JP3631480B2 - 廃棄プラスチックの再生用成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックの廃材を再利用できるようにした廃棄プラスチックの再生用成形装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
建築物などを解体した際に廃棄される廃棄物や、家庭や企業などから廃棄される廃棄物の中にはプラスチック類も多く含まれている。これら廃棄プラスチックは、ごみとして埋め立てられたり、焼却処理されたりするのが一般的である。しかしながら、このように処理していたのでは、ごみを減らすことはできず、また、資源の有効活用もできない。
【0003】
そこで、本発明者らは、このような廃棄プラスチックを利用して成形品を成形することを考えている。しかしながら、このような廃棄プラスチックを、例えば押出し成形機を用いて成形品を成形するには次のような問題点がある。
【0004】
まず、一般的な押出し成形機の構成を図12を参照して説明する。押出し成形機は、プラスチック原料を貯留するホッパ1と、円筒状をなし外周部に複数のヒータ2が設けられたバレル3と、このバレル3の内部に設けられた原料送り用のスクリュ−4と、バレル3の先端部に設けられた成形用のダイ5と、このダイ5とバレル3との間に設けられた、多数の孔を有するブレーカプレート6と、成形品冷却用の水槽7と、成形品8を引き出す引取り装置9とを備えている。
【0005】
上記構成において、ホッパ1に貯留された粒状のプラスチックの原料は、バレル3内に供給され、ヒータ2により加熱されると共に、スクリュー4によりダイ5側へ送られる。この過程で、原料はヒータ2による加熱により軟化溶融し、溶融した原料がダイ5を通過することで押出し成形される。ダイ5から押し出された成形品8は、冷却用の水槽7を通過することで冷却される。
【0006】
ここで、このような押出し成形機で成形品を成形する場合、通常は、使用するプラスチックの原料は1種類のみであり、溶融する温度は一定温度である。しかしながら、上記したような廃棄プラスチックを原料とした場合、その中には、いろいろな種類のプラスチックが混入しており、溶融温度が低いものも高いものもある。このため、このような廃棄プラスチックを原料として、上記押出し成形機で成形しようとした場合、ヒータ2による加熱温度によって、溶融するものと、溶融しないものとがある。このように溶融するものと溶融しないものとが混ざっていると、バレル3内やブレーカプレート6において原料が詰まりやすくなり、良好な成形ができないと共に、スクリュー4などが破損してしまうこともある。そこで、加熱温度を、溶融温度が高いものも溶融させるために高く設定した場合には、溶融温度が低い原料は分解して水のように軟らかくなりすぎてしまい、成形できなくなってしまう。従って、従来の押出し成形機においては、廃棄プラスチックを原料として成形品を成形することはできないものであった。
【0007】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、廃棄プラスチックを利用して成形品を良好に成形することができ、資源の有効活用を図ることができる廃棄プラスチックの再生用成形装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、プラスチックの廃材を粉砕した原料を貯留する貯留部と、この貯留部から供給された原料を収容する複数のシリンダと、これら各シリンダに対応して設けられ、それぞれシリンダ内に収容された原料を加圧してシリンダの出口側へ押し出す複数のピストンと、前記複数のシリンダの出口側に当該シリンダから押し出される原料の流れ方向に沿って複数段に設けられ、それぞれ前記原料を分散させて通過させる多数本の分散通路を有すると共に、これら分散通路を通過する原料を加熱して溶融させる加熱手段を有する複数の分散加熱部と、これら複数の分散加熱部間にそれぞれ設けられ、前記原料の通過を許容する通過口を有すると共に、断熱性を有した断熱部と、前記分散加熱部のうち最も下流側に位置する分散加熱部の出口側に設けられ、入口に対して出口側が狭く形成され前記分散加熱部の分散通路を通過した溶融状態の原料を集めて下流側へ案内する複数の中間案内流路を有した中間案内部と、この中間案内部の下流側に設けられ、入口に対して出口側が狭く形成され前記複数の中間案内流路を通過した溶融状態の原料を集めて下流側へ案内する1本の案内流路を有した成形案内部と、この成形案内部の下流側に設けられ、前記案内流路を通過した原料を所定の形状に押し出し成形する成形型とを具備したことを特徴とする。
【0009】
上記した構成において、プラスチックの廃材を粉砕した原料が貯留部に貯留されていて、この原料は、複数の各シリンダ内に供給され、それぞれピストンにより加圧されてシリンダの出口側へ順次押し出される。各シリンダの出口側には、複数の分散加熱部と断熱部とが交互に配置されていて、複数の分散加熱部は、加熱手段により温度制御されるようにする。
【0010】
各分散加熱部はそれぞれ多数の分散通路を有していて、シリンダから押し出された原料は、分散加熱部の各分散通路に分散された状態で、各分散通路を加圧状態で通過すると共に、加熱手段により加熱される。このとき、原料は、多数の分散通路に分散された状態で加熱されるので、極力均一にしかも効率良く加熱されるようになり、原料のうち溶融温度に達したものは順次溶融するようになる。またこのとき、原料はピストンにより大きな加圧力で加圧されるので、各分散加熱部の分散通路及び断熱部の通過口で詰まることなく通過する。このようにして複数の分散加熱部及び断熱部を通過することにより、プラスチック原料は効率良く加熱されてほとんどが溶融状態となると共に、溶融温度の違うもの同士が混合された状態となる。この場合、各分散加熱部間の断熱部は、隣り合った分散加熱部間同士の温度の影響を受け難くする。
【0011】
分散加熱部の各分散通路を通過した溶融状態の原料は、中間案内部における複数の中間案内流路に集められて下流側へ案内され、さらに、成形案内部の1本の案内流路に集められて成形型へ送られる。このとき、各中間案内流路及び案内流路は、それぞれ入口に対して出口が狭く形成されているので、原料がそれらを出口側に向けて良好に流れるようになる。成形型側へ送られた原料は、その成形型を通過することで所定の形状に押し出し成形される。
【0012】
このような成形装置を用いることにより、いろいろな種類のプラスチックが混ざった廃棄プラスチックの原料を用いて、成形品を良好に押し出し成形することができるようになり、資源の有効活用を図ることができる。また、シリンダ及びピストンが複数組あるから、それらピストンの動作を適宜制御することにより、成形を連続的に、しかも効率よく行うことができる。
【0013】
この場合、請求項2の発明のように、シリンダ内に収容する原料に、無機質の骨材を混合するようにしても良い。このようにした場合には、成形品に無機質の骨材が入ることにより、成形品の強度を高めることが可能となる。また、その無機質の骨材としては、瓦やコンクリートを粉砕したもの、或いは砂などを用いる。瓦やコンクリートを粉砕したものを用いるようにした場合には、これによっても資源の有効活用を図ることが可能となる。
【0014】
また、請求項3の発明のように、成形型から押し出された成形品の表面に外皮を形成する外皮形成手段を備えた構成とすることが好ましい。廃棄プラスチックを原料として成形した成形品は、見た目が良いとは言えない。このため、その成形品の表面に外皮を形成することにより、成形品の外観の向上を図ることが可能となる。
【0015】
さらに、外皮形成手段により形成された外皮の表面に模様を形成する模様形成手段を備えた構成とすることもできる。これによれば、成形品の表面に、例えば木目模様などの模様を付けることで、成形品の外観を一層向上させることが可能となる。
【0016】
請求項5の発明は、成形案内部に、案内流路を通過する原料を撹拌する撹拌手段を設けたことを特徴とする。これによれば、案内流路を通過する原料を撹拌手段により撹拌することにより、原料が一層均一になり、成形が一層良好に行われるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図6を参照して説明する。まず、図1には、本発明の廃棄プラスチックの再生用成形装置の全体の概略構成が示されている。この図1において、本装置の上部には、それぞれ円筒状をなす2個のシリンダ11,11が、軸方向を上下方向に向けた状態で左右に並べて設置されている。各シリンダ11には、それぞれ油圧シリンダ12により駆動される加圧用のピストン13が上下方向へ移動可能に設けられている。
【0018】
また、各シリンダ11の外側には、それぞれ貯留部を構成する第1及び第2のホッパ14,15が設けられている。このうち、第1のホッパ14は、予めプラスチックの廃材を粉砕した原料16を貯留するためのものであり、また、第2のホッパ15は、例えば瓦やコンクリートを粉砕した無機質の骨材17を貯留するためのものである。この場合、原料16は、直径2〜3mmの粒状のもので、いろいろな種類のプラスチックの廃材が混ざった状態となっている。また、骨材17は、0.2〜0.3mm程度の粒状のものである。
【0019】
各第1のホッパ14の底部と、これと対応するシリンダ11の上部との間には、それぞれ原料供給路18が設けられていて、各原料供給路18の途中に設けられた混合室19と、対応する第2のホッパ15の底部との間にそれぞれ骨材供給路20が接続されている。各混合室19内には、図示しない駆動手段により回転駆動される撹拌体21が設けられていて、この撹拌体21により、第1のホッパ14側の原料16と第2のホッパ15側の骨材17とを撹拌して混合させるようになっている。なお、プラスチックの原料16と骨材17の混合比率は、この混合室19において調整できるようになっている。混合比率は、例えば原料16を100としたとき、骨材17を25とする。
【0020】
混合室19には温水供給部22が接続されていて、この温水供給部22から、約60℃の温水を混合室19内に滴下させるようになっている。この温水は、プラスチックの原料16と骨材17とをお互いに付着しやすくするためのものである。原料供給路18及び骨材供給路20には、原料16及び骨材17を送るためのスクリューコンベア23がそれぞれ設けられている。
【0021】
各シリンダ11の出口側である図中下方側には、加熱溶融ユニット25が設けられている。この加熱溶融ユニット25は、図2にも示すように、各シリンダ11に対応して設けられた複数段、この場合第1〜第3の3段の分散加熱部26,27,28と、これら第1〜第3の各分散加熱部26〜28間、及び第1の分散加熱部26の上部、並びに第3の分散加熱部28の下部にそれぞれ設けられた断熱部29とから構成されている。
【0022】
このうち、第1〜第3の各分散加熱部26,27,28は、同一の構成となっていて、図3に示すように断面が円形をなしそれぞれ軸方向に延びる多数本の分散通路30を有した加熱筒31と、この加熱筒31の外周部に巻装された加熱手段であるヒータ32と、これら加熱筒31及びヒータ32を覆うように設けられたカバー33とから構成されている。加熱筒31は、熱伝導性が良好な材料、例えばベリリウム銅により形成されている。加熱筒31における各分散通路30は、直径が約10mmに設定されていて、原料16や骨材17の粒が十分通過できる大きさとなっている。
【0023】
上記第1〜第3の各分散加熱部26〜28は、それぞれのヒータ32により別々の温度制御が可能な構成となっている。この場合は、例えば、上流側の第1の分散加熱部26の温度は約280℃、中間の第2の分散加熱部27の温度は約230℃、下流側の第3の分散加熱部28の温度は約180℃に設定されるようにする。
【0024】
上記各断熱部29は、断熱性に優れた材料、例えばセラミックス製の断熱材34をパッキン35で挟み込んだ構成となっている。この断熱部29には、上記加熱筒31の分散通路30と連通する多数個の通過口36が形成されている。
【0025】
加熱溶融ユニット25の下流側には、上記加熱筒31と同様例えばベリリウム銅により形成された中間案内部37が設けられている。この中間案内部37には、それぞれ第3の分散加熱部28の分散通路30に連通する2本の中間案内通路38が形成されている。これら各中間案内通路38は、上部の入口に対して下部の出口側が狭く形成されていると共に、それぞれの出口が近づくように形成されている。この中間案内部37の外周部にも加熱手段を構成するヒータ39が設けられていて、中間案内部37は、そのヒータ39により約180℃に設定されるようにする。
【0026】
中間案内部37の下流側には、上記断熱部29とほぼ同様な構成の断熱部40を介して成形案内部41が設けられていて、この成形案内部41の下部に台42が設けられている。この成形案内部41も例えばベリリウム銅により形成されていて、内部に1本の案内流路43が形成されている。この案内流路43の上部の入口は、断熱部40の通過口40aを介して上記2本の中間案内通路38の出口と連通している。この案内流路43も、上部の入口に対して側面下部の出口が狭く形成されている。成形案内部41の外周部及び下部にも加熱手段を構成するヒータ44が設けられていて、成形案内部41は、そのヒータ44により約170℃に設定されるようにする。
【0027】
また、成形案内部41には、撹拌手段を構成する撹拌棒45が複数本設けられている。各撹拌棒45は、先端部が上記案内流路43内に突出していて、その突出部分にらせん状の溝が形成されている。これら各撹拌棒45は、それぞれモータ46により回転されるようになっている。
【0028】
成形案内部41の右側面下部には、成形型47が着脱可能と取り付けられている。この成形型47には、所定形状の孔からなる成形部47aが形成されていて、この成形部47aが、上記案内流路43の出口に連通している。この場合、成形部47aは、図4に示すように断面が矩形状をなしていて、この成形部47aから成形品48が成形されて押し出される。
【0029】
成形型47の出口側には、外皮形成手段を構成する外皮成形機49が設けられている。この外皮成形機49は、図2に示すように、ノズル50から溶融状態のプラスチック原料を、当該外皮成形機49の成形部51の内面と成形品48の外面との間の隙間に射出することにより、成形品48の表面にプラスチックの外皮52を連続的に形成する(図5参照)。この場合、外皮52の厚さは、0.3mm〜0.5mmとする。
【0030】
外皮成形機49の出口側には、模様形成手段を構成する模様形成装置53(図1参照)が設けられている。この模様形成装置53は、それぞれ表面に彫刻またはエッチング加工により模様が形成された上下一対の加飾ローラ54,54と、左右一対の加飾ローラ55(図1には片側のみ示す)とを備えていて、これら各加飾ローラ54,55が、成形品48の外皮52の表面に押し付けられるようになっている。成形品48がそれら加飾ローラ54間及び55間を通過することに伴いそれら加飾ローラ54,55が回転し、成形品48の外皮52の表面に、例えば図6に示すような木目の模様56が形成される。この場合、成形品48の外皮52の上面及び下面には、上下の加飾ローラ54により板目模様56aが形成され、外皮52の左右の両側面には、左右の加飾ローラ55により柾目模様56bが形成される。
【0031】
模様形成装置53の下流側には、成形品48を冷却するための冷却用の水槽57が設置され、さらにその水槽57の下流側に引取り装置58が設けられている。引取り装置58は、複数のローラ58aを備えていて、成形品48を図1中矢印A方向へ引き出す。引き出された成形品48は、図示しない切断装置により所定の寸法に切断されるようになっている。
【0032】
この場合、最終の成形品である製品59(図6参照)としては、家屋の屋根において瓦をふせる前に野地板の上面に取り付けられ、瓦を固定するのに用いられる屋根用の桟である。この製品59の大きさとしては、例えば幅B1が25mm、厚さB2が15mm、長さB3が1800mmである。
【0033】
次に上記構成の作用を説明する。
第1のホッパ14に貯留された原料16と、第2のホッパ15に貯留された骨材17とが混合室19へ送り込まれ、ここでこれらが撹拌体21により撹拌混合される。このとき、温水供給部22から混合室19内に温水が滴下されることにより、原料16と骨材17とが付着してなじみやすくなり、良好に混合されるようになる。混合室19において骨材17と混合された原料16は、それぞれシリンダ11内に供給される。
【0034】
2個のシリンダ11,11においては、それぞれ油圧シリンダ12によりピストン13が交互に上下方向に移動される。ピストン13が上方に移動されたときに、原料16がシリンダ11内に供給され、ピストン13が下方へ移動することに伴い、シリンダ11内の原料16が当該ピストン13により加圧される。このときの加圧力としては、例えば15MPa(150kgf/cm2)とする。加圧された原料16は、シリンダ11から加熱溶融ユニット25側へ順次押し出される。
【0035】
加熱溶融ユニット25側へ押し出された原料16は、断熱部29の通過口36を通過して、まず第1の分散加熱部26の各分散通路30に分散された状態で、各分散通路30を加圧状態で通過すると共に、ヒータ32により加熱される。この第1の分散加熱部26を通過した原料16は、同様にして第2の分散加熱部27及び第3の分散加熱部28の各分散通路30を加圧状態で通過すると共に、ヒータ32により加熱される。
【0036】
このとき、原料16は、各分散加熱部26〜28において、多数の分散通路30に分散された状態で加熱されるので、極力均一にしかも効率良く加熱されるようになり、原料16のうち溶融温度に達したものは順次溶融するようになる。またこのとき、原料16はピストン13により大きな加圧力で加圧されるので、各分散加熱部26〜28の分散通路30及び断熱部29の通過口36を詰まることなく通過する。
【0037】
このようにして第1〜第3の分散加熱部26〜28及び断熱部29を通過することにより、プラスチック原料は効率良く加熱されてほとんどが溶融状態となると共に、溶融温度の違うもの同士が混合された状態となる。この場合、各分散加熱部26〜28間の断熱部29は、隣り合った分散加熱部間同士の温度の影響を受け難くする。また、最上部の断熱部29は、加熱溶融ユニット25側の温度がシリンダ11側へ伝わることを防止する。ここで、仮に最上部の断熱部29がない状態で長時間使用した場合、加熱溶融ユニット25側の温度の影響でシリンダ11側の温度が異常に上昇してしまうおそれがある。このようになると、シリンダ11内の原料16の粘着性が増加し、原料16の供給が良好にできなくなり、成形が困難または不能になるおそれがあるが、本実施例においてはこれを防止できる。
【0038】
第3の分散加熱部28を通過した溶融状態の原料16は、中間案内部37における各中間案内流路38に集められて下流側へ案内され、さらに、成形案内部41の1本の案内流路43に集められて成形型47へ送られる。このとき、各中間案内流路38及び案内流路43は、それぞれ入口に対して出口が狭く形成されているので、原料16がそれらを出口側に向けて良好に流れるようになる。また、成形案内部41には複数本の撹拌棒45が設けられていて、案内流路43を流れる原料16がそれら撹拌棒45により撹拌されるようになるため、原料16が一層均一になり、下流での成形が一層良好に行われるようになる。
【0039】
成形型47側へ送られた原料16は、その成形型47の成形部47aを通過することにより、所定形状の成形品48が連続的に押し出し成形される。成形型47から押し出された成形品48は外皮成形機49に送られ、ここでその成形品48の表面にプラスチックの外皮52が形成される。
【0040】
そして、外皮成形機49の下流側の模様形成装置53において、成形品48が加飾ローラ54間及び55間を通過することに伴い、成形品48の外皮52の表面に木目の模様56が連続的に形成される。模様56が形成された成形品48は、水槽57内を通ることにより冷却され、引取り装置58により矢印A方向に引き出される。引き出された成形品48は、図示しない切断装置により所定の寸法に切断され、図6のような桟の製品59が完成する。
【0041】
なお、上記した第1実施例において、第1〜第3の各分散加熱部26〜28、中間案内部37及び成形案内部41の制御温度は、上記した温度に限らず、原料16の溶融状態や成形状態などによって適宜調整することができる。
【0042】
上記した第1実施例によれば、次のような効果を得ることができる。
まず、いろいろな種類のプラスチックが混ざった廃棄プラスチックの原料16を用いて、成形品48を良好に押し出し成形することができるようになり、資源の有効活用を図ることができる。また、シリンダ11及びこれに対応するピストン13が2組あるから、それら2個のピストン13の動作を交互に動作させることにより、成形を連続的に、しかも効率よく行うことができる。
【0043】
プラスチックの原料16に無機質の骨材17を混合させることにより、成形品48の強度を高めることが可能となる。また、その無機質の骨材17として瓦やコンクリートを粉砕したものを用いるようにした場合には、これによってもごみを減らすことができるようになると共に、資源の有効活用を一層図ることが可能となる。
【0044】
また、成形品48の表面に外皮52を形成することにより、成形品48の外観の向上を図ることが可能となり、製品59の価値を一層高めることができる。さらに、成形品48表面の外皮52に模様56を形成することにより、成形品48の外観を一層向上させることが可能となり、製品59の価値を一層高めることが可能となる。
【0045】
また、成形案内部41には複数本の撹拌棒45が設けられていて、案内流路43を流れる原料16がそれら撹拌棒45により撹拌されるようになるため、原料16が一層均一になり、成形が一層良好に行われるようになる。
【0046】
図7は本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は、上記した第1実施例とは次の点が異なっている。すなわち、成形品48を冷却するための冷却手段として、水槽57に代えて冷却装置60を設けている。この冷却装置60は、冷媒として例えばアルゴンガスを流す冷媒通路61を有している。その冷媒通路61にアルゴンガスを流すことにより、成形品48を冷却する構成となっている。これによれば、冷却手段の構成を、水槽57に比べてコンパクト化できる。
【0047】
図8及び図9は本発明の第3実施例を示したものであり、この第3実施例は、上記した第1実施例とは次の点が異なっている。
すなわち、成形型により押し出し成形された成形品62は丸棒状をなしていて(図9参照)、外皮成形機63において、この成形品62の表面に外皮52を形成する。この成形品62の外皮52に模様を形成するための模様形成手段を構成する模様形成装置64は、上下一対の加飾ローラ65,66を備えている。これら加飾ローラ65,66の模様形成面65a,66aは、丸棒状の成形品62を上下両側から挟み込むように、断面が半円状をなしていて、その内面に模様が形成されている。丸棒状の成形品62がそれら加飾ローラ65,66間を通過することに伴い、その成形品66の外皮48の表面に、図8に示すような木目の模様67が形成される。
【0048】
図10及び図11は本発明の第4実施例を示したものであり、この第4実施例は、上記した第1実施例とは次の点が異なっている。
すなわち、成形型により押し出し成形された成形品68は、図11に示すように薄板状をなしていて、外皮成形機69において、この成形品68の表面に外皮52を形成する。この成形品68の外皮52に模様を形成するための模様形成手段を構成する模様形成装置70は、上下一対の加飾ローラ71,72を備えていて、これら加飾ローラ71,72の表面に模様が形成されている。薄板状の成形品68がそれら加飾ローラ71,72間を通過することに伴い、その成形品68の外皮52の表面に、木目の模様が形成される。
【0049】
本発明は、上記した各実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
無機質の骨材17としては砂でも良く、貝殻を粉砕したものでも良い。また、無機質の骨材17を必ずしも混ぜる必要はなく、プラスチックの原料16のみにより成形するようにしても良い。
加熱溶融ユニット25における分散加熱部26〜28は、3段に限られず、2段、或いは4段以上としても良い。
【0050】
成形品48、62、68の用途によっては、外皮52を形成せずに製品とすることもできる。また、成形品48、62、68の表面に形成する外皮52としては、プラスチックの成形による外皮52に限られず、ゴムを成形したり、塗料を塗装したり、或いは金属膜などのフィルムを接着するようにしても良い。
成形品48、62、68は、表面の外皮52に模様を形成せずに製品とすることもできる。また、模様としては、木目の模様に限らず、竹の模様、或いは幾何学模様などでも良い。
シリンダ11及びピストン13は、2組に限られず、3組以上であっても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の廃棄プラスチックの再生用成形装置によれば、廃棄プラスチックを利用して成形品を良好に成形することができ、資源の有効活用を図ることができる。また、シリンダ及びピストンが複数組あるので、成形を一層効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体の概略構成図
【図2】要部の拡大断面図
【図3】加熱筒の平面図
【図4】図2中X1−X1線に沿う拡大断面図
【図5】図2中X2−X2線に沿う拡大断面図
【図6】製品(成形品)の斜視図
【図7】本発明の第2実施例を示す要部の断面図
【図8】本発明の第3実施例を示す要部の側面図
【図9】図8中X3−X3線に沿う断面図
【図10】本発明の第4実施例を示す図8相当図
【図11】図9中X4−X4線に沿う断面図
【図12】従来の押出し成形機の断面図
【符号の説明】
図面中、11はシリンダ、13はピストン、14は第1のホッパ(貯留部)、15は第2のホッパ、16は原料、17は骨材、19は混合室、22は温水供給部、25は加熱溶融ユニット、26,27,28は第1、第2、第3の分散加熱部、29は断熱部、30は分散通路、31は加熱筒、32はヒータ(加熱手段)、36は通過口、37は中間案内部、38は中間案内通路、41は成形案内部、43は案内流路、45は撹拌棒(撹拌手段)、47は成形型、48は成形品、49は外皮成形機(外皮形成手段)、52は外皮、53は模様形成装置(模様形成手段)、56は模様、57は水槽、59は引取り装置、59は製品、60は冷却装置、62は成形品、63は外皮成形機(外皮形成手段)、64は模様形成装置(模様形成手段)、67は模様、68は成形品、69は外皮成形機(外皮形成手段)、70は模様形成装置(模様形成手段)を示す。
Claims (5)
- プラスチックの廃材を粉砕した原料を貯留する貯留部と、
この貯留部から供給された原料を収容する複数のシリンダと、
これら各シリンダに対応して設けられ、それぞれシリンダ内に収容された原料を加圧してシリンダの出口側へ押し出す複数のピストンと、
前記複数のシリンダの出口側に当該シリンダから押し出される原料の流れ方向に沿って複数段に設けられ、それぞれ前記原料を分散させて通過させる多数本の分散通路を有すると共に、これら分散通路を通過する原料を加熱して溶融させる加熱手段を有する複数の分散加熱部と、
これら複数の分散加熱部間にそれぞれ設けられ、前記原料の通過を許容する通過口を有すると共に、断熱性を有した断熱部と、
前記分散加熱部のうち最も下流側に位置する分散加熱部の出口側に設けられ、入口に対して出口側が狭く形成され前記分散加熱部の分散通路を通過した溶融状態の原料を集めて下流側へ案内する複数の中間案内流路を有した中間案内部と、
この中間案内部の下流側に設けられ、入口に対して出口側が狭く形成され前記複数の中間案内流路を通過した溶融状態の原料を集めて下流側へ案内する1本の案内流路を有した成形案内部と、
この成形案内部の下流側に設けられ、前記案内流路を通過した原料を所定の形状に押し出し成形する成形型とを具備したことを特徴とする廃棄プラスチックの再生用成形装置。 - シリンダ内に収容する原料に、無機質の骨材を混合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の廃棄プラスチックの再生用成形装置。
- 成形型から押し出された成形品の表面に外皮を形成する外皮形成手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の廃棄プラスチックの再生用成形装置。
- 外皮形成手段により形成された外皮の表面に模様を形成する模様形成手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の廃棄プラスチックの再生用成形装置。
- 成形案内部に、案内流路を通過する原料を撹拌する撹拌手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の廃棄プラスチックの再生用成形装置。
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