JP3625926B2 - 血液透析器用の除菌フィルターユニットと、除菌フィルター付血液透析器 - Google Patents
血液透析器用の除菌フィルターユニットと、除菌フィルター付血液透析器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、広くは医療機器に関するものであり、詳しくは血液浄化療法等に用いられる血液透析器の透析液系を無菌状態に保つのに使用する除菌フィルターユニットや、除菌フィルター付血液透析器に関する。そのうち特に就中、血液透析器の再使用を容易にするためのものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般にダイアライザーと称される血液透析器としては、図12に示すような製品が広く知られている。図示した血液透析器1は、その管本体1aの内部に数多の中空糸型の透析膜2を封入して構成されており、内部は透析膜2によって血液系と透析液系とに分れている。一般に血液系は中空糸内、透析液系は中空糸外となるよう設定されている。管本体1aの両端には血液系に連通する血液流入口3Aと血液流出口3Bが開設され、また透析液系に連通する透析液流入口4Aと透析液流出口4Bも開設されている。
【0003】
このような血液透析器1を実際に使用する場合、血液流入口3Aから血液流出口3Bへ向うように血液を血液系である中空糸内に一方向に流す一方、透析液は透析効率の観点より前記血液の流れとは逆向きとなるよう透析液流入口4Aから透析液流出口4Bへと向うように透析液系である中空糸外を流していた。
【0004】
ただし血液や透析液の流れる向きは、たえず一定に固定されるわけではなく、血液透析器1の血液系への血液凝固や蛋白質が過度に付着するのを防ぐべく、治療中に各々の液の流れを互いに逆向きに反転させるような新しい方法もある。つまり、治療中に使用途中で血液流入口3Aと血液流出口3Bとが互いに逆となり、同時に透析液流入口4Aと透析液流出口4Bも互いに逆となるように使用される。
【0005】
以上のような血液透析器1は、日本国内においては1回使用の使い捨てであった。その主たる理由は、前述したように血液透析器1はその内部が透析膜2により血液系と透析液系とに分れているが、そのうち透析液系は、透析液を無菌状態にすることが困難なためバクテリアに汚染されるからである。しかしながら、新しい血液透析器1は血液にとっては異物であると認識され、生体適合性に欠け副作用を生じさせるおそれがあった。
【0006】
従って、毎回新しい血液透析器1を1回のみの使用で使い捨てにするより、同一患者に再使用した方が血液透析器1の血液系は血液中の蛋白質成分でコーティングされるため、生体適合性が向上しまた経済的でもあった。以上のような事情から海外では、複数回の血液透析器1の再使用が一般的に行われている。かかる血液透析器1の再使用は、毎回使用後に洗浄と殺菌消毒を行い、次回の使用までバクテリア汚染を起こさない状態で保管して行われていた。
【0007】
すなわち、血液透析器1の透析液系は透析中にバクテリアにより汚染され、このバクテリアは透析膜2を透過できないが、バクテリアが産生する毒素(例えば、エンドトキシン等)は透析膜2を通過できるため、血液透析器1を再使用する場合には毎回殺菌消毒を行う必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した血液透析器1を殺菌消毒する殺菌剤は生体にとっても有毒であるため、毎回再使用直前に血液透析器1内の殺菌剤の残留が無くなるまで無菌水で入念に洗浄しなければならない。ところが、殺菌剤はその性質上透析膜2へ吸着するため、十分に殺菌剤を除去する作業にはかなりの時間と労力を要し、コストアップの要因になるという問題点があった。更に、血液透析器1の洗浄と薬剤による殺菌消毒作業には、医療従事者に対するウイルス感染や薬害が発生するおそれも伴うものであった。
【0009】
一方、血液透析器1は、使用することにより透析膜2の内壁は蛋白質成分によりコーティングされ、生体適合性が向上する。しかしながら、蛋白質は殺菌剤で異種蛋白質へ変成するため、消毒により逆に生体適合性が低下する結果を招いてた。以上のように、従来の血液透析器1のみでは、その殺菌消毒が再使用上の最大の問題であった。
【0010】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、除菌フイルターを利用して血液透析器中の透析液系のバクテリア汚染を効果的に防止でき、再使用時に透析液系を直接殺菌消毒する煩雑な作業を省ける共に、生体適合性を損なうこともなく、しかも除菌フィルター自体は十分に殺菌洗浄することができる血液透析器用の除菌フィルターユニットと、除菌フィルター付血液透析器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した問題点を解決すべく鋭意検討の結果生じたものであり、かかる本発明の要旨とするところは、以下の各項に存する。
請求項1記載の発明では、
血液透析器(10)を無菌状態に保つのに使用する除菌フィルターユニット(20/40)であって、
除菌フィルター(25A/46A)により送入口側と送出口側とに区分される第1除菌室(22A/45A)と、他の除菌フィルター(25B/46B)により同じく送入口側と送出口側とに区分される第2除菌室(22B/45B)とを含むフィルターケース(21,41)を備え、
血液透析器(10)の透析液流入口(12A)に連通させる前記第1除菌室(22A/45A)の送出口(23B/48A)と、血液透析器(10)の透析液流出口(12B)に連通させる前記第2除菌室(22B/45B)の送入口(24A/48B)とを互いに近接させて接続部(26/47)を形成し、
前記接続部(26/47)に、その送出口側及び送入口側の途中部位を互いに連通させて前記血液透析器(10)側への液体の流出入を阻止する消毒時位置と、前記途中部位を互いに連通させることなく前記血液透析器(10)側へ透析液を流出入させる透析時位置とに切替可能な開閉手段(27/49)を設けたことを特徴とする血液透析器(10)用の除菌フィルターユニット(20/40)に存する。
【0012】
また、請求項2記載の発明では、
前記フィルターケース(21)は、それぞれ数多の中空糸型除菌フィルター(25A,25B)が封入された第1除菌室(22A)を成す第1ケース管(21A)、及び第2除菌室(22B)を成す第2ケース管(21B)とから成り、
前記各ケース管(21A,21B)内の除菌室(22A,22B)のうち中空糸内に連通させた一端側に前記送出口及び送入口の何れか一方を配置し、中空糸外に連通させた他端側に前記送出口及び送入口の何れか他方を配置したことを特徴とする請求項1記載の血液透析器(10)用の除菌フィルターユニット(20)に存する。
【0013】
また、請求項3記載の発明では、
前記フィルターケース(41)は、扁平な中間基板(42)と、その表裏面にそれぞれ平膜型除菌フィルター(46A,46B)を介在させた状態で周端縁が中間基板(42)側に密着するよう着脱自在に組付ける一対の挾持板(50A,50B)とから成り、
前記中間基板(42)表面と一挾持板(50A)内面との各周端縁中側に、その間に挾持される一の平膜型除菌フィルター(46A)により透析液の送入口側と送出口側とに区分される前記第1除菌室(45A)を形成する一方、前記中間基板(42)裏面と他挾持板(50B)内面との各周端縁中側に、その間に挾持される他の平膜型除菌フィルター(46B)により透析液の送入口側と送出口側とに区分される前記第2除菌室(45B)を形成し、
前記一挾持板(50A)に第1除菌室(45A)に連通する送入口(53A)を配置する一方、前記他挾持板(50B)に第2除菌室(45B)に連通する送出口(53B)を配置し、
前記中間基板(42)の一端部に、第1除菌室(45A)に連通し血液透析器(10)の透析液流入口(12A)に連通させる送出口(48A)と、第2除菌室(45B)に連通し血液透析器(10)の透析液流出口(12B)に連通させる送入口(48B)とを互いに近接させて配置したことを特徴とする請求項1記載の血液透析器(10)用の除菌フィルターユニット(40)に存する。
【0014】
また、請求項4記載の発明では、
請求項1,2または3記載の除菌フィルターユニット(20a)を、予め血液透析器(10a)と一体として構成したことを特徴とする除菌フィルター付血液透析器(30)に存する。
【0017】
次に前述した解決手段に基づく作用を説明する。
請求項1に係る除菌フィルターユニット(20/40)によれば、フィルターケース(21,41)内にある第1除菌室(22A/45A)及び第2除菌室(22B/45B)の各除菌フィルター(25A,25B/46A,46B)によって、血液透析器(10)へ流出入させる透析液を、その流れの向きに関係なく時前にバクテリアを捕捉するように濾過でき、常時無菌の透析液を血液透析器(10)へ供給することで、血液透析器(10)を無菌状態に保つことが可能となる。
【0018】
透析に際しては、予め除菌フィルターユニット(20,40)の接続部(26/47)を成す第1除菌室(22A/45A)の送出口(23B/48A)を血液透析器(10)の透析液流入口(12A)に連通させ、同じく接続部(26/47)を成す第2除菌室(22B/45B)の送入口(24A/48B)を血液透析器(10)の透析液流出口(12B)に連通させる。このとき、接続部(26/47)に設けた開閉手段(27/49)は、血液透析器(10)側へ透析液を流出入させる透析時位置に切替ておく。
【0019】
そして、第1除菌室(22A/45A)の送入口(23A/53A)へ透析液の供給を開始すると、透析液は除菌フィルター(25A/46A)で濾過され、前記接続部(26/47)を成す送出口(23B/48A)から血液透析器(10)の透析液流入口(12A)へと導入される。
【0020】
血液透析器(10)中の透析液系を流れた透析液は、透析液流出口(12B)から前記接続部(26/47)を成す第2除菌室(22B/45B)の送入口(24A/48B)へと送られ、今度は第2除菌室(22B/45B)内の除菌フィルター(25B/46B)で再び濾過された後、第2除菌室(22B/45B)の送出口(24B/53B)から排出される。
【0021】
血液透析器(10)へ流出入させる透析液の流れの向きを反転させる場合、フィルターケース(21,41)内の第1除菌室(22A/45A)と第2除菌室(22B/45B)や、血液透析器(10)の透析液流入口(12A)と透析液流出口(12B)との相対的な位置関係を前記の配置と逆にすればよい。
【0022】
つまり今度は、前回の第2除菌室(22B/45B)を第1除菌室とみなし、同様に前回の透析液流出口(12B)を透析液流入口とみなして、それぞれ互いに反転させればよい。この場合、透析液は前回の第2除菌室(22B/45B)の送出口(24B/53B)(新たな第1除菌室の送入口)から供給され、透析済の透析液は前回の第1除菌室(22A/45A)の送入口(23A/53A)(新たな第2除菌室の送出口)から排出される。
【0023】
かくして血液透析器(10)は、本発明に係る除菌フィルターユニット(20,40)の第1除菌室(22A/45A)及び第2除菌室(22B/45B)の各除菌フィルター(25A,25B/46A/46B)により、透析液を流す向きの反転操作に拘らずバクテリアで直接汚染されることはなくなり、血液透析器(10)の殺菌消毒作業は不要となる。
【0024】
その結果、血液透析器(10)中の透析膜表面をコーティングする血液の蛋白質成分が殺菌剤で異種蛋白質に変成することがなく、生体適合性を損なわずにすむ。また、血液透析器(10)の殺菌消毒作業に伴う医療従事者のウイルス感染や薬害発生のおそれも解消することができる。
【0025】
一方、除菌フィルターユニット(20,40)は、透析液中のバクテリアを捕捉して無菌状態ではなくなるめ、これを再使用するに際しては殺菌消毒する必要がある。かかる殺菌消毒を行う場合、先ず前記接続部(26/47)に設けた開閉手段(27/49)を、接続部(26/47)の送出口(23B/48A)側及び送入口側(24A/48B)の途中部位を互いに連通させて前記血液透析器(10)側への液体の流出入を阻止する消毒時位置に切替ればよい。
【0026】
そして、第1除菌室(22A/45A)の送入口(23A/53A)へ殺菌用薬剤を供給すると、薬剤は主として第1除菌室(22A/45A)の除菌フィルター(25A/46A)を殺菌し、続いて開閉手段(27/49)を経由して前記血液透析器(10)側へ流れることなく、そのまま第2除菌室(22B/45B)の送入口(24A/48B)へ流れ、この第2除菌室(22B/45B)の除菌フィルター(25B/46B)を殺菌して送出口(24B/48B)から排出される。なお、逆向きに第2除菌室(22B/45B)の送出口(24B/53B)から薬剤を供給するようにしてもよい。
【0027】
以上のような殺菌消毒により、従来の如く血液透析器(10)中に薬剤が流入することがなく、従って、再使用に際し血液透析器(10)中の特に透析膜から薬剤を除去する無菌水での洗浄作業は不要となり、再使用に際して余分な時間や労力を削減することが可能となる。
【0028】
また、請求項2に係る除菌フィルターユニット(20)によれば、既存の中空糸型除菌フィルター(25A,25B)が封入されたケース管(21A,21B)を組合すことで比較的容易に製造することができ、その分コスト低減が可能となる。ここで中空糸型除菌フィルター(25A,25B)は交換可能なカートリッジ型としてもよい。
【0029】
また、請求項3に係る除菌フィルターユニット(40)によれば、フィルターケース(41)から汚れたり古くなった平膜型除菌フィルター(46A,46B)のみ容易に取り出すことができ、フィルター(46A,46B)のみの交換でケース(41)自体は長期間繰り返し使用することができる。
【0030】
また、請求項4に係る除菌フィルター付血液透析器(30)によれば、前記除菌フィルターユニット(20a)を予め血液透析器(10a)と一体として構成するので、コンパクト化することが可能であり、組み付けの手間が省けて取扱い上も便利である。
【0031】
更に、請求項5に係る除菌フィルターユニットや、請求項6に係る除菌フィルター付血液透析器は、例えば、前述した請求項1,2または3に係る除菌フィルターユニット(20,40)、及び請求項4に係る除菌フィルター付血液透析器(30)において、透析液流出口(12B)に連通させる第2除菌室(22B,45B)から除菌フィルター(25B,46B)を除いた形態となり、より一層と構成を簡易化することができる、ただし、かかる形態では治療中に血液・透析液の流れを互いに逆向きに反転させるような新しい方法を前提とするものではない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
図1〜図5は本発明を代表する第1の実施の形態を示し、図6は第1の実施の形態の変形例を示している。
本実施形態に係る除菌フィルターユニット20は、血液透析器10をその使用中に無菌状態に保つことで殺菌消毒の手間を省き、血液透析器10の再使用を容易にするためのユニットである。
【0033】
ここで血液透析器10は従来のもの(図12参照)とほぼ同様に、管本体内部に数多の中空糸型透析膜を封入して構成され、管本体内部は中空糸内となる血液系と中空糸外となる透析液系とに分かれている。管本体の両端には血液流入口11Aと血液流出口11B、及び透析液流入口12Aと透析液流出口12Bが開設されている。なお、血液流出入口11A,11Bには血液回路を成す血液チューブ14が接続される。
【0034】
図1に示すように除菌フィルターユニット20は、大まかに言えばフィルターケース21と開閉手段としての切替バルブ27とを具備して成る。フィルターケース21は第1ケース管21Aと第2ケース管21Bとに分かれており、それぞれに数多の除菌フィルター25A,25Bが封入されている。除菌フィルター25A,25Bは例えば、ポリエチレン製中空糸膜でありポアサイズ0.015ミクロンのものが適する。第1ケース管21A内である第1除菌室(22A/45A)22Aは、除菌フィルター25Aにより送入口側と送出口側とに区分され、除菌フィルター25Aである中空糸内に連通する一端側に送入口23Aが開口し、中空糸外に連通する他端側に送出口23Bが開口している。
【0035】
一方、第2ケース管21B内である第2除菌室22Bも、同様に除菌フィルター25Bにより送入口側と送出口側とに区分されているが、除菌フィルター25Bである中空糸内に連通する一端側に送出口24Bが開口し、中空糸外に連通する他端側に送出口24Aが開口している。なお、前記除菌フィルター25A,25Bは、一般の浄水器に見られるように交換可能なカートリッジ型として構成してもよい。
【0036】
ところで、第1ケース管21Aと第2ケース管21Bは同一の構成であり、互いに逆すなわち、図1中で上となる方を第2ケース管21Bではなく第1ケース管21Aとし、下となる方を第1ケース管21Aではなく第2ケース管21Bとしてもよい。これは血液透析器10中の透析液の流れの向きを反転させる透析手法に対応するものである。
【0037】
第1除菌室22A(第1ケース管21A)の送出口23Bが透析液チューブ13を介して血液透析器10の透析液流入口12Aに連通接続され、第2除菌室22B(第2ケース管21B)の送入口24Aが透析液チューブ13を介して血液透析器10の透析液流入口12Aに連通接続される。送出口23Bと送入口24Aは互いに近接し一部重合されて接続部26が形成されている。この接続部26の途中にはプラスチック製の前記切替バルブ27が一体的に設けられている。
【0038】
切替バルブ27は、接続部26を成す送出口23B及び送入口24Aの途中部位を、図4に示す如く互いに連通させることなく血液透析器10側へ透析液を流出入させる透析時位置と、前記途中部位を図5に示す如く互いに連通させて血液透析器10側への液体(殺菌消毒用薬剤)の流出入を阻止する消毒時位置とに切替可能なものである。
【0039】
更に詳しく言えば、切替バルブ27は、送出口23B及び送入口24Aの途中部位に連通するよう介装された円柱形のバルブケース28内に、ハンドル29aで回転操作するバルブ体29を内設して成る。バルブ体29はバルブケース28内部を直径方向に区分するものである。かかるバルブ体29を、図4に示す如く接続部26と平行にすると、2分されたバルブケース28内を介して送出口23B及び送入口24Aはそれぞれ別々に連通する。
【0040】
その一方、図5に示す如くバルブ体29を接続部26と直交させると、送出口23B及び送入口24Aを共に分断するようバルブケース28内を二分し、かつ二分されたバルブケース28の一方の部屋を介して送出口23B及び送入口24Aの途中部位が互いに連通するように設定されている。なお、開閉手段の具体的構成は図示した切替バルブ27に限定されるわけではなく、他の三方向コックやタップ等から構成してもよい。
【0041】
次に第1の実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係る除菌フィルターユニット20を利用するに際しては、図1に示すように、予め接続部26を成す送出口23Aを、透析液チューブ13を介して血液透析器10の透析液流入口12Aに連通させ、同じく接続部26を成す送入口24Aを、透析液チューブ13を介して血液透析器10の透析液流出口12Bに連通させる。このとき、接続部26に設けた切替バルブ27は、図4に示すように血液透析器10側へ透析液を流出入させる透析時位置に切替ておく。
【0042】
そして、図2に示すように、第1除菌室22Aの送入口23Aへ新たな透析液の供給して透析を開始すると、透析液は最初の除菌フィルター25Aで濾過され後、接続部26を成す送出口23Bを通り、図4に示すバルブ体29で2分されたバルブケース28内片側の流路を経て、透析液チューブ13を介して血液透析器10の透析液流入口12Aへと導入される。
【0043】
血液透析器10中の透析液系を、血液系中の血液と逆向きに流れた透析液は、透析液流出口12Bより出て透析液チューブ13を通り、図4に示すバルブ体29で2分されたバルブケース28内片側の流路を経て、そのまま送入口24Aを通って第2除菌室22Bへと送られる。そして、今度は第2除菌室22B内の除菌フィルター25Bで透析液は再び形式的に濾過された後、第2除菌室22Bの送出口24Bから使用済の廃液として排出される。
【0044】
血液透析器10へ流出入させる透析液の流れの向きを反転させる場合、フィルターケース21内の第1除菌室22Aと第2除菌室22Bや、血液透析器10の透析液流入口12Aと透析液流出口12Bとの相対的な位置関係を前記の配置と逆にすればよい。つまり今度は、前回の第2除菌室22Bを第1除菌室とみなし、同様に前回の透析液流出口12Bを透析液流入口とみなして、それぞれ互いに反転させればよい。この場合、新たな透析液は前回の第2除菌室22Bの送出口24B(新たな第1除菌室の送入口)から供給され、透析済の透析液は前回の第1除菌室22Aの送入口23A(新たな第2除菌室の送出口)から廃液として排出される。
【0045】
以上のように除菌フィルターユニット20によれば、フィルターケース21内にある第1除菌室22A及び第2除菌室22Bの各除菌フィルター25A,25Bによって、血液透析器10へ流出入させる透析液を、その流れの向きに関係なく時前にバクテリアを捕捉するように濾過でき、常時無菌の透析液を血液透析器10へ供給することで、血液透析器10を無菌状態に保つことが可能となる。
【0046】
それにより、血液透析器10の殺菌消毒作業は不要となる。その結果、血液透析器10中の透析膜表面をコーティングする血液の蛋白質成分が殺菌剤で異種蛋白質に変成することがなく、生体適合性を損なわずにすむ。また、血液透析器10の殺菌消毒作業に伴う医療従事者のウイルス感染や薬害発生のおそれも解消することができる。
【0047】
一方、除菌フィルターユニット20において、第1除菌室22Aの送入口側と第2除菌室22Bの送出口側は、透析液中のバクテリアを捕捉して無菌状態ではなくなるめ、これを再使用するに際しては殺菌消毒する必要がある。かかる殺菌消毒を行う場合、先ず前記接続部26に設けた切替バルブ27を、図5に示すように接続部26の送出口23B側及び送入口24A側の途中部位を互いに連通させて、血液透析器10側への液体の流出入を阻止する消毒時位置に切替ればよい。
【0048】
そして、第1除菌室22Aの送入口23Aへ透析液の代りに殺菌用薬剤を供給すると、薬剤は主として第1除菌室22Aの除菌フィルター25Aを殺菌し、続いて送入口23Aと送入口24Aとの途中が互いに連通する切替バルブ27のバルブケース28内の一方の部屋を経由し、薬剤は血液透析器10側へ流れることなくそのまま第2除菌室22Bへ流れ込み、この第2除菌室22Bの除菌フィルター25Bも殺菌して送出口24Bから排出される。なお、逆向きに第2除菌室22Bの送出口24Bから薬剤を供給するようにしてもよい。
【0049】
以上のような殺菌消毒により、従来の如く血液透析器10中に薬剤が流入することがなく、従って、再使用に際し血液透析器10中の特に透析膜から薬剤を除去する無菌水での洗浄作業は不要となり、再使用に際して余分な時間や労力を削減することが可能となる。
【0050】
図6は前述した第1の実施の形態の変形例を示している。この変形例では、除菌フィルター25A,25Bである中空糸のポッティングによる開口端群が接続部26側を向くよう、前記第1実施形態とは逆向きに構成されている。すなわち、第1除菌室22Aでは、除菌フィルター25Aである中空糸外に連通する一端側に送入口23Aが開口し、中空糸内に連通する他端側に送出口23Bが開口している。一方、第2除菌室22Bでは、除菌フィルター25Bの中空糸外に連通する一端側に送出口24Bが開口し、中空糸内に連通する他端側に送出口24Aが開口している。
【0051】
このように、除菌フィルター25Aにより送入口側と送出口側とに区分される第1除菌室22Aと、他の除菌フィルター25Bにより同じく送入口側と送出口側とに区分される第2除菌室22Bとを含むフィルターケース21は、様々な態様に構成することができる。また、図6に示す変形例では、血液透析器10や除菌フィルターユニット20を図1に示すものに対して反転させた状態を示している。なお、除菌フィルター25A,25Bは、ポリエチレン製中空糸膜に限られるものではなく、その他、平膜型除菌フィルターを封入している製品を利用しても構成してもよい。
【0052】
図7は本発明の第2の実施の形態を示している。
本実施形態に係る除菌フィルター付血液透析器30は、除菌フィルターユニット20aを予め血液透析器10aと一体として構成したものである。除菌フィルターユニット20aを成す第1ケース管21Aと第2ケース管21Bとは長手方向に延びるように一体的に成形されており、この接続部26が血液透析器10aの略中央部に対して連通するように一体的に成形されている。図7に示すように、除菌フィルターユニット20aは接続部26を介して血液透析器10aと略平行となるようコンパクトに一体成形されている。
【0053】
接続部26が連通する血液透析器10aの一側側内壁には、両端方向に延びる仕切板15が配設されており、この仕切板15と血液透析器10aの内壁との間が、略中央を境にして上下に分かれる透析液流入路16Aと透析液流出路16Bとになっている。透析液流入路16Aから出た透析液は、血液透析器10aの他端側へと移動し、透析液流出路16Bを通って再び除菌フィルターユニット20a側へ導入されるようになっている。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0054】
本実施形態によれば、除菌フィルターユニット20aを予め血液透析器10aと一体として構成するので、コンパクト化することが可能であり、組み付けの手間が省けて取扱い上も便利である。なお、血液透析器10aや除菌フィルターユニット20aの具体的形状は図示したものに限定されるわけではなく、例えば、図1に示す除菌フィルターユニット20を血液透析器10aと一体に組合せるように構成してもよい。
【0055】
図8〜図11は本発明の第3の実施の形態を示している。
本実施形態に係る除菌フィルターユニット40は、組立式になっており使用者が簡単にフィルター交換できるように構成されている。かかる除菌フィルターユニット40の主要部である円盤型のフィルターケース41は、扁平な中間基板42と、その表裏面にそれぞれ平膜型除菌フィルター46A,46Bを介在させた状態で、周端縁が中間基板42側に密着する一対の挾持板50A,50Bとから成る。一対の挾持板50A,50Bは、中間基板42に対して着脱自在に組付けられるようになっている。
【0056】
中間基板42はその表裏面の周端縁43より中側に、それぞれ第1除菌室45Aまたは第2除菌室45Bをなす凹部44A,44Bが形成されており、また中間基板42の一端部には前述した血液透析器10に連通接続させる接続部47が形成されている。周端縁43の適所には、後述する一対の挾持板50A,50Bを組付けるためのネジ孔43a,43a…が設けられている。各凹部44A,44Bの内面は、平膜型除菌フィルター46A,46Bを装入した際に該フィルターとの間に隙間を生じさせるための波状溝が形成されている。
【0057】
接続部47には、前記凹部44Aからなる第1除菌室45Aに連通する送出口48Aと、前記凹部44Bからなる第2除菌室45Bに連通する送入口48Bとが互いに近接するよう形成されている。ここで送出口48Aは、図1に示す血液透析器10の透析液流入口12Aに連通接続させる部位であり、一方の送入口48Bは、血液透析器10の透析液流出口12Bに連通させる部位である。また、接続部47には開閉手段としての切替バルブ49が設けられている。これについては後述する。
【0058】
一対の挾持板50A,50Bは互いに同一部材であり、挾持板50Aを代表して説明する。この挾持板50Aは円盤型に形成されており、その周端縁をなすフランジ部51Aの中側に、前記中間基板42の凹部44Aに対応する嵌入部52Aを設けてなる。嵌入部52Aの端面は、平膜型除菌フィルター46Aに接した際に該フィルターとの間に隙間を生じさせる波状溝に形成されている。また、挾持板50Aの略中央には、透析液等を供給するための送入口53Aが形成されている。一方の挾持板50Bの略中央には、使用済の透析液等を排出するための送出口53Bが形成されている。
【0059】
挾持板50Aは、その嵌入部52Aが凹部44Aに入るよう中間基板42にネジ54で取付けられるものであり、凹部44Aと嵌入部52Aとに囲まれる平たい空間が第1除菌室45Aとなる。一方の凹部44Bと嵌入部52Bとに囲まれる平たい空間が第2除菌室45Bとなる。各除菌室45A,45Bにはそれぞれ除菌フィルター46A,46Bが介装されるが、この各除菌フィルター46A,46Bの周端は、互いに密着する凹部44A,44Bと嵌入部52A,52Bとの各周端縁間に密嵌されている。このような除菌フィルター46A,46Bによって、第1除菌室45A,第2除菌室45Bは、それぞれ透析液の送入口側と送出口側とに区分されている。
【0060】
前記接続部47に設けられた切替バルブ49は、送出口48A及び送入口48Bの途中部位を、図9に示す如く互いに連通させることなく血液透析器側へ透析液を流出入させる透析時位置と、前記途中部位を図11に示す如く互いに連通させて血液透析器側への液体(殺菌消毒用薬剤)の流出入を阻止する消毒時位置とに切替可能なものである。この切替バルブ49は、前記第1実施形態の切替バルブ27と同様の働きをなすものである。
【0061】
更に詳しく言えば、切替バルブ49は略円柱状部材であり、送出口48A及び送入口48Bの途中部位を分断するように接続部47に回転可能に内挿されている。かかる切替バルブ49の上端には回転操作のためのハンドル49dが設けられ、また中途部位には、送出口48A、送入口48Bの途中にそれぞれ別々に連通する挿通孔49a,49bや、送出口48A、送入口48Bを互いに連通される切欠49cが設けられている。
【0062】
切替バルブ49を、図8及び図9に示す如く透析時位置にすると、挿通孔49a,49bを通して送出口48A及び送入口48Bはそれぞれ別々に連通し、図11に示す如く消毒時位置にすると、切欠49cを介して送出口48A及び送入口48Bの途中部位が互いに連通するように設定されている。なお、開閉手段の具体的構成は図示した切替バルブ49に限定されるわけではなく、他の三方向コックやタップ等から構成してもよい。
【0063】
次に第3の実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係る除菌フィルターユニット40の場合、図9において第1除菌室45Aの送入口48Aへ新たな透析液の供給すると、透析液は先ず除菌フィルター45Aで濾過され後、第1除菌室45A内で除菌フィルター46Aの下側を通り、切替バルブ49の挿通孔49aを経て送出口48Aから、例えば図1に示す血液透析器10の透析液流入口12Aへと導入される。
【0064】
使用済の透析液は送入口48Bに導かれ、切替バルブ49の挿通孔49bを通ってそのまま第2除菌室45B内の除菌フィルター46Bの上側へと送られる。そして、除菌フィルター46Bで透析液は再び形式的に濾過された後、第2除菌室45Bの送出口53Bから使用済の廃液として排出される。もちろん、本実施形態でもフィルターケース41中の透析液の流れの向きを反転させてもよい。
【0065】
除菌フィルターユニット40を殺菌消毒する場合には、図11において、第1除菌室45Aの送入口53Aへ殺菌用薬剤を供給すると、薬剤は主として第1除菌室45Aの除菌フィルター46Aを殺菌し、続いて送出口48Aと送入口48Bとの途中が互いに連通する切替バルブ49の切欠49cを経由して、薬剤は血液透析器側へ流れることなく、そのまま第2除菌室45Bへ流れ、この第2除菌室45Bの除菌フィルター46Bも殺菌して送出口53Bから排出される。なお、逆向きに第2除菌室45Bの送出口53Bから薬剤を供給するようにしてもよい。
【0066】
以上のような除菌フィルターユニット40によれば、使用者自身がフィルターケース41を簡単に分解して、もはや再使用できないくらい汚れたり古くなった平膜型除菌フィルター46A,46Bを容易に取り出すことができ、かかるフィルター46A,46Bのみを交換すればよく、それにより、ケース自40体は反永久的に繰り返し使用することができる。なお、予め接続部47の送出口48A及び送入管48Bを、例えば図7に示す血液透析器10aに対して一体的に接続して、別タイプの除菌フィルター付血液透析器として構成してもよい。
【0067】
また、図示省略したが、フィルターケースの送出口と血液透析器の透析液流入口とを互いに連通させる接続部に、血液透析器側への液体の流入を阻止する消毒時位置と、血液透析器側へ透析液を流入させる透析時位置とに切替可能な開閉手段を設けて除菌フィルターユニットとしてもよい。更に、この除菌フィルターユニットを、予め血液透析器と一体として構成して除菌フィルター付血液透析器としてもよい。
【0068】
このような除菌フィルターユニットや、除菌フィルター付血液透析器は、具体的には例えば、前述した第1実施形態,第3実施形態に係る除菌フィルターユニット20,40、及び第2実施形態に係る除菌フィルター付血液透析器30において、透析液流出口12Bに連通させる第2除菌室22B,45Bから除菌フィルター25B,46Bを除いた形態となり、より一層と構成を簡易化することができる、ただし、この場合は治療中に血液・透析液の流れを互いに逆向きに反転させるような新しい方法を前提とするものではない。
【0069】
もちろん、本発明に係る除菌フィルターユニットと、除菌フィルター付血液透析器の具体的構成は、図示した各種実施の形態に限定されるものではない。
【0070】
【発明の効果】
本発明に係る除菌フィルターユニットによれば、血液透析器へ透析液を流す向きに拘らず、この血液透析器のバクテリア汚染を確実に防止でき、血液透析器の再使用時に該透析器自体を直接殺菌消毒しその薬剤を除去するような煩雑な作業を省くことができ、使い勝手が良くコストを低減することができる。
【0071】
また、血液透析器中の透析膜表面をコーティングする血液の蛋白質成分が薬剤で異種蛋白質に変成するおそれがなく、再使用する血液透析器の生体適合性や安全性を大幅に向上させることができる。
【0072】
しかも、血液透析器の殺菌消毒作業に伴う医療従事者のウイルス感染や薬害発生のおそれも解消する。更に、除菌フィルターユニットを殺菌消毒する場合に、たとえ本ユニットが血液透析器に連通接続したままの状態であっても、開閉手段の切替により血液透析器側に薬剤が流入することを確実に防ぐことが可能であり、除菌フィルターのみを容易かつ迅速に殺菌洗浄することができる。
【0073】
また、除菌フィルターユニット付血液透析器によれば、前述した効果に加えて、全体的にコンパクト化することが可能であり、また組付けの手間が省けて、取扱い上も便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る除菌フィルターユニットを血液透析器に接続した状態を概略的に示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る除菌フィルターユニットの透析時の状態を説明するための正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る除菌フィルターユニットの消毒時の状態を説明するための正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る除菌フィルターユニットを構成する切替バルブを透析時位置にした状態を示す正面図(a)と断面図(b)である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る除菌フィルターユニットを構成する切替バルブを消毒時位置にした状態を示す正面図(a)と断面図(b)である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る除菌フィルターユニットを概略的に示す正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る除菌フィルターユニット付血液透析器を概略的に示す正面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る除菌フィルターユニットを分解して示す側面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る除菌フィルターユニットを示す断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る除菌フィルターユニットを示す正面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る除菌フィルターユニットを構成する切替バルブを消毒時位置にした状態を示す正面図(a)と断面図(b)である。
【図12】従来の血液透析器を示す断面図である。
【符号の説明】
10…血液透析器
20…除菌フィルターユニット
21…フィルターケース
21A…第1ケース管
21B…第2ケース管
22A…第1除菌室
22B…第2除菌室
25A,25B…中空糸型除菌フィルター
26…接続部
27…切替バルブ(開閉手段)
30…除菌フィルター付血液透析器
40…除菌フィルターユニット
41…フィルターケース
42…中間基板
50A,50B…挾持板
45A…第1除菌室
45B…第2除菌室
46A,46B…平膜型除菌フィルター
47…接続部
49…切替バルブ(開閉手段)
Claims (4)
- 血液透析器を無菌状態に保つのに使用する除菌フィルターユニットであって、
除菌フィルターにより送入口側と送出口側とに区分される第1除菌室と、他の除菌フィルターにより同じく送入口側と送出口側とに区分される第2除菌室とを含むフィルターケースを備え、
血液透析器の透析液流入口に連通させる前記第1除菌室の送出口と、血液透析器の透析液流出口に連通させる前記第2除菌室の送入口とを互いに近接させて接続部を形成し、
前記接続部に、その送出口側及び送入口側の途中部位を互いに連通させて前記血液透析器側への液体の流出入を阻止する消毒時位置と、前記途中部位を互いに連通させることなく前記血液透析器側へ透析液を流出入させる透析時位置とに切替可能な開閉手段を設けたことを特徴とする血液透析器用の除菌フィルターユニット。 - 前記フィルターケースは、それぞれ数多の中空糸型除菌フィルターが封入された第1除菌室を成す第1ケース管、及び第2除菌室を成す第2ケース管とから成り、
前記各ケース管内の除菌室のうち中空糸内に連通させた一端側に前記送出口及び送入口の何れか一方を配置し、中空糸外に連通させた他端側に前記送出口及び送入口の何れか他方を配置したことを特徴とする請求項1記載の血液透析器用の除菌フィルターユニット。 - 前記フィルターケースは、扁平な中間基板と、その表裏面にそれぞれ平膜型除菌フィルターを介在させた状態で周端縁が中間基板側に密着するよう着脱自在に組付ける一対の挾持板とから成り、
前記中間基板表面と一挾持板内面との各周端縁中側に、その間に挾持される一平膜型除菌フィルターにより透析液の送入口側と送出口側とに区分される前記第1除菌室を形成する一方、前記中間基板裏面と他挾持板内面との各周端縁中側に、その間に挾持される他平膜型除菌フィルターにより透析液の送入口側と送出口側とに区分される前記第2除菌室を形成し、
前記一挾持板に第1除菌室に連通する送入口を配置する一方、前記他挾持板に第2除菌室に連通する送出口を配置し、
前記中間基板の一端部に、第1除菌室に連通し血液透析器の透析液流入口に連通させる送出口と、第2除菌室に連通し血液透析器の透析液流出口に連通させる送入口とを互いに近接させて配置したことを特徴とする請求項1記載の血液透析器用の除菌フィルターユニット。 - 請求項1,2または3記載の除菌フィルターユニットを、予め血液透析器と一体として構成したことを特徴とする除菌フィルター付血液透析器。
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