JP3632412B2 - スペクトル拡散通信システムおよびスペクトル拡散通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号化を施した通信データによって変調された搬送波を送信し、受信した搬送波を復調して通信データを復号するスペクトル拡散通信システムおよびスペクトル拡散通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスペクトル拡散通信システムに用いられている送信機および受信機の例を、それぞれ図7および図8に示してある。図7に示すように、スペクトル拡散通信システムに用いられる送信機70は、符号化を施した通信データを出力する通信データ生成装置71と、この通信データによって搬送波を変調して送信する出力装置72とを有している。
【0003】
通信データ生成装置71は、入力端子11を備えており、この入力端子11には、送信するデジタルデータとして+1と−1の2つのレベルを取る2値信号が入力される。この2値信号はシンボルレートで変化する信号である。入力端子11に入力された送信データ(2値信号)は、乗算器73において拡散符号発生器74の出力と乗算されて符号化処理が施され、その後、出力装置72に供給される。拡散符号発生器74の出力は+1と−1の2つのレベルを取る疑似ランダム系列であり、シンボルレートより高速なチップレートで変化する。このようにして、通信データ生成装置71から符号化が施された通信データが出力装置72に出力される。一方、出力装置72は、搬送波を出力する局部発振器25と、供給された通信データによって搬送波を変調する変調器24とを備えており、変調器24の出力は周波数変換部26において空間を伝搬する周波数に変換され、その後、増幅器27において増幅される。増幅された後は、アンテナ28より送信される。
【0004】
一方、図8に示すように、スペクトル拡散通信システムの受信機80は、受信した信号を復調して通信内容を示す符号化が施された通信データに変換する入力装置81と、この符号化が施された通信データを復号する受信データ生成装置82とを有している。
【0005】
入力装置81は、アンテナ31を備えており、このアンテナ31に入力された受信信号は増幅器32で増幅された後、周波数変換部33において中間周波数に変換される。この中間周波数信号は、局部発振器35の出力する搬送波と共にミキサ34に入力されて、ベースバンド信号に変換され、受信データ生成部82に供給される。
【0006】
受信データ生成装置82は、乗算器43を備えており、入力装置81から供給された信号が乗算器43において送信側と同一の疑似ランダム系列と乗算される。この疑似ランダム系列を送信側と同一の位相にするために、乗算器43の出力は積分器45に入力されて送信データの1シンボル継続時間の積分操作の後、同期回路46によって積分出力の振幅が最大となるように拡散符号発生器44の位相が制御される。積分器45の出力はさらに識別器47に入力されて信号振幅の正負が判定された後、出力端子42に出力される。
【0007】
このようなスペクトル拡散通信システムにおいて情報伝送速度を上げるために、送信機70の入力端子11に供給される送信データのシンボルレートを上げると拡散比が確保できなくなる。一方、スペクトル拡散通信システムでは、互いに直交する複数の拡散信号を用いて情報を多重化して送信することにより、1度に送信できる情報量を増やすことができる。従って、情報を多重化して送信すれば情報伝送速度を実質的に高めることができる。このようなスペクトル拡散通信システムは特開平7−145365号公報等に開示されており、この多重化したスペクトル拡散通信システムの送信機および受信機の例を、それぞれ、図9および図10に示してある。
【0008】
図9に示す送信機75の通信データ生成装置71は、入力端子11から入力された送信データ(シリアルデータ)をパラレルデータに変換する直列−並列変換回路14を備えている。この直列−並列変換回路14で分離された各々のパラレルデータは、対応する乗算器18、19および20において拡散符号が乗算される。ここで、それぞれの拡散符号発生器15、16および17は互いに直交する拡散符号を出力するようになっており、拡散符号が乗算されたデータは加算器21において加算されて情報が多重化される。加算器21の出力は、前述したように、出力装置72の変調器24において局部発振器25からの搬送波を変調する。変調器24からの出力は、周波数変換部26において周波数変換された後、増幅器27において増幅され、アンテナ28より送信される。
【0009】
図10に示す受信機85は、前述した受信機80の入力装置81と同様の入力装置81を有しており、この入力装置81によって生成されたペースバンド信号は、3つのパラレルデータに分岐して受信データ生成装置82のパラレルデータ生成装置38、39および40に供給される。パラレルデータ生成装置38、39、40に供給されたパラレルデータは、その各々に送信側と同一でかつ位相も一致している拡散符号が乗算され、その後、並列−直列変換回路41においてシリアルデータに変換されて出力端子42より出力される。なお、このような受信機85の情報伝送速度は多重数に比例して増加する。
【0010】
ここで、局部発振器25の出力する搬送波周波数をωとし、また、変調方式をBPSK(Binary Phase Shift Keying) とする。このようにすると、乗算器18、19およぼ20の出力を加算器21で加算した出力Vaddは下式(1)で表される。
【0011】
【数1】
【0012】
従って、変調器24の出力Vは下式(2)で表される。
【0013】
【数2】
【0014】
このように、通信データの振幅は4つのレベルを取る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、送信機と受信機を結ぶ伝搬経路が複数存在するマルチパスが形成されると、フェージングによって通信データの振幅が変動することがある。上述した多重化したスペクトル拡散通信システムでは、振幅に情報をのせているため、マルチパスのフェージングによる振幅変動があると通信データの品質が劣化してしまう。特に、多重数が増大すると、通信データの振幅レベルも増え、マルチパスの影響はより大きくなる。
【0016】
チップレートに比較して充分遅い振幅変動に対しては、自動利得制御(AGC)回路を設けることによりマルチパスの影響を抑制できる。しかしながら、AGC回路の応答をチップレート程度まで高めると、チップレートで変化する信号の振幅成分そのものをつぶしてしまい、AGC回路によって通信データの品質が劣化してしまう。このため、AGC回路によってはチップレート程度の高速な振幅変動には対応できない。高速な振幅変動に対応するには、複雑な回路構成およびその制御を必要とするため、スペクトル拡散通信システムが高価なものとなり、汎用性を欠いてしまう。
【0017】
そこで、本発明においては、高速な情報伝送速度を持ちつつ、簡易な回路構成で振幅変動の影響を抑制できるスペクトル拡散送信装置および受信装置を備えた通信システムおよび通信方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のスペクトル拡散通信システムおよびスペクトル拡散通信方法においては、パラレルデータのそれぞれに直交化した拡散符号を乗算してベースバンド帯にて加算することにより第1の符号化データを生成した後にさらに、、この第1の符号化データを基準値との比をとって第2の符号化データに変換し、この第2の符号化データと上記基準値を示す基準データとを同一のチップレートで異なる時刻に通信データとして出力するようにしている。一方、受信側では、受信した信号を復調して第2の符号化データと基準データとを含む通信データを取得し、第2の符号化データを基準値で除算して第1の符号化データを生成するようにしている。
【0019】
すなわち、本発明のスペクトル拡散通信システム用の送信装置では、符号化された通信データを出力する通信データ生成装置と、この通信データによって搬送波を変調して送信する出力装置とを有する送信装置において、通信データ生成装置は、入力されるシリアルデータを複数のパラレルデータに変換し、各々のパラレルデータと直交化された拡散符号とを乗算して加算することにより第1の符号化データを生成する第1の符号化装置と、この第1の符号化データを基準値との比の第2の符号化データに変換し、この第2の符号化データおよび前記基準値を示す基準データとを同一のチップレートで異なる時刻に前記通信データとして出力する第2の符号化装置とを備えていることを特徴としている。
【0020】
また、本発明のスペクトル拡散通信システム用の受信装置では、受信した信号を復調して通信内容を示す第2の符号化データおよび基準値を示す基準データを含む通信データを取得する入力装置と、通信データを複合する受信データ生成装置とを有し、受信データ生成装置は、第2の符号化データを基準値で除算して第1の符号化データを生成する第1の復号装置と、この第1の符号化データに直交化された拡散符号を乗算して複数のパラレルデータを生成し、これら複数のパラレルデータをシリアルデータに変換して出力する第2の復号装置とを備えていることを特徴としている。
【0021】
このような送信装置および受信装置を用いた本発明のスペクトル拡散通信システムあるいはスペクトル拡散通信方法では、符号化された通信データによって変調された搬送波を送信し、受信した搬送波が復調された通信データを復号するスペクトル拡散通信システムあるいはスペクトル拡散通信方法において、通信データは、入力されるシリアルデータを複数のパラレルデータに変換し、各々のパラレルデータと直交化された拡散符号とを乗算して加算することにより第1の符号化データに変換する第1の符号化処理と、第1の符号化データを基準値との比の第2の符号化データに変換し、この第2の符号化データおよび基準値を示す基準データとを同一のチップレートで異なる時刻に通信データとして出力する第2の符号化処理が施されていることを特徴としている。
【0022】
このような本発明のスペクトル拡散通信システムおよびスペクトル拡散通信方法では、基準値を示す基準データおよび第2の符号化データの双方がほぼ同様に振幅変動の影響を受けるので、復号するときに第2の符号化データを基準値で除算することにより振幅変動の影響を相殺することができ、正確な第1の符号化データを再生できる。従って、マルチパスのフェージングによる振幅変動があっても多重化された通信データの品質の劣化を防止できる。また、高速な振幅変動に対応するための複雑な回路構成およびその制御が不要である。従って、高速な情報伝送速度を持ちつつ、簡易な回路構成で振幅変動の影響を抑制できる汎用性に優れたスペクトル拡散通信システムを実現できる。
【0023】
なお、基準データは常に決められた値ではなく、時間とともに変動するようにしても良い。また、送信装置として、2組の通信データ生成装置とを有し、出力装置に、2組の通信データ生成装置のそれぞれの通信データによって搬送波を直交変調するようにした装置を採用することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明を適用したスペクトル拡散通信システムを説明する。図1に、本例のスペクトル拡散通信システムの送信装置の概略構成を示し、図2に、本例のスペクトル拡散通信システムの受信装置の概略構成をブロック図を用いて示してある。本例の送信装置2は、±1の2つのレベルを取る2値信号がシンボルレートで変化する送信データ(シリアルデータ)φ1が入力される装置であり、このシリアルデータφ1を符号化して通信データφ2として出力する通信データ生成装置3と、この通信データφ2によって搬送波を変調して送信する出力装置4とを有している。
【0025】
通信データ生成装置3は、シリアルデータφ1が入力される入力端子11と、入力端子11に入力されたシリアルデータφ1を複数のパラレルデータに変換し、各々のパラレルデータを直交化された拡散符号とを乗算して加算することにより第1の符号化データφ3を生成する第1の符号化装置12と、この第1の符号化データφ3を所定の基準値との比の第2の符号化データφ4に変換し、この第2の符号化データφ4と基準値を示す基準データφ5とを同一のチップレートで異なる時刻に通信データφ2として出力する第2の符号化装置13とを有している。
【0026】
第1の符号化装置12は、入力端子11に入力されたシリアルデータφ1を3つのパラレルデータφ6に変換する直列−並列変換器14と、この直列−並列変換器14の並列数に等しい数だけ互いに直交化された拡散符号を発生する第1、第2および第3の拡散符号発生器15、16および17と、パラレルデータφ6の各々と第1、第2および第3の拡散符号発生器15、16および17の出力する拡散符号とを乗算する乗算器18、19および20と、これらの乗算器18、19および20によって乗算された信号を加算する加算器21とを備えている。
【0027】
第2の符号化装置13は、第1の符号化装置12からの第1の符号化データφ3を所定の基準値との比の第2の符号化データφ4に変換する第1の除算回路22と、この第2の符号化データφ4および基準値を示す基準データφ5とを同一のチップレートで異なる時刻に通信データφ2として出力する送信演算回路23とを備えている。
【0028】
出力装置4は、通信データ生成装置3からの通信データφ2(第2の符号化データφ4および基準データφ5)によって搬送波を変調する変調器24と、搬送波を出力する局部発振器25と、変調器24において変調された通信データφ2の周波数を変換する周波数変換部26と、周波数変換部26から出力された通信データφ2を増幅する増幅器27と、増幅器27において増幅された通信データφ2を送信するアンテナ28とを備えている。
【0029】
一方、図2に示すように、本例のスペクトル拡散通信システムの受信装置5は、受信した信号を復調して通信内容を示す第2の符号化データφ4および基準値を示す基準データφ5を含む通信データφ2を取得する入力装置6と、入力装置6で取得した通信データφ2を復号する受信データ生成装置7とを有している。
【0030】
入力装置6は、通信データφ2を受信するアンテナ31と、アンテナ31で受信した通信データφ2を増幅する増幅器32と、増幅器32で増幅された通信データφ2を中間周波数信号に変換する周波数変換部33と、中間周波数信号をベースバンド信号に変換するミキサ34および局部発振器35とを備えている。
【0031】
受信データ生成装置7は、第2の符号化データφ4を基準値で除算して第1の符号化データφ3を生成する第1の符号装置としての第2の除算回路36と、この第1の符号化データφ3に直交化された拡散符号を乗算して複数のパラレルデータφ2を生成し、これらの複数のパラレルデータφ6をシリアルデータφ1に変換して出力する第2の復号装置37とを備えている。第2の復号装置37は3つパラレルデータφ6を生成するための3組のパラレルデータ生成装置38、39および40と、これらのパラレルデータ生成装置38、39および40によって生成されたパラレルデータφ6をシリアルデータφ1に変換する並列−直列変換回路41と、シリアルデータφ1を出力するための出力端子42とを備えている。各パラレルデータ生成装置38、39および40は、従来の受信装置85のパラレルデータ生成装置と同様に、それぞれ、乗算器43、拡散符号発生器44、積分器45、同期回路46および識別器47を備えている。
【0032】
次に、本例の送信装置3および受信装置5を用いたスペクトル拡散通信について説明する。図3には送信装置2におけるデータ処理をフローチャートを用いて示してある。まず、ステップST1において、入力端子11にシリアルデータφ1が入力されると、ステップST2で直列−並列変換回路14において3つのパラレルデータに分割され、それぞれのパラレルデータφ6は対応する乗算器18、19および20において直交化された拡散符号が乗算される。各拡散符号発生器15、16および17からは互いに直交化された拡散符号が出力され、情報を多重化できるようになっている。各乗算器18、19および20において拡散符号が乗算されたパラレルデータφ6は加算器21において全加算されて第1の符号化データφ3とされる。
【0033】
この第1の符号化データφ3は第2の符号化装置13において第2の符号化処理100が施される。すなわち、ステップST3において、第1の符号化データφ3は、第2の符号化装置13の第1の除算回路22において予め決められた基準値との比の第2の符号化データφ4に変換される。次に、ステップST4において、第2の符号化データφ4は、送信演算回路23で上記の基準値を示す基準データφ5と共に同一のチップレートで異なる時刻に出力される。本例では、例えば、(3、−5)と変化する第1の符号化データφ3に対して基準値を1に選ぶと、図4(A)に示すように、第2の符号化データφ4は(3、−5)というデータになる。そして、この第2の符号化データφ4と1という基準値を示す基準データφ5は、異なった時刻で最小のチップレート単位で送信演算回路23から出力される。すなわち、第2の符号化データφ4と基準値を示す基準データφ5が交互に出力される。
【0034】
次に、ステップST5において、第2の符号化データφ4と基準データφ5によって局部発振器25から出力された搬送波を変調する。本例では、変調器24における変調方式がBPSKである場合、図4(B)に示すように、基準データφ5との比の値が3の第2の符号化データφ4は、基準データφ5の信号と同位相で3倍の振幅、比の値が−5の第2の符号化データφ4は、基準データφ5の信号と逆位相で5倍の振幅の正弦波の信号に変換される。
【0035】
最後に、変調器24の出力信号は、従来のスペクトル拡散通信システム用の送信機85と同様に、周波数変換部26、増幅器27で適当な処理が施された後に、アンテナ28から送信される。
【0036】
図5には受信装置5におけるデータ処理のフローチャートを示してある。受信装置5においては、まず、ステップST11で、アンテナ31で第2の符号化データφ4および基準データφ5によって変調された搬送波を受信すると、その搬送波は増幅器32で増幅され、周波数変換部33で中間周波数信号に変換される。次に、ステップST12で、中間周波数信号はミキサ34において復調されて第2の符号化データφ4および基準データφ5に変換され、受信データ生成装置7に出力される。次に、ステップST13で、受信データ生成装置7の第2の除算回路36において、第2の符号化データφ4と基準データφ5との比を除算によって求めることにより、第1の符号化データφ3に変換する。すなわち、第1の復号処理が施される。この時、第2の符号化データφ4および基準データφ5が振幅変動を受けても除算によってその影響が相殺されるため、正確な第1の符号化データφ3を取得できる。次に、ステップST14において、第1の符号化データφ3は第2の復号処理が施される。すなわち、第1の符号化データφ3は分岐して、各パラレルデータ生成装置38、39および40においてパラレルデータφ6に変換された後、並列−直列変換回路41でシリアルデータφ1に変換される。復号時には通信データφ2に先立ってヘッダー等を用いて同期をとることが可能であり、送信された所定のタイミングで第2の符号化データφ4と基準データφ5を分離して復号処理をすることができる。
【0037】
このように本例の送信装置2および受信装置5を備えたスペクトル拡散通信システムでは、マルチパスのフェージングによる振幅変動を受けると、第2の符号化データφ4と共に基準データφ5もほぼ同程度の振幅変動を影響を受ける。このため、第2の符号化データφ4を基準データφ5によって除算すると、振幅変動の影響が相殺された第1の符号化データφ3を得ることができる。従って、本例の送信装置2および受信装置5を備えたスペクトル拡散通信システムによれば、送信装置2において生成された第1の符号化データφ3を正確に再生できる。また、本例の送信装置2においては、第2の符号化データφ4と基準データφ5を交互に送信するようにしており、第2の符号化データφ4とそのデータφ4を除算するための基準データφ5を一対にして送信するようにしているので、マルチパスの影響を最小限に抑えることができる。すなわち、第2の符号化データφ4と基準データφ5とを送信する時間間隔を長くすると、それぞれのデータが受ける振幅変動が大きさが異なる可能性があるが、本例では、このような弊害を回避できる。従って、マルチパスのフェージングによる振幅変動があっても多重化された通信データの品質の劣化を防止できる。また、高速な振幅変動に対応するための複雑な回路構成およびその制御が不要である。従って、簡易な回路構成で振幅変動の影響を抑制できる汎用性に優れたスペクトル拡散通信システムを実現できる。
【0038】
なお、図4(A)の例では、第2の符号化データφ4と基準値を示す基準データφ5とを交互に出力している様子を示しているが、この例に限定されることはない。例えば、複数個の第2の符号化データφ4につき1個の基準データφ5を送信するようにしても良い。この場合、受信装置5では、1チップの基準値により変調された信号を用いて複数チップの比を求める除算を行うようにすれば良い。但し、マルチパス等の影響が第2の符号化データφ4と基準データφ5に均等に現れるようにするには基準データφ5の送信インターバルをあまり長くしないほうが好ましい。また、基準値は必ずしも1である必要はなく、また、時間とともに値が変動する、例えば、疑似ランダムな値にしても良い。ランダムに変動する基準値を採用すると、特定のタイミングで特定のデジタル値が現れることに起因する信号の劣化を防止できるので望ましい。
【0039】
図6に本発明の送信装置の異なった例を示してある。図6に示す送信装置2aは、2組の通信データ生成装置3aおよび3bを有し、出力装置4は、2組の通信データ生成装置3aおよび3bのそれぞれの通信データによって搬送波を直交変調する直交変調器24aを備えている。それぞれの通信データ生成装置3a、3b、および出力装置4の構成は上述した例とほぼ同様であるので同一符号を付して説明は省略する。
【0040】
送信装置2aは、入力端子11に入力されたシリアルデータφ1を2つのパラレルデータIおよびQに分離する直列−並列変換装置14aを備えている。このような送信装置2aにおいて、入力端子11から入力されたシリアルデータφ1は、直列−並列変換回路14aによって2つのパラレルデータIおよびQに分離され、その各々が2組の通信データ生成装置3aおよび3bに入力される。それぞれの通信データ生成装置3aおよび3bでは、前述した通信データ生成装置3と同様に、通信データ生成装置3aおよび3bに入力されたデータを3つのパラレルデータに分離した後、その各々に直交化された拡散符号を乗算し、それらをベースバンド帯にて加算して第1の符号化処理を施す。さらに、この第1の符号化処理が施された第1の符号化データをあらかじめ決められた基準値との比の第2の符号化データに変換して、基準データと共に同一のチップレートで異なる時刻に出力する。そして、出力装置4では、2組の通信データ生成装置3aおよび3bからのそれぞれの第2の符号化データおよび基準データによって、局部発振器25の出力する搬送波を直交変調器24において直交変調する。従って、この送信装置2aは、変調するときに再び多重化することによって前述した送信装置2の2倍のデータを送信可能であり、この結果、伝送速度も2倍となる。また、このようにして送信された通信データφ2を受信する受信装置においては、直交変調器を用いて変調した後に多重化されたデータを分離することができ、それぞれの分離されたデータに対し上記と同様の復調処理を行うことにより通信されたデータを再生することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の多重化したスペクトル拡散通信システムとは異なり、第1の符号化データを基準値とその比である第2の符号化データで表しているため、基準値および第2の符号化データの双方がほぼ同様な振幅変動の影響を受け、これらを除算することにより振幅変動の影響を相殺することができる。従って、マルチパスのフェージングによる振幅変動があっても多重化された通信データの品質の劣化を防止できる。また、高速な振幅変動に対応するための複雑な回路構成およびその制御が不要できる。従って、高速な情報伝送速度を持ちつつ、簡易な回路構成で振幅変動の影響を抑制できる汎用性に優れたスペクトル拡散通信システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したスペクトル拡散通信システムの送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用したスペクトル拡散通信システムの受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す送信装置におけるデータ処理のフローチャートである。
【図4】図4(A)は送信演算回路の出力の一例を示す図であり、図4(B)は変調器の出力の一例を示す図である。
【図5】図2に示す受信装置におけるデータ処理のフローチャートである。
【図6】図1とは異なる例の送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】従来のスペクトル拡散通信システムの送信機の概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来のスペクトル拡散通信システムの受信機の概略構成を示すブロック図である。
【図9】従来の多重化したスペクトル拡散通信システムの送信機の概略構成を示すブロック図である。
【図10】従来の多重化したスペクトル拡散通信システムの受信機の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2、2a・・スペクトル拡散通信システムの送信装置
3、3a、3b・・通信データ生成装置
4・・出力装置
5・・スペクトル拡散通信システムの受信装置
6・・入力装置
7・・受信データ生成装置
12・・第1の符号化装置
13・・第2の符号化装置
14、14a・・直列−並列変換回路
15、16、17・・拡散符号発生器
18、19、20・・乗算器
21・・加算器
22・・第1の除算器
23・・送信演算回路
24・・変調器
24a・・直交変調器
25・・局部発振器
36・・第2の除算回路(第1の復号装置)
37・・第2の復号装置
38、39、40・・パラレルデータ生成装置
41・・並列−直列変換装置
Claims (8)
- 符号化された通信データを出力する通信データ生成装置と、この通信データによって搬送波を変調して送信する出力装置とを有するスペクトル拡散通信システム用の送信装置において、
前記通信データ生成装置は、入力されるシリアルデータを複数のパラレルデータに変換し、各々のパラレルデータと直交化された拡散符号とを乗算して加算することにより第1の符号化データを生成する第1の符号化装置と、
この第1の符号化データを基準値との比の第2の符号化データに変換し、この第2の符号化データおよび前記基準値を示す基準データとを同一のチップレートで異なる時刻に前記通信データとして出力する第2の符号化装置とを備えていることを特徴とするスペクトル拡散通信システム用の送信装置。 - 請求項1において、前記基準データは時間とともに変動することを特徴とするスペクトル拡散通信システム用の送信装置。
- 請求項1において、2組の前記通信データ生成装置を有し、前記出力装置は、前記2組の通信データ生成装置のそれぞれの通信データによって搬送波を直交変調することを特徴とするスペクトル拡散通信システム用の送信装置。
- 受信した信号を復調し、通信内容を示す第2の符号化データおよび基準値を示す基準データを含む通信データを取得する入力装置と、
前記通信データを復号する受信データ生成装置とを有し、
前記受信データ生成装置は、前記第2の符号化データを前記基準値で除算して第1の符号化データを生成する第1の復号装置と、
この第1の符号化データに直交化された拡散符号を乗算して複数のパラレルデータを生成し、これら複数のパラレルデータをシリアルデータに変換して出力する第2の復号装置とを備えていることを特徴とするスペクトル拡散通信システム用の受信装置。 - 請求項1に記載の送信装置と、請求項4に記載の受信装置とを有することを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
- 符号化された通信データによって変調された搬送波を送信し、受信した搬送波が復調された通信データを復号するスペクトル拡散通信システムにおいて、
前記通信データは、入力されるシリアルデータを複数のパラレルデータに変換し、各々のパラレルデータと直交化された拡散符号とを乗算して加算することにより第1の符号化データに変換する第1の符号化処理と、
第1の符号化データを基準値との比の第2の符号化データに変換し、この第2の符号化データおよび前記基準値を示す基準データとを同一のチップレートで異なる時刻に前記通信データとして出力する第2の符号化処理が施されていることを特徴とするスペクトル拡散通信システム。 - 符号化された通信データによって変調された搬送波を送信し、受信した搬送波が復調された通信データを復号するスペクトル拡散通信方法において、
前記通信データは、入力されるシリアルデータを複数のパラレルデータに変換し、各々のパラレルデータと直交化された拡散符号とを乗算して加算することにより第1の符号化データに変換する第1の符号化処理と、
第1の符号化データを基準値との比の第2の符号化データに変換し、この第2の符号化データおよび前記基準値を示す基準データとを同一のチップレートで異なる時刻に前記通信データとして出力する第2の符号化処理が施されていることを特徴とするスペクトル拡散通信方法。 - 符号化された通信データによって変調された搬送波を送信する送信工程と、受信した搬送波が復調された通信データを復号する受信工程とを有するスペクトル拡散通信方法において、
前記送信工程は、入力されるシリアルデータを複数のパラレルデータに変換し、各々のパラレルデータと直交化された拡散符号とを乗算して加算することにより第1の符号化データに変換する第1の符号化工程と、
第1の符号化データを基準値との比の第2の符号化データに変換し、この第2の符号化データおよび前記基準値を示す基準データとを同一のチップレートで異なる時刻に前記通信データとして出力する第2の符号化工程とを備えており、
前記受信工程は、前記通信データの第2の符号化データを前記基準値で除算して前記第1の符号化データを生成する第1の復号工程と、
この第1の符号化データに直交化された拡散符号を乗算して複数のパラレルデータを生成し、これら複数のパラレルデータをシリアルデータに変換して出力する第2の復号工程とを備えていることを特徴とするスペクトル拡散通信方法。
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