JP3628828B2 - Medical table - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産科、婦人科、泌尿器科および肛門科などの治療および診察に好適に用いることができる診療台に関する。
【0002】
【従来の技術】
図24は典型的な従来技術の産婦人科用検診台1に備えられる開閉手段7の構成を示す平面図であり、この従来技術は特公平6−93904号公報に示されている。この検診台1は、患者の臀部だけを支持する程度の前後方向(図24の上下方向)の寸法を有する座部3の後方に背板4が傾動可能に設けられ、前記座部3の左右両側(図24の左右方向)には、前端側(図24の下方端)に一対の脚受け部6a,6bが設けられる肘掛け5a,5bが軸10a,10bを中心として起伏可能に軸支される。背板4が後方に傾動すると、各肘掛け5a,5bの前側(図24の下側)が上昇し、その上昇に従って各脚受け部6a,6bも座部3に対して上昇する。背板4にはシリンダ7が設けられ、このシリンダ7のピストン棒8には、一対の連結杆9a,9bの各一端部が連結される。各連結杆9a,9bの他端部は、前記肘掛け5a,5bにそれぞれ連結される。
【0003】
前記シリンダ7のピストン棒8が図24の実線で示されるように縮退した状態では、図25(1)に示されるように背板4が起立し、かつ各脚受け部6a,6bが座部3の一部となるように近接している。この状態からシリンダ7のピストン棒8が伸長すると、各連結杆9a,9bが図24の仮想線で示されるように支軸11を中心にして左右両側へ拡開し、各肘掛け5a,5bは各脚受け部6a,6bとともに図25(2)に示されるように左右両側に拡開する。このような各肘掛け5a,5bおよび各脚受け部6a,6bの拡開動作に連動して、前記背板4は後方へ傾動し、患者は膝を曲げた状態で開脚しながら仰臥した姿勢に移行する。このようにして患者が医師や看護婦と目を合わすことなく、受診位に導き、羞恥心を喚起することを防ぎ、患者の緊張の緩和を図っている。また患者の脚部の開き加減は、シリンダ7のピストン棒8の伸長量によって調整することができ、患者の個人差に適用させることができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術では、座部3によって患者の臀部が支持され、かつ各脚受け部6a,6bによって両脚部がそれぞれ支持された状態で開脚し、または閉脚する。このとき、患者の体重は、背板4が起立した状態からある程度、後方へ傾斜した状態になるまでの間は座部3および各脚受け部6a,6bによって支持される。特に、各脚受け部6a,6bには、患者の両脚部の重量が負荷としてそれぞれ作用し、このような状態で開脚および閉脚動作が行われる。そのため、各脚受け部6a,6bを開閉動作させるために大きな駆動力を必要とし、この大きな駆動力を得るために上記シリンダ7が用いられ、このシリンダ7のピストン棒8の伸長および縮退運動を連動杆9a,9bによって各肘掛け5a,5bに伝達し、各脚受け部6a,6bを開閉動作させている。
【0005】
したがって患者の開脚限界位置および閉脚限界位置を越えない位置で各脚受け部6a,6bを停止させるには、診療前にその患者に合った各脚受け部6a,6bの開脚限界位置および閉脚限界位置を確認するか、もしくは図25(1)に示す座位の姿勢で患者の閉脚限界位置を確認して調整した後、背板4を後方へ傾動させながら各脚受け部6a,6bを徐々に開き、開脚限界位置の直前で停止しなければならず、患者を座位から受診位に移行するために長い時間を要してしまうという問題がある。
【0006】
また図25(2)で示す受診位では、検査または治療が終わりに近づくと、患者は羞恥心または恐怖心から閉脚したいという気持ちがあるために無意識に大腿部を閉じようとして脚に力を入れる場合がある。このような患者の羞恥心および恐怖心は少しでも早く解消することが患者の精神衛生の上で好ましく、そのような診療台が所望されている。
【0007】
さらに、検診台1を図24の右側または左側から見たときの側面形状において、各脚受け部6a,6bは背板4に対して一定の角度を保ったまま背板4とともに後方へ傾動し、または前方へ起立するため、背板4がほぼ起立した状態にある開脚開始時および閉脚終了時には、患者の大腿部のほぼ全重量を各脚受け部6a,6bが支持している。そのため開脚開始時および閉脚終了時に患者の大腿部に各脚受け部6a,6bから開脚方向および閉脚方向に大きな力が作用し、患者にとって無理に開脚しまたは閉脚しなければならないという無具合が生じ、このような患者への肉体的負担もまた、解消する必要がある。
【0008】
したがって本発明の目的は、座位および受診位間の移行時間の短縮を図り、患者への心理的および肉体的負担を軽減することができるようにした診療台を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、患者の少なくとも背部を支持する背板と、患者の腰部に近い背板の一端部近傍の左右両側に回動自在に設けられる一対の脚受け部と、背板および一対の脚受け部を、水平軸線まわりに傾動させる傾動手段と、この傾動手段を上下に昇降させる昇降手段と、一対の脚受け部を相互に近接および離反する方向に開閉させる開閉手段とを備える診療台において、
前記背板を一対の脚受け部とともに昇降手段によって上昇させながら傾動手段によって後方に傾動させ、これらの上昇および後方への傾動の開始から所定時間が経過した後、または所定位置まで変位した後に、開閉手段によって各脚受け部の開脚動作を開始させ、
前記開閉手段には、各脚受け部の負荷を検出する負荷検出手段が設けられ、この負荷検出手段によって検出された負荷が予め定める値に達したとき、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止、減速および増速のいずれか1つに選択的に切換えることを特徴とする診療台である。
本発明に従えば、背板と一対の脚受け部とは昇降手段によって上昇しながら後方へ傾動し、これらの上昇および後方への傾動の開始から所定時間が経過した後、あるいは所定位置まで変位した後に各脚受け部は開閉手段によって開脚動作を開始する。したがって各脚受け部の開脚動作の開始時には、患者の重心は後方へ移動しており、そのため各脚受け部には患者の体重がほとんどかからず、たとえば膝の上を少し受けるだけであり、従来のように無理に開脚するという不具合をなくすことができる。また背板の上昇および後方への傾動の開始と同時に各脚受け部が開脚動作を開始する場合に比べて、患者にとっていきなり開脚させるという羞恥心への刺激を少なくすることができ、これによって患者の心理的負担を軽減することができる。
また、負荷検出手段によって開閉手段の負荷が予め定める値に達したときには、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止し、減速し、または増速させる。これによって患者の脚部が無理な力で開脚されまたは閉脚されるという不具合をなくすことができる。したがって高齢の患者および股関節に障害のある患者であっても、無理に開脚しまたは閉脚することがないので、心理的および肉体的負担が軽減される。
【0010】
また本発明は、患者の少なくとも背部を支持する背板と、患者の腰部に近い背板の一端部近傍の左右両側に回動自在に設けられる一対の脚受け部と、背板および一対の脚受け部を、水平軸線まわりに傾動させる傾動手段と、この傾動手段を上下に昇降させる昇降手段と、一対の脚受け部を相互に近接および離反する方向に開閉させる開閉手段とを備える診療台において、
前記背板を一対の脚受け部とともに昇降手段によって下降させながら傾動手段によって前方に傾動させ、これらの下降および前方への傾動の開始とほぼ同時に開閉手段によって各脚受け部の閉脚動作を開始させ、
前記開閉手段には、各脚受け部の負荷を検出する負荷検出手段が設けられ、この負荷検出手段によって検出された負荷が予め定める値に達したとき、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止、減速および増速のいずれか1つに選択的に切換えることを特徴とする診療台である。
本発明に従えば、背板は昇降手段によって下降しながら傾動手段によって前方に傾動し、これらの下降および前方への傾動の開始とほぼ同時に各脚受け部が開閉手段によって閉脚動作を開始するので、検査または治療が終わりに近づいたときに、すぐに閉脚動作が開始され、患者の羞恥心および恐怖心を受診の終了とほぼ同時に解消することができ、これによって患者は脚部を閉じようとする力を抜くなどして心理的および肉体的負担を軽減することができる。また上記のように背板の下降および前方への傾動の開始とほぼ同時に各脚受け部の閉脚動作が開始されるので、診療時間も短くなり、診療時間を短縮することができる。
また、前述と同様に、負荷検出手段によって開閉手段の負荷が予め定める値に達したときには、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止し、減速し、または増速させる。
【0011】
また本発明は、前記背板の一端部近傍には、開閉手段による各脚受け部の開脚とほぼ同時に前記背板の一端部近傍から突出する方向に前進する汚物受けトレイが設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、背板の一端部近傍に汚物受けトレイが設けられ、この汚物受けトレイは各脚受け部の開脚とほぼ同時に前進して前記背板の一端部近傍から突出するので、背板が起立した座位においては背板の一端部近傍の裏側へ退避しており、したがって汚物受けトレイが患者および術者に邪魔にならず、各脚受け部が開脚した状態で汚物を受ける位置に、いわば自動的に配置され、したがって術者または補助者が前記汚物受けトレイを背板の上昇および後方への傾動動作および各脚受け部の開脚動作とは別に操作する必要がなく、利便性が向上される。
【0012】
また本発明は、前記背板の一端部近傍には、昇降手段による背板の下降の開始または傾動手段による背板の前方への傾動の開始とほぼ同時に前記背板の一端部近傍の裏側に後退する汚物受けトレイが設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、背板の一端部近傍には汚物受けトレイが設けられ、この汚物受けトレイは背板の下降の開始または背板の前方への傾動の開始とほぼ同時に前記背板の一端部近傍の裏側に退避する。したがって背板が起立したときに汚物受けトレイが診療台の基台または床などに接触することが防がれ、術者または補助者が汚物受けトレイを後退させるための操作を別途に行う必要がなく、利便性が向上される。
【0014】
また本発明は、前記開閉手段は、負荷検出手段によって検出された各脚受け部のうちいずれか一方の負荷が前記予め定める値に達したとき、少なくとも前記一方の脚受け部の開閉動作を停止または減速させることを特徴とする。
本発明に従えば、各脚受け部のいずれか一方の負荷が予め定める値に達したとき、少なくともその一方の脚受け部の開閉動作を停止または減速するので、患者が左右両側の股関節のうち、いずれか一方だけに障害がある場合であっても、前記一方の脚受け部または両方の脚受け部の開閉動作が停止または減速し、無理に開脚しまたは閉脚することが防がれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態の産婦人科用検診台31を示す斜視図であり、図2は産婦人科用検診台31の側面図である。診療台である産婦人科(産科および婦人科を総称して産婦人科と記す)用検診台31は、患者Pの頭部32から腰部33にわたる背部を支持する略平坦な支持面34を有する背板35と、前記腰部33付近を支持する一端部36に連なり、患者Pの臀部37を支持する座部38と、患者Pの腰部33に近い背板35の前記一端部36近傍である前記座部38の左右(検診台1に着座した患者からみたときの左右をいい、図2では紙面に垂直手前側を右方とし、紙面に垂直奥行き方向を左方とする)両側に回動軸線41a,41bをそれぞれ有し、この回動軸線41a,41bまわりに相互に近接する方向A1,A2および離反する方向B1,B2に回動自在に設けられる一対の支持アーム57a,57bの遊端部に、患者Pの脚部42a,42bを支持する脚受け部43a,43bがそれぞれ設けられる一対の脚受け台39a,39bと、背板35、前記座部38および一対の脚受け台39a,39bとともに水平軸線44まわりに矢符C1,C2方向に傾動させる傾動手段45と、傾動手段45を、矢符D1,D2方向に上昇および下降させる昇降手段46と、各脚受け台39a,39bを、前記回動軸線41a,41bまわりに相互に近接する方向A1,A2および離反する方向B1,B2に個別に回動して開閉動作させる一対の開閉手段47と、昇降手段46が乗載され、診療室の床上に載置される基台48と、基台48にケーブル49によって接続されるフットスイッチ50とを備える。
【0016】
ここに、本発明では、「座部」とは、後述する図18および図19に示されるように、座部251が背板250とほぼ同一平面になって、背板251と一体に構成されるものを含むものとする。また、本発明では「脚受け台」とは、図2、図4で示すような主に膝裏を支持するものや、膝裏から大腿部近傍までを支持する形態、あるいは大腿部近傍のみを支持する形態のものであってもよい。
【0017】
図3は各脚受け台39a,39bが閉じた状態における検診台31を示す正面図であり、図4は各脚受け部39a,39bが閉じた状態における検診台31を示す平面図である。前記一対の脚受け台39a,39bの各回動軸線41a,41bは、背板35をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面65に対して背板35の一端部36近傍から前記背板35の他端部66に向かって背板35から離反する方向に傾斜する一平面S(図2参照)上にあり、かつこの回動軸線41a,41bの各延長線が前記背板35をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面65上の交点67で交差するように配置される。
【0018】
座部38は、前記回動軸線41a,41bにほぼ垂直であり、かつ仮想鉛直面65に関して左右対称に設けられる一対の臀部支持面51a,51bと、各臀部支持面51a,51b間に介在され、背板35の支持面34に対して図2に示すように角度θ1を成して屈曲し、患者Pの仙骨部付近を支持する略三角形の中央支持面52とを有する。各臀部支持面51a,51b間には、患者Pの会陰部が座部38の下方に露出するように、U字状の切欠き53が形成される。このような座部38の図4における上下方向となる幅W1は、約610mmであり、前記角度θ1は160〜170度に選ばれる。
【0019】
座部38の下方には、その中央に汚物受けトレイ54が矢符F1,F2で示す前進/後退可能に設けられ、図2の仮想線55で示されるように、背板35の支持面34が水平に配置された状態で図2の右方となる前方に突出して、検診時または治療時に発生する汚物を受けることができるように構成される。このような汚物受けトレイ54を挟む両側には、図3および図4に示すように、開閉手段47が設けられる。
【0020】
図5は各脚受け台39a,39bが開いた状態における検診台31を示す正面図であり、図6は各脚受け台39a,39bが開いた状態における検診台31を示す平面図である。前記開閉手段47は、各脚受け台39a,39bを個別的に回動し、後述するように患者Pの脚部42a,42bの力によって停止するように構成される一対の駆動源56a,56bから成る。各駆動源56a,56bには各支持アーム57a,57bの基端部が固定され、各支持アーム57a,57bの遊端部には前記脚受け部43a,43bがそれぞれ設けられ、図3および図4に示される閉じた状態から、図5および図6に示される開いた状態に回動することができる。
【0021】
このように開閉手段47は、一対の駆動源56a,56bから成るので、両脚部のいずれか一方に障害がある場合および両脚部の障害の程度が異なる場合であっても、その患者Pの両脚部の開脚し得る程度に応じて各脚受け台39a,39bを追従させ、肉体的負担を軽減して開脚動作および閉脚動作を行うことが可能である。
【0022】
また各脚受け部43a,43bは、各支持アーム57a,57bの遊端部にいわばガタツキをもって緩やかな状態で連結されており、これによって患者Pの脚部42a,42bと各脚受け部43a,43bとの間のずれを許容することができるように構成される。具体的には、前記各脚受け部43a,43bを各支持アーム57a,57bの遊端部にいわばガタツキをもって連結するための構成として、ボール軸受によって実現される連結手段63a,63bが設けられる。
【0023】
一方の連結手段63aは、図2に示すように、脚受け部43aに固定的に設けられるボール64と、支持アーム57aの遊端部に設けられるボール受け片68とを有し、ボール64はボール受け片68に嵌まり込んだ状態で中立位置から周方向の任意の方向にたとえば0〜7度の範囲で角変位することができ、これによって脚受け部43aも同様に角変位することができる。もう一方の連結手段63bもまた、前述の連結手段63aと同様な構成を有する。
【0024】
このような連結手段63a,63bによって、各支持アーム57a,57bの遊端部に各脚受け部43a,43bが連結されるので、上述したように、各脚受け部43a,43bは支持アーム57a,57bの遊端部に対していわばガタツキを有し、各脚受け部43a,43bの回動軸線41a,41bを中心とする移動に対して患者Pの脚部42a,42bのずれを許容し、患者Pの脚部への肉体的負担を軽減することができる。
【0025】
各脚受け部43a,43bは、図1〜図6の実線で示される座位において上方に臨み、患者Pの大腿部58の裏側を支持するために、上方に臨んで凹状の大腿支持面59a,59bと、大腿支持面59a,59bの前端から下方にほぼ直角に屈曲して連なり、図2、図4および図6の右方となる前方に臨んで凹状に形成され、患者Pの後膝部60および後下腿部61(図1参照)を支持する後膝支持面62a,62bとを有する。
【0026】
これらの大腿支持面59a,59bおよび後膝支持面62a,62bが凹状に形成されるので、患者Pの脚部42a,42bを安定して保持することができ、開脚方向および閉脚方向にずれることが防がれ、術者にとって検診および治療を行いやすく、また患者にとっても安定感が得られるだけでなく、脚部の自重に抗するために大腿部の筋肉を緊張させる必要がなく、脚部42a,42bを仰臥位で開脚状態に保つために力を入れる必要がなく、肉体的負担が少なくてすむ。
【0027】
このような大腿支持面59a,59bおよび後膝支持面62a,62bは、各脚受け部43a,43bを図2に示すように側方から見たときに大略的にL字状に形成されるクッション性を有するマットによって実現することができる。このようなマットの表面は、耐水性、耐薬品性を有する合成樹脂から成るシートによって覆われる。前記座部38および背板35もまた同様なマットによって構成される。
【0028】
各回動軸線41a,41bは、これらを含む前記一平面S(図2参照)上で角度θ2(図3および図4を参照)を成し、この角度θ2は約60〜90度の範囲内に選ばれ、好ましくは約80度に選ばれる。また各回動軸線41a,41bが背板35の支持面34と成す角度θ3は、約35〜55度の範囲内に選ばれ、好ましくは45度に選ばれる。このように各脚受け台39a,39bの回動中心となる回動軸線41a,41bを平面S上で角度θ2を成し、かつ側方から見たときに鉛直面上で支持面34と角度θ3を成すように設定することによって、患者Pの開脚動作および閉脚動作における股関節の負担を可及的に少なくすることができる。
【0029】
図7は検診台31の内部構造を示す一部の断面図であり、図8は傾動手段45および昇降手段46の外観を示す斜視図である。前記傾動手段45は、長手方向一端部側(図7の右方)に開口する切欠き91が形成される平坦な支持板92と、この支持板92の前記切欠き91を外囲するようにして立設され、図7の紙面に垂直な水平断面が略U字状に形成されるブラケット93と、ブラケット93の上端部に前記水平軸線44を有する軸94によって前記水平軸線44まわりに矢符C1,C2方向に傾動自在に連結される揺動体95と、支持板92の下面の前記切欠き91を挟む両側に相互に間隔をあけて垂直に固定される一対の取付板96a,96bと、各取付板96a,96bの下端部に軸97によって枢支される傾動シリンダ98とを有する。この傾動シリンダ98は、複動油圧シリンダが用いられる。
【0030】
傾動シリンダ98のピストン棒103の先端部は、揺動体95の前記軸94に関して一端部側に突出して設けられる一対の取付片99にピン100によって連結される。前記揺動体95は、背板35が固定される平坦な基板101と、この基板101に溶接によって固定され、図7の上方から見た平面形状が矩形の揺動枠102とを有する。揺動枠102には前記取付片99が一体的に形成されるとともに、前記水平軸線44を有する軸94が挿通する。この軸94の軸線方向両端部はブラケット93の両側壁104,105を挿通して支持される。各側壁104,105は、前壁106によって相互に連結され、前述したように略U字状とされて、支持板92上に溶接によって固定される。
【0031】
傾動シリンダ98のピストン棒103が伸長すると、揺動体95は水平軸線44まわりに矢符C1方向に前方へ傾動し、ピストン棒103が縮退すると揺動体105は水平軸線44まわりに矢符C2方向に後方へ傾動する。このような揺動体95の前記基板101には、背板35が固定される。この背板35には、その一端部36に座部38が連なって設けられ、これらの座部38と背板35とによってバックレスト107を構成する。
【0032】
このバックレスト107は、金属製の背後板108と、背後板108上にボルトなどによって固定され、角パイプ等を枠組して構成されるフレーム109と、フレーム109上にボルトによって固定され、背板35および座部38間で別体の板状の裏板110a,110bと、各裏板110a,110b上に接着剤によって接着されるクッション層111a,111bと、各クッション層111a,111bの外表面を覆い、耐水性および耐薬品性を有する合成樹脂から成る表面シート112a,112bとを有する。各裏板110a,110b、クッション層111a,111bおよび表面シート112a,112bは、背板35と座部38とにそれぞれ対応して個別に形成されており、フレーム109上に位置決めされて固定され、前記バックレスト107を構成する。
【0033】
背後板108の裏面には、背板35の一端部36付近に2つの連結片113,114がボルトによって固定され、各連結片113,114は複数のボルト115によって揺動体95の基板101に固定される。
【0034】
このようにして基板101にバックレスト107が取付けられた状態では、バックレスト107の背板35の背面と基板101の表面とは角度θ4を成し、この角度θ4は約30度に選ばれる。したがって図7に示されるように、傾動シリンダ98のピストン棒103が伸長して、揺動体95がほぼ水平に傾倒し、バックレスト107が座位に配置された状態では、背板35は鉛直面に対して同様な角度θ4を成す。また傾斜シリンダ98のピストン棒103が縮退すると、仮想線116で示されるように、バックレスト107はほぼ水平に配置することができ、さらにピストン棒103が縮退すると、仮想線117で示されるようにバックレスト107は水平面に対して角度θ5を成し(図2参照)、この角度θ5は5〜10度に選ばれる。このようにバックレスト107が水平面に対して頭部側が下方となる角度θ5を成して傾斜するようにしたのは、患者Pが受診中に体調不良または極度の緊張によって貧血を起こした際に、頭部を低くして安静を取るためである。
【0035】
このようにしてバックレスト107は、傾動手段45によって鉛直面に対して背板35が角度θ4を成す座位からほぼ水平な受診位、さらには水平面から角度θ5を成して頭部側が下方に傾斜した安静位にわたって傾動したとき、その角度は揺動体95に設けられる傾動角度検出器118によって検出される。この傾動角度検出器118は、ロータリエンコーダによって実現され、その入力軸は揺動体95の一方の側壁105を挿通して外側方に突出しており、この外側方に突出した端部には歯車121が固定される。この歯車121は、ブラケット93の一方の側壁105から外側方に突出した軸94の軸線方向一端部に固定される歯車122に噛合し、ブラケット93の回動に応じて軸94、各歯車122,121を介して傾動角度検出器118に回転量を伝達することができる。このようにして傾動角度検出器118は、揺動体95の傾動角度、したがってバックレスト107の傾動角度を検出することができる。
【0036】
バックレスト107の背後板108には、頭部側に設けられる一方の連結片113よりもさらに頭部側に固定され、揺動体95およびブラケット93の上部近傍を覆う鉛直断面が円弧状に湾曲した傾動カバー体123が設けられ、図1〜図図7に実線で示されるように、バックレスト107が座位に配置された状態で、主として傾動手段45を上方から覆うことができ、ほこりなどの侵入を防止している。
【0037】
前記昇降手段46は、基台48の底板127のほぼ中央に固定されるベースプレート128と、ベースプレート128上に垂直に立設され、上部には複数(本実施の形態では8)の案内ローラ129が周方向に90度毎に間隔をあけかつ上下に対を成して水平軸線まわりにそれぞれ回転自在に設けられる案内ポスト130と、案内ポスト130内にその軸線方向に移動自在に挿入し、各案内ローラ129によってがたつくことなしに移動することができる昇降案内ロッド131と、案内ポスト130の上部にトラニオンピン132によってロッドトラニオン形で枢支される昇降シリンダ133と、案内ポスト130の前記トラニオンピン132の軸線方向一端部側の側部に設けられ、前記傾動手段45の昇降量を検出する昇降量検出器134とを有する。
【0038】
前記昇降シリンダ133のピストン棒135の先端部は、昇降手段46の支持板92の下面にボルトによって固定される。また昇降案内ロッド131の両端部は、前記ピストン棒135と同様に、支持板92の下面にボルトによって固定される。これらのピストン135および昇降案内ロッド131の各軸線は、相互に平行である。前記複数の案内ローラ129のうち、上段に配置される4つの案内ローラ129は、案内ポスト130の上面136から上方に部分的に突出しており、傾動手段45が下降したとき、支持板92の下面が前記上段の4つの案内ローラ129に当接して支持される。
【0039】
前記昇降量検出器134は、ロータリエンコーダによって実現され、その入力軸137には第1リンク部材138の長手方向一端部が連結される。第1リンク部材138の長手方向他端部にはピン139によって第2リンク部材140の長手方向一端部が連結され、第2リンク部材140の長手方向他端部は、支持板92の一側部にその下面から突出して設けられる垂下片141にピン142によって連結される。
【0040】
傾動手段145が昇降手段146によって上昇しまたは下降すると、その変位は第1および第2リンク部材138,140によって昇降量検出器134の入力軸137に伝えられ、傾動手段145の昇降量が電気的に検出される。
【0041】
図9は開閉手段47の一方の駆動源56bの具体的構成を示す断面図であり、図10は駆動源56bを図9の下方から見た断面図である。前述したように開閉手段47は、一対の駆動源56a,56bを有し、これらの各駆動源56a,56bは検診台31に設けられた状態で鉛直面に関して左右対称に構成されるため、検診台31に着座した患者Pから見て左側(図3では右側)に配置される一方の駆動源56bについて説明し、他方の駆動源56aについては重複を避けて説明は省略する。
【0042】
駆動源56bは、座部38の下面に固定される厚板状の取付基板151と、取付基板151の一表面に垂直に立設され、減速機152およびモータ153が取付けられる取付片154と、取付基板151の一表面に立設される一対の軸受片155,156と、各軸受片155,156に形成される軸孔157,158に嵌着される軸受159,160と、減速機152の出力軸161に同軸に連結され、軸線方向両端部が前記軸受159,160によってそれぞれ軸支される回転軸162とを有する。
【0043】
前記駆動源56bはさらに、前記回転軸162にその軸線方向中間部で固定されるウォーム歯車163と、ウォーム歯車163に噛合し、前記回動軸線41bとほぼ同軸を成しかつ取付基板151の前記一表面に垂直な回動軸線164を有するウォームホイール165と、回動軸線164と同軸に配置され、ウォームホイール165が固定される回動軸166と、回動軸166を取付基板151に回動軸線164まわりに回動自在に連結するスラスト軸受167と、回動軸166に同軸に固定される回転体168と、回転体168の下面に同軸に固定され、支持アーム57bの基端部が固定されるアーム取付体169と、取付基板151の下面に設けられ、脚受け部43bおよび支持アーム57bの開放限界位置を検出する開放限界位置検出器170と、取付基板151の下面に設けられ、脚受け部43bおよび支持アーム57bの閉鎖限界位置を検出する閉鎖限界位置検出器171と、ウォームホイール165とスラスト軸受167との間に介在され、回動軸166に固定されるカム172と、回動軸166の回動量を検出し、ロータリエンコーダによって実現される回動量検出器173とを有する。
【0044】
開放限界位置検出器170および閉鎖限界位置検出器171は、リミットスイッチから成り、各検出器170,171に備えられる図示しない各作動片はカム172のカム面に弾発的に当接し、カム172が回転軸線164まわりに回動したときに予め定める開放限界位置および閉鎖限界位置で各作動片が押圧され、これによって各検出器170,171のスイッチング態様が切換えられてモータ153への付勢電力が遮断され、脚受け部43bおよび支持アーム57bを開脚限界位置および閉脚限界位置で停止させることができるように構成される。
【0045】
図11は、汚物受けトレイ54のトレイ駆動手段181を座部38の下方から見た一部の斜視図である。前記汚物受けトレイ54は、トレイ駆動手段181によって図2の実線で示される退避位置から仮想線55で示される突出位置とにわたって変位駆動される。トレイ駆動手段181は、汚物受けトレイ54の両側部を支持する一対の角変位手段182と、この角変位手段182の揺動レバー183によって矢符F1方向に押圧し、かつ矢符F2方向に引寄せるように伸縮駆動し、図7に示す座部38側の連結片114に取付けられる伸縮手段184とを有する。
【0046】
角変位手段182は、長手方向に垂直な断面形状が略L字状の取付フレーム185と、取付フレーム185に固定され、長手方向に垂直な断面形状は略U字状の外案内レール186と、外案内レール186の内面に固着され、合成樹脂から成る薄板状の滑り防止板187と、外案内レール186の長手方向一端部寄りで内面で固定されるストッパ188と、外案内レール186に摺動自在に嵌まり込む移動体191と、移動体191に固定され、前記揺動レバー183が角変位自在に枢支されるレバー保持部材192とを有する。
【0047】
前記伸縮手段184は、パンタグラフ機構を構成する2つの平行四辺形リンク211,212を2つの連結片213,214によってそれぞれ連結し、各リンク211,212間でピン218によって揺動可能に支持されるモータ215のねじ軸219の回転によって、このねじ軸219が螺合する螺合片225をモータ215に近接する方向に引寄せ、または離反する方向に引離して、各リンク211,212を伸縮動作させることができるように構成される。一方の連結片213には、押さえ片216によって連結アーム17の中央部が角変位可能に取付けられる。また他方の連結片214は、ボルトなどによって前記連結片114に固定される。このような伸縮手段184には、汚物受けトレイ54の前進位置を検出するための前進位置検出器174と、汚物受けトレイ54の後退位置を検出するための後退位置検出器175とが前記平行四辺形リンク211,212に関連して設けられる。
【0048】
伸縮手段184は、前記角変位手段182とともにバックレスト107に追従して変位する。連結アーム217は、一直線状に延びる回動部221と、回動部221の軸線方向両端部で直角に屈曲して連なる相互に平行な一対の揺動部222a,222bと、各揺動部222a,222bの遊端部から外側方にそれぞれほぼ直角に屈曲して連なり、前記係合孔209に挿通して係合する一対の係合部223a,223bとを有する。
【0049】
伸縮手段184が矢符F1方向に伸長すると、揺動レバー183は矢符F1方向に沿う前方に押出され、移動体191の矢符F1方向前端側の端部がストッパ188に当接すると、揺動レバー183は前記ビス205の軸線を回転中心にして遊端部198を上方へ角変位させ、これによって汚物受けトレイ54を、図2の仮想線55で示されるように、座部38の下方から前方に突出させながら上方に角変位させて、ほぼ水平に保持することができる。
【0050】
このようにして汚物受けトレイ54が突出した状態では、その上方に座部38の切欠き53が臨んでおり、汚物が周囲に飛散することなしに確実に収容することができる。また図2の実線で示されるように汚物受けトレイ54が縮退した状態では、汚物受けトレイ54が床または基台48に接触せず、また術者や介助者の邪魔にならず、汚物受けトレイ54との接触を避けるため大きなスペースを必要とせず、バックレスト107を着座位置に復帰させることができる。
【0051】
図12は、検診台31の動作を制御する制御手段230の電気的構成を示すブロック図である。制御手段230は、各脚受け部43a,43bの回動量を検出する各回動量検出器173(以下、回動量検出器173を左右個別に呼ぶときには添え字a,bを付す)からの出力に基づいて、回動開始位置を設定するための零点調整回路231と、前記昇降量検出器134および傾動角度検出器118からの各出力ならびに各回動量検出器173a,173bから前記零点調整回路231によって零点調整された各出力をそれぞれ入力して、デジタル信号に変換するA/D変換器232と、マイクロプロセッサによって実現され、前記A/D変換器232によってデジタル値に変換された各検出器134,118,173a,173bからの各検出値を信号処理する信号処理回路233と、たとえばEP−ROMによって実現され、昇降量検出器134の出力に基づく下限位置および上限位置、傾動角度検出器118の出力に基づく背板35の前方への傾動限界位置および後方への傾動限界位置、ならびに各回動量検出器173a,173bの出力に基づく各脚受け部43a,43bの各回動量などの後述の位置情報A,B,C,Dを記憶するためのメモリ234と、入出力回路235と、この入出力回路235を介する入力信号と前記フットスイッチ50からの入力信号とを比較して前記傾動手段40を、昇降手段46、開閉手段47およびトレイ駆動手段181にそれぞれ駆動信号を出力する駆動回路236と、各回動量検出器173a,173bの電圧変化に基づいて各脚受け部43a,43bの負荷を検出し、開閉手段47を停止、減速および増速のいずれか1つを選択的に切換える過負荷監視回路236とを有する。
【0052】
前記フットスイッチ50は、セット操作部241、リセット操作部242、上昇操作部243、下降操作部244、起立操作部245、傾斜操作部246、開脚操作部247、閉脚操作部248、トレー前進操作部249、およびトレー後退操作部250を有する。前記駆動回路236は、昇降用リレー236a、傾動用リレー236b、脚受け部用リレー236cおよび汚物受けトレー用リレー236dを有し、前記昇降手段46、傾動手段45、開閉手段47およびトレー駆動手段181を駆動させる。
【0053】
図13〜図19は、制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。まず、図13を参照して、ステップa1で読み込み動作が開示され、ステップa2で図示しないメモリスイッチがオンされたか否かが判断される。このメモリスイッチがオンされた場合にはステップb1に移り、オフ状態のままであればステップa3に移り、フットスイッチ50のセット操作部241がオンされたか否かが判断される。このセット操作部241が操作されない場合にはステップa4に移り、リセット操作部242が操作されたか否かが判断され、このリセット操作部242がオンしたときには図16のステップf1に移り、オフ状態のままであれば読み込み開始のステップa1に戻り、このようなステップa1〜a4が繰り返される。
【0054】
ステップa2でメモリスイッチがオンしたときには、ステップb1で読み込み動作が継続され、ステップb2でセット操作部241がオンされたか否かが判断される。セット操作部241が操作されてオンしたときには、図17のステップg1に移り、セット操作部241がオフであればステップb3でリセット操作部242がオンか否かが判断される。リセット操作部242がオンであれば、ステップb4で昇降量検出器134によって検出された上下位置A、傾動角度検出器118によって検出された傾動角度B、右回動量検出器173aによって検出された右側の脚受け部43aの角度C、および左回動量検出器173bによって検出された左側の脚受け部43bの角度Dが前記メモリ234に記憶される。
【0055】
図14を参照して、前記ステップa2(図13参照)でメモリスイッチがオンした場合には、ステップc1,d1に移る。ステップc1では、メモリスイッチのオン操作によって開脚操作部247および閉脚操作部248による開脚および閉脚動作信号の入力を禁止し、ステップc2で右脚受け部43aの現時点での回動量が信号処理回路233に入力されており、ステップc3で前記角度が開脚限界開度および閉脚限界角度のいずれかに達したか否かが判断される。この角度が開脚限界角度および閉脚限界角度のいずれかに達している場合には、ステップc1で再び右脚受け部43aの角度が脚受け部用リレー236cに入力されることを停止し、開脚操作部247または閉脚操作部248の操作による右脚受け部43aの開脚および閉脚のいずれか一方の動作を禁止している。ステップc3において右脚受け部43aが開脚限界位置および閉脚限界位置のいずれにも達していない場合には、ステップc4に移り、過負荷監視回路237に備えられる速度制御回路から予め設定された回動速度の制御信号が出力され、ステップc5で開閉手段47の右側の駆動源56aに備えられるモータ153が駆動され、このモータ153の負荷がたとえば検流器などによって検出され、この負荷検出値がステップc6で前記モータ153の停止、減速および加速のいずれかであるかが判断される。たとえば負荷検出値がモータ153のトルク許容値付近になると、過負荷監視回路237は停止信号を出力し、前記ステップc1で開脚動作または閉脚動作の入力が停止される。
【0056】
また前記ステップc6において負荷検出値が患者の脚部を右脚受け部43aに乗載したときの通常の負荷よりも大きい場合は、脚受け部用リレー236cに入力される開脚または閉脚信号を減速し、また負荷検出値が患者の脚部による負荷よりも少ない場合には、前記開脚および閉脚信号を加速する方向に制御する。このような減速および加速信号は、ステップd4で過負荷監視回路237に備えられる速度制御回路に入力され、上記と同様にステップd5で左脚受け部43dを回動するモータ153が制御され、ステップd6でその負荷が検出され、停止である場合にはステップd1に移り、加速または減速である場合にはステップc4に移り、前述の右脚受け部43aの速度制御回路に開脚または閉脚信号が加速され、または減速される。
【0057】
前記ステップd1で開脚または閉脚の脚受け部用リレー236cの入力信号が停止されており、ステップd2で左脚受け部43bの現時点での回動量が信号処理回路233に入力されており、この角度はステップd3で、前述の右脚受け部43aの角度に対する判断と同様に、開脚限界位置から閉脚限界位置かが判断され、このいずれかである場合にはステップd1で開脚または閉脚限界位置を越えた動作が禁止され、開脚および閉脚限界位置に達していない場合には、前記ステップd4で予め設定された回動速度、もしくは前記ステップc6で減速または加速された開脚または閉脚信号によって、前記設定速度よりも減速されまたは加速されてステップd5でモータ153が駆動される。
【0058】
図15を参照して、前記ステップa2(図13参照)で、メモリスイッチがオンされると、ステップe1に移り、昇降量検出器134によって検出された上下位置A1、傾動角度検出器118によって検出された傾斜角度B1、右回動量検出器173aによって検出された右脚受け部43aの角度C1、および左回動検出器173bによって検出された左脚受け部43bの角度D1が、既にメモリ234に記憶される上下位置A0、傾斜角度B0、右脚受け部角度C0、および左脚受け部角度D0に代えて書き換えられる。次のステップe2では、信号処理回路233はメモリ234に記憶された新たな傾斜角度B1を読み込み、ステップe3で前回の傾斜角度B0に対して新たな傾斜角度B1が小さいか否か(B0−B1)>0を判断し、新たな傾斜角度B1が前回の傾斜角度B0よりも大きい場合には次のステップe4に移り、新たな傾斜角度B1が前回の傾斜角度B0よりも小さいか否かを判断する。新たな傾斜角度B1が前回の傾斜角度B0よりも大きい場合にはステップe5に移り、新たな上下位置A1を読み込み、ステップe6で新たな上下位置A1が前回の上下位置A0よりも小さいか否かを判断する。新たな上下位置A1が前回の上下位置A0よりも大きい場合にはステップe7に移り、再び新たな上下位置A1が前回の上下位置A0よりも小さいか否かを判断し、この新たな上下位置A1が前回の上下位置A0よりも大きい場合には、前記ステップa1(図13参照)に戻る。
【0059】
前述のステップe3において、新たな傾斜角度B1が前回の傾斜角度B0よりも小さい場合には、ステップe8に移り、信号処理回路233は起立信号を出力して背板35を起立させる。また前記ステップe4で新たな傾斜角度B1が前回の傾斜角度B0よりも大きい場合には、ステップe9で信号処理回路233は傾斜信号を出力し、背板35を傾倒させる。さらに前記ステップe6で新たな上下位置A1が前回の上下位置A0よりも小さい場合には、ステップe10に移り、信号処理回路233は上昇信号を出力して新たな上下位置A1が前回の上下位置A0以上になるまで上昇信号を出力し続ける。また前記ステップe7で新たな上下位置A1が前回の上下位置A0よりも大きい場合には、ステップe11で信号処理回路233は下降信号を出力し、新たな上下位置A1が前回の上下位置A0以下になるまで下降信号を出力し続ける。
【0060】
図16を参照して、前記ステップa4(図13参照)でリセット操作部242が操作されてオン状態である場合には、ステップf1でメモリ234の所定の記憶領域に記憶されている上下位置A0、傾斜角度B0、右脚受け部角度C0、および左脚受け部角度D0をメモリ234中の他の記憶領域に記憶されていた他の上下位置A2、傾斜角度B2、右脚受け部角度C2、および左脚受け部角度D2に書き換え、ステップf2で信号処理回路233は汚物受けトレー54の格納信号を後退位置検出器175が検出するまで出力し続けて、ステップf3でメモリ243からステップf1で書き換えられた他の右脚受け部角度C2および左脚受け部角度D2を読込み、ステップf4で右脚受け部閉脚信号を前記他の右脚受け部角度C2が前回の右脚受け部角度C0以下になるまで出力し、右脚受け部43aを閉脚させるとともに、ステップf5で左脚受け部閉脚信号を前記他の左脚受け部角度D2が前回の左脚受け部角度D0以上になるまで出力して、左脚受け部43bを閉脚させる。このように左右の脚受け部角度C2,D2の判断が前回の左右脚受け部角度C0,D0に対して正負が逆になるのは、診療台31を上方から見て右まわりを正とし、左まわりを負としたとき各脚受け部43a,43bの閉脚動作の方向は相互に逆向きであるからである。
【0061】
次にステップf6で、信号処理回路233は、メモリ234にステップf1で書き換えられた他の傾斜角度B2を読み取り、ステップf7で他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0よりも小さいか否かを判断し、他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0よりも大きい場合にはステップf9で他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0よりも大きいか否かを判断する。この他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0よりも小さい場合には、ステップf11に移り、信号処理回路233は前記ステップf1でメモリ234に新たに書き換えられた他の上下位置A2を読み込み、ステップf12で他の上下位置A2が前回の上下位置A0よりも小さいか否かを判断し、他の上下位置A2が前記の上下位置A0よりも大きい場合にはステップf14で他の上下位置A2が前回の上下位置A0よりも大きいか否かを判断し、他の上下位置A2が前回の上下位置A0よりも小さい場合には前記ステップa1(図13参照)に戻る。
【0062】
前記ステップf7において、他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0よりも小さい場合には、ステップf8で信号処理回路233は起立信号を他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0以下となるまで出力し、背板35を起立させる。また前記ステップf9で他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0よりも小さい場合には、ステップf10で信号処理回路233は傾斜信号を他の傾斜角度B2が前回の傾斜角度B0以上になるまで出力し、背板35を傾倒させる。さらに前記ステップf12で他の上下位置A2が前回の上下位置A0よりも小さい場合には、ステップf13で信号処理回路233は上昇信号を他の上下位置A2が前回の上下位置A0以下になるまで出力し、背板35を上昇させる。さらに前記ステップf14で他の上下位置A2が前回の上下位置A0よりも小さい場合には、ステップf15で信号処理回路233は下降信号を他の上下位置A2が前回の上下位置A0以下になるまで出力し、背板35を下降させる。
【0063】
図17を参照して、前記ステップb2(図13参照)で、セット操作部241が操作されてオンしたときにはステップg1に移り、現時点での背板35の傾斜角度、すなわち傾動角度検出器118によって検出された各脚受け部43a,43bの開脚動作を開始するときの開脚開始用傾斜角度BX がメモリ234に記憶されている限界傾斜角度B1よりも小さいか否かを判断し、この開脚開始用傾斜角度BX が限界傾斜角度B1よりも小さい場合には、ステップg2でセット操作部241を操作してメモリ234に既に記憶されていた上下位置A0、傾斜角度B0、右脚受け部角度C0および左脚受け部角度D0とは異なる新たな上下位置A1、傾斜角度B1、右脚受け部角度C1および左脚受け部角度D1を記憶させ、前記ステップa1(図13参照)に戻る。
【0064】
図18を参照して、前記ステップe8(図15参照)において背板35の起立動作を開始すると、ステップh1で左右両側の脚受け部43a,43bの各脚受け部角度C1,D1がメモリ234から信号処理回路233に読み込まれ、ステップh2で右脚受け部角度C1が前回の脚受け部角度C0よりも大きいか否かが判断され、新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0よりも大きい場合にはステップh3で信号処理回路233は右脚受け部閉脚信号を新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0未満になるまで出力し、右脚受け部43aを閉脚動作させる。また新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0よりも小さい場合には、ステップh4に移る。これとともに信号処理回路233はステップh5で新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも小さいか否かを判断し、新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも大きい場合には、ステップh6で左脚受け部閉脚信号を新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0以上になるまで出力し、左脚受け部43bを閉脚動作させる。
【0065】
ステップh4では、前記信号処理回路233は前記新たな傾斜角度B1が閉脚開始用傾斜開度BX よりも大きいか否かを判断し、大きい場合にはこの判断を継続し、小さい場合にはステップa7で汚物受けトレーの引き出し信号を前進位置検出器174が検出するまで出力し、汚物受けトレー54を突出させる。ステップh8では、新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0よりも小さいか否かが判断され、小さい場合には右脚受け部開脚信号を前記新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0以上になるまで出力し、右脚受け部43aを開脚動作させる。また新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0よりも大きい場合にはステップh10に移る。またステップh11では、新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも小さいか否かが判断され、小さい場合にはステップh12で信号処理回路233は左脚受け部開脚信号を新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0以下になるまで出力し、左脚受け部43bを開脚動作させる。また新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも小さい場合には、ステップh10に移る。
【0066】
前記ステップh10では、新たな傾斜角度B1が前回の傾斜角度B0よりも小さいか否かが判断され、小さい場合にはこの判断を継続し、大きい場合にはステップh13で背板35の起立動作を停止させた後、前記ステップa1(図13参照)に戻る。
【0067】
図19を参照して、前記ステップe9(図15参照)で、信号処理回路233によって背板35が傾斜動作を開始した後、ステップi1で左右両側の脚受け部角度C1,D1をメモリ234から読み込み、ステップi2で汚物受けトレー引き出し信号を前進位置検出器174が検出するまで出力して汚物受けトレー54を突出させる。ステップi3では、新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0よりも小さいか否かを判断し、小さい場合にはステップi4で信号処理回路233は右脚受け部開脚信号を新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0以上になるまで出力し、右脚受け部43aを開脚動作させ、大きい場合にはステップi5へ移る。またステップi6で新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも大きいか否かが判断され、大きい場合にはステップi7で信号処理回路233は左脚受け部開脚信号を新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0以上になるまで出力し、左脚受け部43bを開脚動作させ、前記新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも小さい場合にはステップi5へ移る。
【0068】
前記ステップi5では、新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0よりも大きいか否かが判断され、大きい場合にはステップi8で信号処理回路233は右脚受け部閉脚信号を新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0以下になるまで出力し、右脚受け部43aを閉脚動作させ、また新たな右脚受け部角度C1が前回の右脚受け部角度C0よりも小さいときにはステップi9へ移る。またステップi10で新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも小さいか否かが判断され、小さい場合にはステップi11で左脚受け部閉脚信号を新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0以下になるまで出力し、左脚受け部43bを閉脚動作させ、新たな左脚受け部角度D1が前回の左脚受け部角度D0よりも大きいときにはステップi9へ移る。
【0069】
前記ステップi9では、新たな傾斜角度B1が前回の傾斜角度B0よりも小さいか否かを判断し、小さい場合にはこの判断を繰り返し、大きい場合にはステップi12で背板35の傾斜動作を停止させ、前記ステップe5(図15参照)に戻り、前述と同様にして背板35の傾斜動作を停止したときの上下位置A1をメモリ234から読み込み、ステップe6で上下位置A1が前回の上下位置A0よりも大きいか否かを判断し、大きいときには上下位置A1が前回の上下位置A0以下になるまで背板35を上昇させる。また上下位置A1が前回の上下位置A0よりも小さいときにはステップe7で前記上下位置A1が前回の上下位置A0よりも小さいか否かを判断し、小さいときにはステップe11で上下位置A1が前回の上下位置A0以下になるまで背板35を下降して、再びステップa1に戻る。
【0070】
図20は、制御手段230の制御動作を時系列的に示すタイミングチャートである。時刻t1でセット操作部241を押圧し、この押圧操作を時刻t2で押圧状態を解除すると、信号処理回路233は、上昇信号を出力して背板35へ上昇させるとともに、傾斜信号を出力して背板35を後方へ傾動させ、このようにして背板35の上昇および後方への傾動動作が開始される。このような背板35の上昇および後方への傾動の開始から、予め定める時間Δtが経過した時刻t3で、信号処理回路233は、右開脚信号、左開脚信号および汚物受けトレー引出し信号を出力して、各脚受け部43a,43bの開脚動作を開始させるとともに、汚物受けトレー54の前進動作を開始させる。このとき、背板35の傾斜角度Bは、開脚開始用傾斜角度BX を超え、上下位置Aは、メモリ234に記憶されている設定上下位置A0未満であり、傾斜角度Bは設定傾斜角度B0未満であり、さらに左右の脚受け角度C,Dもまた、設定脚受け角度C0,D0未満である。前進位置検出器174は汚物受けトレー54が前進限界位置に達していないため、ローレベルのままであり、また後退位置検出器175は汚物受けトレー54の前進動作の開始とともにその検出信号がハイレベルからローレベルに変化する。
【0071】
時刻t4で上昇位置Aが設定上昇位置A0に達すると、上昇信号がハイレベルからローレベルに切換わり、背板35の上昇動作が停止した後、時刻t5で傾斜角度Bが設定傾斜角度B0に達すると、傾斜信号はハイレベルからローレベルに切換わり、背板35の後方への傾動が停止する。次いで、時刻t6でたとえば右脚受け角度Cが設定右脚受け部角度C0に達すると、右開脚信号はハイレベルからローレベルに切換わり、右脚受け部43aの開脚動作が停止し、時刻t7で左脚部角度Dが設定左脚受け部角度Dに達すると、左開脚信号がハイレベルからローレベルに切換わり、左脚受け部43bの開脚動作が停止する。このようにして各脚受け部43a,43bが設定された開脚位置まで開くと、時刻t8で前進位置検出器174の検出信号がローレベルからハイレベルに切換わって汚物受けトレー54が前進限界位置に達したことを検出すると、引出し検出信号はハイレベルからローレベルに切換わり、汚物受けトレー54の前進動作が停止し、このようにして検診台31が受診位に設定される。
【0072】
その後、時刻t9でリセット操作部242を押圧し、この押圧操作を時刻t10で解除すると、信号処理回路233は入出回路235を介して昇降用リレー236aに下降信号を出力するとともに、傾動用リレー236bに起立信号を出力し、背板35の下降動作を開始させるとともに、起立動作を開始させ、これと同時に脚受け部用リレー236cに左右の閉脚信号をそれぞれ出力して閉脚動作を開始させ、さらに汚物受けトレーをリレー236dに、格納信号を出力して、汚物受けトレー54の後退動作を開始させ、これによって前進位置検出器174を検出信号はハイレベルからローレベルに切換わる。なお、前記左右の閉脚信号は時刻t10でそれぞれ脚受け用リレー236cに出力するようにしたけれども、この時刻t10よりも前の時刻t9′で出力し、背板35の下降および起立動作よりも先立って各脚受け部43a,43bの閉脚動作を開始させるようにしてもよい。このように背板35の下降および起立動作の開始と同時または先立って各脚受け部43a,43bを閉脚させることによって、患者の心理的および肉体的負担を軽減することができる。
【0073】
さらに時刻t11で背板35の傾斜角度Bが開脚開始用傾斜角度BXに達し、次の時刻t12で傾斜角度Bが設定傾斜角度B0に達すると、起立信号はハイレベルからローレベルに変化して背板35の起立動作が停止し、時刻t13で後退位置検出器175の検出信号がローレベルからハイレベルに切換わって汚物受けトレー54が後退限界位置に達すると、格納信号をハイレベルからローレベルに変化し、汚物受けトレー54の後退動作が停止する。その後、時刻t14で右脚受け部角度Cが設定右脚受け部角度C0に達すると、右閉脚信号はハイレベルからローレベルに変化して右客受け部43aの閉脚動作が停止するとともに、時刻t15で左脚受け部角度Dが設定左脚受け部角度D0に達すると、左閉脚信号がハイレベルからローレベルに変化し、左脚受け部43bの閉脚動作が停止し、さらに時刻t16で上下位置Aが設定上下位置A0に達すると、下降信号はハイレベルからローレベルに変化し、背板35の下降動作が停止して、時刻t17で後退位置検出器175の検出位がハイレベルからローレベルに変化して、汚物受けトレー54が後退動作を停止し、このようにして検診台31が受診位から座位に復帰する。
【0074】
以上のように検診台31は、座位から受診位に移行するとき、および受診位から座位に復帰するとき、複数の動作を同時に開始させ、かつ停止させるようにしたので、移行時間が短く、これによって検査および治療に要する時間をも短縮することができる。
【0075】
図21に示されるように、傾斜角度Bが開脚開始用傾斜角度BXに達しない状態、すなわちローレベルの状態ではセット操作部を押圧してセット操作部241を押圧すると、そのときの上下位置A、傾斜角度Bおよび各脚受け部角度C,Dが記憶され、またリセット操作部242を押圧操作するとメモリ234に予め記憶されている上下位置A0、傾斜角度B0および各脚受け部角度C0,D0にリセットすることができるけれども、傾斜角度Bが開脚開始用傾斜角度BXに達していない状態、すなわちハイレベルの状態ではメモリスイッチを押圧してセット操作部241を押圧操作しても、そのときの上下位置A、傾斜角度Bおよび各脚受け部角度C,Dはメモリ234に記憶されず、リセット操作部242の押圧操作のときのみメモリ234に予め記憶されている上下位置A0、傾斜角度B0および各脚受け部角度C0,D0にリセットすることができる。
【0076】
上記の実施の形態では、1つのセット操作部241によって各種類の上下位置A,傾動角度Bおよび各脚受け部角度C,Dだけがメモリ234に設定するように構成されたけれども、本発明の実施の他の形態として、複数のセット操作部241を設けるとともに、メモリ234にも複数のストア領域を設け、複数種類の上下位置A、傾斜角度Bおよび各脚受け部角度C,Dを設定するようにしてもよい。たとえば2つのセット操作部を設けた場合について述べると、前述の図13においてステップa3とステップa4との間に第2のセット操作部がオンしたか否かを判断するステップが介在され、オンした場合には、図15のステップe2の前に第2のセット操作部の操作によって第2の上下位置A2、傾斜角度B2、各脚受け部角度C2,D2が前回の設定値A0,B0,C0,D0に代わって書換えられ、次のステップe2で新たな傾斜角度B2が読込まれ、以下同様に処理される。また図17においても、ステップg1で新たな傾斜角度D2と開脚開始用傾斜角度BXとが比較され、傾斜角度B2が開脚開始用傾斜角度BXよりも大きいときには、図13のステップa1に戻り、小さいときにはステップg2で新たな設定値A2,B2,C2,D2がメモリ234に記憶される。また図13のステップb2,b3との間にも第2のセット操作部がオンされたか否かを判断するステップが入り、オンされた場合には、図17のステップg1に移り、上記のように開脚開始用傾斜角度BXと比較される。また第2のセット操作部がオンされていない場合には、次のステップB3に移り、リセット操作部242がオンされたか否かが判断される。
【0077】
図22は本発明の実施の他の形態を示す産婦人科用検診台31aの側面図であり、図23は検診台31aの受診位に作動させた状態を示す側面図である。この検診台31aは、基台254上に、支持台255が鉛直軸線256まわりに回転可能に支持される。支持台255には、可動アーム4が上下に揺動可能に設けられ、この可動アーム257の先端部には、昇降支持台258が設けられる。昇降支持台258の上端部には、ブラケット259を介して座部260が一体的に形成される背板261が水平軸線262まわりに傾動可能に連結される。このような検診台31aに関しても、前述したような制御手段230によって背板261の昇降、傾動動作および各脚受け部263の開閉動作を制御することができるとともに、図23に示される座位から図24に示される受診位に移行するとき、前記鉛直軸線256まわりに固定支持台255から上方の構成を約90度回転させて、患者が術者または介助者と目を合わさないようにして受診位に導くようにしてもよい。このような構成によってもまた、患者の心理的負担を軽減することができる。
【0078】
本発明の実施のさらに他の形態として、本発明は産婦人科用検診台だけではなく、泌尿器科、肛門科などで用いられる検診台または診療台にも好適に実施することができる。
【0079】
また本発明では、前記一対の脚受け台の回動軸線は、上記のように、背板をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面に対して背板の一端部近傍を通って垂直に交差するとともに、背板の一端部近傍の左右両側から前記背板の他端部に向かって背板から離反する方向に傾斜する一平面上において、前記回動軸線の各延長線が前記仮想鉛直面上で交差するように配置される。このような回動軸線を中心として各脚受け台は相互に近接および離反する方向に前記開閉手段によって開閉動作し、着座した患者を開脚させまたは閉脚させることができる。
【0080】
たとえば、母親が赤ちゃんのおむつを代えて肛門を見る場合に、両脚を無理に左右に開けようとしても両脚は開かず、両膝を斜め上方に持ち上げて開くと股関節の形状に合致して無理なく開脚することができ、しかも術者にとって、むやみに大きな角度に開脚しなくても、幅広い視野が確保できる。このために回動軸線は膝の位置を上げるようにして開くように設定されている。さらに背板が傾動することにより、体重が脚受け台にかからなくなるので、よりスムースに開脚することができる。またこのように閉脚時においても、脚受け台の回動軸線が膝の位置を下げながら閉じるように設定されるので、前記従来の技術のように、閉じる直前に各脚受け台の基端側の内側縁が患者の臀部の側方から下方へ回り込んで、その患者の臀部を下から上へ持ち上げることはなく、これとは逆にわずかに下降するように変位するため、大腿部の付け根の裏側が各脚受け部によって挟まれるような不安感および不快感が生じず、これらの不安感および不快感によって患者が座り直すために身体を動かすという不具合が生じず、下降時における安全性が向上される。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、背板と一対の脚受け部とは昇降手段によって上昇しながら後方へ傾動し、これらの上昇および後方への傾動の開始から所定時間が経過した後、あるいは所定位置まで変位した後に各脚受け部は開閉手段によって開脚動作を開始する。したがって各脚受け部の開脚動作の開始時には、患者の重心は後方へ移動しており、そのため各脚受け部には患者の体重がほとんどかからず、たとえば膝の上を少し受けるだけであり、従来のように無理に開脚するという不具合をなくすことができる。また背板の上昇および後方への傾動の開始と同時に各脚受け部が開脚動作を開始する場合に比べて、患者にとっていきなり開脚させるという羞恥心への刺激を少なくすることができ、これによって患者の心理的負担を軽減することができる。
また、負荷検出手段によって開閉手段の負荷が予め定める値に達したときには、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止し、減速し、または増速させる。これによって患者の脚部が無理な力で開脚されまたは閉脚されるという不具合をなくすことができる。したがって高齢の患者および股関節に障害のある患者であっても、無理に開脚しまたは閉脚することがないので、心理的および肉体的負担が軽減される。
【0082】
また本発明によれば、背板は昇降手段によって下降しながら傾動手段によって前方に傾動し、これらの下降および前方への傾動の開始とほぼ同時に各脚受け部が開閉手段によって閉脚動作を開始するので、検査または治療が終わりに近づいたときに、すぐに閉脚動作が開始され、患者の羞恥心および恐怖心を受診の終了とほぼ同時に解消することができ、これによって患者は脚部を閉じようとする力を抜くなどして心理的および肉体的負担を軽減することができる。また上記のように背板の下降および前方への傾動の開始とほぼ同時に各脚受け部の閉脚動作が開始されるので、診療時間も短くなり、診療時間を短縮することができる。
また、前述と同様に、負荷検出手段によって開閉手段の負荷が予め定める値に達したときには、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止し、減速し、または増速させる。
【0083】
また本発明によれば、背板の一端部近傍に汚物受けトレーが設けられ、この汚物受けトレーは各脚受け部の開脚とほぼ同時に前進して前記背板の一端部近傍から突出するので、背板が起立した座位においては背板の一端部近傍の裏側へ退避しており、したがって汚物受けトレーが患者および術者に邪魔にならず、各脚受け部が開脚した状態で汚物を受ける位置に、いわば自動的に配置され、したがって術者または補助者が前記汚物受けトレーを背板の上昇および後方への傾動動作および各脚受け部の開脚動作とは別に操作する必要がなく、利便性が向上される。
【0084】
また本発明によれば、背板の一端部近傍には汚物受けトレーが設けられ、この汚物受けトレーは背板の下降の開始または背板の前方への傾動の開始とほぼ同時に前記背板の一端部近傍の裏側に退避する。したがって背板が起立したときに汚物受けトレーが診療台の基台または床などに接触することが防がれ、術者または補助者が汚物受けトレーを後退させるための操作を別途に行う必要がなく、利便性が向上される。
【0086】
また本発明によれば、各脚受け部のいずれか一方の負荷が予め定める値に達したとき、少なくともその一方の脚受け部の開閉動作を停止または減速するので、患者が左右両側の股関節のうち、いずれか一方だけに障害がある場合であっても、前記一方の脚受け部または両方の脚受け部の開閉動作が停止または減速し、無理に開脚しまたは閉脚することが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の産婦人科用検診台31を示す斜視図である。
【図2】産婦人科用検診台31の側面図である。
【図3】各脚受け部39a,39bが閉じた状態における検診台31aの正面図である。
【図4】各脚受け部39a,39bが閉じた状態における検診台31の平面図である。
【図5】各脚受け台39a,39bが開いた状態における検診台31の正面図である。
【図6】各脚受け台39a,39bが開いた状態における検診台31の平面図である。
【図7】検診台31の内部構造を示す一部の断面図である。
【図8】傾動手段45および昇降手段46の外観を示す斜視図である。
【図9】開閉手段47の一方の駆動源56bの具体的構成を示す断面図である。
【図10】駆動源56bを図7の下方から見た断面図である。
【図11】汚物受けトレー54のトレー駆動手段181を座部38の下方から見た一部の斜視図である。
【図12】検診台31の動作を制御する制御手段230の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】制御手段230による検診台31の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】制御手段230の制御動作を時系列的に示すタイミングチャートである。
【図21】背板35の傾斜角度Bが開脚開始用傾斜角度BXに達しない状態ではセット入力ができないことを説明するためのフローチャートである。
【図22】本発明の実施の他の形態の産婦人科用検診台31aを示す側面図である。
【図23】受診位における図22に示す検診台31aの側面図である。
【図24】典型的な従来技術の産婦人科用検診台1を示す簡略化した平面図である。
【図25】図24に示す検診台1の斜視図であり、図25(1)座位における検診台1を示し、図25(2)受診位における検診台1を示す。
【符号の説明】
31,31a 産婦人科用検診台
35 背板
38 座部
39a,39b 脚受け台
43a,43b 脚受け部
45 傾動手段
46 昇降手段
47 開閉手段
50 フットスイッチ
54 汚物受けトレー
98 傾動シリンダ
118 傾動角度検出器
133 昇降シリンダ
134 昇降量検出器
170 開放限界位置検出器
171 閉鎖限界位置検出器
173 回動量検出器
174 前進位置検出器
175 後退位置検出器
181 トレー駆動手段
230 制御手段
233 信号処理回路
234 メモリ
236 駆動回路
237 過負荷監視回路
241 セット操作部
242 リセット操作部
243 上昇操作部
244 下降操作部
245 起立操作部
246 傾斜操作部
247 開脚操作部
248 閉脚操作部
249 トレー前進操作部
250 トレー後退操作部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a medical table that can be suitably used for treatment and examination in obstetrics, gynecology, urology, and anus.
[0002]
[Prior art]
FIG. 24 is a plan view showing a configuration of the opening / closing means 7 provided in a typical conventional gynecological examination table 1. This prior art is disclosed in Japanese Patent Publication No. 6-93904. The examination table 1 is provided with a
[0003]
In a state where the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In such a conventional technique, the patient's buttocks are supported by the
[0005]
Therefore, in order to stop each
[0006]
In addition, in the consultation position shown in FIG. 25 (2), when the examination or treatment is nearing the end, the patient has a feeling of shame or fear and wants to close the leg, so he / she unconsciously tries to close the thigh and applies force to the leg. There is. It is preferable from the viewpoint of the mental health of the patient that such a patient's shame and fear are resolved as soon as possible, and such a medical table is desired.
[0007]
Furthermore, when the examination table 1 is viewed from the right or left side in FIG. 24, the
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a medical table that can shorten the transition time between a sitting position and a consultation position, and can reduce a psychological and physical burden on a patient.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
BookThe invention includes a back plate that supports at least the back of a patient, a pair of leg support portions that are rotatably provided on both left and right sides in the vicinity of one end portion of the back plate near the patient's waist, and a back plate and a pair of leg support portions. In a medical table provided with a tilting means for tilting about a horizontal axis, an elevating means for raising and lowering the tilting means, and an opening and closing means for opening and closing the pair of leg support parts in directions close to and away from each other.
The back plate is tilted backward by the tilting means while being lifted by the lifting means together with the pair of leg receiving portions, and after a predetermined time has elapsed from the start of the ascent and backward tilting, or after being displaced to a predetermined position, Start the leg-opening action of each leg holder by opening and closing means.,
The opening / closing means is provided with load detecting means for detecting the load of each leg receiving portion, and when the load detected by the load detecting means reaches a predetermined value, the opening / closing operation of each leg receiving portion by the opening / closing means. Which is selectively switched to any one of stop, deceleration and accelerationIt is.
According to the present invention, the back plate and the pair of leg receiving portions are tilted backward while being lifted by the lifting means, and are displaced to a predetermined position after a predetermined time has elapsed from the start of the lifting and the backward tilting. After that, each leg receiving portion starts the leg opening operation by the opening / closing means. Therefore, at the start of the leg-opening operation of each leg holder, the patient's center of gravity has moved backwards, so that the weight of the patient is hardly applied to each leg holder, for example, only a little on the knee. Thus, it is possible to eliminate the problem that the legs are forcibly opened as in the prior art. In addition, compared to the case where each leg support starts to open at the same time as the back plate rises and starts to tilt backward, it can reduce the stimulation of shame for the patient to suddenly open the leg. The patient's psychological burden can be reduced.
Further, when the load of the opening / closing means reaches a predetermined value by the load detecting means, the opening / closing operation of each leg support by the opening / closing means is stopped, decelerated, or accelerated. This eliminates the problem that the leg of the patient is opened or closed with excessive force. Therefore, even elderly patients and patients with impaired hip joints are not forced to open or close legs, thereby reducing the psychological and physical burden.
[0010]
AlsoThe present invention relates to a back plate that supports at least the back of a patient, a pair of leg support portions that are provided on both the left and right sides in the vicinity of one end of the back plate close to the patient's waist, and a back plate and a pair of leg supports. In a medical table comprising a tilting means for tilting the part around a horizontal axis, an elevating means for raising and lowering the tilting means up and down, and an opening and closing means for opening and closing the pair of leg support parts in directions close to and away from each other,
The back plate is tilted forward by the tilting means while being lowered by the elevating means together with the pair of leg receiving portions, and the closing operation of each leg receiving portion is started by the opening / closing means almost simultaneously with the start of the lowering and forward tilting.,
The opening / closing means is provided with load detecting means for detecting the load of each leg receiving portion, and when the load detected by the load detecting means reaches a predetermined value, the opening / closing operation of each leg receiving portion by the opening / closing means. Which is selectively switched to any one of stop, deceleration and accelerationIt is.
According to the present invention, the back plate is tilted forward by the tilting means while being lowered by the lifting / lowering means, and each leg receiving portion starts the closing operation by the opening / closing means almost simultaneously with the start of the lowering and forward tilting. When the examination or treatment is nearing the end, the closing leg movement is started immediately, and the patient's shame and fear can be resolved almost simultaneously with the end of the visit, which causes the patient to close the leg Psychological and physical burden can be reduced by removing power. Further, as described above, since the leg closing operation of each leg receiving portion is started almost simultaneously with the start of the lowering of the back plate and the forward tilting, the medical examination time is shortened and the medical examination time can be shortened.
Similarly to the above, when the load of the opening / closing means reaches a predetermined value by the load detection means, the opening / closing operation of each leg receiving portion by the opening / closing means is stopped, decelerated or accelerated.
[0011]
AlsoThe present invention,PreviousIn the vicinity of one end portion of the back plate, there is provided a filth receiving tray that advances in a direction protruding from the vicinity of one end portion of the back plate substantially simultaneously with the opening of each leg receiving portion by the opening / closing means.
According to the present invention, a filth receiving tray is provided in the vicinity of one end portion of the back plate, and the filth receiving tray advances almost simultaneously with the opening leg of each leg receiving portion and protrudes from the vicinity of one end portion of the back plate. In the sitting position where the back plate stands up, it is retracted to the back side near one end of the back plate, so that the filth receiving tray does not interfere with the patient and the operator, and filth is received with each leg receiving portion open. So that the operator or assistant does not have to operate the waste receiving tray separately from the back plate lifting and backward tilting operation and the leg opening operation of each leg receiving portion, Convenience is improved.
[0012]
AlsoThe present invention,PreviousIn the vicinity of one end portion of the back plate, a waste receiving tray that moves backward to the back side near the one end portion of the back plate almost simultaneously with the start of the lowering of the back plate by the lifting means or the start of the tilting of the back plate by the tilting means. Is provided.
According to the present invention, a filth receiving tray is provided in the vicinity of one end of the back plate, and the filth receiving tray is connected to one end of the back plate almost simultaneously with the start of the lowering of the back plate or the tilting of the back plate to the front. Retreat to the back side near the unit. Therefore, when the backboard stands upright, the filth receiving tray is prevented from coming into contact with the base of the medical table or the floor, etc., and it is necessary for an operator or an assistant to separately perform an operation for moving the filth receiving tray backward. The convenience is improved.
[0014]
AlsoThe present invention,PreviousThe opening / closing means stops or slows down the opening / closing operation of at least one of the leg receiving portions when the load of any one of the leg receiving portions detected by the load detecting means reaches the predetermined value. Features.
According to the present invention, when the load on any one of the leg support parts reaches a predetermined value, the opening / closing operation of at least one of the leg support parts is stopped or decelerated. Even when only one of them has a failure, the opening / closing operation of the one or both of the leg support portions is stopped or decelerated, and it is prevented that the leg is forcibly opened or closed.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a perspective view showing an obstetrics and gynecology examination table 31 according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a side view of the obstetrics and gynecology examination table 31. A medical examination table 31 for obstetrics and gynecology (general and gynecology is collectively referred to as obstetrics and gynecology) has a substantially
[0016]
Here, in the present invention, the “seat portion” is configured integrally with the back plate 251 so that the seat portion 251 is substantially flush with the
[0017]
FIG. 3 is a front view showing the examination table 31 in a state in which the leg receiving tables 39a and 39b are closed, and FIG. 4 is a plan view showing the examination table 31 in a state in which the
[0018]
The
[0019]
Below the
[0020]
FIG. 5 is a front view showing the examination table 31 in a state where the
[0021]
Thus, the opening / closing means 47 is composed of a pair of
[0022]
Further, the
[0023]
As shown in FIG. 2, one connecting
[0024]
Since the
[0025]
Each
[0026]
Since the thigh support surfaces 59a and 59b and the rear knee support surfaces 62a and 62b are formed in a concave shape, the
[0027]
The thigh support surfaces 59a and 59b and the rear knee support surfaces 62a and 62b are formed substantially in an L shape when the
[0028]
Each
[0029]
FIG. 7 is a partial cross-sectional view showing the internal structure of the examination table 31, and FIG. 8 is a perspective view showing the external appearance of the tilting means 45 and the lifting / lowering means 46. The tilting means 45 surrounds the
[0030]
The tip of the
[0031]
When the
[0032]
The backrest 107 is made of a metal back
[0033]
On the back surface of the
[0034]
When the backrest 107 is attached to the
[0035]
In this way, the backrest 107 is tilted downward by the tilting means 45 from the sitting position where the
[0036]
The
[0037]
The elevating means 46 has a
[0038]
The tip of the
[0039]
The
[0040]
When the tilting means 145 is raised or lowered by the lifting / lowering means 146, the displacement is transmitted to the
[0041]
9 is a cross-sectional view showing a specific configuration of one
[0042]
The
[0043]
The
[0044]
The opening
[0045]
FIG. 11 is a partial perspective view of the tray driving means 181 of the
[0046]
The angular displacement means 182 includes a mounting
[0047]
The expansion / contraction means 184 connects two
[0048]
The expansion / contraction means 184 is displaced following the backrest 107 together with the angular displacement means 182. The connecting
[0049]
When the expansion / contraction means 184 extends in the direction of the arrow F1, the
[0050]
Thus, in the state in which the
[0051]
FIG. 12 is a block diagram showing an electrical configuration of the control means 230 that controls the operation of the examination table 31. The control means 230 is based on the output from each
[0052]
The
[0053]
13 to 19 are flowcharts for explaining the control operation of the examination table 31 by the control means 230. First, referring to FIG. 13, it is determined whether or not a read operation is disclosed in step a1, and a memory switch (not shown) is turned on in step a2. If the memory switch is turned on, the process proceeds to step b1, and if the memory switch remains off, the process proceeds to step a3, and it is determined whether or not the set
[0054]
When the memory switch is turned on at step a2, the reading operation is continued at step b1, and it is determined whether or not the set
[0055]
Referring to FIG. 14, when the memory switch is turned on in step a2 (see FIG. 13), the process proceeds to steps c1 and d1. In step c1, input of the leg opening and closing leg operation signals by the leg
[0056]
In step c6, when the load detection value is larger than the normal load when the patient's leg is mounted on the
[0057]
In step d1, the input signal of the leg receiving
[0058]
Referring to FIG. 15, when the memory switch is turned on in step a <b> 2 (see FIG. 13), the process proceeds to step e <b> 1 and the vertical position A detected by the lift amount detector 134.1, Tilt angle B detected by
[0059]
In step e3 described above, a new inclination angle B1Is the previous tilt angle B0If smaller, the process proceeds to step e8, where the
[0060]
Referring to FIG. 16, when the
[0061]
Next, in step f6, the
[0062]
In step f7, another inclination angle B2Is the previous tilt angle B0If smaller, the
[0063]
Referring to FIG. 17, when the
[0064]
Referring to FIG. 18, when the standing motion of the
[0065]
In step h4, the
[0066]
In step h10, a new inclination angle B1Is the previous tilt angle B0If it is smaller, this determination is continued. If it is larger, the standing operation of the
[0067]
Referring to FIG. 19, after the
[0068]
In step i5, a new right leg receiving portion angle C1Is the previous right leg holder angle C0If it is larger, in step i8, the
[0069]
In step i9, a new inclination angle B1Is the previous tilt angle B0If it is smaller, this determination is repeated. If it is larger, the tilting operation of the
[0070]
FIG. 20 is a timing chart showing the control operation of the control means 230 in time series. When the
[0071]
At time t4, the rising position A is the set rising position A.0, The rising signal is switched from the high level to the low level, and after the rising operation of the
[0072]
After that, when the
[0073]
Further, at time t11, the inclination angle B of the
[0074]
As described above, when the examination table 31 shifts from the sitting position to the receiving position and returns from the receiving position to the sitting position, a plurality of operations are started and stopped at the same time. As a result, the time required for examination and treatment can be shortened.
[0075]
As shown in FIG. 21, the inclination angle B is the inclination angle B for starting leg opening.XWhen the set operation unit is pressed and the
[0076]
In the above-described embodiment, only one type of
[0077]
FIG. 22 is a side view of an examination table 31a for obstetrics and gynecology showing another embodiment of the present invention, and FIG. 23 is a side view showing a state in which the examination table 31a is operated to the receiving position. The examination table 31 a is supported on a base 254 so that a support table 255 is rotatable around a
[0078]
As still another embodiment of the present invention, the present invention can be suitably implemented not only in an obstetrics and gynecology examination table but also in an examination table or a treatment table used in urology, anus, etc.
[0079]
Further, in the present invention, the rotation axis of the pair of leg rests intersects perpendicularly through the vicinity of one end of the back plate with respect to the virtual vertical plane that bisects the back plate substantially symmetrically as described above. In addition, each extension line of the rotation axis is on the virtual vertical plane on one plane inclined in a direction away from the back plate from the left and right sides near one end of the back plate toward the other end of the back plate. It is arranged so that it crosses over. Each leg cradle is opened and closed by the opening / closing means in such a direction as to approach and separate from each other about such a rotation axis, and a seated patient can be opened or closed.
[0080]
For example, when a mother changes the baby's diaper and looks at the anus, both legs will not open even if they try to open them to the left and right. The legs can be opened, and for the operator, a wide field of view can be secured without opening the legs at a large angle. For this purpose, the rotation axis is set to open so as to raise the position of the knee. Further, since the back plate tilts, the weight is not applied to the leg cradle, so that the legs can be opened more smoothly. In addition, even when the legs are closed as described above, the pivot axis of the leg support is set to close while lowering the position of the knee. The inner edge of the patient does not move from the side of the patient's buttocks downwards and lifts the patient's buttocks from the bottom to the top. The anxiety and discomfort that the back side of the base is pinched by each leg holder does not occur, and the anxiety and discomfort does not cause the patient to move their body to re-sit, and safety when descending Is improved.
[0081]
【The invention's effect】
BookAccording to the invention, the back plate and the pair of leg receiving portions are tilted rearward while being lifted by the lifting and lowering means, and are displaced to a predetermined position after a predetermined time has elapsed from the start of the rising and rearward tilting. Later, each leg receiving portion starts the leg opening operation by the opening / closing means. Therefore, at the start of the leg-opening operation of each leg holder, the patient's center of gravity has moved backwards, so that the weight of the patient is hardly applied to each leg holder, for example, only a little on the knee. Thus, it is possible to eliminate the problem that the legs are forcibly opened as in the prior art. In addition, compared to the case where each leg support starts to open at the same time as the back plate rises and starts to tilt backward, it can reduce the stimulation of shame for the patient to suddenly open the leg. The patient's psychological burden can be reduced.
Further, when the load of the opening / closing means reaches a predetermined value by the load detecting means, the opening / closing operation of each leg support by the opening / closing means is stopped, decelerated, or accelerated. This eliminates the problem that the leg of the patient is opened or closed with excessive force. Therefore, even elderly patients and patients with impaired hip joints are not forced to open or close legs, thereby reducing the psychological and physical burden.
[0082]
AlsoAccording to the present invention, the back plate is tilted forward by the tilting means while being lowered by the lifting / lowering means, and each leg receiving portion starts closing operation by the opening / closing means almost simultaneously with the start of the lowering and forward tilting. When the examination or treatment is nearing the end, the closing leg action begins immediately, and the patient's shame and fear can be resolved almost simultaneously with the end of the visit, which causes the patient to try to close the leg Psychological and physical burden can be reduced by removing power. Further, as described above, since the leg closing operation of each leg receiving portion is started almost simultaneously with the start of the lowering of the back plate and the forward tilting, the medical examination time is shortened and the medical examination time can be shortened.
Similarly to the above, when the load of the opening / closing means reaches a predetermined value by the load detection means, the opening / closing operation of each leg receiving portion by the opening / closing means is stopped, decelerated or accelerated.
[0083]
AlsoAccording to the present invention, a filth receiving tray is provided in the vicinity of one end of the back plate, and the filth receiving tray advances almost simultaneously with the open leg of each leg receiving portion and protrudes from the vicinity of one end of the back plate. In the sitting position where the back plate stands up, it is retracted to the back side near one end of the back plate, so that the filth receiving tray does not interfere with the patient and the operator, and filth is received with each leg receiving portion open. In this position, it is automatically arranged, so that it is not necessary for the operator or assistant to operate the waste receiving tray separately from the back plate rising and backward tilting operation and the leg opening operation of each leg receiving part, Convenience is improved.
[0084]
AlsoAccording to the present invention, a filth receiving tray is provided in the vicinity of one end of the back plate, and the filth receiving tray is connected to one end of the back plate almost simultaneously with the start of the lowering of the back plate or the tilting of the back plate to the front. Retreat to the back side near the unit. Therefore, when the backboard stands upright, the filth receiving tray is prevented from coming into contact with the base or floor of the medical table, and it is necessary for the operator or an assistant to perform a separate operation for retracting the filth receiving tray. The convenience is improved.
[0086]
AlsoAccording to the present invention, when the load on any one of the leg receiving parts reaches a predetermined value, the opening / closing operation of at least one of the leg receiving parts is stopped or decelerated. Even when only one of them has a failure, the opening / closing operation of the one or both of the leg support portions is stopped or decelerated, and it is prevented that the leg is forcibly opened or closed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a gynecological examination table 31 according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a side view of an examination table 31 for obstetrics and gynecology.
FIG. 3 is a front view of the examination table 31a in a state where the
FIG. 4 is a plan view of the examination table 31 in a state where the
FIG. 5 is a front view of the examination table 31 in a state where each leg receiving table 39a, 39b is opened.
FIG. 6 is a plan view of the examination table 31 in a state where each leg receiving table 39a, 39b is opened.
7 is a partial cross-sectional view showing the internal structure of the examination table 31. FIG.
8 is a perspective view showing the appearance of the tilting means 45 and the lifting means 46. FIG.
9 is a cross-sectional view showing a specific configuration of one
10 is a cross-sectional view of the
11 is a partial perspective view of the tray driving means 181 of the
12 is a block diagram showing an electrical configuration of control means 230 for controlling the operation of the examination table 31. FIG.
13 is a flowchart for explaining a control operation of the examination table 31 by the control means 230. FIG.
FIG. 14 is a flowchart for explaining the control operation of the examination table 31 by the control means 230;
FIG. 15 is a flowchart for explaining the control operation of the examination table 31 by the control means 230;
16 is a flowchart for explaining a control operation of the examination table 31 by the control means 230. FIG.
17 is a flowchart for explaining the control operation of the examination table 31 by the control means 230. FIG.
FIG. 18 is a flowchart for explaining a control operation of the examination table 31 by the control means 230;
19 is a flowchart for explaining a control operation of the examination table 31 by the control means 230. FIG.
FIG. 20 is a timing chart showing the control operation of the control means 230 in time series.
FIG. 21 shows that the inclination angle B of the
FIG. 22 is a side view showing a gynecological examination table 31a according to another embodiment of the present invention.
FIG. 23 is a side view of the examination table 31a shown in FIG. 22 in a consultation position.
FIG. 24 is a simplified plan view showing a typical prior art gynecological examination table 1;
25 is a perspective view of the examination table 1 shown in FIG. 24. FIG. 25 (1) shows the examination table 1 in the sitting position, and FIG. 25 (2) shows the examination table 1 in the examination position.
[Explanation of symbols]
31, 31a Examination table for obstetrics and gynecology
35 Backboard
38 seat
39a, 39b Leg base
43a, 43b Leg holder
45 Tilt means
46 Lifting means
47 Opening and closing means
50 foot switch
54 Waste collection tray
98 Tilt cylinder
118 Tilt angle detector
133 Lifting cylinder
134 Lifting amount detector
170 Open limit position detector
171 Closed limit position detector
173 Rotation amount detector
174 Advance position detector
175 Backward position detector
181 Tray drive means
230 Control means
233 signal processing circuit
234 memory
236 Drive circuit
237 Overload monitoring circuit
241 Set operation section
242 Reset operation unit
243 Ascending operation section
244 Lowering operation unit
245 Standing operation part
246 Tilt operation part
247 Leg opening operation part
248 Closed leg operation section
249 Tray advance operation part
250 Tray retraction operation part
Claims (5)
前記背板を一対の脚受け部とともに昇降手段によって上昇させながら傾動手段によって後方に傾動させ、これらの上昇および後方への傾動の開始から所定時間が経過した後、または所定位置まで変位した後に、開閉手段によって各脚受け部の開脚動作を開始させ、
前記開閉手段には、各脚受け部の負荷を検出する負荷検出手段が設けられ、この負荷検出手段によって検出された負荷が予め定める値に達したとき、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止、減速および増速のいずれか1つに選択的に切換えることを特徴とする診療台。 A back plate that supports at least the back of the patient, a pair of leg support portions that are pivotally provided on both right and left sides in the vicinity of one end of the back plate near the patient's waist, and a back plate and a pair of leg support portions horizontally In a medical table provided with tilting means for tilting around an axis, lifting means for lifting and lowering the tilting means, and opening / closing means for opening and closing the pair of leg support portions in directions close to and away from each other,
The back plate is tilted backward by the tilting means while being lifted by the lifting means together with the pair of leg receiving portions, and after a predetermined time has elapsed from the start of the ascent and backward tilting, or after being displaced to a predetermined position, Start the leg-opening action of each leg receiving part by opening and closing means ,
The opening / closing means is provided with load detecting means for detecting the load of each leg receiving portion, and when the load detected by the load detecting means reaches a predetermined value, the opening / closing operation of each leg receiving portion by the opening / closing means. A medical table characterized by selectively switching to one of stop, deceleration and acceleration.
前記背板を一対の脚受け部とともに昇降手段によって下降させながら傾動手段によって前方に傾動させ、これらの下降および前方への傾動の開始とほぼ同時に開閉手段によって各脚受け部の閉脚動作を開始させ、
前記開閉手段には、各脚受け部の負荷を検出する負荷検出手段が設けられ、この負荷検出手段によって検出された負荷が予め定める値に達したとき、開閉手段による各脚受け部の開閉動作を停止、減速および増速のいずれか1つに選択的に切換えることを特徴とする診療台。 A back plate that supports at least the back of the patient, a pair of leg support portions that are pivotally provided on both right and left sides in the vicinity of one end of the back plate near the patient's waist, and a back plate and a pair of leg support portions horizontally In a medical table provided with tilting means for tilting around an axis, lifting means for lifting and lowering the tilting means, and opening / closing means for opening and closing the pair of leg support portions in directions close to and away from each other,
The back plate is tilted forward by the tilting means while being lowered by the elevating means together with the pair of leg receiving portions, and the closing operation of each leg receiving portion is started by the opening / closing means almost simultaneously with the start of the lowering and forward tilting. ,
The opening / closing means is provided with load detecting means for detecting the load of each leg receiving portion, and when the load detected by the load detecting means reaches a predetermined value, the opening / closing operation of each leg receiving portion by the opening / closing means. A medical table characterized by selectively switching to one of stop, deceleration and acceleration.
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