JP3647185B2 - 接眼光学系及び接眼映像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用者の頭部もしくは顔面に保持することが可能な頭部又は顔面装着式視覚表示装置に適用可能な接眼光学系と、この接眼光学系を搭載した接眼映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バーチャルリアリティー用、あるいは、個人的に大画面の映像を楽しむことを目的として、ヘルメット型、ゴーグル型の頭部又は顔面に保持する視覚表示装置が開発されている。例えば、液晶表示素子,EL表示素子等の小型の表示素子上の像をレンズ等の接眼光学系で眼球に拡大投影するものがある。そのような接眼表示装置の光学系を図22に示す。図22において、2次元表示素子を3、2次元表示素子3を空中に拡大投影する接眼レンズを20、観察者Hの眼球を10とする。従来装置では、2次元表示素子3に形成された原画像の拡大虚像を接眼レンズ20により形成し、眼球10でこの拡大虚像を鑑賞するよう構成されていた。
【0003】
接眼光学系の従来技術としては、顕微鏡、双眼鏡、望遠鏡、ファインダー等の接眼レンズがある(実公昭40−9090号公報,特開昭50−151163号公報,特開昭51−120231号公報,特開昭52−72242号公報,特開平3−87709号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
頭部もしくは顔面装着式視覚表示装置にとって、装置全体の大きさを小さくすることと軽量化が装着性を向上させる上で重要である。また、大きな画角を確保することが画面の臨場感を増す上で必要であり、臨場感は提示画角で決まってしまうと言っても過言でない。立体感、迫力感、没入感等の臨場感を観察者に与えるためには対角方向で100度以上の表示画角を実現することが望ましい。
【0005】
また、接眼光学系のアイポイントにおける設計瞳径が小さいと、瞳の自由度が小さく、装置の最適装着状態から少しずれるだけで観察視野周辺に暗黒部が生じ、臨場感を損なうこととなり、好ましくない。つまり、接眼光学系のFナンバーを小さくすることが要求される。
【0006】
しかし、接眼光学系の画角を大きくし、さらに、Fナンバーを小さくすると、光学系の周辺部を光線が通過するため、収差の発生が大きくなり、コンパクトな構成では収差の補正が困難となり、さらに像面湾曲の影響もあいまって周辺画像の解像度が低下することが問題となる。特に像面湾曲については、レンズ枚数の少ないコンパクトな接眼レンズでは、光線高の高い箇所に正レンズ、低い箇所に負レンズを配置して、正負のパワー配分によってペッツバール和を小さくするような構成をとることができず、その補正が困難である。
【0007】
本発明によって提供する接眼光学系は、下記の条件を同時に満たすものである。
(1) 対角110°以上の大きな画角
(2) 小さいFナンバー(大きな瞳径)
(3) 適切なアイリリーフ(観察者の目〜接眼レンズ第1面間の距離)
(4) 良好な収差補正
一方、上記した従来の接眼レンズは、50°〜70°程度の比較的大きな画角を確保してはいるものの、バーチャルリアリティ用途等において十分な臨場感と実使用上の容易性を実現する上で不可欠の上記条件を同時に満たしているとはいえない。従って、上記従来例の接眼レンズを接眼映像表示装置に搭載しても、大きな観察画角と大きな瞳位置の自由度と周辺まで平坦性の良い鮮明な画像とを同時に提供することはできない。
【0008】
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、単眼で対角110°以上の大きな観察画角を提示でき、適切な瞳径とアイリリーフを備えることで瞳位置の自由度が大きく、かつ、周辺まで均一で鮮明な観察画像を提示できるよう収差補正された接眼光学系を提供するものである。
【0009】
また、本発明の第2の目的は上記接眼光学系を接眼レンズとして搭載した広画角で臨場感に優れ、かつ鮮明な映像表示が可能な小型・軽量の接眼映像表示装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の接眼光学系は、2群4枚構成のレンズ系より成り、眼球側から順に、眼球側に凹面を向けた正メニスカスの第1レンズと軸上屈折力が正の両面非球面の第2レンズと中心近傍が両凸で軸上屈折力が正の両面非球面の第3レンズとより構成される正の第1レンズ群、中心近傍が両凹で軸上屈折力が負の両面非球面の第4レンズより成る第2レンズ群を有し、前記第1レンズ群の軸上焦点距離をf13とし、前記第2レンズ群の軸上焦点距離をf4とし、全系の焦点距離をfとした場合、
0.25 <f13/f < 0.45
−0.3 < f4/f < −0.1
なる条件を満足するように構成され、2次元表示素子上の平面像を眼球に虚像として拡大投影するものである。
【0011】
また、前記第2レンズは両面の周辺部が眼球側に凹面を向けるように湾曲した形状より成るものである。
【0013】
また、前記第1及び第2レンズ群の軸上焦点距離を各々f13、f4とした場合、
−2.7 <f13/f4< −1.2
なる条件を満足するものである。
【0014】
また、前記第4レンズの軸上焦点距離がf4であり、前記第3レンズの軸上焦点距離をf3とした場合、
−2.7 < f3/f4< −1.2
なる条件を満足するものである。
【0015】
また、前記第1乃至第3レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値をν13とし、前記第4レンズを構成する硝材のアッベ数をν4とした場合、
ν13> 40
ν4 < 30
なる条件を満足するものである。
【0016】
また、前記第3及び第4レンズを構成する硝材のアッベ数を各々ν3,ν4とした場合、
ν3 > 40
ν4 < 30
なる条件を満足するものである。
【0017】
また、本発明の接眼映像表示装置は、原画像を表示する1個もしくは2個の2次元表示素子と、該2次元表示素子上の平面像の各々を眼球に虚像として拡大投影する2次元表示素子と同個数の接眼光学系とを有し、該接眼光学系は眼球側から順に、眼球側に凹面を向けた正メニスカスの第1レンズと軸上屈折力が正の両面非球面の第2レンズと中心近傍が両凸で軸上屈折力が正の両面非球面の第3レンズとより構成される正の第1レンズ群、中心近傍が両凹で軸上屈折力が負の両面非球面の第4レンズより成る第2レンズ群を有し、前記第1レンズ群の軸上焦点距離をf13とし、前記第2レンズ群の軸上焦点距離をf4とし、全系の焦点距離をfとした場合、
0.25 <f13/f < 0.45
−0.3 < f4/f < −0.1
なる条件を満足するように構成されるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の接眼映像表示装置に用いられる接眼光学系の実施の形態1〜10につき説明する。図1〜図10は各々実施の形態1〜10の接眼光学系の断面図である。また、図1〜図10は各々後に記載する数値実施例1〜10に対応するものである。なお、実施の形態1〜10の各断面図の構成は図面上では類似の構成であるので、代表例として実施の形態1を示す図1につき以下説明し、実施の形態2〜10については構成の説明を省略する。
【0019】
実施の形態1.
図1において、1は観察者の眼球の瞳孔にあたる接眼光学系の入射瞳、2は本発明による接眼光学系、3は原画像を表示するLCD (Liquid Crystal Display)、ELD(Electroluminescent Display)、FED (Field Emission Display)、CRT(Cathode Ray tube)等の小型2次元表示素子の画像表示面である。
【0020】
接眼光学系2は、入射瞳1側から順に、第1レンズ群G1,第2レンズ群G2の順に配置されている。G1群は、入射瞳側1に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、軸上屈折力が正の両面非球面レンズL2と、中心近傍が両凸で軸上屈折力が正の両面非球面レンズL3とから構成され、正の屈折力を有する。また、G2群は中心近傍が両凹で軸上屈折力が負の両面非球面レンズL4より構成され、負の屈折力を有する。
【0021】
色収差の低減のために、正レンズであるL1,L2,L3には低分散硝材が使用され、負レンズであるL4には高分散硝材が使用されている。L1,L2,L3を構成する硝材のアッベ数平均値をν13とし、L4を構成する硝材のアッベ数をν4とすると、ν13,ν4は以下の不等式(1),(2)を同時に満たすことで色収差を良好に補正している。
ν13> 40 (1)
ν4< 30 (2)
また、G1群の正の屈折力の殆どがL3にあるので、L3,L4を構成する硝材のアッベ数をν3,ν4とすると、ν3,ν4は以下の不等式(3),(4)を同時に満たすことで色収差が良好に補正される。
ν3> 40 (3)
ν4< 30 (4)
【0022】
レンズL2は中心近傍が正のパワーを有する両面非球面レンズより構成されている。L2は周辺部が両面共入射瞳1側(眼球側)に凹面を向けるように大きく湾曲する構成であり、大きな傾斜を有する周辺光線に対する入射角を小さく保っている。このために、後に数値実施例1〜10の表中に示すように、第4面の6次の非球面係数[A6]S4,第5面の4次の非球面係数[A4]S5に関して下記(5)式,(6)式の条件を満足している。
-1.3e-6 <[A6]S4< -2e-7 (5)
-1.4e-4 <[A4]S5< +7e-5 (6)
(5)式の上限値を超えると、第4面周辺部が入射瞳1側と反対側に湾曲してしまう。また(5)式の下限値を超えると、第4面周辺部が入射瞳1側に湾曲しすぎて実用性を失う。(6)式の上限値を超えると、第5面周辺部が入射瞳1側と反対側に湾曲してしまう。また(6)式の下限値を超えると、第5面周辺部が入射瞳1側に湾曲しすぎて実用性を失う。
【0023】
また、前記G1群(レンズL1〜L3),G2群(レンズL4)の軸上焦点距離を各々f13,f4とし、全系の焦点距離をfとした場合、下記(7),(8)式を満足している。
0.25 <f13/f< 0.45 (7)
-0.3 <f4/f< -0.1 (8)
(7)式,(8)式は、本発明による接眼光学系のパワー配分を規定するものである。(7)式の上限値を超えると、G1群の正のパワーが弱くなって軸上色収差が補正過剰になる。また(7)式の下限値を超えるとG1群の正のパワーが強くなって、適切なバックフォーカル長が確保できなくなり表示素子の配置が困難になるとともに、軸上色収差が補正不足になり、また軸外の高次収差の補正が困難となる。(8)式の上限値を超えると、G2群の負のパワーが強くなって、軸上色収差が補正過剰になるとともに、レンズL4の作成精度,配置精度が厳しくなって実用性がなくなる。また軸外の高次収差の補正が困難になる。(8)式の下限値を超えると、G2群の負のパワーが弱くなって、適切なバックフォーカル長が確保できなくなり表示素子の配置が困難になるとともに、軸上色収差が補正不足となる。
【0024】
また、前記G1群、G2群の軸上焦点距離を各々f13、f4とした場合、 (9)式を満足する。
-2.7 <f13/f4< -1.2 (9)
(9)式はG1群と、G2群の焦点距離の比の範囲を制限するものである。(9)式の下限値を超えるとG2群の負のパワーが相対的に強くなる。この結果、G2群(レンズL4)で生じる高次の軸外収差の補正が困難になり、また軸上色収差が補正過剰となる。(9)式の上限値を超えるとG1群の正のパワーが相対的に強くなり、全系のバックフーカル長の確保が困難になるとともにG1群で生じる高次の軸外収差の補正が困難になる。
【0025】
また、前記レンズL3,L4の軸上焦点距離を各々f3,f4とした場合、 (10)式を満足する。
-2.7 <f3/f4< -1.2 (10)
(10)式はG1群のパワーを支配するレンズL3と、G2群を構成するレンズL4の焦点距離の比の範囲を制限するものである。(10)式の下限値を超えるとレンズL4の負のパワーが相対的に強くなる。この結果、レンズL4で生じる高次の軸外収差の補正が困難になり、また軸上色収差が補正過剰となる。また、レンズL4の作成精度,配置精度が厳しくなり実用性を失う。(10)式の上限値を超えるとレンズL3の正のパワーが相対的に強くなり、全系のバックフーカル長の確保が困難になるとともにレンズL3で生じる高次の軸外収差の補正が困難になる。また、レンズL3の作成精度,配置精度が厳しくなり実用性を失う。
【0026】
以下、実施の形態1〜10に対応する数値実施例を示す。各数値実施例の断面図は各々図1〜10に対応する。又、表の記号の意味は以下の通りである。
【0027】
EPD: 入射瞳径 (開口絞りASTの開口径と等しい)
f: 全系の焦点距離 (mm)
F/# : Fナンバ (無限共役時)
ω : 入射瞳側半画角 (無限共役時)
m : 入射瞳から数えた面番号
ri : 入射瞳から数えて第i面の曲率半径(mm)
di : 入射瞳から数えて第i面から第i+1面に至る距離(厚さ,空気間隔; (mm))
ni : 入射瞳から数えて第i面直後の媒質の波長587.6nm(d線)における屈折率
νi : 入射瞳面から数えて第i面直後の媒質のアッベ数
AST: 開口絞り面(入射瞳面と等価)
ASP: 非球面
上記焦点距離、Fナンバ、半画角は波長546nmにおける値である。
また、上記ASPで示された非球面の形状は、(11)式,(15)式で定義される。
但し、rは中心曲率半径,Kは円錐定数,A4,A6,A8,A10は各々4次,6次,8次,10次の非球面係数、hは光軸Zからの高さである。又、非球面の中心は座標系(X,Y,Z)の原点に位置し、光軸はZ方向に合わせられているものとする。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
次に各数値実施例に関する、レンズ系各部の焦点距離,焦点距離の比,アッベ数の平均値を下表にまとめて示す。但し、表の記号の意味は以下の通りである。
f : 全系の焦点距離(mm)
f1: レンズL1の焦点距離(mm)
f2: レンズL2の軸上焦点距離(mm)
f3: レンズL3の軸上焦点距離(mm)
f4: レンズL4(G2群)の軸上焦点距離(mm)
f13: G1群(レンズL1〜L3)の合成軸上焦点距離(mm)
ν13: レンズL1,L2,L3を構成する硝材のアッベ数の平均値
上記の各種焦点距離は波長546nmにおける値である。
【0039】
【表1】
【0040】
図11〜図20に上記数値実施例1〜10に対応する横収差図を示す。EYはメリジオナル断面内、EXはサジッタル断面内の収差を示す。WL1,WL2,WL3は各々波長470nm,546nm,610nmに対する曲線であり、4種類の入射画角(無限遠入射)に対して小さな共役側(画像表示素子3)の面上の横収差をプロットした。図11〜図20より、本願の数値実施例はいずれも良好に横収差,色収差補正されており、対角110°以上の広画角で高解像な拡大虚像の形成が可能であることがわかる。
【0041】
実施の形態11.
つぎに、上記実施の形態1〜10で述べた接眼光学系を実装した接眼映像表示装置の構成につき、図21により説明する。図21において、3は2次元表示素子、2は数値実施例1〜10にて説明した本発明に係る接眼光学系、20は接眼光学系2を実装した接眼光学装置、10は観察者Hの眼球、30L,30Rは、2次元表示素子3と接眼光学装置20から成る表示ユニット、50は左右の表示ユニット30L,30Rを観察者Hの頭部に固定するためのベルト機構である。2次元表示素子3は従来例を示す図22と同様にLCD,ELD,FED,CRT等の小型表示素子が用いられる。これらのうちLCDを用いる場合、LCDは自発光でない表示素子ゆえ、例えば蛍光灯,LED,EL等からなる光源(図示せず)が表示素子3に組み込まれている。また、ELD,FED,CRT等の自発光表示素子を2次元表示素子に用いる場合には、このような光源の組み込みは不要である。
【0042】
2次元表示素子3の画像形成面に形成された原画像は、接眼光学系2により拡大虚像に変換され、眼球10でこの拡大虚像を鑑賞する。図21の接眼表示装置は本発明に係る接眼光学系2を実装しているので、110°以上の大きな観察画角を提示でき、適切な瞳径とアイリリーフを備えることで瞳位置の自由度が大きく、かつ、周辺まで均一で鮮明な観察画像を提示できる。この結果、広画角で臨場感に優れ、かつ鮮明な映像表示が可能である。
【0043】
左右各々の目に呈示される画像を100%重ね合わせても本発明に係る接眼光学系の画角は全角で110°以上と十分大きい。しかし公知のように水平方向外側に左右の提示画像をずらして表示することで、水平画角を拡大することができる。このために、(1)画像表示素子3の中心を接眼光学系2の光軸に対して水平方向にシフトさせ虚像を水平方向外側に移動させる、(2)接眼光学装置20と2次元表示素子3を組み合わせた表示ユニット(30L,30R)全体を各々水平面内で傾斜させ虚像形成位置を見かけ上外側方向に移動させる、等の方法で左右の目に対応する形成画像を左右方向外側にシフトするのが望ましい。左右の拡大表示画像を100%重ね合せた状態で双方の2次元表示素子に同一の画像を表示しても十分表示画像の画角が大きいので臨場感のよい結果が得られる。さらに、左右の拡大画像を100%重ね合せた場合、及び水平方向外側にシフトして重ね合せた場合のいずれにおいても、左右の2次元表示素子に両眼視差画像を表示すれば、立体視の効果によりさらに臨場感が高まる。
【0044】
なお、接眼光学装置20と2次元表示素子3は、実際の装置では一体に組み込まれ、さらに装置全体を観察者Hの頭部に固定するベルト機構50が設けられている。しかし表示ユニット30L,30Rを共通の匡体に収めた覗き込み型の接眼表示装置を構成する場合、必ずしもベルト機構50は必要でない。また、接眼光学装置20と2次元表示素子3の光軸方向間隔、及び表示ユニット30L,30R間の間隔は、観察者Hの目の特性及び瞳孔間隔に応じて適宜調整する機構(図示省略)を備えることで、観察者毎に最適の表示特性が提供できる。さらに、図21では接眼光学装置20と2次元表示素子3を2組設け両眼で鑑賞する接眼映像表示装置を示したが、接眼光学装置20と2次元表示素子3を1組設けた構成により単眼で鑑賞する装置にも変形可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0046】
本発明に係る接眼光学系は、下記の条件を同時に満たすものである。
(1) 対角110°以上の大きな画角
(2) 小さいFナンバー(大きな瞳径)
(3) 適切なアイリリーフ(観察者の目〜接眼レンズ第1面間の距離)
(4) 良好な収差補正。
この結果、本発明に係る接眼光学系によれば、単眼で110°以上の大きな観察画角を提示でき、適切な瞳径とアイリリーフを備えることで瞳位置の自由度が大きく、かつ、周辺まで均一で鮮明な観察画像を提示できるよう収差補正された接眼光学系を実現できる。
【0047】
また、本発明に係る接眼映像表示装置によれば、上記接眼光学系を接眼レンズとして搭載した広画角で臨場感に優れ、かつ鮮明な映像表示が可能な小型・軽量の接眼映像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の数値実施例1による接眼光学系の断面図である。
【図2】 本発明の数値実施例2による接眼光学系の断面図である。
【図3】 本発明の数値実施例3による接眼光学系の断面図である。
【図4】 本発明の数値実施例4による接眼光学系の断面図である。
【図5】 本発明の数値実施例5による接眼光学系の断面図である。
【図6】 本発明の数値実施例6による接眼光学系の断面図である。
【図7】 本発明の数値実施例7による接眼光学系の断面図である。
【図8】 本発明の数値実施例8による接眼光学系の断面図である。
【図9】 本発明の数値実施例9による接眼光学系の断面図である。
【図10】 本発明の数値実施例10による接眼光学系の断面図である。
【図11】 本発明の数値実施例1の接眼光学系の横収差図である。
【図12】 本発明の数値実施例2の接眼光学系の横収差図である。
【図13】 本発明の数値実施例3の接眼光学系の横収差図である。
【図14】 本発明の数値実施例4の接眼光学系の横収差図である。
【図15】 本発明の数値実施例5の接眼光学系の横収差図である。
【図16】 本発明の数値実施例6の接眼光学系の横収差図である。
【図17】 本発明の数値実施例7の接眼光学系の横収差図である。
【図18】 本発明の数値実施例8の接眼光学系の横収差図である。
【図19】 本発明の数値実施例9の接眼光学系の横収差図である。
【図20】 本発明の数値実施例10の接眼光学系の横収差図である。
【図21】 本発明の実施の形態11による接眼映像表示装置の構成図である。
【図22】 従来の接眼映像表示装置の構成図である。
【符号の説明】
1 入射瞳(観察者の眼球位置)、2 接眼光学系、3 2次元表示素子、 G1 第1レンズ群、 G2 第2レンズ群。
Claims (7)
- 2次元表示素子上の平面像を眼球に虚像として拡大投影する機能を有する光学系で、該光学系は眼球側から順に、眼球側に凹面を向けた正メニスカスの第1レンズと軸上屈折力が正の両面非球面の第2レンズと中心近傍が両凸で軸上屈折力が正の両面非球面の第3レンズとより構成される正の第1レンズ群、中心近傍が両凹で軸上屈折力が負の両面非球面の第4レンズより成る第2レンズ群を有し、
前記第1レンズ群の軸上焦点距離をf13とし、前記第2レンズ群の軸上焦点距離をf4とし、全系の焦点距離をfとした場合、
0.25 <f13/f < 0.45
−0.3 < f4/f < −0.1
なる条件を満足することを特徴とする接眼光学系。 - 前記第2レンズは両面の周辺部が眼球側に凹面を向けるように湾曲した形状であることを特徴とする請求項1記載の接眼光学系。
- −2.7 <f13/f4< −1.2
なる条件を満足する請求項1記載の接眼光学系。 - 前記第4レンズの軸上焦点距離がf4であり、前記第3レンズの軸上焦点距離をf3とした場合、
−2.7 < f3/f4< −1.2
なる条件を満足する請求項1記載の接眼光学系。 - 前記第1乃至第3レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値をν13とし、前記第4レンズを構成する硝材のアッベ数をν4とした場合、
ν13> 40
ν4 < 30
を満足することを特徴とする請求項1記載の接眼光学系。 - 前記第3及び第4レンズを構成する硝材のアッベ数を各々ν3,ν4とした場合、
ν3 > 40
ν4 < 30
を満足することを特徴とする請求項1記載の接眼光学系。 - 原画像を表示する1個もしくは2個の2次元表示素子と、該2次元表示素子上の平面像の各々を眼球に虚像として拡大投影する前記2次元表示素子と同個数の接眼光学系とを有し、
該接眼光学系は眼球側から順に、眼球側に凹面を向けた正メニスカスの第1レンズと軸上屈折力が正の両面非球面の第2レンズと中心近傍が両凸で軸上屈折力が正の両面非球面の第3レンズとより構成される正の第1レンズ群、中心近傍が両凹で軸上屈折力が負の両面非球面の第4レンズより成る第2レンズ群を有し、
前記第1レンズ群の軸上焦点距離をf13とし、前記第2レンズ群の軸上焦点距離をf4とし、全系の焦点距離をfとした場合、
0.25 <f13/f < 0.45
−0.3 < f4/f < −0.1
なる条件を満足することを特徴とする接眼映像表示装置。
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