JP3630359B2 - 成形材料および成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度、高靭性に優れた成形材料の製造方法及び得られた成形材料を用いて成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に金属又は合金(以下、合金とする)の延性は、高温になればなる程大きくなり、成形加工し易くなる。しかしながら、合金が高温にさらされると、この機械的特性(強度、硬度等)が低下するという問題がある。一方、機械的特性(強度、硬度等)が低下しない温度は、変形能が100%以下と小さくなり、成形加工し難くなる。このような一般的な材料の問題を解消すべく、本発明者らは、さきにアルミニウム合金材に側方押出を施し、結晶の微細化を行い高強度、高靭性に優れたアルミニウム合金材料を提供する技術を開発した。(特開平9−137244号公報、特開平10−258334号公報参照)。
【0003】
上記公報に記載の技術は、断面形状を変えることなく、歪みを蓄積し、合金の結晶を微細化できる優れた方法である。
【0004】
しかしながら、上記公報の技術は、最終的に微細化され、高強度、高靭性な材料を得るためには、複数回の押出作業が必要であり、その都度、押出材を取り出し再充填が必要となり、その作業が容易に行えない。また、鋭角あるいは鋭角に近い角度で押出す場合、装置特に金型に大きな偏荷重が加わり、金型の破損及び装置の故障といった問題が生じる恐れもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑み、合金素材の結晶の微細化作業が容易に行え、作業数及び作業時間の短縮化が行え、また、金型を含め装置に大きな偏荷重がかかりにくい成形材料及び成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の手法は、密閉された空間内にAl合金又はMg合金素材を配し、該空間が、合金素材を配する収納部を有するコンテナと前記収納部内に配され、収納部内を摺動可能なステムとから形成され、前記ステムがそれぞれ独立して摺動可能な少なくとも2以上の押圧手段を備え、これらの押圧手段を、材料に対する押圧を保ったまま空間内を前進後退させることにより、前記密閉された空間の形態を変化させることを繰り返し行うことにより、前記合金素材に220%以上の伸びに相当する塑性変形(歪)を与え、平均結晶粒径を10μm以下、金属間化合物の平均粒子径を1μm以下に微細化することによって、高強度、高靭性材料を製造することを特徴とする成形材料の製造方法(請求項1)である。
又、第2の手法は、密閉された空間内にAl合金又はMg合金素材を配し、該空間が、合金素材を配し、長手方向に連通する収納部を有するコンテナと、前記収納部内に配され、収納部内に対向して摺動可能な第1及び第2ステムとから形成され、前記第1又は/及び第2ステムがそれぞれ独立して摺動可能な少なくとも2以上の押圧手段を備え、これらの押圧手段、材料に対する押圧を保ったまま空間内を前進後退させることをにより、前記密閉された空間の形態を変化させることを繰り返し行うことにより、前記合金素材に220%以上の伸びに相当する塑性変形(歪)を与え、平均結晶粒径を10μm以下、金属間化合物の平均粒子径を1μm以下に微細化することによって、高強度、高靭性材料を製造することを特徴とする成形材料の製造方法(請求項2)である。
【0007】
本発明に適用されるAl合金又はMg合金素材としては、例えばMg−Al−Zn系(AZ系)合金、Mg−Zn−Zr系(ZK系)合金などのマグネシウム合金、Al−Mg−Si系(A6063系)合金、Al−Mg系(A5056系)合金などのアルミニウム合金が有用であり、さらに、これらのMg合金、Al合金がSc、Zr、Ti、Cr、Mn、Si、Caの少なくとも1種の元素を5wt%以下の範囲で含んでいることが好ましい。
【0008】
本発明においては、事前に熱間塑性加工を行う(請求項3)ことが、本発明の塑性変形、成形の際に割れ(クラック)を生じさせることなく、また、合金素材の結晶粒及び金属間化合物の大きさを微細化するためにも有用であり、その具体的な加工としては、押出、鋳造などが適用でき、具体的な加工温度としては、Mg合金の場合、200〜360℃、Al合金の場合、350〜500℃で行うことが好ましい。特に、鋳造法にて作製された素材に対しては、その鋳造組織を破壊する上で重要である。また、熱間塑性加工を施すに際して事前に前記押出温度より高い温度で溶体化処理を施してもよい。本発明において、合金素材に220%以上の伸びに相当する塑性変形(歪)を与えるが、220%以上の伸びに相当する歪は、歪量あるいは、積算歪量として1.15以上に相当するものである。
【0010】
以下、図面に基づき、上記第1及び第2の手法について、詳細に説明する。
【0011】
図1〜4は上記第1の手法とこれを行うための装置を示しており、装置はその中央部分に上下方向に連通し開口する収納部2を有する円筒状のコンテナ1と、コンテナ1の収納部2内に収納され収納部2内を上下方向に摺動可能で上方に設けられた第1ステム3と同じくコンテナ1の収納部2内に収納され、収納部2内を上下方向に摺動可能で、下方に設けられた第2ステム4とからなる。また、第1ステム3は、円筒状の第1押圧手段5と、第1押圧手段5の中央部分に上下方向に連続して開口する開口部内に配され、開口部内を上下方向に摺動可能な第2押圧手段6を備えている。第1及び第2押圧手段5、6及び第2ステム4は、図示されてないが、それぞれ独立した駆動源に連結されている。なお、効率的に塑性変形(歪)を与え、安定した装置の形態とするためには、第1押圧手段5と第2押圧手段6との面積比を0.7〜1.3の範囲に、より好ましくは、0.8〜1.2の範囲内にすることが好ましい。以下についても同様である。手法について具体的に説明すると、コンテナ1の収納部2内に第2ステム4を配した状況で上方の開口より、上述の合金素材Mを投入し、次に第1ステム3をコンテナ1の収納部2内に挿通し、第1ステム3を第2ステム4に向って摺動させることにより、図1に示すような合金素材Mからなる密閉空間を形成する。
【0012】
その後、図2に示すように、第1ステム3の第1押圧手段5を第2ステム4に向って押圧移動させ、これにより第1ステム3の第2押圧手段6が上方に後退する。但し、第1及び第2押圧手段5、6とも図2に示す状態で合金素材Mを押圧している。次に、第1ステム3の第2押圧手段6を第2ステム4に向って押圧移動させ、図1の状態とする。さらに第1ステム3の第2押圧手段6を第2ステム4に向って押圧移動させることにより、図3に示すような状態とし、再度第1ステム3の第1押圧手段5を第2ステム4に向って押圧移動させることにより図1に示す状態とする。なお、第2押圧手段が後退する際の押圧圧力が合金素材の加工温度における変形抵抗の1〜8倍、より好ましくは、2〜6倍の範囲にすることが好ましい。この範囲にすることにより合金素材に効率的に塑性変形(歪)を与え、また装置に対する負荷を軽減させることができる。以下についても、同様である。
【0013】
密閉空間及び合金素材Mは、断面矩形状の円柱状態から断面凸形状に変化させ、また、断面矩形状にもどして後、断面凹形状に変化させ、最終的にもとの断面矩形状にもどす。これをくり返し行う。
【0014】
成形後の合金素材(成形材料)Mは、第1ステム3を上方に移動させ、第2ステム4により移動させ、収納部2より排出を行い、その後各種の塑性加工を施し、成形品の製造を行ったり、後述するようにコンテナ端部に成形型を配し、成形型の成形部内に第1又は第2ステムにより成形材料を押圧し、塑性流動させることにより成形品の製造を行う。
【0015】
また、この手法の装置は、各種変更可能であり、例えば、図示では、上下方向からステムにより押圧する構造になっているが、コンテナを横方向に配し、左右方向よりステムにより押圧する構造にしてもよく、また、合金素材を成形後、コンテナを傾倒あるいは回動させ排出可能であれば第2ステムとコンテナとを一体化したものを用いてもよい。さらに第1ステムは、図示では第1及び第2押圧手段からなっているが、さらに第3あるいは、第4の押圧手段などを設け、これらを独立して作動するようにしてもよい。
【0016】
次に、図5〜図7は、上記第2の手法とこれを行うための装置を示しており、装置は、基本的なコンテナ第1及び第2ステム3、4の構造は、上記第1の手法と同様である。第1の手法とは第2ステム4の構造が異なっており、第2ステム4も第1ステム3と同様に第1及び第2押圧手段8、9が設けられている。手法について、具体的に説明すると、コンテナ1の収納部2内に第2ステム4を配した状況で、上方の開口より合金素材Mを投入し、次に第1ステム3を収納部2内に挿通し、第1ステム3を第2ステム4に向って摺動させることにより図5に示すような合金素材Mからなる密閉空間を形成する。その後図6に示すように第1ステム3の第1押圧手段5を第2ステム4に向って押圧移動させ、これにより第1ステム3の第2押圧手段6が上方に後退する。但し、第1及び第2押圧手段5、6とも、図6に示す状態で合金素材Mを押圧している。次に第2ステム4の第2押圧手段9を第1ステム3に向って押圧させ図5の状態とする。この段階までの作動は、第1の手法と同様である。次に第2ステム4により合金素材Mを第1ステム3側(上方)に第1ステム3とともに押し上げる。この状態で図7に示すように第2ステム4の第1押圧手段8を第1ステム3に向って押圧移動させ、これにより第2ステム6の第2押圧手段9が下方に後退する。但し、この場合も同様に第1及び第2押圧手段8、9とも図7に示す状態で合金素材を押圧している。次に第2ステム4の第1押圧手段8を第1ステム3に向って押圧させ、図5に示す状態とする。以上の工程をくり返し行い、成形後の合金素材(成形材料)Mは、第1ステム3を上方に移動させ、第2ステム4により移動させ、収納部2より排出を行い、その後、各種の塑性加工を施し、成形品の製造を行ったり、後述するようにコンテナ1端部に成形型を配し、成形型の成形部内に第1又は第2ステム3、4により成形材料を押圧し、塑性流動させることにより成形品の製造を行う。
【0017】
密閉空間及び成形素材は、断面矩形状の円柱状態から断面凸形状に変化させ、また断面矩形状にもどし、さらに断面逆凸形状に変化させて断面矩形状にもどされる。また、この第2の手法においては、第1の手法の作動と合せて密閉空間及び合金素材を矩形、凸形、矩形、凹形、矩形、逆凸形、矩形、逆凹形、矩形と順次変化させることができる。この手法の場合、合金素材Mは、上部及び下部とも均一に歪を受けることになる。なお、この手法においても、第1の手法と同様に種々の変更が可能である。
【0018】
上記手法を繰り返し行うことによって、合金素材Mの材料中に無限に歪を蓄積することができ、非常に簡単な工程で、結晶粒が10μm以下、金属間化合物の大きさが1μm以下に微細化され、しかも従来の加工硬化による強度を上回る強化ができると同時に、靭性を大きく改善できる。また、この手法は、鋳造組織、合金成分のマクロ、ミクロ的な偏折の破壊、均質化にも効果を持っており、合金素材では一般に行われている高温・長時間の均質化熱処理を省略することもできる。
【0019】
これらの手法は、できるだけ低温で行うことが好ましい。しかしながら、合金の変形抵抗は低温になるほど高く、変形能は低温ほど小さくなる傾向がある。装置の強度及び円滑な作動及び健全な成形材料を得るために、通常は合金によって異なる適切な温度で行われる。一般的には、300℃以下、好ましくは合金の再結晶化温度以下、さらに好ましくは回復温度以下で行われる。
【0020】
これらの手法により前述したように平均結晶粒径が10μm以下、金属間化合物の平均粒子径を1μm以下とすることができ、このような成形材料は、温度100〜450℃、好ましくは温度100〜350℃、歪速度10−5〜100S−1の成形加工条件で種々の形状に成形できる。また、成形に際しては、150%以上の伸びを示すことから、粒界すべりによる変形と粒内(塑性)変形とにより材料が変形し、超塑性的な変形が生じる。また、微細な金属間化合物が存在していることにより、成形の際に上記のように加熱を行っても、結晶粒の粗大化が抑制され、機械的な特性の低下が生じにくい。なお、超塑性的な成形及び機械的特性を考慮した場合、平均結晶粒径3μm以下であることが好ましく、より好ましくはMg合金の場合2μm以下、Al合金の場合1μm以下である。
【0021】
また、本発明においては、前述の220%以上の伸びに相当する塑性変形を与えた成形材料を固相状態のまま成形型内に押圧し、成形材料を塑性流動させることにより成形型内に充填し、成形品を作製するが固相状態のまま成形することにより、成形材料は熱的な影響を受けにくく機械的な特性を維持しやすくなり、少なくとも前工程における材料特性を備えた成形品を作製することができる。さらに固相状態で成形を行うことにより成形型内及び装置内の残留ガスは材料にまき込まれにくく、ガス抜き口を通して円滑に排出がなされ、ポロシティ及びブリスタの発生が生じにくくなる。また、材料の塑性流動は、前述したように超塑性的な変形が可能であることにより、成形型内へ円滑に充填できる。
【0022】
さらに、本発明においては、前述の220%以上の伸びに相当する、塑性変形を与えた成形材料を固相状態のまま、押出成形を行うこともでき、固相状態のまま、成形することにより、上記と同様に材料は熱的な影響を受けにくく、機械的な特性を維持しやすくなり、さらに固相状態での押出成形を行うことによりコンテナ内の残留ガスが押出成形材にまき込まれにくく、後方のダミーブロック及びダイスより円滑にガス抜きされ、押出成形材に不良が発生しにくくなる。また、材料の押出成形による変形は、前述したように超塑性的な変形となり、ダイスより押出成形材が成形される。なお、押出成形の場合、押出成形材が成形品となるが、押出成形材を500℃以下、歪速度10−2〜100S−1の条件で液圧・ガス圧ブロー成形、プレス成形、スピニング曲げ、絞り加工などの塑性加工を施したもの、同条件で超塑性流動を利用した拡散接合を行ったものは、これが最終的な成形品となる。
【0023】
以下、成形品の製造方法及び装置を上記成形型内への押圧成形を代表に図8及び9をもとに具体的に説明する。図8、9は、前述の第1の手法である図1〜4をもとにした装置であり、コンテナ1、第1及び第2ステム3、4の構成は、同様である。コンテナ1の一端側にコンテナ1の収納部2と連通する連通口12を有する成形型11が配され、成形型11は成形上型13と成形下型14とから構成され、それぞれの対向面には成形部15が形成されている。又は、成形部15は図示されるように連通口12内において、第1ステム3及び第2ステム4とによっても最終的に形成され、図示においては、断面略H字形状の成形品Sが成形される。成形型11は、第1の手法により塑性変形(歪)を与える前に事前に装着しておいてもよいし、第1の手法により塑性変形(歪)を与えた後に装着してもよい。成形の仕方について、具体的に説明すると、図8に示すように、第1の手法により塑性変形(歪)を与え成形材料を作製した後に、第2ステム4の上面が、成形型11の成形部15下面とほぼ同じになるまで第2ステム4を下降させ、成形材料も合せて降下させる。次に第1ステム3により前記成形材料を押圧し、図9に示すように成形材料を成形部15内に充填させ、成形品Sを製造する。なお、成形に際して、図示されていないが、成形型11には、成形型11の温度をコントロールするため加熱・冷却手段及び温度検知手段等が設けられており、これによって、成形条件を制御している。成形に際して、成形材料は、第1ステム3により押圧され、略直角方向に流動方向を変えられ、また、断面積を減少させられ、成形部15内に充填される。ここで成形材料は、成形の際の塑性流動の際にも歪を与えられ、成形品Sが製造される。このように成形の際にも歪を与えることにより成形材料よりもさらに機械的特性の向上が行える。このような歪の与え方としては、ステムの押圧方向と、成形材料の流動方向とが角度を持って連結されている、あるいは、流動する過程で断面積を減少させることなどによって行える。具体的な、成形条件は、温度100〜450℃、歪速度10−5〜100S−1で行える。なお、図示の例では、コンテナ1の下方側に成形型を配し、第1ステム3の押圧により成形を行ったが、コンテナ1の上方側に成形型11を配し第2ステム4の押圧により上方に向って成形を行ってもよい。また、図1〜4の第1の手法にもとづく装置に適用した例を示したが、図5〜7の第2の手法にもとづく装置にも同様に適用できる。さらに得られた成形品Sにはプレス成形等により、種々の模様、あるいは加工を施すことが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、実施例にもとづき、本発明を具体的に説明する。
実施例1
【0025】
適用合金として表1に示す組成範囲のA5056合金を選び、鋳造によって丸棒を作製し、得られた丸棒を500℃で10時間熱処理後、水中で急冷し、その後、熱間押出し(450℃、押出比10)によって直径42mmの丸棒とし、これを切断して、直径42mm、長さ50mmの丸棒を供試材(合金素材)とした。
【0026】
【表1】
【0027】
得られた供試材を図1〜4に示す装置を用いて行った。なお、コンテナ1の収納部2の内径は直径42mm、第1ステム3の第1押圧手段5の外径は直径42mm、開口部7の内径は直径30mm、第2押圧手段6の外径は直径30mm、第2ステム4の外径は直径42mmのものを用いた。得られた供試材をコンテナ1の収納部2内に投入し、第1ステム3を収納部2内に配し、図1に示す状態とした。図1の状態にした後、供試材の温度が180℃となるようにコンテナ1内の温度を調整した。次に図1の加圧密閉状態から、図2に示すように第1押圧手段5を第2ステム4に向けて押圧移動させ、第2ステム4までの距離が5mmの位置まで移動させ、これにともない第2押圧手段6は図示のように、前記とは逆方向(図示では上方向)に移動させられ、供試材の形状を断面凸形状に変化させた。次に第2押圧手段6を第2ステム4に向って押圧移動させることにより、再度図1の状態に戻した。さらに第2押圧手段6を第2ステム4に向って第2ステム4までの距離が5mmの位置まで押圧移動させ、図3に示すような状態とし、供試材の形状を断面凹形状に変化させた。その後、上記と同様に第1押圧手段5を第2ステム4に向って押圧移動させることにより、再度図1の状態に戻した。供試材は、投入時の断面矩形状から断面凸形状、断面矩形状、断面凹形状と変化させられ、最終的に投入時の断面矩形状の形態に戻る。このようにして、供試材に剪断塑性変形を与え、供試材に真歪み2以上の歪みを蓄積することができる。以上の工程を2回くり返すことにより、供試材に積算歪量3〜4(相当伸び約10000%)の加工を受けた成形材料が得られることになる。
【0028】
このようにして得られた成形材料及び投入前の供試材について、光学顕微鏡(倍率:250倍)及び透過電子顕微鏡(倍率:15000倍)にて組織観察を行った結果、投入前の供試材の平均結晶粒径が約30μmであるのに対し、成形材料は、平均結晶粒径が0.5〜1μmに微細化され、粒内に転位を含む亜結晶粒からなっていることが分かった。また、室温における機械的特性を調べたところ、投入前の供試材が0.2%耐力が130MPa、伸びが25%に対して、成形材料が、0.2%耐力が320MPa、伸びが20%であり、結晶粒の微細化により機械的特性の向上がみられた。
【0029】
さらに、得られた成形材料を、図8、9に示す装置を用い、断面略H字状の外周縁部が表裏に突出する突出部を備えた円板状の成形品を作製した。成形時の温度は上述と同様で180℃である。得られた成形品は、成形材料に比べ組織はさらに微細化され、機械的特性もさらに向上していた。これは、成形材料も成形型内に塑性流動させられる際にも歪を与えられた結果と考えられる。
実施例2
【0030】
適用合金として表2に示す組成範囲のZK60合金を選び、鋳造によって丸棒を作製し、得られた丸棒を499℃で2時間熱処理後、水中で急冷し、その後、熱間押出し、(300℃、押出比10)によって、直径42mmの丸棒とし、これを切断して直径42mm、長さ50mmの丸棒を供試材(合金素材)とした。
【0031】
【表2】
【0032】
得られた供試材を図5〜7に示す装置を用いて行った。なお、コンテナ1の収納部2の内径は直径42mm、第1及び第2ステム3、4の第1押圧手段5、8の外径は直径42mm、開口部7、10の内径は直径30mm、第1及び第2ステム3、4の第2押圧手段6、9の外径は直径30mmのものを用いた。得られた供試材を、コンテナ1の収納部2内に投入し、第1ステム3を収納部2内に配し、図5に示す状態とした。図5の状態とした後、供試材の温度が180℃となるようにコンテナ1内の温度を調整した。次に図5の加圧密閉状態から、図6に示すように第1ステム3の第1押圧手段5を第2ステム4に向けて押圧移動させ、第2ステム4までの距離が5mmの位置まで移動させ、これにともない第1ステム3の第2押圧手段6は図示のように前記とは逆方向(図示では上方向)に移動させられ、供試材の形状を断面凸形状に変化させた。次に、第1ステム3の第2押圧手段6を第2ステム4に向って押圧移動させることにより、再度図5の状態に戻した。その後、供試材を第2ステム4により、第1ステム3側(図7に示すようにコンテナ1の上方)へ移動させ、次に第2ステム4の第1押圧手段8を第1ステム3に向けて押圧移動させ、第1ステム3までの距離が5mmの位置まで移動させ、図7に示される状態とし、供試材の形状を断面逆凸形状に変化させた。次に第2ステム4の第2押圧手段9を第1ステム3に向って押圧移動させることにより、再度図5に示す状態に戻した。各押圧手段による押出比は3にて行った。供試材は、投入時の断面矩形状から断面凸形状、断面矩形状、断面逆凸形状と変化させられ、最終的に投入時の断面矩形状の形態に戻る。
【0033】
このようにして、供試材に剪断塑性変形を与え、供試材に真歪み2以上の歪みを蓄積することができる。以上の工程を2回くり返すことにより、供試材に積算歪量3〜4(相当伸び約10000%)の加工を受けた成形材料が得られることになる。本実施例においては、未変形領域がなく、合金素材全体を均一に変形させることができる。
【0034】
このようにして得られた成形材料及び投入前の供試材について、光学顕微鏡(倍率:500倍)及び透過電子顕微鏡(倍率:30000倍)にて組織観察を行った結果、投入前の供試材の平均結晶粒径が約30μm程度であるのに対して、成形材料は平均結晶粒径が0.5〜1μmに微細化されていることが分かった。また、室温における機械的特性を調べたところ、投入前の供試材が0.2%耐力が210MPa、伸びが5%であるのに対して、成形材料が0.2%耐力が370MPa、伸びが10%と耐力及び伸びとも改善されており、結晶粒の微細化により機械的特性の向上がみられた。
【0035】
さらに、実施例1と同様に得られた成形材料を図8、9に示す装置を用い、断面略H字状の外周縁部が表裏に突出する突出部を備えた円板状の成形品を作製した。成形時の温度は上述と同様で180℃である。得られた成形品は、成形材料に比べ組織はさらに微細化され、機械的特性もさらに向上していた。これは、成形材料が成形型内に塑性流動させられる際にも歪を与えられた結果と考えられる。
【0036】
一方、本実施例の成形材料は、温度325℃、歪速度1×10−2S−1で最大約540%破断伸びを示すことから、得られた成形材料を図8、9に示す装置を用い、成形温度を325℃、成形速度20mm/sの条件とし、上記と同様の成形品を作製した。このようにして得られた成形品においても上記と同様に組織は微細化され、機械的特性もさらに向上していた。これも、成形材料が成形型内に塑性流動させられる際にも歪を与えられた結果と考えられる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、合金素材の結晶の微細化作業が容易に行え、作業数及び作業時間の短縮化が行え、また大きな偏荷重を加えることなく成形材料及び成形品の製造が行える。さらに、結晶の微細化により機械的特性の向上が行え、高強度、高靭性な成形材料及び成形品を提供することができる。また、成形材料の製造にあたっては、初めの合金素材の形状に戻すことができるとともに、最終的な成形材料の形状を制御できるので、以後塑性加工を施し、成形品を作製する場合は、塑性加工しやすい形状に制御して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法に適した装置の説明図で、最初の工程の状態を示す。
【図2】図1の次の工程の状態を示す。
【図3】図2の次の工程の状態を示す。
【図4】第1ステム、第2ステム、コンテナの分割斜視図である。
【図5】本発明の製造法に適した他の装置の説明図で、最初の工程の状態を示す。
【図6】図5の次の工程の状態を示す。
【図7】図6の次の工程の状態を示す。
【図8】本発明の製造法に適したさらに他の装置の説明図で、最初の工程の状態を示す。
【図9】図8の最終段階の状態を示す。
【符号の説明】
1 コンテナ
2 収納部
3 第1ステム
4 第2ステム
5、8 第1押圧手段
6、9 第2押圧手段
7、10 開口部
11 成形型
12 連通口
13 成形上型
14 成形下型
15 成形部
Claims (7)
- 密閉された空間内にAl合金又はMg合金素材を配し、該空間が、合金素材を配する収納部を有するコンテナと前記収納部内に配され、収納部内を摺動可能なステムとから形成され、前記ステムがそれぞれ独立して摺動可能な少なくとも2以上の押圧手段を備え、これらの押圧手段を、材料に対する押圧を保ったまま空間内を前進後退させることにより、前記密閉された空間の形態を変化させることを繰り返し行うことにより、前記合金素材に220%以上の伸びに相当する塑性変形(歪)を与え、平均結晶粒径を10μm以下、金属間化合物の平均粒子径を1μm以下に微細化することによって、高強度、高靭性材料を製造することを特徴とする成形材料の製造方法。
- 密閉された空間内にAl合金又はMg合金素材を配し、該空間が、合金素材を配し、長手方向に連通する収納部を有するコンテナと、前記収納部内に配され、収納部内に対向して摺動可能な第1及び第2ステムとから形成され、前記第1又は/及び第2ステムがそれぞれ独立して摺動可能な少なくとも2以上の押圧手段を備え、これらの押圧手段、材料に対する押圧を保ったまま空間内を前進後退させることをにより、前記密閉された空間の形態を変化させることを繰り返し行うことにより、前記合金素材に220%以上の伸びに相当する塑性変形(歪)を与え、平均結晶粒径を10μm以下、金属間化合物の平均粒子径を1μm以下に微細化することによって、高強度、高靭性材料を製造することを特徴とする成形材料の製造方法。
- 合金素材は、鋳造材に熱間塑性加工を施したものである請求項1又は2記載の成形材料の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項で得られた成形材料を温度100〜450℃、歪速度10-5〜100S-1の成形加工条件で成形することを特徴とする成形品の製造方法。
- 得られた成形材料を固相状態のまま成形型内に押圧し、塑性流動させることにより成形する請求項4記載の成形品の製造方法。
- 得られた成形材料が配される供給部と成形型内に形成された成形部とが連通されてなり、供給部と成形部とが角度を持って連結されてなり、塑性流動の際にも歪を与え成形する請求項4記載の成形品の製造方法。
- 得られた成形材料を固相状態のまま押出成形を行う請求項4記載の成形品の製造方法。
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