JP3623839B2 - 平面性に優れたオフセット印刷版支持体用アルミニウム条の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面性に優れたオフセット印刷版支持体用アルミニウム条の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、オフセット印刷版の支持体には、厚さ0.2〜0.4mm程度、幅800〜1100mm程度のJISA1050、A1100、A3003等のアルミニウム或いはアルミニウム合金条(以下、単にアルミニウム条と称する)が広く用いられている。これらのアルミニウム条は、通常、上記合金組成の鋳塊を製造し、これに均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延、更に必要により調質焼鈍を順次行い、所定の板厚に仕上げた後、更に、テンションレベラー等の矯正装置を通し、所要の平面性を得てコイルに巻き取り表面処理業者に納入される。
【0003】
この様な従来の製造工程において、中間材料である熱間圧延コイルには、表面処理業者に納入する製品幅に必要な幅余尺を加えたコイルが用意され、通過途中工程及び最終工程で余尺が切除され、製品幅に仕上げられる。即ち、従来の技術では熱間圧延後に巻き取られたコイルより1条の製品コイルが製造される。また、アルミニウム条の最終製造工程でコイルに巻き取る際には、輸送途中でコイルずれを生じないよう或いは表面処理業者に於いて表面処理の為の各種処理装置に装着し、コイルを巻きほぐす際、コイルに巻き締まりが生じないよう巻き取り張力が負荷されてコイルに巻き取られる。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オフセット印刷版の支持体には印刷版の最大可能印刷数を出来るだけ多く確保するため材料強度の向上、また製版工程中の各種処理における処理の反応性向上、加熱を伴う処理の短時間化の為の処理温度の高温化に耐える十分な耐熱性の賦与等の種々の特性が要求される。なかんずく、オフセット印刷版の支持体の平面性は、印刷物の画像、色調等の印刷品質及び印刷速度等の印刷能率に重大な影響を及ぼす。従って、支持体の平面性をより良好ならしめることは、印刷品質及び印刷能率の一層の向上のために、従来より大きな課題であった。
オフセット印刷の多くは多色印刷であり、印刷画像も、より精緻であることが要求されるが、これに対応するためには、印刷の品質特性を満足するに足る適切な支持体の平面性の保証がなされていなければならない。また、印刷輪転機の高速化に伴い、版にかかる応力の負荷が大きくなるため、印刷初期に於ける平面性が十分でなければ更に版に発生する歪みが増大し、短時間の印刷で印刷品質が損なわれることになる。
【0005】
この様に平面性に対する要求が一層厳しいものになると同時に、オフセット印刷版の製造作業能率改善のためコイル掛け替え時間の節減、オフセット印刷版の製版工程諸条件の安定化等に対する要求からコイルの大きさも漸次大型化、即ちコイル外径の大径化の傾向を強くしてきた。平面性が優れたオフセット印刷用支持体(以下、単に支持体と称する)であるためには、材料製造業者で製造されたアルミニウム条の平面性が良好でなければならないことはいうまでもなく、加えて、材料製造業者から出荷され、表面処理業者に納入されるまで、良好な平面性が維持されなければならない。
【0006】
この様なオフセット印刷版用支持体の使用状況の変化は、支持体の平面性に新たな問題を惹起した。即ち、材料製造業者において製造直後は十分な平面性を有するよう製造された支持体用材料であっても、表面処理業者へ納入され、開梱された際に平面性がしばしば損なわれているという問題が発生する。
この問題の原因について、詳細に検討した結果、材料製造業者から出荷時の状態で平面性は良好であったにも拘わらず、支持体用アルミニウム条の断面形状が中厚或いは耳高状態を呈する場合、この材料がスプールに巻き取られると、表面処理業者での開梱の際、平面性が劣化している事が明らかになった。 図1に中厚及び耳高の状態を示すアルミニウム条の断面模式図とそれぞれの状態を定量的に表す中厚率及び耳高率の定義を示す。
【0007】
中厚状態或いは耳高状態にある条に、一定の張力を負荷してスプールに巻き取ると、アルミニウム条に負荷される巻取り平均応力は一定であっても、中厚、耳高の条の厚い部分が存在すると、巻取り張力分布は不均一となり、条厚の厚い部分に大きな張力が負荷され巻き取られることになる。コイル巻取り後に、この様な張力の大きな部分が残存すると、巻取り後の時間の経過と共にクリープ変形が生じ、支持体を使用時に巻きほぐしたとき、大きな張力が負荷された部分は長さ余りの状態、即ち、中伸び、耳伸び等の状態となり平面性が失われる。特に外径が大きいコイルでは、条の巻き数が多くなり、中厚及び耳高部分の条の厚さの違いが累積される為、条の幅方向の巻取り張力分布の不均一性は、一層顕著になる。従って、中厚率及び耳高率を出来るだけ低く抑えることによって支持体用アルミニウム条の平面性の維持は良好になると考えられる。しかし、この様な平面性の問題を従来の製造方法の中で解決しようとすると、支持体の平面性の一層の改善と圧延の効率的生産性との間には相克する課題が存在する。
【0008】
一般に、効率的な圧延を行うためにはある程度の中厚率を持つことが必要であり、通常のアルミニウム条の圧延では、中厚率は0.5から1.5%の範囲に制御される。中厚率が小さいと圧延の際、圧延ロールと材料間の剪断力、摩擦力が低下するため十分な圧下が加えられなくなると同時に、圧延中に板が幅方向に振れ易くなるため、圧延速度の加速を十分に行えないだけでなく、綺麗なコイル巻きが出来ず、コイルの端部不揃いを生じ、傷発生の原因となる。また、中厚率が大きすぎると次工程の圧延で中厚部分が強く圧延されるため、条の中央部分が長さ余りの状態になり、いわゆる中伸び状態となり、圧延工程中に平面性が著しく損なわれ、矯正工程での平面性の矯正も困難になる。
【0009】
圧延工程中に発生する圧延に起因するアルミニウム条の歪みは、ある程度の範囲内に制御されていると、レベラー或いはテンションレベラーによって矯正され、平坦性の良好なアルミニウム条に矯正される。矯正されたアルミニウム条はスプールに巻き取り、コイルの状態で表面処理業者に出荷する。スプールに巻き取るときは、所定の巻き取り張力が負荷される。この巻き取り張力が過小の場合は、コイルの移動、取り扱い或いは輸送中に、コイルの巻きずれが生じ、コイルの端面の一部が竹の子状になる。また、表面処理業者で表面処理の為の装置に取付け、巻き出しを行うために負荷される張力により、コイルの巻き締まりが生じ、巻き締まりによるコイル中の巻き層間の材料ずれにより傷が発生する。この様なコイルずれ、巻き締まりはコイル内で材料間の摩擦を生じ、印刷版にとっては致命的欠陥である傷の原因になる。
【0010】
コイル巻きとり後の問題を解決するため、比較的剛性の小さい紙管製スプール或いは剛性の高い鋼管製スプールと、スプール材質を変更して、巻取り後の歪みの発生の状況を調査した。しかし、何れの材質のスプールを用いても、中厚或いは耳高或いはその双方が存在すると、問題は解決されなかった。材料がコイルに巻き取られるに従って条の厚い部分の厚みが累積され、その厚みが累積された部分に大きな張力が偏在する。鋼管製スプールを使用する場合はスプールが十分な剛性を持っているため、コイルでの材料の厚い部分の積み重なりの影響はコイル巻き終端部で顕著になり、巻取り張力の分布がコイル幅方向で不均一になり厚い部分に大きな巻取り張力が偏在して、コイル外巻き部分に向かうほど材料の平面性がくずれる。紙管製スプールの場合はスプールの剛性を大きくするに限界がある。従って、ある程度条の巻き数が多くなり、条が巻き重なると、条の幅方向の応力分布に偏りが生じ、高い応力が発生している部分では紙管製スプールが変形するため、巻き始めの部分(内巻き部分)で変形を生じやすくなり、平面性が維持できなくなる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はアルミニウム条の材料断面の形状とこれをコイルに巻き取ったときのコイル幅方向の巻き取り張力とコイル巻取り後に生ずるアルミニウム条の平面性の劣化の関係について入念な調査を行い、コイルの巻きずれを防止するに必要な巻き取り張力をくわえても、なお、巻取り後の平面性が損なわれないようにする材料の断面形状の製造方法について、鋭意研究を重ね、本発明の完成に至ったものである。
即ち、本発明は、オフセット印刷版用支持体に用いるアルミニウム条の製造において、製品幅2条分以上の条数の条幅で圧延し、最終圧延後の条の中厚率が0.3〜1.0%、耳高率が0.3%以下、条の幅方向の両端板厚差が5μm以内となるように圧延した後、該アルミニウム条を、所要の条数に分割することにより、分割後の条の中厚率0.5%以下、耳高率0.3%以下、条の幅方向の両端板厚差が3μm以下であるようにすることを特徴とする平面性に優れたオフセット印刷版支持体用アルミニウム条の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
圧延アルミニウム条の平面性とオフセット印刷用支持体としての品質特性の関係を、種々調査した結果、厚さ0.15〜0.4mm、幅700〜1200mmの支持体用アルミニウム条では、中厚率0.5%以下、耳高率0.3%以下、条の幅方向の両端板厚差(以下、単に両端板厚差という)が3μm以下であれば、印刷業者における印刷品質及び印刷作業性で問題なく、アルミニウム条の輸送・搬送中の平面性の劣化の有無についても問題のないことが判明した。即ち 中厚率が0.5%を越える、耳高率が0.3%を越える、両端板厚差が5μmを越えるの3状態の何れかの1つ或い2つ以上の状態が存在するときは、コイル巻取り前の条の平面性が良好であっても、コイル巻取り後に平面性が劣化することが明らかになった。即ち、アルミニウム条をコイルに巻き取った後の平面性の悪化は、耳高及び中厚部分に大きな巻き取り張力が偏在することにより、歪み発生に至ったものと考えられる。従って、平面性を損なわさせないためには、この様な集中応力を発生させないアルミニウム条の断面形状が必要である。
そこで、2条分のアルミニウム条を製造するに可能な条幅を有する広幅条について検討したところ、1条分のアルミニウム条を製造する通常の方法によるよりも、分割して2条分以上の幅を有する広幅条を製造して、これをコイルの長さ方向に分割して2条以上のアルミニウム条の製造を行う事により、平面性を害する応力の発生、即ちコイル幅内に発生する応力の不均一分布を回避することが容易になることが判明した。
【0013】
コイルの移動、取り扱い等の間にコイルずれ及びコイル巻き締まりが生じないためには、支持体の板厚範囲では支持体断面積当たり0.3kg/mm2以上の巻き取り張力が必要であることが判明した。好ましくは0.5kg/mm2以上が必要である。もし、コイルの取り扱いの動作が激しい場合でも1.5kg/mm2の巻取り張力が負荷されていれば、コイルの巻きずれの懸念はないが、アルミニウム条の断面形状が、中厚、耳高状態の何れか、或いは双方が存在する場合は移動、取扱中の平面性の低下が発生する。この場合の平面性の低下の程度はアルミニウム条の断面形状、コイルの大きさ(巻き外径)、巻きスプールの材質、コイルの状態での保持期間に依存する。これらの因子の相互の関係について種々調査した結果、コイルの断面形状が最も重要な因子であることを明らかにした。即ち、本発明の通り、コイル断面形状が中厚率0.5%以下、耳高率0.3%以下、両端板厚差が3μm以下であれば、問題のないことが判明した。
【0014】
コイル断面形状が上記の範囲内にあるときは、コイルの巻きずれ、巻き締まりが生じない十分な巻き取り張力を負荷しても平面性の劣化は認められない。巻取りスプールの材質についても、巻取り時に変形しない十分な剛性を持つものであれば紙管製、鋼管製等のスプールの材質に拘わらず、取り扱い、保存期間中にアルミニウム条の支持体の平面性に変化は認められない。尚、ここで、保存期間はアルミニウム条の製造(コイル巻取り)後、印刷版として使用されるまでの期間として、通常、予想される最長期間として、6ヶ月の室温保持とした。
【0015】
圧延されたアルミニウム条の断面形状の代表例を模式図として誇張して図2に示す。図2(B)は通常の方法で圧延圧下を行う場合で、ロール圧下を行うとロールは材料側から反力を受けロールの両端を支点として圧下方向に対して反対方向に湾曲するため、圧延される材料は中厚状態となる。この中厚状態を減じるようロールベンディング装置を駆動して圧延すると、アルミニウム条の幅方向中央部の中厚状態は軽減されるが、板幅両端部での圧下が軽減されるため、図2(C)に示すように耳高状態が発生する。ロール圧下状態とロールベンディング装置の調整によりは図2(B)と図2(C)の中間の状態として、適度の中厚と耳高を併存させることが望まれるが図2(D)のケースに陥りやすい。最も望ましくは図2(A)に示す断面形状をもつアルミニウム条を得る事であるが、実際上、その調整は困難であり、前述のとおり、圧延生産性も良くない。
そこで、図2(A)と同様或いはこれに類似する断面形状を得る方法について、種々検討した結果、最終圧延工程までを2条分以上の条数の条幅で圧延し、最終圧延後の条の中厚率を0.3〜1.0%、耳高率を0.3%以下、両端板厚差を5μm以内になるよう圧延した後、該アルミニウム条を、図2(E)に示すように、所要の条数に分割することによりコイル巻き取り後も平面性が変化しないアルミニウム条が得られることを見出した。
【0016】
2条に分割前のアルミニウム条をの中厚率を1.0%以下としたのは、中厚率が1.0%を越えると分割後の両端板厚差が3μmを越え、コイル巻取り後の平面性の維持が出来なくなる為である。分割前のコイルの中厚率は小さいほど分割後の中厚率及び両端板厚さは小さくなるが、中厚率を0.3%以上と限定したのは、0.3%未満では1条幅で生産する場合と同様、制御が困難であり、生産性が低下し好ましくないためである。即ち、分割前の条の中厚率が小さいほど分割後の条も小さくなるが、中厚率を0.3%以下に制御することは、高価な制御機器を必要とすると同時に、著しく生産性を低下させる結果を招く。従って、本発明では分割前の条の中厚率を0.3〜1.0%と限定した、望ましくは0.5〜1.0% である。分割前のコイルの中厚率を0.3〜1.0%の範囲内に収めることにより、2条に分割後の条の中厚率0.5%以下とする範囲も同時に満足することが出来る。
【0017】
また、2条に分割前の耳高率を0.3%以下としたのは、0.3%を越えると、コイル分割後も、コイル巻取り後の平面性が維持できないためである。
両端板厚差を5μm以下としたのは、分割前の中厚率が許容される中厚率の最大値1.0%のとき、両端板厚差が5μmを越えると、分割後の条の両端板厚差が3μmを越える危険があるからである。分割前の両端板厚差が5μmを越える場合は中厚率を1.0%以下、耳高率を0.3%以下の状態に制御しても中厚或いは耳高状態の場合、条の幅方向の板厚の大きい側に張力が偏在し、輸送及び保管中に片伸び状態の歪みを発生し印刷版支持体として使用できないためである。以上の理由により、最終圧延工程までを2条分以上の条幅で製造し、該アルミニウム条の中厚率を0.3〜1.0%、耳高率を0.3%以下、両端板厚差を5μm以内に調整した後、該アルミニウム条を、所要の条数に分割することにより、分割後の条の中厚率0.5%以下、耳高率0.3%以下、両端板厚差が3μm以下であることを特徴とする平面性の優れたオフセット印刷版用アルミニウム条の製造を容易に行うことが出来る。
【0018】
【実施例】
JIS A1050の組成をもつ幅の異なる2種類のアルミニウム鋳塊A(寸法;厚さ500mm、幅1100mm、長さ5000mm)及びB(寸法;厚さ500mm、幅2200mm、長さ5000mm)を作製した。これらの鋳塊について、通常の方法に従って、面削、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を順次行い、何れの鋳塊を用いたものも厚さ0.3mmでコイルに巻き取った。更に、幅2100mmの条はスリッターを用いて、幅中央で2分割し、必要により10mmの中抜きを行いながら2本のコイルを得た。この様にして得られた2種類の製造履歴を持つコイルにたいして、テンションレバラーにてフラットネス矯正を行った後、直ちにスリッターにて製品幅1000mmに仕上げ、何れのコイルについても巻取り張力200kg/製品幅で製品(コイル)に巻き取った。以上のようにして得られた製品(コイル)を20乃至40℃の室温中に6ヶ月間放置した後、巻きほぐしながら平面性の変化の有無を調査した。この各アルミニウム条の断面形状と平面性の調査の結果を表1に示した。なお、表1の中の分割後のプロフィール指標は何れも2条の各測定値の最大値を示した。
【0019】
表1の製造方法の項で単幅とあるのは鋳塊Aを用いて従来の方法によって製造したもので、倍幅とあるのは圧延後2条に分割する本発明の方法によったものである。また、6ヶ月保存後、コイルを巻きほぐしてオフセット印刷版用支持体として十分な平面性を有し良好なものを○、平面性が悪化して使用不可能のものを×、また、いづれとも判断が困難なものを△として示した。
【0020】
【表1】
【0021】
図3に表1に示した実施例と同様の方法で製造した製品(コイル)の代表的断面形状をプロフィルメータを使用して測定した結果の例を示す。図3(A−1)及び図3(A−2)は本発明の方法によりコイルを長さ方向に2分割して得られたそれぞれのコイルの断面形状の測定結果であり、図3(B)は従来の方法によって得られたコイルの測定結果を示した。この結果からも2条分の幅を持つ広幅条を製造し、これをコイル長さ方向に2分割することにより、中厚率が0.3%以下となり、コイル巻取り後も平面性が損なわれないコイルの製造が容易であることが判る。また、分割して製造した条のコイルの断面形状の変化は緩やかであり、巻取り張力の局部集中が生じにくいことも示している。図3に示したアルミニウム条の断面形状測定結果を表2に示す。
本実施例では本発明の例として広幅コイルを分割して2条のコイルを製造する方法について記したが、設備的に可能ならば、分割するコイル数を多くすることにより、中厚率及び耳高率の小さいコイルの製造がより容易になることが図2(E)より理解できる。また、必要により分割後、調質焼鈍を行ってもよい。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の方法によれば、中厚率0.5%以下、耳高率0.3%以下、両端板厚差が3μm以下である断面形状を有するオフセット印刷版支持体用アルミニウム条の製造を容易に行うことが出来、このコイルを使用することにより、コイルの取り扱い、輸送中の間に、巻きずれ、巻き締まりが生じないコイル巻取り張力を負荷しても、平面性が損なわれることのないコイルを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム条の断面形状を表す指標の説明図である。
【図2】アルミニウム条の断面形状の代表例を誇張して示した模式図である。
【図3】アルミニウム条の断面形状の測定例を示す断面部分図である。
【符号の説明】
Ta 条端部の板厚
Tb 条端部の板厚
Tc 条中央部の板厚
Ha 条の耳高
Hb 条の耳高
Hc 条の中厚
Hc’分割した条の中厚
Hc” 分割した条の中厚
Claims (1)
- オフセット印刷版用支持体に用いるアルミニウム条の製造において、製品幅2条分以上の条数の条幅で圧延し、最終圧延後の条の中厚率が0.3〜1.0%、耳高率が0.3%以下、条の幅方向の両端板厚差が5μm以内となるように圧延した後、該アルミニウム条を、所要の条数に分割することにより、分割後の条の中厚率0.5%以下、耳高率0.3%以下、条の幅方向の両端板厚差が3μm以下であるようにすることを特徴とする平面性に優れたオフセット印刷版支持体用アルミニウム条の製造方法。
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JP01063196A JP3623839B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 平面性に優れたオフセット印刷版支持体用アルミニウム条の製造方法 |
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