JP3636919B2 - バルブ修理治具および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、配管に取り付けられた開閉バルブの操作部の部品を、バルブ本体を配管から取り外すことなく交換するための修理治具および方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ガスプラントや石油プラントなどにおいてガスなどの流体を導通させる配管ラインには、配管の開閉を行う開閉バルブが多数取り付けられている。
このような配管ラインに取り付けられている開閉バルブのなかには、経年的使用によって、開閉バルブのバルブ本体部よりも操作部が先に老朽化してしまい、その交換が必要になってくる場合がある。
【0003】
例えば、図15に示されるLNG(Liquified Natural Gas)の配管ラインに取り付けられるブローバルブVについては、そのバルブ本体部がステンレス製であり、操作部が炭素鋼で構成されているために、この操作部の腐食が進行して、バルブ本体部よりも早く交換の必要が生じてくる。
【0004】
すなわち、このブローバルブVは、バルブボディV1の上部にボンネットV2が上方に向けて立ち上がるように取り付けられ、このボンネットV2の上端部にヨークV3が取り付けられ、さらに、このヨークV3の上端部にハンドルV4が回転自在に取り付けられた構造を有しており、バルブシャフトV5が、ボンネットV2およびヨークV3の中心を軸方向に挿通され、その上端部がハンドルV4に連結され、下端部がバルブボディV1内のバルブプラグV6に連結されて、ハンドルV4の回転によってバルブプラグV6が上下動してバルブシートV7に対して接離されるようになっている。
【0005】
この図15中、V8は、ボンネットV2の上端部においてバルブシャフトV5との間に介装されたグランドパッキンであり、V9はこのグランドパッキンV8のグランド押さえである。
そして、このブローバルブVは、そのバルブ本体部を構成するバルブボディV1,ボンネットV2,バルブシャフトV5およびバルブプラグV6がステンレス製であるが、ヨークV3,ハンドルV4およびグランド押さえV9が炭素鋼で形成されているために、バルブ本体部よりも操作部の腐食が先に進んでしまい、その交換時期がバルブ本体部よりも早く来てしまう。
このような状況は、上記の様なLNGの配管ラインに接続されたブローバルブに限らず、ガス導管や石油プラントなどに使用されている各種開閉バルブについても、同様に発生する。
【0006】
このような操作部の交換を必要とする開閉バルブにおいて、その修理のために開閉バルブを配管から取り外して交換しようとすると、配管ライン内の流体の抜き取りやそれにともなう煩雑な付帯作業を必要とするため、交換作業のために多大な労力と費用を要することになる。
また、配管に取り付けられている開閉バルブから操作部だけを取り外して交換しようとする場合には、交換作業中に、開閉バルブを閉位置に保持する力が無くなって開閉バルブが配管内の流体圧力によって開いてしまうため、流体が流出してしまうという問題がある。
【0007】
この発明は、上記のような配管ラインに取り付けられた開閉バルブの操作部の部品を交換しようとする場合の問題点を解決するために為されたものである。
すなわち、この発明は、配管ライン内の流体を抜き取るなどの作業が不要で多大な労力と費用を要することなく、しかも、修理作業中に配管から流体が流出する虞の無いバルブ修理治具および方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明によるバルブ修理治具は、上記目的を達成するために、配管に取り付けられた開閉バルブの操作部の部品を開閉バルブの配管への取り付け状態のまま交換するバルブ修理治具であって、開閉バルブの操作部を囲むように配置される本体と、この本体に設けられて本体を開閉バルブのケーシングに対してバルブシャフトの軸方向において移動不能に固定する固定部材と、前記本体に設けられて開閉バルブのバルブシャフトと同軸状に位置されるとともに一端部がバルブシャフトの先端部に係合する位置において本体に移動不能に係止される軸部材と、前記本体に設けられてこの本体が固定された開閉バルブのバルブシャフトに係合することによりこのバルブシャフトを本体に対してスライド不能に係止する係止部材とを備えていることを特徴としている。
【0009】
この第1の発明によるバルブ修理治具は、例えばガスプラントや石油プラント等における配管およびガスや水道などの導管などのように流体を導通させる配管に取り付けられてこの配管の開閉を行う開閉バルブのハンドルなどの操作部の部品を、開閉バルブのバルブ本体を配管から取り外すことなく、かつ、配管内の流体の流通を止めたまま、交換するのに使用される。
【0010】
すなわち、治具の本体を開閉バルブの操作部を囲むように配置し、この本体を固定部材によって開閉バルブのケーシングに対してバルブシャフトの軸方向において移動不能になるように固定する。
そして、軸部材を開閉バルブの閉位置にあるバルブシャフトに同軸状に係合させるとともに、この軸部材を治具の本体に対して移動不能に係止した後、開閉バルブの操作部の部品をケーシングやバルブシャフトから取り外して軸部材の側に移動させる。
【0011】
このとき、開閉バルブのバルブシャフトは、軸部材によって係止されていることにより、操作部の部品が取り外されても、配管内の流体圧力によってその閉位置から開位置に移動されることはない。
この後、係止部材によって、操作部の部品が取り外された開閉バルブのバルブシャフトを治具の本体にスライド不能に係止した状態で、軸部材によるバルブシャフトの係止状態を解除する。
【0012】
このとき、バルブシャフトは、軸部材に代わって係止部材により、流体圧力による閉位置から開位置への移動が阻止される。
このバルブシャフトの係止状態から開放された軸部材から操作部の部品を取り外し、代わりにその交換部品を取り付けた後、軸部材を再びバルブシャフトに係合させて治具の本体に移動不能に係止する。
そして、係止部材によるバルブシャフトの治具の本体への係止状態を解除した後、操作部の交換部品を軸部材からバルブシャフトに移動させて、開閉バルブのケーシングやバルブシャフトに取り付ける。
この後、治具の本体を開閉バルブのケーシングから取り外して一連の修理作業を終了する。
【0013】
以上のように、上記第1の発明によるバルブ修理治具を使用すれば、配管ラインに取り付けられた開閉バルブの操作部の部品のみの交換修理を行う際に、開閉バルブを配管から取り外すことなくその取り付け状態のまま修理することが出来るので、配管ライン内の流体を抜き取るなどの作業が不要になり、これによって、少ない労力と費用で開閉バルブの部品の交換修理を行うことが出来るようになる。
そして、修理作業中に配管から流体が流出する虞も無い。
【0014】
第2の発明によるバルブ修理方法は、前記目的を達成するために、配管に取り付けられた開閉バルブの操作部の部品を開閉バルブの配管への取り付け状態のまま交換するバルブ修理方法であって、修理治具の本体を開閉バルブの操作部を囲むように配置してこの本体を開閉バルブのケーシングに対してバルブシャフトの軸方向において移動不能に固定し、前記修理治具の本体に取り付けられた軸部材の端部を前記開閉バルブのバルブシャフトに同軸状に係合させるとともに、この状態で軸部材を本体に移動不能に係止し、前記開閉バルブのバルブシャフトに嵌合されている操作部の部品を開閉バルブのケーシングまたはバルブシャフトから取り外してバルブシャフトから前記軸部材側に移動し、前記操作部の部品が取り外されたバルブシャフトを前記修理治具の本体に取り付けられたバルブシャフト係止部材によって本体にスライド不能に係止し、前記軸部材の修理治具の本体に対する係止状態を解除して軸部材を前記バルブシャフトから引き離し、このバルブシャフトから引き離された軸部材から前記操作部の部品を取り外して交換用の部品を軸部材に取り付け、この交換用の部品が取り付けられた軸部材を再度前記バルブシャフトに同軸状に係合させるとともに修理治具の本体に移動不能に係止し、前記バルブシャフトのバルブシャフト係止部材による修理治具の本体への係止状態を解除し、この係止状態が解除されたバルブシャフトに前記軸部材から交換用の部品を移動させて開閉バルブのケーシングまたはバルブシャフトに取り付けることを特徴としている。
【0015】
この第2の発明によるバルブ修理方法は、配管ラインに取り付けたままの開閉バルブからその操作部の部品を取り外すと、バルブシャフトをその閉位置に保持する力が無くなりバルブシャフトが配管ライン内の流体圧力によって開位置方向にスライドするので、修理作業中にバルブシャフトをその閉位置に保持しながら、操作部の部品の交換を行うものである。
【0016】
すなわち、配管ラインに取り付けられている開閉バルブのケーシングに修理治具の本体を固定し、さらに、この治具の本体に係止される軸部材によって開閉バルブのバルブシャフトを同軸状態でスライド不能に保持した状態で、開閉バルブからその操作部の部品を取り外してバルブシャフトから軸部材の側に移動させる。
そして、開閉バルブのバルブシャフトを軸部材に代わって係止部材により治具の本体にスライド不能に係止した状態で、軸部材をバルブシャフトから取り外して、この軸部材に移動されている操作部の部品を交換部品に取り替えた後、軸部材を再びバルブシャフトに係合させて移動不能に係止する。
この後、係止部材によるバルブシャフトの係止状態を解除し、軸部材の交換部品をバルブシャフトの側に移動して、開閉バルブのケーシングまたはバルブシャフトに取り付けるものである。
【0017】
以上のように、上記第2の発明によるバルブ修理方法によれば、配管ラインに取り付けられた開閉バルブの操作部の部品のみの交換修理を行う際に、開閉バルブを配管から取り外すことなくその取り付け状態のまま修理を行うことが出来るので、配管ライン内の流体を抜き取るなどの作業が不要になり、これによって、少ない労力と費用で開閉バルブの部品の交換修理を行うことが出来るようになる。
そして、修理作業中に配管から流体が流出する虞も無い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明を行う。
図1および2は、この発明によるバルブ修理治具の実施形態の一例を示す斜視図である。
【0019】
この図1において、バルブ修理治具1は、方形に組まれた枠体2A,2Bおよび2Cが、枠体2Aと2Bの間隔が枠体2Bと2Cの隔よりも広くなるように上から順に平行に配置され、それぞれの角部が縦方向に延びる四本の支柱3によって互いに連結されたフレーム構造を有している。
【0020】
支柱3の上端部に位置する枠体2Aには、その互いに対向する一対のフレーム2A’間に、梁4が水平に架け渡された状態で固定されており、この梁4の中央部にガイドシリンダ5が縦向きに固定されている。
そして、ガイドシリンダ5には、バルブシャフトV5とほぼ同じ外径を有する仮軸6が挿通されるとともに、この仮軸6の所要の位置が固定シリンダ5に固定されるようになっている。
【0021】
支柱3の中間部に位置される枠体2Bには、ブローバルブVのバルブシャフトV5を後述するように固定するための上下に重ね合わされる一対の梁板7Aおよび7Bが、互いに対向する一対のフレーム2B’間に架け渡された状態で着脱自在に装着されるようになっている。
【0022】
この一対の梁板のうち、上側に位置される梁板7Aには、その中央部にバルブシャフトV5の外径よりも大きい内径を有する円形の挿通穴7Aaが形成され、さらに、バルブシャフトV5の外径よりも大きい幅を有し挿通穴7Aaと梁板7Aの一方の側面とを連通する溝7Abが形成されている。
また、下側に位置される梁板7Bには、梁板7Aと重ね合わされた際に挿通穴7Aaと一致する位置に、挿通穴7Aaと同径の挿通穴7Baが形成され、さらに、挿通穴7Baと同じ幅を有し挿通穴7Baと梁板7Bの梁板7Aとは反対側の側面とを連通する溝7Bbが形成されている。
なお、図1と2では、梁板7Aと7Bの向きが逆向きに記載されている。
【0023】
そして、この一対の梁板7Aおよび梁板7Bは、互いに重ね合わされた状態で、枠体2Bのフレーム2B’間に、その両端部をそれぞれボルト軸8によって連結されて固定されるようになっている。
さらに、この梁板7Aおよび梁板7Bには、後述するように上側の梁板7Aの上方においてブローバルブVのバルブシャフトV5に固定される固定プレート9と、下側の梁板7Bの下方においてバルブシャフトV5に固定される固定リング10が用意されている。
【0024】
この固定プレート9は、中央部にバルブシャフトV5の外径とほぼ同じ内径を有する孔が形成されたドーナツ形状を有していて、その径方向に沿って二枚の半円形のプレート片9Aに分割されており、この各プレート片9Aには、それぞれ二個ずつのボルト孔9Aaが形成されている。
固定リング10は、中央部にバルブシャフトV5の外径とほぼ同じ内径を有する孔が形成された円筒形状を有していて、その軸方向に沿って二つのブロック10Aに分割されており、この各ブロック10Aには、上面にねじ穴10Aaが二箇ずつ形成され、さらに、中心を挟んで径方向と平行に延びるそれぞれ一対のピン孔10Abが形成されている。
【0025】
この二つのブロック10Aは、互いに対向された状態で互いのピン孔10Abにそれぞれ一対のテーパピン11が差し込まれて嵌合されることにより、一体に連結されるようになっている。
そして、このとき、テーパピン11の外周部が、固定リング10の内側の孔内に突出されるようになっている。
【0026】
この固定プレート9と固定リング10には、両者を互いに連結する4本の軸ねじ12が用意されている。
支柱3の下端部に位置する枠体2Cには、互いに対向する一対のフレーム2C’の内壁面に、互いに対向するように反対方向から枠体2Cの中心に向かって延びる一対のアーム13が、それぞれ着脱自在に取り付けられている。
【0027】
そして、各アーム13の互いに対向する先端部に、後述するようにボンネットV2を両側から挟んで支持する把持部13Aが固定されている。
この把持部13Aは、互いに対向する面に、それぞれ、ボンネットV2の外径と同じ内径を有する半円筒状の凹部13Aaが形成されていて、この凹部13Aaが両側から嵌合してボンネットV2を把持するようになっている。
【0028】
さらに、この一対の把持部13Aは、その両側の側部に挿通される軸ねじ14によって、互いに連結されるようになっている。
【0029】
次に、上記のバルブ修理治具1を用いて、図15に示されるブローバルブVを配管に接続したままその操作部の部品のみを交換する修理作業の手順について、図3ないし14を参照しながら説明を行う。
先ず、図3において、配管Pに接続されているブローバルブVを閉状態にしてそのハンドルV4をバルブシャフトV5から取り外す。
この状態で、図4に示されるように、梁板7A,7Bおよびアーム13が取り外された状態のバルブ修理治具1を、上方から、ハンドルV4が取り外されたブローバルブVに被せる。
【0030】
そして、アーム13をバルブ修理治具1に取り付けてブローバルブVのボンネットV2を把持することにより、バルブ修理治具1をブローバルブVに固定する。
この状態をさらに詳しく示したのが図13であって、ブローバルブVにそのボンネットV2,ヨークV3およびバルブシャフトV5を囲むように被せられたバルブ修理治具1の枠体2Cに、一対のアーム13を、把持部13Aの凹部13Aa内にボンネットV2を嵌合させながら、基端部を枠体2Cにボルト締めすることによって固定する。
【0031】
このとき、一対の把持部13Aは互いに対向した状態でボンネットV2を両側から把持しており、この状態で把持部13Aの両側部が軸ねじ14によって締結されることによって、バルブ修理治具1がブローバルブVに対して脱落しないように固定される。
【0032】
次に、図5に示されるように、バルブ修理治具1の梁4に取り付けられた固定シリンダ5に上方から仮軸6を差し込み、その下端部をバルブシャフトV5の上端部に同軸状に係合させて、この仮軸6により、バルブシャフトV5をその軸方向においてスライド不能に支持する。
このとき、仮軸6は、固定シリンダ5との螺合によって軸方向にスライド不能に係止されている。
【0033】
この状態で、次に、図6に示されるように、ヨークV3とボンネットV2との連結状態を解除した後、このヨークV3を、バルブシャフトV5の軸方向に沿って上方にスライドさせて、バルブシャフトV5から仮軸6の方に移動させる。
そして、グランド押さえV9も同様に仮軸6の方に移動させる。
【0034】
このとき、バルブシャフトV5に作用する配管内の流体圧力は、仮軸6によって受け止められるので、バルブシャフトV5を支持していたヨークV3をボンネットV2から取り外しても、流体圧力によってバルブシャフトV5が持ち上げられてブローバルブVが開状態になって配管内から流体が流出する虞はない。
【0035】
つぎに、図7に示されるように、バルブ修理治具1の枠体2Bに梁板7Aおよび7Bを取り付け、さらに、バルブシャフトV5に固定プレート9および固定リング10を取り付けて、バルブシャフトV5をバルブ修理治具1に対して固定する。
【0036】
この状態をさらに詳しく示したのが図14であって、梁板7Aと7Bをバルブ修理治具1に取り付ける際には、梁板7Aと7BをバルブシャフトV5に対してそれぞれ互いに反対方向から接近させ、それぞれの挿通穴7Aa,7Ba内に溝7Ab,7Bbを介してバルブシャフトV5を嵌合させる。
そして、この上下に重ね合わされた梁板7Aと7Bを、その両端部をそれぞれボルト軸8によって締結することにより、フレーム2B’に固定する。
【0037】
この梁板7Aと7Bの取付けの後、固定リング10の一対のブロック10Aを、その上面が梁板7Bの下面に当接するようにしてバルブシャフトV5の両側から嵌合させ、そのピン孔10Abにテーパピン11を差し込むことによって、バルブシャフトV5を挟んだ状態で互いに連結する(図2参照)。
【0038】
このとき、一対のテーパピン11のピン孔10Ab内への差し込み位置が、バルブシャフトV5の外周面に形成されたヨークV3の回止めV3aが嵌合される回止め用の溝V5a(図15参照)の位置に一致するように、あらかじめ固定リング10の取り付け位置が設定されており、このバルブシャフトV5の回止め用の溝V5aに、ブロック10Aのピン孔10Abに差し込まれて内周面側に突出されるテーパピン11の外周部が嵌合されることによって、固定リング10がバルブシャフトV5に対してその軸方向にスライド不能に固定される。
【0039】
さらに、固定プレート9の一対のプレート片9Aを、梁板7Aの上面に当接するようにしてバルブシャフトV5の両側から嵌合させる(図2参照)。
そして、各プレート片9Aのボルト孔9Aaにそれぞれ上方から軸ねじ12を挿通させ、この軸ねじ12を、バルブシャフトV5の外周面と梁板7A,7Bの挿通穴7Aa,7Baの内周部との間を通して、固定リング10の各ブロック10Aに形成されたねじ穴10Aaに螺合させることにより、固定プレート9を梁板7A,7Bを挟んだ状態で固定リング10に固定する。
【0040】
これにより、梁板7A,7Bが固定プレート9と固定リング10との間に挟持され、さらに梁板7A,7Bが枠体2Bに固定されていることによって、バルブシャフトV5がバルブ修理治具1に対して、すなわち、ブローバルブVのバルブ本体に対して飛び出し不能に支持される。
【0041】
この状態で、次に、図8に示されるように、固定シリンダ5による仮軸6の固定を解除して、仮軸6を上方にスライドさせ、この仮軸6をヨークV3から抜き取ることによりヨークV3を取り外して、新しいヨークV3’と交換する。
グランド押さえV9も同様に新しいグランド押さえV9’に交換する。
【0042】
このとき、上述したように、バルブシャフトV5がバルブ修理治具1を介してブローバルブVのバルブ本体に飛び出し不能に支持されているので、仮軸6によるバルブシャフトV5の支持状態を解除しても、ブローバルブVが開状態になる虞はない。
【0043】
そして、図9に示されるように、仮軸6を下方にスライドさせて新しいヨークV3’およびグランド押さえV9’の軸孔に差し込み、その下端部をバルブシャフトV5の上端部に再度係合させて、バルブシャフトV5をその軸方向においてスライド不能に支持する。
この後、図10に示されるように、梁板7A,7B,固定プレート9および固定リング10を枠体2Bから取り外して、バルブシャフトV5の拘束状態を解除する。
【0044】
さらに、図11に示されるように、ヨークV3’およびグランド押さえV9’を下方にスライドさせて、仮軸6からバルブシャフトV5側に移動させた後、ボンネットV2に螺合させることによって、ブローバルブVに装着する。
【0045】
以上のようにして、ヨークV3およびグランド押さえV9の交換を終えた後、アーム13によるボンネットV2の把持状態を解除して、図12に示されるように、バルブ修理治具1をブローバルブVから取り外す。
そして、新しいハンドルV4をバルブシャフトV5に取り付けて、一連のバルブ修理作業を終了する。
【0046】
なお、上記において、交換されるヨークV3,グランド押さえV9およびハンドルV4は、炭素鋼製のものでもよいが、今後のメンテナンスを考慮すると、ブローバルブVのバルブ本体と同様に、ステンレス製のものを使用するのが好ましい。
【0047】
また、上記のバルブ修理治具1において、梁板7Aおよび7Bを、その一端部を枠体2Bに回動自在に軸支して、水平面内において回動させることによりバルブシャフトV5に連結させるようにしても良く、さらに、固定プレート9のプレート片9Aおよび固定リング10のブロック10Aを、それぞれ梁板7Aおよび7Bにスライド自在に取り付けておいてもよい。
【0048】
さらに、アーム13の少なくとも一方を枠体2Cに対して軸方向にスライド自在に取り付けておいて把持部13Aが他方の把持部13Aに対して接離する方向にスライドするようにしておいてもよい。
さらにまた、固定シリンダ5によって仮軸6を抜け落ち不能に支持するようにしておいてもよい。
このように、仮軸6,梁板7A,7B,固定プレート9,固定リング10およびアーム13を、バルブ修理治具1のフレームに分離しないように取り付けておくことにより、持ち運びや修理作業を行う際の取り扱いが容易になる。
【0049】
なお、以上においては、LNGのような極低温の液体を導通する配管に接続されたブローバルブに適用された本発明の実施形態について説明を行ったが、このバルブ修理治具1およびこれを用いたバルブ修理方法は、上記の他、ガスや水道などの導管および各種プラントにおける配管に接続された開閉バルブにも適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバルブ修理治具の実施形態における一例を示す斜視図である。
【図2】同例の部分拡大図である。
【図3】本発明によるバルブ修理方法の実施形態における修理手順の最初の工程を示す説明図である。
【図4】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図5】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図6】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図7】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図8】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図9】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図10】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図11】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図12】同バルブ修理方法の実施形態における修理手順の次の工程を示す説明図である。
【図13】図4の修理手順をさらに詳細に説明するための斜視図である。
【図14】図7の修理手順をさらに詳細に説明するための斜視図である。
【図15】本発明の修理対象となる開閉バルブの一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 …バルブ修理治具
2 …本体
5 …固定シリンダ
6 …仮軸(軸部材)
7A,7B…梁板(係止部材)
9 …固定プレート(係止部材)
10…固定リング(係止部材)
13…アーム(固定部材)
13A…把持部(固定部材)
V …ブローバルブ(開閉バルブ)
V1…バルブボディ(ケーシング)
V2…ボンネット(ケーシング)
V3…ヨーク(操作部の部品)
V4…ハンドル(操作部の部品)
V5…バルブシャフト
V9…グランド押さえ(操作部の部品)
P …配管
Claims (2)
- 配管に取り付けられた開閉バルブの操作部の部品を開閉バルブの配管への取り付け状態のまま交換するバルブ修理治具であって、
開閉バルブの操作部を囲むように配置される本体と、
この本体に設けられて本体を開閉バルブのケーシングに対してバルブシャフトの軸方向において移動不能に固定する固定部材と、
前記本体に設けられて開閉バルブのバルブシャフトと同軸状に位置されるとともに一端部がバルブシャフトの先端部に係合する位置において本体に移動不能に係止される軸部材と、
前記本体に設けられてこの本体が固定された開閉バルブのバルブシャフトに係合することによりこのバルブシャフトを本体に対してスライド不能に係止する係止部材と、
を備えていることを特徴とするバルブ修理治具。 - 配管に取り付けられた開閉バルブの操作部の部品を開閉バルブの配管への取り付け状態のまま交換するバルブ修理方法であって、
修理治具の本体を開閉バルブの操作部を囲むように配置してこの本体を開閉バルブのケーシングに対してバルブシャフトの軸方向において移動不能に固定し、
前記修理治具の本体に取り付けられた軸部材の端部を前記開閉バルブのバルブシャフトに同軸状に係合させるとともに、この状態で軸部材を本体に移動不能に係止し、
前記開閉バルブのバルブシャフトに嵌合されている操作部の部品を開閉バルブのケーシングまたはバルブシャフトから取り外してバルブシャフトから前記軸部材側に移動し、
前記操作部の部品が取り外されたバルブシャフトを前記修理治具の本体に取り付けられたバルブシャフト係止部材によって本体にスライド不能に係止し、
前記軸部材の修理治具の本体に対する係止状態を解除して軸部材を前記バルブシャフトから引き離し、
このバルブシャフトから引き離された軸部材から前記操作部の部品を取り外して交換用の部品を軸部材に取り付け、
この交換用の部品が取り付けられた軸部材を再度前記バルブシャフトに同軸状に係合させるとともに修理治具の本体に移動不能に係止し、
前記バルブシャフトのバルブシャフト係止部材による修理治具の本体への係止状態を解除し、
この係止状態が解除されたバルブシャフトに前記軸部材から交換用の部品を移動させて開閉バルブのケーシングまたはバルブシャフトに取り付ける、
ことを特徴とするバルブ修理方法。
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