等を用いて低インピーダンス化して検出することができる。
【0087】
検出部132aとして形成する膜を、酸化シリコン膜に代えて、水素イオン濃度とは異なる成分に反応する膜とすれば、所望の液体成分の状態を検出することができる。
【0088】
このように、素子基板1の表面から吐出した立体構造部131に検出部132a及び基準部132bを設けることで、滞留していないフレッシュな状態で液体の成分を検出することができるので、素子基板1の表面に設けた場合に比べて検出精度を大きく向上させることができる。
【0089】
上記の基準電極すなわち基準部132bについては、検出したい液体の成分に対して電気的特性が変化しない、あるいは検出部132aとは異なる変化を示すものであれば、特に検出部132aと同一の立体構造部131に設ける必要はない。すなわち、検出部132aを有する立体構造部と基準部132bを有する立体構造部とを別々に設けてもよい。ただし、図8に示したように、同一の立体構造部131に検出部132a及び基準部132bを設けることは、局所的な部分のインクの状態を精度よく検出できるので、より望ましい構成である。
【0090】
(3)センサ及び回路の振り分け
上述の各回路等をその機能に応じて振り分けているが、この振り分けの基準となる考え方について以下に述べる。
【0091】
各発熱体2に個別またはブロック単位に電気配線接続で対応する回路は、素子基板1に形成する。図4に示した例では、ドライバ11および画像データ転送部12がこれに相当する。各発熱体2には駆動信号がパラレルに与えられるので、その信号分だけ配線の引き回しが必要となる。従って、このような回路を天板3に形成すると、素子基板1と天板3との接続数が多くなり接続不良が発生する可能性が高くなるが、素子基板1に形成することで、発熱体2と上記回路との接続不良が防止される。
【0092】
制御回路などアナログ的な部分は、熱の影響を受け易いことから、発熱体2が設けられていない基板すなわち天板3に設ける。図4に示した例では、発熱体制御部16がこれに相当する。
【0093】
センサ13は、液体と接触する位置であれば、素子基板1に設けてもよいし、天板3に設けてもよい。ただし、液体の温度に基づいて液体の状態を検出するものである場合には、できるだけ発熱体2の熱の影響が少ない位置に設けることが好ましい。
【0094】
その他、各発熱体2に個別にもブロック単位にも電気配線接続で対応していない回路、必ずしも素子基板1に設けなくてもよい回路、天板3に設けても測定精度には影響しないセンサ等は、素子基板1および天板3のいずれか一方に集中しないように必要に応じて素子基板1または天板3に形成する。図4に示した例では、センサ駆動部17がこれに相当する。
【0095】
上記の考え方に基づいて各回路やセンサ等を素子基板1と天板3とに設けることで、素子基板1と天板3との電気的接続数をできるだけ少なくしつつも、各回路やセンサ等をバランスよく振り分けることができる。
【0096】
(4)液体吐出ヘッドの制御例
センサで検出されたインクの状態は、より安定した液体吐出のために発熱体の駆動制御に利用される。発熱体の駆動制御の一例として、液体の温度を検出する温度センサを用いた場合の発熱体の駆動制御の例について説明する。
【0097】
図10は、液体の温度に応じて発熱体の駆動条件を制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図であり、図10に示す例では、発熱体32に発泡エネルギーを与える前に発熱体32をプレヒート(液体を発泡させない程度の予備的な加熱)するもので、液体の温度を検出するセンサ(図10では不図示)での検出結果に応じて、発熱体32のプレヒートパルス幅を制御する。
【0098】
図10(a)に示すように、素子基板31には、一列に配列された発熱体32と、ドライバとして機能するパワートランジスタ41と、パワートランジスタ41の駆動を制御するためのAND回路39と、パワートランジスタ41の駆動タイミングを制御するための駆動タイミング制御ロジック回路38と、シフトレジスタおよびラッチ回路で構成される画像データ転送回路42と、液体の温度を検出するセンサとが、半導体プロセスを用いて形成されている。センサは、各液流路ごと、すなわち発熱体32ごとに、立体構造として設けられている。
【0099】
駆動タイミング制御ロジック回路38は、装置の電源容量を少なくする目的で、全ての発熱体32を同時に通電するのではなく発熱体32を分割駆動して時間をずらして通電するためのものであり、この駆動タイミング制御ロジック回路38を駆動するイネーブル信号は、外部コンタクトパッドであるイネーブル信号入力端子45k〜45nから入力される。
【0100】
また、素子基板31に設けられる外部コンタクトパッドとしては、イネーブル信号入力端子45k〜45nの他に、発熱体32の駆動電源の入力端子45a、パワートランジスタ41の接地端子45b、発熱体32を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入力端子45c〜45e、ロジック回路の駆動電源端子45f、接地端子45g、画像データ転送回路42のシフトレジスタに入力されるシリアルデータの入力端子45iおよびこれに同期するシリアルクロック信号の入力端子45h、ラッチ回路に入力されるラッチクロック信号の入力端子45jがある。
【0101】
一方、図6(b)に示すように、天板33には、発熱体32の駆動タイミングを決定するとともにセンサ43からの出力をモニタしその結果に応じて画発熱体32のプレヒート幅を決定する駆動信号制御回路46と、各発熱体に対応するプレヒート幅を選択するための選択データをヘッド情報として記憶し駆動信号制御回路46に出力するメモリ49とが形成されている。
【0102】
また、接続用コンタクトパッドとして、素子基板31および天板32には、外部から上記発熱体32を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入力端子45c〜45eと駆動信号制御回路46とを接続する端子44b〜44d,48b〜48d、駆動信号制御回路46の出力をAND回路39の一方の入力端子に入力させるための端子48a等が設けられている。
【0103】
以上の構成において、まず、液体の温度がセンサにより各液流路ごとに検出され、その結果がメモリ49に記憶される。駆動信号制御回路46では、メモリ43に記憶された温度データおよび選択データに応じて、各発熱体32のプレヒートパルス幅を決定し、端子48a,44aを介してAND回路39に出力する。一方、シリアルで入力された画像データ信号は、画像データ転送回路42のシフトレジスタに記憶され、ラッチ信号によりラッチ回路にラッチされて、駆動タイミング制御回路38を介してAND回路39に出力される。
【0104】
画像データ信号がAND回路39に出力されることで、駆動信号制御回路46で決定されたプレヒートパルス、及び予め決められたヒートパルスが発熱体32に与えられる。これにより発熱体32は、プレヒートされた後、液体を発泡させるためのエネルギーが与えられる。このようにして、センサでの検出結果に応じてプレヒート幅を制御することで、温度状態にかかわらず液体の吐出量を各吐出口で一定にすることができる。
【0105】
さらに、メモリ49に記憶されるヘッド情報としては、上述した温度データの他に、吐出する液体の種類(液体がインクの場合には、インクの色等)も含めることもできる。液体の種類によってはその物性が異なり、吐出特性が異なるからである。これらのヘッド情報のメモリ49への記憶は、この液体吐出ヘッドの組立後に不揮発的に行ってもよいし、この液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出装置の立ち上げ後に装置側から転送されることで行ってもよい。
【0106】
なお、図10で説明した液体吐出ヘッドでは、さらに、抵抗値センサとして発熱体32と同様にして素子基板31に形成されたランクヒータ43と、天板33に形成された、ランクヒータ43を駆動するためのセンサ駆動回路47とを有する。そして、センサ駆動回路47とランクヒータ43とを接続する端子44g,44h,48g,48hが、素子基板31及び天板33に形成されている。これは、ランクヒータ43で検出された抵抗値に基づいて発熱体32に印加するパルスのパルス幅を決定するためのものであり、駆動信号制御回路46は、ランクヒータ43からの出力をモニタし、その結果に応じて発熱体32への印加エネルギーを制御する。また、メモリ49は、ランクヒータ43で検出された抵抗値データあるいは抵抗値からランク分けされたコード値、および予め測定されている各発熱体32による液体吐出量特性(一定温度で、所定のパルスを印加したときの液体吐出量)をヘッド情報として記憶し、駆動信号制御回路46に出力する。
【0107】
ランクヒータ43を利用した発熱体32への印加エネルギーの制御について説明する。まず、ランクヒータ43の抵抗値が検出され、その結果がメモリ43に記憶される。ランクヒータ43は発熱体32と同様にして形成されたものであるので、その抵抗値は実質的には発熱体32と同じであり、ランクヒータ43の抵抗値を発熱体32の抵抗値とみなす。駆動信号制御回路で46では、メモリ43に記憶された抵抗値データ及び液体吐出量特性に応じて発熱体32の駆動パルスの立ち上がりデータ及び立ち下がりデータを決定し、端子48a,44aを介してAND回路39に出力する。これによりヒートパルスのパルス幅が決定され、画像データが、画像データ転送回路42から駆動タイミング制御回路38を介してAND回路39に出力されることで、駆動信号制御回路46で決定したパルス幅で発熱体32への通電が行われる。その結果、発熱体32には、ほぼ一定のエネルギーが印加される。
【0108】
(5)液体吐出ヘッドの他の例
図1に示した例では、液流路7を構成するための溝は天板3に形成し、吐出口5が形成された部材(オリフィスプレート4)も素子基板1及び天板3とは別の部材で構成した例を示したが、本発明が適用される液体吐出ヘッドの構造は、これに限られるものではない。
【0109】
例えば、天板の端面にオリフィスプレートの厚さ相当の壁を残しておき、この壁に、イオンビーム加工や電子ビーム加工等により吐出口を形成すれば、オリフィスプレートを用いずに液体吐出ヘッドを構成することができる。また、天板に溝を形成することによってではなく素子基板に流路側壁を形成すれば、発熱体に対する液流路の位置精度が向上し、かつ、天板の形状を簡易なものとすることができる。可動部材はフォトリソグラフィプロセスを利用して天板に形成することができるが、このように素子基板に流路側壁を設けた構成とした場合には、素子基板への可能部材の形成と同時に素子基板を形成することもできる。これについては後述する。
【0110】
さらに、本出願人は、液流路内に、気泡の圧力伝搬方向を下流側へ導く可動部材を設けた液体吐出ヘッドを提案している。次に、可動部材を有する液体吐出ヘッドに本発明を適用した例を説明する。
【0111】
図11は、本発明の他の実施形態である液体吐出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。図11において、図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付している。
【0112】
図11に示す液体吐出ヘッドは、基本的には図1に示した液体吐出ヘッドと同じであるが、素子基板1に可動部材6が設けられており、この可動部材6の一部にセンサ63を構成している点が異なる。
【0113】
可動部材6は、液流路7を吐出口5に連通した第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液流路7bとに分けるように、発熱体2に対面して、半導体ウェハプロセスを利用して形成された片持ち梁状の薄膜である。この可動部材6は、液体の吐出動作によって共通液室8から可動部材6を経て吐出口5へ流れる大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所定の距離を隔てて配されている。図11に示した例では、この発熱体2と可動部材6との間が気泡発生領域10となる。
【0114】
上記構成に基づき、発熱体2を発熱させると、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10の液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に伴う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は図11に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口5側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位もしくは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0115】
つまり、気泡発生領域10上に、液流路7内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流側へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝搬方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材によって制御し、気泡の圧力伝搬方向を制御することで、吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出特性を向上させることができる。
【0116】
一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部材6も最終的には図11に実線で示した初期位置に復帰する。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、この液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効率よく合理的かつ安定して行われる。
【0117】
以上が、可動部材6を有する液体吐出ヘッドの動作原理であるが、図11に示した例では、可動部材6が素子基板1の表面に形成された部材であることを利用して、可動部材6の一部の特に素子基板1から離れている部位にセンサ63を構成している。つまり、可動部材6そのものを立体構造部として用い、可動部材6内に、図6に示したような検出部132及び配線133、または図7に示したような検出部132a、基準部132b及び配線133a,133bが形成されている。
【0118】
このように可動部材6の一部にセンサ63を構成することで、前述したのと同様に、液流路7の壁面での液体の流れの淀みや、素子基板1の発熱の影響が少ない状態で、液体の状態等を検出することができる。しかも、可動部材6を有するので、液体の根本的な吐出特性及びリフィル効率を向上させることができる。
【0119】
可動部材6への検出部等の形成位置は、素子基板1の表面から離れた位置であり液体の所望の状態等を検出できる位置であれば特に限定されるものではない。ただし、可動部材6は発熱体2と対面して設けられ、発熱体2の熱の影響を受け易いので、センサ63が温度センサの場合には、発熱体2の熱の影響が少ない位置、例えば、発熱体2からできるだけ離れた位置、より好ましくは液体の流れ方向に関して上流側に設けたほうがよい。また、センサ63が圧力センサである場合は、気泡の発生に伴う圧力を直接的に受ける可動部材6は、圧力センサを設ける位置として最も好ましい。
【0120】
ここで、素子基板1への可動部材6の形成方法の例を説明する。
【0121】
図12は、図11に示した液体吐出ヘッドへの可動部材6の形成方法の一例を説明するための図であり、図12では、図11に示した液流路7の流路方向に沿った断面が示されている。図12に基づいて説明する製造方法では、素子基板1上に可動部材6を形成してなるものと、天板に流路側壁を形成してなるものとを接合することで、図11に示した構成の液体吐出ヘッドを製造する。従って、この製造方法では、可動部材6が作り込まれた素子基板1に天板を接合する前に、天板に流路側壁が作り込まれる。
【0122】
まず、図12(a)では、素子基板1の発熱体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行うための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層としてのTiW膜76をスパッタリング法によって厚さ約5000Å形成する。なお、図示していないが、TiW膜76の形成前に、センサ63(図11参照)の配線と接続する配線、及びその保護層であるSiN膜が、素子基板1上に形成されている。
【0123】
次に、図12(b)では、TiW膜76の表面に、間隙形成部材71aを形成するためのAl膜をスパッタリング法によって厚さ約4μm形成する。間隙形成部材71aは、後述する図12(d)の工程において、SiN膜72aがエッチングされる領域までに延在されている。
【0124】
形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングすることで、そのAl膜の、可動部材6の支持固定部に対応する部分のみを除去し、TiW膜76の表面に間隙形成部材71aを形成する。従って、TiW膜76表面の、可動部材6の支持固定部に対応する部分が露出することになる。この間隙形成部材71aは、素子基板1と可動部材6との間の間隙を形成するための、Al膜からなるものである。間隙形成部材71aは、図11に示した発熱体2と可動部材6との間の気泡発生領域10に対応する位置を含む、TiW膜76の表面の、可動部材6の支持固定部に対応する部分を除く部分全てに形成されている。従って、この製造方法では、TiW膜76の表面の、流路側壁に対応する部分にまで間隙形成部材71aが形成されている。この間隙形成部材71aは、後述するようにドライエッチングにより可動部材6を形成する際のエッチングストップ層として機能する。
【0125】
次に、図12(c)では、間隙形成部材71aの表面全体および、TiW膜76の、露出した面全体に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を構成するSiN膜72aを形成する。プラズマCVD装置を用いてSiN膜72aを形成する際には、図13を参照して次に説明するように、素子基板1を構成するシリコン基板などを介して、素子基板1に備えられたTaからなる耐キャビテーション膜を接地する。これにより、プラズマCVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0126】
図13に示すように、SiN膜72aを形成するためのプラズマCVD装置の反応室83a内には、所定の距離をおいて互いに対向するRF電極82aおよびステージ85aが備えられている。RF電極82aには、反応室83aの外部のRF電源81aによって電圧が印加される。一方、ステージ85aのRF電極82a側の面上には素子基板1が取り付けられており、素子基板1の発熱体2側の面がRF電極82aと対向している。ここで、素子基板1が有する、発熱体2の面上に形成されたTaからなる耐キャビテーション膜は、素子基板1のシリコン基板と電気的に接続されており、間隙形成部材71aは、素子基板1のシリコン基板、およびステージ85aを介して接地されている。
【0127】
このように構成されたプラズマCVD装置においては、前記耐キャビテーション膜が接地された状態で供給管84aを通して反応室83a内にガスを供給し、素子基板1とRF電極82aとの間にプラズマ46を発生させる。反応室83a内でのプラズマ放電により分解されたイオン種やラジカルが素子基板1上に堆積することで、SiN膜72aが素子基板1上に形成される。その際、イオン種やラジカルにより素子基板1上に電荷が発生するが、上述したように耐キャビテーション膜が接地されていることにより、素子基板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジカルの電荷によって損傷することが防止される。次に、図12(d)では、SiN膜72aの表面に、スパッタリング法によりAl膜を厚さ約6100Å形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN膜72a表面の、可動部材6に対応する部分に第2の保護層としてのAl膜(不図示)を残す。その第2の保護層としてのAl膜は、可動部材6を形成するためにSiN膜72aのドライエッチングを行う際の保護層(エッチングストップ層)すなわちマスクとなる。
【0128】
そして、誘電結合プラズマを使ったエッチング装置を用い、前記第2の保護層をマスクにしてSiN膜72aをパターニングすることで、そのSiN膜72aの残った部分で構成される可動部材6を形成する。そのエッチング装置ではCF4とO2の混合ガスを用いており、SiN膜72aをパターニングする工程では、図11に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固定されるようにSiN膜72aの不要な部分を除去する。可動部材6の支持固定部と素子基板1との密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0129】
ドライエッチング装置を用いてSiN膜72aをエッチングする際には、図14を参照して次に説明するように素子基板1などを介して間隙形成部材71aを接地する。これにより、ドライエッチングの際にCF4ガスの分解により生じるイオン種およびラジカルの電荷が間隙形成部材71aに留まることを防止して、素子基板1の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。また、このエッチングの工程において、 SiN膜72aの不要な部分を除去することで露出する部分、すなわちエッチングされる領域には、上述したように間隙形成部材71aが形成されているため、TiW膜76の表面が露出することがなく、間隙形成部材71aによって素子基板1が確実に保護される。
【0130】
図14に示すように、SiN膜72aをエッチングするためのドライエッチング装置の反応室83b内には、所定の距離をおいて互いに対向するRF電極82bおよびステージ85bが備えられている。RF電極82bには、反応室83bの外部のRF電源81bによって電圧が印加される。一方、ステージ85bのRF電極82b側の面上には素子基板1が取り付けられており、素子基板1の発熱体2側の面がRF電極82bと対向している。ここで、Al膜からなる間隙形成部材71aは、素子基板1に備えれたTaからなる耐キャビテーション膜と電気的に接続されており、かつ、その耐キャビテーション膜は、前述したように素子基板1のシリコン基板と電気的に接続されており、間隙形成部材71aは、素子基板1の耐キャビテーション膜やシリコン基板、およびステージ85bを介して接地されている。
【0131】
このように構成されたドライエッチング装置において、間隙形成部材71aが接地された状態で供給管84aを通して反応室83a内にCF4とO2の混合ガスを供給し、SiN膜72aのエッチングを行う。その際、CF4ガスの分解により生じるイオン種やラジカルによって素子基板1上に電荷が発生するが、上述したように間隙形成部材71aが接地されていることにより、素子基板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジカルの電荷によって損傷することが防止される。
【0132】
本実施形態では、反応室83aの内部に供給するガスとして、CF4とO2の混合ガスを用いたが、O2が混合されていないCF4ガスまたはC2F6ガス、あるいはC2F6とO2の混合ガスなどを用いてもよい。
【0133】
以上のようにしてSiNからなる可動部材6が形成されるが、この際のSiN膜72aの形成工程に始まる可動部材6の形成過程で、例えば図7(c)〜図7(e)に示すようにして、可動部材6に検出部や配線等を形成する。
【0134】
次に、図12(e)では、酢酸、りん酸および硝酸の混酸を用いて、可動部材6に形成したAl膜からなる前記第2の保護層や、Al膜からなる間隙形成部材71aを溶出して除去し、素子基板1上に可動部材6を作り込む。その後、過酸化水素を用いて、素子基板1に形成したTiW膜76の、気泡発生領域10およびパッドに対応する部分を除去する。
【0135】
以上のようにして、可動部材6が設けられた素子基板1が製造される。ここでは、図1に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固定されているものを製造する場合で説明したが、この製造方法を適用して、可動部材が台座部を介して素子基板に固定された液体吐出ヘッドを製造することもできる。この場合、図12(b)に示した間隙形成部材71aを形成する工程の前に、可動部材の、自由端と反対側の端部を素子基板に固定するための台座部を素子基板の発熱体側の面上に形成する。この場合でも、台座部と素子基板との密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0136】
上述した例では、流路側壁9を天板3に形成した場合について説明したが、フォトリソグラフィプロセスを用いて、素子基板1への可動部材6の形成と同時に、流路側壁9を素子基板1に形成することもできる。
【0137】
以下に、素子基板1に可動部材6及び流路側壁9を設けた場合の、可動部材6及び流路側壁の形成工程の一例について、図15及び図16を参照して説明する。なお、図15及び図16は、可動部材及び流路側壁が形成される素子基板の液流路方向と直交する方向に沿った断面を示している。また、図15及び図16に示す例においても、図12を参照して説明した例と同様に可動部材6に検出部や配線等が形成されるものであるが、それらの形成方法については図7を用いて説明した例と同様であるので、以下の説明では、可動部材6及び流路側壁9の形成を中心に説明し、可動部材6への検出部や配線等についての説明は省略する。
【0138】
まず、図15(a)では、素子基板1の発熱体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行うための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層として、不図示のTiW膜をスパッタリング法によって厚さ約5000Å形成する。この素子基板1の発熱体2側の面に、間隙形成部材71を形成するためのAl膜をスパッタリング法によって厚さ約4μm形成する。形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングし、図11に示した発熱体2と可動部材6との間の気泡発生領域10に対応する位置に、素子基板1と可動部材6との間の間隙を形成するための、Al膜からなる間隙形成部材71を複数形成する。それぞれの間隙形成部材71は、後述する図16(b)の工程において、可動部材6を形成するための材料膜であるSiN膜72がエッチングされる領域まで延在されている。間隙形成部材71は、後述するドライエッチングにより液流路7および可動部材6を形成する際のエッチングストップ層として機能する。そのため、ドライエッチングにより液流路7を形成する際に素子基板1の発熱体2側の面や、素子基板1上のTiW層が露出しないように、それぞれの間隙形成部材71における液流路7の流路方向と直行する方向の幅は、後述する図16(b)の工程で形成される液流路7の幅よりも広くなっている。
【0139】
さらに、ドライエッチング時には、CF4ガスの分解によりイオン種およびラジカルが発生し、素子基板1の発熱体2や機能素子にダメージを与えることがあるが、Alからなる間隙形成部材71は、これらイオン種やラジカルを受け止めて素子基板1の発熱体2や機能素子を保護するものとなっている。
【0140】
次に、図15(b)では、間隙形成部材71の表面、および素子基板1の間隙形成部材71側の面上に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を形成するための材料膜であるSiN膜72を、間隙形成部材71を被覆するように形成する。ここで、プラズマCVD装置を用いてSiN膜72を形成する際には、図13を参照して説明したように、素子基板1を構成するシリコン基板などを介して、素子基板1に備えられたTaからなる耐キャビテーション膜を接地する。これにより、プラズマCVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0141】
次に、図15(c)では、SiN膜72の表面に、スパッタリング法によりAl膜を厚さ約6100Å形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN膜72表面の、可動部材6に対応する部分、すなわちSiN膜72表面の可動部材形成領域に第2の保護層としてのAl膜73を残す。Al膜73は、ドライエッチングにより液流路7を形成する際の保護層(エッチングストップ層)となる。
【0142】
次に、図16(a)では、SiN膜72およびAl膜73の表面に、流路側壁9を形成するためのSiN膜74を、マイクロ波CVD法を用いて厚さ約50μm形成する。ここで、マイクロ波CVD法によるSiN膜74の成膜に使用するガスとしては、モノシラン(SiH4)、窒素(N2)およびアルゴン(Ar)を用いた。そのガスの組み合わせとしては、上記以外にも、ジシラン(Si2H6)やアンモニア(NH3)などとの組み合わせや、混合ガスを用いてもよい。また、周波数が2.45[GHz]のマイクロ波のパワーを1.5[kW]とし、ガス流量としてはモノシランを100[sccm]、窒素を100[sccm]、アルゴンを40[sccm]でそれぞれのガスを供給して、圧力が5[mTorr]の高真空下でSiN膜74を形成した。また、ガスのそれ以外の成分比でのマイクロ波プラズマCVD法や、RF電源を使用したCVD法などでSiN膜74を形成してもよい。
【0143】
CVD法によりSiN膜74を形成する際には、図13に基づいて前述したようなSiN膜72を形成する方法と同様に、発熱体2の面上に形成されているTaからなる耐キャビテーション膜を素子基板1のシリコン基板を介して接地する。これにより、CVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0144】
そして、SiN膜74の表面全体にAl膜を形成した後に、形成されたAl膜を、フォトリソグラフィなどの周知の方法を用いてパターニングして、SiN膜74の表面の、液流路7に対応する部分を除く部分にAl膜75を形成する。前述したように、それぞれの間隙形成部材71における液流路7の流路方向と直行する方向の幅は、次の図16(b)の工程で形成される液流路7の幅よりも広くなっているので、Al膜75の側部が間隙形成部材71の側部の上方に配置されている。
【0145】
次に、図16(b)では、誘電結合プラズマを使ったエッチング装置を用いてSiN膜74およびSiN膜72をパターニングして流路側壁9および可動部材6を同時に形成する。そのエッチング装置では、CF4とO2の混合ガスを用いて、Al膜73,25および間隙形成部材71をエッチングストップ層すなわちマスクとして、SiN膜74がトレンチ構造となるようにSiN膜74およびSiN膜72のエッチングを行う。このSiN膜72をパターニングする工程では、図1に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固定されるようにSiN膜72の不要な部分を除去する。可動部材6の支持固定部と素子基板1との密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0146】
ここで、ドライエッチング装置を用いてSiN膜72および24をエッチングする際には、図14を参照して説明したように素子基板1などを介して間隙形成部材71を接地する。これにより、ドライエッチングの際にCF4ガスの分解により生じるイオン種およびラジカルの電荷が間隙形成部材71に留まることを防止して、素子基板1の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。また、このエッチングの工程で形成される液流路7の幅よりも間隙形成部材71の幅の方が広くなっているため、SiN膜74の不要な部分を除去した際に素子基板1の発熱体2側の面が露出することがなく、間隙形成部材71によって素子基板1が確実に保護される。
【0147】
次に、図16(c)では、酢酸、りん酸および硝酸の混酸を用いてAl膜73および25を加温エッチングすることで、Al膜73および75や、Al膜からなる間隙形成部材71を溶出して除去し、素子基板1上に可動部材6および流路側壁9を作り込む。その後、過酸化水素を用いて、素子基板1に形成したパッド保護層としてのTiW膜の、気泡発生領域10およびパッドに対応する部分を除去する。素子基板1と流路側壁9との密着部にも、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれている。
【0148】
(6)液体吐出ヘッドの適用例
次に、上述した液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置の概略について説明する。
【0149】
図17は、本発明の液体吐出ヘッドを装着して適用することのできる液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置600の概略斜視図である。
【0150】
図17において、インクジェットヘッドカートリッジ601は、上述した液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに供給するインクを保持するインクタンクとが一体となったものである。このインクジェットヘッドカートリッジ601は、駆動モータ602の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア603,604を介して回転するリードスクリュ605の螺旋溝606に対して係合するキャリッジ607上に搭載されており、駆動モータ602の動力によってキャリッジ607とともにガイド608に沿って矢印a,b方向に往復移動される。被記録材Pは、図示しない被記録材搬送手段によってプラテンローラ609上を搬送され、紙押え板610によりキャリッジ607の移動方向にわたってプラテンローラ609に対して押圧される。
【0151】
リードスクリュ605の一端の近傍には、フォトカプラ611,612が配設されている。これらはキャリッジ607のレバー607aのこの域での存在を確認して駆動モータ602の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知手段である。
【0152】
支持部材613は、上述のインクジェットヘッドカートリッジ601の吐出口のある前面(吐出口面)を覆うキャップ部材614を支持するものである。また、インク吸引手段615は、キャップ部材614の内部にインクジェットヘッドカートリッジ601から空吐出等されて溜まったインクを吸引するものである。このインク吸引手段615によりキャップ内開口部616を介してインクジェットヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われる。インクジェットヘッドカートリッジ601の吐出口面を払拭するためのクリーニングブレード617は、移動部材618により前後方向(上記キャリッジ607の移動方向に直交する方向)に移動可能に設けられている。これらクリーニングブレード617及び移動部材618は、本体支持体619に支持されている。クリーニングブレード617は、この形態に限らず、他の周知のクリーニングブレードであってもよい。
【0153】
液体吐出ヘッドの吸引回復操作にあたって、吸引を開始させるためのレバー620は、キャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。インクジェットヘッドカートリッジ601の液体吐出ヘッドに設けられた発熱体に信号を付与したり、前述した各機構の駆動制御を司ったりするインクジェット記録制御部は装置本体側に設けられており、ここには図示しない。
【0154】
上述の構成を有するインクジェット記録装置600は、図示しない被記録材搬送手段によりプラテンローラ609上を搬送される被記録材Pに対し、インクジェットヘッドカートリッジ601は被記録材Pの全幅にわたって往復移動しながら記録を行う。
【0155】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液体吐出ヘッド用基板及び液体吐出ヘッドによれば、基板との境界部での液体の流れの影響やエネルギー発生素子が発する熱の影響が少ない状態で液体の状態を検出することができる。その結果、センサでの検出結果に応じて、インクの状態に合せた吐出制御が可能となり、液体を安定して吐出させることができる。また、エネルギー発生素子が、液体に熱エネルギーを作用させることで液体に気泡を発生させるものであり、立体構造部の梁部材を、このエネルギー発生素子に対面して配され、気泡によって変位する可動部材とすることで、液体の吐出特性を向上させることができる。
【0156】
また、本発明の液体吐出ヘッド用基板の製造方法、及び液体吐出ヘッドの製造方法によれば、フォトリソグラフィ技術を用いて、上記の立体構造部として設けられたセンサを、基板上に容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液体吐出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。
【図2】図1に示す液体吐出ヘッドに用いられる素子基板の要部の断面図である。
【図3】図2に示す素子基板1の主要素子を縦断するように素子基板1を切断した模式的断面図である。
【図4】図1に示した液体吐出ヘッドの回路構成を説明するための、素子基板の平面図(a)、及び天板の平面図(b)である。
【図5】図1に示す液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出ヘッドユニットの平面図である。
【図6】本発明に適用可能な単体検出部型のセンサの一例の模式的拡大図を示す。
【図7】図6に示すセンサの製造工程の一例を説明するための図である。
【図8】本発明に適用可能な基準電極ペア型のセンサの一例の模式的拡大図を示す。
【図9】液流路内における立体構造部の配置の他の例を説明する斜視図である。
【図10】液体の温度に応じて発熱体の駆動条件を制御する例の素子基板(a)および天板(b)の回路構成を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態である液体吐出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。
【図12】図11に示した液体吐出ヘッドへの可動部材6の形成方法の一例を説明するための図である。
【図13】プラズマCVD装置を用いて素子基板上にSiN膜を形成する方法を説明するための図である。
【図14】ドライエッチング装置を用いてSiN膜を形成する方法を説明するための図である。
【図15】素子基板上に可動部材及び流路側壁を形成する方法を説明するための図である。
【図16】素子基板上に可動部材及び流路側壁を形成する方法を説明するための図である。
【図17】本発明の液体吐出ヘッドを装着して適用することのできる液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 素子基板
2 発熱体
3 天板
4 オリフィスプレート
5 吐出口
6 可動部材
7 液流路
8 共通液室
9 流路側壁
13、13’、63 センサ
20 液体吐出ヘッドユニット
21 液体吐出ヘッド
71、71a、137 間隙形成部材
72、72a、138、141 SiN膜
131,131’ 立体構造部
131a,131a’ 支柱
131b,131b’ 梁
131c 開口
132、132a 検出部
132b 基準部
133、133a、133b 配線[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid discharge head that discharges a desired liquid by generating bubbles generated by applying thermal energy to the liquid and a method for manufacturing the same, and more particularly, a thermal energy generating element for generating thermal energy is formed. The present invention relates to a substrate and a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
By applying energy such as heat to the ink, the ink undergoes a change in state accompanied by a steep volume change (bubble generation), and the ink is discharged from the discharge port by the action force based on this change in state, and this is recorded 2. Description of the Related Art An ink jet recording method for forming an image by adhering to a medium, a so-called bubble jet recording method is conventionally known. In a recording apparatus using this bubble jet recording method, as disclosed in US Pat. No. 4,723,129, etc., an ejection port for ejecting ink and a communication with the ejection port are provided. In general, an ink flow path and an electrothermal converter as an energy generating means for discharging ink disposed in the ink flow path are disposed.
[0003]
According to such a recording method, a high-quality image can be recorded at high speed and with low noise, and the ejection ports for ejecting ink can be arranged with high density in the head that performs this recording method. Therefore, it has many excellent points that a high-resolution recorded image and a color image can be easily obtained with a small apparatus. For this reason, in recent years, this bubble jet recording method has been used in many office devices such as printers, copiers, and facsimiles, and has also been used in industrial systems such as textile printing apparatuses. .
[0004]
Incidentally, an electrothermal converter for generating energy for ejecting ink can be manufactured using a semiconductor manufacturing process. Therefore, the conventional head using the bubble jet technology is a resin such as polysulfone in which an electrothermal transducer is formed on an element substrate made of a silicon substrate, and a groove for forming an ink flow path is formed thereon. And a top plate made of glass or the like.
[0005]
In addition to utilizing the fact that the element substrate is made of a silicon substrate, not only the electrothermal transducer is configured on the element substrate, but also a driver for driving the electrothermal transducer and the electrothermal transducer to the head temperature. In some cases, a temperature sensor used for control according to the control and a drive control unit thereof are configured on an element substrate (JP-A-7-52387, etc.). As described above, a head in which a driver, a temperature sensor, a drive control unit thereof, and the like are configured on an element substrate has been put to practical use, and contributes to improvement of the reliability of the recording head and miniaturization of the apparatus.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In a conventional liquid discharge head in which a temperature sensor is provided on an element substrate, the temperature sensor is mainly intended to measure the temperature of the element substrate. However, as the recent high-density recording progresses, the amount of ink ejected at one time becomes smaller and the effect of the state or type of ink itself, such as temperature and density, on the recording becomes larger than the temperature of the substrate. I came. That is, as the discharge amount decreases, the difference in discharge amount due to the state of ink, which has not been a major problem in the past, has become conspicuous as variations in the discharge amount.
[0007]
Under such circumstances, it is difficult to detect a more accurate ink state or the like with the conventional arrangement of the temperature sensor of the liquid discharge head. The reason is that the temperature sensor of the conventional liquid discharge head is formed flat on the surface of the element substrate using the semiconductor wafer process technology together with the electrothermal converter and the drive control unit. It is considered that the vicinity of the surface of the ink tends to stagnate the ink and has a large temperature gradient due to the influence of heat from the electrothermal converter.
[0008]
An object of the present invention is to provide a liquid discharge head that enables stable discharge by accurately detecting the state of the liquid to be discharged, a liquid discharge head substrate used therefor, and a method for manufacturing the same. That is.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the substrate for a liquid ejection head according to the present invention provides ejection energy to a liquid. Through the liquid flow path A semiconductor substrate used in a liquid discharge head for discharging liquid and having an energy conversion element for converting electric energy into the discharge energy Consist of In the liquid discharge head substrate, The substrate for the liquid discharge head includes a column that protrudes from the surface of the substrate having the energy conversion element and is different from the wall that forms the liquid flow path, and a beam member that is supported by the column. And detecting the state of the liquid in the liquid discharge head on the beam member A sensor detection unit is arranged.
[0010]
According to the liquid discharge head substrate of the present invention, the sensor for detecting the liquid state The detection part of Three-dimensional structure To the beam member Therefore, when used in a liquid discharge head, the liquid state is detected in a state where the influence of the liquid flow at the boundary with the substrate and the influence of the heat generated by the energy generating element are small.
[0011]
The liquid discharge head according to the present invention includes a first substrate and a second substrate for configuring a plurality of discharge ports that discharge a liquid and a plurality of liquid flow paths that are connected to each other to communicate with the discharge ports, respectively. And a plurality of energy conversion elements arranged in each liquid flow path for converting electrical energy into liquid discharge energy in the liquid flow path, The liquid channel has a three-dimensional structure provided with a column that protrudes from a wall surface that configures the liquid channel and is different from the wall surface that configures the liquid channel, and a beam member supported by the column. For detecting the liquid state in the liquid discharge head on the beam member; A sensor detection unit is arranged.
[0012]
According to the liquid discharge head of the present invention, the sensor for detecting the liquid state Detector But liquid flow path Inside Three-dimensional structure To the beam member Since it is provided, the liquid state is detected in a state where the influence of the liquid flow at the boundary with the wall surface of the liquid flow path and the influence of the heat generated by the energy generating element are small.
[0013]
The sensor may be provided on the first substrate or may be provided on the second substrate. In addition, in order to improve the liquid discharge efficiency, the energy conversion element generates bubbles in the liquid by applying thermal energy to the liquid. The energy conversion element is arranged facing the energy generation element and displaced by the bubbles. If the movable member has a three-dimensional structure Beam member It may be used as
[0014]
The liquid ejection apparatus according to the present invention includes the liquid ejection head according to the present invention, and a drive signal supplier that supplies the liquid ejection head with a drive signal for ejecting liquid from the liquid ejection head. Step Have.
[0015]
The method for manufacturing a substrate for a liquid discharge head according to the present invention is used in a liquid discharge head that discharges liquid by applying discharge energy to the liquid, and an energy conversion element for converting electric energy into the discharge energy is formed. In a method for manufacturing a substrate for a liquid discharge head having a semiconductor substrate,
Forming a base material layer containing a semiconductor material in a predetermined pattern on the semiconductor substrate;
A step of forming, on the base material layer, a detection portion whose electrical characteristics change according to the state of the liquid to be detected, and a wiring that electrically connects the detection portion to an electric circuit formed on the semiconductor substrate. When,
Forming a protective layer containing a semiconductor material for protecting the wiring on the substrate layer on which the detection portion and the wiring are formed.
[0016]
The method of manufacturing a liquid discharge head according to the present invention includes a first substrate and a first substrate for forming a plurality of discharge ports that discharge liquid and a plurality of liquid flow paths that are joined to each other and communicate with the discharge ports, respectively. In a method of manufacturing a liquid discharge head, comprising: a substrate of 2; and a plurality of energy conversion elements arranged in each liquid flow path for converting electric energy into liquid discharge energy in the liquid flow path. At least one of the first substrate and the second substrate , Forming a base material layer containing a semiconductor material in a predetermined pattern, and on the base material layer, A step of forming a detection unit whose electrical characteristics change according to the state of the liquid to be detected, and a wiring electrically connected to the detection unit, and a substrate layer on which the detection unit and the wiring are formed And a step of forming a protective layer containing a semiconductor material for protecting the wiring.
[0017]
According to said manufacturing method, the board | substrate for liquid discharge heads and liquid discharge head of this invention can be easily manufactured using a photolithographic technique.
[0018]
The terms “upstream” and “downstream” used in the description of the present invention are related to the flow direction of the liquid from the liquid supply source to the discharge port through the bubble generation region (or the movable member), or the direction in this configuration. It is used as an expression.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, as an embodiment applicable to the present invention, a first substrate for configuring a plurality of discharge ports that discharge liquid and a plurality of liquid flow paths that are connected to each other and communicate with the discharge ports, respectively. And a second substrate, a plurality of energy conversion elements arranged in each liquid flow path for converting electrical energy into liquid discharge energy in the liquid flow path, and for controlling the driving conditions of the energy conversion elements A liquid discharge head having a plurality of elements or electric circuits having different functions and having the elements or electric circuits distributed to the first substrate and the second substrate according to the functions will be described.
[0020]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a liquid discharge head according to an embodiment of the present invention along a liquid flow path direction.
[0021]
As shown in FIG. 1, this liquid ejection head includes an
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
In the
[0025]
Based on the above configuration, when the
[0026]
On the other hand, when the bubbles enter the defoaming process, in order to supplement the contraction volume of the bubbles in the bubble generation region 10 and to supplement the volume of the discharged liquid, the liquid flows from the upstream side, that is, the
[0027]
In addition, the liquid discharge head according to the present embodiment includes circuits and elements for driving the
[0028]
Hereinafter, the structure of the
[0029]
FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part of an element substrate used in the liquid discharge head shown in FIG. As shown in FIG. 2, in the
[0030]
The film on the
[0031]
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view of the
[0032]
As shown in FIG. 3, an N-type well region 422 and a P-type well region 423 are partially provided on the surface layer of the silicon substrate 301 that is a P conductor. Then, P-
[0033]
A portion of the P-type well region 423 that is different from the N-
[0034]
In the present embodiment, the N-Mos transistor 430 is used as a transistor for driving the electrothermal conversion element. However, the N-Mos transistor 430 has an ability to individually drive a plurality of electrothermal conversion elements, and obtains a fine structure as described above. Any transistor that can be used is not limited to this transistor.
[0035]
An oxide film isolation region 424 is formed by field oxidation with a thickness of 5000 mm to 10,000 mm between each element such as between the P-
[0036]
On the surface of each element of the P-
[0037]
The
[0038]
Next, a configuration for distributing circuits and elements to the
[0039]
4A and 4B are diagrams for explaining the circuit configuration of the liquid discharge head shown in FIG. 1, in which FIG. 4A is a plan view of an element substrate, and FIG. 4B is a plan view of a top plate. 4 (a) and 4 (b) show the opposing surfaces.
[0040]
As shown in FIG. 4A, the
[0041]
The image
[0042]
As will be described later in detail, the sensor 13 detects a change in the temperature of the liquid, the pressure of the liquid, a component contained in the liquid, or a hydrogen ion concentration index (PH) of the liquid, etc. Is used.
[0043]
On the other hand, as shown in FIG. 4B, the
[0044]
Furthermore, in order to electrically connect a circuit or the like formed on the
[0045]
When the
[0046]
When the liquid discharge head thus obtained is mounted on a head cartridge or a liquid discharge device, as shown in FIG. 5, the liquid discharge head is fixed on a base substrate 22 on which a printed wiring board 23 is mounted. The unit 20 is used. In FIG. 5, a printed wiring board 23 is provided with a plurality of
[0047]
As described above, various circuits for driving and controlling the
[0048]
In addition, by dispersing the above-described circuit and the like on the
[0049]
Here, the matter regarding the sensor 13, which is one of the major features of the present invention, and an application example of the present invention will be described in detail.
[0050]
(1) Sensor configuration
Although simply shown in FIG. 1, the sensor 13 is provided at a position protruding from the surface of the
[0051]
(1a) Single sensor type sensor
FIG. 6 is a schematic enlarged view of an example of a single detection unit type sensor applicable to the present invention.
[0052]
As shown in FIG. 6, the sensor 13 includes a three-
[0053]
The three-
[0054]
Next, as an example of a method for forming the sensor 13 on the
[0055]
First, as shown in FIG. 7A, an Al film is formed with a thickness of about 1 μm on the
[0056]
Next, in order to form a gap between the
[0057]
The
[0058]
Then, as shown in FIG. 7C, an
[0059]
Next, as shown in FIG. 7D, a
[0060]
Next, as shown in FIG. 7E, an
[0061]
Accordingly, the sensor 13 in which the
[0062]
The height from the surface of the
[0063]
As described above, in the liquid discharge head according to the present embodiment, circuits and functional elements for driving the
[0064]
Therefore, by providing the sensor 13 in the three-
[0065]
(1b) Reference electrode pair type sensor
In the case of detecting the pH of the liquid by utilizing the change in the voltage at the interface with the liquid in response to ions, molecules, etc. in the liquid, the voltage is applied to the ions, molecules, etc. of the liquid to be detected. An electrode that does not change is required. In such a case, a reference electrode pair type sensor is used.
[0066]
FIG. 8 is a schematic enlarged view of an example of a reference electrode pair type sensor applicable to the present invention. In FIG. 8, the same components as those in FIG. 6 are denoted by the same reference numerals as those in FIG.
[0067]
As shown in FIG. 8, the sensor 13 ′ generates a voltage corresponding to a component that is a detection target of the liquid in contact with the
[0068]
Such a structure of the sensor 13 ′ can be manufactured by using a semiconductor element manufacturing process, as in the case of the single detection unit type sensor. In this case, the
[0069]
As will be described in detail later, by providing the
[0070]
Also in the reference electrode pair type sensor 13 ′ shown in FIG. 8, since the
[0071]
As described above, the sensor form applicable to the present invention has been described by taking two typical forms as an example. However, the shape of the three-
[0072]
In particular, the shape as shown in FIG. 6 or FIG. 8 is preferable in that the upper and lower surfaces of the
[0073]
In the example shown in FIG. 9, the shape of the three-
[0074]
In addition, in the example described above, the member provided with the sensor is also provided on the
[0075]
(2) Sensor type
In the present invention, a sensor for detecting a liquid state or the like is used. A typical type of sensor used in the present invention will be described with reference to FIG.
[0076]
(2a) When detecting a change in the temperature of the liquid
One of the liquid states that affect the ejection characteristics is the viscosity of the liquid. The viscosity of the liquid varies depending on the type of liquid to be discharged, and also changes with time due to evaporation of moisture and the like. Therefore, in the discharge of a minute amount of liquid, the viscosity of the liquid also greatly affects, and for stable discharge, it is necessary to control the driving conditions of the liquid discharge head according to the type of liquid and changes with time.
[0077]
One measure for estimating the viscosity of a liquid is the temperature of the liquid. When performing discharge control utilizing the temperature of the liquid, it is desirable to minimize the influence of the heat generation part. As described above, the
[0078]
Therefore, by using a temperature sensor having the
[0079]
By the way, when there is a large temperature gradient at the boundary with the liquid substrate, the heat of the boundary with the substrate can be taken by the flow of the liquid. Therefore, a heater is arranged in the vicinity of the temperature sensor, and a temperature difference is formed in the liquid by locally heating the liquid by driving the heater. There is also a method for detecting the flow rate of the liquid.
[0080]
Even when the flow rate sensor is configured in this way, in the configuration in which the temperature sensor and the heater are arranged on the surface of the substrate, even if the liquid is heated locally, the heat escapes to the substrate, and the vicinity of the substrate surface due to the viscosity of the liquid. Then, the flow of the liquid becomes small, and the flow rate cannot be detected accurately in a minute flow path.
[0081]
Therefore, as shown in FIG. 6, a temperature sensor and a heater are provided in the three-
[0082]
(2b) When detecting the pressure of the liquid
In a liquid discharge head that drives the
[0083]
Therefore, a pressure sensor that detects the pressure acting on the liquid can be configured by introducing an element that changes the resistance value or generates a voltage depending on the pressure of the liquid into the
[0084]
(2c) When detecting a component contained in a liquid
In the liquid discharge head, the discharge characteristics change depending on the components contained in the liquid to be discharged. Therefore, a film that reacts with ions, molecules, and the like contained in the liquid and generates a potential difference in the equilibrium state is disposed as a
[0085]
Even when the components contained in the liquid are detected in this way, the liquid flow is poor and it is difficult to obtain a stable liquid equilibrium state at the boundary with the liquid substrate. By configuring 131, most of the surroundings are covered with the liquid, and the
[0086]
(2d) When detecting PH in liquid
One of the films that react to the hydrogen ion concentration in the liquid is a silicon oxide film. When the silicon oxide film is provided as the
[0087]
If the film formed as the
[0088]
As described above, since the three-
[0089]
The above-described reference electrode, that is, the
[0090]
(3) Sensor and circuit distribution
Each of the above-described circuits is distributed according to their functions, and the concept that is the basis for this distribution will be described below.
[0091]
A circuit corresponding to each
[0092]
An analog portion such as a control circuit is easily affected by heat, and thus is provided on a substrate on which the
[0093]
The sensor 13 may be provided on the
[0094]
In addition, a circuit that does not correspond to each
[0095]
By providing each circuit, sensor, and the like on the
[0096]
(4) Liquid discharge head control example
The ink state detected by the sensor is used for drive control of the heating element for more stable liquid ejection. As an example of drive control of the heating element, an example of drive control of the heating element when a temperature sensor that detects the temperature of the liquid is used will be described.
[0097]
FIG. 10 is a diagram showing a circuit configuration of the element substrate and the top plate in an example in which the driving condition of the heating element is controlled according to the temperature of the liquid. In the example shown in FIG. 10, before the foaming energy is given to the heating element 32, FIG. The preheating pulse of the heating element 32 is preheated (preliminary heating to the extent that the liquid is not foamed) according to the detection result of a sensor (not shown in FIG. 10) that detects the temperature of the liquid. Control the width.
[0098]
As shown in FIG. 10A, the
[0099]
The drive timing
[0100]
Further, as external contact pads provided on the
[0101]
On the other hand, as shown in FIG. 6B, the
[0102]
Further, as the contact pads for connection, the
[0103]
In the above configuration, first, the temperature of the liquid is detected for each liquid flow path by the sensor, and the result is stored in the
[0104]
By outputting the image data signal to the AND
[0105]
Further, the head information stored in the
[0106]
In the liquid discharge head described with reference to FIG. 10, the
[0107]
Control of energy applied to the heating element 32 using the
[0108]
(5) Other examples of liquid ejection head
In the example shown in FIG. 1, grooves for forming the liquid flow path 7 are formed in the
[0109]
For example, if a wall corresponding to the thickness of the orifice plate is left on the end surface of the top plate, and a discharge port is formed on the wall by ion beam processing, electron beam processing, or the like, the liquid discharge head can be used without using the orifice plate. Can be configured. Also, if the channel side wall is formed on the element substrate rather than by forming a groove on the top plate, the position accuracy of the liquid channel with respect to the heating element is improved, and the shape of the top plate is simplified. Can do. The movable member can be formed on the top plate using a photolithographic process. However, when the element substrate is provided with the channel side wall as described above, the element is formed simultaneously with the formation of the possible member on the element substrate. A substrate can also be formed. This will be described later.
[0110]
Furthermore, the present applicant has proposed a liquid discharge head in which a movable member that guides the pressure propagation direction of bubbles to the downstream side is provided in the liquid flow path. Next, an example in which the present invention is applied to a liquid discharge head having a movable member will be described.
[0111]
FIG. 11 is a cross-sectional view along the liquid flow path direction of the liquid discharge head according to another embodiment of the present invention. 11, the same components as those in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals as those in FIG.
[0112]
The liquid discharge head shown in FIG. 11 is basically the same as the liquid discharge head shown in FIG. 1, but a
[0113]
The
[0114]
Based on the above configuration, when the
[0115]
That is, on the bubble generation region 10, the
[0116]
On the other hand, when the bubble enters the defoaming step, the bubble rapidly disappears due to a synergistic effect with the elastic force of the
[0117]
The above is the principle of operation of the liquid ejection head having the
[0118]
By configuring the sensor 63 in a part of the
[0119]
The formation position of the detection part or the like on the
[0120]
Here, an example of a method for forming the
[0121]
FIG. 12 is a diagram for explaining an example of a method of forming the
[0122]
First, in FIG. 12A, as a first protective layer for protecting the connection pad portion for electrical connection with the
[0123]
Next, in FIG. 12B, an Al film for forming the
[0124]
By patterning the formed Al film using a well-known photolithography process, only the portion of the Al film corresponding to the support fixing part of the
[0125]
Next, in FIG. 12C, the
[0126]
As shown in FIG. 13, an RF electrode 82a and a stage 85a that are opposed to each other at a predetermined distance are provided in a reaction chamber 83a of a plasma CVD apparatus for forming the
[0127]
In the plasma CVD apparatus configured as described above, a gas is supplied into the reaction chamber 83a through the supply pipe 84a in a state where the cavitation resistant film is grounded, and the
[0128]
Then, by using an etching apparatus using dielectric coupling plasma, the
[0129]
When the
[0130]
As shown in FIG. 14, in a reaction chamber 83b of a dry etching apparatus for etching the
[0131]
In the dry etching apparatus configured as described above, the
[0132]
In the present embodiment, the gas supplied into the reaction chamber 83a is CF. Four And O 2 A mixed gas of 2 CF not mixed Four Gas or C 2 F 6 Gas or C 2 F 6 And O 2 A mixed gas or the like may be used.
[0133]
The
[0134]
Next, in FIG. 12E, the second protective layer made of the Al film formed on the
[0135]
As described above, the
[0136]
In the example described above, the case where the flow
[0137]
Below, an example of the formation process of the
[0138]
First, in FIG. 15A, as a first protective layer for protecting a connection pad portion for electrical connection with the
[0139]
Furthermore, during dry etching, CF Four Ion species and radicals are generated by the decomposition of the gas, and the
[0140]
Next, in FIG. 15B, a material film for forming the
[0141]
Next, in FIG. 15C, an Al film having a thickness of about 6100 mm is formed on the surface of the
[0142]
Next, in FIG. 16A, a
[0143]
When the
[0144]
Then, after forming an Al film on the entire surface of the
[0145]
Next, in FIG. 16B, the
[0146]
Here, when the
[0147]
Next, in FIG. 16C, the
[0148]
(6) Application example of liquid ejection head
Next, an outline of a liquid discharge apparatus equipped with the above-described liquid discharge head will be described.
[0149]
FIG. 17 is a schematic perspective view of an ink
[0150]
In FIG. 17, an ink
[0151]
[0152]
The
[0153]
In the suction recovery operation of the liquid ejection head, the
[0154]
In the
[0155]
【The invention's effect】
As described above, according to the liquid discharge head substrate and the liquid discharge head of the present invention, the liquid state is less affected by the flow of liquid at the boundary with the substrate and the heat generated by the energy generating element. Can be detected. As a result, according to the detection result of the sensor, it is possible to perform the discharge control according to the ink state, and the liquid can be stably discharged. In addition, the energy generating element generates bubbles in the liquid by applying thermal energy to the liquid. Beam members The liquid discharge characteristics can be improved by using a movable member that is disposed facing the energy generating element and that is displaced by bubbles.
[0156]
Further, according to the method for manufacturing a substrate for a liquid discharge head and the method for manufacturing a liquid discharge head according to the present invention, the sensor provided as the three-dimensional structure can be easily manufactured on the substrate by using a photolithography technique. can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a liquid discharge head according to an embodiment of the present invention along a liquid flow path direction.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part of an element substrate used in the liquid discharge head shown in FIG.
3 is a schematic cross-sectional view in which the
4A is a plan view of an element substrate and FIG. 4B is a plan view of a top plate for explaining the circuit configuration of the liquid discharge head shown in FIG. 1;
FIG. 5 is a plan view of a liquid discharge head unit on which the liquid discharge head shown in FIG. 1 is mounted.
FIG. 6 is a schematic enlarged view of an example of a single detection unit type sensor applicable to the present invention.
7 is a diagram for explaining an example of a manufacturing process of the sensor shown in FIG. 6. FIG.
FIG. 8 is a schematic enlarged view of an example of a reference electrode pair type sensor applicable to the present invention.
FIG. 9 is a perspective view for explaining another example of the arrangement of the three-dimensional structure in the liquid channel.
FIG. 10 is a diagram showing a circuit configuration of an element substrate (a) and a top plate (b) in an example in which driving conditions of a heating element are controlled according to the temperature of a liquid.
FIG. 11 is a cross-sectional view taken along a liquid flow path direction of a liquid discharge head according to another embodiment of the present invention.
12 is a diagram for explaining an example of a method for forming the
FIG. 13 is a diagram for explaining a method of forming a SiN film on an element substrate using a plasma CVD apparatus.
FIG. 14 is a diagram for explaining a method of forming a SiN film using a dry etching apparatus.
FIG. 15 is a view for explaining a method of forming a movable member and a channel side wall on an element substrate.
FIG. 16 is a view for explaining a method of forming a movable member and a channel side wall on an element substrate.
FIG. 17 is a schematic perspective view of an ink jet recording apparatus which is an example of a liquid ejecting apparatus to which the liquid ejecting head of the present invention can be attached and applied.
[Explanation of symbols]
1 Element substrate
2 Heating element
3 Top plate
4 Orifice plate
5 Discharge port
6 Movable members
7 Liquid flow path
8 Common liquid chamber
9 Channel side wall
13, 13 ', 63 Sensor
20 Liquid discharge head unit
21 Liquid discharge head
71, 71a, 137 Gap forming member
72, 72a, 138, 141 SiN film
131,131 'Three-dimensional structure part
131a, 131a 'strut
131b, 131b 'beams
131c opening
132, 132a detector
132b Reference part
133, 133a, 133b wiring
Claims (15)
該液体吐出ヘッド用基板は、該基板の前記エネルギー変換素子を有する面から突出し、前記液流路を構成する壁面とは異なる支柱と、該支柱に支持される梁部材と、を備える立体構造部を有し、
該梁部材に前記液体吐出ヘッド内での液体の状態を検出するためのセンサの検出部が配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド用基板。By giving discharge energy to the liquid through the liquid flow path used in the liquid discharge head for discharging liquid, liquid discharge head comprising a semiconductor substrate of the energy conversion elements are formed for converting electrical energy to said discharge energy In the substrate for
The substrate for the liquid discharge head includes a column that protrudes from a surface of the substrate having the energy conversion element and is different from a wall that forms the liquid flow path, and a beam member that is supported by the column. Have
A substrate for a liquid discharge head, wherein a detecting portion of a sensor for detecting a state of a liquid in the liquid discharge head is disposed on the beam member .
前記液流路は、該液流路を構成する壁面から突出し、該液流路を構成する壁面とは異なる支柱と、該支柱に支持される梁部材と、を備える立体構造部を有し、
該梁部材に前記液体吐出ヘッド内での液体の状態を検出するためのセンサの検出部が配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。A first substrate and a second substrate for forming a plurality of discharge ports for discharging a liquid, and a plurality of liquid flow paths which are connected to each other to communicate with the discharge ports; In a liquid discharge head having a plurality of energy conversion elements arranged in each liquid flow path in order to convert into liquid discharge energy in the path,
The liquid flow path has a three-dimensional structure portion that includes a column that protrudes from a wall surface that forms the liquid flow channel and that is different from the wall surface that forms the liquid flow channel, and a beam member that is supported by the column.
A liquid discharge head, wherein a detection unit of a sensor for detecting a state of liquid in the liquid discharge head is disposed on the beam member .
前記素子あるいは電気回路は、その機能に応じて前記第1の基板と前記第2の基板とに振り分けられている、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。A plurality of elements or electric circuits having different functions for controlling the driving conditions of the energy conversion element;
The liquid ejection head according to claim 2 , wherein the element or the electric circuit is distributed between the first substrate and the second substrate according to a function thereof.
前記立体構造部の前記梁部材は、前記エネルギー変換素子に対面して配され、気泡によって変位する可動部材である、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。The energy conversion element generates bubbles in the liquid by applying thermal energy to the liquid,
The beam member of the three-dimensional structure, the disposed facing the energy conversion element, a movable member displaced by the bubble, the liquid discharge heads according to any one of claims 2 to 6.
前記半導体基板上に、半導体材料を含む基材層を所定のパターンで形成する工程と、
前記基材層上に、検出すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化する検出部、及び前記検出部を前記半導体基板に形成された電気回路と電気的に接続する配線を形成する工程と、
前記検出部及び前記配線が形成された基材層上に、前記配線を保護するための、半導体材料を含む保護層を形成する工程とを有する、液体吐出ヘッド用基板の製造方法。A method for manufacturing a substrate for a liquid discharge head, comprising: a semiconductor substrate that is used in a liquid discharge head that discharges liquid by applying discharge energy to the liquid, and on which an energy conversion element for converting electric energy into the discharge energy is formed In
Forming a base material layer containing a semiconductor material in a predetermined pattern on the semiconductor substrate;
A step of forming, on the base material layer, a detection portion whose electrical characteristics change according to the state of the liquid to be detected, and a wiring that electrically connects the detection portion to an electric circuit formed on the semiconductor substrate. When,
Forming a protective layer containing a semiconductor material for protecting the wiring on a base material layer on which the detection section and the wiring are formed.
前記保護層の形成工程の後に、前記保護層で覆われている前記検出部及び前記基準部の一部を露出させる工程を有する、請求項12に記載の液体吐出ヘッド用基板の製造方法。Before the step of forming the protective layer, on the base material layer, a reference part that does not change in electrical characteristics even when it comes into contact with a liquid or shows an electrical characteristic different from the detection part, and the reference part Forming a wiring electrically connected to a circuit formed on the semiconductor substrate;
The method for manufacturing a substrate for a liquid discharge head according to claim 12 , further comprising a step of exposing a part of the detection portion and the reference portion covered with the protective layer after the step of forming the protective layer.
前記基材層を形成する工程は、前記間隙形成部材が形成された部位と前記間隙形成部材が形成されていない部位とを跨る領域に形成することを含み、
前記保護層の形成工程の後に、前記間隙形成部材を除去する工程を有する、請求項12または13に記載の液体吐出ヘッド用基板の製造方法。Before forming the base material layer, including a step of forming a gap forming member on the semiconductor substrate for forming a gap between a part of the base material layer and the semiconductor substrate;
The step of forming the base material layer includes forming in a region straddling a portion where the gap forming member is formed and a portion where the gap forming member is not formed,
The method for manufacturing a substrate for a liquid discharge head according to claim 12 , further comprising a step of removing the gap forming member after the step of forming the protective layer.
前記第1の基板及び前記第2の基板の少なくとも一方に、半導体材料を含む基材層を所定のパターンで形成する工程と、
前記基材層上に、検出すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化する検出部、及び前記検出部に電気的に接続する配線を形成する工程と、
前記検出部及び前記配線が形成された基材層上に、前記配線を保護するための、半導体材料を含む保護層を形成する工程とを有する、液体吐出ヘッドの製造方法。A first substrate and a second substrate for forming a plurality of discharge ports for discharging a liquid, and a plurality of liquid flow paths which are connected to each other to communicate with the discharge ports; In a method of manufacturing a liquid discharge head having a plurality of energy conversion elements arranged in each liquid flow path in order to convert into liquid discharge energy in a path,
Forming a base material layer containing a semiconductor material in a predetermined pattern on at least one of the first substrate and the second substrate ;
On the base material layer, a step of forming a detection unit whose electrical characteristics change according to the state of the liquid to be detected, and a wiring electrically connected to the detection unit,
Forming a protective layer containing a semiconductor material for protecting the wiring on the base material layer on which the detection section and the wiring are formed.
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