JP3628529B2 - ライナの製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円弧板状のコンクリートトンネルライナの遠心成形による製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
円弧板状のコンクリートトンネルライナを製造する場合、従来、上面解放の定置型枠を用いてバイブレータで型枠に強振動を作用させながらコンクリートを打設する技術がある。また、円筒形ドラム内に型枠を取付けドラムを高速回転させて遠心力成形する技術がある。
【0003】
前者では型枠内に硬練りコンクリートを投入し強烈なバイブレータで締め固めながら、仮上蓋を用いてコンクリートの上面からのあふれ出しを防止しつつ打設する。コンクリートの落ち着きを待って仮上蓋を外し上面を鏝ならししてから養生する。このような製造方法では、作業時間が多大であり、騒音が激しいばかりでなく、ライナの外面寸法精度が不十分であり、硬練りコンクリートのため隅々に充填されにくく、ペースト不足やジャンカを生じたり、骨材廻りが悪く角欠け等が生ずるという問題があった。
【0004】
一方、円筒形ドラムを用いて円弧板状のコンクリートライナを遠心成形する技術では、ライナの外周面が極めて密実なコンクリートが得られるが、ライナ周縁の端面に設けた突条や凹溝の形状が精度高く形成されなかったり、端面に「みずみち」が生ずる問題があった。特許第2667363号にはこれを改善する技術が開示されている。この技術は、円筒ドラム形の遠心成型機に取り付ける別体の型枠を準備し、別の装置を用いてコンクリートを打設してコンクリートライナの端面をまず成形し、その後この型枠を遠心成型機に取り付けて遠心成型するので、欠陥のない優れた製品を製造することができるが、製造工程が複雑で手間が掛かるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者の技術では、近年、ワーカブルな高流動コンクリートが開発されており、従来の騒音の問題は解消されつつあるが、コンクリートライナ外面へ気泡が集中し外面寸法精度が低いという問題は依然として解消されず、手直しに相当数の人手が掛かっている。なお、高流動コンクリートは多量のセメント等の粉体、増粘剤、高流動化剤を使用し高価で管理しにくいコンクリートであり、一般向きでないという問題がある。
【0006】
また、後者の技術では、大型の遠心成形ドラムを高速回転させるため大規模の装置を要するほか、上述のように手間がかかる問題がある。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解消した新規な技術を提供することを目的とするもので、遠心成形ドラムを用いることなく、簡易な装置で遠心力の作用を効果的に利用し、ライナの六面共寸法精度の高い密実な製品を得ることができる技術を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決したもので、円弧板状のコンクリートトンネルライナを製造するに当り、コンクリート供給口のみ開口した六面型枠をライナ外周面を上面として該型枠の中心軸まわりに水平面内で高速回転させながら、型枠の中央上方からコンクリートを供給し、ライナを形成することを特徴とするライナの製造方法を提供するものである。
【0009】
本発明では型枠を水平面内で回転させることによりコンクリートに水平の遠心力を作用させ、ライナの隅々まで確実にコンクリートが密実に充填するようにしたので、隅角部も骨材が密に充填され、角欠け等のない良好な製品を得ることができる。
【0010】
円弧板状のライナの外周面を上向きにするので型枠は中央が最も高くなり、水平回転による遠心力によってコンクリート中の軽い空気や水分が絞り出され、中央の上部に集まって先に型枠から抜け出しコンクリート表面には気泡が残らない。従って、後仕上げの必要がない。また、コンクリートの投入作業を型枠回転中に行うので、作業にロスがなく安定した製品が得られる。
【0011】
製品外面は六面すべてが型枠面なので寸法精度が高く、かつ製品の表面が滑らかでありトンネル構築の場合もシールドマシンのテールシールに損傷を与えることがなく良好なシールが得られる。
【0012】
上記本発明方法を好適に実施することができる本発明の装置は、
(a)水平面内で高速回転する円盤と、
(b)この円盤上面に中心軸対称に設けた複数の係止部と、
(c)これらの係止部に係止する係止具を下面側に備え外面板中央にコンクリート供給口を備えた型枠と
(d)コンクリート供給装置と
から構成されたことを特徴とするライナの製造装置である。
【0013】
遠心力はコンクリートが分離を生じない大きさとする。従って、本発明の製造装置は過大の投資を必要とせず、型枠も傷まず安価なものでよい。また、騒音の発生も少なく良好な作業環境が得られる。さらに普通コンクリートを用いて従来に比し密実で六面共正確な形状をもつ高品質のコンクリートトンネルライナを省力的に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図8は円弧板状のコンクリートトンネルライナ50を組立てた一円周分のコンクリートライナ60を示す斜視図である。図7はこのトンネルライナ60を構成する円弧板状のコンクリートトンネルライナ50を示す。従来工法では、図7に示すようにライナの外周面51を上にした姿勢で型枠を振動台上に載せコンクリートを打設していたので、製品ライナの外周面51が手仕上げ面になり、凹凸もしくは気泡が多く発生していた。ライナの内周面52はすぐれた仕上面となるが、リングサイド面54、妻面53、グラウト孔55には欠陥が生ずることが避けられなかった。
【0016】
図1は本発明の実施例の型枠10の正面断面図、図2はその側面断面図を示すものである。
【0017】
型枠10の上部中央にコンクリート投入口17が取付けられており、その中心にグラウト孔形成用パイプ21を取り付ける。グラウト孔形成用パイプ21の上部にコンクリートが乗らないようにグラウト孔カバー22をかぶせ止めボルト23で底板11に固定する。底板11の両妻部に妻枠側板12、12が取り付けられる。又底板11の下方に取付けたフレーム15に回転円盤31に設けた係止部34に係止する係止具16として、型枠固定案内金具が4箇所ついている。リングサイド枠側板13、13も底板11に取り付けられている。係止部34と係止具16とは、この実施例の円錐嵌合形式に限定されるものではなく、他の形状、型式のものでも差支えない。要点は係脱が容易で心合わせが簡単にでき、高速回転により離脱することがない係合形式であればよい。
【0018】
実施例装置の使用方法は次の通りである。型枠10の上面板14を外した状態で所定の鉄筋籠(図示省略)を型枠10内に装着し、次いで上面板14を取り付ける。この型枠は六面すべてが形枠面となり、従前のように一面が解放になることがなく製品の寸法精度が向上する。この型枠10を図4、図5に示すような回転円盤31上に乗せる。回転円盤31には、回転中に型枠が芯ズレを起こさないよう、また調芯しやすいようテーパを持った係合部34が付いており、型枠10の底面にはこれに係合する係止部16が設けられているので型枠10は容易に回転円盤31の回転中心に装着される。回転円盤31は図4に示すように中心部に受け台37,中心球座軸35を持つ構造で回転円盤31の周面にローラ32及びモータ33に連結された駆動軸36を有する。この構造は図5に示すように中心軸38をモータ33で駆動する構造でもよい。
【0019】
次にコンクリート投入装置40のホッパ41を型枠のコンクリート投入口17に差込む。コンクリート投入装置40は型枠10の回転と共動しないよう受架42に支えておく。回転円盤31を回しながら(型枠も回転している)ホッパ41内にコンクリートを流し込む。コンクリートはグラウト孔カバー22とホッパ41の隙間のスロート部43より流れ込み底板11に達すると遠心力により型枠10の4隅より順次詰まっていく。
【0020】
コンクリートを打込むことにより押し出される空気は投入口17とホッパ41の外面の隙間より追い出される。この時同時にコンクリート中の空気と水が絞り出される。すなわち投入作業と同時に遠心成形締め固めが行われる。所定量のコンクリートを流し込んだら回転円盤31の回転を止めコンクリート投入装置40を外し、図3に示すように投入口蓋45を取付ける。ライナ形成作業は以上で完了である。
【0021】
投入口17近傍のコンクリート表面出来栄えを向上するには、投入口蓋45を取付ける前に投入口17内にさらにコンクリート体積の0.1〜1%のコンクリートを投入した後、投入蓋45を締め付けるようにすれば、プレス効果もあり、ライナの仕上がり面が良好になる。
【0022】
以上により、図7に示すような内周面52、両リングサイド面54、及び両妻面53に気泡や欠陥のないトンネルライナ50を成形することができる。製品ライナは投入口17近傍に小指大の気泡が散見されるが、性能的には問題なく、また、補修手間は微少である。
【0023】
コンクリートとしてはコンクリートフロー35〜75cmのうち、いわゆる中流動コンクリートのフロー45〜55cmの範囲のコンクリートを用いる。このようなコンクリートを遠心力2〜12g(gは重力の加速度)、投入時間2分〜20分で打設すると作業完了となる。遠心力3g〜6g、投入時間5分〜15分とすれば極めて良好な結果を得る。それより硬いコンクリートの場合は図6に示すように、グラウト孔カバー51に取り外し可能に回転翼46を取り付けるとよい。この回転翼46は斜面を形成して回転し、コンクリートを下方へ押し込む作用をなすものである。
【0024】
コンクリートとしては上述のように中流動コンクリート又は普通コンクリートを主に用いるのでコンクリート単価の増分も小さい。本発明装置はバイブレータを使用する装置に比べ、設備も比較的簡素で、型枠も簡易なものですみ型枠の損傷も少ない。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、簡易な装置を用いて遠心成形により、六面すべて表面仕上精度が高く密実な円弧板状コンクリートトンネルライナを容易に得ることができる。この方法は中流動または普通コンクリートを用いることができ、従来のバイブレータ方式の製造方法に比し、高精度の製品を安価に製造することができる。なお、製品手入手間も大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一部断面正面図である。
【図2】本発明装置の部分側面図である。
【図3】本発明装置の部分側面図である。
【図4】本発明装置の回転円盤の斜視図である。
【図5】本発明装置の回転円盤の斜視図である。
【図6】型枠の部分断面図である。
【図7】コンクリートトンネルライナの斜視図である。
【図8】コンクリートトンネルライナの一円周分の組立を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 型枠
11 底板
12 妻枠側板
13 リングサイド枠側板
14 上面板
15 フレーム
16 係止部(型枠固定案内金具)
17 投入口
21 グラウト孔形成用パイプ
22 グラウト孔カバー
23 止めボルト
30 回転装置
31 円盤
32 受ローラ
33 駆動モータ
34 係合部
35 受部
36 駆動軸
37 基台
38 回転軸
40 コンクリート投入装置
41 ホッパ
42 受梁
43 スロート部
45 蓋
46 回転翼
50 コンクリートライナ
51 外周面
52 内周面
53 妻面
54 リングサイド面
55 グラウト孔
60 組立られた一円周分のコンクリートライナ
Claims (2)
- 円弧板状のコンクリートトンネルライナを製造するに当り、コンクリート供給口のみ開口した六面型枠をライナ外周面を上面として該型枠の中心軸まわりに水平面内で高速回転させながら、型枠の中央上方からコンクリートを供給し、ライナを形成することを特徴とするライナの製造方法。
- 円弧板状のコンクリートトンネルライナを製造する装置であって、水平面内で高速回転する円盤と、該円盤上面に中心軸対称に設けた複数の係止部と、該係止部に係止する係止具を下面側に備え外面板中央にコンクリート供給口を備えた型枠と、コンクリート供給装置とから成ることを特徴とするライナの製造装置。
Priority Applications (1)
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JP31567998A JP3628529B2 (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | ライナの製造方法及び装置 |
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ID=18068265
Family Applications (1)
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1998
- 1998-11-06 JP JP31567998A patent/JP3628529B2/ja not_active Expired - Fee Related
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