【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリマーポリオール、イソシアネート基を3個以上有する化合物、可塑剤及びウレタン化反応触媒をウレタン反応せしめて得られる熱可塑性エラストマーとポリ塩化ビニル系樹脂、及び/叉は、可塑剤よりなる柔軟で圧縮永久歪特性、伸縮性に優れ、かつ加工性、生産性の改善された熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬度の低い柔軟な組成物の1つにポリ塩化ビニル系樹脂(以下、PVCという。)−ポリウレタン(以下、PUという。)複合体が存在し、それらは、例えば(1)PVCと熱可塑性PUとのブレンド物、(2)特開昭8−40312号、同58−42611号、同58−37019号公報等から塩化ビニル単量体(以下、VCMと言う。)に溶解可能な熱可塑性PUとVCMとの懸濁重合法により得られるPVCと熱可塑性PUのグラフト重合体、(3)特公昭59−39464号公報からPVC中でPUを生成したPVC−PU組成物などとして提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら上記の方法等により得られたPVC−PU複合体は、ゴム弾性に劣ることからゴム特性を必要とする用途には適さない。また、その製造の際に多官能性イソシアネートを用いてウレタン架橋体を形成させると、得られるPVC−PU複合体は加工性の劣るものになる。
【0004】
その様な状況下において、PVC、ポリマーポリオール、イソシアネート基を3個以上有する化合物、可塑剤及びウレタン化反応触媒をウレタン反応せしめて樹脂組成物を得る方法が提案されており、係る方法で得られた樹脂組成物は柔軟性、圧縮永久歪特性が従来に比較して優れたものである。しかし、このような方法により得られた樹脂組成物はPVCとPUの配合比率により押出し成形加工性が劣ったり、樹脂組成物の製造が困難になったり、生産性が低下するなどの問題が生じることから柔軟で圧縮永久歪特性、伸縮性に優れ、かつ加工性、生産性の改善された熱可塑性エラストマー組成物が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、柔軟で圧縮永久歪特性、伸縮性に優れ、かつ加工性、生産性の改善された熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述のような現状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の製造方法により得られる特定の熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または可塑剤からなる熱可塑性エラストマー組成物が、柔軟で圧縮永久歪特性、伸縮性に優れ、かつ加工性、生産性の改善されたものとなることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、PVC、ポリマーポリオール、イソシアネート基を3個以上有する化合物、可塑剤及びウレタン化反応触媒を剪断力下、加熱溶融混合しながらウレタン反応せしめて得られる熱可塑性エラストマーであって、透過型電子顕微鏡観察で海−島型の相分離構造が観察され、かつ該相分離構造のサイズが0.01ミクロン以上500ミクロン以下である該熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤とからなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法に関するものである。
【0008】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0009】
本発明において用いられるPVCは、熱可塑性エラストマーを構成するPVCと熱可塑性エラストマー組成物を構成するPVCとがあるが、それぞれのPVCは同一でも異なっても良い。
【0010】
本発明で用いられるPVCとは、塩化ビニル含有重合体であり、例えば塩化ビニル単独重合体、塩素化塩化ビニル重合体、塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体の1種以上と塩化ビニル単量体とのランダム共重合,グラフト共重合もしくはブロック共重合して得られる塩化ビニル共重合体またはこれら重合体の2種以上の混合物を挙げることができる。そして、塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、シアン化ビニリデン、メチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、メトキシスチレン等のアリールエーテル類、ジメチルマレイン酸等のジアルキルマレイン酸類、フマル酸ジメチルエステル等のフマル酸エステル類、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルシラン類、アクリル酸ブチルエステル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチルエステル等のメタクリル酸アルキルエステル類等を挙げることができる。
【0011】
本発明で用いられるPVCの重合度は、特に制限は無くいかなるものも使用できるが、成形加工性に特に優れる熱可塑性エラストマー組成物が得られることから重合度1000以上4000以下のものが好ましい。
【0012】
また、PVCは、PUの分散性が向上した熱可塑性エラストマーが得られ、その結果強度特性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られることから、懸濁重合法により得られたものであることが好ましい。
【0013】
本発明でいうポリマーポリオールとは、水酸基2個以上を有する化合物であり、例えばポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ビニル系ポリオール、ジエン系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオールまたはこれらの共重合体等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
【0014】
ポリマーポリオールの分子量は、特に制限はなくいかなるものも使用できるが、熱可塑性エラストマー製造時に取り扱い易く、得られた熱可塑性エラストマー組成物が特に良好な圧縮永久歪を発現することから数平均分子量が500以上8000以下であることが好ましい。
【0015】
ポリエステル系ポリオールとしては、例えばジカルボン酸と短鎖ポリオールを縮合重合することにより得られる。このときジカルボン酸成分としてはコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。一方短鎖ポリオール成分としては、脂肪族,脂環式,芳香族,置換脂肪族複素環式のジヒドロキシ化合物、トリヒドロキシ化合物、テトラヒドロキシ化合物等で、例えば1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカメチレンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシレンジオール、ジヒドロキシエチルテトラハイドロフタレート、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
【0016】
ポリエステル系ポリオールを得る別の方法として、β−プロピオラクトン、ビバロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラクトン等のラクトン化合物の1種または2種以上を前記の短鎖ポリオール成分から選ばれる1種または2種以上のヒドロキシ化合物と共に反応せしめる方法によることも可能である。
【0017】
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えばポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等が挙げられこれらの1種または2種以上が使用される。
【0018】
ポリカーボネート系ポリオールとしては、前記の短鎖ポリオールから選ばれるヒドロキシ化合物の1種または2種以上とジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートまたはエチレンカーボネートからエステル交換法によって得られたものが使用され、例えばポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ (2,2’−ビス(4−ヒドロキシヘキシル)プロパンカーボネート)等が工業的に生産されている。また、ポリカーボネートポリオールを得る別の方法としては、いわゆるホスゲン法によることもできる。
【0019】
また、ポリマーポリオールとしては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタアクリレート等のヒドロキシ基を持つアクリル単量体とアクリル酸エステルとの共重合によって得られるアクリル系ポリオール等のビニル系ポリオール;ポリ(1,4−ブタジエン)、ポリ(1,2−ブタジエン)等のポリブタジエンポリオール;ポリプロピレングリコールリシノレート等のひまし油系ポリオール;シリコーン系ポリオール;ポリオレフィン系ポリオール等も使用することができる。
【0020】
本発明でいうイソシアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物とは、例えばジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート若しくは4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチルジイソシアネート等のトリイソシアネート類またはジイソシアネート化合物のビュレット変性体,アロファネート変性体,アダクト体若しくはポリフェニルメタンポリイソシアネート等の多官能イソシアネート類が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。そして、ジイソシアネート化合物としては、例えば2,4−若しくは2,6−トリレンジイソシアネート、m−若しくはp−フェニレンジイソシアネート、1−クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、m−若しくはp−キシレンジイソアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0021】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性エラストマーを製造する際には、上記のジイソシアネート類を併用することも可能である。ただし、この場合全イソシアネート化合物のイソシアネート基モル数に対するイソシアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物のイソシアネート基モル数は0.25以上とすることが熱可塑性エラストマー組成物に良好な圧縮永久歪特性を発現させる上で好ましい。また、イソシアネート化合物におけるイソシアネート基と上記ポリマーポリオールの水酸基のモル比(NCO/OHモル比)は、熱可塑性エラストマー組成物に良好な成形加工性、圧縮永久歪特性を発現させる点からポリマーポリオールとしてジオールを用いた場合、0.3以上1.3以下であり、好ましくは0.5以上1.1以下である。
【0022】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性エラストマーを製造する際のPUの生成反応は、ウレタン化反応触媒の存在下で行わせる。該ウレタン化反応触媒は特に制限はなく公知のものを用いることができ、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等のアミン系触媒;テトラメチル錫、テトラオクチル錫、ジメチルジオクチル錫、トリエチル錫塩化物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫系触媒等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用でき、ジブチル錫ジラウレートが好適に使用される。使用する触媒量は使用する触媒の活性により異なるが、ウレタン反応を完結させるのに必要な量が良い。ジブチル錫ジラウレートを例にすると生産性、加工性の点から熱可塑性エラストマーを構成するPVC、ポリマーポリオール、イソシアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物及び可塑剤の合計量に対して1ppm以上10000ppm以下の量が望ましい。
【0023】
本発明を構成する熱可塑性エラストマーのPU量、即ちポリマーポリオールとイソシアネート化合物の合計配合量は、得られる熱可塑性エラストマー組成物が良好な成形加工性、圧縮永久歪を有することからPVC100重量部に対して30重量部以上600重量部以下が好ましい。
【0024】
本発明に用いられる可塑剤としては、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(以下DOPと言う)、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族エステル系可塑剤;トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリデシル等のトリメリット酸系可塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ系大豆油などのエポキシ系可塑剤;ポリエステル系高分子可塑剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0025】
本発明において、熱可塑性エラストマーを構成する可塑剤と熱可塑性エラストマー組成物を構成する可塑剤は同一でも異なっても良い。
【0026】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性エラストマーにおける可塑剤の配合量は、PVC100重量部に対して10重量部以上300重量部以下であることが好ましい。
【0027】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性エラストマーを得るには、PVC、ポリマーポリオール、イソシアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物、可塑剤及びウレタン化反応触媒を剪断力下、加熱溶融混合し、PUを生成させることにより可能となる。そして、これらを剪断力下、加熱溶融混合するためには、例えばバンバリーミキサー(ファレル社製),加圧ニーダー((株)森山製作所製),インターナルミキサー(栗本鉄工所製),インテンシブミキサー(日本ロール製造(株)製)等の機械加圧式混練機、ロール成形機、押出し成形機等プラスチックまたはゴムの加工に使用される混練成形機が使用できる。加熱溶融混合する温度は、これら原材料組成物の充分な溶融を行いかつ熱分解を避ける目的から90〜220℃であり、好ましくは100〜150℃であり、この際、予めPVC100重量部に対し10重量部以上200重量部以下の可塑剤を含浸せしめて剪断力下、加熱溶融混合を行うことが好ましい。
【0028】
ウレタン化反応触媒は、予め可塑剤と一緒にPVCに含浸せしめておいてもそうでなくてもよいが、取り扱い上含浸せしめておくことが好ましい。
【0029】
さらに、液体成分が多い場合には予めポリマーポリオール及び可塑剤をPVCに含浸せしめた粉体状混合物を用いて剪断力下、加熱溶融混合を行うことが好ましい。
【0030】
そして、PVCに予め可塑剤、ポリマーポリオール、ウレタン化反応触媒等を含浸させるには、例えばジャケット付きリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)またはスーパーミキサー(川田製作所製)等の混合機を用いればよい。このような混合機を用いる場合PVCを混合機に投入した後、撹拌下これに所定量の可塑剤、ポリマーポリオール、ウレタン化反応触媒等を添加し、樹脂温度が90〜150℃になるまで混合を続けることにより、PVC粉体に可塑剤、ポリマーポリオール、ウレタン化反応触媒等が含浸されて流動性のある粉体状混合物が得られる。
【0031】
可塑剤、ポリマーポリオール、ウレタン化反応触媒のうち2種以上を含浸させる場合、予め混合した後に上記のヘンシェルミキサー等の混合機に投入しても良いし、別々に投入しても良い。
【0032】
PUをPVC、ポリマーポリオール、イソシアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物、可塑剤及びウレタン化反応触媒を剪断力下、加熱溶融混合することにより生成させる一例としては、このようにして予めポリマーポリオール、可塑剤及びウレタン化反応触媒を含浸させたPVC及びイソシアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物とPVCに含浸させなかったポリマーポリオールを均一混合した液体を上記混練成形機に導入した後、剪断力下、加熱溶融混合する方法を挙げることができる。
【0033】
上記のようにPVC、ポリマーポリオール、イソシアネート基3個以上を有するイソシアネート化合物、可塑剤及びウレタン化反応触媒を剪断力下、加熱溶融混合することにより得られる本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性エラストマーは、OsO4のような染色剤にて染色後、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した際、海−島型の相分離構造を有しており、かつ島の部分であるPU分散相の大きさが0.01ミクロン以上500ミクロン以下でなくてはならない。該相分離構造の分散相の大きさが0.01ミクロン未満の場合、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、押出し加工性に劣るものとなる。一方、該相分離構造の分散相の大きさが500ミクロンを越える場合、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、押出し成形加工性、押出し成形外観が著しく低下する。本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性エラストマーは、得られる熱可塑性エラストマー組成物が成形加工性に優れ、特に優れた圧縮永久歪性を有することから該相分離構造の分散相の大きさが0.03ミクロン以上300ミクロン以下であることが好ましく、0.05ミクロン以上200ミクロン以下であることが特に好ましい。
【0034】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記により得られた熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤を配合することにより得られる。ここで、熱可塑性エラストマーに配合するPVC、及び/または可塑剤の配合量を熱可塑性エラストマー製造時に配合し、加熱溶融混合した場合、PVC成分の溶融状態の不充分さから生じる製造の困難さ、生産性の低下、加工性の低下、外観の低下を招く。
【0035】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、優れた生産性、加工性、圧縮永久歪特性を有することから熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤との混合比(重量比)は10/90〜90/10が好ましく、25/75〜90/10であることが特に好ましい
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造する際の熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤との混合方法は、熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤とを加熱溶融混合することが好ましく、PVC及び可塑剤を用いる場合、PVC及び可塑剤とを予め加熱溶融混合した後に熱可塑性エラストマーと加熱溶融混合することも可能である。加熱溶融混合の一例としては、例えば熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤とをタンブラー、ジャケット付きリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)またはスーパーミキサー(川田製作所製)等の混合機を用いて混合後、バンバリーミキサー(ファレル社製)、加圧ニーダー((株)森山製作所製)、インターナルミキサー(栗本鉄工所製)、インテンシブミキサー(日本ロール製造(株)製)等の機械加圧式混練機、ロール成形機、押出し成形機等のプラスチックまたはゴムの加工に使用される混練成形機にて加熱溶融混合することを挙げることができる。
【0036】
また、機械加圧式混練機やロール成形機で加熱溶融混合する場合は事前に熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤とを混合することなく加熱溶融混合することもできる。そして、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造する際の加熱溶融混合する温度は、熱可塑性エラストマーとPVC、及び/または、可塑剤等の充分な溶融を行いかつ熱分解を避ける目的から90〜200℃が好ましく、特に120〜170℃が好ましい。
【0037】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、その性能を極端に低下させない程度にPVCに通常添加される安定剤(例えば、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸、ラウリン酸錫等の有機錫系安定剤、テトラフェニルポリプロピレングリコールジフォスファイト等のフォスファイト系安定剤、過塩素酸処理ハイドロタルサイト等のハイドロタルサイト系安定剤が挙げられる)、滑剤(例えば、n−ブチルステアレート等の脂肪酸エステル系ワックス、炭化水素系ワックス、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等が挙げられる)、アクリル系加工助剤(例えば、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体等のメチルメタクリレート−アルキルアクリレート共重合体)、着色剤、炭酸カルシウム,タルク等に代表される無機充填材、三酸化アンチモンやホウ酸亜鉛に代表される難燃剤などを必要に応じて添加することができる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物は、例えば押出し成形、射出成形、エキストルージョンラミネート、ホットメルトラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネート等の多層ラミネート成形、インフレーション成形、ブロー成形等の成形法によって成形加工できる。
【0038】
本発明における熱可塑性エラストマー組成物は、前述のような成形加工により、例えばコンベヤベルト、樹脂コンベヤベルト、急傾斜コンベヤ、円筒コンベヤベルト等の搬送用コンベヤベルト類;Vベルト、歯付きベルト等の動力伝達ベルト類;編み上げホース、布巻きホース、高圧ホース、サクションホース、ダクトホース、スプレーホース、送排水用ホース、耐圧補強ホース、静電気防止ホース、等のホース類;自動車用、鉄道用、産業機械用、建築土木用等の防振ゴム;防舷材、印刷用ロール、製紙用ロール、紡績用ロール、製鉄用ロール、染色化繊用ロール等の工業用ロール;事務機用ロール、OA機器用ロール、自動化機器用ロール等の各種機器用ロール;もみすり機等の農業機械用ロール;金属をはじめとする各種素材のライニング;化粧板、静電防止シート、ルーフィング用シート等のシート;携帯電話、電化製品、リモコン等のパッキン、シーリング材;防水材、オイルシール、メカニカルシール、成形パッキン、グランドパッキン等の運動用シール;Oリング、ガスケット等の固定用シール;コンデンサ用封口、スポンジ製品、栓、カテーテル、スポイト、シリンジ用ガスケット、マスク、サック、手袋、コンドーム、水枕、哺乳器用乳首、キャップ容器、レインウェア、エアバック、ダイヤフラム、ラバーダム、ガスのう膜、オイルフェンス、フレキシブルコンテナ、ゴルフボール,サッカーボール等のボール類;スポーツ床、フェンス用緩衝ゴム、チェーン、舗装用ブロック、自動車用ブーツ、ウェザーストリップ、建築用ガスケット、免震ゴム、手すり、滑り止め、エアータイト、スペーサー、合わせガラス、止水板、伸縮可とう継ぎ手、糸ゴム、ゴムひも、ハンドレール、プラ磁石、ゴム磁石、電線、コード、キャスター、ベアリング、カップリング、クッション、ブッシュ、ブーツ類、グロメット、インシュレーター、ストッパー、ワイパーブレード、ジョイント、制振ゴム、ゴムスイッチ、ソケット、玩具、マスク、靴、足ゴム、チューブ、電化製品のパッキン,工業部品等、ゴルフクラブ、テニスラケット、スキーポール等のグリップ部分、シーラント、シート、電気部品、電子部品、半導電フィルム,帯電防止フィルム,医薬フィルム等のフィルム、タイヤ、精密機器、精密加工機類の振動吸収材、スポーツ用品、日用雑貨、座席シート等に使用できる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0040】
〜参考例1〜
内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)67重量部を仕込み950rpmの回転速度で1分間撹拌した。また、これとは別にDOP50重量部、ジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触媒)0.015重量部を混合したものを準備した。これを上記ヘンシェルミキサーに加え混合物(全量で4kg)の温度が120℃になるまで撹拌混合を行った。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となった。
【0041】
得られた粉体状混合物117.015重量部を内容積1.7リットル、設定温度110℃のバンバリー型ミキサー((株)南千住製作所製)に仕込み100rpmで撹拌した。投入時の粉体状混合物の温度は110℃であった。また、これとは別に、加熱したDOP50重量部及びヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)16重量部を1分間混合した後、更にこれに加熱した1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合重合して得られたポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン4010、数平均分子量2000)77重量部(NCO/OHモル比=1.1)を入れ1分間混合したものを準備した。続いてこの混合液をバンバリー型ミキサー投入口より流し入れ、100rpmで剪断力下加熱溶融混合を行い、溶融混合物の温度が175℃に到達したところで排出し、熱可塑性エラストマー(1)を得た。
【0042】
得られた熱可塑性エラストマー(1)をOsO4の蒸気に暴露して染色し、これをウルトラミクロトームで−100℃の雰囲気下0.1ミクロンの超薄切片に仕上げた。これを電子顕微鏡JEOL JEM−2000FXを用いて加速電圧200kVにて観察したところOsO4に染色されるPUの成分が0.1ミクロン〜150ミクロンの大きさを有する分散相となっていることを確認した。
【0043】
〜参考例2〜
内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)100重量部を仕込み950rpmの回転速度で1分間撹拌した。また、これとは別にポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン4067、数平均分子量2000)50重量部、DOP100重量部とジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触媒)0.025重量部を1分間混合したものを準備した。これを上記ヘンシェルミキサーに加え混合物の温度が110℃になるまで攪拌混合を行った。内容物は全量で4000gであった。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となった。
【0044】
得られた粉体状混合物250.025重量部を容積1.7リットル、設定温度110℃のバンバリー型ミキサーに仕込み一定回転速度で撹拌した。また、これとは別に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)34重量部、80℃に加熱したポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン4067、数平均分子量2000)216重量部(NCO/OHモル比=0.65)を入れ1分間混合したものを準備し該バンバリー型ミキサー投入口より流し入れた。内容物は全量で1540gであった。剪断力下、加熱溶融混合を行いウレタン反応を行った。溶融混合物の温度が175℃に到達したところで排出し、熱可塑性エラストマー(2)を得た。
【0045】
得られた熱可塑性エラストマー(2)をOsO4の蒸気に暴露して染色し、これをウルトラミクロトームで−100℃の雰囲気下0.1ミクロンの超薄切片に仕上げた。これを電子顕微鏡JEOL JEM−2000FXを用いて加速電圧200kVにて観察したところOsO4に染色されるPUの成分が0.1ミクロン〜200ミクロンの大きさを有する分散相となっていることを確認した。
【0046】
〜参考例3〜
内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−1050)100重量部を仕込み950rpmの回転速度で1分間撹拌した。また、これとは別にポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名クラレポリオールP−510、数平均分子量500)20重量部、DOP90重量部とジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触媒)0.035重量部を1分間混合したものを準備した。これを上記ヘンシェルミキサーに加え混合物の温度が110℃になるまで撹拌混合を行った。内容物は全量で4000gであった。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となった。
【0047】
得られた粉体状混合物210.035重量部を容積1.7リットル、設定温度110℃のバンバリー型ミキサーに仕込み一定回転速度で撹拌した。またこれとは別に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)53重量部、80℃に加熱したポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名クラレポリオールP−520、数平均分子量500)90重量部(NCO/OHモル比=0.5)を入れ1分間混合したものを準備し該バンバリー型ミキサー投入口より流し入れた。内容物は全量で1540gであった。剪断力下、加熱溶融混合を行いウレタン反応を行った。溶融混合物の温度が175℃に到達したところで排出して熱可塑性エラストマー (3)を得た。
【0048】
得られた熱可塑性エラストマー(3)をOsO4の蒸気に暴露して染色し、これをウルトラミクロトームで−100℃の雰囲気下0.1ミクロンの超薄切片に仕上げた。これを電子顕微鏡JEOL JEM−2000FXを用いて加速電圧200kVにて観察したところOsO4に染色されるPUの成分が0.1ミクロン〜200ミクロンの大きさを有する分散相となっていることを確認した。
【0049】
〜参考例4〜
懸濁重合法により得られた塩化ビニル重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TH−1000)100重量部、DOP100重量部、安定剤としてステアリン酸バリウム2重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部を混合した。150℃に設定したロール混練機にて上記混合物を加熱溶融混合して塩化ビニル重合体組成物を得た。
【0050】
実施例1
参考例1で得た熱可塑性エラストマー(1)260.015重量部にエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)130重量部を配合し、表面温度150℃のロール混練機で加熱溶融混合することにより熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0051】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を試験片にプレス成形し、圧縮永久歪をJIS K6301に従い測定した。測定結果を表1に示す。
【0052】
また、得られた熱可塑性エラストマー組成物を造粒し、20mm単軸押出し機((株)東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)を用いて、シリンダー温度170℃、ダイス温度180℃、スクリュー回転数100rpmの押し出し条件でリボン(幅25mm、厚み1mm)状のものを押出し、押出し成形性の評価を行った。
【0053】
得られた成形品の表面平滑性の評価は、触感により行った。結果を表1に示す。
【0054】
比較例1
参考例1に示すエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)67重量部を197重量部にした以外は参考例1と同様にしてエチレン−塩化ビニル共重合体組成物を製造したが、エチレン−塩化ビニル共重合体が完全に溶融しないため、生産性に劣るものであった。
【0055】
得られた該エチレン−塩化ビニル共重合体組成物は、エチレン−塩化ビニル共重合体が完全には溶融していないため、均一な状態の組成物としては得られなかった。これを敢えて実施例1と同様に押出し、押出し成形性の評価を行ったところ成形体の表面がカサカサで、質感の悪いものであった。
【0056】
実施例2
参考例2で得た熱可塑性エラストマー(2)500.025重量部にDOP200重量部を配合し、表面温度150℃のロール混練機で加熱溶融混合することにより熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0057】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を試験片にプレス成形し、圧縮永久歪をJIS K6301に従い測定した。測定結果を表1に示す。
【0058】
また、得られた熱可塑性エラストマー組成物を造粒し、20mm単軸押出し機((株)東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)を用いて、シリンダー温度150℃、ダイス温度160℃、スクリュー回転数100rpmの押し出し条件でリボン(幅25mm、厚み1mm)状のものを押出し、押出し成形性の評価を行った。
【0059】
得られた成形品の表面平滑性の評価は、触感により行った。結果を表1に示す。
【0060】
比較例2
内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)100重量部を仕込み950rpmの回転速度で1分間撹拌した。また、これとは別にポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン4067、数平均分子量2000)50重量部、DOP100重量部とジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触媒)0.025重量部を1分間混合したものを準備した。これを上記ヘンシェルミキサーに加え混合物の温度が110℃になるまで撹拌混合を行った。内容物は全量で4000gであった。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となった。
【0061】
得られた粉体状混合物250.025重量部を容積1.7リットル、設定温度110℃のバンバリー型ミキサーに仕込み一定回転速度で撹拌した。また、これとは別に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)34重量部、80℃に加熱したポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン4067、数平均分子量2000)216重量部(NCO/OHモル比=0.65)、DOP200重量部を入れ1分間混合したものを準備し該バンバリー型ミキサー投入口より流し入れた。内容物は全量で1540gであった。剪断力下、加熱溶融混合を行いウレタン反応を行った。溶融混合物の温度が175℃に到達したところで排出してエチレン−塩化ビニル共重合体組成物を製造したが、エチレン−塩化ビニル共重合体が完全には溶融せず、生産性の悪いものであった。
【0062】
得られたエチレン−塩化ビニル共重合体組成物は、エチレン−塩化ビニル共重合体が完全には溶融しておらず、均一な状態の組成物としては得られなかった。これを敢えて実施例2と同様に押出し成形性の評価を行ったところ成形体の表面はカサカサでり、質感の悪いものであった。
【0063】
実施例3
参考例2で得た熱可塑性エラストマー(2)500.025重量部にエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)500重量部、DOP500重量部を配合し、表面温度150℃のロール混練機で加熱溶融混合して熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0064】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を試験片にプレス成形し、圧縮永久歪をJIS K6301に従い測定した。測定結果を表1に示す。
【0065】
また、得られた熱可塑性エラストマー組成物を造粒し、50トン射出成形機 (東芝(株)製、商品名IS50A)用い、シリンダー温度170℃、ノズル温度180℃、金型温度40℃の成形条件で70mm*70mm*1mmの平板を成形し、成形収縮率を測定し、評価結果を表1に示す。
【0066】
比較例3
参考例2のエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)100重量部を500重量部、DOP100重量部を500重量部にした以外は参考例2と同様により熱可塑性エラストマーを製造した。
【0067】
得られた熱可塑性エラストマーをOsO4の蒸気に暴露して染色し、これをウルトラミクロトームで−100℃の雰囲気下0.1ミクロンの超薄切片に仕上げた。これを電子顕微鏡JEOL JEM−2000FXを用いて加速電圧200kVにて観察したところOsO4に染色されるPUの成分が0.1ミクロン〜100ミクロンの大きさを有する分散相となっていることを確認した。
【0068】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を試験片にプレス成形し、圧縮永久歪をJIS K6301に従い測定した。測定結果を表1に示す。
【0069】
また、得られた熱可塑性エラストマーの成形収縮率を実施例3と同様により評価を行ったところ成形収縮率の大きなものであった。
【0070】
実施例4
参考例3で得た熱可塑性エラストマー(3)353.035重量部に参考例4で得た塩化ビニル重合体組成物1116.5重量部を配合し、表面温度150℃のロール混練機で加熱溶融混合して熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0071】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を試験片にプレス成形し、圧縮永久歪をJIS K6301に従い測定した。測定結果を表1に示す。
【0072】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を造粒し、20mm単軸押出し機((株)東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)を用いて、シリンダー温度150℃、ダイス温度160℃、スクリュー回転数100rpmの押し出し条件でリボン(幅25mm、厚み1mm)状のものを押出し、押出し成形性の評価を行った。得られた成形品の表面平滑性の評価は、触感により行った。結果を表1に示す。
【0073】
また、得られた熱可塑性エラストマー組成物を造粒し、50トン射出成形機 (東芝(株)製、商品名IS50A)用い、シリンダー温度170℃、ノズル温度180℃、金型温度40℃の成形条件で70mm*70mm*1mmの平板を成形し、成形収縮率を測定し、その評価結果を表1に示す。
【0074】
比較例4
参考例3で得た熱可塑性エラストマー(3)を実施例4と同様の評価方法により評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0075】
熱可塑性エラストマー(3)の押し出し成形体の表面は凸凹があり質感の悪いものであった。また、射出成形体については、成形収縮率は大きかった。
【0076】
比較例5
参考例4で得た塩化ビニル重合体組成物を実施例4と同様の評価方法により評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0077】
塩化ビニル重合体組成物は、圧縮永久歪特性が非常に悪いものであった。
【0078】
比較例6
内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)100重量部を仕込み950rpmの回転速度で1分間撹拌した。また、これとは別にDOP50重量部、ジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触媒)0.005重量部を混合したものを準備した。これを上記ヘンシェルミキサーに加え混合物 (全量で4kg)の温度が120℃になるまで撹拌混合を行った。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物となった。
【0079】
得られた粉体状混合物117.015重量部を内容積1.7リットル、設定温度110℃のバンバリー型ミキサー(( 株) 南千住製作所製)に仕込み100rpmで撹拌した。投入時の粉体の温度は110℃であった。また、これとは別に、加熱したDOP50重量部とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)7重量部を1分間混合した後、更にこれに加熱したポリマーポリオール((株)クラレ製、商品名クラポールP4010、数平均分子量4000)86重量部(NCO/OHモル比=0.85)を入れ1分間混合したものを準備した。続いてこの混合液をバンバリー型ミキサー投入口より流し入れ、100rpmで剪断力下加熱溶融混合を行い、溶融混合物の温度が175℃に到達したところで排出し、熱可塑性エラストマーを得た。
【0080】
得られた熱可塑性エラストマーをOsO4の蒸気に暴露して染色し、これをウルトラミクロトームで−100℃の雰囲気下0.1ミクロンの超薄切片に仕上げた。これを電子顕微鏡JEOL JEM−2000FXを用いて加速電圧200kVにて観察したところ相分離構造が観察されなかった。
【0081】
得られた熱可塑性エラストマー293.005重量部、エチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)、商品名TE−2800)97重量部、DOP100重量部を配合し、表面温度150℃のロール混練機で加熱溶融混合して熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0082】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を実施例1で用いたのと同様の方法により、評価した。結果を表1に示す。
【0083】
得られた熱可塑性エラストマー組成物の押出し成形体は、表面に凸凹があり、質感のわるいものであった。
【0084】
比較例7
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を重縮合して得られるポリエステルポリオール((株)クラレ製、商品名クラポールP2010、数平均分子量2000)80重量部とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)13重量部 (NCO/OHモル比=0.85)、さらに触媒としてジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触媒)0.035重量部を混ぜ合わせ120℃のオーブン中、2時間放置してPUを製造した。得られたPUを機械粉砕し、2mmのメッシュをパスしなかったPUの粉砕物を得た。
【0085】
得られたPU粉末93重量部とエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)197重量部、DOP100重量部を配合し、表面温度150℃のロール混練機で加熱溶融混合することにより、PVC−PU組成物を得た。
【0086】
得られたPVC−PU組成物をルーペを用いて観察したところPUの成分が1000ミクロン以上の大きさを有する分散相となっていることを確認した。
【0087】
得られたPVC−PU組成物を実施例1で用いたのと同様の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
【0088】
得られたPVC−PU組成物の押出し成形体は、表面がブツブツであり、外観および質感の悪いものであった。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟で圧縮永久歪特性、伸縮性に優れ、かつ生産性、加工性に優れるものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a thermoplastic elastomer and a polyvinyl chloride resin obtained by subjecting a polyvinyl chloride resin, a polymer polyol, a compound having three or more isocyanate groups, a plasticizer and a urethanization reaction catalyst to urethane reaction, and / or The present invention relates to a thermoplastic elastomer composition comprising a plasticizer, which is soft and has excellent compression set characteristics, stretchability, processability and productivity, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a polyvinyl chloride resin (hereinafter referred to as PVC) -polyurethane (hereinafter referred to as PU) composite exists in one of the soft compositions having low hardness, for example, (1) PVC and heat. Blends with plastic PU, (2) Heat that can be dissolved in vinyl chloride monomer (hereinafter referred to as VCM) from JP-A-8-40312, 58-42611, 58-37019, etc. A graft polymer of PVC and thermoplastic PU obtained by suspension polymerization of plastic PU and VCM, (3) proposed as a PVC-PU composition in which PU is produced in PVC from Japanese Patent Publication No. 59-39464 ing.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the PVC-PU composites obtained by these methods are inferior in rubber elasticity and are not suitable for applications that require rubber properties. Moreover, when a urethane crosslinked body is formed using polyfunctional isocyanate during the production, the resulting PVC-PU composite is inferior in processability.
[0004]
Under such circumstances, there has been proposed a method of obtaining a resin composition by subjecting PVC, polymer polyol, a compound having three or more isocyanate groups, a plasticizer, and a urethanization reaction catalyst to urethane reaction. The resin composition is superior in flexibility and compression set characteristics as compared with the conventional one. However, the resin composition obtained by such a method has problems such as inferior extrusion processability due to the blending ratio of PVC and PU, production of the resin composition becomes difficult, and productivity decreases. Therefore, a thermoplastic elastomer composition which is flexible and excellent in compression set characteristics and stretchability, and has improved processability and productivity is desired.
[0005]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a thermoplastic elastomer composition which is flexible and excellent in compression set characteristics and stretchability, and has improved processability and productivity, and a method for producing the same.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in view of the above-described present situation, the present inventors have found that a thermoplastic elastomer composition comprising a specific thermoplastic elastomer and PVC and / or a plasticizer obtained by a specific manufacturing method is flexible and compressed. The inventors have found that the permanent set characteristics and the stretchability are excellent, and the processability and productivity are improved, and the present invention has been completed.
[0007]
That is, the present invention is a thermoplastic elastomer obtained by subjecting PVC, polymer polyol, a compound having three or more isocyanate groups, a plasticizer, and a urethanization reaction catalyst to urethane reaction while heating and melting and mixing under shear force, A sea-island type phase separation structure is observed by transmission electron microscope observation, and the thermoplastic elastomer, PVC, and / or plasticizer having a phase separation structure size of 0.01 micron or more and 500 microns or less It is related with the thermoplastic elastomer composition characterized by consisting of, and its manufacturing method.
[0008]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0009]
The PVC used in the present invention includes a PVC constituting a thermoplastic elastomer and a PVC constituting a thermoplastic elastomer composition, and each PVC may be the same or different.
[0010]
The PVC used in the present invention is a vinyl chloride-containing polymer. For example, vinyl chloride homopolymer, chlorinated vinyl chloride polymer, one or more monomers copolymerizable with vinyl chloride monomer, and chloride. Examples thereof include a vinyl chloride copolymer obtained by random copolymerization, graft copolymerization or block copolymerization with a vinyl monomer, or a mixture of two or more of these polymers. Examples of the monomer copolymerizable with the vinyl chloride monomer include ethylene, propylene, butene, pentene-1, butadiene, styrene, α-methylstyrene, acrylonitrile, vinylidene chloride, vinylidene cyanide, methyl vinyl ether, and the like. Alkyl vinyl ethers, carboxylic acid vinyl esters such as vinyl acetate, aryl ethers such as methoxystyrene, dialkylmaleic acids such as dimethylmaleic acid, fumaric acid esters such as dimethyl fumarate, N-vinylpyrrolidone, vinylpyridine And alkyl acrylates such as vinyl silanes and butyl acrylate, and methacrylic acid alkyl esters such as methyl methacrylate.
[0011]
The degree of polymerization of PVC used in the present invention is not particularly limited, and any type can be used, but those having a degree of polymerization of 1000 or more and 4000 or less are preferable because a thermoplastic elastomer composition having particularly excellent moldability can be obtained.
[0012]
Also, PVC is obtained by suspension polymerization because a thermoplastic elastomer with improved PU dispersibility is obtained, resulting in a thermoplastic elastomer composition having excellent strength characteristics. preferable.
[0013]
The polymer polyol referred to in the present invention is a compound having two or more hydroxyl groups. For example, polyester polyol, polyether polyol, polycarbonate polyol, vinyl polyol, diene polyol, castor oil polyol, silicone polyol, polyolefin Based polyols or copolymers thereof, and one or more of these are used.
[0014]
The molecular weight of the polymer polyol is not particularly limited, and any polymer polyol can be used. However, the number average molecular weight is 500 because it is easy to handle during the production of the thermoplastic elastomer and the obtained thermoplastic elastomer composition exhibits particularly good compression set. It is preferable that it is 8000 or more.
[0015]
The polyester polyol can be obtained, for example, by condensation polymerization of a dicarboxylic acid and a short chain polyol. At this time, as the dicarboxylic acid component, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, dodecanoic acid, phthalic acid, isophthalic acid, tetrahydrophthalic anhydride, hexahydrophthalic anhydride, maleic anhydride, fumaric acid, itaconic acid Etc., and one or more of these are used. On the other hand, examples of the short-chain polyol component include aliphatic, alicyclic, aromatic, and substituted aliphatic heterocyclic dihydroxy compounds, trihydroxy compounds, tetrahydroxy compounds, and the like such as 1,2-ethanediol, 1,3- Propanediol, 1,4-butanediol, butenediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,10-decamethylenediol, 2,5-dimethyl-2,5-hexane Diol, neopentyl glycol, diethylene glycol, 1,4-cyclohexanedimethanol, 2-methyl-1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, bis (β-hydroxyethoxy) benzene, p-xylenediol, dihydroxyethyl Tetrahydrophthalate, trimethylolpropane, glycerin 2-methyl-1,2,3-triol, 1,2,6-hexane triol and the like, one or more of these can be used.
[0016]
Other methods for obtaining polyester polyols include β-propiolactone, bivalolactone, δ-valerolactone, β-methyl-δ-valerolactone, ε-caprolactone, methyl-ε-caprolactone, dimethyl-ε-caprolactone, trimethyl- It is also possible to use a method in which one or more lactone compounds such as ε-caprolactone are reacted with one or more hydroxy compounds selected from the short-chain polyol components.
[0017]
Examples of the polyether-based polyol include polytetramethylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polyoxypropylene glycol and the like, and one or more of these are used.
[0018]
As the polycarbonate-based polyol, one or two or more hydroxy compounds selected from the above short-chain polyols and those obtained by a transesterification method from diaryl carbonate, dialkyl carbonate, or ethylene carbonate are used. For example, poly (1,1, 6-hexamethylene carbonate), poly (2,2′-bis (4-hydroxyhexyl) propane carbonate) and the like are industrially produced. Further, as another method for obtaining the polycarbonate polyol, a so-called phosgene method can be used.
[0019]
Polymer polyols include vinyl polyols such as acrylic polyols obtained by copolymerization of acrylic monomers having an acrylic group such as β-hydroxyethyl acrylate and β-hydroxyethyl methacrylate with acrylic esters; Polybutadiene polyols such as (1,4-butadiene) and poly (1,2-butadiene); castor oil-based polyols such as polypropylene glycol ricinolate; silicone-based polyols; polyolefin-based polyols and the like can also be used.
[0020]
Examples of the isocyanate compound having three or more isocyanate groups in the present invention include, for example, isocyanurate-modified diisocyanate compounds, 1,6,11-undecane triisocyanate, lysine ester triisocyanate, or 4-isocyanate methyl-1,8-octa. Examples include triisocyanates such as methyl diisocyanate or polyfunctional isocyanates such as a burette modified body, allophanate modified body, adduct body, or polyphenylmethane polyisocyanate of a diisocyanate compound, and one or more of these are used. Examples of the diisocyanate compound include 2,4- or 2,6-tolylene diisocyanate, m- or p-phenylene diisocyanate, 1-chlorophenylene-2,4-diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, methylene bisphenylene. Examples include -4,4'-diisocyanate, m- or p-xylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate, 4,4'-methylenebiscyclohexyl diisocyanate, isophorone diisocyanate, and trimethylhexamethylene diisocyanate.
[0021]
When manufacturing the thermoplastic elastomer which comprises the thermoplastic elastomer composition of this invention, it is also possible to use said diisocyanate together. However, in this case, the number of moles of isocyanate groups in the isocyanate compound having 3 or more isocyanate groups relative to the number of moles of isocyanate groups in the total isocyanate compound exhibits a good compression set characteristic in the thermoplastic elastomer composition. This is preferable. In addition, the molar ratio of the isocyanate group in the isocyanate compound to the hydroxyl group of the polymer polyol (NCO / OH molar ratio) is a diol as a polymer polyol from the viewpoint of exhibiting good moldability and compression set characteristics in the thermoplastic elastomer composition. Is used, it is 0.3 or more and 1.3 or less, preferably 0.5 or more and 1.1 or less.
[0022]
The production reaction of PU in producing the thermoplastic elastomer constituting the thermoplastic elastomer composition of the present invention is carried out in the presence of a urethanization reaction catalyst. The urethanization reaction catalyst is not particularly limited and known ones can be used. For example, amine catalysts such as triethylamine, triethylenediamine, N-methylmorpholine; tetramethyltin, tetraoctyltin, dimethyldioctyltin, triethyltin chloride Products, tin-based catalysts such as dibutyltin diacetate and dibutyltin dilaurate, and one or more of these can be used, and dibutyltin dilaurate is preferably used. The amount of catalyst used varies depending on the activity of the catalyst used, but the amount necessary to complete the urethane reaction is good. Taking dibutyltin dilaurate as an example, an amount of 1 ppm or more and 10000 ppm or less with respect to the total amount of PVC, polymer polyol, isocyanate compound having three or more isocyanate groups and a plasticizer constituting the thermoplastic elastomer in terms of productivity and processability Is desirable.
[0023]
The PU amount of the thermoplastic elastomer constituting the present invention, that is, the total blending amount of the polymer polyol and the isocyanate compound is based on 100 parts by weight of PVC because the obtained thermoplastic elastomer composition has good moldability and compression set. 30 parts by weight or more and 600 parts by weight or less is preferable.
[0024]
Examples of the plasticizer used in the present invention include di-n-butyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate (hereinafter referred to as DOP), di-n-octyl phthalate, diisononyl phthalate, diisodecyl phthalate, and phthalate. Phthalic acid plasticizers such as diisooctyl acrylate, octyl decyl phthalate, butyl benzyl phthalate, di-2-ethylhexyl isophthalate, dicyclohexyl phthalate; di-2-ethylhexyl adipate, di-n-decyl adipate, adipic acid Aliphatic ester plasticizers such as diisodecyl, dibutyl sebacate, di-2-ethylhexyl sebacate; trimellitic plasticizers such as trioctyl trimellitate and tridecyl trimellitic acid; tributyl phosphate, tri-2-phosphate Ethylhexyl, 2-ethylhexyl phosphate Phosphoric ester plasticizers such as phosphoric acid, tricresyl phosphate, and trixylenyl phosphate; epoxy plasticizers such as epoxy soybean oil; polyester polymer plasticizers, etc., and one or more of these are used. it can.
[0025]
In the present invention, the plasticizer constituting the thermoplastic elastomer and the plasticizer constituting the thermoplastic elastomer composition may be the same or different.
[0026]
It is preferable that the compounding quantity of the plasticizer in the thermoplastic elastomer which comprises the thermoplastic elastomer composition of this invention is 10 to 300 weight part with respect to 100 weight part of PVC.
[0027]
In order to obtain the thermoplastic elastomer constituting the thermoplastic elastomer composition of the present invention, PVC, polymer polyol, an isocyanate compound having 3 or more isocyanate groups, a plasticizer and a urethanization reaction catalyst are heated, melted and mixed under a shearing force. This is possible by generating a PU. In order to heat and mix them under shear force, for example, a Banbury mixer (manufactured by Farrell), a pressure kneader (manufactured by Moriyama Seisakusho), an internal mixer (manufactured by Kurimoto Iron Works), an intensive mixer ( A kneading and molding machine used for processing plastics or rubber, such as a mechanical pressure kneading machine such as Nippon Roll Manufacturing Co., Ltd., a roll molding machine or an extrusion molding machine, can be used. The temperature for heating and melting and mixing is 90 to 220 ° C., preferably 100 to 150 ° C. for the purpose of sufficiently melting these raw material compositions and avoiding thermal decomposition. It is preferable to impregnate a plasticizer in an amount of not less than 200 parts by weight and not less than 200 parts by weight and to perform heat-melt mixing under a shear force.
[0028]
The urethanization reaction catalyst may or may not be impregnated with PVC in advance together with the plasticizer, but it is preferably impregnated for handling.
[0029]
Furthermore, when there are many liquid components, it is preferable to perform heat-melt mixing under a shearing force using a powdery mixture obtained by impregnating PVC with a polymer polyol and a plasticizer in advance.
[0030]
In order to pre-impregnate PVC with a plasticizer, polymer polyol, urethanization reaction catalyst, etc., a mixer such as a ribbon blender with a jacket, a Henschel mixer (made by Mitsui Miike Seisakusho) or a super mixer (made by Kawada Seisakusho) is used. That's fine. In the case of using such a mixer, after adding PVC to the mixer, a predetermined amount of plasticizer, polymer polyol, urethanization reaction catalyst, etc. are added to this while stirring, and mixed until the resin temperature reaches 90 to 150 ° C. By continuing, the PVC powder is impregnated with a plasticizer, a polymer polyol, a urethanization reaction catalyst, etc., and a fluid powdery mixture is obtained.
[0031]
When impregnating two or more of the plasticizer, polymer polyol, and urethanization reaction catalyst, they may be added to a mixer such as the above-mentioned Henschel mixer after mixing in advance or may be added separately.
[0032]
As an example in which PU is produced by heat-melt mixing of PVC, polymer polyol, an isocyanate compound having three or more isocyanate groups, a plasticizer and a urethanization reaction catalyst under shearing force, in this way, polymer polyol, plastic After introducing into the kneading and forming machine a liquid in which a PVC impregnated with an agent and a urethanization catalyst and an isocyanate compound having three or more isocyanate groups and a polymer polyol not impregnated with PVC are introduced into the kneading machine, heating is performed under shearing force. The method of melt-mixing can be mentioned.
[0033]
As described above, the thermoplastic elastomer composition of the present invention is obtained by heat-melt mixing PVC, polymer polyol, isocyanate compound having 3 or more isocyanate groups, a plasticizer and a urethanization reaction catalyst under shear force. Thermoplastic elastomer is OsO 4 After staining with a staining agent such as the above, when observed with a transmission electron microscope (TEM), it has a sea-island type phase separation structure, and the size of the PU dispersed phase that is an island portion is Must be between 0.01 microns and 500 microns. When the size of the dispersed phase of the phase separation structure is less than 0.01 micron, the resulting thermoplastic elastomer composition is inferior in extrudability. On the other hand, when the size of the dispersed phase of the phase separation structure exceeds 500 microns, the resulting thermoplastic elastomer composition has a marked decrease in extrusion processability and extrusion appearance. The thermoplastic elastomer constituting the thermoplastic elastomer composition of the present invention has a large dispersed phase of the phase-separated structure because the obtained thermoplastic elastomer composition has excellent molding processability and particularly excellent compression set. Is preferably 0.03 to 300 microns, and more preferably 0.05 to 200 microns.
[0034]
The thermoplastic elastomer composition of the present invention is obtained by blending the thermoplastic elastomer obtained above and PVC and / or a plasticizer. Here, when the blended amount of PVC and / or plasticizer in the thermoplastic elastomer is blended at the time of manufacturing the thermoplastic elastomer and heated and melt-mixed, the difficulty of production resulting from the insufficient melting state of the PVC component, This leads to lower productivity, lower workability, and lower appearance.
[0035]
Since the thermoplastic elastomer composition of the present invention has excellent productivity, processability, and compression set characteristics, the mixing ratio (weight ratio) of the thermoplastic elastomer to PVC and / or the plasticizer is 10/90. ~ 90/10 is preferable, and 25/75 to 90/10 is particularly preferable.
The method of mixing the thermoplastic elastomer and PVC and / or the plasticizer when producing the thermoplastic elastomer composition of the present invention is to melt and mix the thermoplastic elastomer and PVC and / or the plasticizer. In the case where PVC and a plasticizer are used, it is also possible to heat and melt and mix the PVC and the plasticizer in advance and then heat and melt and mix with the thermoplastic elastomer. As an example of heat-melt mixing, for example, a thermoplastic elastomer and PVC, and / or a plasticizer, a mixer such as a tumbler, jacketed ribbon blender, Henschel mixer (Mitsui Miike Seisakusho) or super mixer (Kawada Seisakusho) After mixing using the machine, machines such as Banbury mixer (manufactured by Farrell), pressure kneader (manufactured by Moriyama Seisakusho), internal mixer (manufactured by Kurimoto Iron Works), intensive mixer (manufactured by Nippon Roll Manufacturing Co., Ltd.), etc. Heat melting and mixing may be mentioned in a kneading and molding machine used for processing plastics or rubber, such as a pressure kneader, a roll molding machine, and an extrusion molding machine.
[0036]
In addition, in the case of heat-melt mixing with a mechanical pressure kneader or a roll molding machine, the heat-melt mixing can be performed without mixing the thermoplastic elastomer and PVC and / or the plasticizer in advance. And the temperature which carries out the heat-melt mixing at the time of manufacturing the thermoplastic-elastomer composition of this invention is 90- from the objective of performing sufficient melt | fusion of a thermoplastic elastomer, PVC, and / or a plasticizer, and avoiding thermal decomposition. 200 degreeC is preferable and 120-170 degreeC is especially preferable.
[0037]
In the thermoplastic elastomer composition of the present invention, a stabilizer that is usually added to PVC to such an extent that its performance is not extremely reduced (for example, a metal soap such as barium stearate, an organic tin stabilizer such as tin laurate, Phosphite stabilizers such as tetraphenyl polypropylene glycol diphosphite, hydrotalcite stabilizers such as perchloric acid-treated hydrotalcite), lubricants (for example, fatty acid ester waxes such as n-butyl stearate) , Hydrocarbon waxes, metal soaps such as magnesium stearate and zinc stearate), acrylic processing aids (for example, methyl methacrylate-alkyl acrylate copolymers such as methyl methacrylate-butyl acrylate copolymers) , Representatives of colorants, calcium carbonate, talc, etc. Inorganic fillers, may be added depending on, for example, it required a flame retardant represented by antimony trioxide and zinc borate.
The thermoplastic elastomer composition in the present invention can be molded by a molding method such as extrusion molding, injection molding, extrusion laminating, hot melt laminating, dry laminating, wet laminating multilayer molding, inflation molding, blow molding or the like.
[0038]
The thermoplastic elastomer composition in the present invention is formed by the above-described molding process, for example, conveyor belts such as conveyor belts, resin conveyor belts, steeply inclined conveyors, cylindrical conveyor belts; powers of V belts, toothed belts and the like. Transmission belts; braided hoses, cloth-wrapped hoses, high-pressure hoses, suction hoses, duct hoses, spray hoses, water / drainage hoses, pressure-resistant reinforcement hoses, antistatic hoses, etc .; for automobiles, railways, industrial machinery Anti-vibration rubber for construction civil engineering, etc .; Industrial rolls such as fenders, printing rolls, paper-making rolls, spinning rolls, iron-making rolls, dyeing fiber rolls; office machine rolls, rolls for OA equipment, Rolls for various equipment such as rolls for automated equipment; Rolls for agricultural machinery such as rice hullers; Linei made of various materials including metal Sheets such as decorative panels, antistatic sheets, roofing sheets, etc .; packings and sealing materials for mobile phones, electrical appliances, remote controls, etc .; seals for exercise such as waterproofing materials, oil seals, mechanical seals, molded packings, gland packings, etc. ; Seals for fixing O-rings, gaskets, etc .; Capacitors for seals, sponge products, stoppers, catheters, syringes, gaskets for syringes, masks, sacks, gloves, condoms, water pillows, nipples for baby bottles, cap containers, rainwear, airbags Balls such as diaphragms, rubber dams, gas sac, oil fences, flexible containers, golf balls, soccer balls, etc .; sports floors, cushioning rubber for fences, chains, paving blocks, boots for automobiles, weather strips, gaskets for construction , Seismic isolation rubber, handrail, Stopper, Air tight, Spacer, Laminated glass, Water stop plate, Stretchable joint, Rubber thread, Rubber strap, Hand rail, Plastic magnet, Rubber magnet, Electric wire, Cord, Caster, Bearing, Coupling, Cushion, Bush, Boots, grommets, insulators, stoppers, wiper blades, joints, damping rubber, rubber switches, sockets, toys, masks, shoes, rubber feet, tubes, packings for electrical appliances, industrial parts, golf clubs, tennis rackets, skis Grip parts such as poles, sealants, sheets, electrical parts, electronic parts, semiconductive films, antistatic films, films such as pharmaceutical films, tires, precision equipment, vibration absorbers for precision processing machines, sports equipment, daily goods Can be used for seats, etc.
[0039]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated using an Example, this invention is not limited to these Examples.
[0040]
-Reference Example 1
67 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd., trade name TE-2800) obtained by suspension polymerization method was charged into a Henschel mixer with an internal volume of 20 liters and stirred at a rotational speed of 950 rpm for 1 minute. did. Separately, 50 parts by weight of DOP and 0.015 parts by weight of dibutyltin dilaurate (urethanization reaction catalyst) were prepared. This was added to the Henschel mixer and stirred and mixed until the temperature of the mixture (4 kg in total) reached 120 ° C. The mixture became a powdery mixture that could flow easily.
[0041]
117.015 parts by weight of the obtained powdery mixture was charged into a Banbury mixer (manufactured by Minami Senju Seisakusho Co., Ltd.) having an internal volume of 1.7 liters and a set temperature of 110 ° C., and stirred at 100 rpm. The temperature of the powdery mixture at the time of charging was 110 ° C. Separately, 50 parts by weight of heated DOP and 16 parts by weight of isocyanurate-modified hexamethylene diisocyanate (manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name Coronate HX) were mixed for 1 minute, and further heated to 1 , 4-Butanediol and adipic acid obtained by condensation polymerization (Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name: Nipporan 4010, number average molecular weight 2000) 77 parts by weight (NCO / OH molar ratio = 1.1) And mixed for 1 minute to prepare. Subsequently, this mixed solution was poured from a Banbury mixer inlet, heated and mixed with shearing force at 100 rpm, and discharged when the temperature of the molten mixture reached 175 ° C. to obtain a thermoplastic elastomer (1).
[0042]
The obtained thermoplastic elastomer (1) is converted into OsO. 4 The sample was dyed by exposure to a vapor of 1 μm and finished with an ultramicrotome into an ultrathin section of 0.1 μm in an atmosphere of −100 ° C. When this was observed with an electron microscope JEOL JEM-2000FX at an acceleration voltage of 200 kV, OsO 4 It was confirmed that the PU component to be dyed was a dispersed phase having a size of 0.1 to 150 microns.
[0043]
~ Reference example 2 ~
100 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd., trade name: TE-2800) obtained by suspension polymerization method was charged in a Henschel mixer with an internal volume of 20 liters and stirred at a rotational speed of 950 rpm for 1 minute. did. Separately, 50 parts by weight of a polymer polyol (manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name NIPPOLAN 4067, number average molecular weight 2000), 100 parts by weight of DOP and 0.025 part by weight of dibutyltin dilaurate (urethanization reaction catalyst) A mixture of minutes was prepared. This was added to the Henschel mixer and stirred and mixed until the temperature of the mixture reached 110 ° C. The content was 4000 g in total. The mixture became a powdery mixture that could flow easily.
[0044]
250.025 parts by weight of the obtained powdery mixture was charged into a Banbury mixer having a volume of 1.7 liters and a set temperature of 110 ° C., and stirred at a constant rotational speed. Separately from this, isocyanurate-modified hexamethylene diisocyanate (Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name Coronate HX) 34 parts by weight, polymer polyol heated to 80 ° C. (Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name NIPPOLAN) 4067, number average molecular weight 2000) 216 parts by weight (NCO / OH molar ratio = 0.65) and mixed for 1 minute were prepared and poured from the Banbury mixer inlet. The content was 1540 g in total. Under the shearing force, the mixture was heated and melted to carry out a urethane reaction. When the temperature of the molten mixture reached 175 ° C., the mixture was discharged to obtain a thermoplastic elastomer (2).
[0045]
The obtained thermoplastic elastomer (2) is converted into OsO. 4 The sample was dyed by exposure to a vapor of 1 μm and finished with an ultramicrotome into an ultrathin section of 0.1 μm in an atmosphere of −100 ° C. When this was observed with an electron microscope JEOL JEM-2000FX at an acceleration voltage of 200 kV, OsO 4 It was confirmed that the PU component to be dyed was a dispersed phase having a size of 0.1 to 200 microns.
[0046]
~ Reference Example 3
100 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd., trade name: TE-1050) obtained by suspension polymerization method was charged into a Henschel mixer with an internal volume of 20 liters and stirred at a rotational speed of 950 rpm for 1 minute. did. Separately, 20 parts by weight of polymer polyol (manufactured by Kuraray Co., Ltd., trade name Kuraray polyol P-510, number average molecular weight 500), 90 parts by weight of DOP and 0.035 parts by weight of dibutyltin dilaurate (urethanization reaction catalyst) Were prepared for 1 minute. This was added to the Henschel mixer and stirred and mixed until the temperature of the mixture reached 110 ° C. The content was 4000 g in total. The mixture became a powdery mixture that could flow easily.
[0047]
210.035 parts by weight of the obtained powdery mixture was charged into a Banbury mixer having a volume of 1.7 liters and a set temperature of 110 ° C., and stirred at a constant rotational speed. Separately, 53 parts by weight of isocyanurate-modified hexamethylene diisocyanate (manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name Coronate HX), polymer polyol heated to 80 ° C. (trade name, Kuraray Polyol P, trade name) -520, number average molecular weight 500) 90 parts by weight (NCO / OH molar ratio = 0.5) was added and mixed for 1 minute, and poured from the Banbury mixer inlet. The content was 1540 g in total. Under the shearing force, the mixture was heated and melted to carry out a urethane reaction. When the temperature of the molten mixture reached 175 ° C., it was discharged to obtain a thermoplastic elastomer (3).
[0048]
The obtained thermoplastic elastomer (3) is converted into OsO. 4 The sample was dyed by exposure to a vapor of 1 μm and finished with an ultramicrotome into an ultrathin section of 0.1 μm in an atmosphere of −100 ° C. When this was observed with an electron microscope JEOL JEM-2000FX at an acceleration voltage of 200 kV, OsO 4 It was confirmed that the PU component to be dyed was a dispersed phase having a size of 0.1 to 200 microns.
[0049]
~ Reference Example 4 ~
100 parts by weight of vinyl chloride polymer (trade name TH-1000, manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd.) obtained by suspension polymerization, 100 parts by weight of DOP, 2 parts by weight of barium stearate as a stabilizer, 1 part by weight of zinc stearate Were mixed. The above mixture was heated and melt mixed in a roll kneader set at 150 ° C. to obtain a vinyl chloride polymer composition.
[0050]
Example 1
The thermoplastic elastomer (1) obtained in Reference Example 1 is blended with 260.015 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (trade name: TE-2800, manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd.), and the surface temperature is 150 ° C. A thermoplastic elastomer composition was obtained by heat-melt mixing with a roll kneader.
[0051]
The obtained thermoplastic elastomer composition was press-molded into a test piece, and the compression set was measured according to JIS K6301. The measurement results are shown in Table 1.
[0052]
The obtained thermoplastic elastomer composition was granulated, and a cylinder temperature of 170 ° C., a die temperature of 180 ° C., a screw using a 20 mm single-screw extruder (trade name Lab Plast Mill, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.) A ribbon (25 mm in width and 1 mm in thickness) was extruded under an extrusion condition of 100 rpm, and the extrusion moldability was evaluated.
[0053]
The surface smoothness of the obtained molded product was evaluated by tactile sensation. The results are shown in Table 1.
[0054]
Comparative Example 1
Ethylene-vinyl chloride copolymer as in Reference Example 1 except that 67 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (trade name TE-2800, manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd.) shown in Reference Example 1 was changed to 197 parts by weight. Although a coalescence composition was produced, the ethylene-vinyl chloride copolymer was not completely melted, so that the productivity was poor.
[0055]
The obtained ethylene-vinyl chloride copolymer composition was not obtained as a uniform composition because the ethylene-vinyl chloride copolymer was not completely melted. This was dared to be extruded in the same manner as in Example 1 and the extrusion moldability was evaluated. As a result, the surface of the molded body was rough and the texture was poor.
[0056]
Example 2
A thermoplastic elastomer composition was obtained by blending 200 parts by weight of DOP with 500.025 parts by weight of the thermoplastic elastomer (2) obtained in Reference Example 2 and heating and mixing with a roll kneader having a surface temperature of 150 ° C.
[0057]
The obtained thermoplastic elastomer composition was press-molded into a test piece, and the compression set was measured according to JIS K6301. The measurement results are shown in Table 1.
[0058]
Further, the obtained thermoplastic elastomer composition was granulated, and using a 20 mm single screw extruder (trade name Lab Plast Mill, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.), cylinder temperature 150 ° C., die temperature 160 ° C., screw A ribbon (25 mm in width and 1 mm in thickness) was extruded under an extrusion condition of 100 rpm, and the extrusion moldability was evaluated.
[0059]
The surface smoothness of the obtained molded product was evaluated by tactile sensation. The results are shown in Table 1.
[0060]
Comparative Example 2
100 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd., trade name: TE-2800) obtained by suspension polymerization method was charged in a Henschel mixer with an internal volume of 20 liters and stirred at a rotational speed of 950 rpm for 1 minute. did. Separately, 50 parts by weight of a polymer polyol (manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name NIPPOLAN 4067, number average molecular weight 2000), 100 parts by weight of DOP and 0.025 part by weight of dibutyltin dilaurate (urethanization reaction catalyst) A mixture of minutes was prepared. This was added to the Henschel mixer and stirred and mixed until the temperature of the mixture reached 110 ° C. The content was 4000 g in total. The mixture became a powdery mixture that could flow easily.
[0061]
250.025 parts by weight of the obtained powdery mixture was charged into a Banbury mixer having a volume of 1.7 liters and a set temperature of 110 ° C., and stirred at a constant rotational speed. Separately from this, isocyanurate-modified hexamethylene diisocyanate (Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name Coronate HX) 34 parts by weight, polymer polyol heated to 80 ° C. (Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name NIPPOLAN) 4067, number average molecular weight 2000) 216 parts by weight (NCO / OH molar ratio = 0.65) and DOP 200 parts by weight were mixed and prepared for 1 minute, and poured from the Banbury mixer inlet. The content was 1540 g in total. Under the shearing force, the mixture was heated and melted to carry out a urethane reaction. When the temperature of the molten mixture reached 175 ° C., it was discharged to produce an ethylene-vinyl chloride copolymer composition. However, the ethylene-vinyl chloride copolymer was not completely melted and the productivity was poor. It was.
[0062]
In the obtained ethylene-vinyl chloride copolymer composition, the ethylene-vinyl chloride copolymer was not completely melted and could not be obtained as a uniform composition. When this was dared to evaluate the extrusion moldability in the same manner as in Example 2, the surface of the molded body was rough and the texture was poor.
[0063]
Example 3
Into 500.025 parts by weight of the thermoplastic elastomer (2) obtained in Reference Example 2, 500 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (trade name TE-2800, manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd.) and 500 parts by weight of DOP are blended. The mixture was heated and melted and mixed with a roll kneader having a surface temperature of 150 ° C. to obtain a thermoplastic elastomer composition.
[0064]
The obtained thermoplastic elastomer composition was press-molded into a test piece, and the compression set was measured according to JIS K6301. The measurement results are shown in Table 1.
[0065]
The resulting thermoplastic elastomer composition is granulated and molded using a 50-ton injection molding machine (trade name IS50A, manufactured by Toshiba Corporation) at a cylinder temperature of 170 ° C, a nozzle temperature of 180 ° C, and a mold temperature of 40 ° C. A 70 mm * 70 mm * 1 mm flat plate was molded under the conditions, the molding shrinkage was measured, and the evaluation results are shown in Table 1.
[0066]
Comparative Example 3
Reference Example 2 was the same as Reference Example 2 except that 100 parts by weight of the ethylene-vinyl chloride copolymer (trade name: TE-2800, manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd.) and 500 parts by weight of DOP were changed to 500 parts by weight. A thermoplastic elastomer was produced.
[0067]
The obtained thermoplastic elastomer was changed to OsO. 4 The sample was dyed by exposure to a vapor of 1 μm and finished with an ultramicrotome into an ultrathin section of 0.1 μm in an atmosphere of −100 ° C. When this was observed with an electron microscope JEOL JEM-2000FX at an acceleration voltage of 200 kV, OsO 4 It was confirmed that the PU component to be dyed was a dispersed phase having a size of 0.1 to 100 microns.
[0068]
The obtained thermoplastic elastomer composition was press-molded into a test piece, and the compression set was measured according to JIS K6301. The measurement results are shown in Table 1.
[0069]
Further, when the molding shrinkage rate of the obtained thermoplastic elastomer was evaluated in the same manner as in Example 3, the molding shrinkage rate was large.
[0070]
Example 4
1116.5 parts by weight of the vinyl chloride polymer composition obtained in Reference Example 4 is blended with 353.035 parts by weight of the thermoplastic elastomer (3) obtained in Reference Example 3, and heated and melted in a roll kneader having a surface temperature of 150 ° C. By mixing, a thermoplastic elastomer composition was obtained.
[0071]
The obtained thermoplastic elastomer composition was press-molded into a test piece, and the compression set was measured according to JIS K6301. The measurement results are shown in Table 1.
[0072]
The resulting thermoplastic elastomer composition is granulated and using a 20 mm single screw extruder (trade name Lab Plast Mill, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.), cylinder temperature 150 ° C., die temperature 160 ° C., screw rotation speed A ribbon (width 25 mm, thickness 1 mm) was extruded under an extrusion condition of 100 rpm, and the extrusion moldability was evaluated. The surface smoothness of the obtained molded product was evaluated by tactile sensation. The results are shown in Table 1.
[0073]
The resulting thermoplastic elastomer composition is granulated and molded using a 50-ton injection molding machine (trade name IS50A, manufactured by Toshiba Corporation) at a cylinder temperature of 170 ° C, a nozzle temperature of 180 ° C, and a mold temperature of 40 ° C. A 70 mm * 70 mm * 1 mm flat plate was molded under the conditions, the molding shrinkage was measured, and the evaluation results are shown in Table 1.
[0074]
Comparative Example 4
The thermoplastic elastomer (3) obtained in Reference Example 3 was evaluated by the same evaluation method as in Example 4. The evaluation results are shown in Table 1.
[0075]
The surface of the extruded product of the thermoplastic elastomer (3) had irregularities and a poor texture. In addition, the molding shrinkage ratio was large for the injection molded body.
[0076]
Comparative Example 5
The vinyl chloride polymer composition obtained in Reference Example 4 was evaluated by the same evaluation method as in Example 4. The evaluation results are shown in Table 1.
[0077]
The vinyl chloride polymer composition had very poor compression set characteristics.
[0078]
Comparative Example 6
100 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd., trade name: TE-2800) obtained by suspension polymerization method was charged in a Henschel mixer with an internal volume of 20 liters and stirred at a rotational speed of 950 rpm for 1 minute. did. Separately, 50 parts by weight of DOP and 0.005 parts by weight of dibutyltin dilaurate (urethanization reaction catalyst) were prepared. This was added to the Henschel mixer and stirred and mixed until the temperature of the mixture (4 kg in total) reached 120 ° C. The mixture became a powdery mixture that could flow easily.
[0079]
117.015 parts by weight of the obtained powdery mixture was charged into a Banbury mixer (manufactured by Minami Senju Seisakusho Co., Ltd.) having an internal volume of 1.7 liters and a set temperature of 110 ° C., and stirred at 100 rpm. The temperature of the powder at the time of charging was 110 ° C. Separately, 50 parts by weight of heated DOP and 7 parts by weight of isocyanurate-modified hexamethylene diisocyanate (trade name Coronate HX, manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd.) were mixed for 1 minute, and then heated to this polymer. A mixture of 86 parts by weight (NCO / OH molar ratio = 0.85) of polyol (manufactured by Kuraray Co., Ltd., trade name Kurapol P4010, number average molecular weight 4000) and mixed for 1 minute was prepared. Subsequently, this mixed solution was poured from a Banbury mixer inlet, heated and mixed with shearing force at 100 rpm, and discharged when the temperature of the molten mixture reached 175 ° C. to obtain a thermoplastic elastomer.
[0080]
The obtained thermoplastic elastomer was changed to OsO. 4 The sample was dyed by exposure to a vapor of 1 μm and finished with an ultramicrotome into an ultrathin section of 0.1 μm in an atmosphere of −100 ° C. When this was observed at an accelerating voltage of 200 kV using an electron microscope JEOL JEM-2000FX, no phase separation structure was observed.
[0081]
2933.005 parts by weight of the obtained thermoplastic elastomer, 97 parts by weight of an ethylene-vinyl chloride copolymer (Taiyo PVC Co., Ltd., trade name TE-2800) and 100 parts by weight of DOP are blended, and roll kneading with a surface temperature of 150 ° C. A thermoplastic elastomer composition was obtained by heat-melt mixing with a machine.
[0082]
The obtained thermoplastic elastomer composition was evaluated by the same method as used in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0083]
The obtained extruded product of the thermoplastic elastomer composition had irregularities on the surface and a poor texture.
[0084]
Comparative Example 7
Isocyanurate modification of 80 parts by weight of a polyester polyol obtained by polycondensation of 3-methyl-1,5-pentanediol and adipic acid (manufactured by Kuraray Co., Ltd., trade name Kurapol P2010, number average molecular weight 2000) and hexamethylene diisocyanate 13 parts by weight (made by Nippon Polyurethane Co., Ltd., trade name Coronate HX) (NCO / OH molar ratio = 0.85), and further 0.035 parts by weight of dibutyltin dilaurate (urethanization reaction catalyst) as a catalyst are mixed. PU was produced by leaving it in an oven at 2 ° C. for 2 hours. The obtained PU was mechanically pulverized to obtain a pulverized PU that did not pass the 2 mm mesh.
[0085]
93 parts by weight of the obtained PU powder, 197 parts by weight of ethylene-vinyl chloride copolymer (manufactured by Taiyo PVC Co., Ltd., trade name TE-2800) and 100 parts by weight of DOP were blended, and a roll kneader with a surface temperature of 150 ° C. A PVC-PU composition was obtained by heat-melt mixing.
[0086]
When the obtained PVC-PU composition was observed using a magnifying glass, it was confirmed that the component of PU was a dispersed phase having a size of 1000 microns or more.
[0087]
The obtained PVC-PU composition was evaluated by the same method as used in Example 1. The evaluation results are shown in Table 1.
[0088]
The extruded product of the obtained PVC-PU composition had a rough surface and poor appearance and texture.
[0089]
[Table 1]
[0090]
【The invention's effect】
The thermoplastic elastomer composition of the present invention is flexible, excellent in compression set characteristics and stretchability, and excellent in productivity and workability.