JP3628662B2 - クラブヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パークゴルフやグラウンド・ゴルフなどのクラブヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パークゴルフ等で用いるボールは、通常のゴルフボールに比べ重く、かつ、硬い。また、パークゴルフ等のクラブシャフトは、通常のゴルフクラブシャフトに比べ曲げ剛性が大きいので、打撃時に差程撓まない。そのため、打撃時には、著しく大きな衝撃力が加わる。
一方、パークゴルフ等では、クラブヘッドの主要部(ヘッド本体)が木製であり、ヘッド底面を補強するために、ヘッド底面に金属製のソールプレートを固定したクラブヘッドが用いられている(たとえば、特開2000−84132号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術では、金属製のソールプレートの底面からヘッド本体に木ネジをねじ込んで、ソールプレートを固定している。そのため、前述のような打撃時の大きな衝撃が繰り返し加わることにより、木ネジが脱落することがある。また、打撃時にソールプレートの底面が地面に接触すると、ソールプレートに後方に脱落しようとする力が加わる上、木ネジに直接衝撃が加わり、木ネジやその周囲の部分が損傷し易い。こうした理由から、従来のクラブヘッドは耐久性が低い。
【0004】
また、木ネジの頭部の溝やその周囲に土が入り込み、使用しているうち、美観が劣化するという問題もある。
【0005】
したがって、本発明の主目的は、耐久性が高く、美観の良いクラブヘッドを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本第1発明は、クラブシャフトの先端に固定された木製のヘッド本体と、該ヘッド本体の底部に締結部材により固定された金属製のソールとを備えたクラブヘッドにおいて、前記ソールの上面に上方に向って突出する複数のボスが前記ソールに一体に形成され、前記各ボスには上方に向って開口すると共に下方が閉塞されたメネジが形成され、前記ヘッド本体の上方から下方の前記各メネジに向ってねじ込まれた金属製のオネジ部材により、前記ヘッドの底部に前記ソールが締結され、前記オネジ部材の頭部を挿入した前記ヘッド本体のネジ挿入孔に埋設材が埋め込まれている。
【0007】
本第1発明において、ボスを一体に形成したソールは、金属の鋳造品や鍛造品、切削加工品等で形成される。本第1発明において、オネジ部材はヘッド本体から下方に挿入され、かつ、メネジは下方が閉塞しているので、オネジ部材の頭部は勿論のこと先端部もソールの底面には露出しない。
また、オネジ部材はソールのボスのメネジに螺合しているから、木製のヘッド本体にはメネジが形成されておらず、そのため、メネジの強度が大きいので、ヘッド本体の強度が向上する。
なお、ヘッド本体のネジ挿入孔の埋設材としては木材のチップや樹脂などを適宜用いることができ、クラブヘッドの上面を滑らかに仕上げるのが好ましい。
【0008】
一方、本第2発明は、クラブシャフトの先端に固定された木製のヘッド本体と、該ヘッド本体の底部に固定された金属製のソールと、前記ヘッド本体の前面に固定されたフェースとを備えたクラブヘッドにおいて、前記ソールの前端部に上方に向って立ち上がる立上片が一体に形成され、該立上片と前記ヘッド本体の前面の一部とが互いに係合しており、前記ヘッド本体の前面および前記立上片の前面には前記フェースが接合されていることを特徴とする。
【0009】
本第2発明において、フェースとは、一般に、樹脂プレートが採用される。ソールは、一般に、金属の鋳造品や鍛造品、切削加工品等が採用されるが、金属板にプレス加工を施して作成することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、パークゴルフ用のクラブシャフト1の先端にはクラブヘッド2が固定されている。
【0011】
図2は前記クラブヘッド2の要部の分解斜視図である。
図2に示すように、前記クラブヘッド2は、クラブシャフト1の先端に固定される木製のヘッド本体20、該ヘッド本体20の底部Bに固定される金属製のソール30および前記ヘッド本体20の前面20fに固定されるフェース40を備えている。プレイヤーは、図1のクラブを振って、クラブヘッド2を前後方向Xに振り抜き、フェース40の前面40fでボールを打撃する。
【0012】
まず、ヘッド本体とソールとの関係について説明する。
図2に示す前記ソール30は、たとえば10mm以上の深さを持つ椀状に形成されており、前記ヘッド本体20の底面Bの概ね全面を覆っている。前記ソール30の上面には、上方に向って突出する複数のボス31が形成されている。前記各ボス31は、クラブヘッド2の重心から離れた周囲部に設けられている。
図3はクラブヘッド2の要部を底面側から見た分解斜視図である。図3に示すように、前記ヘッド本体20の底部Bには、前記各ボス31(図2)に対応する位置に係合孔21が、それぞれ形成されている。
【0013】
図4は前記ボス31付近の縦断面図である。
図4(a),(b)に示すように、前記係合孔21にボス31が挿入されており、前記係合孔21とボス31との間には、接着剤35が充填されている。したがって、係合孔21の内側面21fとボス31の外側面31fとは、接着剤35を介してヘッド2を振り抜く前後方向Xに、互いに隙間なくしっかりと係合している。
【0014】
前記ボス31には、メネジ32が形成されている。前記メネジ32は、上方に向って開口していると共に、下方が閉塞されている。一方、前記ヘッド本体20の上面には、前記メネジ32に螺合するボルト24を挿入するネジ挿入孔22が穿孔されている。前記ネジ挿入孔22からワッシャ23を介して金属製の六角孔付ボルト24(オネジ部材)が前記メネジ32にねじ込まれることにより、ヘッド本体20とソール30とが互いに締結されている。
【0015】
なお、前記メネジ32の下方は閉塞されているので、ボルト24の先端はソール30の底面から露出しない。一方、ネジ挿入孔22には、ヘッド本体20の表面にボルト24の頭部が露出しないように、埋設材25が埋め込まれている。
【0016】
図2に示すように、前記ソール30の前端部には、上方に向って立ち上がる立上片33が該ソール30に一体に形成されている。前記立上片33は、ソール30の前端部の2つのサイドに分割して設けられている。前記2つの立上片33が設けられる位置は、クラブヘッド2の重心から離れた位置、たとえば、前記前端部における左右方向Yの両端に設定されている。
一方、ヘッド本体20の前面20fには、前記立上片33に対応する位置に切欠凹所26が設けられている。前記切欠凹所26は、立上片33の厚さに等しい深さに形成されており、立上片33が前記切欠凹所26に嵌合する。したがって、立上片33と切欠凹所26とは前後方向Xに互いに係合する。
【0017】
つぎに、ヘッド本体20およびソール30とフェース40との関係について説明する。
前記フェース40は、前記ヘッド本体20の凹所26および露出部29を除くヘッド本体20の前面20fと、前記ソール30の立上片33の前面33fとに、概ね全面にわたって接触している。こうして、前記立上片33は、フェース40とヘッド本体20との間に挟まれた状態となっている。
【0018】
図5は前記立上片33付近の縦断面図である。
図5(a),(b)に示すように、フェース40および立上片33には、それぞれ挿通孔41,34が穿孔されている。第1の木ねじ(オネジ部材)42を前記挿通孔41,34を介してヘッド本体20にねじ込むことにより、また、図5(a)の第2の木ねじ43を挿通孔41を介してヘッド本体20にねじ込むことにより、フェース40をヘッド本体20に締結している。
【0019】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、図6に示すように、ソールに設けるボス31A〜31Cを、図6(a)に示す断面星状や、図6(b)に示す方形状、図6(c)に示す円柱状に形成してもよい。前記ボス31Cが円柱状の場合には、該円柱の周囲に回り止めのローレット加工を施すのが好ましい。また、本発明はグラウンド・ゴルフ用のクラブヘッドに適用することもできる。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本第1発明のクラブヘッドによれば、オネジ部材が金属のソールのメネジにねじ込まれているので、ソールとヘッド本体の固定力が向上する。また、ソールの底面にオネジ部材の頭部や先端が露出しないので、これらの部分が摩耗するおそれがない。さらに、ボルトやビスの頭部が底面や表面に露出しないので、打球時のヘッド表面の乱流の発生を防止し得ると共に、ボルトの頭に土が入り込むこともなく美観も著しく向上する。
【0021】
また、係合孔の内側面とボスの外側面とをヘッドを振り抜く前後方向に互いに係合させれば、打撃時に切り返し発生する大きな衝撃力によりソールが離脱するのを防止できる。
さらに、立上片とヘッド本体の前面とを互いに係合させれば、打撃時に繰り返し発生する大きな衝撃力によりソールが離脱するのを防止できる。
また、ソールを10mm以上の深さを持つ椀状に形成し、ヘッド本体の底面の概ね全面を覆うようにすれば、ソールの全面が補強される。
また、各ボスを前記ヘッドの重心から離れた周囲部に設ければ、重心回りの慣性モーメントが増大することにより、スイートエリアが広がる。
【0022】
本第2発明によれば、ヘッドを振り抜く前後方向に、ソールの立上片とヘッド本体の前面とが互いに係合しているので、打撃時に繰り返し発生する大きな衝撃力によりソールが離脱するのを防止できる。
なお、特開平10−179830号とは異なり、立上片自体でフェースを構成していないので、ソールの高さ(深さ)が大きくなって著しいコストアップを招いたり、競技規定に合わなくなることもない。
【0023】
また、ソールがヘッド本体だけでなくフェースに対しても、ヘッドを振り抜く前後方向に面接触するように設定すれば、フェースの下部で打撃した場合に、ソールによってフェースを支持できるから、フェースの破損を防止し得る。
さらに、ソールをフェースとヘッド本体との間で挟んで固定すれば、フェースとソールとの間の破損を防止できる。
また、立上片をソールの前端部の2つのサイドに分割して設ければ、立上片の設けられている位置が重心から遠くなるので、慣性モーメントの増大に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるクラブの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】クラブヘッドの要部の分解斜視図である。
【図3】同クラブヘッドを底面側から見た分解斜視図である。
【図4】同クラブヘッドの縦断面図である。
【図5】同クラブヘッドの別の縦断面図である。
【図6】ボスの変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:クラブシャフト
2:クラブヘッド
20:ヘッド本体
21:係合孔
24:ボルト(オネジ部材)
25:埋設材
26:切欠凹所
30:ソール
31:ボス
32:メネジ
33:立上片
40:フェース
42,43:木ねじ(オネジ部材)
Claims (9)
- クラブシャフトの先端に固定された木製のヘッド本体と、
該ヘッド本体の底部に締結部材により固定された金属製のソールとを備えたクラブヘッドにおいて、
前記ソールの上面に上方に向って突出する複数のボスが前記ソールに一体に形成され、
前記各ボスには上方に向って開口すると共に下方が閉塞されたメネジが形成され、
前記ヘッド本体の上方から下方の前記各メネジに向ってねじ込まれた金属製のオネジ部材により、前記ヘッドの底部に前記ソールが締結され、
前記オネジ部材の頭部を挿入した前記ヘッド本体のネジ挿入孔に埋設材が埋め込まれたクラブヘッド。 - 請求項1において、
前記ヘッド本体の底部には前記各ボスに対応する位置に係合孔が形成され、
ヘッドを振り抜く前後方向に、前記係合孔の内側面と前記ボスの外側面とが互いに係合しているクラブヘッド。 - 請求項1もしくは2において、
前記ソールの前端部には上方に向って立ち上がる立上片が一体に形成され、
該立上片と前記ヘッド本体の前面の一部とが互いに係合しているクラブヘッド。 - 請求項1,2,もしくは3において、
前記ソールは10mm以上の深さを持つ椀状に形成され、前記ヘッド本体の底面の概ね全面を覆っているクラブヘッド。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記各ボスは前記ヘッドの重心から離れた周囲部に設けられているクラブヘッド。 - クラブシャフトの先端に固定された木製のヘッド本体と、該ヘッド本体の底部に固定された金属製のソールと、前記ヘッド本体の前面に固定されたフェースとを備えたクラブヘッドにおいて、
前記ソールの前端部に上方に向って立ち上がる立上片が一体に形成され、
該立上片と前記ヘッド本体の前面の一部とが互いに係合しており、
前記ヘッド本体の前面および前記立上片の前面には前記フェースが接合されているクラブヘッド。 - 請求項6において、
前記ヘッド本体の前面には、前記立上片の厚さに概ね等しい深さを持つ切欠凹所が形成され、該切欠凹所には前記立上片が嵌合し、
前記凹所を除くヘッド本体の前面と前記立上片の前面とに前記フェースが接触し、
前記立上片が前記フェースとヘッド本体との間に挟まれた状態となっているクラブヘッド。 - 請求項6もしくは7において、
前記フェースは、前記ヘッド本体の前部にねじ込まれたオネジ部材により前記ヘッド本体に締結されているクラブヘッド。 - 請求項6,7,もしくは8において、
前記立上片は前記ソールの前端部の2つのサイドに分割して設けられているクラブヘッド。
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