JP3646630B2 - 蓄熱・蓄冷槽 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄熱・蓄冷槽の配管構造、及び蓄熱・蓄冷槽の運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄熱・蓄冷槽を用いたエネルギー貯蔵システムとして、蓄冷槽に貯蔵した冷熱を用いて、エネルギーを液体空気の形で貯蔵するシステム(液体空気エネルギー貯蔵システム、またはエネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム等)が特開平9−250360号の公報などで提案されている。本システムは、以下のような仕組みで電力貯蔵を行う。まず、夜間電力で圧縮機を駆動し、圧縮した空気を蓄熱・蓄冷槽を通して冷却し、膨張させることで液体空気を製造する。昼間の発電時に必要となる圧縮空気は夜間に貯蔵しておいた液体空気を加圧して、蓄熱・蓄冷槽を通すことで加熱,気化して供給する。昼間の運転時に液体空気の冷熱は蓄熱・蓄冷槽で回収され、次の夜間運転時に液体空気を製造するための冷熱源として利用される。
【0003】
このシステムが成立するためには、常温から氷点下200℃近い極低温まで使用可能で、安価で熱取り出し性能の高い大型の蓄熱・蓄冷槽が必要である。これらの特徴を満たす蓄熱・蓄冷槽としてコンクリートなどの固体を蓄熱・蓄冷材に用いる案が特開平10−227486号の公報や特開平10−238366号の公報で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここでは液体空気エネルギー貯蔵システムを例に取り説明する。実際には液体空気エネルギー貯蔵システムでも液体空気以外の冷熱源となる低温流体を使用することがあり、また本蓄熱・蓄冷槽は液体空気エネルギー貯蔵システム以外にも適用可能である。よって、伝熱管内を流れる流体は空気とは限らないが、説明の簡便さを考え、ここでは伝熱管内に空気が流れる場合のみを説明する。
【0005】
液体空気エネルギー貯蔵システムでは、夜間運転時にいかに効率良く液体空気を製造し、昼間の発電時に液体空気の冷熱を効率良く回収できるかがシステム全体の効率に大きく影響する。液体空気の製造効率を高めるためには空気をなるべく低い温度まで冷却すれば良いが、過剰に冷却すると液体空気製造効率の上昇割合が頭打ちになり、蓄熱・蓄冷槽の冷熱を過剰に奪うことになるため、トータルでの液体空気製造量は減少する。また、液体空気の冷熱を回収するときにも、蓄熱・蓄冷材温度を過剰に冷やしすぎると、夜間運転時に空気を過剰に冷やしすぎる可能性が増し、蓄熱・蓄冷材の冷熱を有効に回収できない可能性があり、蓄熱・蓄冷槽の容積が増大し、設備コストの上昇を招く。
【0006】
よって、夜間の液体空気製造時は空気を過剰に冷やしすぎず、昼間の液体空気加熱時は蓄熱・蓄冷材を過剰に冷やしすぎないような設備上または運転制御上の工夫が必要となる。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、効率的に蓄熱及び蓄冷することができる蓄熱・蓄冷槽、及びその運転制御方法を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の蓄熱・蓄冷槽は、少なくとも1本以上の伝熱管と伝熱管外部に配された蓄熱・蓄冷材から構成される蓄熱・蓄冷槽ユニットが、少なくとも2つ以上直列に接続して構成される蓄熱・蓄冷槽において、少なくとも1つ以上の蓄熱・蓄冷槽ユニットに、伝熱管内を流れる加熱或いは冷却される流体のユニット入口から他のユニット入口に前記過熱流体をバイパスさせるバイパス設備を設け、また伝熱管やヘッダ部の破損による伝熱管内を流れる流体の漏洩を検出する手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の蓄熱・蓄冷槽の運転制御方法は、少なくとも1本以上の伝熱管と伝熱管外部に配された蓄熱・蓄冷材から構成される蓄熱・蓄冷槽ユニットが、少なくとも2つ以上直列に接続して構成される蓄熱・蓄冷槽の運転制御方法において、伝熱管内の流体温度あるいは伝熱管外側の蓄熱・蓄冷材温度を計測し、流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以下まで下がった時、または流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以下に下がっている間、および流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以上まで上昇した時、または流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以上に上昇している間、加熱あるいは冷却用流体を当該蓄熱・蓄冷槽ユニットをバイパスして、他の蓄熱・蓄冷槽ユニットに供給することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面を引用してさらに詳しく説明する。
【0011】
まず、図1に示す蓄熱・蓄冷槽の実施形態について述べる。図1に示した蓄熱・蓄冷システムは、本蓄熱・蓄冷槽を液体空気エネルギー貯蔵システムに用いた場合の系統図ある。使用例である液体空気エネルギー貯蔵システムは、特開平9−250360号公報で提案されている負荷平準化を目的とした発電システムである。以下、説明は全て蓄熱・蓄冷槽を液体空気エネルギー貯蔵システムに用いた場合の例を説明する。
【0012】
図2に液体空気エネルギー貯蔵システムの装置配置図を示す。液体空気エネルギー貯蔵システムは、蓄熱・蓄冷槽13〜20,液体空気貯蔵タンク22、および圧縮機1,モータ兼発電機2,ガスタービン3,燃焼器4を備えたガスタービン発電システムより構成される。図2では、蓄熱・蓄冷槽13〜20は8つの大きなユニットにより構成されているが、全体をいくつのユニットに分割するかは運転方法などにより設計者が任意に設定できる。また、図2で示したようにユニットをさらに小さなユニットの集合として形成することも可能である。
【0013】
本システムでは、夜間電力を用いて圧縮機1を駆動し、蓄熱・蓄冷槽の常温側配管5から常温で高圧の空気を供給し、冷却された空気を低温側配管12から抜き取り膨張弁21で膨張させることで液体空気を製造する。夜間運転により、圧縮機1のエネルギーを液体空気の形で液体空気貯蔵タンク22に貯蔵する。その後、昼間の電力需要ピーク時に液体空気をポンプ23で加圧し、蓄熱・蓄冷槽の低温側配管12から供給し、加熱,気化させて蓄熱・蓄冷槽の常温側配管5から抜き取り、燃焼器に供給することで発電を行う。昼間の発電時に夜間運転時に貯蔵した圧縮機のエネルギーを回収し、電力負荷平準化を行うシステムである。図2中では便宜的に、常温側の蓄熱・蓄冷槽13から低温側の蓄熱・蓄冷槽20まで順番に第1から第8まで番号付けしてある。図1中では、蓄熱・蓄冷槽の左側が常温側、右側が低温側である。
【0014】
夜間運転開始時は高圧空気を常温側配管5より供給し、十分に冷却した空気を膨張させることで液体空気を製造する。空気を効率良く液化するには、圧力5.0MPa であれば100K程度まで冷却すれば十分であり、これ以上冷却しても液化率の向上は余り大きくなく、空気に過剰に冷熱を与えることになるため、液体空気エネルギー貯蔵システム全体のエネルギー貯蔵効率は低下することになる。よって、空気が液体空気を効率良く製造できる温度以下まで下がったところでバイパス管から抜き出して膨張弁21へと送る。図1中では、運転開始時は第4バイパス管9より抜き出すことを想定している。流体の温度計測センサーは、各蓄熱・蓄冷槽ユニットのヘッダ部や、ユニット間を繋ぐ配管に設置すれば良い。運転時間が経過するとともに、蓄熱・蓄冷槽の温度が上昇してくるため、第4バイパス管9出口空気温度も上昇する。第4バイパス管出口空気温度が液体空気を効率良く製造できる温度以上まで上昇した時点で、空気を抜き出すバイパス管を第5バイパス管10に変更する。以後、これを繰り返し、運転終了時には低温側配管12から空気を膨張弁21へと送るように制御する。
【0015】
バイパス管は蓄熱・蓄冷槽の各ユニットを繋ぐ配管上に設置しても良いし、各ユニットのヘッダ部に設置しても良い。
【0016】
上記のように、出口側のバイパス管だけでなく、入口側にもバイパス管を設けても良い。夜間運転の運転時間が経過すると、入口側の蓄熱・蓄冷材温度が上昇してくる。蓄熱・蓄冷材温度がある程度まで上昇すると、空気を冷却するという観点ではほとんど機能しない。よって、蓄熱・蓄冷材温度がある一定温度以上に上昇した時点で、空気を供給する場所を第1バイパス管6,第2バイパス管7の順で順次切り替える。蓄熱・蓄冷材の温度計測センサーは、蓄熱・蓄冷材中に埋め込んでおく。空気の冷却効率が悪い蓄熱・蓄冷槽を、空気供給口を順次切り替えてバイパスすることで、空気が通る伝熱管総延長が短縮し、圧力損失も減少させることができる。
【0017】
昼間運転時は逆に、運転開始時は液体空気ポンプ23により加圧された液体空気を低温側配管12より供給し、蓄熱・蓄冷材13〜20を冷却し、常温側配管5より加熱,気化された高圧空気を取り出す。昼間運転により、蓄熱・蓄冷槽は低温側配管12に近いところから常温側は配管5へ順に冷却されていく。昼間運転時も夜間運転時と同様に、蓄熱・蓄冷材を過剰に冷却するとシステム全体の効率が低下するため、蓄熱・蓄冷材温度がある一定温度以下まで下がった時点で、液体空気を供給する場所を第6バイパス管11,第5バイパス管10と順次変更していく。昼間運転時も、入口側だけでなく、出口側にもバイパス管を設けても良い。
【0018】
夜間運転および昼間運転時に精度良く制御するためには、流体温度とともに蓄熱・蓄冷材温度も計測するのが良い。しかし、定常運転時には流体温度から蓄熱・蓄冷材温度を評価できるため、流体温度のみで制御することも可能である。
【0019】
図3に出口側に本実施例でのバイパス設備を用いた運転制御方法採用時の蓄熱・蓄冷材温度25,27,29(図中の実線)と空気温度26,28,30(図中破線)の経時変化を、図4にバイパス設備を用いない通常の運転制御方法の蓄熱・蓄冷材温度25,27,29(図中実線)と空気温度26,28,30(図中破線)の経時変化を示す。図3と図4はともに、夜間の液体空気製造時の経時変化であり、運転時間は8時間として計算している。また、横軸の伝熱管総延長距離は、蓄熱・蓄冷槽の1ユニットあたりの伝熱管長さを基に規格化している。
【0020】
図3と図4の比較より、本実施例でのバイパス設備を用いた運転制御方法を採用することにより、蓄熱・蓄冷槽ユニット数を削減できることがわかる。蓄熱・蓄冷槽ユニットの削減は、単に蓄熱・蓄冷槽の物量を削減できるだけでなく、蓄熱・蓄冷槽に蓄える余剰な冷熱量が減少することを意味し、液体空気エネルギー貯蔵システム全体の効率向上にも寄与する。
【0021】
図1中では、システムの特徴を簡潔に図示するために、一部の蓄熱・蓄冷槽ユニットのみにバイパス管を設けたが、全ての蓄熱・蓄冷槽ユニットにバイパス管を設ければ、より効率的な運転制御が可能となる。
【0022】
図5および図6に各蓄熱・蓄冷槽ユニットの断面図の一例を示す。蓄熱・蓄冷槽ユニットは、流体が流れる伝熱管33のまわりに蓄熱・蓄冷材34を配し、そのまわりを外壁35で覆った構造である。伝熱管33はヘッダ部32でまとめられ、他のユニットと配管で結合される。外壁35は図5に示したように、伝熱管33と蓄熱・蓄冷材34を密封する形式にしても良いし、図6に示したように上部を開放しておいても良い。
【0023】
蓄熱・蓄冷槽内を流れる流体が空気のみの場合は、運転中の異常検知は必ずしも必要ではなく、発電システムの定期点検時に蓄熱・蓄冷槽ユニットの気密試験などを行えば良い可能性もある。しかし、液化天然ガス等の可燃性流体やアンモニア等の毒性の流体を流す場合には何らかの異常検出手段が必須となる。
【0024】
図5のように蓄熱・蓄冷槽を密封した形式にすれば、伝熱管やユニット管を繋ぐ配管の破損時に外壁内部の圧力が上昇するため、外壁内側に圧力センサー36を設置しておくことで、伝熱管や配管の破損などの異常を検知することができる。しかし、外壁内部が高圧になる可能性があるため、各ユニットに安全弁を設置するなど、安全上の処置も必要となる。
【0025】
一方図6のように上部を開放しておけば、安全弁は必要なくなるが、外壁内圧力測定による異常検知はできない。この場合は、ヘッダ部や伝熱管に温度センサー37を設置し、定常運転時との温度履歴の差、または他のユニットや伝熱管との温度差を計測することで異常を検知する。
【0026】
また、あらかじめ伝熱管や配管が破損しにくいような構造または製作方法をとることも重要である。特に、各蓄熱・蓄冷槽ユニット間で温度差が大きい場合には、伝熱管の熱膨張・収縮により、各ユニット間でヘッダの高さにずれが生じる可能性がある。このときユニット間を繋ぐ配管には大きな応力がかかる可能性がある。
【0027】
配管にかかる応力を緩和するには、蓄熱・蓄冷槽ユニット間のヘッダ高さにずれが生じると応力が軽減するように、あらかじめユニット間を繋ぐ配管に応力をかけた状態でヘッダに結合する。または、配管の材料をヘッダ部や伝熱管とは異なる、低温での延性が高い銅などの材料で製作すると良い。
【0028】
また、図7に示すような配管形状40を取り、伝熱管33と平行な方向でユニットの外側に向かって配管を伸ばし、円状に結合するユニットまで伸ばすと良い。さらに、ユニットの温度変化による配管結合部の変位分の曲がりしろをあらかじめ確保しておく構造とするとさらに健全性が増す。配管を伝熱管と直角の方向に伸ばすと、配管の付け根部分に配管の径方向の曲げ応力がかかる。一方、配管を伝熱管と平行方向に伸ばすと、配管にかかる応力は軸方向の引き張りまたは圧縮応力となり、一般的に曲げ応力よりも強い構造とすることができる。
【0029】
次に、図8に液体空気エネルギー貯蔵システムの運転サイクルと蓄熱・蓄冷槽の平均温度の経時変化の一例を示す。本システムでは、夜間の液体空気製造は約8時間運転する。夜間運転では、空気は冷却され、逆に蓄熱・蓄冷槽は加熱されることになる。その後、昼間の運転開始までの5時間は蓄熱・蓄冷槽の温度を維持する。次に、昼間の電力需要ピーク時に5時間発電する。昼間の運転時は、液体空気を加熱し、空気を気化するとともに蓄熱・蓄冷槽を冷却する。昼間の運転時に蓄熱・蓄冷槽に蓄えた冷熱は、次の夜間運転時に用いるため、6時間蓄熱・蓄冷槽の温度を維持する。
【0030】
上述のように、夜間運転時に液体空気を効率良く製造するためには、空気をある一定温度以下まで冷却することが必要である。そのためには、昼間の運転終了時から夜間運転開始時までの間、蓄熱・蓄冷槽の最低温度をそれよりも低く維持しておくことが必要となる。しかし、この間の蓄熱・蓄冷槽温度は90K程度の極低温であり、冷熱の漏洩を完全に防ぐことは難しい。この問題を解決するため、昼間の運転終了時に、液体空気貯蔵タンク内に少量の液体空気を残しておき、昼間の運転終了時から夜間運転開始時までの間、蓄熱・蓄冷槽に少量の液体空気供給する。本運転制御方法をとることにより、夜間運転時の空気の液化効率を下げることなく、蓄熱・蓄冷槽の断熱構造の簡素化が可能となる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、効率的に蓄熱及び蓄冷することができる蓄熱・蓄冷槽、及びその運転制御方法を提案できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の蓄熱・蓄冷槽システム系統図。
【図2】エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムの系統図。
【図3】本実施例のバイパス管を用いた蓄熱・蓄冷槽運転制御時の蓄熱・蓄冷材温度と空気温度の経時変化。
【図4】バイパス管を用いない蓄熱・蓄冷槽運転制御時の蓄熱・蓄冷材温度と空気温度の経時変化。
【図5】本実施例の蓄熱・蓄冷槽例1の断面図。
【図6】本実施例の蓄熱・蓄冷槽例2の断面図。
【図7】本実施例のユニット間結合配管の断面図
【図8】エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムの運転サイクルと蓄熱・蓄冷槽温度の関係。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…モーター兼発電機、3…ガスタービン、4…燃焼器、5…常温側配管、6…第1バイパス管、7…第2バイパス管、11…第6バイパス管、12…低温側配管、13…第1蓄熱・蓄冷槽ユニット、14…第2蓄熱・蓄冷槽ユニット、20…第8蓄熱・蓄冷槽ユニット、21…膨張弁、22…液体空気貯蔵タンク、23…液体空気ポンプ、24…制御建屋、25…夜間運転開始時の蓄熱・蓄冷材温度、26…夜間運転開始時の空気温度、27…4時間運転後の蓄熱・蓄冷材温度、28…4時間運転後の空気温度、29…夜間運転終了時の蓄熱・蓄冷材温度、30…夜間運転終了時の空気温度、31…液体空気製造に必要な温度、32…ヘッダ、33…伝熱管、34…蓄熱・蓄冷材、35…外壁、36…圧力センサー、37…温度センサー、38…出口側ヘッダ、39…入口側ヘッダ、40…ユニット間配管。

Claims (4)

  1. 少なくとも1本以上の伝熱管と伝熱管外部に配された蓄熱・蓄冷材から構成される蓄熱・蓄冷槽ユニットが、少なくとも2つ以上直列に接続して構成される蓄熱・蓄冷槽の運転制御方法において、
    伝熱管内の流体温度あるいは伝熱管外側の蓄熱・蓄冷材温度を計測し、流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以下まで下がった時、または流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以下に下がっている間、および流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以上まで上昇した時、または流体温度あるいは蓄熱・蓄冷材温度が設定温度以上に上昇している間、加熱あるいは冷却用流体を当該蓄熱・蓄冷槽ユニットをバイパスして、他の蓄熱・蓄冷槽ユニットに供給することを特徴とする蓄熱・蓄冷槽の運転制御方法。
  2. 少なくとも1本以上の伝熱管と伝熱管外部に配された蓄熱・蓄冷材から構成される蓄熱・蓄冷槽ユニットが、少なくとも2つ以上直列に接続して構成される蓄熱・蓄冷槽において、少なくとも1つ以上の蓄熱・蓄冷槽ユニットに、伝熱管内を流れる加熱される流体のユニット入口から他のユニット入口に前記過熱流体をバイパスさせるバイパス設備を設け、また伝熱管やヘッダ部の破損による伝熱管内を流れる流体の漏洩を検出する手段を設けたことを特徴とする蓄熱・蓄冷槽。
  3. 少なくとも1本以上の伝熱管と伝熱管外部に配された蓄熱・蓄冷材から構成される蓄熱・蓄冷槽ユニットが、少なくとも2つ以上直列に接続して構成される蓄熱・蓄冷槽において、少なくとも1つ以上の蓄熱・蓄冷槽ユニットに、伝熱管内を流れる冷却される流体のユニット入口から他のユニット入口に前記冷却流体をバイパスさせるバイパス設備を設け、また伝熱管やヘッダ部の破損による伝熱管内を流れる流体の漏洩を検出する手段を設けたことを特徴とする蓄熱・蓄冷槽。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の蓄熱・蓄冷槽において、前記の伝熱管内を流れる流体の漏洩を検出する手段として、蓄熱・蓄冷槽周りを外壁で覆うことで密封し伝熱管の外側に圧力センサーを設置する、あるいは伝熱管内部またはヘッダ部に温度センサーを設置することを特徴とする蓄熱・蓄冷槽。
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