JP3625691B2 - パック電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PTC素子を内蔵しているパック電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
PTC素子は、保護素子としてパック電池に内蔵される。二次電池と直列に接続されたPTC素子は、二次電池に過大な電流が流れ、あるいは、電池の温度が上昇したときに電気抵抗が急激に増大して、電池電流を遮断し、あるいは、ほとんど0にして電池を保護する。
【0003】
PTC素子を内蔵する従来のパック電池を図1ないし図3に示す。図1は特開平9−63553号公報に記載されパック電池を示し、図2は実開平2−69440号公報のパック電池、図3は実開平6−38157号公報に記載されるパック電池を示している。
【0004】
図1のパック電池は、直線上に配設している2本の二次電池1の間にPTC素子2を接続している。PTC素子2は、上面を第1金属プレート7として下面を第2金属プレート8としている。第1金属プレート7を上側二次電池の平面電極端子3Aに、第2金属プレート8を下側二次電池の凸部電極端子3Bに接続している。この図のパック電池は、二次電池1を直線上に配設するのに適している。
【0005】
図2に示すパック電池は、方形状のPTCチップ9の上下面に、第1金属プレート7と第2金属プレート8を、PTCチップ9の両側に突出するように接続している。第1金属プレート7と第2金属プレート8は、平行に配設される二次電池1の+−電極端子3に接続される。この構造のパック電池は、PTC素子2を介して隣接する二次電池1を直列に接続できる。
【0006】
図3に示すパック電池も、隣接して平行に配設される二次電池1を、PTC素子2で直列に接続している。この図のPTC素子2は、図4に示すように、二次電池1の太さにほぼ等しい外形の円盤状であるPTCチップ9をリング状として、二次電池1の凸部電極を挿入できる形状としている。PTCチップ9を二次電池1の凸部電極の周囲に配設するためである。PTCチップ9の下面には、皿状の第1金属プレート7を接続している。第1金属プレート7は、凸部電極を挿入するために、中央を凸に成形して、PTCチップ9の中心孔9aに挿入している。PTCチップ9の上面には、PTC素子2に沿う半球状部分に、リードを突出させる第2金属プレート8を接続している。第1金属プレート7は、中心部分をスポット溶接して凸部電極に接続される。第2金属プレート8は、隣接して配設される二次電池1の端部電極に接続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上の構造のパック電池は、PTC素子を、隣接して配設している二次電池の間に接続するので、1本の二次電池を内蔵するパック電池には利用できない。また、図2と図3に示すように、二次電池を平行に配設して、隣接する二次電池をPTC素子で直列に接続しているパック電池は、乾電池用に設計された電気機器に、乾電池に代わってパック電池を装着できないことがある。それは、乾電池用の電気機器が、複数の乾電池を平行に装着する装着部に、乾電池の境界に位置してリブを設けているものがあるからである。乾電池の境界に設けたリブは、複数の乾電池を定位置に装着できるが、リブが底面から突出しているために、図2と図3に示すPTC素子で隣接する二次電池を接続しているパック電池を、乾電池に代わって装着できない。
【0008】
さらに、図1〜図3に示すパック電池は、PTC素子で二次電池を直列に接続するために、PTC素子の第1金属プレートと第2金属プレートの両方を二次電池の電極端子に連結する必要がある。この構造のパック電池は、PTC素子を連結している二次電池が相対的に動くと、PTC素子に無理な力が作用する欠点がある。
【0009】
本発明は、このような欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、内蔵する二次電池を1本または複数本とするパック電池に理想的な状態でPTC素子を内蔵できるパック電池を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の大切な目的は、乾電池用に設計している電気機器に、乾電池に代わって装着できる構造とすることができるパック電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のパック電池は、二次電池1と、この二次電池1の電極端子3とパック電池の一方の入出力端子4との間に接続してなるPTC素子2とを備える。PTC素子2は、二次電池1の電極に接続される第1金属プレート7と、パック電池の入出力端子側に配設される第2金属プレート8と、第1金属プレート7と第2金属プレート8との間に挟着されてなるPTCチップ9とを備える。第1金属プレート7は、二次電池1の電極端子面の外形にほぼ等しく、あるいは電極端子面の外形よりも小さい外形の金属板であって、外周部分には、二次電池1の電極端子3に溶接して接続する接続部を設けている。第2金属プレート8とPTCチップ9は、第1金属プレート7の外形よりも外形を小さくしており、あるいは外周の一部に切欠部10を設けて第1金属プレート7の接続部を外部に表出させている。PTC素子2の第1金属プレート7に設けた接続部を二次電池1の電極端子3に接続して、パック電池の入出力端子4と二次電池1との間にPTC素子2を配設している。
【0012】
本発明の請求項2のパック電池は、第2金属プレート8をキャップ状とするPTC素子2を備える。このPTC素子2は、第1金属プレート7の表面に、第1金属プレート7よりも小さい外形のPTCチップ9を固定しており、このPTCチップ9の表面に、キャップ状に成形している第2金属プレート8を固定している。
【0013】
本発明の請求項3のパック電池は、絶縁筒を有するPTC素子2を備える。このPTC素子2は、平面状の第1金属プレート7の表面に、第1金属プレート7よりも小さい外形のPTCチップ9を固定して、第1金属プレート7の外周に接続部を設けている。PTCチップ9の表面には、外形が第1金属プレート7よりも小さく、かつ、PTCチップ9の外形よりも小さい外形の凸部を有する第2金属プレート8を積層して固定している。さらに、この第2金属プレート8の外周に、第1金属プレート7の外形よりも小さい外形の絶縁筒11を固定している。
【0014】
本発明の請求項4のパック電池は、複数本の円筒型の二次電池1を連結ホルダー12で連結している。連結ホルダー12は、二次電池1を、互いに平行に、しかも同一平面に配設して連結している。連結ホルダー12は、二次電池1の片面に位置して二次電池1を連結している。二次電池1は、連結ホルダー12の反対側に、円筒電池によってV溝状の空隙13を設けている。
【0015】
本発明の請求項5のパック電池は、PTC素子を片方の二次電池の電極端子に接続している。このPTC素子は、第2金属プレートをキャップ状に成形している。
【0016】
さらに、本発明の請求項5のパック電池は、PTC素子2が、第1金属プレート7の表面に、第1金属プレート7よりも小さい外形のPTCチップ9を固定している。さらに、PTC素子2は、PTCチップ9の表面に、キャップ状に成形している第2金属プレート8を固定している。
【0017】
さらに、本発明の請求項6のパック電池は、PTC素子2が、平面状の第1金属プレート7の表面に、第1金属プレート7よりも小さい外形のPTCチップ9を固定して、第1金属プレート7の外周に接続部を設けている。さらに、PTC素子2は、PTCチップ9の表面に、外形が第1金属プレート7よりも小さく、かつ、PTCチップ9の外形よりも小さい外形の凸部を有する第2金属プレート8を積層して固定している。さらに、PTC素子2は、第2金属プレート8の外周に、第1金属プレート7の外形よりも小さい外形の絶縁筒11を固定している。
【0018】
さらに、本発明の請求項7のパック電池は、複数本の円筒型の二次電池1を、互いに平行に、しかも同一平面に配設して、連結ホルダー12で連結している。連結ホルダー12は、二次電池1の片面に位置して二次電池1を連結している。このパック電池は、二次電池1の連結ホルダー12の反対側に、円筒電池によってV溝状の空隙13を設けている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのパック電池を例示するものであって、本発明はパック電池を以下のものに特定しない。
【0020】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0021】
図5に示すパック電池は、二次電池1を過電流から保護するPTC素子2を、二次電池1の電極端子3とパック電池の入出力端子4との間に接続している。この図のパック電池は、PTC素子2を二次電池1の平面電極端子3Aに接続している。多くの二次電池1は、平面電極端子3Aを−側の電極端子とし、凸部電極端子3Bを+側の電極端子とする。この電極構造の二次電池1を内蔵する図5のパック電池は、PTC素子2を−側電極端子に接続することになる。ただ、二次電池は、平面電極端子を+側電極端子として、凸部電極端子を−側電極端子とするものもある。したがって、この電極構造の二次電池を内蔵するパック電池は、+側電極端子にPTC素子を接続することになる。
【0022】
この図に示すパック電池は、PTC素子2をパック電池の入出力端子4に併用している。図示しないが、本発明のパック電池は、PTC素子に、パック電池の入出力端子を接続した構造、いいかえると、パック電池の入出力端子をPTC素子とは別の金属板として、これをPTC素子に接続することもできる。
【0023】
パック電池に内蔵される二次電池1は、リチウムイオン二次電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電できる電池である。リチウムイオン二次電池を内蔵するパック電池は、小型で大容量にできる特長がある。ニッケル−水素電池やニッケル−カドミウム電池を内蔵するパック電池は、大電流充電し、また大電流放電できる特長がある。
【0024】
パック電池に内蔵されるPTC素子2は、二次電池1に過大な電流が流れたとき、あるいは、二次電池1の温度が上昇するときに、急激に電気抵抗が増大して、二次電池1の電流を遮断し、あるいは極減して安全に保護する。
【0025】
図5のパック電池は、鎖線で示すケーシング5に、二次電池1とPTC素子2を内蔵させている。ケーシング5は、プラスチックの成形品、あるいは、熱収縮チューブで、二次電池1とPTC素子2の両方をカバーしている。ケーシング5は、入出力端子4を外部に表出させるために電極窓6を開口している。
【0026】
図5のパック電池に内蔵されるPTC素子2を、図6の平面図と、図7の拡大断面図と、図8の分解斜視図に示す。これ等の図に示すPTC素子2は、第1金属プレート7と第2金属プレート8の間にPTCチップ9を挟着している。PTCチップ9は、第1金属プレート7と第2金属プレート8に電気的に接続されて、挟着状態で接着される。第1金属プレート7は、二次電池1の電極端子3に接続される。第2金属プレート8は、パック電池の入出力端子側に配設される。したがって、第2金属プレート8は、パック電池の入出力端子4となり、あるいは、入出力端子の金属板に接続される。
【0027】
第1金属プレート7と第2金属プレート8は薄い金属板を裁断して製造される。この金属板にはニッケル板が適している。ただ、この金属板には、鉄板、銅板、真鍮板、アルミニウム板等の金属板、あるいはこれ等の表面を金属メッキしたものも使用できる。
【0028】
図5のパック電池は、円筒型の二次電池1を内蔵するので、PTC素子2は、図8に示すように、第1金属プレート7とPTCチップ9と第2金属プレート8を円盤状としている。円盤状である第1金属プレート7とPTCチップ9と第2金属プレート8は、円筒型の二次電池1の電極端子面の外形にほぼ等しい外形としている。ただ、第1金属プレートとPTCチップと第2金属プレートの外形は、二次電池の電極端子面の外形よりも小さい外形とすることもできる。
【0029】
図6ないし図8に示すPTC素子2は、第1金属プレート7を二次電池1の電極端子3に接着するために、PTCチップ9と第2金属プレート8の周縁部に切欠部10を設けている。切欠部10は、第1金属プレート7を二次電池1に接続する接続部を形成している。PTCチップ9と第2金属プレート8の切欠部10は、外周縁に開口する溝型である。図のPTC素子2は、周縁の対向位置にふたつの切欠部10を設けている。切欠部10は、PTC素子2の周縁にバランスして複数に設けることができる。
【0030】
この構造のPTC素子2は、第1金属プレート7の接続部を、二次電池1の平面電極端子3Aにスポット溶接して接続される。図9は、PTC素子2の第1金属プレート7を二次電池1の平面電極端子3Aにスポット溶接する位置を×印で示している。この図に示すPTC素子2は、第1金属プレート7の対向位置をスポット溶接して、二次電池1の平面電極端子3Aに確実に接続される。PTC素子2を二次電池1に接続して、プラスチック製のケーシング5に収納し、あるいは、表面を熱収縮フィルムで被覆する。
【0031】
図10と図11は、他の実施例のPTC素子2を示している。これ等の図に示すPTC素子2は、PTCチップ9を中心孔9aのあるリング状に成形すると共に、PTCチップ9の中心孔9aに挿入される凸部8aを第2金属プレート8の中央に設ける以外の構造は、図6ないし図8に示すPTC素子2と同じ構造としている。このPTC素子2は、図6ないし図8に示すPTC素子2と同じようにして二次電池1に接続される。
【0032】
このPTC素子2を二次電池1に連結したパック電池の底面図を図12に示している。この図において、PTC素子2は、切欠部10の×印の部分を二次電池1の平面電極端子3Aにスポット溶接して固定される。PTC素子2の第2金属プレート8はパック電池の入出力端子4となる。第2金属プレート8は、PTCチップ9の中心孔9aに挿入される凸部8aによって、中央部に凹部8bが形成されているので、パック電池の入出力端子4の中央に凹部8bができる。入出力端子4の凹部8bは、パック電池を電気機器に装着した状態で、電気機器の接点をパック電池の中央に案内できる特長がある。
【0033】
図13に示すパック電池は、図14ないし図16に示す構造のPTC素子2を平面電極端子3Aに固定している。これ等の図に示すPTC素子2は、第1金属プレート7を、円筒電池である二次電池1の電極端子面の外形にほぼ等しい円盤状、あるいは二次電池1の電極端子面の外形よりも小さい円盤状としている。PTCチップ9と第2金属プレート8は、第1金属プレート7の外形よりも外形を小さくして、第1金属プレート7の周縁に接続部を設けている。この図のPTC素子2は、第2金属プレート8をPTCチップ9よりも多少小さい方形状としているが、PTCチップ9と第2金属プレート8を同じ大きさとすることもできる。この構造のPTC素子2は、図17の底面図に示すように、第1金属プレート7の周縁に設けている接続部を、×印で示す位置でスポット溶接して、二次電池1の平面電極端子3Aにスポット溶接して固定される。
【0034】
さらに、図18と図19に示すパック電池は、二次電池1の凸部電極端子3Bの凸部面にPTC素子2を固定している。この図のパック電池に内蔵されるPTC素子2を、図20ないし図23に示している。これ等の図に示すPTC素子2は、第1金属プレート7を、二次電池1の凸部電極端子3Bの凸部面の外形にほぼ等しい大きさの円盤状としている。この第1金属プレート7よりも小さい外形のPTCチップ9を第1金属プレート7の上に積層している。さらに、このPTCチップ9の上に、金属板をキャップ状に成形している第2金属プレート8を積層している。第2金属プレート8は、下端にフランジ8cを設けてフランジ8cをPTCチップ9の上面に接着している。
【0035】
この図のPTC素子2は、第1金属プレート7の周囲に接続部を設けている。接続部は、図19の平面図の×印で示す位置を、二次電池1の凸部電極端子3Bの凸部面にスポット溶接して接続している。
【0036】
さらに、図24と図25に示すパック電池は、凸部電極端子3Bの凸部面ではなくて、その周囲の段差面3aにPTC素子2の第1金属プレート7を接続している。このパック電池に固定するPTC素子2を図26ないし図29に示している。これ等の図に示すPTC素子2は、第1金属プレート7をキャップ状に成形して、二次電池1の凸部電極端子3Bを挿入できる凹部7aを中心部に設けており、凹部7aの周囲にフランジ7bを設けている。フランジ7bの外形は、二次電池1の凸部電極端子3Bの段差面3aに嵌入できるように、段差面3aの内径よりも小さくしている。PTCチップ9の外形は、第1金属プレート7のキャップ状に突出する突出面にほぼ等しい。PTCチップ9は、第1金属プレート7の突出面に積層して固定される。第2金属プレート8は、キャップ状に成形してその周囲にフランジ8cを設けて、フランジ8cをPTCチップ9の上面に積層している。
【0037】
この図のPTC素子2は、図24に示すように、フランジ7bを二次電池1の段差面3aに嵌入し、図25の×印で示す位置を、二次電池1の段差面3aにスポット溶接して固定している。この構造のPTC素子2は、二次電池1の凸部電極端子3Bに位置ずれしないように固定できる。それは、第1金属プレート7を凸部電極端子3Bに嵌入して、PTC素子2を固定できるからである。
【0038】
さらにまた、図30と図31に示すパック電池は、二次電池1の平面電極端子3Aに、PTC素子2をスポット溶接して固定している。このパック電池は、乾電池よりも短い二次電池1の端面に、PTC素子2を接続して、全長を乾電池と同じとし、乾電池に代わって使用できる形状としている。
【0039】
このパック電池に内蔵されるPTC素子2を図32ないし図36に示す。これ等の図に示すPTC素子2は、第1金属プレート7の外形を、二次電池の電極端子面の外形にほぼ等しく、あるいはこれよりも多少小さくしている。さらに、これ等の図に示す第1金属プレート7は、電極端子3にスポット溶接するときの無効電流を少なくするために、周縁の対向する位置に半径方向に延長してスリット7cを設けている。
【0040】
PTCチップ9は、第1金属プレート7の外形よりも小さい円盤状で、第1金属プレート7の上に積層して固定している。さらに、第2金属プレート8は、金属板をキャップ状に成形して周縁にフランジ8cを設け、フランジ8cをPTCチップ9の上面に積層して固定している。ただし、第2金属プレート8は、図37に示すように、金属板を溝型にプレス成形して、下端にフランジ8cを突出させる形状とし、フランジ8cをPTCチップ9の上に積層して固定することもできる。
【0041】
さらに、このPTC素子2は、第2金属プレート8とPTCチップ9とを絶縁筒11に嵌入している。絶縁筒11は、第2金属プレート8とPTCチップ9を嵌入できる筒状に、プラスチックを成形して製作される。絶縁筒11は、上面に貫通孔11aを設けている。貫通孔11aは、第2金属プレート8の突出部の外形よりも多少は小さく、また、開口部に向かって大きくなるテーパー状に成形される。このPTC素子2は、図35の×印で示す位置を二次電池1の平面電極端子3Aにスポット溶接して固定される。
【0042】
図30と図31のパック電池は、平面電極端子3AにPTC素子2を接続しているが、凸部電極端子にPTC素子を接続することもできる。凸部電極端子にPTC素子を接続して、パック電池の全長を乾電池と同じにすることもできる。
【0043】
図38ないし図40は、二次電池1を2列に連結しているパック電池を示す。このパック電池は、円筒型の二次電池1を、互いに平行に、しかも同一平面に配設して、連結ホルダー12で連結している。これ等の図のパック電池は、2本の二次電池1を平行に連結しているが、3本以上の二次電池を平行に配設して直列に連結することもできる。隣接する電池を連結する連結ホルダー12は、二次電池1の片面に位置して二次電池1を連結している。連結ホルダー12の反対側には、円筒電池によってV溝状の空隙13を設けている。このパック電池は、図40に示すように、乾電池用に設計された電気機器の電池装着部14に、乾電池に代わって装着できる。図に示す乾電池の装着部14は、乾電池を定位置に装着するために、底面から突出して、乾電池の境界に沿ってリブ15を設けている。パック電池は、図39に示すように、リブ15が邪魔にならないように、二次電池1の片側を連結ホルダー12で連結している。図38に示すパック電池は、円筒型の二次電池の片側をリード線で直列に接続している。このリード線は、図39の鎖線で示すように、装着部のリブ15に邪魔にならないように、連結ホルダー側に配設している。
【0044】
さらに、これ等の図に示すパック電池は、第2金属プレートをキャップ状とするPTC素子を一方の電極端子に接続してパック電池の入出力端子とし、PTC素子でパック電池の全長を二次電池よりも長くしている。この構造のパック電池は、図40に示すように、二次電池の間にリブ15を入れて、乾電池に代わって乾電池用の電気機器の装着部14にセットできる。
【0045】
【発明の効果】
本発明のパック電池は、1本または複数本の二次電池を備えるパック電池に理想的な状態でPTC素子を連結できる特長がある。それは、本発明のパック電池が、第1金属プレートの周囲に接続部を設けているPTC素子を、二次電池の電極端子に接続しているからである。この構造のパック電池は、第1金属プレートの外周に設けた接続部をスポット溶接等の方法で二次電池の電極端子に接続するが、第2金属プレートは二次電池に接続する必要はない。第2金属プレートは、パック電池の出力側にあって、これを入出力端子とし、あるいは入出力端子に接続する。この構造のパック電池は、1本の二次電池の電極端子にPTC素子を接続できるので、複数本の二次電池を内蔵するパック電池はいうまでもなく、たとえ1本の二次電池を内蔵するパック電池にもPTC素子を内蔵できる。さらに、PTC素子の第1金属プレートの周囲に接続部を設けて、ここを二次電池の電極端子にスポット溶接等の方法で連結できるので、PTC素子を確実に動かないように二次電池に固定できる特長もある。
【0046】
さらに、本発明のパック電池は、外形を乾電池と同じサイズとし、あるいは全長を乾電池よりも多少小さい形状として、乾電池用に設計している電気機器に、乾電池に代わって装着できる特長もある。さらに、本発明のパック電池は、PTC素子を1本の二次電池の電極端子に配設できるので、複数の二次電池を内蔵するパック電池においても、乾電池用に設計している電気機器に装着できる構造とするのに適している。
【0047】
さらに、本発明のパック電池は、PTC素子を無理な力が作用しない状態で内蔵できる特長がある。それは、PTC素子の第1金属プレートの接続部のみを二次電池の電極端子にスポット溶接等の方法で連結しているからである。PTC素子は、従来のパック電池のように、第1金属プレートと第2金属プレートの両方を隣接する二次電池の電極端子に接続すると、二次電池が相対的に動いたときにPTC素子にずれ力が作用する。しかしながら、本発明のパック電池は、第1金属プレートの接続部のみを二次電池の電極端子に連結するために、複数の二次電池を内蔵するパック電池において、電池が互いに動いてもPTC素子にずれ力が作用しない。このため、PTC素子の横ずれ力に起因する損傷を極減できる特長がある。
【0048】
さらに、本発明の請求項5のパック電池は、PTCチップの表面に、キャップ状に成形している第2金属プレートのPTC素子を電極端子に固定している。この構造のパック電池は、第2金属プレートのキャップ部分の高さで、パック電池の全長を調整できる。このため、たとえば、乾電池よりも多少短くしてなる二次電池にPTC素子を連結して、乾電池に代わって電気機器に装着できる形状にできる特長がある。
【0049】
さらに、本発明の請求項6のパック電池は、PTC素子が、PTCチップの表面に、外形が第1金属プレートよりも小さく、かつ、PTCチップの外形よりも小さい外形の凸部を有する第2金属プレートを積層して固定しており、さらに、第2金属プレートの外周に、第1金属プレートの外形よりも小さい外形の絶縁筒を固定しているので、PTC素子の側面を絶縁して安全に使用できる特長がある。
【0050】
さらに、本発明の請求項7のパック電池は、乾電池用に設計している電気機器に、乾電池に代わって装着できる特長がある。それは、本発明のパック電池が、複数本の円筒型の二次電池を、互いに平行に、しかも同一平面に配設して、連結ホルダーで連結しており、この連結ホルダーが、二次電池の片面に位置して二次電池を連結すると共に、二次電池の連結ホルダーの反対側に、円筒電池によってV溝状の空隙を設けているからである。この構造のパック電池は、図39に示すように、電気機器の電池装着部に突出するリブをV溝状の空隙に案内して、リブが邪魔にならない状態で装着できる。したがって、このパック電池は、乾電池に代わって電気機器に装着できる特長がある。しかも、このパック電池は、PTC素子を内蔵しているので、内蔵される二次電池を保護して、安心して使用できる特長もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のPTC素子を内蔵しているパック電池の一部断面正面図
【図2】従来の他のPTC素子を内蔵しているパック電池の分解斜視図
【図3】従来の他のPTC素子を内蔵しているパック電池の平面図
【図4】図3に示すパック電池に内蔵されるPTC素子の斜視図
【図5】本発明の実施例のパック電池の側面図
【図6】図5に示すパック電池に内蔵されるPTC素子の平面図
【図7】図6に示すPTC素子の拡大断面図
【図8】図6に示すPTC素子の分解斜視図
【図9】図5に示すパック電池の底面図
【図10】PTC素子の他の一例を示す拡大断面図
【図11】図10に示すPTC素子の分解斜視図
【図12】図11に示すPTC素子を内蔵するパック電池の底面図
【図13】本発明の他の実施例のパック電池の側面図
【図14】図13に示すパック電池に内蔵されるPTC素子の正面図
【図15】図14に示すPTC素子の平面図
【図16】図14に示すPTC素子の分解斜視図
【図17】図13に示すパック電池の底面図
【図18】本発明の他の実施例のパック電池の側面図
【図19】図18に示すパック電池の平面図
【図20】図13に示すパック電池に内蔵されるPTC素子の正面図
【図21】図20に示すPTC素子の平面図
【図22】図20に示すPTC素子の断面図
【図23】図20に示すPTC素子の分解斜視図
【図24】本発明の他の実施例のパック電池の側面図
【図25】図24に示すパック電池の平面図
【図26】図24に示すパック電池に内蔵されるPTC素子の正面図
【図27】図26に示すPTC素子の平面図
【図28】図26に示すPTC素子の断面図
【図29】図26に示すPTC素子の分解斜視図
【図30】本発明の他の実施例のパック電池の側面図
【図31】図30に示すパック電池の底面図
【図32】図30に示すパック電池に内蔵されるPTC素子の斜視図
【図33】図32に示すPTC素子の分解斜視図
【図34】図32に示すPTC素子の正面図
【図35】図32に示すPTC素子の平面図
【図36】図32に示すPTC素子の断面図
【図37】図32に示すPTC素子の第2金属プレートの他の一例を示す分解斜視図
【図38】本発明の他の実施例のパック電池の正面図
【図39】図38に示すパック電池の平面図
【図40】図38に示すパック電池を電気機器の電池装着部に装着する状態を示す正面図
【符号の説明】
1…二次電池
2…PTC素子
3…電極端子 3A…平面電極端子 3B…凸部電極端子
3a…段差面
4…入出力端子
5…ケーシング
6…電極窓
7…第1金属プレート 7a…凹部 7b…フランジ
7c…スリット
8…第2金属プレート 8a…凸部 8b…凹部
8c…フランジ
9…PTCチップ 9a…中心孔
10…切欠部
11…絶縁筒 11a…貫通孔
12…連結ホルダー
13…V溝状の空隙
14…装着部
15…リブ

Claims (5)

  1. 二次電池(1)と、この二次電池(1)の電極端子(3)とパック電池の一方の入出力端子(4)との間に接続してなるPTC素子(2)とを備え、
    PTC素子(2)は、二次電池(1)の電極に接続される第1金属プレート(7)と、パック電池の入出力端子側に配設される第2金属プレート(8)と、第1金属プレート(7)と第2金属プレート(8)との間に挟着されてなるPTCチップ(9)とを備え、
    第1金属プレート(7)は、二次電池(1)の電極端子面の外形にほぼ等しく、あるいは電極端子面の外形よりも小さい外形の金属板であって、外周部分には、二次電池(1)の電極端子(3)に溶接して接続する接続部を設けており、
    第2金属プレート(8)およびPTCチップ(9)は、第1金属プレート(7)の外形よりも外形を小さく、あるいは、外周の一部に切欠部(10)を設けて第1金属プレート(7)の接続部を外部に表出させており、
    PTC素子(2)の第1金属プレート(7)に設けた接続部を二次電池(1)の電極端子(3)に接続して、パック電池の入出力端子(4)と二次電池(1)との間にPTC素子(2)を配設してなるパック電池。
  2. 第1金属プレート(7)の表面に、第1金属プレート(7)よりも小さい外形のPTCチップ(9)を固定しており、さらにこのPTCチップ(9)の表面にキャップ状に成形している第2金属プレート(8)を固定しているPTC素子(2)を備える請求項1に記載されるパック電池。
  3. 平面状の第1金属プレート(7)の表面に、第1金属プレート(7)よりも小さい外形のPTCチップ(9)を固定して、第1金属プレート(7)の外周に接続部を設けており、PTCチップ(9)の表面に、外形が第1金属プレート(7)よりも小さく、かつ、PTCチップ(9)の外形よりも小さい外形の凸部を有する第2金属プレート(8)を積層して固定しており、さらに、第2金属プレート(8)の外周に、第1金属プレート(7)の外形よりも小さい外形の絶縁筒(11)を固定しているPTC素子(2)を備える請求項1に記載されるパック電池。
  4. 複数本の円筒型の二次電池(1)を、互いに平行に、しかも同一平面に配設して、連結ホルダー(12)で連結しており、連結ホルダー(12)は、二次電池(1)の片面に位置して二次電池(1)を連結しており、二次電池(1)の連結ホルダー(12)の反対側に円筒電池によってV溝状の空隙(13)を設けてなる請求項1に記載されるパック電池。
  5. PTC素子を片方の二次電池の電極端子に接続すると共に、このPTC素子の第2金属プレートをキャップ状に成形している請求項4に記載されるパック電池。
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