JP3645924B2 - 衝撃吸収構造体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、衝撃吸収部材、例えば自動車のスペースフレームとして使用される衝撃吸収構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車では、衝突時における乗員の安全を確保するために、衝突エネルギーを吸収する構造をとっている。例えば、バンパーを自動車の車体に取付けるステーに衝撃吸収力を持たせたり、また車体のフレーム自体に衝撃を吸収させることが行われている。図4(A)(B)に示されているのはフレーム(20)(21)自体を座屈させることによって衝突の衝撃エネルギーを吸収させる構造であって、(A)は曲げの変形によりクラッシュストロークと適度な反力を得るものであり、(B)は外筒(22)および内筒(23)の二重構造で、過大加重の付加に対して両筒(22)(23)が無理矢理に突っ込まれることにより部材の塑性変形および摩擦熱に変換するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、交通事故の多発する昨今、さらなる安全の確保を目指して、前述の衝撃エネルギーの吸収構造よりもなお一層効果的にエネルギーを吸収できる衝撃吸収構造体が希求されている。また、前述のような構造であれば、エネルギー吸収力の調整に自由がきかないという問題点がある。
【0004】
この発明は、前記問題点を解消することを目的として、衝撃エネルギーの吸収力が大きく、容易にエネルギー吸収力を調整できる衝撃吸収構造体を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の衝撃吸収構造体は、前記目的を達成するために、金属押出形材製の棒状の芯材(2)と、前記芯材(2)を貫通させるとともに、該芯材(2)の断面形状に対応する形状の係合孔(10)を有する金属押出形材製の少なくとも1個の衝撃吸収材(3)と、前記芯材(2)を貫通させるとともに、該芯材(2)の断面形状に対応する形状の係合孔(12)を有し、かつ該芯材(2)の貫通方向における圧縮強度が前記衝撃吸収材(3)よりも高く設定された金属押出形材製の少なくとも1個の補強材(4a)(4b)との組み合わせからなり、前記衝撃吸収材(3)と前記補強材(4a)(4b)とが、各係合孔(10)(12)を介して前記芯材(2)に交互に貫通配置されてなることを特徴とするものである。
【0006】
この発明の衝撃吸収構造体の材質は、特に限定されるものではなく、各種金属を用いることができる。例えば、自動車のスペースフレームとして使用する場合は、軽量であることからアルミニウムまたはアルミニウム合金が好適に使用される。
【0007】
前記衝撃吸収構造体において、芯材(2)は前記衝撃吸収材(3)および補強材(4a)(4b)を貫通して一体化するために用いるものであり、高い強度は必要とせず、前記衝撃吸収材(3)が座屈するときに同時に座屈する程度の材質のものを使用する。
【0008】
また、前記衝撃吸収材(3)は貫通方向に一定以上の圧縮力が付加されると座屈するが、補強材(4a)(4b)は同一の圧縮力に対しては変形しない強度が必要である。このような相対的な強度差をつけるには、補強材(4a)(4b)の肉厚を衝撃吸収材(3)よりも厚くしたり、また図1および図2に示すように、補強材(4a)(4b)にリブ(14)を設けるかあるいはリブ(14)数を増やすなど、補強材(3)と衝撃吸収材(4a)(4b)とで断面形状を変えても良い。また、前記補強材(3)と衝撃吸収材(4a)(4b)とを同一形状とする場合でも、強度の異なる材料を使い分けることによっても強度差をつけることができる。勿論、形状と材質の両者を変えても良い。材質によって圧縮強度を変える場合、具体的には強度材(4a)(4b)としてA6061−T6を使用し、衝撃吸収材(3)としてA6063−T5を使用するような組み合わせを例示できる。
【0009】
前記衝撃吸収材(3)および補強材(4a)(4b)は、少なくとも各1つあればこの発明の衝撃吸収構造体となしえ、使用個数に上限はない。ただし、図2に示すように、他の部材に取付ける両端には補強材(4a)(4b)を配置することが好ましい。また、これらを各2つ以上使用する場合、必ずしも同一形状のものを使用する必要はなく、長さや断面形状の異なるものを組み合わせて使用しても良い。
【0010】
【作用】
この発明の衝撃吸収構造体は、貫通方向における圧縮強度が相対的に低い衝撃吸収材(3)と高い補強材(4a)(4b)とが交互に芯材(2)に貫通され、かつ芯材(2)はその断面形状に対応する形状のそれぞれの係合孔(10)(12)において係合し、堅固な一体物となっている。この衝撃吸収構造体に外部から貫通方向に一定以上の圧縮力が加わると、強度の低い衝撃吸収材(3)のみが座屈して、強度の高い補強材(4a)(4b)は変形しないため、一定の形状を保持しつつ、圧縮方向の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0011】
【実施例】
次に、この発明にかかる衝撃吸収構造体の具体的一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1および図2に示されているように、衝撃吸収構造体(1)は、長尺棒状の芯材(2)と、2つの短い衝撃吸収材(3)と、1つの長い補強材(4a)と、2つの短い補強材(4b)とからなり、いずれもA6061−T6アルミニウム合金製の中空押出形材を押出方向に所定の長さに切断したものである。
【0013】
前記芯材(2)は、断面において、中央に位置する大きな環状の本体(5)に、該本体(5)の同心円上3等分の位置に形成された小さな環状の係合部(6)が、半径方向の支持部(7)によって連結された形状に形成されている。また、前記衝撃吸収材(3)は、断面において、環状の外殻(8)の内側に、中心から周方向3等分の角度で放射状に外殻(8)まで拡がる3個の係合用リブ(9)が形成されているとともに、これらの係合用リブ(9)には前記芯材(2)を貫通状態に嵌入しうるように、芯材(2)の外形と同一形状の係合孔(10)が形成されている。また、前記補強材(4a)(4b)は、前記衝撃吸収材(3)と同一寸法の外殻(11)の内側に、前記衝撃吸収材(3)の係合孔(10)と同一寸法の係合孔(12)を有する3方向放射状の係合用リブ(13)が形成されている。そして、さらに、前記各係合用リブ(13)間に強度向上用のリブ(14)が形成されることによって、前記衝撃吸収材(3)よりも相対的に貫通方向における圧縮強度が高く設定されている。
【0014】
前記衝撃吸収構造体(1)は、図1に示すように、前記芯材(2)が長い補強材(4a)を端にして衝撃吸収材(3)と補強材(4b)とを交互に貫通することにより1本の棒体となされている。また、前記芯材(2)は、衝撃吸収材(3)および補強材(4a)(4b)に対してこれらの中心から三方に放射状に拡がった係合孔(10)(12)に嵌入状態で係合しているため、衝撃吸収材(3)および補強材(4a)(4b)の芯材(2)回りの回転が禁止され、堅固な棒体となっている。
【0015】
そして、図3に示すように、前記衝撃吸収構造体(1)は、貫通方向の圧縮力を受けると、補強材(4a)(4b)よりも先に、強度向上用リブ(14)の存在しない分だけ相対的に圧縮強度の低い衝撃吸収材(3)が座屈し、貫通方向に一定の形状を保ちつつ圧縮方向の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、この発明にかかる衝撃吸収構造体は、金属押出形材製の棒状の芯材(2)と、前記芯材(2)を貫通させるとともに、該芯材(2)の断面形状に対応する形状の係合孔(10)を有する金属押出形材製の少なくとも1個の衝撃吸収材(3)と、前記芯材(2)を貫通させるとともに、該芯材(2)の断面形状に対応する形状の係合孔(12)を有し、かつ該芯材(2)の貫通方向における圧縮強度が前記衝撃吸収材(3)よりも高く設定された金属押出形材製の少なくとも1個の補強材(4a)(4b)との組み合わせからなり、前記衝撃吸収材(3)と前記補強材(4a)(4b)とが、各係合孔(10)(12)を介し補強材(4a)(4b)とが前記芯材(2)に交互に貫通配置されてなるものであるから、貫通方向に外部から加わる圧縮力に対して、衝撃吸収材(3)を先に座屈させることにより、一定の形状を保持しつつ、圧縮方向の衝撃エネルギーを極めて効果的に吸収することができる。また、前記衝撃吸収材(2)または補強材(4a)(4b)の形状、肉厚、材質、長さを変更することによって、エネルギー吸収力の調整を細かに行うことができ、かつこれらの使用個数を変えることによって所望長さのものが得られるため、各種用途への対応が容易である。さらに、前記芯材(2)、衝撃吸収材(2)および補強材(4a)(4b)は、いずれも押出形材であるから、それぞれ長尺のものを適宜切断するだけで所望の長さのものが得られ、この点からも各種用途への対応が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる衝撃吸収構造体の斜視図である。
【図2】この発明にかかる衝撃吸収構造体の組立図である。
【図3】この発明にかかる衝撃吸収構造体において、圧縮力を受けた状態を示す斜視図である。
【図4】(A)(B)は従来の自動車用フレームの縦断面図である。
【符号の説明】
2…芯材
3…衝撃吸収材
4a,4b…補強材
10、12…係合孔
Claims (1)
- 金属押出形材製の棒状の芯材(2)と、
前記芯材(2)を貫通させるとともに、該芯材(2)の断面形状に対応する形状の係合孔(10)を有する金属押出形材製の少なくとも1個の衝撃吸収材(3)と、
前記芯材(2)を貫通させるとともに、該芯材(2)の断面形状に対応する形状の係合孔(12)を有し、かつ該芯材(2)の貫通方向における圧縮強度が前記衝撃吸収材(3)よりも高く設定された金属押出形材製の少なくとも1個の補強材(4a)(4b)との組み合わせからなり、
前記衝撃吸収材(3)と前記補強材(4a)(4b)とが、各係合孔(10)(12)を介して前記芯材(2)に交互に貫通配置されてなることを特徴とする衝撃吸収構造体。
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