JP3629676B2 - 帯水層の多重観測井及びその施工法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯水層の観測井とその施工法に関し、特に、1ヶ所のボーリングで複数の帯水層を観測できる帯水層の多重観測井とその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設現場において、地盤中に汚染土壌が埋設されていたり、埋設された汚染物質から流出してくる汚染地下水の存在が問題になっている。このために、土壌の調査や地下水にトリクロロエチレンや重金属等が混入していないかを調査して地盤の汚染状況を確認する工事が多くなっている。
【0003】
地下水の汚染状況を調査するために、ボーリング孔を用いて観測井を設置して採水を行う場合、採水できる帯水層は1つであり同じ位置で他の帯水層の採水を行いたい場合には、新規に、近くの地盤にボーリングを行って新しい観測井を設けることが必要になり、設置費用も嵩んでくる。
【0004】
又、新しく観測井を設けるためには、既に設置してある観測井への影響を考慮してボーリング孔を設ける必要があり、所定の距離を隔てた別の位置で行うことになる。このことは、関連する工事が与える影響の範囲を拡大することであり、建設現場の全体作業に与える影響も無視できないものになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、同じ位置で複数の帯水層からの採水を可能に出来れば、観測井の設置に要するコストの低減、作業工程の短縮にもつながってくる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてその解決を図るために考案したものであり、1ヶ所のボーリングで複数の帯水層からの採水を可能にする、帯水層の多重観測井とその施工法の提供を目的にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による帯水層の多重観測井は、基本的に、帯水層から採水するための取水口を有する外管を継ぎ手部材で接続しながらボーリング孔に埋設する帯水層の観測井であって、外管は前記取水口を下端に有し、継ぎ手部材は上下間を貫通する孔を形成した接続部を装備して成り、接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着することで、1ヶ所のボーリングで複数の帯水層の観測を可能にしている。
【0007】
具体的には、増設継ぎ手部材は、装備する接続管の数を接続する外管の数より1つ少ない数に設定し、接続管の1つ以外の下方の接続部に継ぎ手部材間を接続する内管を装着することで、帯水層の多重観測井を簡潔に構築できると共に、採水効率の向上を図っている。
【0008】
本発明による帯水層の多重観測井の施工法は、帯水層の観測地点にボーリング孔を設け、観測する帯水層の数に相当する上記外管を継ぎ手部材を介在させて接続し、同時に継ぎ手部材に装備している接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着し、かつ、内管を上方の継ぎ手部材に装備している下方の接続部に接合してから、上記ボーリング孔に帯水層と外管の取水口とを一致させて挿入し、しかる後に帯水層には透水材を配設して粘性土層には不透水材を配設して埋設固定しており、観測する帯水層への観測井の設置を確実にしている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による帯水層の多重観測井について、その実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、2つの帯水層からの採水を行う場合の多重観測井の施工状況を説明するための1部断面図である。
図において、1は、多重観測井の第1の外管、2は、多重観測井の第2の外管、3は、第1、2の各外管を接合するための継ぎ手部材、4は、継ぎ手部材3の接続部に接合された内管である。
【0010】
地盤5は、帯水層6、7と粘性土層8から構成されている。地盤5に設けられたボーリング孔9には、地盤5の各地層に合わせて充填材が埋設されて外管1、2の確実な固定を図っている。帯水層の部分には、透水性と地下水中に混入されている土壌の除去を目的にした、けい砂等の透水材10を充填しており、粘性土層の部分には、ボーリング孔壁の崩壊防止と外管固定の安定化のために、ペレット状にしたベントナイト等の不透水材11を充填している。
【0011】
外管1、2は、塩化ビニールを材質にしてパイプ状に形成されている。外管の上端12と下端13には、接合の状況に合わせてねじ14が切ってあり、後述する継ぎ手部材3と螺合できるようにしている。
外管の下端12付近には、帯水層から採水するための取水スリット15が放射状に設けられ、上述した不純物の混入を避けるために表面をスクリーン16で保護している。
各外管の長さは、帯水層の位置に応じて調整されたものになるが、地盤に穿孔したボーリング孔からの地層調査によって、その位置は容易に決定可能である。
【0012】
継ぎ手部材3は、金属製である。大径の中央部に上記外管1、2と螺合するためのねじが切ってあり、中央部の中心部分には突起17が設けてある。
突起17の高さは、外管1、2の表面寸法と同一にしてあり、接合した際に表面上に凹凸が発生しないようにしている。突起17は、外管をねじ込む際のストッパーの役目と両外管の接合面から採水が流通するのを阻止する機能を有しているが、いずれの場合にもあまり大きな力が加えられないので、その形成は通常の機械工作の方法で充分である。
即ち、継ぎ手部材を機械加工する際に、大径の中央部全体に外管と螺合するためのねじを切っておき、突起17に外管と同様のねじを切って中央部にねじ込んで行き、所定の位置で点付けや溶着によって固定することもできるし、機械加工で形通りに加工するのも容易である。
【0013】
継ぎ手部材3には、任意の位置に内管4を装着する接続管18を装備している。
接続管18は、その数が外管の接続個数より1つ少ない数であり、地盤の観測する帯水層の数に対応している。接続管18の形状は、継ぎ手部材3の上下間を接続するために上下間を貫通する孔19を形成している。
本実施の形態では、観測する帯水層が2つであることから、接続管18は継ぎ手部材3の中心軸の部分に配置されているが、観測する帯水層の数が増加した場合には、接続管18の装備個数を増やす必要がある。
この場合には、後述するように、継ぎ手部材に配置される位置を中心軸の位置から外して、接続部の配置状態をバランス良く構成する。
【0014】
内管4は、外管と同様の材質でパイプ状に形成されており、その上下端に、接続管18と螺合するためのねじを切ってある。
本実施の形態では、図示のように上方の接続管18のみに内管4が接続されているが、観測する帯水層が2つ以上になると、内管4の使用本数も増加させることになる。この場合には、複数の継ぎ手部材間を連絡するために継ぎ手部材3の下方の接続管にも内管4を螺合させる必要があるので、内管4の両端のねじを使用することになる。
なお、内管4と接続管18との螺合には、ねじ部にシールテープを巻いて止水性を向上させている。
【0015】
観測井全体は、養生蓋20で保護されており、観測井の内部に配置されている外管1と内管4の上端には、個別にキャップ21、22が被せてある。
各帯水層6、7からの採水は、これらのキャップを取り除いて外管1もしくは内管4の上端に図示していない採水装置を接続して行われる。各帯水層からの採水が個別に行われるために、採水装置による吸引力は採水目的の帯水層だけでなく、他の帯水層にも及ぶことになる。
【0016】
正確な観測をするためには、帯水層間の越流は完全に阻止して各帯水層の地下水のみを確実に採水しなければならない。このために、本実施の態様では外管1の外表面で、帯水層6、7間に存在する粘性土層8に対峙する部分に、複数の膨潤性のゴムシール材23を貼設しており、ベントナイト11と一体になって止水性を高めている。
【0017】
本実施の態様では、上層の帯水層6からの採水は、外管1を使用して行われるもので、矢視24のように外管の下端に設けられている取水スリット15を通じて観測井に導入される。又、下層の帯水層7からの採水は、内管4を使用して行われるもので、矢視25のように外管の下端に設けられている取水スリット15を通じて観測井に導入されてから、接続管18、内管4を経て取り出される。
【0018】
図2は、図1のa−a断面図である。
図示のように、上層の帯水層6からの採水24は、スクリーン16で覆われた外管1の取水スリット15を通じて観測井に導入されて外管1を使用して行われる。そして、下層の帯水層7からの採水25は、外管の下端に設けられている取水スリットを通じて観測井に導入されてから、接続管18の貫通孔19を通じて内管4を使用して行われている。
【0019】
上記では、観測することの必要な帯水層が2ヶ所の場合について述べたが、帯水層の数が増加した場合の対応について説明する。
図3は、要観測帯水層が3ヶ所の場合に用いる継ぎ手部材の平面図(a)と断面図(b)である。
継ぎ手部材30には、2個の接続管31、32を装備している。接続管31、32は、継ぎ手部材30の上方にある接続部31’、32’と下方にある接続部31”、32”から構成されている。接続部31’、32’と下方にある接続部31”、32”には、継ぎ手部材30の上下間を接続するための貫通孔33を設けており、その先端部分に内管4と螺合するねじを設けている。
継ぎ手部材30の中央部には外管1、2と螺合するためのねじが切ってあり、中央部の中心部分には突起が設けてある。
継ぎ手部材30に設ける接続部の数は、観測帯水層の数と同数に用意される外管の数より1つ少なく設定されるものであるから、確認された帯水層の数に応じて継ぎ手部材30に設ける接続部は想像線で示すように暫時増設して行くことになるが、その配置に関しては必ずしも図示の例に基づく必要はなく、表面を有効に使用した配置形で対応することになる。
【0020】
図4には、地盤中の3ヶ所の帯水層から採水する場合の実施の形態を示している。
本実施の形態では、前述した実施の形態例の継ぎ手部材3に加えて、上記継ぎ手部材30を増設しているが、図1で説明したものと同一の部材を使用している場合には、同じ符号で表示している。
地盤中に採水を必要とする帯水層、34、35、36が図示のように存在している場合に、帯水層34に対応して観測井の最深部に適用する継ぎ手部材3と外管2及び内管4の装着状態は図1で示した実施の形態例と同様である。そして、帯水層35に対応してその上に増設されている外管2’と継ぎ手部材30とは次のように構成されている。
【0021】
増設された観測井の部分は、継ぎ手部材3の接続管18と継ぎ手部材30に装備した接続管32の下方にある接続部32”との間に1個の内管4を接続してあり、接続管31の下方にある接続部31”は開放されたままである。そして、継ぎ手部材3と継ぎ手部材30との間には外管2’を接続している。
又、継ぎ手部材30に装備した接続管31、32の上方にある接続部31’、32’には、それぞれに内管4を接続してあり、全体を覆うように外管1が接続管30に接続されている。
【0022】
従って、帯水層34からの採水は、継ぎ手部材3の接続管18から内管4を通って継ぎ手部材30に到達し、継ぎ手部材30の接続管32の貫通孔を経由して、接続管32の上方の接続部32’に吸引されこれに接続されている内管4から採取可能である。又、帯水層35からの採水は、継ぎ手部材30の下方の接続部31”から地下水を導入し、接続管31の貫通孔を経由して接続管上方の接続部31’に吸引され、これに接続されている内管4から採取できる。
さらに、帯水層36からの採水は、外管1の下方端に設けられている取水口から導水されて外管の上方端から直接行われることになる。
【0023】
本発明による帯水層の多重観測井の施工は、以下のように行われる。
施工現場で行われる地盤5の観測地点におけるボーリング孔9穿設の一方で、観測する帯水層6、7の数に合わせて継ぎ手部材3を介在させて2個の外管1、2を接続し、同時に、継ぎ手部材3に装備している接続管18の上方に取水用の内管4を螺合して接続して置く。
次いで、継ぎ手部材3を介在させて接続した外管1、2をボーリング孔9に挿入し、帯水層6、7と外管1、2の取水スリット15とを一致させて仮止めする。
しかる後に、帯水層6、7にけい砂等の透水材10を配設し、粘性土層8にはベントナイトのような不透水材11を配設して外管1、2を固定する。この際に、外管2の外表面の粘性土層8とベントナイト11に接触する部分には膨潤ゴムシールド23を貼設して帯水層間の止水性を高めることが望ましい。
【0024】
上述した実施の形態から明らかなように、本発明による帯水層の多重観測井は、外管の間に介在させた継ぎ手部材に装備している接続管の数を、外管の数より1つ少なく設定しておき、接続管の間に内管を接続することによって、複数の帯水層からの採水を同一位置に穿孔した1つのボーリングで容易に実施できるので、観測井の設置に掛るコストの低減と作業行程の短縮を図ることが可能になる。
【0025】
以上、実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による帯水層の多重観測井は、基本的に、帯水層から採水するための取水口を下端に有する外管を継ぎ手部材で接続し、継ぎ手部材には上下間を貫通する孔を形成した接続部を装備して、接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着することで、同一位置に穿孔した1ヶ所のボーリングで複数の帯水層の観測を可能にしているものであるから、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、発明の趣旨に反しない範囲において種々の変更が可能であることは当然である。
【0026】
【発明の効果】
本発明による帯水層の多重観測井は、基本的に、帯水層から採水するための取水口を有する外管を継ぎ手部材で接続しながらボーリング孔に埋設する帯水層の観測井であって、外管は前記取水口を下端に有し、継ぎ手部材は上下間を貫通する孔を形成した接続部を装備して成り、接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着しているので、同一位置に穿孔した1ヶ所のボーリングで複数の帯水層の観測を可能にしているから、観測井の設置に掛るコストの低減と作業行程の短縮を図る効果を奏している。
【0027】
具体的には、増設継ぎ手部材は、装備する接続管の数を接続する外管の数より1つ少ない数に設定し、接続管の1つ以外の下方の接続部に継ぎ手部材間を接続する内管を装着することで、帯水層の多重観測井を簡潔に構築できると共に、採水効率の向上を図る効果を発揮している。
【0028】
又、本発明による帯水層の多重観測井の施工法は、帯水層の観測地点にボーリング孔を設け、観測する帯水層の数に相当する上記外管を継ぎ手部材を介在させて接続し、同時に継ぎ手部材に装備している接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着し、かつ、内管を上方の継ぎ手部材に装備している下方の接続部に接合してから、上記ボーリング孔に帯水層と外管の取水口とを一致させて挿入し、しかる後に帯水層には透水材を配設して粘性土層には不透水材を配設して埋設固定しているので、観測する帯水層への観測井の設置を確実にする効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による帯水層の多重観測井の立断面図
【図2】本発明による帯水層の多重観測井の断面図
【図3】本発明に用いる継ぎ手部材を示す他の実施の形態図
【図4】本発明による帯水層の多重観測井を示す他の実施の形態図
【符号の説明】
1、2外管、 3 継ぎ手部材、 4 内管、 5 地盤、
6、7 帯水層、 8 粘性土層、 9 ボーリング孔、
10 透水材(けい砂)、 11 不透水材(ベントナイト)、
12 外管の上端、 13 外管の下端、 14 ねじ、 15 取水口、
16 スクリーン、 17 突起、 18 接続管、 19 貫通孔、
20 養生蓋、 21、22 キャップ、 23 膨潤ゴムシート、
24、25 採水、 30 継ぎ手部材、 31、32 接続管、
33 貫通孔、
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯水層の観測井とその施工法に関し、特に、1ヶ所のボーリングで複数の帯水層を観測できる帯水層の多重観測井とその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設現場において、地盤中に汚染土壌が埋設されていたり、埋設された汚染物質から流出してくる汚染地下水の存在が問題になっている。このために、土壌の調査や地下水にトリクロロエチレンや重金属等が混入していないかを調査して地盤の汚染状況を確認する工事が多くなっている。
【0003】
地下水の汚染状況を調査するために、ボーリング孔を用いて観測井を設置して採水を行う場合、採水できる帯水層は1つであり同じ位置で他の帯水層の採水を行いたい場合には、新規に、近くの地盤にボーリングを行って新しい観測井を設けることが必要になり、設置費用も嵩んでくる。
【0004】
又、新しく観測井を設けるためには、既に設置してある観測井への影響を考慮してボーリング孔を設ける必要があり、所定の距離を隔てた別の位置で行うことになる。このことは、関連する工事が与える影響の範囲を拡大することであり、建設現場の全体作業に与える影響も無視できないものになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、同じ位置で複数の帯水層からの採水を可能に出来れば、観測井の設置に要するコストの低減、作業工程の短縮にもつながってくる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてその解決を図るために考案したものであり、1ヶ所のボーリングで複数の帯水層からの採水を可能にする、帯水層の多重観測井とその施工法の提供を目的にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による帯水層の多重観測井は、基本的に、帯水層から採水するための取水口を有する外管を継ぎ手部材で接続しながらボーリング孔に埋設する帯水層の観測井であって、外管は前記取水口を下端に有し、継ぎ手部材は上下間を貫通する孔を形成した接続部を装備して成り、接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着することで、1ヶ所のボーリングで複数の帯水層の観測を可能にしている。
【0007】
具体的には、増設継ぎ手部材は、装備する接続管の数を接続する外管の数より1つ少ない数に設定し、接続管の1つ以外の下方の接続部に継ぎ手部材間を接続する内管を装着することで、帯水層の多重観測井を簡潔に構築できると共に、採水効率の向上を図っている。
【0008】
本発明による帯水層の多重観測井の施工法は、帯水層の観測地点にボーリング孔を設け、観測する帯水層の数に相当する上記外管を継ぎ手部材を介在させて接続し、同時に継ぎ手部材に装備している接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着し、かつ、内管を上方の継ぎ手部材に装備している下方の接続部に接合してから、上記ボーリング孔に帯水層と外管の取水口とを一致させて挿入し、しかる後に帯水層には透水材を配設して粘性土層には不透水材を配設して埋設固定しており、観測する帯水層への観測井の設置を確実にしている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による帯水層の多重観測井について、その実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、2つの帯水層からの採水を行う場合の多重観測井の施工状況を説明するための1部断面図である。
図において、1は、多重観測井の第1の外管、2は、多重観測井の第2の外管、3は、第1、2の各外管を接合するための継ぎ手部材、4は、継ぎ手部材3の接続部に接合された内管である。
【0010】
地盤5は、帯水層6、7と粘性土層8から構成されている。地盤5に設けられたボーリング孔9には、地盤5の各地層に合わせて充填材が埋設されて外管1、2の確実な固定を図っている。帯水層の部分には、透水性と地下水中に混入されている土壌の除去を目的にした、けい砂等の透水材10を充填しており、粘性土層の部分には、ボーリング孔壁の崩壊防止と外管固定の安定化のために、ペレット状にしたベントナイト等の不透水材11を充填している。
【0011】
外管1、2は、塩化ビニールを材質にしてパイプ状に形成されている。外管の上端12と下端13には、接合の状況に合わせてねじ14が切ってあり、後述する継ぎ手部材3と螺合できるようにしている。
外管の下端12付近には、帯水層から採水するための取水スリット15が放射状に設けられ、上述した不純物の混入を避けるために表面をスクリーン16で保護している。
各外管の長さは、帯水層の位置に応じて調整されたものになるが、地盤に穿孔したボーリング孔からの地層調査によって、その位置は容易に決定可能である。
【0012】
継ぎ手部材3は、金属製である。大径の中央部に上記外管1、2と螺合するためのねじが切ってあり、中央部の中心部分には突起17が設けてある。
突起17の高さは、外管1、2の表面寸法と同一にしてあり、接合した際に表面上に凹凸が発生しないようにしている。突起17は、外管をねじ込む際のストッパーの役目と両外管の接合面から採水が流通するのを阻止する機能を有しているが、いずれの場合にもあまり大きな力が加えられないので、その形成は通常の機械工作の方法で充分である。
即ち、継ぎ手部材を機械加工する際に、大径の中央部全体に外管と螺合するためのねじを切っておき、突起17に外管と同様のねじを切って中央部にねじ込んで行き、所定の位置で点付けや溶着によって固定することもできるし、機械加工で形通りに加工するのも容易である。
【0013】
継ぎ手部材3には、任意の位置に内管4を装着する接続管18を装備している。
接続管18は、その数が外管の接続個数より1つ少ない数であり、地盤の観測する帯水層の数に対応している。接続管18の形状は、継ぎ手部材3の上下間を接続するために上下間を貫通する孔19を形成している。
本実施の形態では、観測する帯水層が2つであることから、接続管18は継ぎ手部材3の中心軸の部分に配置されているが、観測する帯水層の数が増加した場合には、接続管18の装備個数を増やす必要がある。
この場合には、後述するように、継ぎ手部材に配置される位置を中心軸の位置から外して、接続部の配置状態をバランス良く構成する。
【0014】
内管4は、外管と同様の材質でパイプ状に形成されており、その上下端に、接続管18と螺合するためのねじを切ってある。
本実施の形態では、図示のように上方の接続管18のみに内管4が接続されているが、観測する帯水層が2つ以上になると、内管4の使用本数も増加させることになる。この場合には、複数の継ぎ手部材間を連絡するために継ぎ手部材3の下方の接続管にも内管4を螺合させる必要があるので、内管4の両端のねじを使用することになる。
なお、内管4と接続管18との螺合には、ねじ部にシールテープを巻いて止水性を向上させている。
【0015】
観測井全体は、養生蓋20で保護されており、観測井の内部に配置されている外管1と内管4の上端には、個別にキャップ21、22が被せてある。
各帯水層6、7からの採水は、これらのキャップを取り除いて外管1もしくは内管4の上端に図示していない採水装置を接続して行われる。各帯水層からの採水が個別に行われるために、採水装置による吸引力は採水目的の帯水層だけでなく、他の帯水層にも及ぶことになる。
【0016】
正確な観測をするためには、帯水層間の越流は完全に阻止して各帯水層の地下水のみを確実に採水しなければならない。このために、本実施の態様では外管1の外表面で、帯水層6、7間に存在する粘性土層8に対峙する部分に、複数の膨潤性のゴムシール材23を貼設しており、ベントナイト11と一体になって止水性を高めている。
【0017】
本実施の態様では、上層の帯水層6からの採水は、外管1を使用して行われるもので、矢視24のように外管の下端に設けられている取水スリット15を通じて観測井に導入される。又、下層の帯水層7からの採水は、内管4を使用して行われるもので、矢視25のように外管の下端に設けられている取水スリット15を通じて観測井に導入されてから、接続管18、内管4を経て取り出される。
【0018】
図2は、図1のa−a断面図である。
図示のように、上層の帯水層6からの採水24は、スクリーン16で覆われた外管1の取水スリット15を通じて観測井に導入されて外管1を使用して行われる。そして、下層の帯水層7からの採水25は、外管の下端に設けられている取水スリットを通じて観測井に導入されてから、接続管18の貫通孔19を通じて内管4を使用して行われている。
【0019】
上記では、観測することの必要な帯水層が2ヶ所の場合について述べたが、帯水層の数が増加した場合の対応について説明する。
図3は、要観測帯水層が3ヶ所の場合に用いる継ぎ手部材の平面図(a)と断面図(b)である。
継ぎ手部材30には、2個の接続管31、32を装備している。接続管31、32は、継ぎ手部材30の上方にある接続部31’、32’と下方にある接続部31”、32”から構成されている。接続部31’、32’と下方にある接続部31”、32”には、継ぎ手部材30の上下間を接続するための貫通孔33を設けており、その先端部分に内管4と螺合するねじを設けている。
継ぎ手部材30の中央部には外管1、2と螺合するためのねじが切ってあり、中央部の中心部分には突起が設けてある。
継ぎ手部材30に設ける接続部の数は、観測帯水層の数と同数に用意される外管の数より1つ少なく設定されるものであるから、確認された帯水層の数に応じて継ぎ手部材30に設ける接続部は想像線で示すように暫時増設して行くことになるが、その配置に関しては必ずしも図示の例に基づく必要はなく、表面を有効に使用した配置形で対応することになる。
【0020】
図4には、地盤中の3ヶ所の帯水層から採水する場合の実施の形態を示している。
本実施の形態では、前述した実施の形態例の継ぎ手部材3に加えて、上記継ぎ手部材30を増設しているが、図1で説明したものと同一の部材を使用している場合には、同じ符号で表示している。
地盤中に採水を必要とする帯水層、34、35、36が図示のように存在している場合に、帯水層34に対応して観測井の最深部に適用する継ぎ手部材3と外管2及び内管4の装着状態は図1で示した実施の形態例と同様である。そして、帯水層35に対応してその上に増設されている外管2’と継ぎ手部材30とは次のように構成されている。
【0021】
増設された観測井の部分は、継ぎ手部材3の接続管18と継ぎ手部材30に装備した接続管32の下方にある接続部32”との間に1個の内管4を接続してあり、接続管31の下方にある接続部31”は開放されたままである。そして、継ぎ手部材3と継ぎ手部材30との間には外管2’を接続している。
又、継ぎ手部材30に装備した接続管31、32の上方にある接続部31’、32’には、それぞれに内管4を接続してあり、全体を覆うように外管1が接続管30に接続されている。
【0022】
従って、帯水層34からの採水は、継ぎ手部材3の接続管18から内管4を通って継ぎ手部材30に到達し、継ぎ手部材30の接続管32の貫通孔を経由して、接続管32の上方の接続部32’に吸引されこれに接続されている内管4から採取可能である。又、帯水層35からの採水は、継ぎ手部材30の下方の接続部31”から地下水を導入し、接続管31の貫通孔を経由して接続管上方の接続部31’に吸引され、これに接続されている内管4から採取できる。
さらに、帯水層36からの採水は、外管1の下方端に設けられている取水口から導水されて外管の上方端から直接行われることになる。
【0023】
本発明による帯水層の多重観測井の施工は、以下のように行われる。
施工現場で行われる地盤5の観測地点におけるボーリング孔9穿設の一方で、観測する帯水層6、7の数に合わせて継ぎ手部材3を介在させて2個の外管1、2を接続し、同時に、継ぎ手部材3に装備している接続管18の上方に取水用の内管4を螺合して接続して置く。
次いで、継ぎ手部材3を介在させて接続した外管1、2をボーリング孔9に挿入し、帯水層6、7と外管1、2の取水スリット15とを一致させて仮止めする。
しかる後に、帯水層6、7にけい砂等の透水材10を配設し、粘性土層8にはベントナイトのような不透水材11を配設して外管1、2を固定する。この際に、外管2の外表面の粘性土層8とベントナイト11に接触する部分には膨潤ゴムシールド23を貼設して帯水層間の止水性を高めることが望ましい。
【0024】
上述した実施の形態から明らかなように、本発明による帯水層の多重観測井は、外管の間に介在させた継ぎ手部材に装備している接続管の数を、外管の数より1つ少なく設定しておき、接続管の間に内管を接続することによって、複数の帯水層からの採水を同一位置に穿孔した1つのボーリングで容易に実施できるので、観測井の設置に掛るコストの低減と作業行程の短縮を図ることが可能になる。
【0025】
以上、実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による帯水層の多重観測井は、基本的に、帯水層から採水するための取水口を下端に有する外管を継ぎ手部材で接続し、継ぎ手部材には上下間を貫通する孔を形成した接続部を装備して、接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着することで、同一位置に穿孔した1ヶ所のボーリングで複数の帯水層の観測を可能にしているものであるから、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、発明の趣旨に反しない範囲において種々の変更が可能であることは当然である。
【0026】
【発明の効果】
本発明による帯水層の多重観測井は、基本的に、帯水層から採水するための取水口を有する外管を継ぎ手部材で接続しながらボーリング孔に埋設する帯水層の観測井であって、外管は前記取水口を下端に有し、継ぎ手部材は上下間を貫通する孔を形成した接続部を装備して成り、接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着しているので、同一位置に穿孔した1ヶ所のボーリングで複数の帯水層の観測を可能にしているから、観測井の設置に掛るコストの低減と作業行程の短縮を図る効果を奏している。
【0027】
具体的には、増設継ぎ手部材は、装備する接続管の数を接続する外管の数より1つ少ない数に設定し、接続管の1つ以外の下方の接続部に継ぎ手部材間を接続する内管を装着することで、帯水層の多重観測井を簡潔に構築できると共に、採水効率の向上を図る効果を発揮している。
【0028】
又、本発明による帯水層の多重観測井の施工法は、帯水層の観測地点にボーリング孔を設け、観測する帯水層の数に相当する上記外管を継ぎ手部材を介在させて接続し、同時に継ぎ手部材に装備している接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着し、かつ、内管を上方の継ぎ手部材に装備している下方の接続部に接合してから、上記ボーリング孔に帯水層と外管の取水口とを一致させて挿入し、しかる後に帯水層には透水材を配設して粘性土層には不透水材を配設して埋設固定しているので、観測する帯水層への観測井の設置を確実にする効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による帯水層の多重観測井の立断面図
【図2】本発明による帯水層の多重観測井の断面図
【図3】本発明に用いる継ぎ手部材を示す他の実施の形態図
【図4】本発明による帯水層の多重観測井を示す他の実施の形態図
【符号の説明】
1、2外管、 3 継ぎ手部材、 4 内管、 5 地盤、
6、7 帯水層、 8 粘性土層、 9 ボーリング孔、
10 透水材(けい砂)、 11 不透水材(ベントナイト)、
12 外管の上端、 13 外管の下端、 14 ねじ、 15 取水口、
16 スクリーン、 17 突起、 18 接続管、 19 貫通孔、
20 養生蓋、 21、22 キャップ、 23 膨潤ゴムシート、
24、25 採水、 30 継ぎ手部材、 31、32 接続管、
33 貫通孔、
Claims (4)
- 帯水層から採水するための取水口を有する外管を、継ぎ手部材で接続しながらボーリング孔に埋設する帯水層の観測井であって、該外管は前記取水口を下端に有し、該継ぎ手部材は上下間を貫通する孔を形成した接続管を装備して成り、該接続管の上方の接続部には取水用の内管を装着することを特徴とする帯水層の多重観測井。
- 増設継ぎ手部材は、装備する接続管の数を接続する外管の数より1つ少ない数に設定することを特徴とする請求項1に記載の帯水層の多重観測井。
- 増設継ぎ手部材は、接続管の1つ以外の下方の接続部に継ぎ手部材間を接続する内管を装着することを特徴とする請求項1又は2に記載の帯水層の多重観測井。
- 帯水層の観測地点にボーリング孔を穿設し、観測する帯水層の数に相当する上記外管を継ぎ手部材を介在させて接続し、同時に該継ぎ手部材に装備している接続部の少なくとも上方に取水用の内管を装着し、かつ、該内管を上方の継ぎ手部材に装備している下方の接続部に接合してから、上記ボーリング孔に帯水層と外管の取水口とを一致させて挿入し、しかる後に帯水層には透水材を配設して粘性土層には不透水材を配設して埋設固定することを特徴とする請求項1に〜3のいずれかに記載する帯水層の多重観測井の施工法。
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