JP3625674B2 - 加熱調理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱調理装置に関し、特に、加熱手段と電気回路に風を送ることにより、加熱手段および電気回路を冷却する冷却手段を備えた加熱調理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子レンジ等の加熱調理装置には、加熱手段および電気回路を冷却する冷却手段を備えたものがあった。電気回路は、マグネトロン等の加熱手段に電力を供給するために、加熱調理装置に備えられる。また、冷却手段は、たとえばファンにより構成され、加熱手段および電気回路に風を送ることにより、加熱手段および電気回路を冷却するために、加熱調理装置に備えられる。
【0003】
図6に、特開平6−50550号公報に記載された、従来の加熱調理装置の一例である電子レンジの、枠部分の側面図を示す。図6中、88は加熱室81の外壁を構成する本体枠である。そして、本体枠の側面には、マグネトロン83と、マグネトロン83が発生させるマイクロ波を加熱室81に送るための導波管82が取付けられている。また、本体枠88の後板には、装置の内側に向けて、ファン87が取付けられている。また、本体枠88の下方には、シャーシ86が嵌め込まれている。シャーシ86上には、取付板85が取付けられている。取付板85上には、回路基板が搭載され、該回路基板には、電子レンジにおいて電気回路を構成する整流器91,平滑コンデンサ92等の回路部品が搭載されている。また、マグネトロン83の下方には、ファン87が送る風を取付板85上およびマグネトロン83に導くためのガイド89が備えられている。
【0004】
従来では、図6に示すように加熱手段および電気回路を配置することにより、ファン87から送られる風を、効率よく、加熱手段および電気回路を冷却しようとしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の加熱調理装置では、取付板85とガイド89が対向した位置にあるため、取付板85が、ガイド89によってマグネトロン83に導くべき風を一旦塞き止めるよう作用していた。これにより、マグネトロン83にスムーズに風が送られないという問題があった。
【0006】
また、従来の加熱調理装置では、図6の矢印Fで示した、ファン87の羽根部で発生した風が軸部に向けて流れ込むという、加熱手段および電気回路の冷却に関しては無駄な風の流れがあった。
【0007】
この無駄な風の流れにより、冷却風自体の温度が高くなるという問題があった。
【0008】
すなわち、従来の加熱調理装置では、加熱手段および電気回路の冷却について、加熱調理装置の構成要素の配置等が冷却効率の低下の原因となっているという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、加熱手段および電気回路の冷却について、冷却効率が、向上し、かつ、安定した加熱調理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段に電力を供給するための電気回路と、前記電気回路が搭載された電気回路基板と、前記加熱手段と前記電気回路に風を送ることにより、前記加熱手段および前記電気回路を冷却する送風手段と、前記電気回路基板と平行な面を構成し、前記電気回路基板を搭載し、かつ、前記送風手段の送る風を前記電気回路および前記加熱手段に導くために前記送風手段の送風断面に交わる位置に設けられた基板取付板とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によると、電気回路基板と平行な面を構成しかつ電気回路基板が搭載された基板取付板により、送風手段の送る風が、電気回路および加熱手段に導かれる。なお、基板取付板は、送風手段の送風断面に交わる位置に設けられる。
【0012】
これにより、電気回路基板が、送風手段から電気回路への風路を塞ぐことがなく、また、基板取付板が、送風断面の外側から内側に、送風手段の送る風をはね返すことがなくなる。したがって、加熱調理装置における、加熱手段および電気回路の冷却効率を向上させることができる。
【0013】
また、基板取付板が送風手段の送る風についてのガイドの役割をも果たすため、加熱調理装置における構成要素を少なくすることができる。したがって、加熱調理装置の製造コストを低下させることができる。
【0014】
請求項2に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項1に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記基板取付板上に、前記送風手段の送る風をガイドするための板部材をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明による作用に加えて、基板取付板上に設けられた板部材により、送風手段の送る風の、基板取付板上での流れが整えられる。
【0016】
請求項3に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項2に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記電気回路基板は、商用電圧よりも高い電圧が印加される回路部品が搭載される高電圧領域を含み、前記板部材は、前記電気回路基板上に、前記高電圧領域と前記商用電圧以下の電圧が印加される回路部品が搭載される領域との境界に設けられることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明によると、請求項2に記載の発明による作用に加えて、板部材により、回路基板において、高圧部品と低圧部品とを絶縁できる。
【0018】
請求項4に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記電気回路は、複数の部品を含み、 前記複数の部品は、前記電気回路基板上に、前記送風手段が送る風の風路に沿って載置されることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明によると、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、電気回路基板上の複数の部品によって、送風手段の送る風の、基板取付板上での流れが整えられる。
【0020】
請求項5に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項4に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記複数の部品の中の、前記送風手段が送る風について風上側にある部品は、前記電気回路基板との間に隙間を有するように載置されることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明によると、請求項4に記載の発明による作用に加えて、電気回路基板上に載置された複数の部品の中の、風上側にある部品によって、送風手段が送る風が遮られることを回避できる。したがって、当該風の加熱手段に向かう流れが遮られることを回避できる。
【0022】
請求項6に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項4または請求項5に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記複数の部品の中の、前記送風手段が送る風を受けやすい部品と、前記送風手段が送る風を受けにくい部品とを接触させて、前記電気回路基板上に載置することを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の発明によると、請求項4または請求項5に記載の発明による作用に加えて、電気回路基板上の複数の部品において、冷却の度合いのばらつきを抑えることができる。
【0024】
請求項7に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段に電力を供給するための電気回路と、前記加熱手段と前記電気回路に風を送ることにより、前記加熱手段および前記電気回路を冷却する送風手段とを含み、前記送風手段は、軸と、前記軸の周囲に設けられ前記軸を中心として回転することにより風を生じる羽根部とを備え、前記送風手段の送風方向に沿う面を有し、該面の一端が前記軸の外周に対向するガイドを含むことを特徴とする。
【0025】
請求項7に記載の発明によると、軸と羽根部がガイドにより空間的に分離されるため、羽根部が回転することにより生じた風が、軸に向かって戻ることを回避できる。
【0026】
これにより、加熱調理装置において、送風手段の加熱手段および電気回路の冷却効率を向上させることができる。
【0027】
請求項8に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項7に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記ガイドは、複数あり、前記複数のガイドは、それらの主面の一端が互いに前記軸の外周の異なる部位に対向することを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載の発明によると、請求項7に記載の発明による作用に加えて、加熱調理装置において、ガイドが、複数設けられる。
【0029】
請求項9に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項8に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記複数の板体は、互いに分離して設けられることを特徴とする。
【0030】
請求項9に記載の発明によると、請求項8に記載の発明による作用に加えて、ガイドを構成する複数の板体が分離して設けられるため、送風手段からの風が、該複数の板体の隙間を通ることができる。これにより、複数の板体が接続された場合に考えられる、その接続部分で送風手段からの風がこもって、加熱手段および電気回路の冷却効率が低下するという事態を回避することができる。
【0031】
請求項10に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記ガイドは、前記送風手段が送る風を、前記加熱手段に導くように設けられることを特徴とする。
【0032】
請求項10に記載の発明によると、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、加熱手段の冷却が促進される。
【0033】
請求項11に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項10に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記電気回路が搭載された電気回路基板をさらに含み、前記ガイドは、前記電気回路基板と平行な面を構成し、かつ、前記電気回路基板を搭載するように設けられることを特徴とする。
【0034】
請求項11に記載の発明によると、請求項10に記載の発明による作用に加えて、電気回路基板が、送風手段から電気回路への風路を塞ぐことを回避できる。
【0035】
請求項12に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記ガイドは、前記加熱手段が存在する空間と前記軸が存在する空間とを仕切るように設けられることを特徴とする。
【0036】
請求項12に記載の発明によると、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、風が生じない軸の部分に、高温となると考えられる加熱手段周囲が流れ込みにくくなる。これにより、高温の空気が軸近辺に流れ込み、当該高温の空気を羽根部によって循環させることを回避できるため、加熱調理装置における加熱手段および電気回路の冷却効率をさらに向上できる。
【0037】
請求項13に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記送風手段における風の発生面に対して、前記送風手段の送風方向とは反対方向に設けられ、前記送風手段による冷却を必要とする部材である反対方向配置部材と、前記送風手段において生じる風を前記反対方向配置部材に導く導風部材とをさらに含むことを特徴とする。
【0038】
請求項13に記載の発明によると、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、導風部材により、反対方向配置部材の冷却が促進される。
【0039】
請求項14に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項13に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記導風部材は、前記送風手段の送風方向に対して鋭角をなす面を含むことを特徴とする。
【0040】
請求項14に記載の発明によると、請求項13に記載の発明による作用に加えて、導風部材の、送風手段の送風方向に対して鋭角な面により、反対方向配置部材の冷却がさらに促進される。
【0041】
請求項15に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項13または請求項14に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、前記送風手段は、軸と、前記軸の周囲に設けられ前記軸を中心として回転することにより風を生じる羽根部とを備え、前記反対方向配置部材は、前記羽根部が回転することにより描かれる円の周付近に設置されることを特徴とする。
【0042】
請求項15に記載の発明によると、請求項13または請求項14に記載の発明による作用に加えて、羽根部が回転して風を生じさせる場合、当該回転により描かれる円の外周から円の中心に向けて、加熱調理装置を循環して暖められた空気が流れ込むことを、反対方向は位置部材で遮ることにより、回避できる。
【0043】
請求項16に記載の本発明にかかる加熱調理装置は、請求項7〜請求項15のいずれか1項に記載の発明にかかる加熱調理装置の構成に加えて、高電圧が印加される高電圧配線をさらに含み、前記ガイドは、前記高電圧配線を保持することを特徴とする。
【0044】
請求項16に記載の発明によると、請求項7〜請求項15のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、高電圧配線が、特別な部材を設けることなく保持されるため、加熱調理装置における構成部品をより少なくすることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である電子レンジについて、図面を参照しつつ説明する。
【0046】
図1は、本実施の形態の電子レンジの分解斜視図である。電子レンジは、加熱室50を含む本体枠5と、本体枠5の外郭を覆う外装部4と、本体枠4の底部に接続される底板7とを含む。なお、図1において省略したが、電子レンジは、さらに、加熱室50を開閉可能なドア、および、本体枠5の側面であって、加熱室50の右方外壁に取付けられるマグネトロン、該マグネトロンに電力を供給するための電気回路を構成する部品、および、本体枠5の前面であって加熱室50の右方に設置されるコントロールパネルを備えている。
【0047】
図2は、本体枠5の右側面図である。本体枠5の右側面には、マグネトロン2と、ガイド6と、導波管8と、ガイド9と、基板取付板12が設けられている。マグネトロン2は、マイクロ波を発生させることにより、加熱室50内の被加熱物を加熱する。マグネトロン2が発生させたマイクロ波は、導波管8により、加熱室50に導かれる。
【0048】
基板取付板12上には、回路基板13が載置されている。回路基板13上には、回路部品14,低圧部品16等の、マグネトロン2に電力を供給するための電気回路を構成する部品が実装されている。ここで、低圧部品16とは、商用電源が供給する電圧以下の電圧が印加される部品であり、たとえば、ノイズフィルタを構成する部品が挙げられる。また、回路基板13上には、商用電源が供給する電圧よりも高い電圧が印加される部品(以下、高圧部品という)が実装されている。このような部品は、高圧部品領域15に実装される。なお、高圧部品としては、たとえば、マグネトロン2に高電圧を供給するトランス等が含まれる。また、回路基板13上の各部品は、ファン3において発生する風の流れに沿うように、たとえば各部品の長手方向を、ファン3において発生する風の進行方向と合わせて、実装されることが好ましい。これにより、ファン3による、マグネトロン2等の冷却効率を、向上させることができる。なお、マグネトロン2から延びる高圧線2Aは、回路基板13上に保持される。
【0049】
また、本体枠5の後面には、ファンモータ30を介して、ファン3が設けられている。ファン3は、羽根部31と軸部32とからなる。羽根部31は、軸部32の外周に、複数枚、取付けられている。ファンモータ30からの動力が、軸部32を介して、羽根部31に伝えられる。羽根部31は、軸部32との接続部分を中心として、回転することにより、前方(図2の左方)に向けて風を発生させる。
【0050】
また、本体枠5の右側面には、部品11と、部品11を本体枠5の壁面に固定させるための固定部材21とが備えられている。なお、部品11は、ファン3の側方、すなわちファン3における送風断面よりも後方(図2では右方)に備えられる。なお、ここで、ファン3の送風断面とは、ファン3において風が発生する面であって、具体的には、ファン3の前面(図2では、ファン3の羽根部31の最左部に接する垂直面)を含む平面の中の、ファン3において羽根部31が回転することにより描かれる円の外周部分を意味する。
【0051】
部品11は、ファン3の送風断面よりも後方に備えられているため、ファン3によっては、冷却されにくい。そして、ガイド6は、部品11に、ファン3からの風を導くために設けられている。ガイド6は、折曲部62で互いに一端を接続された2枚の板61,63からなる。なお、板61は、垂直方向に対してやや傾いた、右上方から左下方に向かう面が主面となっている。これにより、ファン3において発生した風が、より部品11に導かれやすくなる。
【0052】
図3は、図2のA−A線に沿う矢視断面図である。
図2および図3を参照して、基板取付板12は、主面が垂直方向となるように、設けられている。なお、基板取付板12上の、ファン3の下方部分には、ガイド17が設けられている。なお、ガイド17は、ファン3の送風断面付近の空間と回路基板13上の高圧部品領域15を含む空間とを囲うように設けられている。また、ガイド17は、回路基板13上の、高圧部品領域15と、低圧部品16が存在する領域を仕切るように設けられている。なお、ガイド17は、所定のプラスチック材料等の絶縁体により構成される。これにより、高圧部品領域15に実装される部品と低圧部品16が、電気的に絶縁される。
【0053】
本体枠5の右側方には、さらに、ガイド9が設けられる。ガイド9および基板取付板12は、ファン3の軸部32の外周部に対向するように設けられる。これにより、ガイド9および基板取付板12により、羽根部31において発生した風が、軸部32に流れ込むことを抑えることができる。なお、図3中矢印Rは、羽根部31の回転方向を示している。
【0054】
なお、羽根部31において発生した風が、軸部32に流れ込むと、ファン3の前方にある、回路基板13上の部品等で暖められた空気が、羽根部31の後方にまわり込むため、そうでない場合と比較して、羽根部31において発生する風の温度が上昇する。したがって、このような場合、ファン3によるマグネトロン2等の冷却効率が低下することになる。
【0055】
すなわち、本実施の形態では、羽根部31において発生した風が、軸部32に流れ込むことを抑えるため、ファン3によるマグネトロン2等の冷却効率を向上できる。
【0056】
なお、ガイド9と基板取付板12とは、両者の主面の延長線上の交線(図3中のP点を含み、紙面の奥行き方向に延びる線)を越えては、設けられていない。これにより、ガイド9によって形成される、ファン3からマグネトロン2への風の流れと、回路取付板12によって形成される、ファン3から回路基板13への風の流れが、明確に分割される。これにより、上記の、ガイド9によって形成される風路と、回路取付板12によって形成される風路とが、互いに、その風の流れ妨げなくなるため、電子レンジにおける冷却効率を向上できる。
【0057】
また、このように互いに主面が交わる方向にあるガイド9と基板取付板12が分離されて設けられることにより、両者の接続部分において、ファン3から流れてきた風がこもり、冷却効率を低下させる、といった事態を回避できる。
【0058】
また、ガイド9があることにより、マグネトロン2によって加熱された空気が、直接風を発生させない軸部32に流れ込むことが回避できる。このことによっても、電子レンジにおける冷却効率の低下を回避している。
【0059】
部品11は、ファン3の送風断面の後方であって、図3に示すように、羽根部31が回転することにより描く円の外周部分に接するように、設置されている。これにより、ファン3の側方から内側に(羽根部31が回転することにより描く円の外周部分から中心部に向けて)、マグネトロン2等により暖められた空気が流れ込むことを回避できる。したがって、ファン3を用いた冷却効率を向上させることができる。
【0060】
図4は、図2のB−B線に沿う矢視断面図である。
図4を参照して、回路基板13上において、高圧部品領域15の部品は、他の部品と比較して、ファン3から送られる風について、風上側に実装されているといえる。なお、高圧部品領域15には、高圧部品150が含まれる。そして、高圧部品150は、その左右両端に、接続端子150A,150Bを備えている。そして、接続端子150A,150Bが回路基板13上にはんだ付けされることにより、高圧部品150は回路基板13に実装されている。このように高圧部品150が接続端子150A,150Bをはんだ付けされることにより、実装されると、高圧部品150と回路基板13との間に、空間Eが存在することになる。空間Eが、回路基板13の風上側に実装された部品の下に設けられると、回路基板13上の風下側に実装された部品にまで、ファン3からの風が送られやすくなる。
【0061】
また、回路基板13に複数の部品が実装された場合、ファン3からの風が当たりやすい部品と、当たりにくい部品とが存在することが考えられる。このことを、図5を用いて説明する。
【0062】
図5(A)を参照して、電子レンジにおいて、回路基板13に、ダイオード18,19が実装されている。なお、ダイオード19は、ファン3が送る風について風上側に実装されている。一方、ダイオード18は、ダイオード19と比較して、ファン3が送る風について風下側に実装されている。さらに、ファン3が送る風は、他の実装部品20等により遮られ、ダイオード18には届きにくくなっている。このような場合、ダイオード19は、ダイオード18よりも、ファン3が送る風により、冷却されやすい、ということができる
そして、本実施の形態では、回路基板13において、互いに近くに実装され、かつ、冷却されやすさの異なる実装部品を、互い接触されることにより、これらの実装部品の間で熱を伝導させ、同程度に、冷却されるようにしている。以下に、図5(B)を参照しつつ、このことを具体的に説明する。
【0063】
ダイオード18,19は、それぞれ、接続端子18A,19Aを備えている。そして、接続端子18Aと接続端子19Aとを、接触させることにより、ダイオード18とダイオード19との間で、熱を伝導させようとしているのである。
【0064】
以上説明した本実施の形態では、図2を用いて説明したように、基板取付板12が、ファン3の軸部32の外周部に対向するように設けられることにより、基板取付板が、送風手段の送る風を電気回路および加熱手段に導くために送風手段の送風断面に交わる位置に設けられている旨が開示されていることになる。
【0065】
また、ガイド17により、基板取付板上に設けられた、送風手段の送る風をガイドするための板部材が構成されている。
【0066】
また、ガイド17が、回路基板13上の、高圧部品領域15と低圧部品16が存在する領域とを仕切るように設けられていることにより、板部材が、電気回路基板上に、高電圧領域と商用電圧以下の電圧が印加される回路部品が搭載される領域との境界に設けられる旨が開示されていることになる。
【0067】
また、回路基板13上の各部品が、ファン3において発生する風の流れに沿うように、ファン3において発生する風の進行方向と合わせて、実装されることにより、電気回路を構成する複数の部品が、電気回路基板上に、送風手段が送る風の風路に沿って載置される旨が開示されていることになる。
【0068】
また、高圧部品150と回路基板13との間に空間Eが存在するように、高圧部品150が回路基板13に実装されることにより、送風手段が送る風について風上側にある部品が電気回路基板との間に隙間を有するように載置される旨が開示されていることになる。
【0069】
また、図5を用いて説明したように、回路基板13において、接続端子18Aと接続端子19Aとを接触させるよう実装することにより、送風手段が送る風を受けやすい部品と、送風手段が送る風を受けにくい部品とを接触させて、電気回路基板上に載置する旨が開示されていることになる。
【0070】
また、図2を用いて説明したように、ファン3の軸部32の外周部に対向するように設けられるガイド9または基板取付板12により、送風手段の送風方向に沿う主面を有し、該主面の一端が軸の外周に対向するガイドが構成されている。
【0071】
また、図3を用いて説明したように、ダクト9と基板取付板12とは、両者の主面の延長線上の交線を越えては、設けられていないことにより、複数のガイドが互いに分離して設けられる旨が開示されていることになる。
【0072】
また、ガイド9により、送風手段が送る風を、加熱手段に導くように設けられたガイドが構成されている。
【0073】
また、基板取付板12により、電気回路基板と平行な面を構成し、かつ、前記電気回路基板を搭載するように設けられたガイドが構成されている。
【0074】
また、ガイド9により、加熱手段が存在する空間と前記軸が存在する空間とを仕切るように設けられるガイドが構成されている。
【0075】
以上説明した本実施の形態では、部品11により、送風手段における風の発生面に対して、送風手段の送風方向とは反対方向に設けられ、送風手段による冷却を必要とする部材である反対方向配置部材が構成されている。また、ガイド6により、送風手段において生じる風を反対方向配置部材に導く導風部材が構成されている。なお、板61により、導風部材における、送風手段の送風方向に対して鋭角をなす面が構成されている。
【0076】
また、部品11が、ファン3の送風断面の後方であって、羽根部31が回転することにより描く円の外周部分に接するように設置されることにより、反対方向配置部材が、羽根部が回転することにより描かれる円の周付近に設置される旨が開示されていることになる。
【0077】
また、マグネトロン2から延びる高圧線2Aは、回路基板13上に保持されること、および、回路基板13が基板取付板12上に載置されていることにより、ガイドが、高電圧配線を保持する旨が開示されていることになる。
【0078】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の電子レンジの分解斜視図である。
【図2】図1の電子レンジの本体枠の右側面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う矢視断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿う矢視断面図である。
【図5】本実施の形態において、回路基板上の部品の実装態様を模式的に説明するための図である。
【図6】従来の加熱調理装置を示す図である。
【符号の説明】
2 マグネトロン
3 ファン
5 本体枠
6,9,17 ガイド
12 基板取付板
13 回路基板
15 高圧部品領域
31 羽根部
32 軸部
50 加熱室

Claims (16)

  1. 被加熱物を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段に電力を供給するための電気回路と、
    前記電気回路が搭載された電気回路基板と、
    前記加熱手段と前記電気回路に風を送ることにより、前記加熱手段および前記電気回路を冷却する送風手段と、
    前記電気回路基板と平行な面を構成し、前記電気回路基板を搭載し、かつ、前記送風手段の送る風を前記電気回路および前記加熱手段に導くために前記送風手段の送風断面に交わる位置に設けられた基板取付板とを含む、加熱調理装置。
  2. 前記基板取付板上に、前記送風手段の送る風をガイドするための板部材をさらに含む、請求項1に記載の加熱調理装置。
  3. 前記電気回路基板は、商用電圧よりも高い電圧が印加される回路部品が搭載される高電圧領域を含み、
    前記板部材は、前記電気回路基板上に、前記高電圧領域と前記商用電圧以下の電圧が印加される回路部品が搭載される領域との境界に設けられる、請求項2に記載の加熱調理装置。
  4. 前記電気回路は、複数の部品を含み、
    前記複数の部品は、前記電気回路基板上に、前記送風手段が送る風の風路に沿って載置される、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
  5. 前記複数の部品の中の、前記送風手段が送る風について風上側にある部品は、前記電気回路基板との間に隙間を有するように載置される、請求項4に記載の加熱調理装置。
  6. 前記複数の部品の中の、前記送風手段が送る風を受けやすい部品と、前記送風手段が送る風を受けにくい部品とを接触させて、前記電気回路基板上に載置する、請求項4または請求項5に記載の加熱調理装置。
  7. 被加熱物を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段に電力を供給するための電気回路と、
    前記加熱手段と前記電気回路に風を送ることにより、前記加熱手段および前記電気回路を冷却する送風手段とを含み、
    前記送風手段は、軸と、前記軸の周囲に設けられ前記軸を中心として回転することにより風を生じる羽根部とを備え、
    前記送風手段の送風方向に沿う主面を有し、該主面の一端が前記軸の外周に対向するガイドを含む、加熱調理装置。
  8. 前記ガイドは、複数あり、
    前記複数のガイドは、それらの主面の一端が互いに前記軸の外周の異なる部位に対向する、請求項7に記載の加熱調理装置。
  9. 前記複数のガイドは、互いに分離して設けられる、請求項8に記載の加熱調理装置。
  10. 前記ガイドは、前記送風手段が送る風を、前記加熱手段に導くように設けられる、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
  11. 前記電気回路が搭載された電気回路基板をさらに含み、
    前記ガイドは、前記電気回路基板と平行な面を構成し、かつ、前記電気回路基板を搭載するように設けられる、請求項10に記載の加熱調理装置。
  12. 前記ガイドは、前記加熱手段が存在する空間と前記軸が存在する空間とを仕切るように設けられる、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
  13. 前記送風手段における風の発生面に対して、前記送風手段の送風方向とは反対方向に設けられ、前記送風手段による冷却を必要とする部材である反対方向配置部材と、
    前記送風手段において生じる風を前記反対方向配置部材に導く導風部材とをさらに含む、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
  14. 前記導風部材は、前記送風手段の送風方向に対して鋭角をなす面を含む、請求項13に記載の加熱調理装置。
  15. 前記送風手段は、軸と、前記軸の周囲に設けられ前記軸を中心として回転することにより風を生じる羽根部とを備え、
    前記反対方向配置部材は、前記羽根部が回転することにより描かれる円の周付近に設置される、請求項13または請求項14に記載の加熱調理装置。
  16. 高電圧が印加される高電圧配線をさらに含み、
    前記ガイドは、前記高電圧配線を保持する、請求項7〜請求項15のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
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