JP3633300B2 - プログラム書換え装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に搭載された電子制御装置に格納された制御プログラムやデータを書き換えるプログラム書換え装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来の電子制御装置のプログラム書換え装置の構成を示すブロック図である。図2において、1は自動車、2は自動車1に搭載された各種電子制御装置、3は電子制御装置2を駆動するための電源、即ちバッテリである。電子制御装置2及びバッテリ3は自動車1に搭載されている。
【0003】
4は自動車1に搭載された電子制御装置2及びバッテリ3と書換え装置(後述する)とを接続するハーネスであり、このハーネス4は電源ライン、通信ライン、書換え制御ラインから構成されている。
【0004】
5はハーネス4を介して、自動車1と接続される書換え装置であり、周辺IC7と書換え装置5全体を制御するCPU6と、書換え装置5を制御するプログラム及び自動車に搭載されている電子制御装置2の制御プログラムを書換えるためのプログラム或いはデータを格納し、又各電子制御装置に対応した制御プログラムやデータをも格納する記憶部8とを備えている。
書換え装置5は、ハーネス4を介してバッテリ3より電源電圧が供給されて駆動される。CPU6、周辺IC7及び記憶部8は互いにバスを介してに相互に接続されている。
【0005】
次に、従来装置におけるプログラム書換え手法について説明する。
オペレータは、自動車1に搭載されている電子制御装置2内の制御プログラムやデータの内容を一部変更したい場合、まず、自動車1内の電子制御装置2と書換え装置5内のCPU6とを、周辺IC7やハーネス4を介して接続する。これにより、書換え装置5内のCPU6は、ハーネス4の通信ライン、書換え制御ラインを使って電子制御装置2と書き換えのための通信ができる状態となる。
【0006】
書換え接続完了後、書換え装置5内のCPU7は、電子制御装置2に対して制御プログラム等を書き換えるためのデータ或いはプログラムを記憶部8から読み出して書き換えを実行する。ここで、電子制御装置2へ書き込むべき各種車両対応の制御プログラムやデータは記憶部8に予め蓄えられている。
【0007】
CPU6は、当該車両に対応した制御プログラムやデータを記憶部8から読み出し、同じく記憶された例えば書き換え用のプログラムを実行して書き換えを行い、ハーネス4を経由して書き換え後の制御プログラムやデータを電子制御装置2へ転送して図示しないメモリに書き込む。
【0008】
一般に、自動車に搭載されている電子制御装置2内の制御プログラムやデータは、容易に解析されてはならない。しかし、従来の書換え装置5は内部に組み込まれた記憶部8に電子制御装置の制御プログラムやデータ及び書き換えるためのデータ或いはプログラム等全てが記憶されているため、書換え装置5から記憶部8が取外されると制御プログラムやデータは容易に解析されるという心配があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の書換え装置は、以上のように、記憶部に書換え装置制御用のプログラムに加え、自動車内の電子制御装置に書き込むべき制御プログラムやデータをすべて書換え装置内の記憶部に格納していたため、大きな記憶容量が必要で且つ、電子制御装置2へ書き込むべき制御プログラムやデータは容易に解析されてしまうという問題点があった。又、記憶部に保管されている各種の制御プログラムやデータは、順番に配列されて保管されているために更に解析を容易にするという問題点があった。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、記憶部の容量を小さくできると共に、記憶された制御プログラムやデータの解析を他人にとって困難にして信頼性の高いプログラム書換え装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るプログラム書換え装置は、電源ライン、通信ライン、及び書換え制御ラインから構成されているハーネスを介して、自動車に搭載された電子制御装置及びバッテリに接続される周辺ICと、前記電子制御装置に格納された制御プログラム或いはデータを一時格納するためのメモリカードと、暗号化及び解読プログラム、変更用データ、並びに通信プログラムを記憶する記憶部と、前記電子制御装置に格納された制御プログラム或いはデータの一部を変更して書き換えるCPUと、前記周辺IC、前記メモリカード、前記記憶部、及び前記CPUを相互に接続するバスとを備え、前記CPUは、前記記憶部に記憶された前記通信プログラムの実行により、前記電子制御装置に格納されている制御プログラム或いはデータを、前記ハーネス及び前記周辺ICを介して読み込んで前記メモリカードに一時格納し、前記記憶部に記憶された前記暗号化プログラムの実行により、前記メモリカードに一時格納された制御プログラム或いはデータを暗号化し、前記記憶部に記憶された変更用データに基づき、前記メモリカードに一時格納された暗号化制御プログラム或いはデータの一部を変更し、前記記憶部に記憶された前記解読プログラムの実行により、前記メモリカードに一時格納され変更された暗号化制御プログラム或いはデータを解読して前記周辺IC及び前記ハーネスを介して前記電子制御装置に送信し、解読された変更制御プログラム或いはデータを前記電子制御装置に送信した後、前記メモリカードに一時格納された制御プログラム或いはデータを消去するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の構成を示すブロック図である。構成は、ほぼ前述と同様のものであるが、自動車1内の電子制御装置2から記憶手段としてのメモリカード9に読込んだ制御プログラムやデータを暗号化及び解読する本実施の形態におけるデータ処理手段としてのCPU6A、暗号化及び解読プログラム、メモリカード9に読込んだ制御プログラムやデータを変更するための変更用データ、通信プログラム等を記憶した記憶部8を搭載することを特徴とする。
【0013】
次に、この実施の形態の動作について説明する。自動車1に搭載されている電子制御装置2内の制御プログラムやデータの一部を変更して書き換えたい場合、まず、自動車1内の電子制御装置2と本実施の形態による書換え装置5A内のCPU6A間で周辺IC7やハーネス4を介して通信ラインを形成する。これにより、書換え装置5A内のCPU6Aはハーネス4を形成する通信ライン、書換え制御ラインを使って書き換えのためのデータ通信を電子制御装置2と行える状態となる。
【0014】
通信ライン形成後、書換え装置5A内のCPU6Aは、記憶部8から通信プログラムを読出し実行する。実行により電子制御装置2に記憶されている制御プログラムやデータが、ハーネス4や周辺IC7を介して書換え装置5A内に読み込まれてメモリカード9に一時格納される。
【0015】
メモリカード9に一時格納された制御プログラムやデータは、記憶部8に記憶されている暗号化プログラムに基づき加減算等の演算が施されて暗号化された後に、メモリカード9に戻され格納保管される。従って、制御プログラム或いはデータは容易に解析されることなく保管できる。
【0016】
次に、保管された暗号化制御プログラム或いはデータは、記憶部8に記憶された変更用データに基づき一部分或いは広い範囲に亘って変更される。変更された制御プログラム或いはデータは、CPU6Aにより加減算等の演算を施して暗号を解読した後、周辺IC7やハーネス4を介して自動車1内の電子制御装置2に送信されてメモリ上でに元の制御プログラム或いはデータに上書きされる。このように、元の制御プログラムやデータが変更後の制御プログラムやデータに書き換えられたならば、メモリカード9に記憶された制御プログラムやデータは消去されてクリアされる。
【0017】
尚、上記実施例では、電子制御装置2より読み出された制御プログラムやデータはメモリカード9に記憶したが、記憶媒体はRAM(ランダムアクセスメモリ)やフラッシュROM等でも問題ない。
又、暗号化の手法として加減算と表記したが、暗号キーを用いた方法やメモリカード9への配置を変更する手段など暗号化手段であればどのような手段であっても問題ない。
【0018】
暗号化を施すタイミングについても上記実施の形態では、書換え装置5A内で実施すると表記したが電子制御装置2と書換え装置5A間でデータ通信する際に暗号化或いは解読してもよく、同様の効果が得られる。
尚、本実施の形態では、電子制御装置2はメモリに記憶された制御プログラムやデータを一括して書き換えたが、このメモリにフラッシュEEPROMを使用し、変更部分を含むブロック単位でデータ等を変更し、且つ、ブロック単位でデータを書き換えてもよい。この結果、データ転送時間を短縮できると共に、小容量のメモリカードで済む。
【0019】
本実施の形態によれば、書換え装置5A内の記憶部8には、電子制御装置2に書込むべき全ての制御プログラムやデータを記憶しないで、メモリカード9に変更を要する制御プログラムやデータを記憶するようにしたため、記憶部8に書換え処理に要する多くのプログラムやデータを格納することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、電子制御装置のプログラムやデータ中、変更を要するプログラムやデータを記憶手段に暗号化して一時格納し、この暗号化されたプログラムやデータを変更して電子制御装置2に送信するようにしたため、記憶手段のメモリ容量を小さくできると共に、プログラムやデータを解析困難に格納することができるため信頼性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るプログラム書換え装置のブロック図である。
【図2】従来のプログラム書換え装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 自動車、 2 電子制御装置、 3 バッテリ、 4 ハーネス、 5A 書換え装置、 6A CPU、 7 周辺IC、 8 記憶部、 9 メモリカード。
Claims (1)
- 電源ライン、通信ライン、及び書換え制御ラインから構成されているハーネスを介して、自動車に搭載された電子制御装置及びバッテリに接続される周辺ICと、
前記電子制御装置に格納された制御プログラム或いはデータを一時格納するためのメモリカードと、
暗号化及び解読プログラム、変更用データ、並びに通信プログラムを記憶する記憶部と、
前記電子制御装置に格納された制御プログラム或いはデータの一部を変更して書き換えるCPUと、
前記周辺IC、前記メモリカード、前記記憶部、及び前記CPUを相互に接続するバスとを備え、
前記CPUは、前記記憶部に記憶された前記通信プログラムの実行により、前記電子制御装置に格納されている制御プログラム或いはデータを、前記ハーネス及び前記周辺ICを介して読み込んで前記メモリカードに一時格納し、
前記記憶部に記憶された前記暗号化プログラムの実行により、前記メモリカードに一時格納された制御プログラム或いはデータを暗号化し、
前記記憶部に記憶された変更用データに基づき、前記メモリカードに一時格納された暗号化制御プログラム或いはデータの一部を変更し、
前記記憶部に記憶された前記解読プログラムの実行により、前記メモリカードに一時格納され変更された暗号化制御プログラム或いはデータを解読して前記周辺IC及び前記ハーネスを介して前記電子制御装置に送信し、
解読された変更制御プログラム或いはデータを前記電子制御装置に送信した後、前記メモリカードに一時格納された制御プログラム或いはデータを消去する
ことを特徴とするプログラム書換え装置。
Priority Applications (1)
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JP22912598A JP3633300B2 (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | プログラム書換え装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP22912598A JP3633300B2 (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | プログラム書換え装置 |
Publications (2)
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Family
ID=16887152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22912598A Expired - Lifetime JP3633300B2 (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | プログラム書換え装置 |
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-
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