JP3629266B1 - 駆動装置及びこの駆動装置への圧力液供給システム - Google Patents

駆動装置及びこの駆動装置への圧力液供給システム Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギーの効率的な活用を図ることのできる駆動装置を提供するとともに、駆動装置へ圧力液を供給するため圧力液供給システムを提供する。
【解決手段】高所の液槽2からの液体の圧力が導入され、この液体の圧力により駆動される往復運動自在な駆動用ピストン12を備えた駆動用シリンダ11を一対設け、一対の駆動用シリンダ11の各駆動用ピストン12に連結されたピストンロッド32a,32bの端部同士に連結され、各駆動用ピストン12を相互に逆位相で往復運動させる往復動機構たるシーソー機構40と、各駆動用ピストン12の逆位相の往復運動に合わせて、一方の駆動用シリンダ11が加圧状態とされたときに、他方の駆動用シリンダ11が非加圧状態とされるように、交互に切り換える切換機構20を具備した。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体の圧力を利用して駆動力を得る駆動装置およびこの駆動装置への圧力液供給システムに関する。
従来、例えば液体である水の圧力(落下水)を利用して駆動力を得る技術として水力発電装置が最も良く知られている。一般的な水力発電装置としては、例えば、水力発電所に設けられるものであって、ダム堤体部を主要部とする水槽と、この水槽から取水口を通じて排出される流水を水車まで導く水圧管路と、この水圧管路を流れる流水により駆動される水車と、この水車により駆動される発電機とを含むものがある。
しかしながら、このような水力発電装置では、水圧管路において、取水口から水車まで十分な発電を行うための落差が必要であり、このような落差は、通常、傾斜が急で険しい地形を利用したダム等の建設により相当の資金、資材、労働力の投入があってはじめて確保されるものである。
また、昨今のエネルギーの効率的な活用の観点から、一般家庭や工場等の事業所単位で発電を行える水力発電装置を保有したいとする社会的なニーズが存在するが、かかる大がかりな水力発電装置では、汎用性がなく、このような社会的ニーズに殆ど対応できないという問題を有している。
ここで、汎用性をもたせるために発電に必要な落差を水中ポンプ等の揚水装置をもって確保することが考えられる(例えば、非特許文献1)。
図12は、従来の揚水装置を示した構造図であり、同図に示すように、揚水装置100は、ポンプ部101と、駆動部102と、揚程管103とを備えている。ポンプ部101は、シリンダ101aと、このシリンダ101a内で往復運動するピストン101bと、このピストン101bの往復運動により、液体としての水Wをシリンダ101a内に吸い込むシリンダ吸込口101cと、水Wをシリンダ101aから吐き出すためのシリンダ吐出口101dとを備えている。シリンダ吸込口101cには吸込口逆止弁101eが設けられ、また、シリンダ吐出口101dには、吐出口逆止弁101fが設けられている。
駆動部102は、回転運動を往復運動に変換してピストン101bに伝える変換機構102aと、この変換機構102aに回転力を付与するための回転力付与手段102bとを備えている。揚程管103は、高所から低所にわたって配設され、低所において前記シリンダ101aに連結され、前記シリンダ吐出口101dを通じてシリンダ101a内に連通している。
このような揚水装置100によれば、図示しない電源スイッチにより電源を投入すると、駆動部102の回転力付与手段102bにより変換機構102aが作動し、ポンプ部101のピストン101bが往復運動する。ピストン101bが上昇動すると、シリンダ吸込口101cが開き、水槽S1の水Wがシリンダ101a内に吸い込まれる。このとき、シリンダ吐出口101dの吐出口逆止弁101fは閉じられた状態にあり、水Wがシリンダ吐出口101dから流入してくることはない。
その後、ピストン101bが下降動すると、シリンダ101a内に吸い込まれた水Wがピストン101bの力で吐出口逆止弁101fを押し上げて、シリンダ吐出口101dから揚程管103内に水Wが吐出される。このとき、吸込口逆止弁101eは水Wの圧力を受けて閉じられた状態となっており、水槽S1内に水Wが逆流することはない。
駆動部102の駆動により、以上のようなピストン101bの往復運動によるサイクルが繰り返され、揚程管103を介して水Wが低所から高所へ押し揚げられることとなる。
草間秀俊著「機械工学全書13」コロナ出版、1982年7月1日、P.130−134
このような従来の揚水装置100において、シリンダ101a内に水Wを吸い込む方向でピストン101bを上昇動させる場合は、シリンダ101a内が負圧となって吐出口逆止弁101fが閉まり、揚程管103とシリンダ101aとの間が分断された状態となる。したがって、このような負圧を上回る程度のきわめて小さい力があればシリンダ101a内に水Wを吸い込むことが可能である。
これに対し、揚程管103内に水Wを吐き出す方向でピストン101bを下降動させる場合は、前記水Wを吸い込む場合とは異なり、シリンダ101a内が正圧となって吐出口逆止弁101fが開くため、揚程管103及びシリンダ101aが連通状態となって、シリンダ101a及び揚程管103に充填された水Wによる静圧を上回るような非常に大きな力が必要となる。
つまり、このような揚水装置100では、揚程管103内に水Wを吐き出す場合に静圧による負荷が非常に大きくなり、回転力付与手段102bによるエネルギーが相当に消費されるという難点を有している。また、その一方で、シリンダ101a内に水Wを吸い込む場合には、前記負圧は極めて小さくなり、回転力付与手段102bによるエネルギーを殆ど消費することがない。
このような変則的なエネルギーの消費に対応し得るような回転力付与手段102bは、従来開示されておらず、現状では、揚程管103内に水Wを吐き出す場合にのみ回転力付与手段102bに加わる非常に大きな負荷に合わせて、一律に、大きな力を変換機構102aに対して付与することとしている。
したがって、このような揚水装置100を用いて発電に必要な落差を確保しようとしても、エネルギーの効率的な活用を図ることができず、水の圧力を利用した駆動装置として発展させることに困難性を有していた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、エネルギーの効率的な活用を図ることのできる駆動装置を提供することにある。また、その他の課題として、駆動装置へ圧力液を供給するための圧力液供給システムを提供することにある。
上記課題を達成するために本発明の請求項1に記載の駆動装置は、高所の液槽からの液体の圧力を用いて駆動力を得る駆動装置であって、前記高所の液槽からの液体の圧力が導入され、この液体の圧力により駆動される往復運動自在な駆動用ピストンを備えた駆動用シリンダを一対設け、これら一対の駆動用シリンダの前記各駆動用ピストンに連結されたピストンロッドの端部同士に連結され、前記各駆動用ピストンを相互に逆位相で往復運動させる往復運動機構と、この往復運動機構による前記各駆動用ピストンの逆位相の往復運動に合わせて、前記各駆動用シリンダのうち一方の駆動用シリンダが、前記液槽からの液体の圧力が導入される加圧状態とされたときに、他方の駆動用シリンダが、前記液槽からの液体の圧力が遮断される非加圧状態とされるように、交互に切り換える切換機構と、を具備し、前記逆位相時に前記駆動用ピストンの復帰運動に伴って外部へ前記切換機構を介して排出される液体の量を前記駆動用シリンダの容量よりも少ない量としたことを特徴とする。
このような駆動装置によれば、一対の駆動用シリンダの各駆動用ピストンは、往復運動機構により相互に逆位相で往復運動されるように構成されており、切換機構の切り換えによって、高所の液槽からの液体の圧力は、各駆動用シリンダに交互に導入されるようになる。これにより、一対の駆動用シリンダの各駆動用ピストンは、交互に加圧状態とされ、一定の駆動力が交互に付与されることとなる。
一方、切換機構は、一対の駆動用シリンダのうち、一方の駆動用シリンダが加圧状態とされたときに、他方の駆動用シリンダが非加圧状態とされるように交互に切り換えるようになっているので、一方の駆動用シリンダの駆動用ピストンが加圧状態とされて駆動されているときに、他方の駆動用シリンダは非加圧状態とされて従動されるようになる。すなわち、このような各駆動用ピストンの相互の逆位相による往復運動が行われる過程で、加圧状態とされた駆動用シリンダによる駆動力は、往復運動機構を介して他方の非加圧状態とされた駆動用ピストンに対して逆向きの力となって伝達されるようになり、その結果、他方の駆動用ピストンを駆動させるための力として作用するようになる。したがって、切換機構による切り換え動作が継続して行われることにより、各駆動用シリンダに交互に導入される液体の圧力によって各駆動用ピストンの往復運動が維持されるようになり、その往復運動を駆動力として得ることができる。これにより、エネルギーの効率的な活用を図ることができる駆動装置が得られる。
請求項2に記載の駆動装置は、請求項1に記載の駆動装置において、前記各駆動用シリンダは、前記駆動用ピストンで区画され、前記高所の液槽からの液体の圧力が導入されるヘッド側室及びロッド側室と、これらヘッド側室とロッド側室とを連通する連通部とを含み、前記ヘッド側室における前記駆動用ピストンの受圧面積が前記ロッド側室における前記駆動用ピストンの受圧面積よりも大きく形成され、この受圧面積の差を利用して前記各駆動用ピストンにそれぞれ一定の駆動力を付与するように構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の駆動装置によれば、駆動時には、一対の駆動用シリンダの各駆動用ピストンで区画されたヘッド側室とロッド側室とに液槽からの液体の圧力が導入されて加圧状態とされる。ヘッド側室とロッド側室とは、連通部で連通された構成となっているので、加圧状態とされると、液槽からの液体の圧力は、ヘッド側室とロッド側室とに均一に導入されることとなる。ここで、ヘッド側室における駆動用ピストンの受圧面積は、ロッド側室における駆動用ピストンの受圧面積よりも大きく形成されており、駆動用ピストンの両側で受圧面積に差をもたせた構成となっているので、液槽からの液体の圧力が導入されると、各駆動用ピストンは、この受圧面積の差により受圧面積の大きい側から受圧面積の小さい側へ向けて駆動されることとなり、その結果、一定の駆動力が付与されることとなる。これにより、往復運動機構に対して駆動力が伝達されることとなる。
一方、この駆動用ピストンと逆位相となる駆動用ピストンにおいては、切換機構により、駆動用ピストンのヘッド側室とロッド側室とに対する液槽からの液体の圧力が遮断され、非加圧状態とされる。したがって、この駆動用ピストンを駆動させるために必要となる駆動力は減じられることとなり、当該駆動用ピストンにおける負荷が少なくなる。
すなわち、このような各駆動用ピストンの相互の逆位相による往復運動が行われる過程で、加圧状態とされた駆動用シリンダによる駆動力は、往復運動機構を介して他方の非加圧状態とされた駆動用ピストンに対して逆向きの力となって伝達されるようになり、その結果、他方の駆動用ピストンを駆動させるための力として作用するようになる。したがって、切換機構による切り換え動作が継続して行われることにより、各駆動用シリンダに交互に導入される液体の圧力によって各駆動用ピストンの往復運動が維持されるようになり、その往復運動を駆動力として得ることができる。
これにより、エネルギーの効率的な活用を図ることができる駆動装置が得られる。
請求項3に記載の駆動装置は、請求項1または請求項2に記載の駆動装置において、前記駆動用シリンダの前記ピストンロッドに連結され、このピストンロッドにより往復運動自在に駆動される揚液用ピストンを備えた揚液用シリンダと、低所にある液体源とを備え、前記揚液用ピストンの往復運動により、前記低所にある液槽から吸込口を通じて前記揚液用シリンダ内に液体を吸い込み、この揚液用シリンダ内に吸い込んだ液体を、当該揚液用シリンダに連結された揚液管に一定量ずつ順次吐き出させて、前記低所にある液槽の上方へ液体を押し揚げる揚液部を設けたことを特徴とする。
この駆動装置によれば、高所の液槽から導入された液体の圧力により一対の駆動用シリンダが駆動されると、往復運動機構により一対の揚液用シリンダ部の各揚液用ピストンが相互に逆位相で往復運動を開始し、低所にある液槽から吸込口を通じて、液体が揚液用シリンダ内に吸い込まれるとともに、この揚液用シリンダに連結された揚液管に対して液体が一定量ずつ順次吐き出される。この動作が繰り返されることにより、揚液管内には、液体が一定量ずつ充填されてゆき、揚液管内を一定量ずつ液体が上昇する。その後、揚液管内に充填された液体が、低所にある液槽の上方へ押し揚げられることとなる。ここで、「液槽の上方へ押し揚げられる」とは、低所にある液槽の上方にある他の液槽や配管の途中部位(少なくとも低所の液槽より上位となる部位)に対して圧入される場合も含む。
請求項4に記載の駆動装置は、請求項3に記載の駆動装置において、前記揚液部は、前記一対の駆動用シリンダの前記各ピストンロッドによりそれぞれ駆動されるように一対設けられ、これら一対の揚液部の前記各揚液用ピストンの相互の逆位相による往復運動で、前記一対の揚液部の各揚液用シリンダにおける液体の吸い込みと液体の吐き出しとが交互に切り換えられるようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の駆動装置によれば、揚液部が一対設けられ、この一対の揚液部の各揚液用シリンダにおける液体の吸い込みと液体の吐き出しとが交互に切り換えられるようになっているので、揚液管内には、液体が一定量ずつ一対の揚液部から交互に充填されてゆき、その後、低所にある液槽の上方へ押し揚げられることとなる。これにより、効率の良い液体の押し揚げを実現することができる。
請求項5に記載の駆動装置は、請求項3または請求項4に記載の駆動装置において、前記揚液部により揚液された液体を低所まで導く液路と、この液路に設けられ、この液路を流れてくる液体により駆動される水車と、この水車により駆動される発電機とを含む水力発電部を具備したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、エネルギーの効率的な活用を図ることが可能な駆動装置により駆動される揚液部によって液体が揚液され、この揚液された液体が液路を通じて低所まで導かれ、発電に必要な落差を確保することとしたので、例えば、共同住宅、オフィスビルや工場等の事業所単位において適切かつ十分な発電を行うことが可能となる。
請求項6に記載の駆動装置は、請求項5に記載の駆動装置において、前記揚液部は、前記液路により低所まで導かれた液体を前記各吸込口まで導き、前記各揚液管を通じてこの液体を前記高所の液槽あるいは前記液路の途中位置に揚液するものであることを特徴とする。
請求項6に記載の駆動装置によれば、一度発電に使用した液体を循環させて継続的に発電に役立てることができるので、水資源の効率的な活用を図ることができる。
請求項7に記載の駆動装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の駆動装置において、前記駆動用シリンダの駆動用ピストンに連結されたピストンロッドの往復運動を回転運動に変換する変換機構と、この変換機構を介して駆動される駆動発電機とを含む発電部を具備したことを特徴とする。
請求項7に記載の駆動装置によれば、エネルギーの効率的な活用を図ることが可能な駆動装置を用いて得られたピストンロッドの往復運動を変換機構により回転運動に変換して駆動発電機を駆動するようにしたので、駆動用ピストンの駆動力をそのまま発電に利用することができる。これにより、共同住宅、オフィスビルや工場等の事業所単位で適切かつ十分な発電を行うことが可能となる。
請求項8に記載の駆動装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置において、前記往復運動機構は、前記各駆動用ピストンの前記各ピストンロッドの端部同士に連結され、シーソー揺動により前記各駆動用ピストンを相互に逆位相で往復運動させるシーソー部材を含んで構成されることを特徴とする。
請求項8に記載の駆動装置によれば、一対の駆動用シリンダの各駆動用ピストンは、シーソー部材を介して連結され、相互に逆位相で往復運動(昇降運動)されることとなる。例えば、各駆動用ピストンの相互の逆位相による昇降運動が行われる過程で、一方の駆動用シリンダが加圧状態とされて駆動(下降力)されると、その駆動力は、シーソー部材を介して他方の非加圧状態とされた駆動用ピストンに対して逆向きの力(上昇力)となって効率よく伝達されるようになる。これにより、エネルギーの効率的な活用を図ることができる駆動装置が得られる。
請求項9に記載の駆動装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置において、前記往復運動機構は、前記各駆動用ピストンの前記各ピストンロッドの端部同士に連結され、前記各駆動用ピストンを相互に逆位相で往復運動させるとともにその往復運動を回転運動に変換するクランク部材を含んで構成されることを特徴とする。
請求項9に記載の駆動装置によれば、一対の駆動用シリンダの各駆動用ピストンは、クランク部材を介して連結され、相互に逆位相で往復運動(昇降運動)されることとなる。例えば、各駆動用ピストンの相互の逆位相による昇降運動が行われる過程で、一方の駆動用シリンダが加圧状態とされて駆動(下降力)されると、その駆動力は、クランク部材を介して他方の非加圧状態とされた駆動用ピストンに対して逆向きの力(上昇力)となって効率よく伝達されるようになる。これにより、エネルギーの効率的な活用を図ることができる駆動装置が得られる。また、クランク部材は、そのクランク軸からの出力の取り出しが行い易いという利点が得られる。
請求項10に記載の駆動装置は、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の駆動装置において、前記駆動用シリンダの前記駆動用ピストンに連結されて往復運動可能に設けられ、前記駆動用シリンダ内に前記高所の液槽からの液体の圧力を導入する導入管と、この導入管の上流側に設けられ、この導入管と間隔を隔てて設けられた圧力導入口と、前記導入管と前記圧力導入口との間に連結され、前記導入管の往復運動に従って湾曲変形することが可能な蛇腹状のホースを具備したことを特徴とする。
請求項10に記載の駆動装置によれば、蛇腹状のホースは、導入管と圧力導入口との間に連結され、導入管の往復運動に従って湾曲変形するようになっているので、加圧時に受けた液体の流量を湾曲することで流量に対する体積の変動を極力抑え、受けた流量を減らすことなく無圧(残圧が除去された状態)で戻すことができる。これにより、駆動用シリンダの往復運動を効率よく行うことができる。また、往復運動に係わるエネルギーの消費も軽減されるようになる。
これにより、エネルギーの効率的な活用を図ることができる駆動装置が得られる。
請求項11に記載の駆動装置は、請求項10に記載の駆動装置において、少なくとも前記蛇腹状のホースは、液体が密封された容器内に配置されることを特徴とする。
請求項11に記載の駆動装置によれば、蛇腹状のホースは液体が密封された容器内に配置されているので、蛇腹状のホースの周りは液体で満たされることとなり、例えば、蛇腹状のホースが大気中に配置されている場合に比べて、蛇腹状のホースのスムーズな湾曲変形を実現することができる。したがって、駆動用シリンダの往復運動をよりうまく吸収することができるようになり、往復運動に係わるエネルギーの消費が一層軽減されるようになる。
これにより、エネルギーのより効率的な活用を図ることができる駆動装置が得られる。
前記その他の目的を達成するために、請求項12に記載の駆動装置への圧力液供給システムは、請求項1乃至請求項11に記載の駆動装置を備え、前記高所の液槽からの液体を供給する供給手段と、この供給手段により供給された液体を前記高所の液槽よりも低所において所望の分岐先へ向けて複数分岐する分岐手段とを有し、前記分岐手段による各分岐先に前記駆動装置がそれぞれ配置されることを特徴とする。
このような駆動装置への圧力液供給システムによれば、高所の液槽よりも低所において、高所の液槽からの液体の圧力を所望の分岐先へ向けて複数分岐することができ、この分岐された液体の圧力を利用して各駆動装置を稼動することができる。つまり、圧力を供給するための高所の液槽を1つ設けておけば、この液槽からの供給手段を利用して、複数箇所の駆動装置を賄えるようになり、圧力液の有効な供給を図ることのできる供給システムを構築することができる。なお、このような構築システムは、高所の水槽が設置される高さを確保することのできる場所であれば、山間部、農村部、都市部等を問わず、様々な場所にて実現可能である。
本発明によれば、エネルギーの効率的な活用を図ることができる駆動装置が得られる。
また、共同住宅、オフィスビルや工場等の事業所単位で適切かつ十分な発電を行うことができる水力発電部や発電部を備えた駆動装置が得られる。さらに、圧力液の有効な供給を図ることのできる駆動装置の圧力液供給システムが得られる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駆動装置を示す概略構造図、図2は、同じく概略構造を示す模式図、図3(a)(b)は、同じく要部の構造を示す模式断面図、図4(a)は、駆動用ピストンの上面(ヘッド側室)における受圧面積を説明するための図、図4(b)は、駆動用ピストンの下面(ロッド側室)における受圧面積を説明するための図である。
なお、本実施形態の駆動装置は、高層住宅の居住者への電力供給の目的で発電を行うことが可能な構成とされているが、これに限られることはなく、これ以外の目的、例えば自社工場等への電力の供給目的で発電を行うことも可能である。また、本実施形態の駆動装置では、液体として水道水を用いているが、これに限られることはなく、井戸水や河川の水、さらには、特定の成分が混合された混合水等も使用することができる。さらに、以下の駆動装置は、発電の目的で、水を押し揚げる場合について例示したが、灌漑等、その他の目的で水を押し揚げる場合についても用いることができる。その他、各種工作機械の動力源やプレス機等の動力源として用いることもできる。
図1に示すように、駆動装置1は、駆動機構10a,10bと、切換機構20と、揚水部30a,30bと、往復運動機構としてのシーソー機構40とを備えて構成されている。そして、駆動装置1は、駆動機構10a,10bの駆動力により揚水部30a,30bを駆動し、この揚水部30a,30bによって低所の水槽4から高所の水槽2へ揚水した水Wを発電用水路3を通じて落水させることにより水車5を回転させ、発電機6を回すことにより発電を行うように構成されている。また、駆動装置1により駆動される変換機構7を用いて、駆動発電機である発電機8を回すことにより発電を行うように構成されている。
以下、各部について説明する。
A.駆動装置1
駆動装置1は、図1に示すように、高層住宅Kの居住者へ供給する電力を発電する目的で、水Wを所定の揚程で押し揚げる役割を果たすものであり、図2に示すように、一対の駆動機構10a,10bと、この一対の駆動機構10a,10bへ導入される駆動源としての水W(圧力水)の水路を交互に切り換えるための切換機構20とを備える駆動部10と、一対の駆動機構10a,10bの下方に連結して設けられ、一対の駆動機構10a,10bにより駆動される左右一対の揚水部(揚液部)30a,30bと、この一対の揚水部30a,30bの下方に設けられ、一対の揚水部30a,30bを介して前記一対の駆動機構10a,10bにより駆動されるシーソー機構40(往復運動機構)とを備えている。なお、一対の駆動機構10a,10bおよび一対の揚水部30a,30bは、それぞれ左右対称構造となっており、構成部材も左右同一であるので、以下の説明においては、その一方について詳述する。
(1)駆動機構10a(10b)
図2に示すように、駆動機構10aは、駆動用シリンダ11と、駆動用ピストン12と、この駆動用ピストン12に一体的に連結された圧力導入管13とを備えており、圧力導入管13を通じて駆動用シリンダ11内に高所の水槽2からの水Wの圧力が導入されるようになっている。
図3(a)に示すように、駆動用シリンダ11は、その内部に駆動用ピストン12が往復運動自在に収納された筒状の容器であり、駆動用ピストン12で上下に区画されたヘッド側室14とロッド側室15とを備えている。駆動用シリンダ11の側方には、このヘッド側室14とロッド側室15とを連通する連通管16が設けられている。
駆動用ピストン12には、中空円筒形状の駆動用ロッド12aが一体的に設けられている。
圧力導入管13は、駆動用シリンダ11に対して昇降動自在に設けられており、駆動用シリンダ11の天部11aを貫通して、その下部13aが駆動用ピストン12に一体的に連結されている。したがって、圧力導入管13は、駆動用ピストン12の昇降動に合わせて昇降動自在となっている。
圧力導入管13の上端部13bには、後記する導入路18a,18b(図2参照)の分岐管19a,19bに連結された蛇腹状のホース17が取り付けられている。このホース17は、駆動用ピストン12が下死点にあるときに、分岐管19a(19b)と圧力導入管13との間でほぼ直線状になるようにその長さが調整されている(図2において駆動機構10aに連結されたホース17を参照)。また、ホース17は、駆動用ピストン12が上死点にあるときに、弛んで湾曲変形した状態となる(図2において駆動機構10bに連結されたホース17を参照)。
本実施形態において、このようなホース17が取り付けられた圧力導入管13は、図4(a)に示すように、駆動用ピストン12の周部に沿って90度間隔で、計4本設けられている。また、4本のホース17に対応して、分岐管19a,19bも分岐路(図2では2本のみ図示)が4本ずつ設けられている。なお、導入路18a,18bから分岐管19a,19bを通じてホース17に至る水路、ホース17内、圧力導入管13内、駆動用シリンダ11内、連通管16内は、全て水Wで満たされている。
このような駆動機構10aにおいて、駆動用シリンダ11に水Wの圧力が導入されると、水Wの圧力は、圧力導入管13からロッド側室15に導入され、その後、連通管16を通じて駆動用ピストン12の上面側へ伝わり、ヘッド側室14に導入される。
本実施形態では、図4(a)(b)に示すように、ヘッド側室14側における駆動用ピストン12の受圧面積A1が、ロッド側室15側における駆動用ピストン12の受圧面積A2よりも大きくなるように構成してある。
すなわち、ヘッド側室14における受圧面積A1は、駆動用ピストン12の全体の面積をB、圧力導入管13の1本あたりの占める面積をCとしたときに、A1=B−4Cの関係で表される。
これに対して、ロッド側室15における受圧面積A2は、前記受圧面積A1からさらに駆動用ロッド12aが占める面積Dが引かれたものとなり、A2=A1−Dの関係で表される。
(2)切換機構20
切換機構20は、主として、高所の水槽2からの水Wの圧力が前記駆動機構10a,10bに対して交互に導入されるように切り換える役割をなすものであり、図2に示すように、一対の切換弁21a,21bと、ギア22を介してこの切換弁21a,21bを切換駆動する駆動用モータ23と、この駆動用モータ23に供給される電源24とを備えている。
一対の切換弁21a,21bとしては、三方弁が用いられており、高所の水槽2からの水Wの圧力が導入されている主管25と、前記駆動機構10a,10bに通じる導入路18a,18bと、戻し管26a,26bとが接続されている。切換弁21aは、主管25と導入路18aとの連通、あるいは、導入路18aと戻し管26aとの連通を切り換えるようになっており、また、切換弁21bは、主管25と導入路18bとの連通、あるいは、導入路18bと戻し管26bとの連通を切り換えるようになっている。
このような、切換弁21a,21bによる切り換えは、前記駆動機構10a,10bに対して高所の水槽2からの水Wの圧力が交互に導入されるように設定されている。すなわち、切換弁21a側において主管25と導入路18aとが連通されているときには、切換弁21b側において導入路18bと戻し管26bとが連通され、また、切換弁21a側において導入路18aと戻し管26aとが連通されているときには、切換弁21b側において主管25と導入路18bとが連通される。これにより、各駆動用シリンダ11,11には、交互に水Wの圧力が導入されるようになり、各駆動用ピストン12,12は加圧状態とされる。
ギア22は、モータギア22aと、このモータギア22aにより回転駆動され、切換弁21a,21bを駆動する駆動ギア22b,22bとを備えている。
駆動用モータ23は、電源24から電力の供給を受けて回転するようになっており、電源24の種類に合致したものを採用する。本実施形態では、小電力で回転する小型の交流モータ(直流モータでも可)を用いている。
電源24としては、家庭用電源、工業用電源、蓄電池、充電池等、種々のものを採用することができる。本実施形態では、交流100V(直流の場合は蓄電池等)を用いている。
このような一対の切換弁21a,21bの切り換え動作は、駆動機構10a,10bの各駆動用ピストン12,12の昇降動と(後記するシーソー機構40におけるシーソー部材42のシーソー揺動と)同期して行われるようになっている。すなわち、駆動用ピストン12が下降動にある駆動用シリンダ11側に対しては、常に、水Wの圧力が導入される(主管25と、導入路18aまたは導入路18bとが連通した状態)加圧状態とされるように切換弁21a,21bが切り換えられ、また、駆動用ピストン12が上昇動にある駆動用シリンダ11側に対しては、常に、水Wの圧力が遮断される非加圧状態とされるように、導入路18aと戻し管26aとが連通状態とされ、あるいは、導入路18bと戻し管26bとが連通状態とされるように、切換弁21a,21bが切り換えられる。
ここで、一対の切換弁21a,21bの切り換え動作に伴って、前記のように導入路18aと戻し管26aとの連通、あるいは、導入路18bと戻し管26bとの連通が行われることとなるが、これは、駆動用ピストン12の上昇動に伴ってホース17が湾曲した際に、ホース17の容積が幾分減少したときに、その余分となった水Wを導入路18a,18bに戻す必要があるためである。なお、導入路18a,18bを通じて戻された水Wは、切換弁21a,21bを介して戻し管26a,26bに戻され、この戻し管26a,26bの端部から低所の水槽4に排出されることとなる。導入路18a,18bを通じて水Wが戻されることにより、駆動用シリンダ11の内部圧力(残圧)は、減圧される状態となるが、この減圧処理は、駆動用シリンダ11の上部等に設けた図示しない減圧弁等により行ってもよい。
(3)揚水部30a(30b)
揚水部30aは、図3(a)に示すように、シリンダ(揚液用シリンダ)31と、ピストン(揚液用ピストン)32と、低所の水槽4(図2参照)に接続された給水管33と、揚液管である揚水管34とを備えている。
シリンダ31は、その内部にピストン32が往復運動自在に収納された筒状の容器であり、その上部には、吸込口逆止弁33a,吐出口逆止弁34aを介して、給水管33からの吸込口,揚水管34への吐出口が接続されている。
ピストン32は、ピストンロッド32bを介して後記するシーソー機構40のシーソー部材42(図2参照)に接続されている。ピストン32の上面32aには、前記駆動機構10aの駆動用ロッド12aが連結されており、シリンダ31と駆動用ロッド12aとの間には、シリンダ室Sが形成されている。
給水管33は、図2に示すように、低所の水槽4に接続されており、水槽4に貯留された水Wは、この給水管33を通じてシリンダ31に導かれる。揚水管34は、低所から高所へわたって配設されており、低所においてシリンダ31に連結されるとともに、高所において水槽2からの配管9(図1参照)に連結されている。
このような揚水部30aによれば、図3(a)に示すように、ピストン32が下降動すると、シリンダ31のシリンダ室Sの容積が拡がって吐出口逆止弁34aが閉じるときに、吸込口逆止弁33aが開き、給水管33を通じて低所の水槽4から水Wがシリンダ31のシリンダ室S内に吸い込まれる。その後、図3(b)に示すように、ピストン32が上昇動すると、シリンダ31のシリンダ室Sの容積が狭められるとともに、吸込口逆止弁33aが閉じ、代わりに吐出口逆止弁34aが開いて、シリンダ室S内の水Wが、揚水管34内に吐出される。
このような動作が繰り返し行われることにより、給水管33を通じてシリンダ31内に吸い込まれた水Wが、揚水管34内に一定量ずつ吐き出されることとなり、揚水管34内における水位が一定量ずつ上昇する。
なお、給水管33には、吸込口逆止弁33aが設けられているので、シリンダ31内に吸い込まれた水Wが低所の水槽4側へ逆流することがない。
つまり、このような吸込口逆止弁33aを設けることにより、揚水管34に水Wが吐き出される際に、シリンダ31内から低所の水槽4側へ向けて水Wが逆流することがなくなる。
また、揚水管34には、吐出口逆止弁34aが設けられているので、揚水管34内に水Wが吐出された後、ピストン32が下降動した際に、揚水管34内からシリンダ31内に水Wが逆流せず、揚水管34内に吐き出された水Wの水位が低下することがない。
ここで、揚水部30aのピストン32の受圧面積は、前記駆動用シリンダ11の駆動用ピストン12におけるヘッド側室14の受圧面積A1からロッド側室15の受圧面積A2を引いた値よりも小さく、かつ、揚水管34に吐出された水Wは、揚水管34を通じて高所の水槽2からの配管9に圧入可能な圧力を有したものとなっている。これにより、駆動用シリンダ11の駆動力によって揚水部30aが駆動され、揚水部30aから揚水管34に吐出された水Wは、配管9に圧入されて戻されるという循環経路を辿ることとなる。
(4)シーソー機構40
シーソー機構40は、図2に示すように、支持部41と、この支持部41にシーソー揺動可能に支持されたシーソー部材42とを備えている。
支持部41は、前記一対の駆動機構10a,10bや揚水部30a,30b等に充填された水Wの重量に耐え得るように、不図示の安定した土台等に固定されている。
シーソー部材42は、支持部41の支点部41aにピン41bでシーソー揺動自在に支持されている。シーソー部材42の両端部42b,42bには、前記一対の揚水部30a,30bの各ピストン32,32に連結されたピストンロッド32b,32bが連結されている。
したがって、一対の駆動機構10a,10bの駆動により、一対の揚水部30a,30bを介して、シーソー部材42が支持部41の支点部41aのピン41bを中心としてシーソー揺動を開始すると、一対の揚水部30a,30bの各ピストン32,32は、相互に逆位相で往復運動されるようになる。
つまり、各ピストン32,32は、往復運動の周期が1/2ずれた状態で往復運動されることとなり、これによって、水Wの吸い込みと吐き出しとが交互に切り換えられて行われるようになる。これにより、一対の揚水部30a,30bの各揚水管34,34に、水Wが一定量ずつ(シリンダ31から吐き出される一定量の水Wずつ)交互に吐き出され、各揚水管34,34における水位が順次上昇する。
このような水Wの吸い込みと吐き出しが行われる際、例えば、駆動機構10aの駆動用ピストン12による下向きの駆動力がシーソー機構40によって変換され、上向きの力として、他方の駆動機構10bの駆動用ピストン12に付与される。また、一方の揚水部30aのシリンダ31内に水Wを吸い込む場合に、水槽4の水Wによる下向きの静圧がシーソー機構40によって変換され、上向きの力として、他方の揚水部30bのピストン32に付与される。これにより、他方の揚水部30bのシリンダ31から揚水管34内に水Wを吐き出す際に必要となる力を減少させることが可能となる。
すなわち、一方の揚水部30aのシリンダ31内に水Wを吸い込む場合に、駆動機構10aの駆動用ピストン12による下向きの駆動力および水槽4の水Wによる下向きの静圧により、他方の揚水部30bのピストン32に対して、これを上昇動させる力を付与することが可能となっている。
B.高所の水槽2
高所の水槽2は、図1に示すように、高層住宅Kの屋上に設置されており、貯留された水Wは、配管9を通じて発電用水路3へ流出するようになっている。水槽2には、水Wを補充するための給水口2aが設けられている。給水口2aには、水槽2の水量を維持するための水量維持装置2bが設けられている。水槽2からの配管9の途中部位には、前記のように揚水部30a,30bからの水Wが圧入されるので、結果的に水槽2の水位は、ほとんど低下することのない状態で駆動装置1が作動するようになる。
C.発電用水路3
発電用水路3は、図1に示すように、前記駆動装置1により高所まで揚水されて揚水管34から排出された水Wを、配管9を介して低所の水車(ペルトン水車)5まで導くものである。発電用水路3の下端部には、水車5への水Wの吐出量を調整するためのノズル3a(図2参照)が設けられている。
なお、発電用水路3は、水車5へ水Wを導くものであれば、この実施の形態に示したような鉛直に配設されるものに限られず、例えば、斜めに配設されるものであっても差し支えない。
D.低所の水槽4
低所の水槽4は、図2に示すように、発電用水路3からの水Wを低所において一時的に貯留する役割を果たすものであり、一対の揚水部30a,30bの給水管33,33へ連通している。
これにより、後記する水車5により一度発電に使用された水Wを循環させて再度発電に利用することが可能となり、これにより、水資源の効率的な活用を図ることができる。
なお、低所の水槽4には、エアーが給水管33,33に浸入するのを防ぐ防気板4a,4aを設けても良い。
E.水車5
水車5は、図2に示すように、発電用水路(液路)3を落下してノズル3aから吐出された水Wにより駆動されるようになっている。本実施形態では、発電用水路3と、水車5と、発電機6とを含んで水力発電部が構成されている。
なお、本実施形態においては、水車5は、単数設けられる構成としているが、複数設けられる構成としても差し支えない。複数設けられる構成とした場合、複数の発電機6を均等な速度で駆動させる歯車列等を有することが好ましい。このような構成とすることにより、得られた水Wの力を各水車5に均等に付与することができ、効率的な発電を実現することができるようになる。
F.発電機6
発電機6は水車5に連結されており、水車5により駆動されるようになっている。なお、発電機6には、始動を補助するためのスターターを取り付けても良い。この場合には、発電機6により円滑な始動を実現することができる。
G.変換機構7
変換機構7は、図2に示すように、シーソー機構40のシーソー部材42によるシーソー揺動を回転運動に変換するためのものであり、シーソー部材42の端部に連結された連接棒7aと、この連接棒7aの昇降動により回転駆動される駆動プーリ7bとを備えている。駆動プーリ7bは、ベルト7cを介して発電機(駆動発電機)8に連結され発電部を構成している。これにより、一対の駆動機構10a,10bの駆動により、シーソー機構40が駆動されてシーソー部材42がシーソー揺動されると、その揺動が変換機構7により回転運動に変換されて、発電機8が駆動される。
次に、本実施形態の駆動装置1の作用を説明する。
始めに、駆動装置1の各構成要素は、全て稼働しておらず、待機状態(一対の駆動機構10a,10bの一方の駆動用ピストン12が上死点で待機されている状態)にあり、また、駆動装置1や配管経路に存在する水Wも静止状態にある。
このような状態において、図示しないスイッチをオン操作すると、駆動装置1は水Wを所定の揚程で揚水すべく作動を開始する。
まず、切換機構20の駆動用モータ23に電力が供給され、駆動用モータ23の回転がギア22を通じて一対の切換弁21a,21bに伝えられ、これが回転駆動される。
すると、水槽2からの水Wの圧力が、一対の切換弁21a,21bを介して、一対の駆動機構10a,10bのうち、駆動用ピストン12が上死点で待機されている側に導入され、駆動用ピストン12が下降動される。一対の切換弁21a,21bの切り換え動作は、駆動機構10a,10bの各駆動用ピストン12,12の昇降動と同期して行われるようになっているので、駆動用ピストン12が下降動にある駆動用シリンダ11側に対して常に主管25を通じて高所の水槽2からの水Wの圧力が導入されるようになる。ここで、駆動用ピストン12が上昇動にある他方の駆動機構側の揚水部30a又は30bにおいて、水Wは、ピストン32の上昇動に伴ってシリンダ31の内部で圧縮され、逆止弁34aを押し開いて揚水管34へ圧入される。これにより、揚水管34を通じて高所の水槽2とシリンダ31とがつながることとなるが、前記のように、水Wは、シリンダ31から揚水管34へ圧入されることとなるので、高所の水槽2のからの水Wの圧力が問題となることは無い。
高所の水槽2からの水Wの圧力が導入されると、一対の切換弁21a,21bの切り換え動作に伴って、駆動機構10a,10bの駆動用ピストン12,12が昇降動を継続して繰り返し、一対の駆動機構10a,10bの駆動用ピストン12,12が逆位相で往復運動される。また、このとき、駆動用ピストン12の上昇動にともなって、各ホース17から余分な水Wが一対の切換弁21a,21bを通じて戻り管26a,26bから低所の水槽4に戻される。ここで、ホース17は、分岐管19a(19b)と圧力導入管13との間に連結され、圧力導入管13の往復運動に従って湾曲変形するようになっているので、加圧時に受けた水Wの流量を湾曲することで流量に対する体積の変動を極力抑え、受けた流量を減らすことなく無圧(残圧が除去された状態)で戻すことができる。これにより、駆動用シリンダ11における往復運動を効率よく行なうことができる。また、往復運動に係わるエネルギーの消費も軽減されるようになる。
この一対の揚水部30a,30bのピストン32,32の往復運動に伴い、低所の水槽4にある水Wは、給水管33,33を通じて各シリンダ31,31に吸い込まれ、その後、各シリンダ31,31内から揚水管34,34内に一定量ずつ逆流不能に順次吐き出される。このような各シリンダ31,31による動作が、シーソー機構40のシーソー揺動により、交互に切り換えられて繰り返されることにより、揚水管34,34内には、水が一定量ずつ充填されてゆき、揚水管34,34内を一定量ずつ水Wが上昇する。その後、揚水管34,34内に充填された水Wが、高所の水槽2からの配管9へ圧入される。
このような水Wの吸い込みと吐き出しが交互に行われる際、例えば、駆動機構10aの駆動用ピストン12による下向きの駆動力がシーソー機構40によって変換され、上向きの力として、他方の駆動機構10bの駆動用ピストン12に付与される。また、一方の揚水部30aのシリンダ31内に水Wを吸い込む場合に、水槽4の水Wによる下向きの静圧がシーソー機構40によって変換され、上向きの力として、他方の揚水部30bのピストン32に付与される。これにより、他方の揚水部30bのシリンダ31から揚水管34内に水Wを吐き出す際に必要となる力を減少させることが可能となる。
駆動装置1によって揚水管34,34から配管9に揚水された水Wは、発電用水路3を通じて水車5へ導かれ、発電機6による発電が行われる。
すなわち、エネルギーの効率的な活用を図ることが可能な駆動装置1を用いて発電に必要な落差を確保することができ、これにより、共同住宅、オフィスビルや工場等の事業所単位で適切かつ十分な発電を行うことが可能となる。
また、本実施形態の駆動装置1によれば、発電用水路3により低所まで導かれた水Wは、低所の水槽4に貯留された後に給水管33,33を通じて一対の揚水部30a,30bに吸い込まれ、この水Wが揚水管34,34により高所まで再び揚水される構成となっているので、一度発電に使用した水Wを循環させて継続的に発電に役立てることができ、水資源の効率的な活用を図ることができる。
〔第2の実施形態〕
図5は本発明の第2の実施形態に係る駆動装置の概略構造図である。本実施形態の駆動装置50が前記第1の実施形態と大きく異なるところは、一対の駆動機構70a,70bをシンプルな構造とした点にある。なお、一対の駆動機構70a,70bは、それぞれ左右対称構造となっており、構成部材も左右同一であるので、以下の説明においては、その一方について詳述する。また、前記第1の実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、駆動機構70aは、駆動用シリンダ71と、駆動用ピストン72と、この駆動用ピストン72に一体的に連結された圧力導入管73とを備えており、圧力導入管73を通じて駆動用シリンダ71内に高所の水槽2からの水Wの圧力が導入されるようになっている。
図6(a)に示すように、駆動用シリンダ71は、その内部に駆動用ピストン72が往復運動自在に収納された筒状の容器である。駆動用ピストン72には、中空円筒形状の駆動用ロッド72aが一体的に設けられている。
圧力導入管73は、駆動用シリンダ71に対して昇降動自在に設けられており、駆動用シリンダ71の天部71aを貫通して、その下端部73aが駆動用ピストン72に一体的に連結されている。したがって、圧力導入管73は、駆動用ピストン72の昇降動に合わせて昇降動自在となっている。圧力導入管73の下端部73aの近傍部位には、複数の通孔73bが設けられている。
圧力導入管73の上端部73cには、導入路18a,18b(図5参照)の入口74a,74bに連結された蛇腹状のホース75が取り付けられている。このホース75は、駆動用ピストン72が下死点にあるときに、入口74a(74b)と圧力導入管73との間でほぼ直線状になるようにその長さが調整されている。また、ホース75は、図6(b)に示すように、駆動用ピストン72が上死点にあるときに、弛んで湾曲変形した状態となる。なお、導入路18a,18bから入口74a,74bを通じてホース75に至る水路、ホース75内、圧力導入管73内、駆動用シリンダ71内は、全て水Wで満たされている。
このような駆動機構70aにおいて、駆動用シリンダ71に水Wの圧力が導入されると、水Wの圧力は、圧力導入管73から通孔73bを通じて駆動用シリンダ71内に導入される。これにより、駆動用ピストン72が下向きの加圧状態とされる。ここで、駆動用シリンダ71の内径D1は、ホース75の内径D2よりも大きく形成されており、駆動用シリンダ71内には、圧力導入管73との間に圧力スペースS2が形成される。したがって、この圧力スペースS2が形成されている分、ホース75にかかる水Wの圧力よりも駆動用ピストン72にかかる水Wの圧力の方が大きくなる。すなわち、本実施形態の駆動用シリンダ71は、前記第1の実施形態の駆動用シリンダ11(図3(a)参照)のように、駆動用ピストン12でヘッド側室14とロッド側室15とに分断されておらず、駆動用シリンダ71に導入された水Wの圧力は、駆動用ピストン72の上面全体にのみかかることとなる。
この場合、駆動用シリンダ71に導入された水Wの圧力は、図6(b)に示すように、ホース75の各折曲部分で、ホース75の内壁の上面となる部位においては上向きにかかり、また、ホース75の内壁の下面となる部位においては下向きにかかるようになる。これを全体としてみると、折曲部分75aに対して上向きの力F1が残ることとなり、この力F1が駆動シリンダ71に導入された水Wの圧力の減圧分となる。
これに対して、本実施形態の駆動装置50における駆動機構70aでは、駆動用シリンダ71に圧力スペースS2が形成されているので、この圧力スペースS2が形成されている分、前記上向きの力F1による減圧分を差し引いても残る力が駆動用ピストン72の上面にかかることとなり、駆動用ピストン72の下降動力(駆動)が得られるようになっている。特に、この圧力スペースS2による駆動力は、駆動用ピストン72が上昇動から下降動に移行する際のスムーズな動作を得るのに極めて有効である。
なお、圧力スペースS2は、大きく形成することにより駆動用ピストン72の駆動力がそれに比例して大きくされるが、そのようにすると、それに伴って圧力スペースS2分の容積も拡大するため、駆動用ピストン72が上昇動した際にホース75へ向けて駆動用シリンダ71から戻される水Wの量も大きくなる。したがって、圧力スペースS2は、できるだけ小さく形成することが望ましい。本実施形態では、駆動用シリンダ71の内径を200mmで設計したときに、圧力スペースS2を約5mm幅で形成した。その結果、駆動力および戻り水とも駆動用シリンダ71の作動に影響を及ぼすことのない良好な作動結果を得た。
なお、本実施形態では、揚水部30a,30bにより揚水された水Wは、揚水管34,34から集合管34aを通じて水槽2に戻されるようにしてある。また、発電用水路3に通じる配管9の水槽2との接続口は、水槽2に貯留されている水Wの水面にその開口が形成されるように構成されている。これにより、水槽2から流入された水W(揚水管34,34を通じて揚液された水W)が配管9を通じて発電用水路3に流れるようになっている。
なお、図7に示す駆動装置60のように、揚水された水Wが、水槽2からの配管9の途中部位に設けられた圧力ボックス76に対して戻されるように構成してもよい。この圧力ボックス76は、外筒76aと内筒76bとからなる二重構造となっており、外筒76aには、揚水管34からの水Wが導入されるようになっているとともに、切換機構20への主管25が接続されている。また、内筒76bの上部には、水槽2からの配管9が接続されているとともに、内筒76bの下部には、発電用水路3が一体的に設けられている。また、内筒76bの側面には、圧入孔76cが設けられており、この圧入孔76cを介して揚水管34の水Wの一部が内筒76bに圧入されることとなる。このような圧力ボックス76を用いることにより、揚水管34の水Wの圧入をスムーズに行うことができるようになる。
〔第3の実施形態〕
図8は、本発明の第3の実施形態に係る駆動装置の概略構造図である。本実施形態の駆動装置80が前記第1,第2の実施形態と大きく異なるところは、少なくとも蛇腹状のホース17が液体(水W)の満たされた容器Y内に配置されている点にある。また、戻し管26a,26b(図2,図5,図7参照)に相当する配管を設けておらず、駆動用シリンダ11が非加圧状態とされたときの残圧の開放が、切換機構20に用いられる減圧弁としての機能を備えた切換弁21a,21bで行われるようにしてある。
なお、切換弁21a,21bは、減圧弁としての機能を必ずしも有する必要がなく、前記容器Yの上部の側方部などに、別途図示しない減圧弁等を設けても良いし、また、柔軟性の高い素材でホース17を形成して、ホース17を膨ませることにより各駆動用シリンダ11,11の残圧が減じられるように作用させても良い。
駆動装置80は、前記第1の実施形態で説明した駆動機構10a,10bを備えており、各4本の蛇腹状のホース(図では各2本のみ図示)17が水Wが満たされ密封された容器Y内に配置されるようになっている。各ホース17の上部には、分岐管19a,19bが連結されており、この分岐管19a,19bには、切換機構20の切換弁21a,21bを介して、水槽2からの液体の圧力を導入するために主管25が連結されている。
駆動機構10a,10bの駆動用ピストン12,12は、駆動用ロッド12a,12a、コンロッド81,81を介して、変換機構82のクランク部材(クランク軸)83に連結されている。これにより駆動用ロッド12a,12aは、相互に逆位相で往復運動されるように構成される。そして、クランク部材83の端部には、ギア群84を介して発電機(駆動発電機)8が駆動可能に連結されている。
これにより、切換機構20の各切換弁21a,21bを介して各駆動機構10a,10bに、図示しない水槽2の液体の圧力が交互に導入されると、各駆動機構10a,10bの各駆動用シリンダ11,11は、加圧状態と非加圧状態とを交互に繰り返して昇降動を維持し、各駆動用シリンダ11,11の駆動力(下降力)でクランク部材83が回転される。クランク部材83が回転されると、その回転は、ギア群84を介して発電機8に伝達され、発電機8による発電が行われることとなる。
ここで、各ホース17は、水Wが満たされ密封された容器Y内に配置されているので、ホース17,17の周りは水Wで満たされた状態となり、ホース17,17の湾曲変形が生じても、ホース17,17の周囲に満たされた水Wの量およびホース17,17内に含む水Wの量は変わらないので、ホース17が湾曲した際の保形性が良好になるとともに、伸縮時の応答性も良くなるという利点が得られる。これにより、例えば、蛇腹状のホース17,17が大気中に配置されている場合に比べて、蛇腹状のホースのスムーズな湾曲変形を実現することができ、駆動用シリンダ11,11の往復運動をこのホース17,17でよりうまく吸収することができる。したがって、往復運動に係わるエネルギーの消費が一層軽減されるようになる。
これにより、エネルギーのより効率的な活用を図ることができる駆動装置80が得られる。
次に、前記第1〜第3の実施形態の駆動装置を備えた駆動装置への圧力液供給システムについて図9,図10を参照して説明する。
図9は、駆動装置の設置例として都市部に設置された駆動装置への圧力液供給システムを説明するための模式図、図10は、駆動装置の設置例として山間部に設置された駆動装置への圧力液供給システムを説明するための模式図である。
図9において、圧力液供給システムは、高層ビルK1に設置された高所の水槽2と、この水槽2からの水Wを供給する供給手段としての配管9と、この配管9により供給された水Wを分岐する分岐手段としての分岐部9a,分岐管9b,細分岐管9cとを備えており、これら分岐部9a,分岐管9b,細分岐管9cを経て水Wが供給される分岐先には、前記第1〜第3の実施形態で説明した駆動装置1等が設置される。
高所の水槽2には、高層ビルK1に設置された図示しない給水装置によって、低所から高所へ順次水Wが揚水されて供給されるようになっている。なお、水Wは、水槽2に貯留された後は、自然蒸発等によって減じられた分が水道等の蛇口を備えた自動供給装置等により供給されるように構成されている。配管9は、高層ビルK1の側面に設置され、水槽2の水Wを低所に導く役割を成している。高層ビルK1の地上部(もしくは地下部)には、配管9によって低所に導かれた水Wを各方面へ大きく分岐するための分岐部9aが設けられており、この分岐部9aにより分岐された複数の分岐管9bが地下部に設置される。図9に示した分岐管9bは、このようにして地下部に設置される分岐管9bのひとつであり、分岐管9bの延設先には、細分岐管9cを経て水Wが供給される駆動装置1等が設置される。
このような駆動装置の圧力液供給システムによれば、高層ビルK1の高所に水槽2を1基設けることにより、この水槽2をその近隣地域に設置される駆動装置1等の圧力水供給源として利用することができる。これにより、各駆動装置1等に個別に水槽等を設ける必要がなくなり、水資源の効率的な利用を図ることができる。特に、一般住宅Jや低層階のビルB1,B2等は、個別に水槽を設けたとしても、その高さを確保することができず、所望の水圧を得ることが難しいため、このような高層ビルK1を利用した圧力液供給システムの利用価値が高いと言える。また、このような高層ビルK1を利用した圧力液供給システムをひとつの地域社会における公共ビジネスとして構築することも可能である。
さらに、図10に示すように、駆動装置の圧力供給システムは、山間部においても構築することが可能であり、高所に水槽2を設置して、この水槽2から配管9を通じて低所の住宅J1に圧力水を供給することにより、各住宅J1に設置された不図示の駆動装置を駆動させることができる。このような山間部において、駆動装置の圧力供給システムを構築することにより、電気を供給するために必要となる相当の資金、資材、労働力の投入を行わずとも、各住宅J1で電力を得ることができるようになり、エネルギーの効率的な利用を図ることができるようになる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、発明の主旨に応じた適宜の変更実施が可能であることはいうまでもない。例えば、変換機構7により駆動される発電機8は、必ずしも設けなくても良い。さらに、圧力導入管13およびホース17の数は、任意とすることができる。例えば、図11(a)(b)に示すように、圧力導入管13を8本とすることができる。このように圧力導入管13の数を増やした構成とすることにより、駆動用シリンダ11への水Wの圧力の導入をよりスムーズに行なうことができる。また、ホース17を使用することなく、加圧時に受けた水Wの流量を吸収(湾曲変形等含む)することで、流量に対する体積の変動を極力抑え、受けた流量を減らすことなく無圧(残圧が除去された状態)で戻すことができる戻り機構を、駆動用シリンダー11内に設けるようにしても良い。これにより、ホース17を用いたときと同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る駆動装置の概略構造図である。 同じく概略構造を示す模式図である。 (a)(b)は同じく駆動機構および揚水部の構造を示す模式断面図である。 (a)は、駆動用ピストンの上面(ヘッド側室)における受圧面積を説明するための図、(b)は、駆動用ピストンの下面(ロッド側室)における受圧面積を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る駆動装置の概略構造図である。 (a)(b)は駆動機構を説明するための模式断面図である。 その他の概略構造を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る駆動装置の概略構造図である。 駆動装置の設置例として都市部に設置された駆動装置への圧力液供給システムを説明するための模式図である。 駆動装置の設置例として山間部に設置された駆動装置への圧力液供給システムを説明するための模式図である。 (a)は、駆動用ピストンの上面(ヘッド側室)における受圧面積を説明するための図、(b)は、駆動用ピストンの下面(ロッド側室)における受圧面積を説明するための図である。 従来技術の説明図である。
符号の説明
1 駆動装置
2 水槽(液槽)
3 発電用水路(発電用液路)
4 水槽
5 水車
6 発電機
7 変換機構
8 発電機(駆動発電機)
9 配管
9a 分岐部
9b 分岐管
9c 細分岐管
10 駆動部
10a,10b 駆動機構
11 駆動用シリンダ
12 駆動用ピストン
13 圧力導入管
14 ヘッド側室
15 ロッド側室
17 ホース
20 切換機構
21a,21b 切換弁
30a,30b 揚水部
31 シリンダ
32 ピストン
40 シーソー機構
42 シーソー部材
50 駆動装置
60 駆動装置
70a,70b 駆動機構
80 駆動装置
82 変換機構
83 クランク部材
A1 受圧面積
A2 受圧面積
K 高層住宅
K1 高層ビル
S2 圧力スペース
W 水(液)

Claims (12)

  1. 高所の液槽からの液体の圧力を用いて駆動力を得る駆動装置であって、
    前記高所の液槽からの液体の圧力が導入され、この液体の圧力により駆動される往復運動自在な駆動用ピストンを備えた駆動用シリンダを一対設け、
    これら一対の駆動用シリンダの前記各駆動用ピストンに連結されたピストンロッドの端部同士に連結され、前記各駆動用ピストンを相互に逆位相で往復運動させる往復動機構と、
    この往復動機構による前記各駆動用ピストンの逆位相の往復運動に合わせて、前記各駆動用シリンダのうち一方の駆動用シリンダが、前記液槽からの液体の圧力が導入される加圧状態とされたときに、他方の駆動用シリンダが、前記液槽からの液体の圧力が遮断される非加圧状態とされるように、交互に切り換える切換機構と、を具備し
    前記逆位相時に前記駆動用ピストンの復帰運動に伴って外部へ前記切換機構を介して排出される液体の量を前記駆動用シリンダの容量よりも少ない量としたことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記各駆動用シリンダは、前記駆動用ピストンで区画され、前記高所の液槽からの液体の圧力が導入されるヘッド側室及びロッド側室と、これらヘッド側室とロッド側室とを連通する連通部とを含み、前記ヘッド側室における前記駆動用ピストンの受圧面積が前記ロッド側室における前記駆動用ピストンの受圧面積よりも大きく形成され、この受圧面積の差を利用して前記各駆動用ピストンにそれぞれ一定の駆動力を付与するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記駆動用シリンダの前記ピストンロッドに連結され、このピストンロッドにより往復運動自在に駆動される揚液用ピストンを備えた揚液用シリンダと、低所にある液体源とを備え、前記揚液用ピストンの往復運動により、前記低所にある液槽から吸込口を通じて前記揚液用シリンダ内に液体を吸い込み、この揚液用シリンダ内に吸い込んだ液体を、当該揚液用シリンダに連結された揚液管に一定量ずつ順次吐き出させて、前記低所にある液槽の上方へ液体を汲み揚げる揚液部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記揚液部は、前記一対の駆動用シリンダの前記各ピストンロッドによりそれぞれ駆動されるように一対設けられ、これら一対の揚液部の前記各揚液用ピストンの相互の逆位相による往復運動で、前記一対の揚液部の各揚液用シリンダにおける液体の吸い込みと液体の吐き出しとが交互に切り換えられるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の揚液装置。
  5. 前記揚液部により揚液された液体を低所まで導く液路と、この液路に設けられ、この液路を流れてくる液体により駆動される水車と、この水車により駆動される発電機とを含む水力発電部を具備したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の駆動装置。
  6. 前記揚液部は、前記液路により低所まで導かれた液体を前記各吸込口まで導き、前記各揚液管を通じてこの液体を前記高所の液槽あるいは前記液路の途中位置に揚液するものであることを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
  7. 前記駆動用シリンダの駆動用ピストンに連結されたピストンロッドの往復運動を回転運動に変換する変換機構と、この変換機構を介して駆動される駆動発電機とを含む発電部を具備したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の駆動装置。
  8. 前記往復動機構は、前記各駆動用ピストンの前記各ピストンロッドの端部同士に連結され、シーソー揺動により前記各駆動用ピストンを相互に逆位相で往復運動させるシーソー部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
  9. 前記往復動機構は、前記各駆動用ピストンの前記各ピストンロッドの端部同士に連結され、前記各駆動用ピストンを相互に逆位相で往復運動させるとともにその往復運動を回転運動に変換するクランク部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
  10. 前記駆動用シリンダの前記駆動用ピストンに連結されて往復運動可能に設けられ、前記駆動用シリンダ内に前記高所の液槽からの液体の圧力を導入する導入管と、この導入管の上流側に設けられ、この導入管と間隔を隔てて設けられた圧力導入口と、前記導入管と前記圧力導入口との間に連結され、前記導入管の往復運動に従って湾曲変形することが可能な蛇腹状ホースを具備したことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の駆動装置。
  11. 少なくとも前記蛇腹状ホースは、液体が密封された容器内に配置されることを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の駆動装置を備え、
    前記高所の液槽からの液体を供給する供給手段と、この供給手段により供給された液体を前記高所の液槽よりも低所において所望の分岐先へ向けて複数分岐する分岐手段とを有し、前記分岐手段による各分岐先に前記駆動装置がそれぞれ配置されることを特徴とする駆動装置への圧力液供給システム。
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