JP3625984B2 - Spindle motor - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、光ディスクや磁気ディスク等の円盤状記録媒体を高速かつ高精度に回転駆動するに好適なスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近年、ハードディスク等の円盤状記録媒体を回転駆動するスピンドルモータにおいては、その高速化が進む一方で、高精度化つまりNRROと呼ばれる回転非同期成分による振動の低減が求められている。モータの定格回転時において、モータの固有振動周波数と軸受が有する励振周波数とが合致すると共振現象を起こし、回転非同期成分による振動が増大し、特にハードディスク駆動装置では信号の書き込み,読み取り不良を生じる。従って、定格回転時におけるNRROを低減させるためには、モータの固有振動周波数と軸受が有する励振周波数との合致による共振を避ける必要がある。
【0003】
軸受として最もよく用いられている玉軸受は、内輪と外輪との間に複数個のボールを周方向等間隔に配置して構成され、理想的には振動の発生はない。しかし実際には、軸受部品の加工公差やモータ組立時の内外輪の歪み等により、僅かに振れながら(振動しながら)回転する。
【0004】
従来では、軸受けによる励振を極力避ける目的で、内外輪、ボール、リテーナの寸法精度向上を追求していたが、未解決になっている。即ち、軸受によるラジアル方向の励振の原因としては、(1)内輪の歪、(2)外輪の歪、(3)ボールの相互差、(4)リテーナの不等配、が挙げられ、このうち、(3),(4)は、ボール、リテーナの製作精度を上げることにより対応することができる。しかし、(1),(2)については、モータハウジング等の内外輪接合面の形状の内外輪への転写や内外輪に対する傾き、或いは内外輪接着時の接着剤の熱収縮等により、内輪、外輪が組立時に歪むため、単品の製作精度を上げるだけでは対応できないのが現状である。
【0005】
他方、従来においては、モータの一部に削り等の変更を与えたり、部材を変更すること等により、モータの固有値を変化させ、これを軸受の励振周波数と一致させないような対策も行っていた。この場合、モータの固有値が軸受励振周波数から大幅にずれない限り、組立誤差や他の要因によりモータの固有値がばらつく結果、共振現象を招く場合を生じ、十分な対策とは言い難く、しかも、生産性が悪く、量産性に乏しいと言った問題も有していた。
【0006】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に留意して成されたものであり、その目的とするところは、組立により生じるNRRO励振力の影響をなくすと共に、軸受の励振周波数とモータの固有振動周波数との合致を回避してNRROを低減し、共振問題の発生を未然に防ぐことができるスピンドルモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1によるスピンドルモータにおいては、静止部材に対して回転体を回転自在に支持する軸受を、内輪と、外輪と、内外輪間に周方向等間隔に配置された複数個のボールとを用いて構成し、かつ、この軸受を、モータの定格回転時における軸受構成部材の最低次の励振周波数が回転体の最低次の共振周波数以上に設定されたスーパークリティカル軸受としたことを特徴とするものである。
【0008】
モータの定格運転時におけるNRROを低減させるためには、モータの固有値(固有振動周波数)と軸受の励振周波数との合致による共振をさける必要がある。図1は、スピンドルモータにおける回転数と振動周波数との関係を示したものであり、特性Lがモータの固有値を示し、特性Mが軸受の最低次の励振周波数を示している。そして、モータ固有値の特性Lと軸受励振周波数の特性Mとの交点aが回転体の共振位置を示すことになり、この交点aがモータの定格回転数ω上に位置した時、定格運転時における共振現象を生じることになる。
【0009】
上述した本発明のスピンドルモータにおけるスーパークリティカル軸受では、モータの定格回転時(定格回転数ω)における軸受の励振周波数が、回転体の共振周波数、つまり特性Lの回転数ωにおける周波数(a点)より大きい周波数(b点)になるよう、最低次の励振周波数が特性Nに設定されているため、定格回転時に共振現象を起こすことがなく、NRROを低減できることになる。
【0010】
加えて、本発明の請求項1においては、前記軸受のボール数をZ、ボール径をDw、ピッチ径をDpw、ボールの内外輪に対する接触角をα、モータ回転周波数をfr、モータの静止時における固有振動周波数をfnsとしたとき、数1、数2及び数3を同時に満たすように設定したことを特徴とする。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】
【数3】
【0014】
なお、数式及び以下の説明中における複合記号は上側が外輪回転の場合、下側が内輪回転の場合を示す
ータのラジアル方向の振動としては、回転体の回転方向に対して同一方向に振れ回る前回りと、反対方向に振れ回る後ろ回りがあることから、モータのラジアル方向の固有値には、前回りと後ろ回りが存在する。即ち、図1に示すように、モータのラジアル方向の固有値には、特性Lで示す前回りと特性L’で示す後ろ回りとがあり、ある回転数(回転周波数fr)におけるモータの固有値fnは、モータ静止時の固有値をfnsとすると、fn=fns+fr(前回り)、fn=fns−fr(後ろ回り)で表される。同様に、軸受によるラジアル方向の励振周波数にも、図1の特性Mで示す前回りと、特性M’で示す後ろ回りが存在する。そして、モータの共振現象は、軸受の前回りの励振周波数とモータの前回りの固有値の合致(図1における交点a)、又は、軸受の後ろ回りの励振周波数とモータの後ろ回りの固有値の合致(図1における交点c)によって起こり、このとき、NRROの振幅は大きくなる。
【0015】
ところで、軸受(回転側軌道輪と固定側軌道輪との間に、リテーナにより周方向等間隔かつ回転自在に保持された複数のボールを介在させてなる軸受)のラジアル方向の励振周波数には、以下のものがある。なお、Zはボール数、fはモータの回転周波数、nは次数(整数)である。
▲1▼リテーナによる励振周波数 ;nf
▲2▼回転側軌道輪による前回りの励振周波数 ;nZ(f−f)+f
▲3▼回転側軌道輪による後ろ回りの励振周波数 ;nZ(f−f)−f
▲4▼固定側軌道輪による励振周波数(前回り、後ろ回り);nZf
▲5▼ボールによる前回りの励振周波数 ;2nf+f
▲6▼ボールによる後ろ回りの励振周波数 ;2nf−f
ただし、fはボールの公転周期、fはボールの自転周期であり、ボール径をD、ピッチ径をDpw、ボールと内外輪との接触角をαとすると、次の数6及び数7で与えられる。
【0016】
【数8】

Figure 0003625984
【0017】
【数9】
Figure 0003625984
【0018】
上述したように、モータの定格回転時におけるNRROを低減させるには、モータの固有値と軸受励振周波数の合致による共振を避ける必要があるが、軸受の励振周波数は上記のように多数ある。そこで、モータの起動後定格回転に至るまでに、上記▲2▼〜▲4▼による最低次の励振周波数が固有振動数を通過するようにボール数を設定すれば、他の励振周波数と固有値の合致を避ける軸受諸元を見出すのが楽になる。
即ち、ボール数Zを励振周波数の構成要件とする上記▲2▼〜▲4▼において、回転側軌道輪の最低次励振周波数(前回り、後ろ回り)、及び固定側軌道輪の最低次励振周波数(前回り、後ろ回り)を、定格運転時のモータ固有値(前回り、後ろ回り)の周波数より高くなるように、ボール数Zを設定すれば、回転側起動輪及び固定側起動輪の励振周波数(前回り、後ろ回り)による共振現象を避けることができ、後はボール及びリテーナの励振周波数のみについて考慮すればよいことになる。
【0019】
具体的には、回転側軌道輪の前回りと後ろ回りの励振周波数ffor、fback、固定側軌道輪の励振周波数ffix
回転側起動輪前回り ;ffor >fns+2f (前回り固有値+f
回転側起動輪後ろ回り ;fback>fns (後ろ回り固有値+f
固定側起動輪(前、後);ffix >fns+2f (前回り固有値+f
となるようにボール数Zを設定する。上式は、励振周波数ffor、fback、ffixが(モータ固有値+f)よりも高いことを示している。ここで+fはばらつき等に対する余裕を設定したものであり、fの余裕により、製作誤差があっても十分に対応できる。このばらつきに対する余裕は、他の値でもよいが、軸受諸元を設定する上でfを用いれば、計算式が容易になる。
なお、回転側軌道輪の最低次励振周波数(前回り、後ろ回り)とは、外輪回転の場合、外輪1次の前回り成分、外輪1次の後ろ回り成分であり、内輪回転の場合、内輪1次の前回り成分、内輪1次の後ろ回り成分である。
【0020】
まず、回転側軌道輪の励振周波数前回り成分について検討する。
回転側軌道輪の最低次前回り励振周波数fforは、上記▲2▼を用いて、
for=Z(f−f)+f
で与えられる。ここで、fはリテーナの回転周波数(ボールの公転周期)で、前述した数8で表される。
【0021】
回転軌道輪の最低次前回り励振周波数fforをある基準周波数fより高くするには、ffor=Z(f−f)+f>fを満たせばよいため、このfforが基準周波数fより高くなるボール数Zの条件は、上式及び数8を用いて、次の数10のようになる。
【0022】
【数10】
Figure 0003625984
【0023】
次に、回転側軌道輪の励振周波数後ろ回り成分について検討する。
回転側軌道輪の最低次後ろ回り励振周波数fbackは、上記▲3▼を用いて、
back=Z(f−f)−f
で与えられる。
回転側軌道輪の最低次後ろ回り励振周波数fbackをある基準周波数fより高くするには、fback=Z(f−f)−f>fを満たせばよいため、このfbackが基準周波数fより高くなるボール数Zは、上式及び数8を用いて、次の数11のようになる。
【0024】
【数11】
Figure 0003625984
【0025】
ここで、回転側軌道輪の最低次前回り励振周波数fforがある基準周波数fより高くなる条件は、前記数10であるが、基準周波数fを、f=fn1+f(前回り固有値+回転周波数)とすると、前回り固有値fn1は、大体、fn1=fns+fのように表せる。したがって、f=fn1+f=fns+2fとなり、これを数10に代入すると、次の数1が得られる。
【0026】
【数1】
【0027】
同様に、後ろ回りの場合について、回転側軌道輪の最低次後ろ回り励振周波数fbackがある基準周波数fより高くなる条件は、前記した数11のようになり、基準周波数fを、f=fn2+f(後ろ回り固有値+回転周波数)とすると、後ろ回り固有値fn2は大体、fn2=fns−fのように表せる。従って、f=fn2+f=fnsとなり、これを数11に代入すると、前記数1と同じになる。
従って、回転側軌道輪の最低次前回り励振周波数fforを基準周波数fより高くする、回転側軌道輪の最低次後ろ回り励振周波数fbackを基準周波数fより高くする、といった2つの条件を満たすボール数Zは、数1で与えられることになる。
【0028】
次に、固定側軌道輪の最低次励振周波数について検討する。
固定されている軌道輪の最低次励振周波数ffix(前回り、後ろ回り)は、上記▲4▼を用いて、ffix=Zfで与えられ、ボールの公転周期fcは前記数8で表されるから、励振周波数ffixは、次の数12のようになる。
【0029】
【数12】
Figure 0003625984
【0030】
固定側軌道輪の励振周波数ffixがある基準周波数fより高くなるためには、ffix>fnsを満たせばよいから、励振周波数ffixが基準周波数fより高くなるボール数Zは、上式及び数12を用いて、次の数13のようになる。
【0031】
【数13】
Figure 0003625984
【0032】
ここで、固定側軌道輪による励振周波数ffixには、前回りと後ろ回りの両方があるが、基準周波数fをf=fns+2fとすると、固定側軌道輪による励振は前回り及び後回りの固有値と共振しない。よって数13に、f=fns+2fを代入すると、次の数2が得られる。
【0033】
ところで、軸受においては、周方向に配置されたボールの数には、少なくともボール同士が接触しないようにするために、次の数3に示すような幾何学的な上限が存在する。
【0034】
【数3】
【0035】
以上の通り、本発明のスピンドルモータによれば、軸受のボール数を、数1、数2、数3を同時に満足するように設定すれば、回転側軌道輪及び固定側軌道輪によるラジアル方向の励振周波数を、モータ固有値から余裕を持ってずらせることができ、共振状態を回避することが可能となる。
【0036】
さらに、本発明の請求項によるスピンドルモータにおいては、前記軸受のボール径Dwとピッチ径Dpwとの関係が、B=f ns /f r としたとき、外輪回転の場合に数4、数5の条件を、内輪回転の場合に数6、数7の条件を満足することを特徴とする。
【0037】
【数4】
【0038】
【数5】
【0039】
【数6】
【0040】
【数7】
【0041】
この請求項について説明する。
上述した軸受のラジアル方向の励振周波数のうち、丸付き数字5ボールによる前回りの励振周波数(2nfb+fc)及び丸付き数字6ボールによる後ろ回りの励振周波数(2nfb−fc)は、ボール自身の製作精度を上げることで励振の低減が可能であるが、定格回転において、励振周波数が固有値を越えてしまうようにすれば、共振に対して安全な運転が確保できる。
【0042】
具体的には、上記で図1を用いて説明したように、ある回転周波数fにおけるボールの励振周波数に対して+fの余裕を設定し、
ボール前回り ;2nf+f>fns+2f
ボール後ろ回り ;2nf−f>fns
となるように、ボール径Dとピッチ径Dpwの関係を定める。なお、ボールの自転周波数fは、次の数14で表される。
【0043】
【数14】
Figure 0003625984
【0044】
ここで、ボールの最低次の励振周波数がある基準周波数fより高くなるには、
前回り ;2nf+f>f
後ろ回り ;2nf−f>f
とすればよく、上式を整理すると、前回りは次の数15、後ろ回りは次の数16となる。
【0045】
【数15】
Figure 0003625984
【0046】
【数16】
Figure 0003625984
【0047】
そして、前回りの場合、cosα≒1、f=fns+2fとおいて整理すると、外輪回転の場合、次の数17となり、内輪回転の場合、次の数18となる。ただし、A=Dpw/D、B=fns/fである。
【0048】
【数17】
Figure 0003625984
【0049】
【数18】
Figure 0003625984
【0050】
同様に、後ろ回りの場合、cosα≒1、f=fnsとおいて整理すると、外輪回転の場合、次の数19となり、内輪回転の場合、次の数20となる。
【0051】
【数19】
Figure 0003625984
【0052】
【数20】
Figure 0003625984
【0053】
本発明の請求項に記載のように、軸受のボール径Dwとピッチ径Dpwの関係を、外輪回転の場合、数17(数4)、数19(数5)、内輪回転の場合、数18(数6)、数20(数7)の条件を満たすように設定すれば、ボールのラジアル方向励振周波数による共振現象を回避できることがわかる。
【0054】
なお、上述したように、ボール数Z、ボール径D、ピッチ径Dpwを規定することにより、回転側軌道輪、固定側軌道輪、ボールの励振は無視することができる。前記▲1▼のリテーナの励振周波数については、リテーナ単品の製作精度を上げることで励振振幅自体を小さくすることが可能である。
【0055】
次に、本発明の請求項3、4、5に記載のスピンドルモータにおいては、前記軸受のボール数を素数としたこと、前記軸受のボールをセラミックスにより構成したこと、前記モータの定格回転数を10000rpm以上としたこと、をも特徴とする。
【0056】
請求項及び請求項では、ラジアルNRROのみについて示したが、同様にアキシャル方向のNRROについても考慮する必要がある。請求項及び請求項で示した通り、ラジアルの共振周波数と励振周波数が合致しないように軸受諸元を決定しているので、アキシャルのNRROを主体に考えればよい。
【0057】
一般に、軸受の内外輪の歪みの周期が、ボール数と関与したある特定の周期になると、ラジアル、アキシャルのNRROが異常に大きくなることが知られている。図2は、アキシャルNRRO振幅に関して軸受内外輪の歪みの山数とボール数との関係を解析した結果の一部を示したものである。この図2より、ボール数を7、11、13、…といった素数とすると、ごく限られた条件のみ避ければ、アキシャルNRROは原理的に発生しないことがわかる。内外輪の歪みの山数が、図2の大にならないように、例えば内外輪に形状を転写するハウジング等を加工(チャックのつめ数に留意するなど)することにより、NRROを全く発生させないようにすることができる。
【0058】
また、スピンドルモータを高速回転で使用する場合においては、耐荷重、軸受寿命の問題がさらに厳しくなる。スピンドルモータは少なくとも現状とほぼ同一寸法を維持する必要があるが、上述の方法によってボール数が増加すれば、ボール径は自ずと小さくなる。ボール径が小さくなることにより、ボール1個あたりに働く応力は大きくなる。このため、高速回転、多数ボールということを満足する解決案としては、軽量、高硬度で、かつ内外輪と異質材料のセラミックスを使用することが極めて有効である。
【0059】
さらに、前述したように、軸受の励振周波数がモータ固有値合致しないように軸受の諸元を設定することに加えて、前記図1より明らかなように、モータの定格回転数をより高速化することによっても共振現象を避けることが可能であり、モータの定格回転数を10000rpm以上とすることも望ましいものである。
【0060】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳述する。
図3は、例えばハードディスクを回転駆動する軸固定型のスピンドルモータを示す断面図である。このスピンドルモータは、ハードディスク駆動装置のベースに固定される静止部材としてのブラケット2と、このブラケット2の中央ボス部4に下端部が圧入された固定シャフト6と、固定シャフト6のボス部4より突出する部分に一対の軸受8,8を介して回転自在に支持されたロータハブ10と、ボス部4の外周部に上方へ突出するように設けられた円筒状壁12に圧入等により固定されたステータ14とを備えている。尚、ブラケット2は装置のベースに一体に構成されていてもよい。
【0061】
ロータハブ10は、ステンレスなどの磁性材料により構成され、開口が下方に向いたほぼカップ状に形成され、カップ状外周壁の内周面に前記ステータ14の外周面に対向するように環状のロータマグネット16が装着され、ロータハブ10のディスク受け部18上にハードディスクHが保持される。
【0062】
図4は、前記軸受8の詳細を示したものであり、シャフト6の外周面に接着剤等で固着される内輪8aと、ロータハブ10の内周面に接着剤等で固着される外輪8bと、内外輪8a,8b間に配置された複数個の球状のボール8cと、このボール8cを周方向等間隔に保持するリテーナ8dとを備えたいわゆる玉軸受からなる。尚、実際には、ボール8cの円滑な回転のためにリテーナ8dの適所にグリースが適量充填されており、さらに内外輪8a,8b間の軸方向両端面或いは一方の端面にグリースの流出を防止する円環状シールド板が設けられている。αは接触角を示している。
【0063】
本発明によるスピンドルモータでは、次の条件の内1つ又は複数を満足するように、軸受諸元(ボール数Z、ボール径D、ピッチ径Dpw)が決定されている。イ.モータの定格回転数では、回転側起動輪の最低次の励振周波数(前回り、後ろ回り)がモータの固有振動数を越えてしまうようにする。
ロ.モータの定格回転数では、固定側起動輪の最低次の励振周波数(前回り、後ろ回り)がモータの固有振動数を超えてしますようにする。
ハ.モータの定格回転数では、ボールの最低次の励振周波数(前回り、後ろ回り)がモータの固有振動数を越えてしますようにする。
ニ.モータの定格回転数では、リテーナの励振周波数とモータの固有振動数とが合致しないようにする。
【0064】
例えば、図3のような外輪回転型軸受を用いた場合、回転側起動輪つまり外輪の前回り励振周波数について検討する。
定格回転数10000rpm、モータ静止時の固有振動数fns=550Hzであるスピンドルモータの固有値は、図5に示すように、前回りが特性L+、後ろ回りが特性L−でそれぞれ示される。そして、現行よく使用されている8個ボールの軸受を使用した場合(ボール数Z=8,ボール径D=2mm、ピッチ径Dpw=9mm、接触角α=22.4deg)、回転する外輪の最低次の前回り励振周波数は、図5のF+のような特性となり、定格回転時において外輪の励振周波数がモータ固有値に近接しており、共振現象を起こしやすい状態にあることがわかる。
【0065】
このとき、前記した数1(複合記号−)で示したように、回転側起動輪についてのボール数Zの条件を計算してみると(f=166.67Hz)、Z>10.82となり、ボール数Zを11個以上とする条件が得られる。そして、軸受を11個ボールとして、その外輪の最低次の前回り励振周波数を求めてみると、図5のF+’のような特性が得られる。これより明らかなように、現行8個ボールの軸受に代えて11個ボールの軸受を使用することにより、定格回転時における外輪の励振周波数がモータ固有値を大きく越え、定格運転時には共振を生じないことがわかる。
【0066】
以上は、回転起動輪としての外輪の前回り励振周波数についての検討であるが、同様にして、回転起動輪後ろ回り励振周波数(数1の複合記号+)、固定起動輪の前回り及び後ろ回りの励振周波数(数2)を検討し、これらの条件を満足するボール数Zを決定すればよい。
【0067】
ボール8cの励振周波数(前回り、後ろ回り)についても、ボール径D、ピッチ径Dpwを、前記数4、数5(外輪回転)、数6、数7(内輪回転)を用い、定格運転時にモータ固有値を越えるように決定すれば、共振現象を避けることができる。
【0068】
以上、本発明の具体例について説明したが、本発明は、上述の具体例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載する効果を奏する。
請求項1記載のスピンドルモータにあっては、モータの定格回転時における軸受構成部材のうち、少なくとも内外輪の最低次の励振周波数が回転体の最低次の共振周波数以上に設定されたスーパークリティカル軸受を用いて、回転体を支持するようにしたので、定格運転時において軸受構成部材の励振周波数が回転体の共振周波数に一致若しくは近接することがなく、共振現象を回避し、NRROを低減した安定で高精度な回転が得られるものである。
【0070】
特に、この請求項1記載のスピンドルモータにあっては、軸受のボール数が、数1,数2及び数3を満たすように設定されているので、定格運転時における回転側起動輪及び固定側起動輪のそれぞれの前回り及び後ろ回りの励振周波数がモータ固有値(前回り及び後ろ回り)を余裕を持って超えることになり、回転側及び固定側起動輪による共振現象を回避することができ、ラジアルNRROを低減できるものである。
【0071】
請求項記載のスピンドルモータにあっては、ボールのボール径及びピッチ径の関係が、外輪回転の場合数4、数5の条件を、内輪回転の場合数6,数7の条件を満たすように設定されているため、定格回転時においてボールの前回り、後ろ回りの励振周波数がモータ固有値を超え、ボールによる共振現象を回避することができるものであり、ラジアルNRROを低減できる。
【0072】
請求項記載のスピンドルモータにあっては、軸受のボール数が素数に設定されているため、前記図2に示したように、内外輪の歪みの周期、山数に対してNRRO振幅の発生しない領域が大きく確保され、ごく限られた条件を回避(容易に回避可能である)するのみでアキシャルNRRO振幅を原理的に発生させないようにすることができるものである。
【0073】
請求項記載のスピンドルモータにあっては、軸受のボールをセラミックスにより構成したため、特に請求項によりボール数が従来より増加するよう設定された場合であっても、セラミックスの軽量、高硬度な性質を利用し、ボール径が小さくても十分な耐応力性を発揮でき、耐荷重及び軸受寿命に優れた高速回転可能なスピンドルモータを提供できるものである。
【0074】
請求項記載のスピンドルモータによれば、モータ定格回転が10000rpm以上に設定されているため、定格回転時における軸受の励振周波数がモータの最低次の共振周波数を超える方向にずれやすくなり、軸受の励振周波数をモータ固有値からずらせるための軸受諸元の設定が楽になり、共振現象を回避する上で非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するためのモータ固有値と軸受の励振周波数との関係図である。
【図2】軸受のアキシャルNRROの振幅に関する内外輪の歪み山数とボール数との関係を説明するための図である。
【図3】本発明のスピンドルモータの具体例を示す断面図である。
【図4】図3で用いられる軸受を示し、(a)は平面図、(b)は切断正面図である。
【図5】軸受外輪の前回り励振周波数とモータ固有値との関係を示した回転速度と振動周波数との関係図である。
【符号の説明】
2 ブラケット(静止部材)
8 軸受
8a 内輪
8b 外輪
8c ボール
10 ロータハブ(回転体)[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a spindle motor suitable for rotationally driving a disk-shaped recording medium such as an optical disk or a magnetic disk at high speed and high accuracy.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
In recent years, spindle motors that rotationally drive a disk-shaped recording medium such as a hard disk have been increased in speed, while higher accuracy, that is, reduction of vibration due to a rotational asynchronous component called NRRO has been demanded. During the rated rotation of the motor, if the natural vibration frequency of the motor matches the excitation frequency of the bearing, a resonance phenomenon occurs, and vibration due to a rotational asynchronous component increases. In particular, in a hard disk drive, signal writing and reading failures occur. Therefore, in order to reduce the NRRO at the rated rotation, it is necessary to avoid resonance due to a match between the natural vibration frequency of the motor and the excitation frequency of the bearing.
[0003]
A ball bearing most often used as a bearing is configured by arranging a plurality of balls at equal intervals in the circumferential direction between an inner ring and an outer ring, and ideally, no vibration is generated. However, in actuality, it rotates with slight vibration (vibrating) due to processing tolerance of bearing parts, distortion of inner and outer rings during motor assembly, and the like.
[0004]
Conventionally, in order to avoid excitation by bearings as much as possible, improvement of the dimensional accuracy of inner and outer rings, balls and retainers has been pursued, but this has not been solved. That is, the causes of radial excitation by the bearing include (1) distortion of the inner ring, (2) distortion of the outer ring, (3) mutual difference of balls, and (4) uneven distribution of the retainers. , (3), (4) can be dealt with by increasing the manufacturing accuracy of the balls and retainers. However, with regard to (1) and (2), the inner ring, the inner ring, the inner ring, the inner ring, and the inner ring by the transfer to the inner and outer rings, the inclination with respect to the inner and outer rings, Since the outer ring is distorted during assembly, the current situation is that it cannot be achieved simply by increasing the manufacturing accuracy of a single product.
[0005]
On the other hand, conventionally, measures have been taken to change the eigenvalue of the motor by changing a part of the motor, such as shaving or changing the member, so that this does not coincide with the excitation frequency of the bearing. . In this case, unless the motor eigenvalue is significantly deviated from the bearing excitation frequency, the motor eigenvalue may vary due to assembly errors and other factors, resulting in a resonance phenomenon, which is difficult to say as a sufficient countermeasure. It had a problem that it was poor in quality and poor in mass production.
[0006]
The present invention has been made in consideration of such problems of the prior art. The object of the present invention is to eliminate the influence of the NRRO excitation force generated by the assembly, and to determine the excitation frequency of the bearing and the motor. An object of the present invention is to provide a spindle motor capable of reducing the NRRO by avoiding the coincidence with the natural vibration frequency and preventing the occurrence of a resonance problem.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, in the spindle motor according to claim 1 of the present invention, the bearing for rotatably supporting the rotating body with respect to the stationary member is provided at equal intervals in the circumferential direction between the inner ring, the outer ring, and the inner and outer rings. And the lowest excitation frequency of the bearing component at the rated rotation of the motor is set to be equal to or higher than the lowest resonance frequency of the rotating body. It is a super critical bearing.
[0008]
In order to reduce the NRRO during the rated operation of the motor, it is necessary to avoid resonance due to the coincidence between the natural value (natural vibration frequency) of the motor and the excitation frequency of the bearing. FIG. 1 shows the relationship between the number of rotations and vibration frequency in a spindle motor. Characteristic L indicates the characteristic value of the motor, and characteristic M indicates the lowest-order excitation frequency of the bearing. The intersection point a between the characteristic value L of the motor eigenvalue and the characteristic M of the bearing excitation frequency indicates the resonance position of the rotating body. When this intersection point a is located on the rated rotational speed ω of the motor, A resonance phenomenon will occur.
[0009]
In the supercritical bearing in the spindle motor of the present invention described above, the excitation frequency of the bearing at the rated rotation of the motor (rated rotation speed ω) is the resonance frequency of the rotating body, that is, the frequency at the rotation speed ω of the characteristic L (point a). Since the lowest-order excitation frequency is set to the characteristic N so as to obtain a higher frequency (point b), the NRRO can be reduced without causing a resonance phenomenon during rated rotation.
[0010]
In addition, in claim 1 of the present invention, the number of balls of the bearing is Z, the ball diameter is D w , the pitch diameter is D pw , the contact angle of the balls with respect to the inner and outer rings is α, the motor rotation frequency is f r , the motor When the natural vibration frequency at rest is set to f ns , it is set to satisfy the equations 1, 2 and 3 simultaneously.
[0011]
[Expression 1]
[0012]
[Expression 2]
[0013]
[Equation 3]
[0014]
Note that the compound symbols in the formulas and the following description indicate the case where the upper side is the outer ring rotation and the lower side is the inner ring rotation .
The radial vibration of the motors, and Maemawari the whirling in the same direction with respect to the rotation direction of the rotating body, since it is behind around a whirling in the opposite direction, in the radial direction of the eigenvalues of the motor, before There are around and behind. That is, as shown in FIG. 1, the radial eigenvalues of the motor include a forward rotation indicated by the characteristic L and a backward rotation indicated by the characteristic L ′, and the eigenvalue f of the motor at a certain rotational speed (rotational frequency f r ). n is represented by f n = f ns + f r (forward) and f n = f ns −f r (backward), where f ns is an eigenvalue when the motor is stationary. Similarly, in the radial excitation frequency by the bearing, there are a forward rotation indicated by the characteristic M and a backward rotation indicated by the characteristic M ′ in FIG. The resonance phenomenon of the motor is caused by the coincidence between the excitation frequency of the front of the bearing and the eigenvalue of the front of the motor (intersection a in FIG. 1), or the coincidence of the excitation frequency of the back of the bearing and the eigenvalue of the back of the motor. (Intersection point c in FIG. 1), and at this time, the amplitude of NRRO increases.
[0015]
By the way, the radial excitation frequency of a bearing (a bearing formed by interposing a plurality of balls, which are rotatably held at equal intervals in the circumferential direction by a retainer, between a rotating side raceway and a fixed side raceway) There are the following: Here, Z is the number of balls, fr is the rotational frequency of the motor, and n is the order (integer).
(1) Excitation frequency by retainer; nf c
▲ 2 ▼ excitation frequency before around by rotating side raceway; nZ (f r -f c) + f r
▲ 3 ▼ excitation frequency behind around by rotating side raceway; nZ (f r -f c) -f r
(4) Excitation frequency (forward, backward) by the fixed-side raceway; nZf c
▲ 5 ▼ excitation frequency before around by the ball; 2nf b + f c
▲ 6 ▼ excitation frequency behind around by the ball; 2nf b -f c
Where f c is the revolution period of the ball, f b is the rotation period of the ball, the ball diameter is D w , the pitch diameter is D pw , and the contact angle between the ball and the inner and outer rings is α, It is given by Equation 7.
[0016]
[Equation 8]
Figure 0003625984
[0017]
[Equation 9]
Figure 0003625984
[0018]
As described above, in order to reduce the NRRO at the rated rotation of the motor, it is necessary to avoid resonance due to the coincidence of the eigenvalue of the motor and the bearing excitation frequency, but there are many bearing excitation frequencies as described above. Therefore, if the number of balls is set so that the lowest excitation frequency according to the above (2) to (4) passes the natural frequency before the rated rotation is started after the motor starts, other excitation frequencies and eigenvalues can be obtained. It will be easier to find the specifications of the bearing that avoids mating.
That is, in the above items (2) to (4) in which the number of balls Z is a component of the excitation frequency, the lowest order excitation frequency (forward and backward) of the rotating side race and the lowest order excitation frequency of the fixed side race If the number of balls Z is set so that (forward, backward) is higher than the frequency of the motor specific value (forward, backward) during rated operation, the excitation frequency of the rotating side starting wheel and the fixed side starting wheel The resonance phenomenon due to (forward, backward) can be avoided, and only the excitation frequencies of the ball and the retainer need to be considered thereafter.
[0019]
Specifically, the excitation frequency f for front around and behind around the rotating side raceway, f back, the excitation frequency f fix the fixed side raceway rotation-side drive sprocket Maemawari; f for> f ns + 2f r ( pre Eigenvalue of rotation + fr )
Rotation side starting wheel rearward; f back > f ns (rearward eigenvalue + f r )
Fixed side starting wheel (front, rear); f fix > f ns + 2f r (front eigenvalue + f r )
The number of balls Z is set so that The above formula indicates that the excitation frequencies f for , f back , and f fix are higher than (motor eigenvalue + f r ). Here + f r is obtained by setting the margin for variations in, the margin of f r, even if manufacturing errors can respond sufficiently. Margin to this variation may be other values, the use of the f r in setting the bearing specifications, formula is facilitated.
The minimum excitation frequency (forward, backward) of the rotating side raceway is the outer ring primary forward component and the outer ring primary backward component in the case of outer ring rotation, and the inner ring in the case of inner ring rotation. The primary forward component and the inner ring primary backward component.
[0020]
First, the excitation frequency forward component of the rotating side race is examined.
The lowest front forward excitation frequency f for of the rotation side raceway ring is obtained by using the above (2).
f for = Z (f r -f c) + f r
Given in. Here, f c at a rotational frequency of the retainer (orbital period of the ball), represented by the number 8 described above.
[0021]
To be higher than the lowest-order previous Ri reference frequency f with the excitation frequency f for the rotating race is, f for = Z (f r -f c) + f r> for should satisfy f, the f for the reference frequency The condition of the number of balls Z higher than f is expressed by the following equation 10 using the above equation and equation 8.
[0022]
[Expression 10]
Figure 0003625984
[0023]
Next, the excitation frequency backward component of the rotating raceway will be examined.
The lowest-order rearward excitation frequency f back of the rotation side raceway ring is obtained by using the above (3).
f back = Z (f r -f c) -f r
Given in.
To higher than the reference frequency f in the lowest order behind around the excitation frequency f back of the rotating bearing ring, since it suffices to satisfy the f back = Z (f r -f c) -f r> f, the f back is The number of balls Z higher than the reference frequency f is expressed by the following equation 11 using the above equation and equation 8.
[0024]
[Expression 11]
Figure 0003625984
[0025]
Here, the condition that the lowest-order forward excitation frequency f for the rotation side raceway is higher than a certain reference frequency f is the above formula 10, but the reference frequency f is set to f = f n1 + f r (forward eigenvalue + When the rotation frequency), before about eigenvalues f n1 is roughly expressed as f n1 = f ns + f r . Therefore, f = f n1 + f r = f ns + 2f r , and when this is substituted into the equation 10, the following equation 1 is obtained.
[0026]
[Expression 1]
[0027]
Similarly, in the case of the backward rotation, the condition that the lowest-order backward excitation frequency f back of the rotation side raceway is higher than the reference frequency f is as shown in the above-described formula 11, and the reference frequency f is set to f = f Assuming that n2 + f r (rearward eigenvalue + rotational frequency), the rearward eigenvalue f n2 can be roughly expressed as f n2 = f ns −f r . Therefore, f = f n2 + f r = f ns , and when this is substituted into the equation 11, it becomes the same as the equation 1.
Accordingly, two conditions are satisfied: the lowest-order forward excitation frequency f for of the rotation-side raceway is made higher than the reference frequency f, and the lowest-order rearward excitation frequency f back of the rotation-side raceway is made higher than the reference frequency f. The number of balls Z is given by Equation 1.
[0028]
Next, the minimum excitation frequency of the fixed-side race is examined.
(Around front, back around) the lowest-order excitation frequency f fix the has been fixed races, the ▲ 4 ▼ with, given by f fix = Zf c, Table orbital period fc of the ball in the number 8 Therefore, the excitation frequency f fix is as shown in the following equation (12).
[0029]
[Expression 12]
Figure 0003625984
[0030]
In order for the excitation frequency f fix of the fixed-side raceway to be higher than the reference frequency f, it is only necessary to satisfy f fix > f ns , so the number of balls Z at which the excitation frequency f fix is higher than the reference frequency f is given by And using Equation 12, the following Equation 13 is obtained.
[0031]
[Formula 13]
Figure 0003625984
[0032]
Here, the excitation frequency f fix by the fixed bearing ring, before it is both around and behind around the reference frequency f and f = f ns + 2f r, before the excitation by the fixed bearing ring around and after Does not resonate with the surrounding eigenvalues. Therefore, substituting f = f ns + 2f r into equation 13, the following equation 2 is obtained.
[0033]
By the way, in the bearing, there is a geometric upper limit in the number of balls arranged in the circumferential direction as shown in the following equation (3) in order to prevent at least the balls from contacting each other.
[0034]
[Equation 3]
[0035]
As described above, according to the spin dollar motor of the present invention, the number of balls bearing the number 1, number 2, is set so as to satisfy the equation (3) at the same time, the radial direction of the rotating side raceway and the stationary side raceway The excitation frequency can be shifted from the motor eigenvalue with a margin, and a resonance state can be avoided.
[0036]
Further, in the spindle motor according to claim 2 of the present invention, the relationship between the ball diameter D w and pitch diameter D pw of the bearing, when the B = f ns / f r, the number 4 in the case of rotating outer ring, In the case of inner ring rotation, the conditions of Expression 5 are satisfied, and the conditions of Expression 6 and Expression 7 are satisfied.
[0037]
[Expression 4]
[0038]
[Equation 5]
[0039]
[Formula 6]
[0040]
[Expression 7]
[0041]
This claim 2 will be described.
Of the radial excitation frequencies of the bearings described above, the forward excitation frequency (2nf b + f c ) with the rounded number 5 ball and the backward excitation frequency (2nf b −f c ) with the rounded number 6 ball are: Although it is possible to reduce excitation by increasing the manufacturing accuracy of the ball itself, if the excitation frequency exceeds the eigenvalue at rated rotation, safe operation against resonance can be ensured.
[0042]
Specifically, as described with reference to FIG. 1 above, to set a margin of + f r with respect to the excitation frequency of the ball in a certain rotational frequency f r,
Forward of the ball; 2nf b + f c > f ns + 2f r
Ball back around; 2nf b -f c> f ns
And so that, define the relationship between the ball diameter D w and pitch diameter D pw. Incidentally, the rotation frequency f b of the ball is expressed by the following equation 14.
[0043]
[Expression 14]
Figure 0003625984
[0044]
Here, in order for the lowest excitation frequency of the ball to be higher than a reference frequency f,
Forward; 2nf b + f c > f
Behind around; 2nf b -f c> f
If the above formulas are rearranged, the forward formula is the following formula 15, and the backward formula is the following formula 16.
[0045]
[Expression 15]
Figure 0003625984
[0046]
[Expression 16]
Figure 0003625984
[0047]
Then, before the case around, and rearranging at a cosα ≒ 1, f = f ns + 2f r, when the rotating outer ring, the following equation 17, and when the inner ring rotation, the following equation 18. However, A = D pw / D w , is a B = f ns / f r.
[0048]
[Expression 17]
Figure 0003625984
[0049]
[Expression 18]
Figure 0003625984
[0050]
Similarly, in the case of the backward rotation, the following equation 19 is obtained in the case of the outer ring rotation, and the following equation 20 is obtained in the case of the inner ring rotation when cos α≈1 and f = f ns .
[0051]
[Equation 19]
Figure 0003625984
[0052]
[Expression 20]
Figure 0003625984
[0053]
As described in claim 2 of the present invention, the relationship between the ball diameter D w and pitch diameter D pw of the bearing, when the rotating outer ring, the number 17 (number 4), the number 19 (5), when the inner ring rotation It can be seen that the resonance phenomenon due to the radial excitation frequency of the ball can be avoided if the conditions of Equation 18 (Equation 6) and Equation 20 (Equation 7) are satisfied.
[0054]
As described above, the ball number Z, ball diameter D w, by defining the pitch diameter D pw, rotating side raceway, the fixed side raceway, the excitation of the ball can be ignored. As for the excitation frequency of the retainer (1), it is possible to reduce the excitation amplitude itself by increasing the manufacturing accuracy of the individual retainer.
[0055]
Next, in the spindle motor according to the third , fourth, and fifth aspects of the present invention, the number of balls of the bearing is a prime number, the ball of the bearing is made of ceramics, and the rated rotational speed of the motor is It is also characterized by being 10,000 rpm or more.
[0056]
In claims 1 and 2 , only the radial NRRO is shown. Similarly, it is necessary to consider the NRRO in the axial direction. Since the bearing specifications are determined so that the radial resonance frequency and the excitation frequency do not coincide with each other as described in claims 1 and 2 , the axial NRRO should be mainly considered.
[0057]
In general, it is known that the radial and axial NRRO becomes abnormally large when the strain period of the inner and outer rings of the bearing reaches a specific period related to the number of balls. FIG. 2 shows a part of the result of analyzing the relationship between the number of crests of the bearing inner and outer rings and the number of balls with respect to the axial NRRO amplitude. As can be seen from FIG. 2, if the number of balls is a prime number such as 7, 11, 13,..., The axial NRRO is not generated in principle if only a very limited condition is avoided. In order not to increase the number of distortion peaks of the inner and outer rings as shown in FIG. 2, for example, by processing a housing or the like that transfers the shape to the inner and outer rings (notice the number of pawls on the chuck), no NRRO is generated. Can be.
[0058]
In addition, when the spindle motor is used at high speed, the problems of load resistance and bearing life become more severe. The spindle motor needs to maintain at least the same dimensions as the current situation, but if the number of balls is increased by the above-described method, the ball diameter is naturally reduced. As the ball diameter decreases, the stress acting on each ball increases. For this reason, as a solution that satisfies the requirements of high-speed rotation and a large number of balls, it is extremely effective to use ceramics that are light and high in hardness, and are made of different materials from inner and outer rings.
[0059]
Furthermore, as described above, in addition to setting the specifications of the bearing so that the excitation frequency of the bearing does not match the motor eigenvalue, as is apparent from FIG. 1, the rated rotational speed of the motor can be further increased. It is also possible to avoid the resonance phenomenon, and it is also desirable that the rated rotational speed of the motor be 10,000 rpm or more.
[0060]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a fixed shaft type spindle motor that rotates, for example, a hard disk. The spindle motor includes a bracket 2 as a stationary member fixed to the base of the hard disk drive device, a fixed shaft 6 whose lower end is press-fitted into a central boss portion 4 of the bracket 2, and a boss portion 4 of the fixed shaft 6. The rotor hub 10 rotatably supported on the projecting portion via a pair of bearings 8 and 8 and the cylindrical wall 12 provided so as to project upward on the outer peripheral portion of the boss portion 4 were fixed by press fitting or the like. And a stator 14. The bracket 2 may be integrally formed with the base of the apparatus.
[0061]
The rotor hub 10 is made of a magnetic material such as stainless steel, is formed in a substantially cup shape with an opening facing downward, and an annular rotor magnet so that the inner peripheral surface of the cup-shaped outer peripheral wall faces the outer peripheral surface of the stator 14. 16 is mounted, and the hard disk H is held on the disk receiving portion 18 of the rotor hub 10.
[0062]
FIG. 4 shows the details of the bearing 8, and an inner ring 8a fixed to the outer peripheral surface of the shaft 6 with an adhesive or the like, and an outer ring 8b fixed to the inner peripheral surface of the rotor hub 10 with an adhesive or the like. The ball bearing includes a plurality of spherical balls 8c disposed between the inner and outer rings 8a and 8b and a retainer 8d that holds the balls 8c at equal intervals in the circumferential direction. Actually, an appropriate amount of grease is filled in an appropriate place of the retainer 8d for smooth rotation of the ball 8c, and further, the grease is prevented from flowing out to both end surfaces in the axial direction or one end surface between the inner and outer rings 8a, 8b. An annular shield plate is provided. α represents a contact angle.
[0063]
The spindle motor according to the present invention, to satisfy one or more of the following conditions, the bearing specifications (number of balls Z, ball diameter D w, the pitch diameter D pw) is determined. A. At the rated speed of the motor, the lowest-order excitation frequency (forward and backward) of the rotating side starting wheel is set to exceed the natural frequency of the motor.
B. At the rated motor speed, make sure that the lowest excitation frequency (front and rear) of the fixed side starting wheel exceeds the natural frequency of the motor.
C. At the rated motor speed, make sure that the lowest excitation frequency (forward and backward) of the ball exceeds the natural frequency of the motor.
D. At the rated speed of the motor, the retainer excitation frequency and the natural frequency of the motor are not matched.
[0064]
For example, when an outer ring rotary bearing as shown in FIG. 3 is used, the front-side excitation frequency of the rotation side starting wheel, that is, the outer ring, is examined.
As shown in FIG. 5, the natural value of the spindle motor having the rated rotational speed of 10,000 rpm and the natural frequency f ns = 550 Hz when the motor is stationary is indicated by the characteristic L + for the forward rotation and the characteristic L- for the backward rotation, respectively. Then, when an eight-ball bearing that is often used at present is used (number of balls Z = 8, ball diameter D w = 2 mm, pitch diameter D pw = 9 mm, contact angle α = 22.4 deg), a rotating outer ring 5 has a characteristic like F o + in FIG. 5, and the excitation frequency of the outer ring is close to the motor eigenvalue at the rated rotation, and it is understood that the resonance phenomenon is likely to occur. .
[0065]
At this time, as shown by the above-described formula 1 (composite symbol-), when calculating the condition of the number of balls Z for the rotating side starting wheel (f r = 166.67 Hz), Z> 10.82. The condition that the number of balls Z is 11 or more is obtained. Then, when the bearing has 11 balls and the lowest front forward excitation frequency of the outer ring is obtained, a characteristic such as F o + ′ in FIG. 5 is obtained. As is clear from this, by using an 11-ball bearing instead of the current 8-ball bearing, the excitation frequency of the outer ring at the rated speed greatly exceeds the eigenvalue of the motor, and resonance does not occur during the rated operation. I understand.
[0066]
The above is a study on the forward excitation frequency of the outer ring as the rotation starting wheel. Similarly, the rotation excitation wheel backward excitation frequency (composite symbol + in Formula 1), the forward rotation and the backward rotation of the fixed activation wheel. And the number of balls Z satisfying these conditions may be determined.
[0067]
(Around front, back around) the excitation frequency of the ball 8c regard to the ball diameter D w, the pitch diameter D pw, the number 4, number 5 (wheel rotating), the number 6, using the number 7 (inner ring rotation), rated If it is determined to exceed the motor eigenvalue during operation, the resonance phenomenon can be avoided.
[0068]
As mentioned above, although the specific example of this invention was demonstrated, this invention is not limited to the above-mentioned specific example, and can be variously changed in the range which does not deviate from the summary.
[0069]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
2. The spindle motor according to claim 1, wherein at least the lowest excitation frequency of the inner and outer rings is set to be equal to or higher than the lowest resonance frequency of the rotating body among the bearing components at the rated rotation of the motor. Since the rotating body is supported by using this, the excitation frequency of the bearing component does not coincide with or close to the resonant frequency of the rotating body during rated operation, avoiding the resonance phenomenon, and reducing the NRRO. With this, high-precision rotation can be obtained.
[0070]
In particular, in the spindle motor according to claim 1, since the number of balls of the bearing is set so as to satisfy Equations 1, 2 and 3, the rotating side starting wheel and the stationary side at the rated operation time are set. Each of the front and rear excitation frequencies of the starting wheel will exceed the motor eigenvalues (front and rear) with a margin, and the resonance phenomenon caused by the rotating side and fixed side starting wheels can be avoided. Radial NRRO can be reduced.
[0071]
In the spindle motor according to claim 2, the relationship between the ball diameter and the pitch diameter of the balls is such that the conditions of Equations 4 and 5 are satisfied for the outer ring rotation and the Equations 6 and 7 are satisfied for the inner ring rotation. Therefore, the forward and backward excitation frequencies of the ball at the rated rotation exceed the motor eigenvalue, so that the resonance phenomenon caused by the ball can be avoided and the radial NRRO can be reduced.
[0072]
In the spindle motor according to claim 3 , since the number of balls of the bearing is set to a prime number, as shown in FIG. 2, the generation of NRRO amplitude with respect to the distortion period and the number of peaks of the inner and outer rings. A large area is ensured, and axial NRRO amplitude can be prevented from being generated in principle only by avoiding (can be easily avoided) a very limited condition.
[0073]
In the spindle motor according to claim 4 , since the ball of the bearing is made of ceramics, even if the number of balls is set to be larger than that of the conventional one according to claim 1 , the lightweight and high hardness of the ceramics. By utilizing the properties, it is possible to provide a spindle motor capable of exhibiting sufficient stress resistance even with a small ball diameter and capable of high-speed rotation with excellent load resistance and bearing life.
[0074]
According to the spindle motor of the fifth aspect , since the motor rated rotation is set to 10000 rpm or more, the excitation frequency of the bearing at the rated rotation is likely to shift in a direction exceeding the lowest resonance frequency of the motor. Setting of the bearing specifications for shifting the excitation frequency from the motor eigenvalue becomes easy, which is very advantageous in avoiding the resonance phenomenon.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a relationship diagram between a motor eigenvalue and a bearing excitation frequency for explaining the principle of the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining the relationship between the number of distortion peaks of inner and outer rings and the number of balls in relation to the amplitude of the axial NRRO of the bearing.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a specific example of the spindle motor of the present invention.
4A and 4B show a bearing used in FIG. 3, in which FIG. 4A is a plan view and FIG. 4B is a cut front view.
FIG. 5 is a relational diagram between a rotational speed and a vibration frequency showing a relation between a forward excitation frequency of a bearing outer ring and a motor eigenvalue.
[Explanation of symbols]
2 Bracket (stationary member)
8 Bearing 8a Inner ring 8b Outer ring 8c Ball 10 Rotor hub (rotating body)

Claims (5)

静止部材に対して軸受を介して回転体を回転自在に支持してなるスピンドルモータにおいて、前記軸受は、内輪と、外輪と、内外輪間に周方向等間隔に配置された複数個のボールとを有してなり、かつ、モータの定格回転時における軸受構成部材のうち、少なくとも内外輪の最低次の励振周波数が前記回転体の最低次の共振周波数以上に設定されたスーパークリティカル軸受であり、前記軸受のボール数Zが、ボール径をDw、ピッチ径をDpw、ボールの内外輪に対する接触角をα、モータ回転周波数をfr、モータの静止時における固有振動周波数をfnsとしたとき、次の数1、数2及び数3を同時に満たすように設定されていることを特徴とするスピンドルモータ。
Figure 0003625984
Figure 0003625984
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In a spindle motor that rotatably supports a rotating member with respect to a stationary member via a bearing, the bearing includes an inner ring, an outer ring, and a plurality of balls arranged at equal intervals in the circumferential direction between the inner and outer rings. And a supercritical bearing in which at least the lowest excitation frequency of the inner and outer rings is set to be equal to or higher than the lowest resonance frequency of the rotating body among the bearing components at the rated rotation of the motor. The number of balls Z of the bearing is such that the ball diameter is D w , the pitch diameter is D pw , the contact angle of the balls with the inner and outer rings is α, the motor rotation frequency is f r , and the natural vibration frequency when the motor is stationary is f ns . The spindle motor is characterized in that it is set so as to satisfy the following equations 1, 2 and 3 at the same time.
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前記軸受のボール径Dwとピッチ径Dpwとの関係が、B=fns/frとしたとき、外輪回転の場合に次の数4、数5の条件を、内輪回転の場合に次の数6、数7の条件を満足することを特徴とする請求項記載のスピンドルモータ。
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The following relationship between the ball diameter D w and pitch diameter D pw of the bearing, when the B = f ns / f r, the following Equation 4 in the case of the outer ring rotates, the number 5 of conditions, when the inner ring rotation 6, a spindle motor according to claim 1, characterized by satisfying the equation (7) conditions.
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前記軸受のボール数を素数とした請求項1又は2に記載のスピンドルモータ。The spindle motor according to claim 1, wherein the number of balls of the bearing is a prime number. 前記軸受のボールをセラミックスにより構成した請求項1〜3のいずれかに記載のスピンドルモータ。The spindle motor according to claim 1, wherein the ball of the bearing is made of ceramics. 前記モータの定格回転数は、10000rpm以上である請求項1〜4のいずれかに記載のスピンドルモータ。The spindle motor according to any one of claims 1 to 4, wherein a rated rotation speed of the motor is 10,000 rpm or more.
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