JP3629159B2 - 受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置に関し、特にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の移動体通信に用いられるOFDM受信装置及びその復調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、図4を用いて、従来の受信装置について説明する。図4は、従来の受信装置の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、ここでは簡便のため、図中では複数の信号系列も一本の矢印で表わすものとする。
【0003】
図4において、アンテナ401は、OFDM方式で送信された無線信号を受信し、受信部402は、受信された信号に対して受信処理を行い、タイミング制御部403は、受信部402において獲得されたシンボル同期タイミングに応じて各部を制御し、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;以下、FFTという)部404は、入力信号に対してFFT処理を行う。
【0004】
なお、受信部402におけるシンボル同期タイミング獲得に関しては、既に様々な方法が提案されており、ここでは詳細な説明は省略する。
【0005】
同期検波部405は、受信信号に対して同期検波処理を行い、フェージング等により受信信号が受けた位相回転及び振幅変動の影響を除去する。
【0006】
乗算器406は、同期検波部405において獲得された各サブキャリアの振幅情報を得、各サブキャリアの受信信号に各振幅値を乗じることによって振幅値による重み付け処理を行い、量子化部407は、重み付け処理後の受信信号に対して量子化処理を行い、復調信号を得る。
【0007】
回線品質推定部408は、復調信号から回線品質を推定する。なお、回線品質の推定方法及び推定された回線品質情報の用途については既に様々な提案がされているため、ここでは詳細な説明は省略する。回線品質推定方法としては、例えば、復調信号に対する硬判定前後の判定誤差を用いる方法などがある。
【0008】
このように、従来の受信装置は、同期検波処理後の受信信号に対して、サブキャリア毎に振幅値に応じた重み付けを行うことによって、フェージングによって受信レベルが落ち込んでいるサブキャリアは誤り率が劣化していると判断して、尤度を低くすることによって、誤りを含むサブキャリアの信号が復調信号に与える影響を小さくし、誤り率劣化を防止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の受信装置においては、受信時の振幅値に基づいた重み付け処理のみを行うため、フェージングによってレベルが落ち込んでいるサブキャリアの尤度を低く設定することは可能であるが、振幅値は変わらず位相だけ回転を生じているような誤りを含むサブキャリアの尤度を低くすることはできないため、誤り率が劣化しているサブキャリアの影響を充分に除去できず、回線全体の誤り率が劣化する場合が生じるという問題がある。
【0010】
振幅変動は受けずに、位相回転のみを生じるような誤りが発生する原因としては、複数考えられるが、以下、図5及び図6を用いて、主な原因を2つ述べる。図5は、干渉波が存在する場合の一チャネルのスペクトラムの一例を示す模式図であり、図6は、アナログフィルタの周波数特性と一チャネルのスペクトラムの一例を示す模式図である。
【0011】
主な原因の一つは、隣接チャネルが干渉波となる場合である。図5において、サブキャリア群501は、一チャネルに用いられるサブキャリアのスペクトラム例を表わしたものである。ここで、このチャネルに、隣接するチャネル502が干渉波として存在する場合、周波数軸上で干渉波に近いサブキャリア、すなわち周波数軸上において中心周波数から離れたサブキャリアほど干渉波の影響を受け、干渉波が重畳され、誤り率が劣化する。
【0012】
このような、干渉波による影響を受け、誤り率が劣化しているサブキャリアは、干渉波が重畳されたことによっては振幅の落ち込みを生じないため、フェージングによるレベルの落ち込みが生じなければ、振幅に基づいた重み付けのみを行う従来の受信装置においては、誤り率が劣化してるにもかかわらず尤度が低く設定されないことになる。
【0013】
別の主な原因は、送信局側におけるアナログフィルタによる影響である。送信局側においては、通常、ディジタル信号をアナログ信号に変換後、不要周波数成分を除去するために、アナログフィルタを通す。
【0014】
図6に示すように、サブキャリア群601に対して、アナログフィルタは、通常、特性曲線602に示すようなフィルタ位相特性を持ち、特性曲線603に示すようなフィルタ減衰特性を持つ。
【0015】
OFDM送信信号がこのようなアナログフィルタを通過すると、フィルタのカットオフ周波数(遮断周波数)に近いサブキャリア、すなわち中心周波数から離れたサブキャリアは、振幅減衰や位相回転等の影響を受け、誤り率特性が劣化する。
【0016】
フィルタによって振幅が減衰したサブキャリアについては、前述の振幅値に基づいた重み付け処理において、尤度が低く設定されるが、振幅減衰は受けずに、フィルタの群遅延特性によって位相回転のみを受けたサブキャリアついては、振幅に基づいた重み付けのみを行う従来の受信装置においては、誤り率が劣化しているにもかかわらず尤度が低く設定されないことになる。
【0017】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、振幅変動は生じていないが位相回転等により誤りを含むサブキャリアを原因とする誤り率劣化を防止する受信装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の骨子は、受信装置において、受信した各サブキャリア信号を、振幅値に応じた重み付けだけでなく、キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離に応じた重み付けも行い、中心周波数から離れたキャリア周波数を有するサブキャリアほど尤度を低くすることによって、振幅変動は生じていないが位相回転等によって誤りを含んでいると考えられるサブキャリアの影響を小さくし、誤り率劣化を防止することである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の態様に係る受信装置は、OFDM方式で送信された複数のサブキャリアを受信する受信手段と、振幅値が小さいサブキャリアほど尤度を低くし、各キャリア周波数が周波数軸上における中心周波数から離れているサブキャリアほど尤度を低くしてから軟判定処理を行う判定手段と、を具備する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、受信された各サブキャリア信号に対して、振幅値に応じた重み付けだけでなく、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離に応じた重み付けも行うため、振幅変動を生じ、誤りを含んでいると考えられるサブキャリアのみならず、振幅変動は生じていないが位相回転等によって誤りを含んでいると考えられるサブキャリアの影響をも小さくすることができ、誤り率劣化を防止することができる。
【0021】
本発明の第2の態様に係る受信装置は、第1の態様において、前記判定手段は、回線品質が悪い時ほど前記中心周波数からの距離に対して尤度を低下させる割合を大きくする構成を採る。
【0022】
この構成によれば、重み付け係数を可変とし、干渉する隣接チャネルの信号レベルが大きい場合に、中心周波数から離れたサブキャリアの尤度を更に下げるようにすることができるため、干渉する隣接チャネルの信号レベルが大きいに場合でも誤り率劣化を防止することができる。
【0023】
本発明の第3の態様に係る通信端末装置は、第1の態様又は第2の態様における受信装置を具備する構成を採る。
【0024】
本発明の第4の態様に係る基地局装置は、第3の態様おける通信端末装置と無線通信を行う構成を採る。
【0025】
本発明の第5の態様に係る基地局装置は、第1の態様又は第2の態様における受信装置を具備する構成を採る。
【0026】
本発明の第6の態様に係る通信端末装置は、第5の態様における基地局装置と無線通信を行う構成を採る。
【0027】
これらの構成によれば、受信された各サブキャリア信号に対して、振幅値に応じた重み付けだけでなく、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離に応じた重み付けも行うため、振幅変動を生じ、誤りを含んでいると考えられるサブキャリアのみならず、振幅変動は生じていないが位相回転等によって誤りを含んでいると考えられるサブキャリアの影響をも小さくすることができ、誤り率劣化を防止することができる。
【0028】
本発明の第7の態様に係る受信方法は、受信したOFDM方式の信号を軟判定する際に、振幅値が小さいサブキャリアほど尤度を低くし、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離が離れているサブキャリアほど尤度を低くするようにした。
【0029】
この方法によれば、受信された各サブキャリア信号に対して、振幅値に応じた重み付けだけでなく、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離に応じた重み付けも行うため、振幅変動を生じ、誤りを含んでいると考えられるサブキャリアのみならず、振幅変動は生じていないが位相回転等によって誤りを含んでいると考えられるサブキャリアの影響をも小さくすることができ、誤り率劣化を防止することができる。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る受信装置は、受信された各サブキャリア信号に対して、振幅値に応じた重み付けだけでなく、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離に応じた重み付けも行うものである。
【0032】
以下、図1を用いて、本実施の形態に係る受信装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、ここでは簡便のため、図中では複数の信号系列も一本の矢印で表わすものとする。
【0033】
図1において、アンテナ101は、OFDM方式で送信された無線信号を受信し、受信部102は、受信された信号に対して受信処理を行い、タイミング制御部103は、受信部102において獲得されたシンボル同期タイミングに応じて各部を制御し、FFT部104は、入力信号に対してFFT処理を行う。
【0034】
なお、受信部102におけるシンボル同期タイミング獲得に関しては、既に様々な方法が提案されており、ここでは詳細な説明は省略する。
【0035】
同期検波部105は、受信信号に対して同期検波処理を行い、フェージング等により受信信号が受けた位相回転及び振幅変動の影響を除去する。
【0036】
乗算器106は、同期検波部105において獲得された各サブキャリアの振幅情報を得、各サブキャリアの受信信号に各振幅値を乗じることによって振幅値による重み付け処理を行う。
【0037】
重み付け部107は、乗算器108と、セレクタ109と、から成り、乗算器106の出力信号、すなわち振幅値に応じた重み付け処理がされた各サブキャリアに対して、周波数軸上における各キャリア周波数の中心周波数からの距離に応じた重み付けを行う。
【0038】
ここでは、例えば、周波数軸上において中心周波数から最も離れたキャリア周波数を有する両端各4本ずつのサブキャリアへの重み付け係数を「0.5」に設定し、次いで中心周波数から離れた両端各4本ずつのサブキャリアへの重み付け係数を「0.75」に設定し、その他のサブキャリアへの重み付け係数を「1.0」に設定するものとする。
【0039】
セレクタ109は、重み付け係数である「0.5」「0.75」「1.0」を保持し、タイミング制御部103の出力であるシンボル同期タイミングを切替制御信号として、乗算器108に入力されたサブキャリアのキャリア周波数に応じて、重み付け係数「0.5」「0.75」「1.0」のいずれかを選択的に出力する。
【0040】
乗算器108は、乗算器106の出力信号に対して、セレクタ109から出力された重み付け係数を乗じる。
【0041】
量子化部110は、乗算器106における振幅値に応じた重み付け処理と、乗算器108における周波数軸上における各キャリア周波数の中心周波数からの距離に応じた重み付け処理と、がなされた受信信号に対して量子化処理を行い、復調信号を得る。
【0042】
回線品質推定部111は、復調信号から回線品質を推定する。なお、回線品質の推定方法及び推定された回線品質情報の用途については既に様々な提案がされているため、ここでは詳細な説明は省略する。回線品質推定方法としては、例えば、復調信号に対する硬判定前後の判定誤差を用いる方法などがある。
【0043】
次いで、上記構成を有する受信装置の動作について説明する。
【0044】
アンテナ101によって受信された複数のサブキャリア信号は、受信部102によって受信処理され、FFT部104によってFFT処理され、同期検波部105によって同期検波処理される。
【0045】
同期検波処理された各サブキャリア信号は、乗算器106によって、各サブキャリアの振幅値が乗ぜられ、振幅値による重み付け処理がなされる。これによって、フェージングによってレベルが落ち込んだサブキャリアの尤度を低くすることができる。
【0046】
振幅値による重み付け処理後の受信信号は、乗算器108によって、キャリア周波数に応じた値が乗ぜられ、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離に応じた尤度が設定される。
【0047】
ここでは、例えば、シンボル同期タイミングに基づいて、中心周波数から最も離れたキャリア周波数を有する両端各4本ずつのサブキャリア信号が乗算器108に入力された場合には、重み付け係数「0.5」が、次に中心周波数から離れた両端各4本ずつのサブキャリア信号が乗算器108に入力された場合には、重み付け係数「0.75」が、その他のサブキャリア信号が乗算器108に入力された場合には、重み付け係数「1.0」が、それぞれセレクタ109から出力され、乗算器108に入力される。
【0048】
各キャリア周波数の中心周波数からの距離による重み付け処理後の受信信号は、量子化部110によって量子化処理され、復調信号となる。又、復調信号は、回線品質推定部111によって、回線品質が推定される。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、受信された各サブキャリア信号に対して、振幅値に応じた重み付けだけでなく、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離に応じた重み付けも行うため、振幅変動を生じ、誤りを含んでいると考えられるサブキャリアのみならず、振幅変動は生じていないが位相回転等によって誤りを含んでいると考えられるサブキャリアの影響をも小さくすることができ、誤り率劣化を防止することができる。
【0050】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る受信装置は、実施の形態1と同様の構成を有し、但し、1ビットシフトによって振幅を半分にすることができることに鑑み、図1の乗算器108における乗算処理をビットシフト器及びセレクタを用いた構成とし、ハード構成を低減させるものである。
【0051】
以下、図2を用いて、本実施の形態に係る受信装置について説明する。図2は、本発明の実施の形態2に係る受信装置の重み付け部の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0052】
1ビットシフト器201は、乗算器106の出力信号を1ビットシフトさせ、振幅値を0.5倍して出力する。これは、実施の形態1において、セレクタ109から重み付け係数「0.5」が出力され、乗算器108によって乗ぜられた場合と同等の処理となる。
【0053】
1ビットシフト器202は、乗算器106の出力信号を1ビットシフトさせ、振幅値を0.5倍して出力する。2ビットシフト器203は、乗算器106の出力信号を2ビットシフトさせ、振幅値を0.25倍して出力する。加算器204は、1ビットシフト器202の出力と2ビットシフト器203の出力とを加算し、すなわち乗算器106の出力信号の振幅値を0.75倍した信号を出力する。これは、実施の形態1において、セレクタ109から重み付け係数「0.75」が出力され、乗算器108によって乗ぜられた場合と同等の処理となる。
【0054】
セレクタ205には、乗算器106の出力信号、及び乗算器106の出力信号を0.5倍した信号、乗算器106の出力信号を0.75倍した信号、が入力され、シンボル同期タイミングに基づいて、選択的に出力される。
【0055】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の重み付け処理を乗算器を省いた構成で実現することができるため、ハード規模を低減し、又信号処理に要する時間を短縮することができる。
【0056】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る受信装置は、実施の形態1と同様の構成を有し、但し、回線品質に応じて重み付け係数を可変とするものである。
【0057】
実施の形態1においては、重み付け係数が固定値である場合について述べたが、干渉波となる隣接チャネルの信号レベルが非常に大きい場合、尤度の下げ方が不充分となり、誤り率が劣化する可能性が生じる。
【0058】
そこで、本実施の形態においては、隣接チャネル干渉波の信号レベルが所定値を超える場合に、重み付け係数を変え、中心周波数から離れたサブキャリアの尤度を更に下げるようにする。
【0059】
以下、図3を用いて、本実施の形態に係る受信装置について説明する。図3は、本発明の実施の形態3に係る受信装置の重み付け部の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0060】
図3において、セレクタ301は、重み付け係数「0.375」及び「0.5」を保持し、回線品質推定部111の出力を切替制御信号として、「0.375」又は「0.5」のいずれか一方を選択的に出力する。
【0061】
同様に、セレクタ302は、重み付け係数「0.625」及び「0.75」を保持し、回線品質推定部111の出力を切替制御信号として、「0.625」又は「0.75」のいずれか一方を選択的に出力する。
【0062】
ここで、干渉波となる隣接チャネルの信号レベルは、例えば、中心周波数から離れたサブキャリアの回線品質指定結果と、中心周波数付近のサブキャリアの回線品質推定結果と、の差を複数フレーム分平均した値の大きさから推定することができる。すなわち、上記回線品質推定結果の差が所定値より大きい場合は、干渉する隣接チャネルの信号レベルが所定値より大きいと判断することができる。
【0063】
よって、通常時は、実施の形態1と同様に、セレクタ301は、重み付け係数「0.5」を出力し、セレクタ302は、重み付け係数「0.75」を出力する。そして、上記回線品質推定結果の差が所定値より大きくなった場合は、セレクタ301は、「0.375」を出力し、セレクタ302は、「0.625」を出力する。
【0064】
このように、本実施の形態によれば、重み付け係数を可変とし、干渉する隣接チャネルの信号レベルが大きい場合には、中心周波数から離れたサブキャリアの尤度を更に下げるようにするため、干渉する隣接チャネルの信号レベルが大きいに場合でも誤り率劣化を防止することができる。
【0065】
なお、上記実施の形態1から実施の形態3においては、重み付け係数として「0.5」「0.75」「1.0」の三値を用いる場合、更には、「0.5」の代わりに「0.375」、「0.75」の代わりに「0.625」を用いる場合について述べたが、本発明の適用はこれらの条件に限定されるものではなく、中心周波数から離れているサブキャリアほど尤度を低くすることが実現されるならば、重み付け係数の値及び数は全くの任意である。
【0066】
更には、本発明の適用は、中心周波数から離れているサブキャリアほど尤度を低くすることが実現されるならば、例として述べた上記実施の形態1から実施の形態3における、予め保持する重み付け係数を選択・抽出して、受信信号に乗ずるという構成に限定されるものではない。
【0067】
又、尤度を下げる、すなわち重み付け係数を「1.0」以下とするサブキャリアの数も任意であり、中心周波数から段階的に両端のサブキャリアまで下げても良く、若しくは、両端から所定数のサブキャリアだけ下げるようにしても良い。
【0068】
実施の形態3でも述べたように、干渉する隣接チャネルの信号レベルが大きい場合や、アナログフィルタによる影響が大きい場合、中心周波数付近のサブキャリアまで影響を受ける場合も考えられる。このような場合、中心周波数付近から徐々に尤度を下げることによって、本発明の効果をより顕著に得ることができる。
【0069】
又、干渉する隣接チャネルの信号レベルが比較的小さい場合や、アナログフィルタによる影響が比較的小さい場合には、中心周波数付近のサブキャリアまでは影響を受けず、中心周波数から最も離れた両端の数本のサブキャリアの尤度を下げるだけで本発明の効果を得ることができる場合もあり得る。
【0070】
上記いずれの場合でも、本発明の効果が特に顕著に現れるのは、干渉する隣接チャネル又はアナログフィルタのカットオフ周波数に最も近い中心周波数から最も離れた両端付近のサブキャリアについてである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信した各サブキャリアを、振幅値に応じた重み付けだけでなく、周波数軸上における中心周波数から距離に応じた重み付けも行うことによって、中心周波数から離れたサブキャリアほど尤度を低くするため、振幅変動は生じていないが位相回転等によって誤りを含んでいると考えられるサブキャリアの影響を小さくし、誤り率劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図2】本発明の実施の形態2に係る受信装置の重み付け部の概略構成を示す要部ブロック図
【図3】本発明の実施の形態3に係る受信装置の重み付け部の概略構成を示す要部ブロック図
【図4】従来の受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図5】干渉波が存在する場合の一チャネルのスペクトラムの一例を示す模式図
【図6】アナログフィルタの周波数特性と一チャネルのスペクトラムの一例を示す模式図
【符号の説明】
108 乗算器
109 セレクタ

Claims (7)

  1. OFDM方式で送信された複数のサブキャリアを受信する受信手段と、振幅値が小さいサブキャリアほど尤度を低くし、各キャリア周波数が周波数軸上における中心周波数から離れているサブキャリアほど尤度を低くしてから軟判定処理を行う判定手段と、を具備することを特徴とする受信装置。
  2. 前記判定手段は、回線品質が悪い時ほど前記中心周波数からの距離に対して尤度を低下させる割合を大きくすることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の受信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
  4. 請求項3記載の通信端末装置と無線通信を行うことを特徴とする基地局装置。
  5. 請求項1又は請求項2記載の受信装置を具備することを特徴とする基地局装置。
  6. 請求項5記載の基地局装置と無線通信を行うことを特徴とする通信端末装置。
  7. 受信したOFDM方式の信号を軟判定する際に、振幅値が小さいサブキャリアほど尤度を低くし、各キャリア周波数の周波数軸上における中心周波数からの距離が離れているサブキャリアほど尤度を低くすることを特徴とする受信方法。
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