JP3641381B2 - Medical tube and manufacturing method thereof - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管用カテーテルや超音波カテーテル、内視鏡等に用いられる医療用チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療用チューブの高機能化が著しい。高機能化されている医療用チューブは、例えば、血管の狭窄部を拡張する経皮的血管形成術に用いられている血管拡張用バルーンカテーテル、脳血管内に見られる動脈瘤や動静脈奇形腫瘍等に対して塞栓物質やコイルを注入する脳血管用カテーテル、超音波診断装置を用いて血管内の精密な観察や診断が行える超音波カテーテル、画像診断装置を用いて血管内、胆管、膵管等の精密な観察や診断が行える内視鏡等に利用されている。
【0003】
このような高機能カテーテルには、細く複雑な血管に迅速かつ確実な選択性をもって挿入できる操作性及び耐久性が要求される。具体的には、血管内を挿通させるため術者がカテーテルを押し込みやすいこと(プッシャビリティ)、複雑に蛇行した血管内をあらかじめ挿入されたガイドワイヤーに沿って円滑且つ血管内壁を損傷することなく進むこと(トラッカビリティ)、カテーテルチューブ基端部にて伝えられた回転力が先端部に確実に伝達されること(トルク伝達性)、また、術前の取り扱い時やカテーテルを押し込み時にキンクし(折れ曲がり)にくいことや、目的とする部位までカテーテル先端部が到達しガイドワイヤーを引き抜いた後でも血管の屈曲部でカテーテルにキンクが生じないこと(耐キンク性)、さらに、患者の肉体的及び精神的負担を軽減させる目的で、カテーテルを目的部位までガイドするガイディングカテーテルのサイズを細くするためや、血管壁との摩擦抵抗を低減させるため、チューブ外径がなるべく細いこと(ロープロファイル性)、先端部が血管壁等に損傷を与えることが少ないこと(先端柔軟性)等が要求される。
【0004】
このように高機能カテーテルチューブには、細さ、トルク伝達性に加えて、硬さと柔らかさ、薄さと折れにくさという相反した特性が要求され、また、チューブを部分的に硬くすることも要求される。これらの要求特性を満足するカテーテルチューブを製造するため、従来、様々な技術開発がなされている。
【0005】
例えば、特開平6−319803号公報に開示されるものがある。これに開示されているカテーテルは、先端部に近づくに従い密度が高くなる切れ目又は溝が形成された硬度調整用チューブがカテーテルチューブ内に配置されていることを特徴としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、切れ目を形成した硬度調整用チューブを、例えば、血管拡張用バルーンカテーテルや、薬液投与用カテーテルに使用する場合、流体が切れ目から漏れ出さないように被覆層を形成する必要が生じるため、カテーテル内径を規定した場合に外径が大きくなり、上記のロープロファイル性に関して不利である。
【0007】
また溝加工については、硬度調整用チューブは、基端側で上記プッシャビリティを向上させるため硬い材料が好ましいが、チューブ構造が単層であるため、先端部で密度の高い溝加工を形成しても、実使用上操作性に必要な柔軟性を確保させることが困難であり、トラッカビリティ、先端柔軟性に関して不利である。
【0008】
本発明の目的は、プッシャビリティ、トラッカビリティ、先端柔軟性とともにトルク伝達性、耐キンク性が良好である細径な医療用チューブを提供するものである。
【0009】
本発明の第1の目的は、プッシャビリティ、トラッカビリティ、トルク伝達性、耐キンク性とともに、先端柔軟性を有する医療用チューブを提供するものである。
【0010】
本発明の第2の目的は、上記のような医療用チューブを確実に製造することができる医療用チューブの製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の目的を達成するものは、内部に形成されたルーメンと、軟質合成樹脂よりなる内層と、前記内層の外面を被覆するとともに前記内層を形成する材料より硬質な材料により形成された外層とを備える医療用チューブであって、該医療用チューブの先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比は、該医療用チューブの基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっており、さらに該医療用チューブは、先端部に前記外層の外面より前記ルーメン方向に伸びるとともに、前記ルーメンに到達しない深さの溝を備えていることを特徴とする医療用チューブである。
【0012】
そして、前記医療用チューブの先端側では、前記内層が前記外層よりも厚く、前記医療用チューブの基端側では、前記外層が前記内層よりも厚くなっていることが好ましい。また、前記溝の底面は、丸みを帯びた形状となっていることが好ましい。また、前記溝は、螺旋状になっていることが好ましい。さらに、前記溝は、チューブの基端側より先端側のピッチが小さいものとなっていることが好ましい。また、前記医療用チューブの溝の底部部分は、前記医療用チューブの長手方向にわたって、少なくとも一部が前記外層表面より前記内層に達していることが好ましい。さらに、前記医療用チューブは、カテーテルであってもよい。
【0013】
本発明の第2の目的を達成するものは、軟質合成樹脂からなる内層と、該軟質合成樹脂より硬質な材料からなる外層を有し、先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比が、基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっている管状体を準備する工程と、該管状体の表面を加工して、前記管状体の長手方向にわたって、少なくとも一部が溝底部部分において前記外層表面より前記内層に達し、かつ前記医療用チューブの内部ルーメンには到達しない深さの溝を形成する工程とを備えることを特徴とする医療用チューブの製造方法である。
【0014】
そして、前記管状体を準備する工程は、内層形成用樹脂及び外層形成用樹脂の吐出量を変化させながら共押出成形することによって行われることが好ましい。また、前記管状体へ形成する溝は、レーザによる加工によって形成されることが好ましい。また、前記管状体は、先端側では前記内層が前記外層よりも厚く、基端側では前記外層が前記内層よりも厚く形成されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用チューブを、図面を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した実施例の部分省略拡大図である。図2は、図1に示した医療用チューブの先端部の拡大正面図である。図3は、図1に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。図4は、図1に示した医療用チューブの中間部の拡大断面図である。図5は、図1に示した医療用チューブの基端部の拡大断面図である。
【0017】
本発明の医療用チューブ1は、内部に形成されたルーメン3と、軟質合成樹脂製内層4と、合成樹脂製内層4の外面を被覆するとともに内層形成材料より硬質な材料により形成された外層5とを備える。そして、医療用チューブ1は、その先端側における外層5に対する内層4の肉厚比は、基端側における外層5に対する内層4の肉厚比よりも大きくなっており、さらに、外層5の外面よりルーメン方向に延びるとともに次第にピッチを変化させた、ルーメン3には達しない深さの溝を備えているため、先端部で柔軟性を持たせながら、基端部で十分な強度を持たせることが可能となる。また、チューブを湾曲させた場合に曲げ応力が溝部分にて分散されるので、耐キンク性に優れている。
【0018】
そこで、図1ないし図5に示す実施例を用いて説明する。この実施例は、医療用チューブをカテーテルに応用した実施例である。
【0019】
医療用チューブであるカテーテル1は、カテーテル本体2とカテーテル本体2の基端に取り付けられたハブ11を備えている。カテーテルとしては、心臓血管、脳血管などの血管内に挿入される血管カテーテル、さらには、腹腔、肺などの体腔内挿入カテーテルなどが考えられる。
【0020】
カテーテル本体2は、その先端21から基端22にかけて内部にルーメンが形成されている。このルーメン3は、薬液等の流路となるものであり、カテーテル1の血管挿入時には、ルーメン3内にガイドワイヤーが挿通される。ハブ11は、ルーメン3内への薬液等の注入口及びガイドワイヤーの挿入口として機能し、また、血管カテーテル1を操作する際の把持部としても機能する。
【0021】
図2ないし図5に示すように、カテーテル本体2は、少なくともその主要部分が、軟質合成樹脂製内層4と軟質合成樹脂製内層の外面に密着した硬質な外層5とからなる2層構造となっている。そして、カテーテル本体部2は、外層5に対する内層4の肉厚比が比較的大きい先端部6と、内層4及び外層5の肉厚比が変化している(カテーテル本体2の基端に向かって内層4が薄く、外層5が厚くなっている)中間部7と、先端部6と比して、外層5に対する内層4の肉厚比が小さい基端部8とを備えている。
【0022】
このように、硬質な外層5の肉厚に対する軟質な内層4の肉厚比を基端部8で小さくし、先端部6で大きくすることで、先端部6は柔軟に、基端部8は剛性の高いものに形成される。そして、後で詳述する溝9を先端部6にさらに形成することにより、先端部6を基端部8よりも格段に柔軟とすることができ、両部分の剛性の差を大きく確保することができる。したがって、先端部6は非常に柔軟であり、先端柔軟性、トラッカビリティに優れる。その一方で、溝が形成されてなく内層4の外層5に対する肉厚比が先端部6に比して小さい基端部8では、高い硬度が確保され、プッシャビリティに優れたものとなる。
【0023】
図4に示すように、中間部7では、内層4の肉厚はカテーテル本体2の基端に向かって漸増する一方、外層5の肉厚はカテーテル本体2の基端に向かって漸減している。これにより、基端部8から先端部6にかけての剛性の変化がなだらかになり、剛性の急激な変化によって起こりやすいキンクや折れ曲がりがカテーテル1において発生する虞れが極めて少ない。さらに、カテーテル1の湾曲がより自然なものとなり、カテーテルの操作性が向上する。
【0024】
図1ないし図5に示す実施例では、先端部6では内層4が外層5よりも厚く(内層の肉厚が外層の肉厚よりも大きく)、基端部8では外層5が内層4よりも厚く(外層の肉厚が内層の肉厚よりも大きく)なっている。このようにすることにより、カテーテル1をきわめて細径にかつ薄肉に形成しても、先端部6及び基端部8の剛性の差をはっきりとつけることができ、先端部6を柔軟に形成して先端柔軟性、トラッカビリティに優れたものとでき、基端部8を高硬度に形成してプッシャビリティに優れたものとすることができる。
【0025】
そして、図1ないし図5に示す実施例では、先端部6における外層5には螺旋状の溝9が設けられている。そして、先端部6は、外層5に螺旋状の溝9が形成された溝形成部分61と、該部分61よりも基端側の、溝が設けられてない溝非形成部62とを有している。溝9は、外層5の先端付近より基端側に向けて所定長にわたり、外層5の外面より内側(ルーメン方向)に延び、かつ、内層4を貫通しないように形成されている。また、溝9は、外層5の軸方向に延びている。この溝9を設けたことにより、溝形成部分61を、溝が設けられてない部分62、中間部7及び基端部8に比べて柔軟にすることができる。
【0026】
そして、先端部6の先端側の部分61のみに溝を設けることにより、溝形成部分61と中間部7との間に、溝形成部分61の剛性よりも高く、中間部7の剛性よりも低い剛性を備えた溝非形成部62が形成されるため、カテーテル1の物性の変化をなだらかに変化させることができる。このようにすることにより、カテーテル1の先端に向かって徐々に柔軟になるため、カテーテル1の湾曲がより自然なものとなり、カテーテルの操作性がより向上する。なお、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、溝9を先端部6の全長にわたって設けてもよい。
【0027】
図1ないし図5に示す実施例では、溝9のピッチは、溝形成部分6の先端側部分におけるピッチが基端側部分におけるピッチより小さくなるように形成されている。特に、この実施例では、溝9のカテーテルの先端方向に向かって小さくなっている。このように形成することにより、カテーテル本体2の溝形成部分6の物性をなだらかに変化させることができる。なお、本発明においては、上記ピッチは、溝9の全体にわたって一定であってもよい。
【0028】
溝9の螺旋のピッチは、外層5の外径に対し1/5〜10倍程度が好ましい。ピッチが外層5の外径の1/5以上であれば、外層5の先端部における強度の低下も少なく、この部分における裂けや破断等が生じることはなく、また、外径の10倍より小さいものとすれば、血管の湾曲や屈曲に対する応力の分散は十分である。
【0029】
そして、螺旋状の溝9は、上述のように、そのピッチが、溝形成部分6の先端部側では小さく、基端部側では、大きくなっていることが好ましい。このようにすることにより、先端側に向かって柔軟になるので、急激な物性の変化が少なく、溝形成部6と溝非形成部7の境界部分の湾曲が自然なものとなり、カテーテルの操作性が向上する。さらに、溝9のピッチは、溝形成部分6の先端部が小さく、基端部に向かって徐々に大きくなることが好ましい。このようにすることにより、先端部に向かって徐々に柔軟になるので、溝形成部の湾曲がより自然なものとなり、カテーテルの操作性がより向上する。
【0030】
このように、溝9のピッチが変化する場合には、溝形成部分6の先端部の長さ(ピッチが小さい部分)は、10〜100mm程度、基端部の長さ(ピッチが大きい部分)は、100〜300mm程度が好適である。特に、先端部と基端部の中間部では、両者の中間のピッチを有しているか徐々にピッチが変化していることが好ましい。上記範囲内であれば、十分に柔軟でありかつ使用時にキンクすることもない。また、図3に示したカテーテルは、溝は1条の螺旋溝であるが、これに限らず、溝は、2条またはそれ以上であってもよい。特に、図1ないし図3に示すように、溝のピッチを徐々に変化させることにより、先端部では螺旋溝のピッチが狭いため非常に柔軟であり、先端柔軟性、トラッカビリティに優れ、基端部では螺旋溝のピッチが広いか、または螺旋溝が形成されていないためカテーテルに必要な硬度が確保され、さらに基端側では、硬質な外層の肉厚が厚くなっているためより硬度が確保され、プッシャビリティに非常に優れたものとなる。
【0031】
溝9を設ける部分の長さは、適度な応力の分散をなすために、10〜300mm程度、または外層5の外径の10〜500倍程度とすることが好ましい。
【0032】
また、図1ないし図3に示したカテーテルでは、溝9の先端側の始点が外層5の先端より若干離間した位置となっている。外層5との先端と溝9の始点との距離は、外層5の先端より1.0mm以内、より好ましくは0.5mm程度以内であることが好ましい。また、溝9は、外層5の先端から設けられてもよい。
【0033】
また、溝9の深さとしては、外層5を貫通し、軟質合成樹脂製内層4に到達していることが好ましい。このように、溝が外層5を貫通するものとすることにより、溝部分もしくは溝の底部部分が軟質合成樹脂製内層のみより形成されるものとすることができ、溝部分を十分に柔軟なものとすることができる。さらに、溝9は、軟質合成樹脂製内層4内に到達していることが好ましい。また、軟質合成樹脂製内層4への進入深さは軟質合成樹脂製内層4の肉厚によっても相違するが、0〜100μm程度が好適であり、特に、20〜50μm程度である。また、軟質合成樹脂製内層4の肉厚の1/5〜1/3程度が好適である。
【0034】
本発明の医療用チューブは、カテーテル、内視鏡用チューブに使用することができる。医療用チューブの全長は、用途によって相違するが、500〜2000mm程度が好ましく、図1ないし図5に示すような内外層の肉厚が変化する部分(中間部)を設ける場合、その長さは100〜1500mmであることが好ましい。また、医療用チューブの全長は、カテーテルに使用する場合には1000〜1500mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には1000〜2000mm程度が好適である。
【0035】
また、医療用チューブ1の外径も用途によって相違するが、カテーテルに使用する場合には0.7〜3.0mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には0.02〜0.1mm程度が好適である。なお、医療用チューブの外径は、全体にわたって一定の寸法であることが好ましいが、全体にわたって外径が変化してもよい。例えば、医療用チューブの先端から基端に向かって外径が連続的若しくは段階的に増加してもよい。また、医療用チューブの内径についても、図示のように一定でなくともよく、部分的に変化していてもよい。
【0036】
また、医療用チューブの肉厚(内層及び外層の肉厚を合計したもの)は0.04〜0.5mmが好ましく、このうち外層の肉厚は、先端側で0.01〜0.25mmが好ましく、基端側で0.02〜0.45mmが好ましい。
【0037】
また、医療用チューブをカテーテルに応用する場合における寸法としては、例えば、脳血管に挿入して使用される血管カテーテルの場合には、カテーテル本体2の全長は、500〜2000mm程度、特に1000〜1500mm程度が好ましい。外径は0.6〜2.0mm程度、より好ましくは0.7〜1.2mm程度であり、内径は、0.2〜1.6mm程度、より好ましくは0.5〜0.9mm程度である。さらに、外層5の肉厚は、先端側で0.01〜0.3mm程度、より好ましくは0.05〜0.2mm程度であり、基端側で0.15〜0.45mm程度、より好ましくは0.25〜0.4mm程度である。また、軟質合成樹脂製内層4の肉厚は、先端側で0.05〜0.5mm程度、より好ましくは0.08〜0.3mm程度であり、基端側で0.01〜0.3mm程度、より好ましくは0.05〜0.2mm程度である。さらに、先端側の外層の肉厚が薄い先端部6の長さは100〜1000mm程度、より好ましくは300〜800mm程度であり、内外層の肉厚が変化する中間部7の長さは100〜1000mm程度、より好ましくは300〜800mm程度である。
【0038】
なお、図1ないし図5に示した例では、内層4及び外層5の肉厚は先端部6、基端部8それぞれにおいて一定に形成されている。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、医療用チューブの先端側よりも基端側において外層に対する内層の肉厚比が高くなる範囲内で、先端部6及び基端部8のそれぞれにおいて内外層の肉厚が変化していてもよい。
【0039】
さらに、溝9の底面は、丸みを帯びた形状となっていることが好ましい。溝の底面が矩形状となっているものに比べて、溝の底面は、丸みを帯びた形状とすることにより、溝の両端部における物性の変化をある程度なだらかにすることができ、湾曲が良好なものとなる。また、螺旋状の溝の形状は、螺旋状であり、且つ溝の幅が、先端部では広く、基端部では狭くなるように形成してもよい。このようにすることにより、先端部に向かって徐々に柔軟になるので、カテーテルの先端部の湾曲がより自然なものとなり、カテーテルの操作性がより向上する。
【0040】
溝9の幅は、外層5(カテーテル)の外径などを考慮して決定されるので、一律なものではないが、0.1〜0.5mmが好ましく、特に、0.1〜0.2mmが好適である。溝形成部分6における先端部は、10〜100mm程度が好ましく、基端部では、100〜300mmが好ましい。また、溝の幅を変化させる場合には、溝の幅は、外層5(カテーテル)の外径の1/10〜1/2程度が好ましい。
【0041】
外層5は、比較的剛性の高い高分子材料で構成することが好ましい。そのような高分子材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、塩化ビニル、エチレン〜酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくはフッ素系エラストマー、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、スチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミド等が使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。また、外層5の材質は、通常、その長手方向に沿って同一とされるが、必要に応じ、部位によってその組成が異なってもよい。
【0042】
また外層は、金属材料により構成してもよい。金属材料としては、Cu、Ag、Au、Al、Ti、Pt、Ni、Zn、Pb、Fe、Cr等が使用できる。または、これらの金属の合金を用いることも可能である。金属により外層を形成する場合には、上記の金属により、肉薄の金属管としたものを用いてもよく、また、上述した内層の外面に上記のような金属を蒸着することにより、内層の外面に直接外層を被着させてもよい。さらに、このような金属蒸着物からなる外層を有する2層構造チューブに上述したような溝を形成し、溝部分となる外層形成金属を除去した後、外層形成金属の上にさらに、同じもしくは異なる金属をめっきし、外層の肉厚を調整してもよい。めっきに使用される金属としては、上述した外層形成用金属が好適である。
【0043】
軟質合成樹脂製内層4は、外層形成材料5と比較して柔軟な高分子材料で構成されている。このような高分子材料としては、例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリブテンエラストマー、軟質塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーの材料が使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いてもよい。
【0044】
ここで、ポリアミドエラストマーとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的である。
【0045】
なお、ポリアミドエラストマーには、上記以外に前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟化したもの、さらには、これらの混合物をも含む。なお、可塑剤は、溶剤や血液等で抽出され難いものを用いることが好ましい。
【0046】
また、ポリエステルエラストマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的である。なお、ポリエステルエラストマーには、上記以外に上記のポリエステルエラストマーのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む。
【0047】
なお、前記エラストマーには、必要に応じ、アロイ化剤、相溶化剤、硬化剤、安定剤、着色剤等の各種添加物を配合してもよい。この場合、添加成分が溶剤、薬液、血液等で抽出され難いものを用いることが好ましい。また、エラストマーは、熱可塑性樹脂であることが好ましく、熱可塑性であれば、カテーテルの製造が容易である。
【0048】
軟質合成樹脂製内層4が上記エラストマーで構成されている場合には、軟質合成樹脂製内層4に密着する外層5は、軟質合成樹脂製内層4の先端部の変形を妨げることなく、この変形に従って容易に変形するため、キンクの発生が極めて確実に防止される。また、軟質合成樹脂製内層4の材質は、通常、その長手方向に沿って同一とされるが、必要に応じ、部位によってその組成が異なっていてもよい。
【0049】
さらに、2層構造チューブを共押出により形成する場合には、外層5及び内層4の材料は、成形性の点から上記に挙げた樹脂のうち、両者の相溶性の良い材料を選択することが必要である。相溶性がよいとは、熱力学的な相互溶解性が良好であることを示すものであり、言い換えれば、硬化後両者間において分離しないことを示すものである。具体的には、外層5と内層4の材料は、系統が同じ樹脂を選択することが望ましい。例えば、外層5の材料として剛性の高い高密度ポリエチレンを、内層4の材料として柔軟な低密度ポリエチレンを選択し両者をポリオレフィン系とすること、また、外層5の材料として剛性の高いナイロン12を、内層4の材料として柔軟なポリエーテルポリアミドブロック共重合体を選択し両者をポリアミド系とすること、また、外層5の材料として剛性の高いポリエチレンテレフタレートを内層4の材料として柔軟なポリエステル系エラストマーを選択し、両者をポリエステル系とすること等が考えられる。
【0050】
また、外層もしくは内層形成材料さらには外層および内層形成材料にX線不透過物質を添加してもよい。X線不透過物質としては、例えばタングステン、硫酸バリウム、ビスマス、金、白金等の金属単体もしくは化合物による微小粒体が好ましい。X線不透過物質の粒径としては、1〜5μmが好適である。そして、合成樹脂中へのX線不透過物質添加量としては、45重量%以下であり、特に、30重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、20重量%以下である。
【0051】
外層5の形成材料の硬度(曲げ弾性率、ASTM D-790、23℃)は、2000〜30000kg/cm2であることが好ましく、5000〜20000kg/cm2であることがより好ましい。曲げ弾性率が、2000kg/cm2以上であれば、押し込み性やトルク伝達性は十分であり、30000kg/cm2以下であれば、ガイドワイヤーに対する追随性も良好であり、血管内壁に与える負荷も少ない。
【0052】
また、軟質合成樹脂製内層4の形成材料の硬度(曲げ弾性率、ASTM D-790、23℃)は、100〜800kg/cm2であることが好ましく、150〜500kg/cm2であることがより好ましい。曲げ弾性率が、100kg/cm2以上であれば、ある程度の押し込み性やトルク伝達性を備え、800kg/cm2以下であれば、ガイドワイヤーに対する追随性も十分であり、血管内壁に与える負荷も少ない。
【0053】
また、軟質合成樹脂製内層4と外層5に使用される形成材料の硬度(曲げ弾性率、ASTM D-790、23℃)の差は、1000〜30000kg/cm2であることが好ましく、5000〜10000kg/cm2であることがより好ましい。
【0054】
この実施例のカテーテルでは、軟質合成樹脂製内層4の外周面のほぼ全体に外層5の内周面とが密着するとともに両者は固着されている。両者の固着方法としては、例えば、上述のように共押出により成形する方法、軟質合成樹脂製内層4と外層5とを接着剤または溶剤により接着する方法、軟質合成樹脂製内層4と外層5とを融着(例えば、熱融着、高周波融着)する方法、内層構成チューブの外面に外層形成材料をディッピング、塗布、押出等により被覆する方法等が挙げられ、さらには、外層形成材料として金属を用いる場合には上述した方法が挙げられる。
【0055】
図示の中間部7のように2層構造チューブの内外層の肉厚比を変化させる方法としては、共押出成形による方法であれば、例えば、チューブの肉厚比を変化させたい部分で、各層を形成するための成形機からの内層形成樹脂及び外層形成樹脂の吐出量をプロクラム制御により引き取り時間の経過にともなって変化させることで達成できる。また、内層構成チューブの外面に押出により被覆成形する方法であれば、例えば、あらかじめ先端側と基端側とで外径の異なる内層用チューブを作製しておき、外層の被覆成形時に、チューブの外径を規制するダイスを通過させることで達成できる。また、内層構成チューブの外面にディッピングにより被覆する方法であれば、例えば、あらかじめ先端側と基端側とで外径の異なる内層用チューブを作製しておき、ディッピング溶液中から、ダイスを通過させながらチューブを引き上げることで達成できる。
【0056】
溝の形成方法としては、切削加工、レーザ加工等が挙げられるが、高精度な微細加工を行うためにはレーザ加工が好ましく、レーザ加工の中でも、ポリマー加工に好適なエキシマレーザ加工が特に好ましい。ただし、レーザ加工により溝加工を行うときには、レーザ加工性が良好な材料を選定する必要がある。
【0057】
また、金属蒸着物からなる外層を有する2層構造チューブに上述したような溝を形成し、溝部分となる外層形成金属を除去した後、外層形成金属の上にさらに、同じもしくは異なる金属を電解めっきもしくは無電解めっきにより外層の肉厚が厚くなるように調整したものでもよい。先端部と基端部とで内外層の肉厚比を変化させるためには、外層を厚くさせたくない部分へマスキングすることで達成できる。また、めっきに使用される金属としては、上述した外層形成用金属が好適である。
本発明の医療用チューブは、あらかじめ形成された内層及び外層の2層構造を有するチューブを外側(硬質外層側)から溝を形成したものであるので、内層及び外層を薄くでき、肉薄でかつ優れた特性を有するものとすることができる。
【0058】
そして、形成される溝形状としては、上述した螺旋状であることが好ましく、このような螺旋状の溝は、図18に示すように、軟質合成樹脂からなる内層と、該軟質合成樹脂より硬質な材料からなる外層を有し、先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比が、基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっている管状体40を周方向に回転させながら軸方向に送りつつ、レーザ照射装置41により、ある形状のビームを管状体40上に照射させることにより螺旋溝9が形成される。また、螺旋状溝は、上述したように、医療用チューブの溝形成部分の先端側ではピッチが小さく、基端側では大きいものとすることが好ましい。このために、管状体40の軸方向への送り速度は、図18に示す矢印方向に向かって徐々に速くすることにより、形成されるピッチを上記のように変化させることができる。
【0059】
また、ビームスポットの形状は、丸、楕円、三角形、四角形、平行四辺形、その他の形状いずれでもかまわないが、螺旋ピッチを変化させても溝幅が一定である丸形状が好適であり、また、ビームスポットの大きさは、0.02〜0.5mmが好ましい。また、このような、丸形状のビームスポットを用いることにより、溝の断面形状が丸みを帯びたものとなり、角張った断面形状の場合と比べて、医療用チューブの湾曲時に効果的に曲げ応力が分散され、耐キンク性に優れた特性となる。
【0060】
さらに溝の深さは、外層5の肉厚を十分除去できるぐらいの深さが好ましく、具体的には最大深さで0.02〜0.2mmが好ましい。
【0061】
図1ないし図5に示した実施例では、先端部6では内層4の肉厚が外層5の肉厚よりも大きく、基端部8では外層5の肉厚が内層4の肉厚よりも大きくなっているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば図6ないし図9に示すようなものでもよい。
【0062】
図6は、本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した他の実施例の部分省略拡大正面図である。図7は、図6に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。図8は、図6に示した医療用チューブの中間部の拡大断面図である。図9は、図6に示した医療用チューブの基端部の拡大断面図である。これらの図に示されるカテーテル(医療用チューブ)10と図1ないし図5に示した実施例との相違点は、内外層の肉厚およびカテーテル本体2の外径についてのみであり、その他の点については図1ないし図5に示し説明したものと同じである。
【0063】
このカテーテル10の先端部6では、図7に示すように、外層5の肉厚は内層4の肉厚と同じ若しくは内層4の肉厚よりも若干大きく、中間部7では、図8に示すように、カテーテル10の基端に向かって外層5が徐々に厚くなって(外層5の肉厚が増加して)おり、基端部8では、図9に示すように、外層5の肉厚が内層4の肉厚よりもかなり大きく形成されている。
【0064】
このような構成においても、カテーテル(医療用チューブ)10の先端側における外層5に対する内層4の肉厚比は、カテーテル(医療用チューブ)10の基端側における外層5に対する内層4の肉厚比よりも大きくなっている。さらに、先端部6に外層5の外面よりルーメン3方向に伸びるとともに、ルーメン3に到達しない深さの溝を備えているため、この先端部6は基端部8と比して格段に柔軟となり、両部分の剛性の差を大きく確保することができる。したがって、先端部6は非常に柔軟であり、先端柔軟性、トラッカビリティに優れ、基端部8は高い硬度を確保でき、プッシャビリティに優れたものとなる。
【0065】
図6ないし図9に示される実施例では、内層4はカテーテル1の全長にわたってほぼ一定の肉厚に形成されている。また、カテーテル10の外径は、中間部7において、カテーテル本体2の基端に向かって増加しており、先端部6に比して基端部8における外径が大きくなっている。なお、本実施例において、内層4の肉厚を先端部、中間部及び基端部のそれぞれにおいて変化させてもよい。
【0066】
なお、図1ないし図5に示す実施例、図6ないし図9に示す実施例の両方とも、内外層の肉厚比が変化する中間部7を備える構成となっているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、上記のような中間部を備えずに(チューブの先端側と基端側における内外層の肉厚比が実質的に一定の部分を備えずに)医療用チューブの先端から基端にかけて内外層の肉厚比が一定の割合で連続的に変化する構成であってもよい。
【0067】
また、図10ないし図12に示すカテーテル20(医療用チューブ)のように、外層5の外表面における溝の端部も面取りされた状態としてもよい。図10は、本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した他の実施例の部分省略拡大正面図である。図11は、図10に示した医療用チューブの先端部の拡大正面図である。図12は、図10に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。このカテーテル20のようにすることにより、溝の端部付近における物性の変化をある程度なだらかにすることができ、溝部分における湾曲が良好なものとなり、操作性が向上する。このカテーテル20(医療用チューブ)と上述したカテーテル1(医療用チューブ)との相違点は、上述した点のみでありその他の点については、図1ないし図5に示し説明したものと同じである。
【0068】
また、図13ないし図15に示すカテーテル30(医療用チューブ)のように、外層5の外表面に、複数の環状の溝39を設けたものとしてもよい。この実施例のカテーテル30(医療用チューブ)と図1ないし図5に示し説明したカテーテル1(医療用チューブ)の相違点は、溝形態のみであり、その他の点については、図1ないし図4に示し説明したものと同じである。
【0069】
このカテーテル30では、先端部に複数の環状溝39が形成されている。複数の環状溝39は、等間隔に配置してもよいが、図13ないし図15に示すように、溝形成部分36の先端部では隣り合う溝間隔が狭く、基端部では広くなるように形成することが好ましい。このようにすることにより、先端部に向かって柔軟になるので、カテーテルの先端部の湾曲が自然なものとなり、カテーテルの操作性が向上する。特に、図13に示すように、溝間隔は、溝形成部分の基端部に向かって徐々に広くなることが好ましい。このようにすることにより、先端部では非常に柔軟であり、先端柔軟性、トラッカビリティに優れ、基端部ではカテーテルに必要な硬度が確保され、さらに基端側では、硬質な外層の肉厚が厚くなっているためより硬度が確保され、プッシャビリティに優れたものとなる。
【0070】
溝間隔は、外層5(カテーテル)の外径などを考慮して決定されるので、一律なものではないが、溝形成部分における先端部において、0.1〜5mm程度が好ましく、基端部では、5〜10mmが好ましい。また、溝の幅は、0.1〜0.5mmが好ましく、特に、0.1〜0.2mmが好適である。さらに、溝の幅は、外層5(カテーテル)の外径の1/10〜1/2程度が好ましい。
【0071】
また、溝39の深さとしては、外層5を貫通し、軟質合成樹脂製内層4に到達していることが好ましい。このように、溝が外層5を貫通するものとすることにより、溝部分が軟質合成樹脂製内層のみより形成されるものとすることができ、溝部分を十分に柔軟なものとすることができる。さらに、溝39は、軟質合成樹脂製内層4内に到達していることが好ましい。また、軟質合成樹脂製内層4への侵入程度は、軟質合成樹脂製内層4の肉厚によっても相違するが、0〜100μm程度が好適であり、特に、20〜50μm程度である。また、軟質合成樹脂製内層4の肉厚の1/5〜1/3程度が好適である。
【0072】
さらに、溝の底面は、丸みを帯びた形状となっていることが好ましい。溝の底面が矩形状となっているものに比べて、溝の底面は、丸みを帯びた形状とすることにより、溝の両端部における物性の変化をある程度なだらかにすることができ、湾曲が良好なものとなる。
【0073】
さらに、図16および図17に示すように、外層5の外表面における溝の端部も面取りされた状態としてもよい。
【0074】
また、上述したような螺旋状の溝若しくは複数の環状溝を設ける場合には、上述のような螺旋溝ピッチないし溝間隔が変化する形態に限られるものではなく、溝の幅が、先端部では広く、基端部では狭くなるように形成してもよい。このようにすることにより、溝形成部分の先端部側が基端部側より柔軟になるので、カテーテルの先端部の湾曲がより自然なものとなり、カテーテルの操作性が向上する。溝の幅は、外層5(カテーテル)の外径などを考慮して決定されるので、一律なものではないが、溝形成部分における先端部における幅を1としたとき、基端部分における溝の幅は、0.1〜0.8程度であることが好ましく、特に、0.3〜0.5程度が好ましい。特には、溝の幅が、溝形成部分の先端より基端側に向かって徐々に狭くなるようにすることが好ましい。さらに、上述のような螺旋溝ピッチないし溝間隔とともに、上述したように、溝の幅も変化するものとしてもよい。
【0075】
本発明の医療用チューブの硬度の設定要素として、チューブに関しては、チューブ内外層の材料、チューブサイズ、先端側における内外層の肉厚比及びその肉厚比におけるチューブ長、基端側における内外層の肉厚比及びその肉厚比におけるチューブ長等が挙げられる。また、加工溝に関しては、螺旋溝ピッチ、溝間隔、溝の幅、溝パターン、溝深さ等が挙げられる。これらのパラメーターを任意に設定することにより、さまざまな機械的物性を持つ医療用チューブを製造することができる。また、螺旋ピッチは任意に設定することが可能であり、また、一部を部分的に硬くすることも可能である。そして、本発明の医療用チューブは、チューブ外壁に螺旋溝加工を形成させたものであり、コイル形状にはなっていないため、トルク伝達性も良好である。
【0076】
また、医療用チューブ(カテーテル)の外面に、血液に接触したときに潤滑性を呈する親水性高分子化合物を被覆してもよい。チューブの外面に潤滑性物質を被覆する方法としては、湿潤時に潤滑性を呈する親水性高分子化合物、もしくはシリコーンオイル等を外面に被覆する方法が挙げられる。親水性高分子化合物としては、メチルビニルエーテル無水マレイン酸無水物共重合体、またはそのエステル化合物共重合体、ポリビニルピロリドン化合物、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0077】
このような親水性高分子化合物を被覆する方法としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアルデヒド、アルコール類、ジメチルスルホキシド等の適当な溶媒に上記親水性高分子化合物を溶解させ、この溶液を浸漬、塗布、吹き付け等の方法により、チューブ外面に含浸させ、含浸した後は乾燥あるいは水洗処理等により溶媒を除去し、親水性高分子化合物を基材の高分子材料内に残留させることが挙げられる。
【0078】
このような潤滑性物質を被覆することにより、溝の形成によりチューブ外面の生体管腔内面の接触面積が低減されることと合わせて、チューブの摺動性を大きく向上させることができる。
【0079】
また、医療用チューブ(カテーテル)の外面に、抗血栓性材料を被覆してもよい。抗血栓性材料としては、ヘパリン、ポリアルキルスルホン、エチルセルロース、アクリル酸エステル系重合体、メタアクリル酸エステル系重合体(例えば、ポリHEMA[ポリヒドロキシエチルメタアクリレート])、疎水性セグメントと親水性セグメントの両者を有するブロックまたはグラフト共重合体(例えば、HEMA−スチレン〜HEMAのブロック共重合体、HEMA−MMA[メチルメタアクリレート]のブロック共重合体、HEMA−LMA[ラウリルメタアクリレート]のブロック共重合体、PVP[ポリビニルピロリドン]−MMAのブロック共重合体、HEMA−MMA/AA[アクリル酸]のブロック共重合体)、さらにこれらのブロック共重合体にアミノ基を有するポリマーを混合したブレンドポリマー、および含フッ素樹脂などが使用できる。好ましくは、HEMA−スチレン−HEMAのブロック共重合体、HEMA−MMAのブロック共重合体、HEMA−MMA/AAのブロック共重合体などである。そして、上記のヘパリンを除く親水性樹脂を血液接触面に被覆した後、さらにその上にヘパリンを固定することが好ましい。この場合、ヘパリンをこの親水性樹脂の表面に固定するためには、親水性樹脂は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、チオシアネート基、酸クロリド基、アルデヒド基および炭素〜炭素二重結合のうちのいずれかを有するか、もしくは容易にこれらの基に変換可能な基を有していることが好ましい。特に好ましくは、上記親水性樹脂にアミノ基を有するポリマーを混合したブレンドポリマーを用いることであり、アミノ基を有するポリマーとしては、ポリアミン、特にPEI(ポリエチレンイミン)が好ましい。
【0080】
ヘパリンの固定は、医療用チューブ(カテーテル)の血液接触面に上記の親水性樹脂を被覆し、その表面にヘパリン水溶液を接触させた後、グルタールアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、エピクロルヒドリン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどの固定化剤と接触させることにより、上記の親水性樹脂に共有結合させ固定することができる。
【0081】
このような抗血栓性材料の被覆層の壁厚は、チューブの柔軟性や外径に実質的に影響を及ぼさない程度に最小限とすることが好ましい。
【0082】
次に、本発明の医療用チューブの製造方法について説明する。
【0083】
本発明の医療用チューブの製造方法は、軟質合成樹脂からなる内層と、該軟質合成樹脂より硬質な材料からなる外層を有し、先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比が、基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっている管状体を準備する工程と、該管状体の表面を加工して、前記管状体の長手方向にわたって、少なくとも一部が溝底部部分において前記外層表面より前記内層に達し、かつ前記医療用チューブの内部ルーメンには到達しない深さの溝を形成する工程とを備えている。
【0084】
そこで、各工程について説明する。
【0085】
軟質合成樹脂からなる内層と、該軟質合成樹脂より硬質な材料からなる外層を有し、先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比が、基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっている管状体を準備する工程は、例えば、共押出により成形する方法、先端側と基端側で肉厚の異なる軟質合成樹脂からなる内層形成用管状体及び該軟質合成樹脂よりも硬質な材料からなる外層形成用管状体を予め形成しておき、これらを接着剤若しくは溶剤により接着、又は融着(例えば、熱融着、高周波融着)する方法、先端側と基端側で肉厚の異なる軟質合成樹脂からなる内層形成用管状体を予め形成しておき、その外面に該軟質合成樹脂よりも硬質な外層形成用材料をディッピング、塗布、押出等により被覆する方法等が挙げられる。
【0086】
2層構造管状体の内外層の肉厚比を変化させる具体的な方法としては、共押出による場合であれば、例えば、成形機における内層形成用合成樹脂及び外層形成用合成樹脂の吐出量をプロクラム制御により変化させながら共押出成形することによって達成できる。また、内層構成チューブの外面に押出により被覆成形する方法であれば、例えば、先端側と基端側とで外径の異なる内層形成用管状体を予め形成しておき、外層の形成材料をこの内層形成用管状体の外面に被覆成形する時に、外径を規制するためのダイスを通過させることで達成できる。また、内層形成用管状体の外面にディッピングにより外層の形成材料を被覆する方法であれば、例えば、先端側と基端側とで外径の異なる内層形成用管状体を予め形成しておき、ディッピング溶液中から、外径を規制するためのダイスを通過させながら該管状体を引き上げることで達成できる。
【0087】
なお、上記管状体の内層および外層はそれぞれ、例えば上記した方法により継ぎ目のない一体なものとして形成することが好ましい。しかしながら、本発明はそのような構成に限定されるものでなく、内層、外層の一方あるいは両方を、管状体の先端側部分と基端側部分(図示のような先端部6、中間部7、基端部8を設ける場合はこれらの部分6、7、8に対応する各部分)に分けて別々に形成したあと、融着、接着等により接合してもよい。
【0088】
外層形成用材料としては、比較的剛性の高い高分子材料で構成することが好ましい。そのような高分子材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくはフッ素系エラストマー、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、スチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミド等の各種合成樹脂が使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。また、外層形成用材料の材質は、通常、その長手方向に沿って同一とされるが、必要に応じ、部位によってその組成が異なってもよい。
【0089】
また外層形成用材料としては、金属材料により構成してもよい。金属材料としては、Cu、Ag、Au、Al、Ti、Pt、Ni、Zn、Pb、Fe、Cr等が使用できる。または、これらの金属の合金を用いることも可能である。金属により外層を形成する場合には、上記の金属により、先端側と基端側とで肉厚の異なる肉薄の金属管としたものを用いてもよく、また、上述した内層の外面に上記のような金属を蒸着することにより、内層の外面に直接外層を被着させ、先端側と基端側とで肉厚の異なる金属製の外層を形成してもよい。さらに、このような金属蒸着物からなる外層を有する2層構造管状体に上述したような溝を形成し、溝部分となる外層形成金属を除去した後、外層形成金属の上にさらに、同じもしくは異なる金属をめっきし、外層の肉厚を調整してもよい。めっきに使用される金属としては、上述した外層形成用金属が好適である。
【0090】
内層形成用の軟質合成樹脂としては、外層形成用材料と比較して柔軟な高分子材料が用いられる。このような高分子材料としては、例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリブテンエラストマー、軟質塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーの材料が使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いてもよい。
【0091】
ここで、ポリアミドエラストマーとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的である。
【0092】
なお、ポリアミドエラストマーには、上記以外に前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟化したもの、さらには、これらの混合物をも含む。なお、可塑剤は、溶剤や血液等で抽出され難いものを用いることが好ましい。
【0093】
また、ポリエステルエラストマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的である。なお、ポリエステルエラストマーには、上記以外に上記のポリエステルエラストマーのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む。
【0094】
なお、前記エラストマーには、必要に応じ、アロイ化剤、相溶化剤、硬化剤、安定剤、着色剤等の各種添加物を配合してもよい。この場合、添加成分が溶剤、薬液、血液等で抽出され難いものを用いることが好ましい。また、エラストマーは、熱可塑性樹脂であることが好ましく、熱可塑性であれば、カテーテルの製造が容易である。
【0095】
内層形成用の軟質合成樹脂として上記エラストマーが用いられる場合には、軟質合成樹脂製内層に密着する外層は、軟質合成樹脂製内層の先端部の変形を妨げることなく、この変形に従って容易に変形するため、キンクの発生が極めて確実に防止される。また、軟質合成樹脂製内層の材質は、通常、その長手方向に沿って同一とされるが、必要に応じ、部位によってその組成が異なっていてもよい。
【0096】
さらに、2層構造管状体を共押出により形成する場合には、外層5及び内層4の材料は、成形性の点から上記に挙げた樹脂のうち、両者の相溶性の良い材料を選択することが必要である。相溶性がよいとは、熱力学的な相互溶解性が良好であることを示すものであり、言い換えれば、硬化後両者間において分離しないことを示すものである。具体的には、外層5と内層4の材料は、系統が同じ樹脂を選択することが望ましい。例えば、外層5の材料として剛性の高い高密度ポリエチレンを、内層4の材料として柔軟な低密度ポリエチレンを選択し両者をポリオレフィン系とすること、また、外層5の材料として剛性の高いナイロン12を、内層4の材料として柔軟なポリエーテルポリアミドブロック共重合体を選択し両者をポリアミド系とすること、また、外層5の材料として剛性の高いポリエチレンテレフタレートを内層4の材料として柔軟なポリエステル系エラストマーを選択し、両者をポリエステル系とすること等が考えられる。
【0097】
また、外層もしくは内層形成材料さらには外層および内層形成材料にX線不透過物質を添加してもよい。X線不透過物質としては、例えばタングステン、硫酸バリウム、ビスマス、金、白金等の金属単体もしくは化合物による微小粒体が好ましい。X線不透過物質の粒径としては、1〜5μmが好適である。そして、合成樹脂中へのX線不透過物質添加量としては、45重量%以下であり、特に、30重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、20重量%以下である。
【0098】
そして、このような工程により、前記管状体は、先端側では前記内層が前記外層よりも厚く、基端側では前記外層が前記内層よりも厚く形成されていることが好ましい。このようにすることにより、2層構造管状体(医療用チューブ)をきわめて細径にかつ薄肉に形成しても、2層構造管状体(医療用チューブ)の先端側と基端側との剛性の差をはっきりとつけることができ、先端側の部分を柔軟に形成して先端柔軟性、トラッカビリティに優れたものとでき、基端側の部分の硬度を非常に高く形成してプッシャビリティに優れたものとすることができる。
【0099】
次に、上記の管状体の表面を加工して、前記管状体の内部ルーメンには到達しない溝を形成する工程が行われる。
【0100】
管状体に内部ルーメンには到達しない溝を形成させる方法としては、切削加工、レーザ加工等が挙げられるが、高精度な微細加工を行うためにはレーザ加工が好ましく、レーザ加工の中でも、ポリマー加工に好適なエキシマレーザ加工が特に好ましい。ただし、レーザ加工により溝加工を行うときには、レーザ加工性が良好な材料を選定する必要がある。
【0101】
また、金属蒸着物からなる外層を有する2層構造チューブに上述したような溝を形成し、溝部分となる外層形成金属を除去した後、外層形成金属の上にさらに、同じもしくは異なる金属を電解めっきもしくは無電解めっきにより外層の肉厚が厚くなるように調整したものでもよい。先端部と基端部とで内外層の肉厚比を変化させるためには、外層を厚くさせたくない部分へ適当なマスキングを施すことで達成できる。また、めっきに使用される金属としては、上述した外層形成用金属が好適である。
そして、形成される溝形状としては、上述した螺旋状であることが好ましく、このような螺旋状の溝は、図18に示すように、軟質合成樹脂からなる内層と、該軟質合成樹脂より硬質な材料からなる外層を有し、先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比が、基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっている管状体40を周方向に回転させながら軸方向に送りつつ、レーザ照射装置41により、ある形状のビームを管状体40上に照射させることにより螺旋溝9が形成される。また、螺旋状溝は、上述したように、医療用チューブの溝形成部分の先端側ではピッチが小さく、基端側では大きいものとすることが好ましい。このために、管状体40の軸方向へ送り速度は、図18に示す矢印方向に向かって徐々に速くすることにより、形成されるピッチを上記のように変化させることができる。
【0102】
また、ビームスポットの形状は、丸、楕円、三角形、四角形、平行四辺形、その他の形状いずれでもかまわないが、螺旋ピッチを変化させても溝幅が一定である丸形状が好適であり、また、ビームスポットの大きさは、0.02〜0.5mmが好ましい。また、このような、丸形状のビームスポットを用いることにより、溝の断面形状が丸みを帯びたものとなり、角張った断面形状の場合と比べて、医療用チューブの湾曲時に効果的に曲げ応力が分散され、耐キンク性に優れた特性となる。さらに溝の深さは、外層2の肉厚を十分除去できるぐらいの深さが好ましく、具体的には最大深さで0.02〜0.2mmが好ましい。
【0103】
本発明の医療用チューブの製造方法により製造される医療用チューブの硬度の設定要素として、チューブに関しては、チューブ内外層の材料、チューブサイズ、先端側における内外層の肉厚比及びその肉厚比におけるチューブ長、基端側における内外層の肉厚比及びその肉厚比におけるチューブ長等が挙げられる。また、加工溝に関しては、螺旋溝ピッチ、溝間隔、溝の幅、溝パターン、溝深さ等が挙げられる。これらのパラメーターを任意に設定することにより、さまざまな機械的物性を持つ医療用チューブを製造することができる。また、螺旋ピッチは任意に設定することが可能であり、また、一部を部分的に硬くすることも可能である。そして、本発明の医療用チューブは、チューブ外壁に螺旋溝加工を形成させたものであり、コイル形状にはなっていないため、トルク伝達性も良好である。
【0104】
以下、具体的実施例を示し本発明を具体的に説明する。なお、実施例は本発明の一例であり、これに限定されるものではない。
【0105】
【実施例】
外層形成用材料として、ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチック株式会社,商品名ジュラネックス,グレード2002、曲げ弾性率26000kg/cm2、ASTM D−790、23℃)を用いた。
【0106】
内層形成用材料として、ポリエステル系エラストマー(東洋紡株式会社,商品名ペルプレン,グレードP30B−05、曲げ弾性率150kg/cm2、ASTM D−790、23℃)を用いた。
【0107】
両者のペレットを多層押出成形機(KILLION(株),型式KL−075,19mm)を用いて、銅線被覆成形により、内径1.0mm、外径1.5mmの2層構造管状体を以下の方法により作製した。
【0108】
まず、本発明の医療用チューブにおける先端側の部分(先端部)に相当する外層薄肉2層構造管状体として、内層形成材料と外層形成材料用成形機の吐出量の比を2:1に設定することで、外径1.5mm、内径1.0mmで外層の肉厚が約0.07mm、内層の肉厚が約0.18mmの外層薄肉2層構造管状体を銅線上へ被覆成形することができた(比較例1)。また、本発明の医療用チューブにおける基端側の部分(基端部)に相当する外層厚肉2層構造管状体として、内層形成材料と外層形成材料用成形機の吐出量の比を1:2に設定することで、外層の肉厚が約0.18mm、内層の肉厚が約0.07mmの外層厚肉2層構造管状体を銅線上へ被覆成形することができた(比較例2)。
【0109】
次に、各層の成形機の吐出量を、2層構造管状体の単位長さ毎にプログラム制御により引き取り時間の経過に伴い変化させることにより、先端側における内層の外層に対する肉厚比が基端側における内層の外層に対する肉厚比よりも大きい2層構造管状体を作製した。具体的には、長さ約1.5mの医療用チューブの基となる2層構造管状体において、先端部約30cmの部分は外層薄肉部(吐出量:内層材料/外層材料=2/1)とし、中間部約70cmの部分は肉厚遷移部(吐出量:内層材料/外層材料=2/1〜1/2)とし、基端部約50cmの部分は外層厚肉部(吐出量:内層材料/外層材料=1/2)とした。なお、2層構造管状体の成形時における引き取り速度は、外径が1.5mmとなるように設定した。また、押出成形温度は、樹脂メーカーの推奨する温度にて行い、銅線は外径1.0mmのものを使用した。
【0110】
それから、これらの2層構造管状体内の銅線を抜去したあと、外径0.9mmの芯がねを通し、オーブン中で120℃、4時間アニーリングして成形後に生じる残留応力歪みを除去し、内部にルーメンを備える2層構造管状体を作製した。
【0111】
この、内外層の肉厚比が変化している2層構造管状体の外壁に、エキシマレーザ(住友重機械工業(株),型式PM-848)にて螺旋溝加工を実施した。エキシマレーザの加工方法は、マスク形状を縮小投影させるマスクイメージング法を用いた。レーザ加工条件は、チューブ表面でのエネルギー密度は約9.0J/cm2とし、発振周波数を100Hzとした。レーザのビーム断面形状は丸形状とし、ビームスポットの直径は、約0.19mmとし、ビームスポットが二層構造管状体の外壁上面に接触するように配置し、外層の肉厚約0.07mmを十分除去できるように配置およびチューブの移動速度を設定した。
【0112】
そして、上記条件において、チューブの移動速度を変更することにより、螺旋溝のピッチが3.0mm(溝形成部分の長さ30mm)の医療用チューブ(実施例1)、螺旋溝のピッチが7.0mm(溝形成部分の長さ30mm)の医療用チューブ(実施例2)、螺旋溝のピッチが11.0mm(溝形成部分の長さ30mm)の医療用チューブ(実施例3)、螺旋溝のピッチが15.0mm(溝形成部分の長さ30mm)の医療用チューブ(実施例4)をそれぞれ3本ずつ作製した。
【0113】
また、上記条件において、チューブの移動速度を徐々に速くすることにより、螺旋溝のピッチが、先端部分(始端部分)3.0mmから終端部分15mmまで徐々に広くなる(溝形成部分の長さ200mm)医療用チューブ(実施例5)を作製した。
【0114】
(実験)
上記の実施例1ないし4の医療用チューブ並びに溝加工を行わなかった上記比較例1及び比較例2の2層構造管状体を、オートグラフ(島津オートグラフ,AGS-100A)を使用し、支点間距離20mm、テストスピード5mm/min.の測定条件で3点曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。その結果は、表1に示す通りであった。
【0115】
なお、ここでいう曲げ弾性率とは、通常の3点曲げ試験により求められる弾性変形領域における2点間の荷重−変位勾配と、支点間距離及び断面2次モーメントの関数として算出される曲げに対するヤング率のことである。またこのとき、チューブの断面2次モーメントはチューブ表面の螺旋溝へ媒体が充填されているものと仮定して計算した。
【0116】
【表1】

Figure 0003641381
【0117】
この結果から、螺旋ピッチを大きくするにつれて曲げ弾性率も大きくなり、螺旋ピッチ15.0mmのチューブは螺旋ピッチ3.0mmのチューブと比較して約5.5倍も硬くなることがわかった。また、螺旋ピッチ3.0mmのチューブは、外層薄肉の未加工のチューブと比較して約1/7も柔軟になることがわかった。さらに、未加工のチューブにおいても、外層厚肉のチューブは外層薄肉のチューブより約2倍も硬くなることがわかった。そして、螺旋ピッチ3.0mmのチューブは、未加工の外層厚肉のチューブと比較して約1/15も柔軟になることがわかった。従って、本発明の医療用チューブにより、機械的物性をチューブ各位置により変化させること、言い換えれば、先端部では柔軟に、基端部では腰を持たせることが可能であることが確認された。
【0118】
【発明の効果】
本発明の医療用チューブは、内部に形成されたルーメンと、軟質合成樹脂よりなる内層と、前記内層の外面を被覆するとともに前記内層を形成する材料より硬質な材料により形成された外層とを備える医療用チューブであって、該医療用チューブの先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比は、該医療用チューブの基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっており、さらに該医療用チューブは、先端部に前記外層の外面より前記ルーメン方向に伸びるとともに、前記ルーメンに到達しない深さの溝を備えている。
【0119】
このため、プッシャビリティ、トラッカビリティ、トルク伝達性、耐キンク性とともに、先端柔軟性を有し、かつ、中間部分において、物性の急激な変化点がなく物性がなだらかに変化するため、キンクが生じにくく、チューブは良好に湾曲でき、医療用として有効である。
【0120】
また、本発明の医療用チューブの製造方法は、軟質合成樹脂からなる内層と、該軟質合成樹脂より硬質な材料からなる外層を有し、先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比が、基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっている管状体を準備する工程と、該管状体の表面を加工して、前記管状体の長手方向にわたって、少なくとも一部が溝底部部分において前記外層表面より前記内層に達し、かつ前記医療用チューブの内部ルーメンには到達しない深さの溝を形成する工程とを備えている。このため、上記のような医療用チューブを確実かつ容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した実施例の部分省略拡大図である。
【図2】図2は、図1に示した医療用チューブの先端部の拡大正面図である。
【図3】図3は、図1に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。
【図4】図4は、図1に示した医療用チューブの中間部の拡大断面図である。
【図5】図5は、図1に示した医療用チューブの基端部の拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した他の実施例の部分省略拡大正面図である。
【図7】図7は、図6に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。
【図8】図8は、図6に示した医療用チューブの中間部の拡大断面図である。
【図9】図9は、図6に示した医療用チューブの基端部の拡大断面図である。
【図10】図10は、本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した他の実施例の部分省略拡大正面図である。
【図11】図11は、図10に示した医療用チューブの先端部の拡大正面図である。
【図12】図12は、図10に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。
【図13】図13は、本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した他の実施例の部分省略拡大正面図である。
【図14】図14は、図13に示した医療用チューブの先端部の拡大正面図である。
【図15】図15は、図13に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。
【図16】図16は、本発明の医療用チューブをカテーテルに応用した他の実施例における、先端部の拡大正面図である。
【図17】図17は、図16に示した医療用チューブの先端部の拡大断面図である。
【図18】図18は、医療用チューブの製造方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1、10、20、30 カテーテル(医療用チューブ)
2 カテーテル本体
3 ルーメン
4 軟質合成樹脂製内層
5 外層
6 先端部
61 溝形成部分
7 中間部
8 基端部
9 溝
11 ハブ
41 レーザ照射装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a medical tube used for blood vessel catheters, ultrasonic catheters, endoscopes and the like.
[0002]
[Prior art]
In recent years, medical tubes have become highly functional. Highly functional medical tubes include, for example, balloon catheters for vascular dilation used in percutaneous angioplasty to dilate stenosis of blood vessels, aneurysms and arteriovenous malformations found in cerebral blood vessels Cerebrovascular catheters that inject embolic substances and coils into the body, ultrasonic catheters that can perform precise observation and diagnosis in blood vessels using ultrasonic diagnostic equipment, intravascular, bile ducts, pancreatic ducts, etc. using diagnostic imaging equipment It is used for endoscopes that can perform precise observation and diagnosis.
[0003]
Such a high-function catheter is required to have operability and durability that can be inserted into a thin and complex blood vessel with quick and reliable selectivity. Specifically, it is easy for the operator to push the catheter through the blood vessel (pushability), and it advances smoothly through the meandering blood vessel along the guide wire previously inserted without damaging the inner wall of the blood vessel. (Trackability), the rotational force transmitted at the proximal end of the catheter tube is reliably transmitted to the distal end (torque transmission), and kinking (folding) during preoperative handling and when the catheter is pushed in ) Difficult, no kinking on the catheter at the bent part of the blood vessel even after the tip of the catheter reaches the target site and the guide wire is pulled out (kink resistance), and the patient's physical and mental In order to reduce the burden, to reduce the size of the guiding catheter that guides the catheter to the target site, To reduce the frictional resistance of the vessel wall, it tube outer diameter as possible thin (low profile properties), the tip portion may be less damage to the vessel wall or the like (tip flexibility) and the like are required.
[0004]
Thus, in addition to thinness and torque transmission, high-performance catheter tubes are required to have the opposite characteristics of hardness and softness, thinness and resistance to breakage, and it is also required to make the tube partially hard. Is done. In order to produce a catheter tube that satisfies these required characteristics, various technical developments have been made.
[0005]
For example, there is one disclosed in JP-A-6-31803. The catheter disclosed therein is characterized in that a hardness adjusting tube formed with a cut or a groove whose density increases as it approaches the distal end is disposed in the catheter tube.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the hardness adjusting tube having a cut is used for, for example, a vascular dilatation balloon catheter or a drug solution administration catheter, it is necessary to form a coating layer so that the fluid does not leak from the cut. When the inner diameter is defined, the outer diameter becomes large, which is disadvantageous with respect to the low profile.
[0007]
As for grooving, the hardness adjustment tube is preferably a hard material in order to improve the pushability on the base end side, but since the tube structure is a single layer, a high-density grooving is formed at the tip. However, it is difficult to ensure flexibility necessary for operability in actual use, which is disadvantageous with respect to trackability and advanced flexibility.
[0008]
An object of the present invention is to provide a small-diameter medical tube that has good pushability, trackability, tip flexibility, torque transmission and kink resistance.
[0009]
The first object of the present invention is to provide a medical tube having pushability, trackability, torque transmission, and kink resistance, as well as tip flexibility.
[0010]
The second object of the present invention is to provide a method for producing a medical tube capable of reliably producing the medical tube as described above.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
What achieves the first object of the present invention is formed of a lumen formed inside, an inner layer made of a soft synthetic resin, and a material harder than the material forming the inner layer while covering the outer surface of the inner layer. A wall thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side of the medical tube is greater than a wall thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the proximal end side of the medical tube. The medical tube is a medical tube characterized in that the distal end portion has a groove extending in the lumen direction from the outer surface of the outer layer and having a depth that does not reach the lumen. is there.
[0012]
And it is preferable that the said inner layer is thicker than the said outer layer in the front end side of the said medical tube, and the said outer layer is thicker than the said inner layer in the base end side of the said medical tube. Moreover, it is preferable that the bottom surface of the groove has a rounded shape. Moreover, it is preferable that the groove has a spiral shape. Furthermore, it is preferable that the groove has a smaller pitch on the distal end side than on the proximal end side of the tube. Moreover, it is preferable that at least a part of the bottom portion of the groove of the medical tube reaches the inner layer from the outer layer surface in the longitudinal direction of the medical tube. Further, the medical tube may be a catheter.
[0013]
What achieves the second object of the present invention has an inner layer made of a soft synthetic resin and an outer layer made of a material harder than the soft synthetic resin, and the thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the tip side is: A step of preparing a tubular body having a wall thickness ratio of the inner layer with respect to the outer layer on the base end side; and processing the surface of the tubular body so that at least a part of the groove extends along the longitudinal direction of the tubular body. Forming a groove having a depth that reaches the inner layer from the surface of the outer layer at the bottom portion and does not reach the inner lumen of the medical tube.
[0014]
The step of preparing the tubular body is preferably performed by coextrusion molding while changing the discharge amount of the inner layer forming resin and the outer layer forming resin. Moreover, it is preferable that the groove | channel formed in the said tubular body is formed by the process by a laser. In the tubular body, it is preferable that the inner layer is thicker than the outer layer on the distal end side, and the outer layer is thicker than the inner layer on the proximal end side.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The medical tube of this invention is demonstrated using drawing.
[0016]
FIG. 1 is a partially omitted enlarged view of an embodiment in which the medical tube of the present invention is applied to a catheter. FIG. 2 is an enlarged front view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG. FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG. FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view of an intermediate portion of the medical tube shown in FIG. FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a proximal end portion of the medical tube shown in FIG.
[0017]
The medical tube 1 of the present invention includes a lumen 3 formed inside, a soft synthetic resin inner layer 4, and an outer layer 5 formed of a material harder than the inner layer forming material while covering the outer surface of the synthetic resin inner layer 4. With. The thickness ratio of the inner layer 4 to the outer layer 5 on the distal end side of the medical tube 1 is larger than the thickness ratio of the inner layer 4 to the outer layer 5 on the proximal end side, and further from the outer surface of the outer layer 5. Since the groove has a depth that does not reach the lumen 3 and extends in the lumen direction and gradually changes in pitch, it can have sufficient strength at the base end portion while having flexibility at the tip end portion. It becomes possible. Further, when the tube is bent, the bending stress is dispersed in the groove portion, so that the kink resistance is excellent.
[0018]
Therefore, description will be made using the embodiment shown in FIGS. In this embodiment, a medical tube is applied to a catheter.
[0019]
A catheter 1 that is a medical tube includes a catheter body 2 and a hub 11 attached to the proximal end of the catheter body 2. As the catheter, a blood vessel catheter to be inserted into a blood vessel such as a cardiac blood vessel or a cerebral blood vessel, and a catheter inserted into a body cavity such as an abdominal cavity or lung may be considered.
[0020]
The catheter body 2 has a lumen formed therein from the distal end 21 to the proximal end 22. The lumen 3 serves as a flow path for a chemical solution or the like, and a guide wire is inserted into the lumen 3 when the catheter 1 is inserted into a blood vessel. The hub 11 functions as an injection port for a drug solution or the like into the lumen 3 and a guide wire insertion port, and also functions as a grip portion when operating the vascular catheter 1.
[0021]
As shown in FIGS. 2 to 5, the catheter body 2 has a two-layer structure in which at least a main portion thereof is composed of a soft synthetic resin inner layer 4 and a hard outer layer 5 in close contact with the outer surface of the soft synthetic resin inner layer. ing. The catheter body 2 has a distal end portion 6 in which the thickness ratio of the inner layer 4 to the outer layer 5 is relatively large, and a thickness ratio of the inner layer 4 and the outer layer 5 is changed (toward the proximal end of the catheter body 2). The intermediate portion 7 is thin (the inner layer 4 is thin and the outer layer 5 is thick), and the base end portion 8 is smaller in the thickness ratio of the inner layer 4 to the outer layer 5 than the tip portion 6.
[0022]
Thus, by reducing the thickness ratio of the soft inner layer 4 to the thickness of the hard outer layer 5 at the proximal end portion 8 and increasing it at the distal end portion 6, the distal end portion 6 is flexible, and the proximal end portion 8 is It is formed with high rigidity. Further, by further forming a groove 9 to be described later in detail in the distal end portion 6, the distal end portion 6 can be made much more flexible than the proximal end portion 8, and a large difference in rigidity between both portions can be secured. Can do. Therefore, the tip portion 6 is very flexible, and is excellent in tip flexibility and trackability. On the other hand, in the base end portion 8 in which the groove ratio is not formed and the thickness ratio of the inner layer 4 to the outer layer 5 is smaller than that of the distal end portion 6, high hardness is ensured and pushability is excellent.
[0023]
As shown in FIG. 4, in the intermediate portion 7, the thickness of the inner layer 4 gradually increases toward the proximal end of the catheter body 2, while the thickness of the outer layer 5 gradually decreases toward the proximal end of the catheter body 2. . As a result, the change in rigidity from the proximal end portion 8 to the distal end portion 6 becomes gentle, and there is very little possibility that kinks or bends that are likely to occur due to a sudden change in rigidity are generated in the catheter 1. Furthermore, the curve of the catheter 1 becomes more natural and the operability of the catheter is improved.
[0024]
In the embodiment shown in FIGS. 1 to 5, the inner layer 4 is thicker than the outer layer 5 at the distal end portion 6 (the inner layer is thicker than the outer layer), and the outer layer 5 is larger than the inner layer 4 at the proximal end portion 8. It is thick (the outer layer is thicker than the inner layer). By doing so, even if the catheter 1 is formed to be extremely thin and thin, the difference in rigidity between the distal end portion 6 and the proximal end portion 8 can be clearly determined, and the distal end portion 6 can be formed flexibly. Thus, the tip end portion can be made excellent in flexibility and trackability, and the base end portion 8 can be formed with high hardness so as to have excellent pushability.
[0025]
In the embodiment shown in FIGS. 1 to 5, a spiral groove 9 is provided in the outer layer 5 at the tip portion 6. And the front-end | tip part 6 has the groove formation part 61 in which the helical groove | channel 9 was formed in the outer layer 5, and the groove | channel non-formation part 62 in which the groove | channel is not provided in the base end side rather than this part 61 ing. The groove 9 has a predetermined length from the vicinity of the distal end of the outer layer 5 toward the proximal side, extends inward (lumen direction) from the outer surface of the outer layer 5, and is formed so as not to penetrate the inner layer 4. The groove 9 extends in the axial direction of the outer layer 5. By providing the groove 9, the groove forming portion 61 can be made more flexible than the portion 62, the intermediate portion 7 and the base end portion 8 where no groove is provided.
[0026]
Then, by providing a groove only in the tip portion 61 of the tip portion 6, the rigidity between the groove forming portion 61 and the intermediate portion 7 is higher than the rigidity of the groove forming portion 61 and lower than the rigidity of the intermediate portion 7. Since the non-grooved portion 62 having rigidity is formed, the change in physical properties of the catheter 1 can be gently changed. By doing in this way, since it becomes flexible gradually toward the front-end | tip of the catheter 1, the curve of the catheter 1 becomes more natural and the operativity of a catheter improves more. In addition, this invention is not limited to such a structure, You may provide the groove | channel 9 over the full length of the front-end | tip part 6. FIG.
[0027]
In the embodiment shown in FIGS. 1 to 5, the pitch of the grooves 9 is formed such that the pitch at the distal end portion of the groove forming portion 6 is smaller than the pitch at the proximal end portion. In particular, in this embodiment, the groove 9 becomes smaller toward the distal end of the catheter. By forming in this way, the physical properties of the groove forming portion 6 of the catheter body 2 can be gently changed. In the present invention, the pitch may be constant over the entire groove 9.
[0028]
The helical pitch of the grooves 9 is preferably about 1/5 to 10 times the outer diameter of the outer layer 5. If the pitch is 1/5 or more of the outer diameter of the outer layer 5, there is little decrease in strength at the tip of the outer layer 5, there is no tear or breakage in this part, and it is smaller than 10 times the outer diameter. If this is the case, the distribution of stress with respect to the bending and bending of blood vessels is sufficient.
[0029]
And as above-mentioned, it is preferable that the pitch of the helical groove | channel 9 is small at the front end part side of the groove formation part 6, and is large at the base end part side. By doing so, since it becomes flexible toward the distal end side, there is little abrupt change in physical properties, the curve at the boundary between the groove forming portion 6 and the groove non-forming portion 7 becomes natural, and the operability of the catheter Will improve. Further, it is preferable that the pitch of the grooves 9 is small at the tip end portion of the groove forming portion 6 and gradually increases toward the base end portion. By doing in this way, since it becomes flexible gradually toward a front-end | tip part, the curve of a groove formation part becomes more natural and the operativity of a catheter improves more.
[0030]
Thus, when the pitch of the groove 9 changes, the length of the distal end portion (the portion where the pitch is small) of the groove forming portion 6 is about 10 to 100 mm, and the length of the base end portion (the portion where the pitch is large). Is preferably about 100 to 300 mm. In particular, it is preferable that the intermediate portion between the distal end portion and the proximal end portion has an intermediate pitch between them or the pitch gradually changes. If it is in the said range, it is flexible enough and does not kink at the time of use. Further, in the catheter shown in FIG. 3, the groove is a single spiral groove, but the present invention is not limited to this, and the groove may be two or more. In particular, as shown in FIGS. 1 to 3, by gradually changing the pitch of the groove, the tip portion is very flexible because the pitch of the spiral groove is narrow, and has excellent tip flexibility and trackability. The spiral groove pitch is wide at the part or the spiral groove is not formed, so the necessary hardness for the catheter is secured, and on the proximal side, the hard outer layer is thicker so that the hardness is secured The pushability is very good.
[0031]
The length of the portion in which the groove 9 is provided is preferably about 10 to 300 mm or about 10 to 500 times the outer diameter of the outer layer 5 in order to achieve appropriate stress dispersion.
[0032]
Further, in the catheter shown in FIGS. 1 to 3, the starting point on the distal end side of the groove 9 is located slightly away from the distal end of the outer layer 5. The distance between the tip of the outer layer 5 and the starting point of the groove 9 is preferably within 1.0 mm, more preferably within about 0.5 mm from the tip of the outer layer 5. Further, the groove 9 may be provided from the tip of the outer layer 5.
[0033]
Further, the depth of the groove 9 preferably penetrates the outer layer 5 and reaches the soft synthetic resin inner layer 4. In this way, the groove penetrates the outer layer 5 so that the groove part or the bottom part of the groove can be formed only from the soft synthetic resin inner layer, and the groove part is sufficiently flexible. It can be. Furthermore, it is preferable that the groove 9 reaches the inner layer 4 made of soft synthetic resin. Further, the depth of penetration into the soft synthetic resin inner layer 4 varies depending on the thickness of the soft synthetic resin inner layer 4, but is preferably about 0 to 100 μm, particularly about 20 to 50 μm. Moreover, about 1/5 to 1/3 of the wall thickness of the soft synthetic resin inner layer 4 is suitable.
[0034]
The medical tube of the present invention can be used for a catheter and an endoscope tube. The total length of the medical tube varies depending on the application, but is preferably about 500 to 2000 mm. When a portion (intermediate portion) in which the thickness of the inner and outer layers changes as shown in FIGS. 1 to 5 is provided, the length is It is preferable that it is 100-1500 mm. Further, the total length of the medical tube is preferably about 1000 to 1500 mm when used for a catheter, and about 1000 to 2000 mm when used for an endoscope.
[0035]
Moreover, although the outer diameter of the medical tube 1 also differs depending on the application, about 0.7 to 3.0 mm is preferable when used for a catheter, and 0.02 to about 0.02 when used for an endoscope. About 0.1 mm is preferable. The outer diameter of the medical tube is preferably constant throughout, but the outer diameter may vary throughout. For example, the outer diameter may increase continuously or stepwise from the distal end to the proximal end of the medical tube. Also, the inner diameter of the medical tube does not have to be constant as illustrated, and may partially change.
[0036]
Further, the thickness of the medical tube (the total thickness of the inner layer and the outer layer) is preferably 0.04 to 0.5 mm, and the thickness of the outer layer is preferably 0.01 to 0.25 mm on the tip side. Preferably, the base end side is 0.02 to 0.45 mm.
[0037]
In addition, as a dimension when the medical tube is applied to a catheter, for example, in the case of a vascular catheter used by being inserted into a cerebral blood vessel, the total length of the catheter body 2 is about 500 to 2000 mm, particularly 1000 to 1500 mm. The degree is preferred. The outer diameter is about 0.6 to 2.0 mm, more preferably about 0.7 to 1.2 mm, and the inner diameter is about 0.2 to 1.6 mm, more preferably about 0.5 to 0.9 mm. is there. Furthermore, the thickness of the outer layer 5 is about 0.01 to 0.3 mm, more preferably about 0.05 to 0.2 mm on the distal end side, more preferably about 0.15 to 0.45 mm on the proximal end side. Is about 0.25 to 0.4 mm. The thickness of the soft synthetic resin inner layer 4 is about 0.05 to 0.5 mm on the distal end side, more preferably about 0.08 to 0.3 mm, and 0.01 to 0.3 mm on the proximal end side. The degree is more preferably about 0.05 to 0.2 mm. Furthermore, the length of the distal end portion 6 where the thickness of the outer layer on the distal end side is thin is about 100 to 1000 mm, more preferably about 300 to 800 mm, and the length of the intermediate portion 7 where the thickness of the inner and outer layers changes is about 100 to 1000 mm. It is about 1000 mm, more preferably about 300 to 800 mm.
[0038]
In the example shown in FIGS. 1 to 5, the inner layer 4 and the outer layer 5 are formed to have a constant thickness at the distal end portion 6 and the proximal end portion 8. However, the present invention is not limited to such a configuration, and the distal end portion 6 and the proximal end portion are within the range where the thickness ratio of the inner layer to the outer layer is higher on the proximal end side than the distal end side of the medical tube. In each of 8, the thickness of the inner and outer layers may be changed.
[0039]
Furthermore, it is preferable that the bottom surface of the groove 9 has a rounded shape. Compared with the rectangular bottom of the groove, the bottom of the groove has a rounded shape, so that changes in physical properties at both ends of the groove can be moderated to some extent, and the curve is good It will be something. Further, the shape of the spiral groove may be a spiral shape, and the width of the groove may be wide at the distal end portion and narrow at the proximal end portion. By doing in this way, since it becomes flexible gradually toward a front-end | tip part, the curve of the front-end | tip part of a catheter becomes more natural and the operativity of a catheter improves more.
[0040]
The width of the groove 9 is determined in consideration of the outer diameter of the outer layer 5 (catheter) and the like, and thus is not uniform, but is preferably 0.1 to 0.5 mm, particularly 0.1 to 0.2 mm. Is preferred. The distal end of the groove forming portion 6 is preferably about 10 to 100 mm, and the proximal end is preferably 100 to 300 mm. When the groove width is changed, the groove width is preferably about 1/10 to 1/2 of the outer diameter of the outer layer 5 (catheter).
[0041]
The outer layer 5 is preferably made of a polymer material having a relatively high rigidity. Such polymer materials include, for example, polyolefin resins such as polyethylene, polypropylene, polybutene, vinyl chloride, ethylene-vinyl acetate copolymer, or polyolefin elastomers thereof, fluorine resins or fluorine elastomers, methacrylic resins, polyphenylenes, etc. Oxides, modified polyphenylene ether, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyurethane elastomer, polyester elastomer, polyamide or polyamide elastomer, polycarbonate, polyacetal, styrene resin or styrene elastomer, thermoplastic polyimide, and the like can be used. It is also possible to use polymer alloys or polymer blends based on these resins. Moreover, although the material of the outer layer 5 is usually the same along the longitudinal direction, the composition may differ depending on the site as necessary.
[0042]
The outer layer may be made of a metal material. As the metal material, Cu, Ag, Au, Al, Ti, Pt, Ni, Zn, Pb, Fe, Cr, or the like can be used. Alternatively, an alloy of these metals can be used. When the outer layer is formed of metal, a thin metal tube made of the above metal may be used, and the outer surface of the inner layer may be formed by depositing the above metal on the outer surface of the inner layer. The outer layer may be directly applied to the substrate. Furthermore, after forming a groove as described above in a two-layer structure tube having an outer layer made of such a metal deposit and removing the outer layer forming metal that becomes the groove portion, the same or different is further formed on the outer layer forming metal. A metal may be plated to adjust the thickness of the outer layer. As the metal used for plating, the outer layer forming metal described above is suitable.
[0043]
The soft synthetic resin inner layer 4 is made of a flexible polymer material as compared with the outer layer forming material 5. Examples of such a polymer material include polyolefin resins such as polyethylene elastomer, polypropylene elastomer, polybutene elastomer, soft vinyl chloride, and ethylene-vinyl acetate copolymer, or polyolefin-based elastomers, fluorine-based elastomers, and polyurethane-based elastomers. Further, thermoplastic elastomer materials such as polyester elastomer, polyamide elastomer, and styrene elastomer can be used. Further, polymer alloys or polymer blends based on these resins may be used.
[0044]
Here, as the polyamide elastomer, for example, nylon 6, nylon 64, nylon 610, nylon 612, nylon 46, nylon 9, nylon 11, nylon 12, N-alkoxymethyl modified nylon, hexamethylenediamine-isophthalic acid condensation polymer Typical examples are block copolymers in which various aliphatic or aromatic polyamides such as a metaxyloyldiamine-adipic acid condensation polymer are used as hard segments and polymers such as polyesters and polyethers are used as soft segments.
[0045]
In addition to the above, the polyamide elastomer includes a polymer alloy (polymer blend, graft polymerization, random polymerization, etc.) of the polyamide and a flexible resin, one obtained by softening the polyamide with a plasticizer, and the like. A mixture of In addition, it is preferable to use a plasticizer that is difficult to be extracted with a solvent, blood, or the like.
[0046]
The polyester elastomer is typically a block copolymer of a saturated polyester such as polyethylene terephthalate or polybutylene terephthalate and a polyether or polyester. In addition to the above, the polyester elastomer includes a polymer alloy of the above polyester elastomer, a softened soft polyester of the saturated polyester, and a mixture thereof.
[0047]
In addition, you may mix | blend various additives, such as an alloying agent, a compatibilizing agent, a hardening | curing agent, a stabilizer, and a coloring agent, with the said elastomer as needed. In this case, it is preferable to use an additive component that is difficult to be extracted with a solvent, a chemical solution, blood, or the like. The elastomer is preferably a thermoplastic resin, and the catheter can be easily manufactured if it is thermoplastic.
[0048]
When the soft synthetic resin inner layer 4 is composed of the elastomer, the outer layer 5 that is in close contact with the soft synthetic resin inner layer 4 follows the deformation without disturbing the deformation of the tip of the soft synthetic resin inner layer 4. Since it easily deforms, the occurrence of kinks is extremely reliably prevented. Moreover, although the material of the soft synthetic resin inner layer 4 is usually the same along the longitudinal direction thereof, the composition may be different depending on the site as necessary.
[0049]
Further, when the two-layer structure tube is formed by coextrusion, the material of the outer layer 5 and the inner layer 4 may be selected from materials having good compatibility between the above-mentioned resins from the viewpoint of moldability. is necessary. Good compatibility indicates that the thermodynamic mutual solubility is good, in other words, does not separate between the two after curing. Specifically, it is desirable that the materials of the outer layer 5 and the inner layer 4 are selected from the same resin. For example, a high-density polyethylene having high rigidity is selected as the material of the outer layer 5, a low-density polyethylene is selected as the material of the inner layer 4, and both are made of polyolefin, and a nylon 12 having high rigidity is used as the material of the outer layer 5. Select a flexible polyether polyamide block copolymer as the material of the inner layer 4 and make them both polyamide-based, and select a rigid polyester terephthalate as the material of the outer layer 5 and a flexible polyester-based elastomer as the material of the inner layer 4 However, it is conceivable that both are made of polyester.
[0050]
Further, an X-ray opaque material may be added to the outer layer or the inner layer forming material, or the outer layer and the inner layer forming material. As the X-ray impermeable substance, for example, fine particles made of simple metals or compounds such as tungsten, barium sulfate, bismuth, gold and platinum are preferable. The particle size of the X-ray opaque material is preferably 1 to 5 μm. The addition amount of the radiopaque substance in the synthetic resin is 45% by weight or less, and particularly preferably 30% by weight or less. More preferably, it is 20% by weight or less.
[0051]
The hardness (bending elastic modulus, ASTM D-790, 23 ° C.) of the material forming the outer layer 5 is 2000 to 30000 kg / cm 2 Preferably, it is 5000-20000 kg / cm 2 It is more preferable that Flexural modulus is 2000kg / cm 2 If it is above, pushability and torque transmission are enough, 30000kg / cm 2 If it is below, the followability with respect to a guide wire is also favorable, and the load given to the blood vessel inner wall is also small.
[0052]
Further, the hardness (bending elastic modulus, ASTM D-790, 23 ° C.) of the forming material of the soft synthetic resin inner layer 4 is 100 to 800 kg / cm. 2 It is preferably 150 to 500 kg / cm 2 It is more preferable that Flexural modulus is 100kg / cm 2 If it is above, it has a certain degree of pushability and torque transmission, 800kg / cm 2 If it is below, the followability with respect to a guide wire is sufficient, and the load given to the blood vessel inner wall is also small.
[0053]
Further, the difference in hardness (flexural modulus, ASTM D-790, 23 ° C.) of the forming materials used for the inner layer 4 and the outer layer 5 made of soft synthetic resin is 1000 to 30000 kg / cm. 2 It is preferable that it is 5000-10000 kg / cm 2 It is more preferable that
[0054]
In the catheter of this embodiment, the inner peripheral surface of the outer layer 5 is in close contact with almost the entire outer peripheral surface of the soft synthetic resin inner layer 4, and both are fixed. As a fixing method of both, for example, a method of forming by coextrusion as described above, a method of bonding the soft synthetic resin inner layer 4 and the outer layer 5 with an adhesive or a solvent, and the soft synthetic resin inner layer 4 and the outer layer 5 A method of fusing (eg, heat fusing, high-frequency fusing), a method of coating the outer surface of the inner layer constituting tube by dipping, coating, extruding, and the like. In the case of using, the above-mentioned method can be mentioned.
[0055]
As a method of changing the thickness ratio of the inner and outer layers of the two-layer structure tube as shown in the illustrated intermediate portion 7, if the method is a method by coextrusion molding, for example, in the portion where the thickness ratio of the tube is to be changed, each layer This can be achieved by changing the discharge amount of the inner layer forming resin and the outer layer forming resin from the molding machine for forming the film with the passage of the take-up time by the program control. In addition, if the outer surface of the inner layer constituting tube is coated and molded by extrusion, for example, an inner layer tube having different outer diameters is prepared in advance on the distal end side and the proximal end side, and when the outer layer is covered and molded, This can be achieved by passing a die that regulates the outer diameter. If the outer surface of the inner layer constituting tube is coated by dipping, for example, an inner layer tube having different outer diameters is prepared in advance on the distal end side and the proximal end side, and a die is passed through the dipping solution. This can be achieved by pulling up the tube.
[0056]
Examples of the groove forming method include cutting, laser processing, and the like. Laser processing is preferable for high-precision fine processing, and excimer laser processing suitable for polymer processing is particularly preferable among laser processing. However, when grooving is performed by laser processing, it is necessary to select a material with good laser processability.
[0057]
Also, after forming the groove as described above in a two-layer structure tube having an outer layer made of a metal deposit and removing the outer layer forming metal that becomes the groove portion, the same or different metal is further electrolyzed on the outer layer forming metal. What adjusted so that the thickness of the outer layer may become thick by plating or electroless plating may be used. In order to change the thickness ratio of the inner and outer layers between the front end portion and the base end portion, it can be achieved by masking a portion where the outer layer is not desired to be thickened. Moreover, as a metal used for plating, the metal for outer layer formation mentioned above is suitable.
The medical tube of the present invention is a tube having a two-layer structure of an inner layer and an outer layer formed in advance, and grooves are formed from the outer side (hard outer layer side). Therefore, the inner layer and the outer layer can be made thin, thin and excellent. It is possible to have a characteristic.
[0058]
The groove shape to be formed is preferably the above-described spiral shape, and such a spiral groove has an inner layer made of a soft synthetic resin and harder than the soft synthetic resin, as shown in FIG. A tubular body 40 having an outer layer made of a different material and having a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side larger than a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the proximal end side is rotated in the circumferential direction. The spiral groove 9 is formed by irradiating the tubular body 40 with a beam of a certain shape by the laser irradiation device 41 while feeding in the axial direction. In addition, as described above, it is preferable that the spiral groove has a small pitch on the distal end side of the groove forming portion of the medical tube and a large pitch on the proximal end side. For this reason, the pitch formed in the axial direction of the tubular body 40 can be gradually increased in the direction of the arrow shown in FIG. 18 to change the formed pitch as described above.
[0059]
The shape of the beam spot may be any of a circle, an ellipse, a triangle, a quadrangle, a parallelogram, and other shapes, but a round shape in which the groove width is constant even when the helical pitch is changed is preferable. The size of the beam spot is preferably 0.02 to 0.5 mm. Also, by using such a round beam spot, the cross-sectional shape of the groove becomes rounded, and the bending stress is effectively reduced when the medical tube is bent, compared to the case of an angular cross-sectional shape. Dispersed and has excellent kink resistance.
[0060]
Furthermore, the depth of the groove is preferably such that the thickness of the outer layer 5 can be sufficiently removed, and specifically the maximum depth is preferably 0.02 to 0.2 mm.
[0061]
In the embodiment shown in FIGS. 1 to 5, the thickness of the inner layer 4 is larger than the thickness of the outer layer 5 at the distal end portion 6, and the thickness of the outer layer 5 is larger than the thickness of the inner layer 4 at the proximal end portion 8. However, the present invention is not limited to such a configuration, and for example, it may be as shown in FIGS.
[0062]
FIG. 6 is a partially omitted enlarged front view of another embodiment in which the medical tube of the present invention is applied to a catheter. 7 is an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG. FIG. 8 is an enlarged cross-sectional view of an intermediate portion of the medical tube shown in FIG. 9 is an enlarged cross-sectional view of a proximal end portion of the medical tube shown in FIG. The differences between the catheter (medical tube) 10 shown in these drawings and the embodiment shown in FIGS. 1 to 5 are only the thickness of the inner and outer layers and the outer diameter of the catheter body 2, and other points. This is the same as that shown and described in FIGS.
[0063]
At the distal end portion 6 of the catheter 10, as shown in FIG. 7, the thickness of the outer layer 5 is the same as or slightly larger than the thickness of the inner layer 4, and at the intermediate portion 7, as shown in FIG. Furthermore, the outer layer 5 gradually increases toward the proximal end of the catheter 10 (the thickness of the outer layer 5 increases), and at the proximal end portion 8, as shown in FIG. It is formed to be considerably larger than the thickness of the inner layer 4.
[0064]
Even in such a configuration, the thickness ratio of the inner layer 4 to the outer layer 5 on the distal end side of the catheter (medical tube) 10 is the thickness ratio of the inner layer 4 to the outer layer 5 on the proximal end side of the catheter (medical tube) 10. Is bigger than. Further, since the distal end portion 6 has a groove extending in the direction of the lumen 3 from the outer surface of the outer layer 5 and does not reach the lumen 3, the distal end portion 6 is much more flexible than the proximal end portion 8. A large difference in rigidity between the two parts can be secured. Accordingly, the distal end portion 6 is very flexible and excellent in distal end flexibility and trackability, and the base end portion 8 can ensure high hardness and excellent pushability.
[0065]
In the embodiment shown in FIGS. 6 to 9, the inner layer 4 is formed with a substantially constant thickness over the entire length of the catheter 1. Further, the outer diameter of the catheter 10 increases toward the proximal end of the catheter body 2 at the intermediate portion 7, and the outer diameter at the proximal end portion 8 is larger than that of the distal end portion 6. In the present embodiment, the thickness of the inner layer 4 may be changed at each of the distal end portion, the intermediate portion, and the proximal end portion.
[0066]
Both the embodiment shown in FIGS. 1 to 5 and the embodiment shown in FIGS. 6 to 9 are configured to include an intermediate portion 7 in which the thickness ratio of the inner and outer layers changes. The medical device is not limited to such a configuration, and does not include the intermediate portion as described above (without a portion where the thickness ratio of the inner and outer layers on the distal end side and the proximal end side of the tube is substantially constant). The thickness ratio of the inner and outer layers may continuously change at a constant rate from the distal end to the proximal end of the tube for use.
[0067]
Moreover, it is good also as a state where the edge part of the groove | channel in the outer surface of the outer layer 5 was also chamfered like the catheter 20 (medical tube) shown in FIG. 10 thru | or FIG. FIG. 10 is a partially omitted enlarged front view of another embodiment in which the medical tube of the present invention is applied to a catheter. FIG. 11 is an enlarged front view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG. 12 is an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG. By using the catheter 20, the change in physical properties in the vicinity of the end of the groove can be moderated to some extent, the curve in the groove portion becomes good, and the operability is improved. The difference between this catheter 20 (medical tube) and the above-described catheter 1 (medical tube) is only the above-mentioned point, and the other points are the same as those shown and described in FIGS. .
[0068]
Moreover, it is good also as what provided the some annular groove 39 in the outer surface of the outer layer 5, like the catheter 30 (medical tube) shown in FIG. 13 thru | or FIG. The difference between the catheter 30 (medical tube) of this embodiment and the catheter 1 (medical tube) shown and described in FIGS. 1 to 5 is only in the groove form, and the other points are shown in FIGS. It is the same as shown and described in
[0069]
In the catheter 30, a plurality of annular grooves 39 are formed at the distal end portion. The plurality of annular grooves 39 may be arranged at equal intervals, but as shown in FIGS. 13 to 15, adjacent groove intervals are narrow at the distal end portion of the groove forming portion 36 and wide at the proximal end portion. Preferably formed. By doing in this way, since it becomes flexible toward a front-end | tip part, the curve of the front-end | tip part of a catheter becomes natural, and the operativity of a catheter improves. In particular, as shown in FIG. 13, the groove interval is preferably gradually increased toward the base end portion of the groove forming portion. By doing so, the distal end portion is very flexible, the distal end flexibility and trackability are excellent, the necessary hardness of the catheter is ensured at the proximal end portion, and the thickness of the hard outer layer is further secured at the proximal end side. Since the thickness is thicker, the hardness is secured and the pushability is excellent.
[0070]
The groove interval is determined in consideration of the outer diameter of the outer layer 5 (catheter) and the like, and thus is not uniform, but is preferably about 0.1 to 5 mm at the distal end portion of the groove forming portion, and at the proximal end portion. 5 to 10 mm is preferable. The width of the groove is preferably 0.1 to 0.5 mm, and particularly preferably 0.1 to 0.2 mm. Further, the width of the groove is preferably about 1/10 to 1/2 of the outer diameter of the outer layer 5 (catheter).
[0071]
The depth of the groove 39 preferably penetrates the outer layer 5 and reaches the soft synthetic resin inner layer 4. Thus, when the groove penetrates the outer layer 5, the groove part can be formed only from the soft synthetic resin inner layer, and the groove part can be made sufficiently flexible. . Furthermore, it is preferable that the groove 39 reaches the soft synthetic resin inner layer 4. Further, the degree of penetration into the soft synthetic resin inner layer 4 varies depending on the thickness of the soft synthetic resin inner layer 4, but is preferably about 0 to 100 μm, and particularly about 20 to 50 μm. Moreover, about 1/5 to 1/3 of the wall thickness of the soft synthetic resin inner layer 4 is suitable.
[0072]
Furthermore, it is preferable that the bottom surface of the groove has a rounded shape. Compared with the rectangular bottom of the groove, the bottom of the groove has a rounded shape, so that changes in physical properties at both ends of the groove can be moderated to some extent, and the curve is good It will be something.
[0073]
Further, as shown in FIGS. 16 and 17, the end of the groove on the outer surface of the outer layer 5 may be chamfered.
[0074]
Further, in the case where the spiral groove or the plurality of annular grooves as described above is provided, it is not limited to the form in which the spiral groove pitch or the groove interval is changed as described above. You may form so that it may become wide and it may become narrow in a base end part. By doing so, the distal end side of the groove forming portion becomes more flexible than the proximal end side, so that the distal end of the catheter is more naturally curved and the operability of the catheter is improved. The width of the groove is determined in consideration of the outer diameter of the outer layer 5 (catheter), etc., and is not uniform. However, when the width at the distal end portion in the groove forming portion is 1, the groove width at the proximal end portion is determined. The width is preferably about 0.1 to 0.8, and particularly preferably about 0.3 to 0.5. In particular, it is preferable to make the width of the groove gradually narrower from the tip of the groove forming portion toward the base end. Further, as described above, the width of the groove may be changed together with the above-described spiral groove pitch or groove interval.
[0075]
As the setting factor of the hardness of the medical tube of the present invention, regarding the tube, the material of the tube inner and outer layers, the tube size, the wall thickness ratio of the inner and outer layers on the distal end side, the tube length on the wall thickness ratio, the inner and outer layers on the proximal end And the tube length at the thickness ratio. In addition, regarding the processed groove, a spiral groove pitch, a groove interval, a groove width, a groove pattern, a groove depth, and the like can be given. By setting these parameters arbitrarily, medical tubes having various mechanical properties can be produced. Further, the helical pitch can be arbitrarily set, and a part thereof can be partially hardened. The medical tube of the present invention is formed by forming a spiral groove on the outer wall of the tube and is not in a coil shape, so that the torque transmission is also good.
[0076]
Alternatively, the outer surface of the medical tube (catheter) may be coated with a hydrophilic polymer compound that exhibits lubricity when in contact with blood. Examples of the method of coating the outer surface of the tube with a lubricating substance include a method of coating the outer surface with a hydrophilic polymer compound or silicone oil that exhibits lubricity when wet. Examples of the hydrophilic polymer compound include methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer or ester compound copolymer thereof, polyvinyl pyrrolidone compound, hydroxypropyl cellulose and the like.
[0077]
As a method for coating such a hydrophilic polymer compound, for example, the hydrophilic polymer compound is dissolved in an appropriate solvent such as methyl ethyl ketone, acetone, tetrahydrofuran, dioxane, dimethylformaldehyde, alcohols, dimethyl sulfoxide, and the like. Impregnating the outer surface of the tube with the solution by dipping, coating, spraying, etc., and after the impregnation, the solvent is removed by drying or washing treatment to leave the hydrophilic polymer compound in the polymer material of the substrate. Is mentioned.
[0078]
By coating such a lubricious substance, the slidability of the tube can be greatly improved together with the reduction of the contact area of the inner surface of the living body lumen due to the formation of the groove.
[0079]
Moreover, you may coat | cover antithrombogenic material on the outer surface of a medical tube (catheter). Examples of antithrombotic materials include heparin, polyalkylsulfone, ethyl cellulose, acrylic acid ester polymers, methacrylic acid ester polymers (for example, poly HEMA [polyhydroxyethyl methacrylate]), hydrophobic segments and hydrophilic segments. Block or graft copolymer (for example, block copolymer of HEMA-styrene to HEMA, block copolymer of HEMA-MMA [methyl methacrylate], block copolymer of HEMA-LMA [lauryl methacrylate]) Polymer, block copolymer of PVP [polyvinylpyrrolidone] -MMA, block copolymer of HEMA-MMA / AA [acrylic acid]), and blend polymer in which a polymer having an amino group is mixed with these block copolymers, And including Such as fluororesin can be used. A block copolymer of HEMA-styrene-HEMA, a block copolymer of HEMA-MMA, a block copolymer of HEMA-MMA / AA, and the like are preferable. And after covering the blood contact surface with hydrophilic resin except said heparin, it is preferable to fix heparin on it further. In this case, in order to fix heparin to the surface of the hydrophilic resin, the hydrophilic resin is composed of a hydroxyl group, an amino group, a carboxyl group, an epoxy group, an isocyanate group, a thiocyanate group, an acid chloride group, an aldehyde group, and carbon to carbon. It is preferable to have one of double bonds or to have a group that can be easily converted to these groups. It is particularly preferable to use a blend polymer obtained by mixing the hydrophilic resin with a polymer having an amino group, and the polymer having an amino group is preferably a polyamine, particularly PEI (polyethyleneimine).
[0080]
Heparin is fixed by covering the blood contact surface of a medical tube (catheter) with the hydrophilic resin and contacting the surface with an aqueous heparin solution, and then aldehydes such as glutaraldehyde, terephthalaldehyde, formaldehyde, diphenylmethane, etc. Shared with the above hydrophilic resin by contacting with a fixing agent such as diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, carbodiimide-modified diphenylmethane diisocyanate, epichlorohydrin, 1,4-butanediol diglycidyl ether, polyethylene glycol diglycidyl ether Can be combined and fixed.
[0081]
The wall thickness of the coating layer of such an antithrombotic material is preferably minimized so as not to substantially affect the flexibility and outer diameter of the tube.
[0082]
Next, the manufacturing method of the medical tube of this invention is demonstrated.
[0083]
The medical tube manufacturing method of the present invention has an inner layer made of a soft synthetic resin and an outer layer made of a material harder than the soft synthetic resin, and the thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side is Preparing a tubular body having a wall thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the side, and processing the surface of the tubular body so that at least a part of the groove bottom portion extends in the longitudinal direction of the tubular body. And a step of forming a groove having a depth reaching the inner layer from the surface of the outer layer and not reaching the inner lumen of the medical tube.
[0084]
Therefore, each step will be described.
[0085]
It has an inner layer made of a soft synthetic resin and an outer layer made of a material harder than the soft synthetic resin, and a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side is a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the proximal end side. The step of preparing a larger tubular body is, for example, a method of forming by coextrusion, a tubular body for forming an inner layer made of a soft synthetic resin having a different thickness on the distal end side and the proximal end side, and the soft synthetic resin. A method of forming a tubular body for forming an outer layer made of a hard material in advance and bonding or fusing them with an adhesive or a solvent (for example, heat fusion, high frequency fusion), distal end side and proximal end side A tubular body for forming an inner layer made of a soft synthetic resin having a different wall thickness is formed in advance, and an outer layer forming material harder than the soft synthetic resin is coated on the outer surface by dipping, coating, extruding, etc. All It is.
[0086]
As a specific method for changing the thickness ratio of the inner and outer layers of the two-layer structure tubular body, for example, by coextrusion, for example, the discharge amount of the inner layer forming synthetic resin and the outer layer forming synthetic resin in the molding machine This can be achieved by co-extrusion while changing by controlling the program. In addition, if the outer surface of the inner layer constituting tube is coated and molded by extrusion, for example, an inner layer forming tubular body having different outer diameters is formed in advance on the distal end side and the proximal end side, and the outer layer forming material is used as the outer layer forming material. This can be achieved by passing a die for regulating the outer diameter when coating the outer surface of the inner layer forming tubular body. Further, if the outer surface of the inner layer forming tubular body is coated with the outer layer forming material by dipping, for example, the inner layer forming tubular body having different outer diameters on the distal end side and the proximal end side is formed in advance. This can be achieved by pulling up the tubular body from the dipping solution while passing a die for regulating the outer diameter.
[0087]
In addition, it is preferable that the inner layer and the outer layer of the tubular body are each formed as a seamless integral with the above-described method, for example. However, the present invention is not limited to such a configuration, and one or both of the inner layer and the outer layer are formed by connecting the distal end side portion and the proximal end side portion of the tubular body (the distal end portion 6, the intermediate portion 7, In the case where the base end portion 8 is provided, the base end portion 8 may be divided into portions corresponding to these portions 6, 7, and 8, and separately formed, and then joined by fusion, adhesion, or the like.
[0088]
The outer layer forming material is preferably composed of a polymer material having relatively high rigidity. Such polymer materials include, for example, polyolefin resins such as polyethylene, polypropylene, polybutene, vinyl chloride, ethylene-vinyl acetate copolymer, or their polyolefin elastomers, fluorine resins or fluorine elastomers, methacrylic resins, polyphenylenes, etc. Various synthetic resins such as oxide, modified polyphenylene ether, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyurethane elastomer, polyester elastomer, polyamide or polyamide elastomer, polycarbonate, polyacetal, styrene resin or styrene elastomer, thermoplastic polyimide can be used. . It is also possible to use polymer alloys or polymer blends based on these resins. Moreover, although the material of the material for forming the outer layer is usually the same along the longitudinal direction, the composition may be different depending on the part, if necessary.
[0089]
Further, the outer layer forming material may be composed of a metal material. As the metal material, Cu, Ag, Au, Al, Ti, Pt, Ni, Zn, Pb, Fe, Cr, or the like can be used. Alternatively, an alloy of these metals can be used. When the outer layer is formed of a metal, a thin metal tube having a different thickness on the distal end side and the proximal end side may be used depending on the metal, and the outer layer described above may be used on the outer surface of the inner layer. By depositing such a metal, the outer layer may be deposited directly on the outer surface of the inner layer, and a metal outer layer having a different thickness on the distal end side and the proximal end side may be formed. Further, after forming the groove as described above in the two-layer structure tubular body having an outer layer made of such a metal deposit, and removing the outer layer forming metal that becomes the groove portion, the same or Different metals may be plated to adjust the thickness of the outer layer. As the metal used for plating, the outer layer forming metal described above is suitable.
[0090]
As the soft synthetic resin for forming the inner layer, a flexible polymer material is used as compared with the material for forming the outer layer. Examples of such a polymer material include polyolefin resins such as polyethylene elastomer, polypropylene elastomer, polybutene elastomer, soft vinyl chloride, and ethylene-vinyl acetate copolymer, or polyolefin-based elastomers, fluorine-based elastomers, and polyurethane-based elastomers. Further, thermoplastic elastomer materials such as polyester elastomer, polyamide elastomer, and styrene elastomer can be used. Further, polymer alloys or polymer blends based on these resins may be used.
[0091]
Here, as the polyamide elastomer, for example, nylon 6, nylon 64, nylon 610, nylon 612, nylon 46, nylon 9, nylon 11, nylon 12, N-alkoxymethyl modified nylon, hexamethylenediamine-isophthalic acid condensation polymer Typical examples are block copolymers in which various aliphatic or aromatic polyamides such as a metaxyloyldiamine-adipic acid condensation polymer are used as hard segments and polymers such as polyesters and polyethers are used as soft segments.
[0092]
In addition to the above, the polyamide elastomer includes a polymer alloy (polymer blend, graft polymerization, random polymerization, etc.) of the polyamide and a flexible resin, one obtained by softening the polyamide with a plasticizer, and the like. A mixture of In addition, it is preferable to use a plasticizer that is difficult to be extracted with a solvent, blood, or the like.
[0093]
The polyester elastomer is typically a block copolymer of a saturated polyester such as polyethylene terephthalate or polybutylene terephthalate and a polyether or polyester. In addition to the above, the polyester elastomer includes a polymer alloy of the above polyester elastomer, a softened soft polyester of the saturated polyester, and a mixture thereof.
[0094]
In addition, you may mix | blend various additives, such as an alloying agent, a compatibilizing agent, a hardening | curing agent, a stabilizer, and a coloring agent, with the said elastomer as needed. In this case, it is preferable to use an additive component that is difficult to be extracted with a solvent, a chemical solution, blood, or the like. The elastomer is preferably a thermoplastic resin, and the catheter can be easily manufactured if it is thermoplastic.
[0095]
When the elastomer is used as the soft synthetic resin for forming the inner layer, the outer layer that is in close contact with the inner layer made of the soft synthetic resin is easily deformed according to this deformation without preventing the deformation of the tip of the inner layer made of the soft synthetic resin. Therefore, the occurrence of kinks is extremely reliably prevented. The material of the inner layer made of the soft synthetic resin is usually the same along the longitudinal direction, but the composition may be different depending on the site if necessary.
[0096]
Furthermore, when the two-layer structure tubular body is formed by coextrusion, the material of the outer layer 5 and the inner layer 4 should be selected from the above-mentioned resins that are compatible with each other from the viewpoint of moldability. is required. Good compatibility indicates that the thermodynamic mutual solubility is good, in other words, does not separate between the two after curing. Specifically, it is desirable that the materials of the outer layer 5 and the inner layer 4 are selected from the same resin. For example, a high-density polyethylene having high rigidity is selected as the material of the outer layer 5, a low-density polyethylene is selected as the material of the inner layer 4, and both are made of polyolefin, and a nylon 12 having high rigidity is used as the material of the outer layer 5. Select a flexible polyether polyamide block copolymer as the material of the inner layer 4 and make them both polyamide-based, and select a rigid polyester terephthalate as the material of the outer layer 5 and a flexible polyester-based elastomer as the material of the inner layer 4 However, it is conceivable that both are made of polyester.
[0097]
Further, an X-ray opaque material may be added to the outer layer or the inner layer forming material, or the outer layer and the inner layer forming material. As the X-ray impermeable substance, for example, fine particles made of simple metals or compounds such as tungsten, barium sulfate, bismuth, gold and platinum are preferable. The particle size of the X-ray opaque material is preferably 1 to 5 μm. The addition amount of the radiopaque substance in the synthetic resin is 45% by weight or less, and particularly preferably 30% by weight or less. More preferably, it is 20% by weight or less.
[0098]
Then, it is preferable that the tubular body is formed such that the inner layer is thicker than the outer layer on the distal end side and the outer layer is thicker on the proximal end side than the inner layer. By doing so, the rigidity between the distal end side and the proximal end side of the two-layer structure tubular body (medical tube) even if the two-layer structure tubular body (medical tube) is formed to be extremely thin and thin. The tip side can be flexibly formed, and the tip end can be made flexible with excellent flexibility and trackability. The base end can be made extremely hard and pushable. It can be excellent.
[0099]
Next, a step of processing the surface of the tubular body to form a groove that does not reach the inner lumen of the tubular body is performed.
[0100]
Examples of a method for forming a groove that does not reach the inner lumen in the tubular body include cutting and laser processing, but laser processing is preferable for performing highly accurate fine processing. Among laser processing, polymer processing is preferable. Excimer laser processing suitable for the above is particularly preferable. However, when grooving is performed by laser processing, it is necessary to select a material with good laser processability.
[0101]
Also, after forming the groove as described above in a two-layer structure tube having an outer layer made of a metal deposit and removing the outer layer forming metal that becomes the groove portion, the same or different metal is further electrolyzed on the outer layer forming metal. What adjusted so that the thickness of the outer layer may become thick by plating or electroless plating may be used. In order to change the thickness ratio of the inner and outer layers between the distal end portion and the proximal end portion, it can be achieved by applying appropriate masking to a portion where the outer layer is not desired to be thickened. Moreover, as a metal used for plating, the metal for outer layer formation mentioned above is suitable.
The groove shape to be formed is preferably the above-described spiral shape, and such a spiral groove has an inner layer made of a soft synthetic resin and harder than the soft synthetic resin, as shown in FIG. A tubular body 40 having an outer layer made of a different material and having a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side larger than a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the proximal end side is rotated in the circumferential direction. The spiral groove 9 is formed by irradiating the tubular body 40 with a beam of a certain shape by the laser irradiation device 41 while feeding in the axial direction. In addition, as described above, it is preferable that the spiral groove has a small pitch on the distal end side of the groove forming portion of the medical tube and a large pitch on the proximal end side. For this reason, the pitch formed in the axial direction of the tubular body 40 is gradually increased in the direction of the arrow shown in FIG. 18, so that the formed pitch can be changed as described above.
[0102]
The shape of the beam spot may be any of a circle, an ellipse, a triangle, a quadrangle, a parallelogram, and other shapes, but a round shape in which the groove width is constant even when the helical pitch is changed is preferable. The size of the beam spot is preferably 0.02 to 0.5 mm. Also, by using such a round beam spot, the cross-sectional shape of the groove becomes rounded, and the bending stress is effectively reduced when the medical tube is bent, compared to the case of an angular cross-sectional shape. Dispersed and has excellent kink resistance. Further, the depth of the groove is preferably such that the thickness of the outer layer 2 can be sufficiently removed, and specifically, the maximum depth is preferably 0.02 to 0.2 mm.
[0103]
As a setting element of the hardness of the medical tube manufactured by the manufacturing method of the medical tube of the present invention, regarding the tube, the material of the tube inner and outer layers, the tube size, the thickness ratio of the inner and outer layers on the distal end side, and the thickness ratio thereof Tube length, the wall thickness ratio of the inner and outer layers on the base end side, the tube length at the wall thickness ratio, and the like. In addition, regarding the processed groove, a spiral groove pitch, a groove interval, a groove width, a groove pattern, a groove depth, and the like can be given. By setting these parameters arbitrarily, medical tubes having various mechanical properties can be produced. Further, the helical pitch can be arbitrarily set, and a part thereof can be partially hardened. The medical tube of the present invention is formed by forming a spiral groove on the outer wall of the tube and is not in a coil shape, so that the torque transmission is also good.
[0104]
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to specific examples. In addition, an Example is an example of this invention and is not limited to this.
[0105]
【Example】
Polybutylene terephthalate (Polyplastic Co., Ltd., trade name DURANEX, grade 2002, flexural modulus 26000 kg / cm as outer layer forming material 2 , ASTM D-790, 23 ° C.).
[0106]
Polyester elastomer (Toyobo Co., Ltd., trade name: Perprene, grade P30B-05, flexural modulus 150 kg / cm as inner layer forming material 2 , ASTM D-790, 23 ° C.).
[0107]
A double-layered tubular body having an inner diameter of 1.0 mm and an outer diameter of 1.5 mm was obtained by subjecting both pellets to a copper wire coating using a multilayer extrusion molding machine (KILLION Co., Ltd., model KL-075, 19 mm). Prepared by the method.
[0108]
First, the ratio of the discharge rate of the inner layer forming material and the molding machine for the outer layer forming material is set to 2: 1 as the outer layer thin two-layer structure tubular body corresponding to the tip side portion (tip portion) in the medical tube of the present invention. Then, coating the outer thin thin two-layer tubular body having an outer diameter of 1.5 mm, an inner diameter of 1.0 mm, an outer layer thickness of about 0.07 mm, and an inner layer thickness of about 0.18 mm onto a copper wire. (Comparative Example 1). Moreover, the ratio of the discharge amount of the inner layer forming material and the molding machine for the outer layer forming material is set to 1: as the outer layer thick two-layer structure tubular body corresponding to the proximal end portion (base end portion) in the medical tube of the present invention. By setting it to 2, an outer-layer thick two-layer tubular body having an outer layer thickness of about 0.18 mm and an inner layer thickness of about 0.07 mm could be coated on a copper wire (Comparative Example 2). ).
[0109]
Next, the thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side is changed to the base end by changing the discharge amount of the molding machine of each layer for each unit length of the two-layer structure tubular body with the passage of take-off time by program control. A two-layer structure tubular body having a larger thickness ratio than the inner layer to the outer layer on the side was prepared. Specifically, in a two-layer structure tubular body serving as a base of a medical tube having a length of about 1.5 m, a portion having a tip portion of about 30 cm is an outer layer thin portion (discharge amount: inner layer material / outer layer material = 2/1). The middle part is about 70 cm thick transition part (discharge amount: inner layer material / outer layer material = 2/1 to 1/2), and the base end part about 50 cm is outer layer thick part (discharge amount: inner layer) Material / outer layer material = 1/2). In addition, the take-up speed at the time of shaping | molding of a two-layer structure tubular body was set so that an outer diameter might be set to 1.5 mm. The extrusion molding was performed at a temperature recommended by the resin manufacturer, and a copper wire having an outer diameter of 1.0 mm was used.
[0110]
Then, after removing the copper wire in these two-layered tubular bodies, the core wire with an outer diameter of 0.9 mm is passed through, and the residual stress strain generated after molding is removed by annealing in an oven at 120 ° C. for 4 hours, A two-layer tubular body having a lumen inside was produced.
[0111]
Spiral grooving was performed on the outer wall of the two-layered tubular body in which the thickness ratio of the inner and outer layers was changed with an excimer laser (Sumitomo Heavy Industries, Ltd., model PM-848). As the excimer laser processing method, a mask imaging method for reducing and projecting the mask shape was used. Under laser processing conditions, the energy density on the tube surface is about 9.0 J / cm. 2 The oscillation frequency was 100 Hz. The laser beam cross-sectional shape is round, the diameter of the beam spot is about 0.19 mm, the beam spot is placed in contact with the upper surface of the outer wall of the two-layered tubular body, and the thickness of the outer layer is about 0.07 mm. The arrangement and the moving speed of the tube were set so that they could be removed sufficiently.
[0112]
Under the above conditions, by changing the moving speed of the tube, a medical tube (Example 1) having a spiral groove pitch of 3.0 mm (a groove forming portion length of 30 mm) and a spiral groove pitch of 7. A medical tube (Example 2) having a length of 0 mm (length of groove forming portion) (Example 2), a medical tube having a pitch of 11.0 mm (length of groove forming portion) (Example 3), and a spiral groove Three medical tubes (Example 4) each having a pitch of 15.0 mm (length of groove forming portion: 30 mm) were prepared.
[0113]
Further, under the above conditions, by gradually increasing the moving speed of the tube, the pitch of the spiral groove gradually increases from the front end portion (start end portion) of 3.0 mm to the end portion 15 mm (the length of the groove forming portion is 200 mm). ) A medical tube (Example 5) was produced.
[0114]
(Experiment)
Using the autograph (Shimadzu Autograph, AGS-100A), the fulcrum for the medical tube of Examples 1 to 4 and the two-layered tubular body of Comparative Example 1 and Comparative Example 2 that were not grooved. A three-point bending test was performed under the measurement conditions of a distance of 20 mm and a test speed of 5 mm / min. To measure the flexural modulus. The results were as shown in Table 1.
[0115]
Note that the flexural modulus here refers to the bending calculated as a function of the load-displacement gradient between two points in the elastic deformation region obtained by a normal three-point bending test, the distance between fulcrums, and the moment of inertia of the cross section. It is the Young's modulus. At this time, the second moment of the section of the tube was calculated on the assumption that the spiral groove on the tube surface was filled with the medium.
[0116]
[Table 1]
Figure 0003641381
[0117]
From this result, it was found that as the helical pitch was increased, the flexural modulus increased, and the tube having a helical pitch of 15.0 mm was about 5.5 times harder than the tube having a helical pitch of 3.0 mm. In addition, it was found that the tube having a helical pitch of 3.0 mm is about 1/7 more flexible than the unprocessed tube having a thin outer layer. Further, it was found that even in the unprocessed tube, the thick outer tube is about twice as hard as the thin outer tube. Then, it was found that the tube having a helical pitch of 3.0 mm is about 1/15 more flexible than the unprocessed thick outer tube. Therefore, it was confirmed that the mechanical properties of the medical tube of the present invention can be changed depending on each position of the tube, in other words, the distal end portion can be flexible and the proximal end portion can have a waist.
[0118]
【The invention's effect】
The medical tube of the present invention includes a lumen formed therein, an inner layer made of a soft synthetic resin, and an outer layer formed of a material harder than the material forming the inner layer while covering the outer surface of the inner layer. In the medical tube, the thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side of the medical tube is larger than the thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the proximal end side of the medical tube. The medical tube further includes a groove extending at the distal end from the outer surface of the outer layer in the lumen direction and having a depth that does not reach the lumen.
[0119]
For this reason, pushability, trackability, torque transmission, and kink resistance, as well as tip flexibility, and in the middle part, there are no sudden changes in physical properties and the properties change gently, resulting in kinks. The tube can be bent well and is effective for medical use.
[0120]
The medical tube manufacturing method of the present invention has an inner layer made of a soft synthetic resin and an outer layer made of a material harder than the soft synthetic resin, and the thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the tip side is A step of preparing a tubular body having a wall thickness ratio of the inner layer with respect to the outer layer on the base end side; and processing the surface of the tubular body so that at least a part of the groove extends along the longitudinal direction of the tubular body. Forming a groove having a depth that reaches the inner layer from the surface of the outer layer at the bottom portion and does not reach the inner lumen of the medical tube. For this reason, the above medical tubes can be manufactured reliably and easily.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially omitted enlarged view of an embodiment in which a medical tube of the present invention is applied to a catheter.
FIG. 2 is an enlarged front view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view of an intermediate portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a proximal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 6 is a partially omitted enlarged front view of another embodiment in which the medical tube of the present invention is applied to a catheter.
FIG. 7 is an enlarged cross-sectional view of a distal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 8 is an enlarged cross-sectional view of an intermediate portion of the medical tube shown in FIG.
9 is an enlarged cross-sectional view of a proximal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 10 is a partially omitted enlarged front view of another embodiment in which the medical tube of the present invention is applied to a catheter.
11 is an enlarged front view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG.
12 is an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 13 is a partially omitted enlarged front view of another embodiment in which the medical tube of the present invention is applied to a catheter.
14 is an enlarged front view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 15 is an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 16 is an enlarged front view of a distal end portion in another embodiment in which the medical tube of the present invention is applied to a catheter.
FIG. 17 is an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the medical tube shown in FIG.
FIG. 18 is an explanatory diagram for explaining a method of manufacturing a medical tube.
[Explanation of symbols]
1, 10, 20, 30 Catheter (medical tube)
2 Catheter body
3 lumens
4 Inner layer made of soft synthetic resin
5 outer layer
6 Tip
61 Groove forming part
7 middle part
8 Base end
9 groove
11 Hub
41 Laser irradiation equipment

Claims (11)

内部に形成されたルーメンと、軟質合成樹脂よりなる内層と、前記内層の外面を被覆するとともに前記内層を形成する材料より硬質な材料により形成された外層とを備える医療用チューブであって、該医療用チューブの先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比は、該医療用チューブの基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっており、さらに該医療用チューブは、先端部に前記外層の外面より前記ルーメン方向に伸びるとともに、前記ルーメンに到達しない深さの溝を備え、該溝の底部部分は、前記内層内に到達していることを特徴とする医療用チューブ。A medical tube comprising a lumen formed therein, an inner layer made of a soft synthetic resin, and an outer layer that covers an outer surface of the inner layer and is formed of a material harder than a material that forms the inner layer, The wall thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side of the medical tube is larger than the wall thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the proximal end side of the medical tube. with extending the lumen direction from the outer surface of the outer layer at the tip portion, comprises a groove having a depth not reaching the lumen, the bottom portion of the groove, the medical tube which is characterized that you have reached the inner layer . 前記医療用チューブの先端側では、前記内層が前記外層よりも厚く、前記医療用チューブの基端側では、前記外層が前記内層よりも厚くなっている請求項1に記載の医療用チューブ。  The medical tube according to claim 1, wherein the inner layer is thicker than the outer layer on a distal end side of the medical tube, and the outer layer is thicker than the inner layer on a proximal end side of the medical tube. 前記溝の底面は、丸みを帯びた形状となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用チューブ。  The medical tube according to claim 1 or 2, wherein a bottom surface of the groove has a rounded shape. 前記溝は、螺旋状に形成されている請求項1から3のいずれかに記載の医療用チューブ。  The medical tube according to any one of claims 1 to 3, wherein the groove is formed in a spiral shape. 前記溝は、リング状に形成されている請求項1から3のいずれかに記載の医療用チューブ。  The medical tube according to claim 1, wherein the groove is formed in a ring shape. 前記溝は、チューブの基端側より先端側のピッチが短いものとなっている請求項4または5に記載の医療用チューブ。  The medical tube according to claim 4 or 5, wherein the groove has a shorter pitch on the distal end side than on the proximal end side of the tube. 前記医療用チューブは、カテーテルである請求項1からのいずれかに記載の医療用チューブ。The medical tube according to any one of claims 1 to 6 , wherein the medical tube is a catheter. 軟質合成樹脂からなる内層と、該軟質合成樹脂より硬質な材料からなる外層を有し、先端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比が、基端側における前記外層に対する前記内層の肉厚比よりも大きくなっている管状体を準備する工程と、該管状体の表面を加工して、前記管状体の長手方向にわたって、少なくとも一部が溝底部部分において前記外層表面より前記内層内に到達し、かつ前記医療用チューブの内部ルーメンには到達しない深さの溝を形成する工程とを備えることを特徴とする医療用チューブの製造方法。It has an inner layer made of a soft synthetic resin and an outer layer made of a material harder than the soft synthetic resin, and a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the distal end side is a thickness ratio of the inner layer to the outer layer on the proximal end side. Preparing a tubular body that is larger than the inner surface, and processing the surface of the tubular body so that at least part of the tubular body reaches the inner layer from the outer layer surface at the groove bottom portion along the longitudinal direction of the tubular body. And a step of forming a groove having a depth that does not reach the internal lumen of the medical tube. 前記管状体を準備する工程は、内層形成用樹脂及び外層形成用樹脂の吐出量を変化させながら共押出成形することによって行われる請求項に記載の医療用チューブの製造方法。The method for producing a medical tube according to claim 8 , wherein the step of preparing the tubular body is performed by co-extrusion while changing the discharge amount of the inner layer forming resin and the outer layer forming resin. 前記溝を形成する工程は、レーザ加工によって行われる請求項8または9に記載の医療用チューブの製造方法。The method for manufacturing a medical tube according to claim 8 or 9 , wherein the step of forming the groove is performed by laser processing. 前記管状体は、先端側では前記内層が前記外層よりも厚く、基端側では前記外層が前記内層よりも厚く形成されている請求項8から10のいずれかに記載の医療用チューブの製造方法。The method for manufacturing a medical tube according to any one of claims 8 to 10 , wherein the tubular body is formed such that the inner layer is thicker than the outer layer on the distal end side and the outer layer is thicker on the proximal end side than the inner layer. .
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