JP3639484B2 - 音響電気変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光を用いて振動板の振動変位を電気信号に変換する音響電気変換装置に係り、特にシャープな指向性ビームパターンを形成することのできる音響電気変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音響電気変換装置としてマイクロフォンがある。一般にマイクロフォンの振動板に垂直な音波の入射方向にシャープな感度指向性を持たせるためには振動板の前面部のみならず振動板の裏面部からも音波が入射するようにマイクロフォン装置を構成する必要がある。
従来広く用いられているダイナミックマイクロフォンでは、振動板からの音波を検出するために振動板にコイルを取り付ける構造となっていたため、裏面から入ってくる音圧に対してはコイルなどが抵抗となって必ずしも振動板を表面と同じように振動させることができない。しかし、振動板の前面部と裏面部とを完全に開放して前面部と後面部との両側から音波を入射するような構成にすることは困難であった。
またコンデンサーマイクロフォンでは振動板の振動による容量変化を検出して音波の検出を行うため、その構造上裏面をオープンにして裏面側から音波を入射することができない構造となっていた。従ってマイクロフォンなどの音響電気変換装置では裏面も表面と同じように何もないことが理想である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図6は振動板の裏面側が一部閉塞された状態でのマイクロフォンの指向特性を示す図で、0°側が前面を180°側が裏面をそれぞれ示している。
通常前面(0°側)と裏面(180°側)とが完全に開放された形状のマイクロフォンでは図6に点線で示すように前面および裏面に完全に円形の8の字状の感度指向特性を有する。
しかし振動板の裏面側が完全に閉塞されていたり、一部閉塞されていたりすると、図中に実線で示すように8の字状の指向特性パターンが乱れて90°および270°の方向にも感度を有するように指向特性が変化する。すなわち図6に斜線で示した領域にも感度があるような指向特性になってしまう。
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、指向特性が振動板の垂直方向のみに指向性を有する音響電気変換装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の音響電気変換装置は、音圧により振動する振動板と、前記振動板に光ビームを照射する発光素子と、前記振動板に照射された前記光ビームの反射光を受光し、前記振動板の振動変位に対応する信号を出力する受光素子と、前記発光素子と前記受光素子とを載置し、前記振動板に対向するよう配置される底板と、前記振動板と前記底板とがほぼ平行で、かつ近接して設置されるように結合させる支持側板とを備え、前記底板のほぼ中心部に前記発光素子と受光素子とを載置し、周辺部に音波の侵入が可能な大きさを有する第1の開口を設けたことを特徴とする。
前記第1の開口は、複数個設けることが出来る。
また前記音響電気変換装置において、音波の侵入が可能な大きさを有する第2の開口を前記支持側板に設けることが出来る。
前記第2の開口は複数個設けることが出来る。
【0005】
【発明の実施の形態】
音響電気変換装置の一例として光マイクロフォン装置を用いて説明する。図5はサイド方向に指向性を有しない(以下完全な指向特性という)光マイクロフォン装置の原理図を示す図である。
筐体5のほぼ中央部に音波の音圧によって振動する振動板3を張設する。そしてこの振動板3の裏面側に発光素子2と受光素子4とを設け、発光素子2からの入射光ビームL1が振動板3により反射して反射光L2となって受光素子4に受光されるように構成する。これにより振動板3の振動変位が受光素子4により反射光L2の受光位置の変化となって検出される。
この場合振動板3の前方から音波6と後方から音波7とが入射し、それぞれの音圧位相が同一であった場合には振動板3において振動板の振動は起こらず受光素子4からの出力は発生しない。
【0006】
一方、振動板3の前方方向からa+bの音波6が到来し、後方裏面側からaの音波7が到来した場合には、振動板3において音波aは打ち消されbのみが検出されることになる。
ここで一般に周囲雑音や騒音等は同一の位相と振幅とを持ってマイクロフォンの前面と裏面とから入力する。従ってこれが音波aとなる。
一方音声信号はbとしてマイクロフォンの前面方向からのみ入射されるので結局騒音aのみが振動板3により打ち消されて音声bのみが取り出されることになる。
このようにして振動板に対して前面および裏面側から音波の到来をゆるすような構造にすることにより、音声信号のみを取り出し騒音の低減を図ることができる。またこのような構成にすれば図6に点線で示したような完全な指向特性を得ることができる。
【0007】
図1〜3は本発明の一実施形態である光マイクロフォン装置の構成を示す図で、図1はその分解斜視図、図2は側面図、図3は側面断面図をそれぞれ示している。
図1および図3に示すように本発明では発光素子と受光素子とは受発光素子10として一体化して形成され基板9に搭載されている。この基板9は底板12のほぼ中央近傍に取り付けられる。底板12は振動板3にほぼ平行でかつ近接して設置される。
【0008】
この底板12と振動板3とを結合させるための支持側板30が図2に示すように形成される。またこの支持側板30は必ずしも全面に底板12と振動板3とを取り囲むように形成する必要はなく、例えば図1に示すように支柱35を底板12の周囲に立てこの支柱35の下端に振動板3の周辺部8を接続するように構成してもよい。
受発光素子10を搭載する基板9からは端子11に接続が行われておりこの端子11を介して受発光素子10およびその周辺回路に電源の供給や必要な信号の授受を行うように構成される。また本発明では振動板3の裏面側からの音波を入射できるように底板12に開口20を設ける。
【0009】
この開口20は図1に示すように受発光素子10を取り囲むように円周上に複数個円形の穴を設けることにより形成してもよい。このような開口20を底板12に形成することにより裏面から騒音を振動板3へ誘導することができる。
またこの底板12に設ける開口20に加えて、図2に示すように支持側板30にも音波の侵入が可能となるように開口25を設けることができる。ただし支持側板30に設ける開口25はあまり大きな開口面積を有するように形成すると振動板3の前面からの音声がこの開口25を介して振動板3の裏面に回り込んで入射し、音声が打ち消されてしまうため適当な大きさの開口を設けることが望ましい。
【0010】
図4は本発明の他の実施の形態を示す図で、光マイクロフォン素子のヘッド部の構造を示す図である。
図4(a)は断面形状を示したもので容器51の底面58に電子回路基板62を設置し、この基板62上に発光素子と受光素子とを配置した基板59を取り付ける。取り付けは、基板59と基板62とを例えばフリップチップボンディングで電気的に接続することにより行うことも出来る。また底面58をシリコンなどの半導体基板で構成すれば、この上に電子回路を構成できるので電子回路基板62を省略することも出来る。なお、図4に示す実施の形態では発光素子として面発光レーザダイオードLDを受光素子としてフォトダイオードPDを用いている。基板59の中央に円形形状の面発光レーザダイオードLDを配置し、この面発光レーザダイオードLDを取り巻くように同心円状に受光素子PDを配置する。
【0011】
図4(b)は図4(a)中に点線で囲んで示した受発光素子が搭載された基板59の受発光部を拡大して示した平面図である。
図に示すように中心部に円形形状の発光素子LDを配置し、これを取り囲むように同心円状に受光素子PD1,PD2,…PDnを配置する。なおここで用いられる発光素子LDとしては垂直表面発光型レーザを用いることができる。
この発光素子LDと受光素子PDとはガリウム砒素ウェファ上に同時に半導体製造工程により作製することができる。
従って発光素子LDと受光素子PDとの位置合わせ精度は半導体製造工程に用いられるマスクの精度によって決められるため、その合わせ精度を1μm以下とすることができ、従来の光マイクロフォン素子の受発光素子の位置合わせ精度に比べて百分の1以下の高精度で実現が可能である。
【0012】
一般に、垂直表面発光型発光素子は発光強度分布が同心円状にほぼ均一な特性を持っている。従って、中心部に設置された発光素子LDから所定の角度で振動板2に向かって放射された放射光は同心円状に同一強度を持って反射し、音波57の受波により振動板52が振動することにより反射角度が変化し受光素子PDに同心円状に到達する。
従って、同心円状に配列された受光素子PD1〜PDnの受光光量の変化を検出することにより振動板52の振動変位を検出することができる。これにより入射音波57の強弱を検知することができるため、光マイクロフォン素子として使用可能となる。
なお発光素子LDや受光素子PDを駆動、もしくは入射光量の検出のために電極61が形成されている。
【0013】
なお、容器51の側壁面や底面58に図示しない開口を設けるのは、図1〜3に示す実施の形態の場合と同様である。
本実施の形態では、モノリシック構造で構成した、同一平面上にある垂直表面発光型発光素子(VCSEL)とフォトダイオード(PD)とを用いた受発光素子を用いたため、極めて小型で、振動板の裏面側にも大きな空間を確保でき、音圧に対して抵抗となる物を排除することができる。
なお、本発明は光マイクロフォン装置に限定されるものではなく、音響センサにも利用できる。
【0014】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて詳細に説明したように、本発明では振動板に対向して設けられている受発光素子の搭載された底板に開口を設けることにより、主として騒音の振動板への入射を図ることができるため騒音低減を行うことができる。また指向性パターンを8の字状の理想的な形状に近付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光マイクロフォン装置の構成を示す分解斜視図。
【図2】本発明の光マイクロフォン装置の側面図。
【図3】本発明の光マイクロフォン装置の側面断面図。
【図4】本発明の他の実施形態の光マイクロフォン装置の構成を示す側面断面図及び平面図。
【図5】本発明の光マイクロフォン装置の基本原理図。
【図6】マイクロフォン装置の指向特性を示す図。
【符号の説明】
3 振動板
9 基板
10 受発光素子
12 底板
20 開口
25 開口
30 支持側板
35 支柱
Claims (4)
- 音圧により振動する振動板と、
前記振動板に光ビームを照射する発光素子と、
前記振動板に照射された前記光ビームの反射光を受光し、前記振動板の振動変位に対応する信号を出力する受光素子と、
前記発光素子と前記受光素子とを載置し、前記振動板に対向するよう配置される底板と、
前記振動板と前記底板とがほぼ平行で、かつ近接して設置されるように結合させる支持側板とを備え、
前記底板のほぼ中心部に前記発光素子と受光素子とを載置し、周辺部に音波の侵入が可能な大きさを有する第1の開口を設けたことを特徴とする音響電気変換装置。 - 請求項1に記載の音響電気変換装置において、
前記第1の開口を、複数個設けたことを特徴とする音響電気変換装置。 - 請求項1又は2に記載の音響電気変換装置において、
音波の侵入が可能な大きさを有する第2の開口を前記支持側板に設けたことを特徴とする音響電気変換装置。 - 請求項3に記載の音響電気変換装置において、
前記第2の開口を複数個設けたことを特徴とする音響電気変換装置。
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1999
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