JP3646572B2 - 道路状況判定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車走行道路の道路座標からカーブ径を算出する、道路状況判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、人工衛星からの電波を受信することにより自動車等の車両の現在位置を演算して、ディスプレイの道路地図上に表示するようにしたナビゲーションシステム(ナビゲーション装置)が広く普及している。
一般に、このようなナビゲーションシステムでは、目的地を入力することにより現在位置から目的地までの走行経路(ルート)を自動的に設定する機能や、音声等により上述の設定ルートをドライバに案内するような機能を有している。
【0003】
さらには、このような目的地を設定することで得られたルート上のカーブ径(曲率)や道路勾配等を計算して、自車両がカーブの手前にさしかかると、オートマチックトランスミッションの変速タイミングを補正したり、トラクション制御を行なったりするものも研究,開発されている。
例えば、特開平10−2412号公報には、道路座標から道路の平均曲率を求めこの平均曲率と車速とから変速段制御を行なう技術が開示されている。また、このような技術以外にも、車両にカメラを取り付け、カメラから得られる画像情報に基づいて前方のカーブ径を算出する技術も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平10−2412号公報の技術では、カーブ径の平均曲率を求めているので、カーブ径を精度良く算出することができないという課題があった。例えば、複数の異なるカーブ径を有するような複合カーブでは、手前側が緩やかなカーブであってもカーブの奥側で急激にきつくなる(即ち、カーブ径が小さくなる)場合があり、平均曲率を用いた計算では、このような場合に奥側の急カーブを精度良く判定することができないという課題がある。
【0005】
また、カメラの画像情報を処理して前方のカーブ径を算出する技術では、夜間や悪天候時等、カメラの撮像条件が悪い時にはカーブ径の計算が不安定になるという問題点があった。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、夜間や悪天候時であってもカーブ径を精度良く算出することができるようにした、道路状況判定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の道路状況判定装置では、地図情報記憶手段に記憶された座標点のうち、自車の走行道路上の座標点であって、該自車が通過した直後の第1の座標点と、自車が通過する直前の第2の座標点と、第2の座標点よりもさらに1つ前方の第3の座標点とが座標点抽出手段により抽出される。そして、距離算出手段では、座標点抽出手段により抽出された3つの座標点のうち、第1の座標点と第2の座標点との間の直線の距離(第1の直線の距離)、及び第2の座標点と第3の座標点との間の直線の距離(第2の直線の距離)とがそれぞれ算出される。
【0007】
そして、カーブ径算出手段では、距離算出手段で算出された座標点間の直線距離情報に基づいて、自車の走行している道路のカーブ径を以下のような条件で算出する。すなわち、距離算出手段で算出された第1の直線距離が所定値(第1の所定値)よりも大きく、且つ、該第2の直線の距離が第2の所定値よりも小さい場合には、自車がカーブ入口付近にあるものと判定し、第2及び第3の座標点を通り、第1の直線を接線とする円の半径をカーブ径として算出する。また、第1の直線距離が第1の所定値よりも小さく、且つ、第2の直線距離が第2の所定値よりも小さいと、自車がカーブ内を走行していると判定して、抽出された3つの座標点を通る円の半径をカーブ径として算出する。また、第1の直線の距離が第1の所定値よりも小さく、且つ、第2の直線の距離が第2の所定値よりも大きいと、自車がカーブ出口付近にあるものと判定し、第1及び第2の座標点を通り、第2の直線を接線とする円の半径をカーブ径として算出するのである。そして、このようにしてカーブ径を算出することにより、現在自車が走行しているカーブ径や前方のカーブ径を精度良く算出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態としての道路状況判定装置について説明すると、図1はその要部構成を示す模式的な機能ブロック図、図2はその計算手法を説明するための模式図、図3はその動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0009】
図示しない車両には、図1に示すようなGPSアンテナ1,FMアンテナ2,FM多重受信機3,ナビゲーション本体4及びディスプレイ(表示手段)5等がそなえられている。
また、ナビゲーション本体4は、自車の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段としてのGPS受信機4a及び道路を構成する複数の座標点のデータを記憶した地図情報記憶手段としてのナビソフト4b等を有している。なお、このナビソフト4bは、具体的には道路データ等の地図情報を格納したCDロム等の記録媒体である。また、このナビソフト4bは、ナビゲーション本体4の外部に設けられていてもよい。
【0010】
GPSアンテナ1で受信された人工衛星からの電波は、上記GPS受信機4aに取り込まれ、このGPS受信機4aでは、受信した電波に基づいて自車の現在位置(緯度及び経度)を算出するようになっている。また、GPS受信機4aでは、自車の現在位置に加え、前回算出した位置情報と今回算出した位置情報とに基づいて、現在の車両の進行方向を算出するようになっている。
【0011】
そして、上記GPS受信機4aで得られた現在位置をナビソフト4bに格納された地図上に座標変換して、自車の進行方向とともにディスプレイ5に表示するようになっている。
また、FMアンテナ2及びFM多重受信機3を介してGPS受信機4aに取り込まれる電波には道路渋滞情報等が含まれており、GPS受信機4aでは、このFM多重受信機3からの情報に基づいてディスプレイ5に周囲の道路の渋滞状況等を表示するようになっている。
【0012】
ところで、このナビゲーション本体4には、上記GPS受信機4aで得られた現在位置及び進行方向と、ナビソフト4bから得られる道路データとに基づいて、ナビソフト4b上における自車の走行道路を推定又は判定する判定手段4cが設けられている。
ここで、判定手段4cにおける走行道路の判定手法について簡単に説明すると、この判定手段4cでは、GPS受信機4aで自車位置及び進行方向が算出されると、この自車位置の座標データに基づいて、ナビソフト4b内に格納された複数の地図のうち、まず自車位置を含む地図(例えば縮尺1/25000相当)を選択するようになっている。そして、地図情報を選択した後は、上述のように、自車の現在位置を地図上の座標に変換して、現在位置と進行方向とディスプレイ5に表示するようになっている。
【0013】
次に、選択された地図上の道路を構成する全ての座標を読み込んで、各座標について自車位置との距離Lや道路の向き(地図上での傾き)を計算するようになっている。
判定手段4cでは、このような計算結果に基づいて、自車位置との距離Lが所定距離(例えば100m)以下で、且つ道路の向きと自車の進行方向とのなす角度が所定値(例えば30°)以下で、且つ自車の前方に存在する座標点を前方座標候補点として検出するようになっている。また、このような前方座標候補点が複数ある場合には、自車との距離が最も短い座標を選択し、この座標をあらためて前方座標候補点として設定するようになっている。
【0014】
そして、判定手段4cでは、上述のようにして設定された前方座標候補点を有する道路を自車が現在走行している道路であると判定するようになっているのである。
次に、本発明の要部としてのカーブ径の算出手法について説明すると、このナビゲーション本体4には、上記判定手段4c以外にも、主に道路のカーブ半径を算出する前方道路状況推定手段4dが設けられている。また、この前方道路状況推定手段4dは、図1に示すように、座標点抽出手段41,距離算出手段42及びカーブ径算出手段43をそなえて構成されている。
【0015】
このうち座標点抽出手段41は、上記ナビソフト(地図情報記憶手段)4b内に格納された地図に記憶された座標点のうち、判定手段4cで推定された自車の走行道路の道路座標の中から、自車が走行した直後の座標点(第1の座標点)と、自車が走行する直前の座標点(第2の座標点)と、第2の座標点よりもさらに1つ前方の座標点(第3の座標点)とを抽出するものである。
【0016】
例えば図2において、自車位置をX、判定手段4cで推定された自車走行道路上の座標をP0 ,P1 ,P2 ,・・・とすると、この座標点抽出手段41では、各座標点のうちP1 ,P2 及びP3 をそれぞれ第1,第2及び第3の座標点として抽出するようになっている。つまり、自車のすぐ後ろにある点P1 を第1の座標点とし、自車のすぐ前方にある点P2 を第2の座標点とし、この第2の座標点P2 よりも1つ前方の点P3 を第3の座標点として認識するのである。
【0017】
また、距離算出手段42では、座標点抽出手段41により抽出された3つの座標点P1 ,P2 ,P3 のうち、第1の座標点P1 と第2の座標点P2 との間の直線距離(第1の直線の距離)L1 、及び第2の座標点P2 と第3の座標点P3 との間の直線距離(第2の直線の距離)L2 をそれぞれ算出するようになっている。
【0018】
そして、カーブ径算出手段43では、距離算出手段42で算出された各座標点間の直線距離L1 ,L2 に基づいて、自車が現在カーブの入口にあるのか、カーブの出口にあるのか、カーブ内にあるのかを判定して、この判定結果に応じてカーブ径を算出するようになっている。
ところで、図2に示すように、一般にナビソフト4bでは、道路の直線部分では隣接する道路座標間の距離が比較的長く設定されており、逆にカーブ内では、座標間の距離は短く設定されている。特に、カーブの曲率が大きくなるほど(カーブがきつくなるほど)座標点間距離は短く設定されている。
【0019】
そこで、上記第1及び第2の直線距離(即ち、座標点間距離)L1 ,L2 を算出することで、自車が現在走行している道路の状況を判定することができるのである。
すなわち、本実施形態では、第1の直線距離L1 が第1の所定値(例えば30m)よりも大きければ、カーブ径算出手段43により自車はカーブ入口の直線路を走行していると判定されるようになっている。この場合、カーブ径算出手段43では、現在走行中の直線路(第1の直線)は、前方のカーブの接線であるものと仮定して、第2及び第3の座標点P2 ,P3 を通り且つ第1の直線が接線となるような円の半径を幾何学的に算出し、これを前方のカーブ径として設定するようになっている。
【0020】
また、第1の直線距離L1 が上記第1の所定値よりも小さい場合には、第2の直線距離L2 と第2の所定値(例えば30m)とを比較し、第2の直線距離L2 が第2の所定値よりも小さい場合には、自車がすでにカーブ内にあると判定するようになっている。
つまり、第1及び第2の直線距離L1 ,L2 がいずれも短い場合には、自車がカーブ内にあるため、座標間隔が狭くなった場合であり、図2中で自車がA点を走行している場合に相当する。したがって、カーブ径算出手段43では、上記3つの座標点を通る円の半径を幾何学的に算出し、これをカーブ径として設定するようになっているのである。
【0021】
また、第1の直線距離L1 が第1の所定値よりも小さく、且つ、第2の直線距離L2 が所定の値よりも大きければ、例えば図2中で自車がB点を走行しているような場合に相当する。したがって、このような場合には、自車がカーブの出口付近にあると判定するようになっている。
そして、この場合には、カーブの入口付近を走行している場合と同様の計算手法によりカーブ径を算出するようになっている。即ち、この場合には、カーブ径算出手段43では、前方の直線路(第2の直線)が、現在走行中のカーブの接線であるものと仮定して、第1及び第2の座標点を通り且つ第2の直線が接線となるような円の半径を幾何学的に算出し、これをカーブ径として設定するようになっているのである。
【0022】
次に、カーブ径の計算手法について具体的に説明する。まず、自車がカーブ入口にあると判定された場合、即ち、図2において自車位置がXにある場合には、以下のようにして、カーブ径を求めるようになっている。
この場合、上述したように、第1の直線(ここでは、直線P1 2 )を接線とし、第2,第3の座標点P2 ,P3 を通る円の半径Rが求めるカーブ径となる。
【0023】
このような円の半径Rをもとめるために、まず直交座標のx軸に対する第1の直線P1 2 の傾きα1 (又は角度θ1 )を下式により求める。
α1 =tanθ1 =(y2 −y1 )/(x2 −x1
同様に、第2の直線P2 3 の直交座標のx軸に対する傾きα2 (又は角度θ2 )を下式により求める。
【0024】
Figure 0003646572
一方、カーブ径をRとすると、幾何学的に下式(2)が成り立つ。
【0025】
R=|P2 3 |/(2sinθ)・・・・・・(2)
なお、P2 3 の長さは、下式(3)により求めることができる。
|P2 3 |=〔(x3 −x2 2 +(y3 −y2 2 1/2 ・・・・・・(3)
したがって、式(1)及び式(3)を式(2)に代入することで、カーブ径Rを算出することができる。
【0026】
また、自車がカーブ内を走行していると判定された場合、即ち、図2において自車位置が、例えば点Aにある場合には、以下のようにして、カーブ径Rを求めるようになっている。
この場合には、第1〜第3の3つの座標点(ここでは、座標P3 ,P4 ,P5 を用いる)を通る円の半径が求めるカーブ径Rとなる。したがって、円の中心座標を(x0 ,y0 )とすると、このカーブ径Rは、以下の連立方程式を解くことにより算出される。
【0027】
(x3 −x0 2 +(y3 −y0 2 =R2
(x4 −x0 2 +(y4 −y0 2 =R2
(x5 −x0 2 +(y5 −y0 2 =R2
次に、自車がカーブ出口にあると判定された場合、即ち、図2において例えば点Bに自車位置がある場合のカーブ径Rの算出手法について説明する。
【0028】
この場合には、第2の直線(この場合、直線P5 6 )を接線とし、第1,第2の座標点P4 ,P5 を通る円の半径Rが求めるカーブ径となる。
なお、具体的な計算手法としては、上述したような自車がカーブ入口にある場合と同様となるので、以下では簡単に説明する。
まず、直交座標のx軸に対する第1の直線P4 5 の傾きα1 (又は角度θ1 )及び第2の直線P5 6 の傾きα2 (又は角度θ2 )を下式により求める。
【0029】
α1 =tanθ1 =(y5 −y4 )/(x5 −x4
α2 =tanθ2 =(y6 −y5 )/(x6 −x5
ここで、θ1 −θ2 =θとすると、
θ=tan-1〔(α1 −α2 )/(1+α1 ・α2 )〕・・・(4)
カーブ径をRとすると、
R=|P4 5 |/(2sinθ)・・・・・・(5)
4 5 の長さは、
|P4 5 |=〔(x5 −x4 2 +(y5 −y4 2 1/2 ・・・・・・(6)
したがって、式(4)及び式(6)を式(5)に代入することにより、カーブ径Rが算出されるのである。
【0030】
そして、本実施形態では、このようにして算出されたカーブ径Rを用いて、トランスミッションの変速制御が行なわれるようになっている。このようなトランスミッションの変速制御の具体例としては、例えばカーブ径Rに応じた自動シフトダウンの実行や変速タイミングの変更が挙げられる。
また、トランスミッションの変速制御以外にも、トラクションコントロールシステムや自動配光ランプや自動ブレーキシステム等の制御に本発明を適用してもよい。
【0031】
本発明の一実施形態にかかる道路状況判定装置は、上述のように構成されているので、その動作を説明すると以下のようなる。
まず、図3のステップS1で、判定手段4cにより自車が現在走行している道路が判定される。すなわち、GPS受信機4aで自車位置(緯度及び経度)が検出されると、判定手段4cでは、この自車位置の座標データに基づいて、ナビソフト4bから自車位置を含む地図を選択し、地図上の道路を構成する全ての座標を読み込んで、各座標について自車位置との距離Lや道路の向き(地図上での傾き)を計算する。
【0032】
そして、自車位置との距離Lが所定距離(例えば100m)以下で、且つ道路の向きと自車の進行方向とのなす角度が所定値(例えば30°)以下で、且つ自車の前方に存在する座標点を前方座標候補点とする。また、このような前方座標候補点が複数ある場合には、自車との距離が最も短い座標を選択し、この座標をあらためて前方座標候補点とする。そして、上述のようにして設定された前方座標候補点を有する道路を自車が現在走行している道路であると判定する。
【0033】
なお、ステップS1における走行道路の判定手法としては、上述のものに限定されるものではなく、他の手法により現在の走行道路を判定又は推定するようにしてもよい。
次に、ステップS2以下に進み、カーブ径を算出する。まず、ステップS2では、上記ステップS1で判定された自車の走行道路において、自車位置の前後の道路座標及びさらに1つ前方の道路座標の3点の道路座標(即ち、自車が走行した直後の第1の座標点と、自車が走行する直前の第2の座標点と、第2の座標点よりも1つ前方の第3の座標点との3点の道路座標)が抽出されるとともに、この第1の座標点と第2の座標点との間の距離(第1の直線の距離)が算出され、この第1の直線の距離が第1の所定値(例えば30m)以上か否かが判定される。
【0034】
第1の直線の距離が第1の所定値以上であれば、自車は直線路を走行しているものとして、ステップS3に進み、このステップS3で前方のカーブ径が算出される。この場合には、現在走行中の直線路は、前方のカーブの接線であると考えて、第2及び第3の座標点を通り且つ第1の直線が接線となるような円の半径が算出されるとともに、この円の半径が前方のカーブ径として設定される。そして、その後ステップS7に進み、トランスミッション制御等を実行してからリターンする。
【0035】
また、ステップS2で第1の直線の距離が第1の所定値よりも小さいと判定された場合には、ステップS4に進み、第2の座標点と第3の座標点との間の距離(第2の直線の距離)が算出されるとともに、この第2の直線の距離が第2の所定値(例えば30m)以上か否かが判定される。
ステップS4で第2の直線の距離が所定値以上と判定された場合には、自車はカーブ出口近くを走行しているものとして、ステップS5に進み、前方のカーブ径が算出される。この場合には、前方の直線路(第2の直線)は、現在のカーブの接線であるものと仮定される。そして、第1及び第2の座標点を通り且つ第2の直線が接線となるような円の半径が算出され、これがカーブ径として設定される。そして、このようなカーブ径の計算を行なった後、上述したステップS7に進み、トランスミッション制御等が行なわれる。
【0036】
また、ステップS4で第2の直線の距離が所定値よりも小さいと判定されると、ステップS6に進む。この場合には、自車はカーブ内を走行している場合であり、上記第1〜第3の座標点を通る円の半径がカーブ径として算出される。そして、その後はやはり上述したステップS7に進み、トランスミッション制御等が行なわれる。
【0037】
以上詳述したように、本発明の一実施形態にかかる道路状況判定装置よれば、自車が現在走行している道路の座標間距離に基づいて自車がカーブ入口付近であるか等の状況を判定することができる。
そして、このような状況に応じて自車の前後の3つの座標点からカーブ径を計算するので、自車付近のカーブ径を精度よく算出することができ、従来技術のように平均曲率でカーブ径を算出する場合に比べて大幅に精度が向上する。例えば、緩いカーブの奥に急カーブが存在する場合でも、リアルタイムでカーブ径を検出することができるので、安全性が大幅に向上する。
【0038】
また、カメラ等の撮像手段を必要としないので、夜間や悪天候時であっても安定してカーブ径の計算を行なうことができる。また、特別なセンサ等を必要とせず、従来のナビゲーション装置に対して制御ロジックを追加するだけでよいので、コストや重量の増加を招くこともないという利点を有している。
また、本装置をトランスミッション制御やトラクションコントロール等に適用することで、車両の走行性能や安全性が大幅に向上する。
【0039】
なお、本発明の道路状況判定装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、FMアンテナ2及びFM多重受信機3は必ずしも必要なものではなく、省略してもよい。また、自車が現在走行している道路を判定する手法は本実施形態のものに限定されるものではなく、他の手法を用いてもよい。さらには、上述では、本発明で算出されたカーブ径をトランスミッション制御やトラクションコントロールに適用した例を説明したが、算出されたカーブ径をどのように用いるかについては何ら限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の道路状況判定装置によれば、自車が現在走行している道路の道路座標の座標間距離に基づいて自車がカーブ入口付近であるのか、又はカーブ内であるのか、又はカーブ出口付近であるのか等の状況を判定することができる利点がある。
【0041】
また、このような状況に応じて自車の前後の3つの座標点からカーブ径を計算するので、自車付近のカーブ径を精度よく算出することができ、従来技術のように平均曲率でカーブ径を算出する場合に比べて大幅に精度が向上する。例えば、緩いカーブの奥に急カーブが存在する場合でも、リアルタイムでカーブ径を検出することができ、安全性が大幅に向上する。
【0042】
また、カメラ等の撮像手段を必要としないので、夜間や悪天候時であっても安定してカーブ径の計算を行なうことができる。また、特別なセンサ等を必要とせず、従来のナビゲーション装置に対して制御ロジックを追加するだけでよいので、コストや重量の増加を招くこともないという利点を有している。
また、本装置をトランスミッション制御やトラクション制御や自動配光ランプ等に適用した場合には、車両の走行性能や安全性がさらに向上するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる道路状況判定装置の要部構成を機能的に示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる道路状況判定装置の計算手法を説明するための模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる道路状況判定装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
4 ナビゲーション本体
4a 自車位置検出手段(GPS受信機)
4b 地図情報記憶手段(ナビソフト)
4c 判定手段
4d 前方道路状況推定手段
41 座標点抽出手段
42 距離算出手段
43 カーブ径算出手段

Claims (1)

  1. 道路を構成する複数の座標点のデータを記憶した地図情報記憶手段と、
    該地図情報記憶手段に記憶された座標点のうち、自車の走行道路上の座標点であって、該自車が通過した直後の第1の座標点と、該自車がこれから通過する直前の第2の座標点と、該第2の座標点よりもさらに1つ前方の第3の座標点とを抽出する座標点抽出手段と、
    該座標点抽出手段により抽出された該3つの座標点のうち、該第1の座標点と該第2の座標点との間の第1の直線の距離、及び該第2の座標点と該第3の座標点との間の第2の直線の距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、
    該距離算出手段で算出された該座標点間の直線距離情報に基づいて、該自車の走行している道路のカーブ径を算出するカーブ径算出手段とをそなえ、
    該カーブ径算出手段が、
    該距離算出手段で算出された該第1の直線の距離が第1の所定値よりも大きく、且つ、該第2の直線の距離が第2の所定値よりも小さい場合には、該第2及び該第3の座標点を通り該第1の直線を接線とする円の半径を該カーブ径として算出し、
    該第1の直線の距離が該第1の所定値よりも小さく、且つ、該第2の直線の距離が第2の所定値よりも小さい場合には、該抽出された3つの座標点を通る円の半径を該カーブ径として算出し、
    該第1の直線の距離が該第1の所定値よりも小さく、且つ、該第2の直線の距離が該第2の所定値よりも大きい場合には、該第1及び該第2の座標点を通り該第2の直線を接線とする円の半径をカーブ径として算出する
    ことを特徴とする、道路状況判定装置。
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