JP3639981B2 - オレフィン重合用の重合体に担持された触媒 - Google Patents
オレフィン重合用の重合体に担持された触媒 Download PDFInfo
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Description
本発明は、ポリマー支持体上の有機金属遷移金属触媒でのオレフィン重合に関する。本発明において、前記遷移金属触媒は、重合のためにイオン化反応により活性化され、非配位アニオンでカチオン形態に安定化されている。
背景技術
有機金属遷移金属カチオンがこれに適合性を有する非配位アニオンにより活性な重合状態で安定化されている、オレフィン重合用のイオン触媒の使用は化学技術分野においてよく知られている。典型的には、そのような有機金属遷移金属カチオンは、有機金属遷移金属化合物を活性な陽性状態に安定化することを補助する補助配位子と、不安定な配位子であって少なくともその1つが引き抜かれることができ、その化合物をカチオン性にし、少なくともその1つがオレフィン挿入に適する、配位子との両方の配位子を有する有機金属遷移金属化合物の化学的誘導体である。不活性支持体が、気相重合及びスラリー重合の両方における挿入重合に工業的に用いられているので、それらのイオン触媒を担持する技術も知られている。
米国特許第5,427,991号及び相当するPCT出願公開WO−A−93/11172号には、メタロセン化合物とともに用いると、不活性支持体に物理的に吸着されたイオン触媒が溶液又はスラリー重合において用いられるときに経験する触媒脱着の問題を回避するポリアニオン性活性剤を製造するための、非配位アニオン活性剤の支持体への化学的結合が記載されている。支持体は、化学的に結合された非配位アニオンを組み込むために製造されている不活性のモノマー、オリゴマー、ポリマー又は金属酸化物の支持体のコア成分である。ヒドロカルビル化合物からのポリアニオン性活性剤の製造の教示(図1、5、6)は、いくつかの反応を必要とする。ポリマーコア成分の典型的な反応は、重合性モノマーをリチウム化剤(lithiating agent)n−BuLiで処理すること又は、重合性モノマーを任意にリチウム化し、続いてモノマーをポリマーセグメントへ重合する反応であり、側鎖のヒドロカルビルリチウム基を有するポリマー又は架橋されたポリマーを製造する。次に、それらのポリマーを、[DMAH]+[(pfp)3BP-](式中、Pはポリマーコア成分である。)の共有結合された活性剤基を有するポリマー表面を製造するために、嵩高のルイス酸トリスペルフルオロフェニルホウ素(B(pfp)3)で処理し、ジメチルアニリニウム塩化水素([DMAH]+[Cl]−)とのイオン交換反応に付す。PCT出願公開WO96/04319号には、ルイス酸、4族遷移金属化合物の触媒として活性なカチオンへのプロトン付加のために、初めに形成された活性剤錯体としてヒドロキシ基プロトンを供与する、シリカ含有支持体にシラノール基を介して共有結合された非配位アニオン前駆体(例えば、トリスペルフルオロフェニルホウ素)を用いる、担持方法が記載されている。
支持体基体へのアニオン性錯体の結合の他に、特許文献には遷移金属配位子基をポリマー支持体に結合させ、次に、配位子基を遷移金属化合物と反応させ、シクロペンタジエニル配位子を介してポリマー支持体に結合された有機金属化合物を生成することが記載されている。次に、例えば、アルキルアルモキサン及びフェニル硼酸塩のような活性化助触媒化合物の使用により、そのような化合物をオレフィン重合触媒として適するものにすることができる。米国特許第4,463,135号、第5,610,115号及びPCT出願公開WO96/35726号参照。WO96/35726号には特に、約15m2/g未満の表面積を有するアクリレート含有コポリマー支持体の使用が示されており、例えば2.1m2/gの表面積を示す例が記載されている。これらの触媒は、吸着された水及びヒドロキシル基のような極性部分は典型的にはポリマー支持体上に存在しないので、より少ない製造工程しか必要としないことにおいて、金属酸化物より利点を有することが教示されている。しかし、この技術は、支持体に結合された配位子の製造により、次の遷移金属への結合のために利用できる配位子選択に限界をもたらしてしまい、又、低い反応生成物収率及び望ましくない副産物を生じさせ、副生物のあるものは次の反応に干渉するか又は次の反応と競合してしまう可能性があるという問題をもたらす。
又、不均質触媒種と一緒の使用又は不均質触媒種の製造のためのポリマー樹脂ビーズの機能化も知られている。例えば、
Farrall,M.J.による“Functionalization of Crosslinked Polystyrene by Chemical Modification"、Chemisty and Properties of Crosslinked Polymers、(Academic Press、1977年)及びSun,L.、Shariati,A.、Hsu,J.C.、Bacon,D.W.によるStudies in Surface Science and Catalysis、1994年、89巻、81頁並びに米国特許第4,246,134号を参照されたい。米国特許第4,246,134号には、30乃至700m2/gの比表面積を有する、ビニルモノマーとジビニルモノマーのマクロ細孔のコポリマーのポリマー担体並びにビニルポリマー重合用のその使用が記載されている。
気相重合における担持された又は不均質の触媒の使用は、構成するポリマー粒子が、反応器の運転性を改良し、取扱いを容易にする形状及び密度を達成することによる方法効率の増大手段として重要である。効率の悪い触媒支持体はポリマー微細粉末の生成をさせ、反応器壁又は管の汚れをもたらす。このことは、早期の支持体粒子の微細化又は触媒の脱着を含む、いくつかの可能な理由によるようであり、支持体粒子の微細化及び触媒の脱着は両方とも重合の制御における低減をもたらし得る。ポリマーの粒径及び密度が劣化され、効率が失われる。又、イオン触媒は、必要とする助触媒の量を低減することや、しばしばそれらの助触媒活性剤化合物のより安全で、より安価な合成を提供することにおいて重要な工業的利点を提供する。しかし、それらの触媒は、極性の不純物に対して非常に敏感であり、従って、潜在的に干渉する副生物の生成を低減させることができる触媒合成の方法が望ましい。
発明の概要
本発明は、少ない汚れの高粒子密度の重合法並びに、a)i)約1乃至400m2/gの表面積を有し、ii)非配位アニオンのプロトン化アンモニウム塩で官能化されたポリマー支持体及び、b)補助的配位子、前記アンモニウム塩によりプロトン化による引き抜きができる少なくとも1つの不安定な配位子及び重合のためにオレフィンモノマーが挿入できる少なくとも1つの不安定な配位子を有する有機金属遷移金属化合物との反応生成物を含むオレフィン重合触媒組成物を提供する。本発明は、ポリマー支持体が、触媒として活性な遷移金属カチオンを安定化することができる非配位アニオンの共有結合されたプロトン化されたアンモニウム塩を含有する中間体である官能化された支持体も包含する。好ましい態様では、ポリマー支持体は、10m2/g以下の表面積を有し、高活性の有機金属遷移金属触媒化合物とともに用いるのに特に適している。
発明の記載
本発明による官能化されたポリマー支持体は、有機金属遷移金属化合物をプロトン化することにより活性化し、ポリマー樹脂支持体全体に本質的に均一な配置を容易にする能力に有害な影響を及ぼすことなく、有機金属遷移金属化合物の導入の前に、洗滌、貯蔵、輸送し、その他の取扱いをすることができ又は、取り扱うことができる安定なポリマーに担持された活性剤である。それは、ポリマー支持体に共有結合され、プロトン化された、アンモニウム系カチオンと非配位アニオンとを含むアンモニウム塩官能基を含有する。
本発明のポリマー支持体のプロトン化されたアンモニウム塩官能基の窒素原子は、1乃至3つの基で置換されており、その基の少なくとも1つは、式A、
[ポリマー−(R1)(R2)(R3)NH]+[NCA]− A
(式A中、R1、R2及びR3は同じか又は異なり、水素、ヒドロカルビル及び置換されたヒドロカルビルから成る群から選ばれ、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素でない)
により表わされているようにポリマー支持体にアンモニウム官能基を結合する。R1、R2及びR3は、好ましくは1乃至30、より好ましくは1乃至20の炭素原子を有する。本発明において、又、用語「置換されたヒドロカルビル」はヒドロカルビル基R1、R2及びR3の1つ以上の水素原子が、ハロゲン並びに、N、O、S及びPから成る群から選ばれる1乃至3のヘテロ原子を有する実質的にヒドロカルビル基;、ヒドロカルビルで置換されたオルガノメタロイド;ハロゲンで置換されたオルガノメタロイド;並びに、N、O、S及びPから成る群から選ばれる1乃至3のヘテロ原子を有する少なくとも1つの実質的にヒドロカルビル基で置換されたオルガノメタロイドから選ばれた基の1つにより置換されているヒドロカルビル基を意味する。NCAは、適合性の「非配位アニオン」を表わす。
本発明のアンモニウム塩のR1、R2及びR3基には、環窒素原子を有する脂環式環又は芳香族環を形成するために2つ又は3つのR基が結合したものも含まれる。例えば、下記の化合物を参照。
本発明の化合物について用いられる非配位アニオンという用語は、前記遷移金属カチオンに配位しないか又は前記カチオンに弱くしか配位されておらず、従って、中性のルイス塩基により置換されるのに十分に不安定なままであるアニオンを意味すると認識される技術用語である。「適合性」の非配位アニオンは、それらと遷移金属カチオン触媒化合物との間に錯体が形成されたときに中性に変化しないものである。さらに、そのアニオンは、中性の4配位金属化合物とアニオンからの中性の副生物を生成させるようにアニオン性の置換基又は断片をカチオンに移送しない。本発明の有用な非配位アニオンは、適合性を有し、であり、そのイオン電荷のバランスを取るという意味で本発明の遷移金属カチオンを安定化させ、なお、重合中にオレフィン性不飽和モノマーにより置換をさせるのに十分な不安定さを維持する。又、本発明において有用なアニオンは、重合工程において存在し得る重合性モノマー以外のルイス塩基によって本発明の遷移金属カチオンの中和を部分的に阻止するか又は妨げるのを助けるのに十分な分子サイズを有する。適する非配位アニオンは、米国特許第5,198,401号、第5,278,119号、第5,407,884号、第5,599,761号に記載されており、好ましくは、それらは、前記文献に記載された金属又はメタロイド化合物の不安定なプロトン含有の窒素系塩である。有機ホウ素及び有機アルミニウム塩が好ましい。米国特許プラクチスに従って、すべての文献を引用により援用する。
本発明のオレフィン重合触媒組成物は、本発明のポリマーに担持された活性剤でのプロトン化により活性化する場合オレフィン重合に適する本質的にいずれかの有機金属遷移金属化合物をAに接触させることにより達成される反応の生成物である。この生成物は、有機金属遷移金属カチオンと補足的な非配位アニオンを有する担持されたイオン触媒組成物であり、この組成物は、ポリマー支持体マトリックス中に均質に分散している。又、前記遷移金属カチオンとポリマー支持体マトリックスのアミン官能基との間の供与相互作用が存在すると考えられるが、かかる考えに拘束されるものではない。この相互作用の強さは、遷移金属カチオンのルイス酸度及び特にアミン官能基のルイス塩基度によるはずである。この相互作用は、ポリマー支持体マトリックスから脱着するイオン触媒種の傾向を低減するように作用する。非常に強いルイス塩基及び/又は最小の立体的な嵩を有するルイス塩基は、カチオン金属中心における空いた配位位置に強く配位することが知られていることは注目される(例えばピリジン)。一般的に、このことは、二級アミンが一級アミンよりも好ましいことを意味する。
その接触は、有機金属遷移金属化合物のポリマー支持体のマトリックスへの透過をさせるように行われなくてはならない。従って、好ましくは、担持された活性剤粒子を有機金属遷移金属化合物の溶液で処理することにより行われる。有機金属遷移金属化合物に適する溶媒は、連結、支持体物質の化学的組成及び支持体の架橋の程度により、脂肪族又は芳香族であることができる。トルエン及びヘキサンが典型的である。支持体が約50m2/g以下の表面積を有する場合、支持体を膨潤させるために溶媒を用いることが特に望ましい。接触の温度及び圧力は、反応体、溶媒及び担体が劣化せず非反応性にならない限り変わり得る。周囲雰囲気条件が適している。類推によって、オレフィン重合に適する有機金属遷移金属化合物についての、プロトン化及び非配位アニオンでの安定化による活性化はよく知られており、例えば、関与する機構の記載について米国特許第5,198,401号、第5,278,119号及びPCT出願国際公開WO96/04319号を参照されたい。米国特許プラクチスに従って、すべての文献を引用により援用する。
ポリマー支持体は、典型的には、本質的に炭化水素ポリマー化合物を含む。好ましくは、かかる炭化水素ポリマー化合物は、支持体を構成するポリマー鎖にランダムに組み込まれた官能基によって支持体の塊全体に本質的に均一に分布された活性な触媒部位にモノマーが過度に接触することを防ぐために十分に低い表面積を有するものである。炭化水素ポリマー化合物を含む。低表面積という用語は、単一地点窒素B.E.T.(Brunauer,S.、Emmmet,P.H.、Teller,E.によるJACS、1938年、60巻、309頁)で測定された10m2/g以下の表面積を意味し、ポリスチレン系ビーズ又はゲルの使用により例示され得る。これらのビーズ又はゲルは軽度に架橋されており、アンモニウム塩化合物でランダムに官能化されている。それらの触媒支持体化合物の重要な特徴は、担持された触媒を製造するのにおいて又はモノマーを重合することにおける使用において用いられる溶媒中に不溶性、流動床反応器に使用のための有効性に関連する粒度並びに、温度、圧力及び装入条件下での全体的な耐破断性である。従って、支持体は、通常の重合操作条件下で不溶性でなくてはならない。好ましくは、そのビーズは、均一な寸法の球体であり、400乃至100USメッシュサイジングの通常のサイズ範囲(30乃至100μm)を有する。
適する支持体は、均質に架橋されたポリマーの形態で得られ、これが本発明に最も適している。適する官能化された本質的に炭化水素のポリマー支持体又は担体は、市販されており、例えば、ポリスチレンビーズ又はゲルであるか又は、本技術分野での一般的な知識により合成により製造され得る。例えば、上記の背景技術を参照されたい。合成は、一般的に、ビニルモノマーと、本発明のアンモニウム塩による求核性置換に適する官能化を有するコモノマーとの共重合から成り、この共重合は直接共重合によるか又は共重合及びそれに続く、支持体を構成する炭化水素ポリマー鎖における適する官能基を配置する化学的反応誘導化による。特定の例として、ポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマーゲル又はビーズが挙げられる。相対強度、耐破断性は、ジビニルベンゼン(DVB)コモノマーの重量%含量により与えられ、市販の製品は、2乃至20重量%のDVBを含有する。より高い範囲のDVB、例えば10乃至20重量%のDVB、は付加的な強さを与えるが、得られる付加的な架橋は、ビーズを通常の重合操作に必要な収縮及び膨潤に対して抵抗性にすることにより運動を妨げる。有効な多孔度は、ジビニルベンゼン含量の選択により調整される。例えば、5乃至10重量%のDVB含量は、高活性度の重合触媒に適する制限された重合運動を得ることができ、1乃至5重量%のDVB含量は、より低い活性度の重合触媒に適する、より制限されない重合運動を与えることができる。「高活性」という用語は、約1×107gポリマー/モル遷移金属化合物−気圧−時間より大きな活性度の能力を有する触媒系に関し、「低活性」は、およそのその量より低いと理解され得る。
本発明による配位重合又は挿入重合によるオレフィン重合触媒として適する有機金属遷移金属化合物には、本発明のために記載された助触媒活性剤により触媒的に活性化され得る場合に、伝統的なチーグラー・ナッタ配位重合において有用な公知の遷移金属化合物及び配位重合において有用であることが同様に知られたメタロセン化合物が含まれる。それらには、典型的には、その遷移金属がd0酸化状態である、すなわち、その遷移金属が最も高い酸化数を有する、4乃至10族の遷移金属化合物が含まれ、少なくとも1つの金属配位子が助触媒活性剤により引き抜かれることができ、特にそれらの配位子には、ヒドリド、アルキル及びシリルが含まれる。引き抜きがされることができる配位子及びそれらを有する遷移金属化合物には、背景技術に記載されたものが含まれる。例えば、米国特許第5,198,401号及び5,278,119号を参照されたい。それらの化合物の合成は、公開されている文献により、よく知られている。又、金属配位子には、本発明の活性化助触媒での引き抜きができないハロゲン、アミド又はアルコキシ部分を含む(例えば、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド)場合、それらは、リチウムヒドリド、アルミニウムヒドリド、又はアルキル、アルキルアルモキサン、グリニャール試薬等のような有機金属化合物を用いる公知のアルキル化反応により変換され得る。又、活性化アニオン化合物の添加の前の、有機アルミニウム化合物のジハロ置換メタロセン化合物との反応については欧州特許出願公開(EP−A1)0570982号を参照されたい。米国特許プラクチスに従って、すべての文献を引用により援用する。
触媒的に活性な遷移金属カチオンを形成するために引き抜きがされることができる少なくとも1つの配位子を含む又は、含むためにアルキル化され得るメタロセン化合物の付加的な記載は、特許文献、例えば、欧州特許出願公開0129368号、米国特許第4,871,705号、第4,937,299号、第5,324,800号、欧州特許出願公開0418044号、欧州特許出願公開0591756号、PCT出願公開WO92/00333号及びPCT出願公開WO94/01471号に見られる。そのようなメタロセン化合物は、この発明では、モノ−又はビス−シクロペンタジエニルで置換された4、5、6、9又は10族遷移金属化合物と記載され得て、補助配位子は、1つ以上の基でそれ自体が置換され得て、互いに架橋され得るか又はヘテロ原子により遷移金属に架橋され得る。補助配位子のサイズ及び構成並びに架橋元素は、本発明のイオン触媒系の製造にとっては臨界的ではないが、求める重合活性度及びポリマー特徴を増大するために文献に記載されたように選ばれなくてはならない。好ましくは、互いに架橋されている場合、シクロペンタジニエル環(インデニル、フルオレニル、アズレニル、又はそれらの置換された類似体を含む置換されたシクロペンタジエニル系の縮合環系)は、2位において低級のアルキル(C1−C6)で置換され(その縮合環系における同様の4位の置換基なく)、付加的にアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール及び/又はアリールアルキル置換基を含み得て、後者は、線状、分枝状又は多環構造、例えば、米国特許第5,278,264号及び第5,304,614号に記載された構造を含む環式構造のような置換基である。そのような置換基は、それぞれ本質的にヒドロカルビルの特徴を有し、典型的には30までの炭素原子を有するが、1乃至5の非水素/炭素原子、例えばN、S、O、P、Ge、B及びSiを有するヘテロ原子であることができる。すべての文献を米国特許プラクチスの目的のために引用により組み込む。
線状ポリエチレン又はエチレン含有コポリマー(コポリマーは少なくとも2つの異なるモノマーを含む)の製造に適するメタロセン化合物は、本質的には本技術において知られたもののいずれかであり、特定の目録のためには、再び、欧州特許出願公開277,004号、PCT出願公開WO92/00333号及び米国特許第5,001,205号、第5,198,401号、第5,324,800号、第5,308,816号及び5,304,614号を参照されたい。アイソタクチック又はシンジオタクチックポリプロピレンを製造するために用いられるメタロセン化合物の選択及びそれらの合成は、本技術分野でよく知られており、特許文献及び学術文献の両方に特定の参照をすることができる。例えば、Journal of Organometallic Chemisry、369巻、359−370頁(1989年)を参照されたい。典型的にそれらの触媒は、立体剛性のアシメトリックでキラル又は架橋されたキラルのメタロセンである。例えば、米国特許第4,892,851号、米国特許第5,017,714号、米国特許第5,296,434号、米国特許第5,278,264号、PCT出願公開93/19103号、欧州特許出願公開(EP−A2)0577581号、欧州特許出願公開(EP−A1)0578838号並びに学術文献、Spaleck,W.らによる“The Influence of Aromatic Substituents on the Polymerization Befhvior of Bridged Zirconocene catalysts"、Organometallics、1994年、13巻、954−963頁及びBrinzinger,H.らによる“ansa−Zirconocene Polymerization Catalysts with Annelated Ring Ligands−Effects on Catalytic Activity and Polymer Chain Lengths"、Organometallics、1994年、13巻、964−970頁を参照されたい。それらの文献を本明細書に援用する。上記の多くは、アルモキサン活性剤との触媒系に向けられているが、金属のハロゲン、アミド又はアルコキシ含有配位子(生じる場合)が引く抜くことができる、例えば先に記載したアルキル化反応により引き抜くことができる配位子で置換され、他方がエテン基−C=C−が挿入され得る基、例えば、ヒドリド、アルキル又はシリルである場合、類似のメタロセン化合物は、活性な配位触媒系用の本発明の助触媒活性剤とともに有用である。米国特許プラクチスに従ってすべての文献を引用により援用する。
代表的なメタロセン化合物には、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタンイソプロポキシド、ペンタメチルシクロペンタジエニルトリベンジルチタン、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドチタンジクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメチル、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジルコニウムジメチル、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルドデシルアミドハフニウムジヒドリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルドデシルアミドハフニウムジメチルのようなモノシクロペンタジエニル化合物、ビス(1,3−ブチル,メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ペンタメチルシクロペンタジエニル−シクロペンタジエニルジルコニウムジメチルのような非架橋ビスシクロペンタジエニル化合物;ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリドのような架橋されたビスシクロペンタジエニル化合物、ジメチルシリルビスインデニルジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビスインデニルハフニウムジメチル、ジメチルシリルビス(2−メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(2−メチルベンズインデニル)ジルコニウムジメチルのような架橋されたビスインデニル化合物;並びに、米国特許第5,017,714号、5,324,800号及び、欧州特許出願公開0591756号に挙げられ記載された化合物のようなその他のモノ−及びビス−シクロペンタジエニル化合物が含まれるが、これらに限定されない。
代表的な伝統的チーグラー・ナッタ遷移金属化合物には、テトラベンジルジルコニウム、テトラビス(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム、オキソトリス(トリメチルシリルメチル)バナジウム、テトラベンジルハフニウム、テトラベンジルチタン、ビス(ヘキサメチルジシラジド)ジメチルチタン、トリス(トリメチルシリルメチル)ニオブジクロリド、トリス(トリメチルシリルメチル)タンタルジクロリドが含まれる。配位重合のためのそのような組成物の重要な特徴は、プロトン化による引き抜きができる配位子及び、エテン(オレフィン)基が挿入され得る配位子である。これらの特徴は、遷移金属化合物の引き抜き及び、それに付随する本発明のイオン触媒組成物の生成を可能にする。
本発明によるオレフィン重合触媒として適する他の有機金属遷移金属化合物は、配位子引き抜きにより触媒として活性カチオンに変換され得て、エチレンのようなオレフィン性不飽和モノマーにより置換されるのに十分に不安定である非配位又は弱く配位したアニオンによりその活性な電子状態で安定化され得る4乃至10族化合物のいずれかである。それらの化合物の例には、特許文献に記載された化合物が含まれる。米国特許第5,318,935号には、α‐オレフィンの挿入重合のできる4族金属の架橋された及び架橋されていないビスアミド遷移金属触媒化合物が記載されている。PCT出願公開WO96/23010号には、イオン活性化及びオレフィン重合に適するジイミンニッケル及びパラジウム化合物が記載されている。活性遷移金属中心が高酸化状態であり、低い配位数のポリアニオン性補助配位子系により安定化されている5乃至10族金属からの遷移金属重合触媒系が、米国特許第5,502,124号及びその分割出願の米国特許第5504049号に記載されている。オレフィン重合用の架橋されたビス(アリールアミド)4族化合物がD.H.McConvilleらによるOrganometallics、1995年、14巻、5478−5480頁に記載されている。合成方法及び化合物の特徴化が示されている。D.H.McConvilleらによるMacromolecules、1996年、29巻、5241−5243頁に見出される他の研究には、架橋されたビス(アリールアミド)4族化合物が1−ヘキサンの重合のための活性触媒であることが記載されている。本発明により適する他の遷移金属化合物には、1997年2月7日に出願された同時係属出願の米国特許出願第08/798,401号、1997年2月24日に出願された米国特許出願第08/803,687号、1997年2月25日に出願された米国特許出願第08/806,181号、1997年3月17日に出願された米国特許出願第60/041258号及びPCT出願公開WO96/40806号に記載された化合物が含まれる。米国特許プラクチスに従ってそれらの文献をそれぞれ引用により援用する。
支持体に結合された成分の合成の記載
化合物Aは、下記の式B:
ポリマー−(R1)(R2)(R3)N B
(R1、R2、R3のすべては先に定義した通りである)
で定義された対応する中性のアミンから、少なくとも0.1モル当量の酸によるモル過剰の酸H+X-へのプロトン化、続く適合性の非配位アニオンM'+NCA-の塩でのイオン交換により製造され得る。最も一般的な用語において、M'+はいずれかのカチオン種であり、X-はいずれかのアニオン種である。H+X-は、Bの共役酸よりも低いpKaを有するように選ばれなくてはならないということは当業者には明らかなことである。そのうえ、M'+及びX-は、イオン交換反応の副生物、M+X-が、選ばれた反応溶媒中又は相溶性の洗滌溶媒中に可溶性であるように選ばなくてはならない。代表的な適するX-基には、ハロゲン化物、塩素酸塩、過塩素酸塩、トリフレート(triflate)、ペルハロボレート(perhaloborate)及びペルハロアンチモネート(perhaloanitimonate)が含まれるが、それらには限定されない。代表的な適するM'+基には、アルカリ金属カチオン類及びアンモニウムカチオン類が含まれるが、それらには限定されない。最後に、アンモニウム塩を生成するためのアミン類のプロトン化は、本技術分野でよく知られた技術であり、M+X-の選択を簡単にすることに注意すべきである。好ましくは、Aの生成物は、Bの生成物を、少なくとも0.1モル当量の、適合性非配位アニオンのアンモニウム塩、R4R5R6NH+NCA-と反応させることによる単一反応において製造され得る。R4、R5及びR6+は、上記のR1、R2及びR3の基と同じ群から選ばれ、それらは、Aの生成物のpKaよりも低いpKa値を有するアンモニウム塩を得るように選ばれなくてはならないという付加的な基準を有する。pKaを計算する方法は、本技術分野でよく知られており、実験により計算するpKaは、種々のアミンについて知られている。それにより、当業者に一般的な誘導原則の知識が与えられる(例えば、アルキル置換基に比較してアリール置換基のpKaは低い)。例えば、Perrin,D.D.、Dempsey,B.、Serjeant,E.P.によるpKa Predictions for Organic Acids and Bases(Chapman and Hall、ロンドン(1981年))を参照されたい。適する溶媒には脂肪族及び芳香族炭化水素、エーテル類(環式エーテルを含む)及びハロゲン炭素化合物(脂肪族及び芳香族の両方の含ハロゲン炭素化合物を含む)が含まれる。
Bの化合物は、官能化モノマーと本発明のポリマー支持体のモノマー前駆体との直接共重合により製造され得る。特に、p−ジメチルアミノスチレンは、スチレン及びジビニルベンゼンと共重合され得て、本発明触媒のアミン官能化前駆体を生成する。好ましくは、Bの化合物は、C:
ポリマー−Y C
(式中、Yは、先に記載したアミン官能基R1R2R3N−に容易に変換され得ることが知られている官能基である)
の官能化ポリマー前駆体から製造され得る。広範な種類の官能基を本発明のアミン官能基に変換する方法は、本技術分野においてよく知られており、適する官能基には、アルカン類、アルケン類、アルキルハライド類、アリールハライド類、アジド類、ニトロ化合物、アルコール類、アルデヒド類及びケトン類、ニトリル類並びにオルガノメタロイド類(一般的な記載については、R.C.Larockによる“Comprehensive Organic Transformations:a guide to functional group preparations"、385−438頁、VCH publishers、1989年)が含まれるが、それらには限定されない。
高選択性及び本質的に計量可能な収率で進行する本技術分野の反応で知られている先に記載したタイプの多くの反応(アミンの合成、アミンのプロトン化、イオン交換)があるので、本発明のポリマーで担持された活性剤は本質的に純粋な形態で、すなわち、かなりの量の反応副生物がない単一の分子構造として容易に製造され得る。赤外分光学により、反応条件を最適にし、さらに高純度生成物を確保するための反応の程度をモニターするための有用な分析法が提供される。特に、市販のクロロメチル化ポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマービーズを種々のジヒドロカルビル二級アミンと反応させ、本発明前駆体Bに相当する弱塩基アニオン交換樹脂を生成する。それらの物質のジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロフェニル)ボレートとの反応により、タイプAの化合物、本発明のプロトン化アンモニウム塩で官能化されたポリマー支持体が得られる。
典型的には、前記のポリマー支持体が、ポリマーg当り0.01−0.7mg当量の、より好ましくは0.03−0.3mg当量の遷移金属化合物を有する本発明のオレフィン重合触媒組成物が用いられる。本発明のポリマーに担持された助触媒活性剤は、ポリマーg当り0.02−0.9mg当量の金属又はメタロイド原子を含有するのが適している。
本発明の担持されたイオン触媒を用いる場合、全体の触媒系には付加的に1つ以上の掃去化合物が含まれ得る。「掃去化合物」という用語の意味は、反応環境から極性の不純物を除去するのに有効な化合物を含む。不純物は、重合反応成分のいずれか、特に溶媒、モノマー及び触媒供給原料とともに非意図的に導入され得て、触媒活性及び安全性に悪影響を及ぼす。不純物は、触媒活性を低減し、変動し又はなくすこともある。極性の不純物、すなわち触媒毒には、水、酸素、金属不純物等が含まれる。そのようなものが反応容器に供給される前に、例えば、種々の成分の合成又は製造の後又は途中で化学的処理又は注意深い分離技術による工程が行われることが好ましい。いくらかの少量の掃去化合物はなお通常重合工程自体において用いられ得る。
典型的には、掃去化合物は、米国特許第5,153,157号、5,241,025号及びPCT出願公開WO93/14132号、WO94/07927号及びWO95/07941号の13族の有機金属化合物のような有機金属化合物である。それらの化合物の例には、トリエチルアルミニウム、トリエチルボラン、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン及びトリ(n−オクチル)アルミニウムが含まれる。活性触媒との有害な相互作用を最小にするために、金属又はメタロイド中心に共有結合された嵩高の又はC8−C20の線状ヒドロカルビル置換基を有する掃去化合物が好ましい。担持された遷移金属カチオン−非配位アニオン対とともに用いられる掃去剤の量は、重合反応中には活性を増大させるのに有効な量まで最少にする。
気相法では、担持された触媒が用いられ、配位重合により製造されるエチレンホモポリマー又はコポリマーに適する気相条件下で行われる。それらの例は、米国特許第4,543,399号、4,588,790号、5,028,670号、5,352,749号、5,382,638号、5,405,922号、5,422,999号、5,436,304号、4,453,471号及び5,463,999号並びにPCT出願公開WO94/28032号、WO95/07942号及びWO96/00245号に見出され得る。米国特許プラクチスに従って、各々を引用により援用する。典型的には、その方法は、約−100℃乃至150℃、好ましくは約40℃乃至120℃の温度、約7000kPa以下、典型的には約690kPa乃至2415kPaの圧力で行われる。流動床及び流動媒体として再循環流れを用いる連続法が好ましい。
本発明の固定化触媒系が用いられ得るスラリー重合法は、重合媒体がプロピレンのような液体モノマーか又は炭化水素溶媒又は希釈剤、有利には、プロパン、イソブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等のような脂肪族パラフィン又はトルエンのような芳香族化合物であることができる方法であると典型的には記載される。重合温度は、低いと考えられる温度、例えば50℃より低温、好ましくは0℃乃至30℃であるか又はより高い温度、約150℃以下の、好ましくは50℃乃至80℃の温度又は表示された終点間のいずれかの範囲であることができる。圧力は、約100psiaから700psiaまで(0.76乃至4.8MPa)変わり得る。その他の記載は、米国特許第5,274,056号及び4,182,810号並びにPCT出願公開WO94/21962号にされており、米国特許プラクチスに従って、それらを引用により援用する。
本明細書に記載された本発明の触媒を用いる、先に記載した方法態様では、不飽和モノマー、すなわちオレフィン性又はエチレン性不飽和モノマーは、約500乃至約3×106の分子量(重量平均又はMw)を有するポリマー生成物を生成するように重合され得る。最も典型的には、ポリマー生成物は、約1000乃至約1.0×106のMwを有する。適する不飽和モノマーには、エチレン、C3−C20の線状又は分枝状α−オレフィン、C4−C20環式オレフィン、C4−C20非共役ジオレフィン、C4−C20のジェミナルに(geminally)二置換のオレフィン、C8−C20スチレン性オレフィン又はC20−C100α−オレフィンマクロマーが含まれる。好ましくは、ポリマー生成物はポリエチレンホモポリマー及びコポリマー、特にポリエチレンプラスチック、プラストマー及びエラストマー;アタクチック、シンジオタクチック又はアイソタクチックポリプロピレンを含むポリプロピレンホモポリマー及びコポリマー;並びに環式オレフィンコポリマー、特にエチレン−ノルボルネンコポリマーのいずれかである。
工業的応用性
本発明による担持された触媒はオレフィン性不飽和モノマーから誘導される付加又は挿入ポリマーを製造する工業的手段に有用である。特に、本発明の触媒は、それらの方法の先の記載による工業的に世界的に大規模に実施されているような気相又はスラリー法における使用に特に適している。そのようなポリマー生産法は、多量のプラスチック、熱可塑性エラストマー並びに、フィルム用、繊維用、包装用、接着剤基体用及び通常の使用に用いられている成形物品用のエラストマーのために用いられる。他に、本発明の方法は、触媒評価の組み合わせた方法を活用するために容易に広げられる。ポリマーに担持された活性剤は、プロトン化により活性化できる新規な単一部位触媒系の最適化に有用なライブラリーの構築及びスクリーニングに価値がある中間体である。
実施例
一般的
非官能化ポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマービーズ(1%DVB、200−400メッシュ)は、Biorad Laboratories(Hercules、カリフォルニア州)により供給され、使用前に注意深く洗滌された。クロロメチル化ビーズは、Biorad(4.0mg当量のCl/g、200−400メッシュ;及び1.35mg当量のCl/g、200−400メッシュ)及びAcros Organics(ペンシルバニア州ピッツバーグ)(0.4mg当量のCl/g、100−200メッシュ)から得て、受け取ったどちらかを使用し、最初の加熱された洗滌工程を、加水分解を避けるために水性K2CO3中で1/2時間攪拌することに変える上記の洗滌工程の改変に付した。使用前に、1/2時間アルゴンを泡立たせることによりCH2Cl2を脱気した。他の溶媒及び試薬も受け取ったときに用いた。J.T.SparrowによるTet.Lett.、1975年、53巻、4367頁の方法により、低官能化クロロメチル化ビーズ(0.15mg当量Cl/g)を製造した。攪拌された温度制御された反応容器中でヘキセン及びトリ−イソブチルアルミニウムとともにヘキサン中で一定のエチレン頭部圧でスラリー重合を行った。実施例における略字には下記のものが含まれる:THF(テトラヒドロフラン)、Ph(フエニル)、Me(メチル)、Bn(ベンジル)。
PS−CH2N(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−
0.15−4.0mg当量のCl/gを積載したクロロメチル化ポリスチレンジビニルベンゼンコポリマービーズをTHF(2M、Aldrich)中のジメチルアミン溶液中で膨潤させ、室温で2日間攪拌した。次にそれらをTHF、2:1のTHF/水、1:2のTHF/水、水(2回)、1:2のTHF/水、2:1のTHF/水及びTHF(2回)で濯ぎ、真空下、60℃で一晩乾燥させた。アミノ化されたビーズをCH2Cl2中[PhNMe2H][B(C6F5)4](1.5当量)の0.07M溶液で1.5時間処理し、次に濾過し、CH2Cl2で濯ぎ(4回)、0.15−1.1mg当量ホウ素/gのホウ素積載を有するビーズを得た。ホウ素積載は重量測定により及びIR分析により求めた。次にそれらのビーズを種々の4族メタロセンで処理し、0.14−0.7mg当量触媒/ビーズgの積載における活性な触媒種を生成させた。メタロセンの積載は、メタロセンと硼酸塩化ビーズとの定量的反応により概算した。
硼酸塩化ビーズを典型的には3当量のメタロセン化合物で処理した。
PS−CH2NPh(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−
0.4−4.0mg当量のCl/gを積載したクロロメチル化ポリスチレンジビニルベンゼンコポリマービーズをストレートのN−メチルアニリン中で膨潤させ、室温で2日間攪拌した。次にそれらをTHF、2:1のTHF/水、1:2のTHF/水、水(2回)、1:2のTHF/水、2:1のTHF/水及びTHF(2回)で濯ぎ、真空下、60℃で一晩乾燥させた。アミノ化されたビーズをCH2Cl2中[Ph2NH2][B(C6F5)4](1.5当量)の0.07M溶液で1.5時間処理し、次に濾過し、CH2Cl2で濯ぎ(4回)、0.36−0.87mg当量ホウ素/gのホウ素積載を有するビーズを得た。ホウ素積載は注意深い乾燥の後に重量測定により求めた。
実施例1−触媒Aの製造
不活性雰囲気のグローブボックス中に、0.500gの先に記載したように製造した、ビーズg当り0.67ミリモルの利用できる官能基を有する(すなわち、0.67mg当量)プロトン化アンモニウム塩活性剤PS−CH2N(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−を、100ml容の丸底フラスコ中の窒素下、25℃で磁気攪拌機で攪拌しながら35mlの乾燥した、酸素を含有しないトルエン中でスラリー化し、次に、0.609gのビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチルを少量ずつ添加(固体として)した。その反応物を1時間攪拌し、次に担持された活性剤を真空濾過により単離し、乾燥した、酸素を含有しないトルエンを15mlずつ4回で洗滌し、約15mlの乾燥した、酸素を含有しないペンタンで滴定した。次に、担持された触媒を真空中で一晩乾燥させ、最終的な触媒g当り0.52ミリモルの遷移金属の計算された積載を有する最終的な触媒を0.522g(移動によるいくらかの物質損失)得た。
実施例2−触媒Bの製造
触媒Bを触媒Aと同様に製造したが、しかし、ビーズg当り0.27ミリモルの利用できる官能基(すなわち0.27mg当量)を有するプロトン化アンモニウム塩活性剤PS−CH2N(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−を、0.057gのビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチルと反応させ、最終的な触媒g当り0.24ミリモルの遷移金属の計算された積載を有する最終的な触媒を0.113g(移動によるいくらかの物質損失)得た。
実施例3−触媒Cの製造
触媒Cを触媒Aと同様に製造したが、しかし、ビーズg当り0.67ミリモルの利用できる官能基(すなわち0.67mg当量)を有するプロトン化アンモニウム塩活性剤PS−CH2N(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−を、1.138gのビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチルと反応させ、最終的な触媒g当り0.52ミリモルの遷移金属の計算された積載を有する最終的な触媒を1.200g(移動によるいくらかの物質損失)得た。溶媒及び洗滌液の量を2倍にし、反応を250ml容の丸底フラスコ中で行った。
実施例4−低減された硼酸塩積載を有する活性剤ビーズの製造
1.00mg当量/gのクロリド含量を有する100gのクロロメチル化ポリスチレンビーズ(200−400メッシュ、1%のジビニルベンゼンが架橋されている)(すなわち、ビーズg当り1.00ミリモルの利用できる反応性官能基)を2.0MのジメチルアミンのTHF溶液800mlと16時間反応させた。IR分光学により反応が完了したことが証明された。次にそれらのビーズを濯ぎ、真空下で60℃において16時間乾燥させた。10.00gのアミノ化されたビーズを不活性な環境のグローブボックスに移し、次にトルエン(150ml)中で膨潤させた。100mlの温トルエン中に溶解させたジメチルアニリウムテトラキス(ペルフルオロフェニル)硼酸塩(0.806g)を、膨潤させたビーズにその懸濁液を激しく攪拌しながら添加した。1時間後、その溶液を濾過し、トルエン100mlで2回追加洗滌し、ペンタン(100ml)中で15分間スラリー化し、最後に真空下で60℃において16時間乾燥させ、0.09mg当量/gの計算された積載を有するビーズを得た。
実施例5−触媒D製造
触媒Dを触媒Aと同様に製造したが、しかし、ビーズg当り0.09ミリモルの利用できる官能基を有すると想定された(すなわち、0.09mg当量)実施例4において製造された低減された積載を有するプロトン化アンモニウム塩活性剤PS−CH2N(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−を用いた。そのビーズを50mlのトルエン中で膨潤/スラリー化し、0.90gのビス(1,3−ブチル−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチルと反応させ、2時間攪拌し、次に濾過し、トルエン30mlで2回洗滌し、50mlのペンタンで15分間スラリー化し、濾過し、真空で室温において12時間乾燥させ、最終的な触媒g当り0.09ミリモルの遷移金属の計算された積載を有する1.92g(移動によるいくらかの物質損失)の淡い黄色の最終的な触媒を得た。
実施例6−触媒E製造
実施例5のビス(1,3−ブチル−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチルの代わりに0.151gのジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチルを用いた他は、触媒Eを触媒Dと全く同じに製造した。最終的な触媒g当り0.09ミリモルの遷移金属の計算された積載を有する1.77g(移動によるいくらかの物質損失)のオフホワイトの最終的な触媒を得た。
実施例7−触媒Fの製造
触媒Fを触媒Aと同様に製造したが、しかし、ビーズg当り0.6ミリモルの利用できる官能基を有する(すなわち0.6mg当量)プロトン化アンモニウム塩活性剤PS−CH2N(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−(ビーズは200−400メッシュであり、2%のジビニルベンゼンが架橋されている)を、12.00gのビス(1,3−ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチルと反応させ、最終的な触媒g当り0.5ミリモルの遷移金属の計算された積載を有するオレンジ色の最終的な触媒を55.7g(移動によるいくらかの物質損失)得た。溶媒及び洗滌液の量を10倍増加し、反応を1000ml容の丸底フラスコ中で行った。
実施例8−ヘキサン中のスラリー相エチレン−ヘキセン重合
機械的攪拌機、温度制御のための外部水ジャケット、隔壁入口並びに乾燥窒素及びエチレンの制御された供給口を備えた1l容のオートクレーブ反応器におけるスラリー相において重合を行った。その反応器を115℃で乾燥させ、完全に脱気した。ヘキサン(400cc)を希釈剤として添加し、気密シリンジを用いてペンタン中1.25Mのトリイソブチルアルミニウム溶液0.6ccを掃去剤として添加し、カニューレにより45mlのヘキセンを添加した。反応器に40℃において75psig(5.17バール)のエチレンを装入した。10cc容のステンレス鋼ボンベに0.060gの触媒A(不活性雰囲気グローブボックス中に積載されたボンベ)を装入し、スウエージロック取付部品(swagelock fitting)を有する反応器につけた。次にその反応器に触媒を導入した。反応容器を40℃の3℃以内でかつ一定のエチレン流れにより75psigエチレン圧(5.17バール)を維持しながら重合を30分間続けた。迅速冷却し、ガス抜きすることにより反応を停止させた。33.0gのエチレン−ヘキセンコポリマーを回収した。そのポリエチレンは、99,600の重量平均分子量、2.9の分子量分布を有しており、重量で21%のヘキセンを有していた。ポリマーの収量を触媒装入総で割り、時間で割り、気圧におけるモノマー絶対圧で割ることにより、塊状重合の活性度を計算し、2189gPE/g触媒−時間−気圧の値を出した。ポリマーの収量を触媒装入量に含有される遷移金属の総ミリモル数で割り、時間で割り、気圧におけるモノマー絶対圧で割ることにより、比重合活性を計算し、422gPE/ミリモル触媒−時間−気圧の値を出した。同様の重合を触媒B及びCを用いて短実施時間及び長実施時間(その他のすべての条件は同じ)で行った。関係のあるデーターを表1にまとめる。
実施例9−イソブタン中のスラリー相エチレン−ヘキセン重合
機械的攪拌機、温度制御のための外部水ジャケット、隔壁入口並びに乾燥窒素及びエチレンの制御された供給口を備えた1l容のオートクレーブ反応器におけるスラリー相において重合を行った。その反応器を115℃で乾燥させ、完全に脱気した。イソブタン(400cc)を希釈剤として添加し、気密シリンジを用いてペンタン中1.25Mのトリイソブチルアルミニウム溶液0.6ccを掃去剤として添加し、カニューレにより異なる量のヘキセン(触媒Dには35ml、触媒Eには15ml)を添加した。反応器に60℃において75psig(5.17バール)のエチレンを装入した(すなわち、希釈剤蒸気圧の頭部において75psigのエチレン過圧を用いた)。10cc容のステンレス鋼ボンベに望ましい触媒(不活性雰囲気グローブボックス中に積載されたボンベ)を装入し、スウエージロック取付部品をつけた反応器につけた。次にその反応器に触媒を導入した。反応容器を60℃の3℃以内でかつ一定のエチレン流れにより75psigエチレン圧(5.17バール)を維持しながら重合を30分間続けた。迅速冷却し、ガス抜きすることにより反応を停止させた。重合活性を実施例8におけるように計算した。関係のあるデーターを表2にまとめる。
すべのスラリー重合例において、生成物は、出発物質のポリスチレンビーズのサイズ分布と同様のサイズ分布を有する高嵩密度(>0.4g/cc)の不連続のさらさらした球状のビーズの形態で単離された。2時間実施された触媒Bの場合、ビーズは、ミリメートルの寸法を有していた。このことは、各ポリマービーズが、粒子破損が本質的にない個々の触媒ビーズからの重合の結果であることを示唆している。エチレン取込量データーの分析では、重合の最初のおよそ15分間の消費速度において制御された増大を示しており、その速度はその後も本質的に維持される(2時間後、速度はなお最大値の>90%である)ことを意味している。これらの観察は、本発明の触媒の長い活性寿命を証明している。表1における2時間重合での広範化MWDは、反応の進行において、エチレン濃度は本質的に一定であるのに対し、ヘキセン濃度における劇的な変化(>50%のヘキセンが消費される)からみると理解できる。
先に記載された担持された触媒Fの試料を後に記載するように気相エチレン/1−ヘキセン共重合研究に用いた。触媒効率、組込み能力及び1−ヘキセンのようなコモノマーの分子量能力を決定するために、300psig(20.7バール)全圧で、175F゜(79.4℃)の反応器温度及び0.7ft/秒(21cm/秒)のサイクル気体速度で操作された連続的な流動床気相反応器を用いた。重合中、反応器に掃去剤を装入しなかった。望ましい製造速度を維持するのに十分な速度で触媒を装入した。操作データーを表3に含めた。少なくとも3回の床反転(bed turnovers)の後に、ポリマー試料を回収し、分析した。
実施例10−触媒Gの製造
触媒Gを触媒Aと同様に製造したが、しかし、ビーズg当り0.3ミリモルの利用できる官能基を有する5.04gのプロトン化アンモニウム塩活性剤PS−CH2N(CH3)2H]+[B(C6F5)4]−(すなわち0.6mg当量)を、0.628gのジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチルと反応させ、最終的な触媒g当り0.27ミリモルの遷移金属の計算された積載を有する黄色の最終的な触媒を4.03g(移動によるいくらかの物質損失)得た。溶媒及び洗滌液の量を2倍に増加し、反応を250ml容の丸底フラスコ中で行った。
実施例11−触媒Gを用いる凝集相プロピレン重合
機械的攪拌機、温度制御のための外部水ジャケット、隔壁入口並びに乾燥窒素及びプロピレンの制御された供給口を備えた1l容のオートクレーブ反応器におけるスラリー相において重合を行った。その反応器を115℃で乾燥させ、完全に脱気した。気密シリンジを用いて、掃去剤として添加された、ペンタン中1.25Mのトリイソブチルアルミニウム溶液0.6ccとともにプロピレン(400ml)を添加した。10cc容のステンレス鋼ボンベに0.40gの触媒G(不活性環境グローブボックス中に積載されたボンベ)を装入し、スウエージロック取付部品を有する反応器につけた。次にその反応器に触媒を導入した。反応容器を40℃に維持しながら重合を60分間続けた。迅速冷却し、ガス抜きすることにより反応を停止させた。39.8gのアイソタクチックポリプロピレンを回収した。ポリマーの収量を触媒に含有される遷移金属の総ミリモル数で割り、時間で割ることにより、塊状重合活性を計算し、99.5gi−PP/g触媒−時間の値を出した。本実施例は、アイソタクチックポリプロピレン(i−PP)を製造するためのキラルの架橋されたメタロセンの使用を示している。
Claims (3)
- a)i)10m2/g以下の表面積を有し、ii)共有結合され、プロトン化された、非配位アニオンのアンモニウム塩を含有する、炭化水素であるポリマー支持体と
b)ヒドリド、アルキル及びシリルから成る群から独立 して選ばれる少なくとも2つの不安定な配位子を有する モノシクロペンタジニエル配位子含有4族金属化合物; 又はヒドリド、アルキル及びシリルから成る群から独立 して選ばれる少なくとも2つの不安定な配位子を有する ビスシクロペンタジエニル配位子含有4族金属化合物
との反応生成物を含み、
前記のプロトン化されたアンモニウム塩がポリマー支持体内に均一に分布されている、オレフィン重合触媒組成物。 - ポリマー支持体が、ポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマーゲル又はビーズから製造される、請求項1に記載の触媒組成物。
- 1つ以上のエチレン性不飽和オレフィンを、適する重合条件下で請求項1に記載の触媒組成物と接触させることを含む、オレフィン重合方法。
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