JP3623799B2 - 新しいエラスターゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は種々の生理学的適用および末端使用への適用のために有用である、エラスターゼ、特にヒト好中球エラスターゼの阻害剤である化合物に関する。
ヒト好中球エラスターゼは慢性気管支炎、襄胞性繊維症および間接リューマチのような多くの炎症性疾患に関る組織破壊に寄与する物質であることが示唆されている(J.L.MalechとJ.I.Gallin,New Engl.J.Med.,317(11),687(1987))。エラスターゼはエラスチン、フィブロネクチン、コラーゲンおよびプロテオグリカンを含む結合組織巨大分子の多くに対抗する広範囲の蛋白分解活性を有する。酵素エラスターゼの存在はこれらの疾患の病因に寄与すると考えられる。
正常な血漿は結合組織のターンオーバーおよび炎症に関与する種々の酵素を制御する大量のプロテアーゼを含有している。例えば、α−1−プロティナーゼ阻害剤(α−1−PI)はエラスターゼの活性をブロックするセリンプロテアーゼ阻害剤である。α−1−PIは正常値の15%未満までの血漿中濃度の低下が気腫の早期発症に関与しているため、多くの注目を集めている。血漿由来プロテアーゼ阻害剤の他に、気管支粘液、鼻粘液、子宮頸管粘液および精液を含む分泌液がエラスターゼを不活性化することができ、炎症性細胞プロテアーゼの存在下上皮細胞の一体性の維持において重要な役割を演じると考えられている分泌ロイコプロテアーゼ阻害剤(SLPI)と称される内因性プロテアーゼ阻害剤を含有する。特定の病理学的状態において、α−1−PIおよびSLPIは好中球酸化機序により不活性化され、本質的に阻害剤非存在環境で好中球プロテアーゼを機能させてしまう。例えば、成人呼吸困難症候群(ARDS)の患者から採取した気管支洗浄液は活性なエラスターゼと酸化により不活性化されたα−1−PIを含有することが分かっている。
酸化機序の他に、好中球は抗プロテアーゼによる阻害を免れるための非酸化機序を有する。慢性肉芽腫性疾患を有する患者より得た好中球は、過剰のα−1−PIの存在下、内皮細胞マトリックスを分解することができる。刺激された好中球は、血清中抗プロテアーゼが堅固な細胞−基体接触の微小環境から効果的に排除されるように、その基体に堅固に結合することを示す多くのin vitroの証拠がある。炎症幹部への好中球の大量の流入は、この領域で起こる蛋白分解による多大な組織損傷をもたらす。
出願人は、エラスターゼが軟骨マトリックスプロテオグリカンを分解する好中球溶解物、精製エラスターゼおよび刺激好中球の能力により測定される軟骨マトリックス変性に関与する一次好中球プロテアーゼの1つであることを確認している。更に、出願人は以前に、種々の価値ある薬理学的活性を示すエラスターゼ阻害剤として有用なペプチド誘導体を発見した。例えば、末端カルボキシル基がペンタフルオロエチルカルボニル(−C(O)C2F5)基で置換されており、そしてN−末端がアミノ酸が4−モルホリンカルボニル基のような種々のヘテロ環含有基により保護されるエラスターゼ阻害剤として有用なペプチド誘導体が欧州特許出願0PI No.0529568号(Peet等,1993年3月3日公開)に記載されている。出願人は最近、P2部分が種々の窒素含有ヘテロ環基で置換されたペプチジルエラスターゼ阻害剤を発見した。
発明の要旨
本発明は、エラスターゼ阻害剤として有用な下記式I
Figure 0003623799
〔式中、P4はAla、bAla、Leu、Ile、Val、Nva、bVal、Nleまたは結合であり;
P3はAla、bAla、Leu、Ile、Val、Nva、bVal、Nleまたはn−メチル誘導体、Pro、Ind、TicまたはTca、またはイプシロンアミノ基上でモルホリノ−B−基で置換されたLysまたはデルタアミノ基上でモルホリノ−B−基で置換されたOrnであり;
P2はPip、Aze、Pro(4−OH)、Pro(4−(OAc)またはPro(4−OBzl)であり;
R1はAla、Leu、Ile、Val、NvaまたはbValの側鎖であり;
Xは−CF3、−CF2H、−CFH2、−C(=O)Y、−C(=O)P2′−Y、−CF2C(=O)P2′−Y、−CF2CH(R1′)C(=O)P2′−Y、−CF2CH(R1′)NHC(=O)P3、−CHFCH(R1′)NHC(=O)R3、−H、−C(=O)R3、−CH(R1)C(=O)P2′−Y、−CF2CF3、−CF2(CH2tCH3、−CF2(CH2tCOOR4、−CHF(CH2tCH3、−CF2(CH2tCONHR4、−CF2(CH2tCH2OR4、CF2(CH2vCH=CH2、−CH2Clまたは−C(=O)−C(=O)−Y;であり;
R3はH、C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルであり;
R4はHまたはC1-6アルキルであり;
R1′はAla、Leu、Ile、Val、NvaまたはbValの側鎖であり;
P2′は結合、AlaまたはValであり;
Yは−NHR3、OR3であり;
tは2、3または4であり;
vは1、2または3であり;
Kは水素、ホルミル、アセチル、スクシニル、ベンゾイル、t−ブチルオキシカルボニル、カルボベンジルオキシ、トシル、ダンシル、イソバレリル、メトキシスクシニル、1−アダマンタンスルホニル、1−アダマンタンアセチル、2−カルボキシベンゾイル、フェニルアセチル、t−ブチルアセチル、ビス((1−ナフチル)メチル)アセチル、−C(=O)N−(CH3
Figure 0003623799
−A−Rz(ただし式中、Aは
Figure 0003623799
であり、そしてRzはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、ヒドロキシから独立して選択される基1〜3個で適当に置換された炭素6、10または12個を含むアリール基、炭素1〜6個を含むアルキル、炭素1〜6個を含むアルコキシ、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノただしアルキル基が炭素原子1〜6個を含むもの、5−テトラゾリル、および炭素原子1〜15個を含むアシルスルホンアミドであるが、ただし、アシルスルホンアミドがアリールを含む場合は、アリールは更にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードおよびニトロから選択される基で置換されていてよい);
または
Figure 0003623799
{ただし式中、
ZはNまたはCHであり、そしてBは下記式
Figure 0003623799
(波線
Figure 0003623799
は分子の残りの部分への、即ちZへではないような、結合を示す)の基(ただしここでR′は水素またはC1-6アルキル基)}である〕
の化合物に関する。式Iの化合物は痛風、関節リューマチおよびその他の炎症性疾患、例えば成人呼吸困難症候群、敗血症、慢性気管支炎、炎症性腸疾患、多発性血管内凝固、襄胞性繊維症および気腫の治療において有用な抗炎症作用を示す。
発明の詳述
式Iの化合物の等配電子物には(a)P2−P4置換基のαアミノ残基の1つ以上が非天然型の構造にある(天然型の構造がある場合)か、または、(b)正常なペプチド性アミド結合〔−C(=O)NH−〕が修飾されて、例えば、−CH2NH−(還元)、−COOH2−(ケト)、−CH(OH)CH2−(ヒドロキシ)、−CH(NH2)CH2−(アミノ)、−CH2CH2−(炭化水素)、−CH=CH−(アルケン)となっているようなものを含む。好ましくは、本発明の化合物は等配電子型ではなく、特に修飾されたペプチド性アミド基が存在しないことが好ましいが、存在する場合は、等配電子型修飾が最小限に維持されることが好ましい。
C1-6アルキル基は、直鎖、分枝鎖、または環状のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルメチルを包含するものとする。
式Iの化合物は、何れかの非毒性の、有機または無機の酸と薬学的に許容される塩を形成できる。適当な塩を形成する代表的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸および酸金属塩、例えばオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムを包含する。適当な塩を形成する代表的な有機酸は、モノ、ジおよびトリカルボン酸を包含する。このような酸の代表例は、例えば酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキ安息香酸、フェニル酢酸、ケイヒ酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、およびスルホン酸、例えばメタンスルホン酸および2−ヒドロキシエタンスルホン酸である。
Xが−C(=O)−C(=O)−Yであるような式Iの化合物は、水和されたまたは脱水された形態で存在できる。式Iのこれらのトリケト化合物の水和物は、Xが−C(=O)−C(=O)−Yであるような式Iの脱水されたトリケト化合物よりも遥かに化学的に安定である。この理由のため、水和物が好ましく、本明細書および請求の範囲におけるトリケト化合物の何れの記載も矛盾のない限り相当する水和形態の記載も含むものとする。更に、本発明の化合物は正常な生理学的条件下では水和形態であることが予測される。
各αアミノ酸は、特徴的な“R基”を有し、R基はαアミノ酸のα炭素原子に連結した側鎖または残基である。例えば、グリシンのR基側鎖は、水素であり、アラニンではメチル、バリンではイソプロピルである(即ち、本明細書を通じて、R1部分は各記載αアミノ酸のR基である)。αアミノ酸の特定のR基または側鎖については、A.L.Lehningerの著書であるBiochemistry(特に第4章)を参照されたい。
グリシンを除く天然のアミノ酸は、キラルな炭素原子を含む。特段の記載がない限り好ましい化合物はL型の光学活性アミノ酸であるが、出願人は、式Iの化合物のアミノ酸はD型またはL型であるか、または、ラセミ混合物を含むD型とL型の混合物であることができることを意図する。αアミノ酸の認識された略記方法を表Iに示す。
Figure 0003623799
特定の共通の用途を有する構造的に関連性のある化合物の何れの基についても、特定の基および型は、その最終用途における式Iの化合物に対して好ましいものとする。
置換基P4については、P4がAlaまたは結合であるような式Iの化合物が好ましい。P4が結合であるような式Iの化合物が特に好ましい。
置換基P3については、P3がIle、ValまたはAlaであるような式Iの化合物が好ましい。P3がValであるような式Iの化合物が特に好ましい。
置換基R1については、R1がそれぞれアミノ酸ValおよびNvaの特徴的な“R基”である−CH(CH3または−CH2CH2CH3であるような式Iの化合物が好ましい。R1が−CH(CH3であるような式Iの化合物が特に好ましい。
置換基Xにつていは、Xが−CH2CF3、−CF3、−CF2(CH2tCH3、−CF2(CH2tCOOR4、−CHF(CH2tCH3、−CF2(CH2tCONHR4、−CF2(CH2tCH2OR4、または−CF2(CH2vCH=CH2であるような式Iの化合物が好ましい。XがCF2CF3であるような式Iの化合物が特に好ましい。
置換基Kについては、Kがベンゾイル、t−ブチルオキシカルボニル、カルボベンジルオキシ、イソバレリル、−C(=O)N(CH3
Figure 0003623799
ただし、ZがNでありBが下記式
Figure 0003623799
の基(ただしここでR′は水素またはC1-6アルキル基)であるもの、であるような式Iの化合物が好ましい。
Kが
Figure 0003623799
ただし、ZがNでありBが下記式
Figure 0003623799
の基(ただしここでR′は水素またはC1-6アルキル基)であるもの、であるような式Iの化合物が特に好ましい。
好ましい化合物の特定の例を以下に示す。
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−L−2−アゼトアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−D,L−2−ピペコリンアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−アセトキシプロリンアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ベンジルオキシプロリンアミド。
一般的に、式Iの化合物は、当該分野で知られた類似の標準的反応を用い、そしてスキームAに記載する通り、調製してよい。
Figure 0003623799
スキームAは式Iの化合物の調製のための一般的な合成方法を示すものである。
P2、P3およびK−P4基は、構造式(1)のアミノ酸誘導体の遊離のアミノ基に連結することができる。構造式(1)は遊離のカルボン酸基が上記した“X"部分で置換されているようなP1部分を示す。P2、P3およびK−P4はよく知られたペプチドカップリング方法により未保護の遊離のアミノ化合物(P1−X)に連結できる。更に、P1、P2、P3およびK−P4基は、最終的な化合物がK−P4−P3−P2−P1−Xとなる限りにおいて、どのような順序で連結してもよい。例えば、K−P4をP3に連結してK−P4−P3とし、これをP2−P1−Xに連結することもでき、或いは、K−P4をP3−P2に連結し、次に適切にC−末端保護されたP1に連結し、そしてC−末端保護基をXに変換することもできる。
一般的に、ペプチドはN−末端残基のα−アミンを脱保護し、次に好ましくN−保護されたアミノ酸を記載した方法を用いたペプチド連結によりカップリングすることにより鎖伸長する。この脱保護およびカップリングの操作を所望の配列が得られるまで反復する。このカップリングは、構成要員のアミノ酸を出発物質として、スキームAに記載したような段階的方法で、またはフラグメント(2個から数個のアミノ酸)の縮合により、または両方の工程の組合わせにより、またはMerrifield(J.Am.Chem.Soc.,1963,85,2149−2154、記載内容は参考のために本明細書に組み込まれる)が初めに記載した方法に従って固相ペプチド合成により、行なうことができる。固相合成方法を用いる場合は、C−末端カルボン酸を不溶性の担体(通常はポリスチレン)に連結する。これらの不溶性の担体は、アルデヒド基と反応して、伸長条件に対しては安定であるが後に容易に切断されるような結合を形成するような基を含んでいる。その例は、クロロ−またはブロモメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂およびアミノメチル樹脂である。これらの樹脂の大部分は所望のC−末端アミノ酸が既に組み込まれた状態で市販されている。XはHであるような式Iの化合物については、リンカー化合物は、XがHであるような構造式(1)のアミノ酸誘導体のアルデヒド官能基に樹脂を連結させるためにスキームAの反応で使用してもよい。適当なリンカー化合物の例は以下の通りである。
Figure 0003623799
あるいは、本発明の化合物は自動ペプチド合成装置を用いて合成することもできる。前記したものの他、ペプチド合成は、StewartとYoungの「固相ペプチド合成」(Solid Phase Peptide Synthesis,第2版,Pierce Chemical Co.,Rockford,IL(1984);Gross,Meienhofer,Udenfriend編集の「ペプチド:分析、合成、生物学」(The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,第1,2,3,5および9巻,Academic Press,Mew York,1980−1987);Bodanszkyの「ペプチド化学:実際のテキスト」(Peptide Chemistry:A Practical Textbook,Springer−Verlag,New York(1988);およびBodanszky等の「ペプチド合成の実際」(The Practice of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,New York(1984))に記載されており、その内容は参考のために本明細書に組み込まれる。
2つのアミノ酸、アミノ酸とペプチド、または2つのペプチドフラグメントの間のカップリングは、標準的なカップリング法、例えば、アジド法、混合カルボン−無水カルボン酸(イソブチルクロロホルメート)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドまたは水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)法、Woodward試薬K法、カルボニルジイミダゾール法、BOP−Clのようなリン試薬、または酸化還元法を用いる方法により行なうことができる。これらの方法の一部(特にカルボジイミド法)は1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを添加することにより、促進できる。これらのカップリング反応は、溶液(液相)または固相の何れにおいても行なうことができる。
構成要員アミノ酸の官能基は、一般的に、望ましくない結合の形成を回避するためにカップリング反応中は保護基しなければならない。使用できる保護基は、Greeneの「有機化学における保護基」(Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons,New York(1981))および「ペプチド:分析、合成、生物学」(The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,第3巻,Academic Press,New York(1981))に記載されており、その開示内容は参考のために本明細書に組み込まれる。
C−末端残基のαカルボキシル基は通常は分解されてカルボン酸を形成できるようなエステルにより保護する。使用できる保護基は、1)メチルおよびt−ブチルのようなアルキルエステル、2)ベンジルおよび置換ベンジルのようなアリールエステル、または3)トリクロロエチルおよびフェナシルエステルのような穏やかな塩基処理または穏やかな還元操作により分解できるエステルを包含する。
成長中のペプチド鎖にカップリングするべき各アミノ酸のαアミノ基は保護しなければならない。当該分野で知られた何れの保護基も使用できる。その例としては、1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリルおよびp−トルエンスルホニルのようなアシル型;2)ベンジルオキシカルボニル(CbzまたはZ)および置換ベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)のような芳香族カーバメート型;3)t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルのような脂肪族カーバメート型;4)シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニルのような環状アルキルカーバメート型;5)トリフェニルメチルおよびベンジルのようなアルキル型;6)トリメチルシランのようなトリアルキルシラン;および7)フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルのようなチオール含有型が包含される。好ましいαアミノ保護基はBocまたはFmocの何れか、好ましくはBocである。ペプチド合成のために適当に保護された多くのアミノ酸誘導体が市販されている。
新たに付加したアミノ酸残基のαアミノ基保護基は次のアミノ酸のカップリングの前に除去する。Boc基を用いる場合は、選択すべき方法は、未希釈またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、またはジオキサンまたは酢酸エチル中の塩酸を使用する方法である。次に得られたアンモニウム塩をカップリングの前に、または容器内で、水性緩衝液、またはジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中の第3アミンのような塩基性溶液を用いて中和する。Fmoc基を使用する場合は、選択する試薬はジメチルホルムアミド中のピペリジンまたは置換ピペリジンであるが、何れかの第2アミンまたは水性の塩基性の溶液も使用できる。脱保護は0℃〜室温で行なう。
側鎖官能基を有するアミノ酸は何れも、上記した何れかの基を用いてペプチドの調製中保護しなければならない。当業者の知る通り、これらの側鎖官能基に対する適切な保護基の選択および使用は、アミノ酸およびペプチド中のその他の保護基の存在により異なる。このような保護基の選択は、脱保護およびαアミノ基のカップリングの間に除去されてはならないという点が重要である。
例えば、Bocをαアミノ保護基として使用する場合、以下の側鎖保護基が適している。即ち、p−トルエンスルホニル(トシル)部分はLysおよびArgのようなアミノ酸のアミノ側鎖を保護するために使用でき;p−メチルベンジル、アセトアミドメチル、ベンジル(Bzl)、またはt−ブチルスルホニル部分は、システインのようなアミノ酸のスルフィド含有側鎖を保護するために用いることができ、そしてベンジル(Bzl)エーテルはSerまたはThrのようなアミノ酸のヒドロキシ含有側鎖を保護するために使用できる。
Fmocをαアミン保護のために選択する場合は、通常は、t−ブチル系保護基が許容される。例えば、Bocはリジンに対し、t−ブチルエーテルはセリンおよびスレオニンに対し、そしてt−ブチルエステルはグルタミン酸に対して使用できる。
ペプチドの伸長が終了した時点で、保護基を全て除去する。液相合成を使用する場合は、保護基は保護の選択により予測されるいずれの方法でも除去される。これらの操作法は当業者の知る通りである。
固相合成を用いる場合は、ペプチドは通常は保護基の除去と同時に樹脂から脱離させる。合成にBoc保護法を用いる場合は、0℃におけるジメチルスルフィド、アニソール、チオアニソールまたはp−クレゾールのような添加物を含有する無水フッ化水素による処理が樹脂からペプチドを脱離させるための好ましい方法である。ペプチドの脱離はまた、トリフルオロメタンスルホン酸/トリフルオロ酢酸混合物のような別の酸試薬により行なうこともできる。Fmoc保護法を用いる場合は、N−末端Fmoc基は前に記載した試薬を用いて脱離させる。その他の保護基およびペプチドはトリフルオロ酢酸およびアニソール等のような種々の添加物の溶液を用いて樹脂から脱離させる。
XがHであるような式Iの化合物については、式Iのペプチド化合物は、水性の酸/ホルムアルデヒドを用いてリンカー化合物および樹脂から脱離してよい。
或いは、式Iの化合物は当該分野で知られた類似の標準的化学反応を用い、そしてスキームBに記載する通り、調製してよい。
Figure 0003623799
スキームBは式Iの化合物の調製するための別の一般的合成方法を示すものである。
P2、P3およびK−P4基はスキームAにおいて前に記載した通り、構造式(2)のアミノアルコール誘導体の遊離アミノ基に連結することにより、構造式(3)のペプチドアルコールとすることができる。
次に構造式(3)のペプチドアルコールのアルコール官能基を当業者のよく知る望ましい方法、例えばオキサリルクロリドおよびジメチルスルホキシドを用いたSwern酸化により、酸化して式Iの化合物を得る。
スキームAおよびBにおいて使用する出発物質は当業者が容易に得ることができるものである。例えば、アミノ酸P2、P3およびKが水素であるようなK−P4は市販されており、構造式(L1)のリンカー化合物はJ.Am.Chem.Soc.,114,3157−59(1992)に記載されている。更に、Kがアセチル、スクシニル、ベンゾイル、t−ブチルオキシカルボニル、カルボベンジルオキシ、トシル、ダンシル、イソバレリル、メトキシスクシニル、1−アダマンタンスルホニル、1−アダマンタンアセチル、2−カルボキシベンゾイル、フェニルアセチル、t−ブチルアセチル、ビス〔(1−ナフチル)−メチル〕アセチルまたは−A−Rz、ただし、
Figure 0003623799
であり;そして、
Rzはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、ヒドロキシよりなる群から独立して選択された基1〜3個で適当に置換された炭素6、10または12個を含むアリール基、炭素1〜6個を含むアルキル、炭素1〜6個を含むアルコキシ、カルボキシ、アルキル基が炭素1〜6個を含むアルキルカルボニルアミノ、5−テトラゾリルおよび炭素1〜15個を含むアシルスルホンアミド(即ち、アシルアミノスルホニルおよびスルホニルアミノカルボニル)であるが、ただしアシルスルホンアミドがアリールを含む場合は、そのアリールはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードおよびニトロから選択される基で更に置換されていてよいもの;そしてこれらに官能基的に等価な他の末端アミノ保護基であるような置換アミノ酸K−P4は、欧州特許出願OPI No.0363284号(1990年4月11日)に記載されている。
構造式(1)の出発アミノ化合物は、当業者が容易に得ることができるものである。例えば、XがHであるような構造式(1)の特定の保護アミノ化合物は文献既知であり、また欧州特許出願OPI No.0275101号(1988年7月20日)および欧州特許出願OPI No.0363284号(1990年4月11日)にも記載されている。更に、Xが−CF3、CF2(CH2tCH3、−CF2(CH2tCOOR4、−CF2(CH2tCONHR4、−CF2(CH2tCH2OR4、−CF2CF3および−CF2(CH2tCH=CH2であるような構造式(1)のアミノ化合物は、欧州特許出願OPI No.0503203号(1992年9月16日)に記載されている。Xが−CH3、−CF2H、−C(=O)−Y、−CF2CH(R1′)−C(=O)P2′−Yおよび−C(=O)−P2′−Yであるような構造式(1)のアミノ化合物は、欧州特許出願OPI No.0195212号(1986年9月24日)に記載されている。Xが−CF2CH(R1′)NHC(=O)P3であるような構造式(1)のアミノ化合物は、OPI No.0275101(1988年7月20日)に記載されており、Xが−CHFCH(R1′)NHC(=O)R3であるような構造式(1)のアミノ化合物は、ブロモジフルオロ酢酸エチルエステルの代わりにブロモフルオロ酢酸エチルエステルを用いて類似の方法により調製してよい。Xが−CFH2であるような構造式(1)のアミノ化合物は、Biochem.J.(1987),241,871−5,biochem.j.(1986),239,633−40および米国特許4,518,528(1985年5月21日)に記載されている。Xが−CO2R3、C(=O)−R3および−CH(R1)−C(=O)P2′−Yであるような式(I)のアミノ化合物は、欧州特許出願OPI No.0363284号(1990年4月11日)に記載されている。Xが−CF2CH(R1′)NHC(=O)−R3であるような式(I)のアミノ化合物は、欧州特許出願OPI No.0275101号(1988年7月20日)に記載されている。更にXが−CF2CF3であるような構造式(15)のアミノ化合物は、欧州特許出願OPI No.0410411号(1991年1月30日)に記載されている。XがHであるような式Iの化合物の合成に用いるリンカー化合物トランス−4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸ベンジルエステルはJ.Am.Chem.Soc.1992,114,3156−3157に記載の相当する酸から調製する。
更に、スキームAおよびBで使用するための他の出発物質はよく知られ当業者の望ましいと考える以下の合成方法により調製してよい。
Kが
Figure 0003623799
ただし式中、
ZはNまたはCHであり、そしてBは下記式
Figure 0003623799
Figure 0003623799
の基(ただしここでR′は水素またはC1-6アルキル基)であるような置換アミノ酸K−P4は当該分野でよく知られた類似の標準的化学反応を用いて調製する。
Kが
Figure 0003623799
ただし式中、Bが−C(=O)−であるような置換アミノ酸K−P4を調製するための方法は、P4およびZが前に定義したもの、またはそれらの基の官能性等価物であるスキームCに記載されている。
Figure 0003623799
典型的には、Kが
Figure 0003623799
ただしここでBは−C(=O)−であるようなアミノ酸K−P4はハロゲン化水素受容体として作用できる適当なアミン1〜4モル当量の存在下構造式(4)の酸クロリドにKが水素であるアミノ酸K−P4をカップリングさせることにより調製する。ハロゲン化水素受容体として用いるために適するアミンは第3有機アミン類、例えば、トリ(低級アルキル)アミン類、例えばトリエチルアミンまたは芳香族アミン類、例えば、ピコリン、コリジンおよびピリジンである。ピリジン、ピコリンまたはコリジンを用いる場合は、それらは過剰量で使用でき、これにより反応溶媒としても機能する。特に反応に適するものは、N−メチルモルホリン(NMM)である。カップリング反応は、過剰量、例えば1〜5、好ましくは4倍モル過剰量のアミン、次いで、構造式(4)の酸クロリドをKが水素であるようなアミノ酸K−P4の溶液に添加することにより行なうことができる。溶媒は、何れかの適当な溶媒、例えば石油エーテル、塩素化炭化水素、例えば四塩化炭素、塩化エチレン、塩化メチレン、クロロホルム;塩素化芳香族、例えば1,2,4−トリクロロベンゼン、またはo−ジクロロベンゼン;二硫化炭素;エーテル系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンまたは芳香族溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、またはキシレンであることができる。塩化メチレンがこのカップリング反応のために適した溶媒である。反応は、反応体、溶媒、濃度およびその他の要因、例えば約0℃〜約60℃、好都合にはほぼ室温、即ち25℃であってよい温度に応じて、約15分〜約6時間の間進行させてよい。Kが
Figure 0003623799
ただしここでBは−C(=O)−であるようなN−保護アミノ酸K−P4は、シリカゲル上のクロマトグラフィーのような適切な方法により、反応混合物から単離できる。
Kが
Figure 0003623799
ただしここでBは−C(=O)−ではないようなものである置換アミノ酸K−P4は同様にして、単に、適切な中間体
Figure 0003623799
ただしここでBは−C(=O)−ではなくAはClまたはOHであるもの(相当する酸、酸クロリドまたはスルホニルクロリド)とスキームCにおける構造式(5)の化合物とを置き換えることにより調製できる。
構造式(4)の酸クロリドおよび下記式
Figure 0003623799
〔式中Bは−C(=O)−でありAはClまたはOHである〕の適切な中間体(相当する酸、酸クロリドまたはスルホニルクロリド)は市販されているものを用いるか、または当該分野でよく知られ、当業者の望ましいと考える方法および操作により容易に調製してよい。
例えば、下記式
Figure 0003623799
の適切な中間体は、置換基が全て前に定義したものであるスキームDに記載するとおり調製してよい。
Figure 0003623799
スキームDは下記式
Figure 0003623799
〔式中Zは前に定義した通りである〕の適切な中間体を調製するための一般的な合成方法を示すものである。
段階aでは適切な2,5−ピリジンジカルボン酸2−メチルエステル(6)(Nippon Kagaku Zasshi,1967,88,563)のカルボン酸官能基を、チオニルクロリドを用いるなど、当該分野でよく知られ、当業者が望ましいと考える方法および操作を用いてその酸クロリドに変換することにより、相当する6−カルボメトキシニコチノイルクロリド(7)を得る。
段階bでは、酸クロリド(7)を当該分野でよく知られ、当業者が望ましいと考える方法および操作を用いてモルホリン(8)でアミド化し、相当する5−(モルホリン−4−カルボニル)−2−ピリジンカルボン酸メチルエステル(9)とする。
段階cでは、メチルエステル官能基(9)を、例えばメタノール中水酸化リチウムを用いるなど、当該分野でよく知られ、当業者が望ましいと考える方法および操作を用いて加水分解し、5−(モルホリン−4−カルボニル)−2−ピリジンカルボン酸(10)を得る。
更に、下記式
Figure 0003623799
の適切な中間体は、全ての置換基が既に定義したものであるスキームEに記載する通り調製してよい。
Figure 0003623799
スキームEは下記式
Figure 0003623799
〔式中Zは前に定義したものである〕の適切な中間体を調製するための一般的な合成方法を示すものである。
段階aでは、2,5−ピリジンジカルボン酸2−メチルエステル(6)(Nippon Kagaku Zasshi,1967,88,563)の遊離カルボン酸官能基を、ジシクロヘキシルカルボジイミドのt−ブチルアルコール付加塩(Synethesis,1979,570)を用いるなど、当該分野でよく知られ、当業者が望ましいと考える方法および操作を用いてそのt−ブチルエステルに変換することにより、相当する2,5−ピリジンジカルボン酸2−メチルエステル、5−t−ブチルエステル(11)を得る。
例えば、2,5−ピリジンジカルボン酸2−メチルエステル(6)を塩化メチレンのような適切な有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミドのt−ブチルアルコール付加物のモル過剰量と合わせる。反応は典型的には、0℃〜室温で、2〜24時間行なう。2,5−ピリジンジカルボン酸2−メチルエステル5−t−ブチルエステル(11)は当該分野でよく知られた標準的な抽出法により反応混合物から単離し、結晶化により、精製してよい。
段階bでは、化合物(11)のメチルエステル官能基をモルホリン(8)を用いてアミド化し、相当する6−(モルホリン−4−カルボニル)ニコチン酸t−ブチルエステル(12)を得る。
例えば、2,5−ピリジンジカルボン酸2−メチルエステル5−t−ブチルエステル(11)をテトラヒドロフランのような適切な有機溶媒中モルホリンのモル過剰量と接触させる。反応は典型的には、室温から還流温度までの範囲で、5時間から3日間行なう。6−(モルホリン−4−カルボニル)ニコチン酸t−ブチルエステル(12)は、当該分野でよく知られた標準的な抽出法により反応混合物から単離し、結晶化により精製してよい。
段階cでは、化合物(12)のt−ブチルエステル官能基を例えばニトロメタン中の塩酸を用いて加水分解し、相当する6−(モルホリン−4−カルボニル)ニコチン酸(13)を得る。
Xが−C(=O)−C(=O)−Yであるような構造式(1)のアミノ化合物は、当該分野でよく知られた標準的な方法および操作により調製してよい。
例えば、Xが−C(=O)−C(=O)−Yであるような構造式(1)のアミノ化合物は置換基が全て前に定義したものであるようなスキームFに記載する通り調製してよい。
Figure 0003623799
典型的には、Xが−C(=O)−C(=O)−Yであるような構造式(1)のアミノ化合物はスキームFに示す通り、酢酸エチル中の塩化水素、または未希釈または塩化メチレン中の溶液としてのニトロメタンまたはトリフルオロ酢酸のような適切な酸で適切にN−Boc保護されたトリカルボニル化合物(20)を処理し、次いで、適切な塩基を用いて遊離の塩基(21)を形成することにより、調製できる。
中間体(20)は、(a)オゾンおよびジメチルスルフィドまたは(b)シングレット状態の酸素または(c)オキソン(Oxone▲R▼)で処理することによりイリド(19)から形成する。オゾノリシス反応は、好都合には、例えば構造式(20)の適切なイリドの冷却溶液中にオゾン過剰量をバブリングさせることにより行なうことができる。適当な溶媒には、構造式(20)のイリドが可溶であるような何れかの非反応性の溶媒、例えば酢酸エチルのような単純なアルカン酸のアルキルエステル;四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンおよび塩化メチレンのような塩素化炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような芳香族炭化水素;1,2,4−トリクロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンのような塩素化芳香族;またはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)および1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が包含される。塩化メチレンが好ましい。
オゾノリシス反応混合物の温度は、反応を誘導できるような何れの温度であることもでき、典型的には約−78℃〜約0℃、好ましくは約−78℃〜約−35℃、そして最も好ましくは約−70℃である。反応時間は、イリド、反応体の濃度、温度およびその他の要因に応じて変化する。好都合には、溶液が青色に変色し過剰量のオゾンを示すようになるまで、反応混合物にオゾンをバブリングする。
次にオゾニドを金属亜鉛または好ましくはジメチルスルフィドのような還元剤過剰量で処理する。化合物(20)を典型的には溶媒除去(蒸発による)により、何れかの好都合な方法で反応混合物から水和物として単離する。精製は、例えばフラッシュクロマトグラフィーにより行なってよい(Still,W.C.,Kahn,M.;Mitra,A.;J.Org.Chem.,1978,43,2923)。
オキソンはより穏やかでより選択性の高い試薬が望まれる場合に、オゾンの代わりに用いてよい。典型的には、イリド(19)をTHF−水中のオキソン1.5当量で処理し、得られた水和トリカルボニルを反応混合物から単離する。
シングレットの酸素を用いる酸化はよく知られている。より典型的には、トリカルボニルエステルを形成するためのイリドのシングレット酸素酸化は、H.Wasserman等のJ.Amer.Chem.Soc.,11,371(1989)に記載されている。シングレット酸素は、酸素の染料増感励起により発生させることができる。適当な染料にはローズベンガル、エオシンYおよびメチレンブルーが含まれる。その他の増感剤にはi−ナフタレンチオフェンが包含される。典型的には、ローズベンガルおよびエオシンYは塩基性アニオン交換樹脂に結合させ、メチレンブルーは、酸性カチオン交換樹脂に結合させる。励起はタングステン−ヨウ素ランプのようなUVランプを用いて行なう。適当な溶媒は、所望の反応を促進し、これを妨害しない何れかの溶媒である。このような溶媒には、ベンゼンおよびトルエンのような芳香族炭化水素;ヘキサンのような炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒;ジクロロメタンおよびクロロホルムのような塩素化炭化水素;および二硫化炭素が包含される。混合物も使用できる。反応混合物の温度は、約−78℃〜約30℃、典型的には約−78℃〜−50℃の何れの温度であることもできる。反応時間は、反応体、溶媒、濃度および温度により変化し、約1分〜約2時間であることができる。精製および単離は、オゾノリシス反応混合物からの生成物の特性化および単離について上記した方法により行なうことができる。
構造式(19)のN−Boc保護イリドはTHFまたはジクロロメタンのような適当な溶媒中、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(17)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドメトヨーダイド(18)のような水溶性カルボジイミド(WSCDI)を用いて構造式(16)のホスホニウムイリドに構造式(14)のN−Boc保護アミノ酸をカップリングさせることにより調製する。反応は、アミノ酸、イリド、溶媒および約−15℃〜約60℃、典型的には0℃であるような温度に応じて、約30分〜約12時間、典型的には、約2〜3時間を必要とする。単離および精製は、反応混合物を濾過して固体生成物を除去し、その後濾液を、例えばシリカゲル上のクロマトグラフィーに付すことにより行なう。
構造式(16)のリン化合物のイリドであるWittig試薬は、構造式(15)の相当するα−ハロカルボン酸誘導体から定法により、即ち、α−ハロエステルをトリフェニルホスフィンのような第3ホスフィンと反応させてホスホニウム塩を形成することにより調製する。有機リチウム化合物、例えばリチウムジイソプロピルアミド(LDA)、水素化ナトリウムまたはナトリウムアミドのような強塩基で処理する場合は、酸性プロトンを除去し、所望のイリドを形成する。Wittig試薬を形成するために用いる適当な溶媒は、何れの非反応性の溶媒も包含し、例えばベンゼンまたはトルエンのような芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、または塩化メチレンのような塩素化炭化水素、またはジエチルエーテルまたはTHFのようなエーテル系溶媒を使用してよい。
反応は、好都合には、約0℃〜約60℃、典型的には室温、即ち約25℃で行なうことができる。α−ハロエステルのハロ基は好ましくはブロモ基であるが、クロロまたはヨード基であることもでき、或いはメシレートまたはトシレート基のような安定なホスホニウム塩を形成する何れかの良好な脱離基であることもできる。
更に、Xが−CHF(CH2tCH3であるような構造式(1)のアミノ化合物は全ての置換基が既に定義したものであるようなスキームGに記載する通り調製してよい。
Figure 0003623799
スキームGはXが−CHF(CH2tCH3であるような構造式(1)のアミノ化合物の調製のための一般的合成方法を示す。スキームGでは、全ての置換基は特段の記載がない限り、既に定義した通りである。
段階aでは構造式(22)の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)を用いるカップリング反応のような、当該分野でよく知られ当業者の好ましいと考える方法および操作により、N−メチル−N−メトキシアミドを用いてアミド化することにより、構造式(23)の相当するアミドを得る。
段階bでは、構造式(23)の適切なアミドを構造式(24)の適切なアルキル金属化合物でアルキル化し、構造式(25)の相当するケト化合物とする。
例えば、構造式(23)の適切なアミドをテトラヒドロフランまたはジエチルエーテルのような適当な非プロトン性の無水有機溶媒中、構造式(24)のアルキル金属化合物で処理する。反応は典型的には、−78℃〜−40℃の範囲の温度で、30分〜5時間行なう。構造式(25)の相当するケト化合物は、当業者の知る抽出法で反応領域から回収し、クロマトグラフィーにより精製してよい。
段階cでは構造式(25)の適切なケト化合物を構造式(26)のN−フルオロスルホンイミド化合物、または別のフッ素化試薬(27)、(28)または(29)でフッ素化し、アミノ末端基がBoc基で置換され、Xが−CHF(CH2tCH3であるような構造式(1)のアミノ化合物である構造式(30)の保護されたアミノ化合物を得る。
例えば、構造式(25)の適切なケト化合物を−78℃〜−40℃の範囲の温度で、5分〜2時間、テトラヒドロフランのような適当な無水非プロトン性有機溶媒中、リチウムジイソプロピルアミドのような適切な非親核塩基で処理する。次に反応混合物を構造式(25)のN−フルオロスルホンイミド化合物で処理し、反応を−78℃〜−40℃の範囲の温度で30分〜10時間行なう。Xが−CHF(CH2tCH3であるような構造式(1)のN−t−Boc保護アミノ化合物は、当業者の知る抽出法で反応領域から回収し、クロマトグラフィーにより精製してよい。
X=−CF3CF3の構造式(1)の化合物の調製のための別の経路はスキームHに示す。
化合物(31)により定義される必要な出発物質は、市販のものを用いるか、または従来の方法で調製する。“Pg"という用語は、前により詳細に定義した通り適当な保護基を指す。
スキームHの段階aにおいて、保護アミノ酸(31)はヒドロキサメート(32)に変換する。このアミド化は、保護アミノ酸(31)およびN−アルキルO−アルキルヒドロキシルアミンを用いた2つのアミノ酸の間としてのカップリング反応を用いることにより行なうことができる。この標準的なカップリング反応は、2つのアミノ酸の間のカップリングに関して前に記載した通り標準的カップリング操作を用いて行なうことがで、これにより、ヒドロキサメート(32)を得る。
段階bでは、保護ヒドロキサメート(32)を保護ペンタフルオロケトン(34)〔または(35)〕に変換する。この反応はM.R.Angelastro,J.P.Burkhart,P.Bey,N.P.Peet,Tetrahedron Letters,33(1992),3265−3268に記載の種類の反応を用いて行なうことができる。
Figure 0003623799
段階cでは、ヒドロキサメート(32)をT.H.Greenの「有機合成における保護基」(Protection Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,1981,第7章)に記載の方法で当業者のよく知る条件下脱保護することにより脱保護ヒドロキサメートとする。脱保護ヒドロキサメートは前に記載した方法を用いてペプチド結合を介して次の適当に保護されたアミノ酸をカップリングすることにより、またはフラグメントの縮合により、或いは、両方の組合わせにより伸長し、これにより伸長されたペプチド(33)を得る。
段階dでは、ケトン(34)を前記した条件下脱保護する。脱保護ケトン(34)は、前に記載した方法を用いてペプチド結合を介して次の適当に保護されたアミノ酸をカップリングすることにより、またはフラグメントの縮合により、或いは両方の組合わせにより伸長し、これにより伸長されたケトン(35)を得る。
或いは構造式(31)の相当するN−保護アミノ酸エステル〔即ち、PgNH−CH(R1)C(=0)OR2(32a)、式中R2およびPgは前に定義した通り〕をヒドロキサメート(32)と置き換えることもできる。構造式(31)の相当する保護アミノ酸エステルは市販のものを用いるか、または当該分野でよく知られる方法により化合物(31)から容易に合成される。段階bではアミノ酸エステル(32a)を、相当するヒドロキサメートの場合に用いた方法と同様の方法で、N−保護ペンタフルオロケトン(34)〔または(35)〕に変換する。段階cおよびdはヒドロキサメート(32)を用いた場合に使用した段階と同様である。
例えば、アミノ酸エステル(32a)は、4〜8当量のヨウ化パーフルオロエチルまたは臭化パーフルオロエチルのような適当な過フッ化剤と反応させてよい。このような反応は、例えば4〜8当量のMeLi/LiBrのような適当なアルカリ金属の存在下、エーテル、THFまたはトルエンのような適切な無水溶媒(または混合溶媒)中行なう。適当なアルカリ金属塩基のその他の例はt−BuLi、EtMgBr、PhMgBr、n−BuLi等を包含する。反応は−100〜0℃、好ましくは−30〜−80℃の低温で行ない、これによりそれぞれ保護パーフルオロプロピルアミノケトンおよび保護パーフルオロブチルアミノケトンを得る。段階cおよびdはヒドロキサメート(32)を用いた場合に使用した段階と同様である。
或いは、N−保護アミノ酸エステル(32a)をまず脱保護し、適当なカップリング剤の存在下、および適切なカップリング溶媒の存在下、適当にN−保護されたペプチドとカップリングさせる。次に形成されたN−保護ペプチドエステル〔KP4P3P2NH−CH(R1)C(=0)OR2、(33a)〕を相当するヒドロキサメートの場合に用いた方法と同様にして過フッ化する。段階cおよびdはヒドロキサメート(33)を用いた場合に使用した段階と同様である。
式Iの物質の合成に用いたアミノ酸は全て市販のものか、または当業者の容易に合成しうるものである。例えば、P2で定義したアミノ酸誘導体Pro(4−Ac)は、当業者のよく知る方法を用いてPro残基をエステル化することにより調製できる。
以下の実施例は、スキームA〜Hで記載された典型的な合成方法を示すものである。これらの実施例は、説明のみを目的としたものであり、本発明の範囲を制限する意図はない。本明細書中では、以下の略記法を用いる。gはグラム、mmolはミリモル、mlはミリリットル、bpは沸点、℃は摂氏、mmHgはミリメートル水銀柱、μLはマイクロリットル、μgはマイクログラム、そしてμMはマイクロモル、DMEは1,2−ジメトキシエチレン、DCCはジシクロヘキシルカルボジイミド、hは時間、DMFはN,N′−ジメチルホルムアミド、concは濃縮、NMMはN−メチルモルホリン、in vacuoは溶媒を減圧下除去することを指す。
実施例1
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−L−2−アセトアミドの調製
Figure 0003623799
a)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリルスクリンイミドの調製
DME(50ml)中のBoc−L−バリン(4.56g、0.021モル)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(2.41g、0.021モル)の冷却(アイスバス)した攪拌溶液にDCC(4.75g、0.023モル)を添加した。反応混合物を5℃で6時間攪拌し、次に一夜冷蔵庫中に放置した。次に反応混合物を冷時濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、濃縮して得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化させて白色結晶固体として所望の生成物(4.59g、69.5%)を得た。mp 123−124℃。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ5.00−4.95(d,1H,J=9.3Hz),4.62(dd,1H,J=4.97Hz),2.85(s,4H),2.75−2.44(m,1H),1.45(s,9H),1.25−0.90(m,6H)
13C NMR(CDCl3)δ168.6,167.9,155.5,155.0,80.4,77.4,77.2,77.0,76.6,76.5,57.0,31.6,31.1,28.2,28.1,28.0,27.99,27.93,25.5,18.6,17.3
MS(Cl/CH4)m/z 315(MH+),299,287,259,241,214(ベースピーク),173,172,145,144,116,100,72
元素分析値C14H22N2O6:
計算値:C53.49 H7.05 N8.91
測定値:C53.67 H7.06 N8.81
b)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−L−2−アゼチジンカルボン酸
DME(30ml)中の(S)−(−)−2−アゼチジンカルボン酸(1.0g、10ミリモル)およびトリエチルアミン(1.5ml、11ミリモル)の攪拌溶液に、パート(a)の生成物(2.8g、9.0ミリモル)を添加し、反応混合物を2.5時間120℃に加熱した。冷却後、反応混合物を真空下に濃縮し、油状の残存物を酢酸エチルに溶解し、1N塩酸(2×30ml)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮して、白色泡状物として所望の生成物(1.88g、65%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.15(br s,1H),5.09(d,1H,J=8.8Hz,NH),5.00(dd,1H,J=9.2,7.2Hz,Valのα−CH),4.43(dd,1H,J=7.0,1.49Hz),4.17(m,1H),3.94(見かけのt,1H,J=8Hz),2.62(m,3H),1.44(s,9H,tBu),0.97(d,6H,J=6.7Hz,2×CH3
c)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−N′〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−L−2−アゼトアミド
−20℃窒素下の乾燥塩化メチレン(50ml)中のパート(b)の生成物(1.80g、60ミリモル)およびNMM(0.66ml、6.0ミリモル)の攪拌溶液に、イソブチルクロロホルメート(0.79ml,6.0ミリモル)を滴下添加した。20分後、4−アミノ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−5−メチル−3−ヘキサノン塩酸塩(1.54g、6.0ミリモル)(欧州特許出願OPI No.0410411号、1991年1月30日公開)を添加し、その直後に等量のNMM(0.66ml、6.0ミリモル)を添加した。反応混合物を1時間−20℃で攪拌し、冷希塩酸に注ぎこみ、塩化メチレンで抽出した。有機抽出液を水、希水性炭酸水素ナトリウム、塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)した。真空下に凝縮し、無色の油状物として所望の化合物(2.20g、73%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.4(m,1H,NH),5.12−4.90(m,2H),4.38(m,1H),4.11(m,1H),4.00(m.1H),2.73(m,1H),2.42(2m,2H),1.92(m,2H),1.45(s,9H,t−Bu),1.11−0.85(m,12H,4×CH3
19F NMRδ−82.14(s,CF3),−120.99および123.09,−121.23および−122.84(2AB 4重線,J=296Hz,CF2
d)L−バリル−N−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−L−2−アゼトアミド塩酸塩
塩化水素ガスを4分間アイスバス温度で、酢酸エチル(40ml)中のパート(c)の生成物(2.0g、3.98)ミリモルの攪拌溶液中にバブリングした。次に反応混合物を2時間室温で攪拌し、真空下に凝縮し、酢酸エチルと共沸させて白色泡状物として所望の生成物(1.63g、96%)を得た。
IR(フィルム)3196,2972,2937,2883,2636,1755,1655,1523,1471,1398,1350,1222,1201,1159,1116,1093,1066,1014,979,922,835,815,734,646,588
1H NMR(300MHz,CFCl3)δ8.09(d,1H,J=8.2Hz,MH),8.02(d,1H,J=8.5Hz,NH),5.15(m,1H),5.00(m,1H),4.55(m,1H),4.13(m,1H),3.90(m,1H),2.56(m,2H),2.30(m,3H),1.12−0.48(m,12H,4×CH3
13C NMR(CDCl3)δ193.2,170.7,170.4,170.3,169.9,62.2,61.5,59.7,59.5,55.1,55.0,50.1,30.0,29.9,28.9,28.7,19.8,19.7,18.8,18.5,18.2,18.1,17.8,16.6,16.3
19F NMRδ−82.06および−82.14(2s,CF3),−121.16および−122.76,−121.33および−122.88(2AB 4重線,J=296Hz,CF2)MS(Cl/CH4)m/z(相対強度)442(6),430(18),402(MH+,100),303(9)72(42)
元素分析値C16H24F5N3O3・HCl:
計算値:C43.89 H5.53 N9.59
測定値:C43.43 H6.07 N9.23
e)N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−L−2−アセトアミド(MDL104,238)
1,2−ジクロロエタン(30ml)中の4−(4−モルホリニルカルボニル)安息香酸(975mg、4.14ミリモル)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(4mg,0.008ミリモル)攪拌懸濁液に、チオニルクロリド(0.30mg、4.14ミリモル)を添加し、反応混合物を還流下に加熱した。2.5時間後、反応混合物を室温に冷却し、真空下に濃縮した。次に残存物を四塩化炭素と共沸させ、真空下に置き、明橙色の油状物として得られたモルホリノテレフタル酸クロリド(定量的)を更に精製することなく用いた。別のRBフラスコ中、塩化メチレン(20ml)中のパート(d)の生成物(1.5g、3.43ミリモル)の攪拌溶液を−20℃に冷却した。NMM(1.35ml、12.3ミリモル)を添加し、その直後に、内部反応温度が−10℃以下に維持されるような速度で、塩化メチレン中のモルホリノテレフタル酸クロリド(5ml)を滴下添加した。添加終了後、反応混合物を室温に戻した。室温で1.5時間の後、反応混合物を塩化メチレン(20ml)で希釈し、1N塩酸(2×20ml)、飽和炭酸水素水素ナトリウム(2×20ml)、塩水(1×20ml)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮して得られた白色泡状物を、即座にフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤1:27メタノール−塩化メチレン)に付し、白色泡状物として所望の生成物(MDL104,238)(335mg,16%)を得た。
IR(KBr)3690,3678,3429,3271,3011,2972,2931,2899,2876,2862,1755,1680,1631,1520,1494,1458,1437,1398,1373,1361,1330,1302,1280,1259,1234,1199,1159,1114,1068,1024,1012,896,860,842,787,773,763,669,597,563,540
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.32(m,1H,NH),7.86(d,2H,J=8.5Hz,アリール),7.49(d,2H,J=7.9Hz,アリール),6.70(m,1H,NH),5.00(m,2H),4.50(m,2H),4.19(m,1H),4.86−3.30(一連のm,8H),2.82−1.95(一連のm,4H),1.05(m,9H,3×CH3),0.88(d,3H,J=6.9Hz,CH3
13CNMRδ74.07,174.05,170.6,169.2,166.4,138.66,138.62,135.0,134.9,127.4,127.3,66.8,66.7,62.0,61.7,59.7,59.6,54.1,54.0,49.3,31.5,31.4,28.7,28.5,20.0,19.0,18.8,18.2,18.1,18.09,18.05,16.1,16.0
19F NMRδ−82.12(s,CF3),−120.98および−123.12,−121.20および−122.86(2AB 4重線,J=296Hz,CF2
MS(Cl/CH4)m/z(相対強度)647,619(MH+),303(100),289,218
元素分析値C28H35F5N4O6・0.3 H2O
計算値:C53.90 H5.75 N8.98
測定値:C53.75 H5.86 N8.86
実施例2
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4,−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−D,L−2−ピペコリンアミドの調製
Figure 0003623799
a)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−D,L−2−ピペコリン酸
DMF(30ml)中のD,L−ピペコリン酸(1.30g、10ミリモル)およびトリエチルアミン(1.5ml、11ミリモル)の攪拌溶液に、実施例1のパート(a)の生成物(2.0g、6.0ミリモル)を添加し、反応混合物を2.5時間120℃に加熱した。冷却後、反応混合物を真空下に凝縮し、油状の残存物を酢酸エチルに溶解し、3N塩酸(2×30ml)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮して得られた黄色の泡状物をフラッシュクロマトグラフィーに付し、白色泡状物として、所望の化合物(579mg、29%)、2種類の化合物の混合物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.94(br s,1H),5.62(d,1H,J=9.8Hz,NH),5.45(d.,5H,J=3.98Hz,L−Pec),5.07(d,.5H,J=9.25,D−Pec),4.60(dd,.5H,J=8.83,5.06Hz,Valのα−CH),4.25(dd,.5H,J=8.69,4.66Hz,D−化合物のVal),3.93(見かけのd,1H,J=12.47Hz,Pec),3.25(m,1H,Pec),2.31(m,1H,Pec),2.20(m,.5H,D−化合物のVal),2.01(m,.5H,Val),1.78−1.33(m,5H,Pec),1.44(s,9H,tBu),1.01−0.86(m,6H,2×CH3
b)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−D,L−2−ピペコリンアミド
窒素下−20℃の乾燥塩化メチレン(20ml)中の実施例2のパート(a)の生成物(450mg、1.37ミリモル)およびNMM(0.15ml、1.37ミリモル)の攪拌溶液に、イソブチルクロロホルメート(0.18mg、1.37ミリモル)を滴下添加した。20分後、4−アミノ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−5−メチル−3−ヘキサノン塩酸塩(351mg、1.37ミリモル)を添加した。反応混合物を1時間−20℃で攪拌し、次に冷希塩酸中に注ぎこみ、塩化メチレンで抽出した。有機抽出液を水、希水性炭酸水素ナトリウム、塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)した。真空下に濃縮して無色の泡状物として所望の生成物(580mg、80%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ6.98(m,1H,NH),5.36−4.88(m,3H),4.60(m,1H),4.43(m,1H),3.92(m,1H),3.10(m,1H,PecのCH),2.36−1.92(一連のm,3H,PecおよびCHまたはVal),1.79−1.24(m,4H),1.45(s,9H,tBu),1.05−0.83(m,12H,4×CH3
19F NMRδ−82.10(s,CF3),−120.74,−123.40(m,CF2
c)N−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−D,L−2−ピペコリンアミド塩酸塩
塩化水素ガスを4分間アイスバス温度で、酢酸エチル(10ml)中の実施例2、(b)の生成物(530mg、1.0ミリモル)の攪拌溶液中にバブリングした。次に反応混合物を2時間室温で攪拌し、真空下に濃縮し、酢酸エチルと共沸させて白色泡状物として所望の生成物(460mg、99%)を得た。
d)N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−D,L−2−ピペコリンアミド(MDL105,759)
1,2−ジクロロエタン(25ml)中の4−(4−モルホリニルカルボニル)安息香酸(0.28g、120ミリモル)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(2mg、0.004ミリモル)の攪拌懸濁液に、チオニルクロリド(0.09mg、1.20ミリモル)を添加し、反応混合物を還流下に加熱した。2.5時間後、反応混合物を室温に冷却し、真空下に濃縮した。次に残存物を四塩化炭素と共沸させ、真空下に置き、明橙色の油状物として得られたモルホリノテレフタル酸クロリド(定量的)を更に精製することなく用いた。別のRBフラスコ中、塩化メチレン(10ml)中の実施例2(c)の生成物(450mg、10.0ミリモル)の攪拌溶液を−20℃に冷却した。NMM(0.5ml、4.0ミリモル)を添加し、その直後に、内部反応温度が−10℃以下に維持されるような速度で、塩化メチレン中のモルホリノテレフタル酸クロリド(5ml)を滴下添加した。添加終了後、反応混合物を室温で1.5時間の後、反応混合物を塩化メチレン(20ml)で希釈し、1N塩酸(2×20ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(2×20ml)、塩水(1×20ml)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮して粗製の泡状物(410mg)を得た。粗製の白色泡状物を即座にフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤1:27メタノール−塩化メチレン)に付し、白色泡状物として所望の生成物(MDL105,759)(270mg,42%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.95−7.76(m,2H,アリール),7.58−7.39(m,2H),7.20−6.86(m,2H,アリール),5.40−4.30(m,4H),4.20−3.20(m,10H,2×NCH2CH2OおよびNCH2(Pro)),2.60−1.95(m,3H),1.90−1.82(m,4H),1.25−0.75(m,12H)
19F NMR(CDCl3)δ−81.97(m,CF3),−121.82および−119.87(m,CF2
MS(Cl/CH4)m/z(相対強度)647(MH+),564,536,474,428,363,331(100),317,289,246,218,186,158,104,84,72
実施例3
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミドの調製
Figure 0003623799
a)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−トランス−4−ヒドロキシプロリン
DMF(40ml)中のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(1.31g、10ミリモル)およびトリエチルアミン(1.4ml、10ミリモル)の攪拌溶液に、実施例1(a)の生成物(3.14g、10ミリモル)を添加し、反応混合物を3時間110℃に加熱した。冷却後、反応混合物を真空下に濃縮し、油状の残存物を酢酸エチルに溶解し、3N塩酸(2×30ml)、水(2×10ml)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮して白色泡状物として所望の化合物(1.85mg,56%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ5.70−5.25(m,1H,NH),5.05(m,1H),4.80−3.95(m,4H),3.85−2.80(一連のm,3H),2.35−1.80(m,2H),1.44(s,9H tBu),1.01−0.95(m,6H,2×CH3
MS(CI/CH4)m/z(相対強度),331(MH+),303,275(100),259,231,217,172,162,144,132,116,86,72
b)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミド
窒素下−20℃の乾燥塩化メチレン(30ml)中の実施例3(a)の生成物(1.80g、5.60ミリモル)およびNMM(0.60ml、5.60ミリモル)の攪拌溶液に、イソブチルクロロホルメート(0.70ml、5.60ミリモル)を滴下添加した。20分後、4−アミノ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−5−メチル−3−ヘキサノン塩酸塩(1.40g、5.60ミリモル)を添加し、その直後、等量のNMM(0.60ml、5.60ミリモル)を添加した。反応混合物を1時間−20℃で攪拌し、次に室温に戻し、冷希塩酸中に注ぎこみ、塩化メチレンで抽出した。有機抽出液を水、希水性炭酸水素ナトリウム、塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮し、得られた組成の油状物をフラッシュクロマトグラフィー(5%メタノール/塩化メチレン)に付し、白色泡状物として所望の生成物(1.44g、48%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.98(br d,.5H,J=7.6Hz,NH),7.73(br d,.5H,J=7.6Hz,NH),5.47(br d,1H,J=8.6Hz,NH),5.04−4.95(m,1H),4.76−4.67(m,1H),4.49(br s,1H),4.23(m,1H),3.94(br d,1H,J=10.8Hz),3.66−3.59(m,1H),2.50−1.98(一連のm,4H),1.42(s,9H,t−Bu),1.09−0.88(m,12H,4×CH3
13C NMRδ173.9,173.2,170.6,170.4,156.3,156.2,80.5,80.4,77.4,77.2,77.0,76.5,70.0,69.8,59.7,59.5,58.2,57.7,57.6,55.7,55.5,35.7,34.7,31.0,30.929.0,28.6,28.3,28.2,20.2,19.9,19.3,19.7,18.3,18.2,16.4,16.1
19F NMRδ−82.17(s,CF3),−82.18(s,CF3),−121.6および−122.8(AB4重線,J=269Hz,CF2
MS(CI/CH4)m/z(相対強度)549(MNH4+,12),532(MH+,54),482(11),330(15),245(100),189(15)
c)N−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミド塩酸塩およびN−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)2−オキソブチル〕−トランス−4−アセトキシプロリンアミド塩酸塩
塩化水素ガスを4分間アイスバス温度で、酢酸エチル(20ml)中の実施例3(b)の生成物(1.44g、2.70ミリモル)の攪拌溶液中にバブリングした。次に反応混合物を2時間室温で攪拌し、真空下に濃縮し、酢酸エチルと共沸させて、白色泡状物としてアセトキシ誘導体を少量含む所望の組合わせの誘導体(1.27g、100%)を得た。
d)N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミド(MDL105,160)およびN−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−アセトキシプロリンアミド(MDL105,683)
1,2−ジクロロエタン(20ml)中の4−(4−モルホリニルカルボニル)安息香酸(280mg、1.90ミリモル)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(2mg、0.004ミリモル)の攪拌懸濁液に、チオニルクロリド(0.15ml、1.90ミリモル)を添加し、反応混合物を還流下に加熱した。2時間後、反応混合物を室温に冷却し、真空下に置き、明橙色の油状物として得られたモルホリノテレフタル酸クロリド(定量的)を更に精製することなく用いた。別のRBフラスコ中、塩化メチレン(15ml)中の実施例3(c)の生成物(800mg、1.71ミリモル)の攪拌溶液を−20℃に冷却した。NMM(0.42ml、3.80ミリモル)を添加し、その直後に、内部反応温度が−10℃以下に維持されるような速度で、塩化メチレン中のモルホリノテレフタル酸クロリド(5ml)を滴下添加した。添加終了後、反応混合物を室温に戻した。室温で2時間の後、反応混合物を塩化メチレン(20ml)で希釈し、1N塩酸(2×20ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(2×20ml)、塩水(1×20ml)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮して粗製の泡状物として2種類の化合物の混合物(MDL105,160多量、MDL105,683少量)を得た。
e)N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミド(MDL105,160)
実施例3(d)に記載した2種類の化合物の混合物を即座にSiO2上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、1:27メタノール−塩化メチレンで溶離させ、白色泡状物として、高Rf値(Rf約0.3〜0.4)の物質である所望の化合物(MDL105,160)(160mg、14.5%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.82(m,2H,アリール),7.45(d,2H,J=8.3Hz,アリール),7.35(d,.5H,J=8.4Hz,NH),6.91(d,1H,J=8.7Hz,NH),4.99(m,1H),4.84(t,1H),4.72(t,1H),4.68(m,1H),4.55(br s,1H),4.18(m,1H),3.8−3.4(br sと重複したm,9H),2.86−2.03(一連のm,4H),1.26(m,9H,3×CH3),0.96(m,3H,CH3
13C NMRδ173.2,172.5,170.7,170.4,169.2,167.1,138.8,134.9,127.52,127.50,127.4,127.3,77.55,77.52,77.51,77.46,77.44,77.3,77.2,77.1,77.0,76.88,76.85,76.6,76.56,76.54,70.1,69.9,66.8,59.6,59.5,58.5,57.9,57.0,56.0,56.0,55.7,36.0,34.9,31.42,31.40,31.3,29.2,28.8,20.0,19.85,19.83,19.4,19.2,18.4,16.5,16.4,16.3,16.2
19F NMR(CDCl3)δ−82.1,−82.15(s,CF3),−121.31,−123.02(AB4重線,J=29.3Hz,CF2)および−121.35,122.82(AB4重線,J=298Hz,CF2
MS(Cl/CH4)m/z(相対強度)649(MH+),361,334,333(100),317,289,218,200,111,86
元素分析値C29H37F5N4O7:
計算値:C53.70 H5.75 N8.64
測定値:C53.44 H5.77 N8.38
実施例4
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミドの調製
Figure 0003623799
a)N−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−アセトキシプロリンアミド(MDL105,683)
MDL105,683は実施例3(e)に記載した通り、フラッシュクロマトグラフィーに付した2種類の化合物の混合物から低Rf値(Rf値約0.05〜0.1)の物質として得た。この工程により、白色泡状物としてMDL105,683(90mg、7.6%)を得た。
1H NMR(300Hz,CDCl3)δ7.84(d,2H,J=8.4Hz,アリール),7.72(.5H,J=8.4Hz,NH),7.47(d,2H,J=8.3Hz,アリール),6.74(d1H,J=8.6Hz,NH),5.36(m,1H),5.00(m,1H),4.83(dd,.5H,J=8.6,7.2Hz),4.69(t,.5H),4.08(br d,1H),3.9−3.3(br sと重複したm,9H),2.81(m,.5H),2.64(m,.5H),2.41−2.06(一連のm,3H),2.04(s,3H,OCH3),1.02(m,9H,3×CH3),0.94(m,3H,CH3
13C NMRδ173.0,172.3,170.4,170.1,169.9,169.2,166.3,138.7,127.4,127.3,72.5,72.4,66.8,59.6,59.5,58.5,57.8,56.3,56.2,53.2,52.9,34.0,32.8,31.8,31.7,31.6,29.3,29.2,28.8,24.9,20.9,20.0,19.8,19.5,19.3,17.95,17.92,17.7,16.4,16.2
19F NMR(CDCl3)δ−82.1,−82.13(s,CF3),−121.22,−123.06(AB4重線,J=29.6Hz,CF2)および−121.28,−122.86(AB4重線,J=301Hz,CF2
MS(Cl/CH4)m/z(相対強度)691(MH+),631,472,444,389,375(100),349,318,317,289,264,225,218,128,100
元素分析値C31H39F5N4O8:
計算値:C53.91 H5.69 N8.11
測定値:C54.40 H5.79 N8.15
実施例5
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ベンジルオキシプロリンアミドの調製
Figure 0003623799
a)トランス−4−ベンジルオキシプロリン塩酸塩
塩化ガスを酢酸エチル(30ml)中のt−ブチルオキシカルボニル−O−ベンジル−L−ヒドロキシプロリン(5.0g、15.6ミリモル)の氷冷溶液に3分間バブリングした。次に反応を停止し、室温で1時間攪拌し、真空下に濃縮し、得られた白色固体をエーテルで磨砕し、真空下に乾燥して所望の化合物(3.92g、98%)を得た。mp188〜190℃。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.1(br s,1H),7.3(m,5H),4.56(s,2H),4.4−4.2(m,2H),3.6−3.38(m,3H),2.6−2.58(m,1H),2.26−2.1(m,1H)
m/z(相対強度)262(M++C3H5),250(M++C2H5),222(MH+,100),176,130,107,91,85,69
b)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−トランス−4−ベンジルオキシプロリン
DMF(25ml)中のトランス−4−ベンジルオキシ−L−プロリン塩酸塩(2.57g,10ミリモル)およびトリエチルアミン(3.0ml、22ミリモル)の攪拌溶液に、実施例1(a)の生成物(3.14g、10ミリモル)を添加し、反応混合物を1.5時間80℃に加熱した。冷却後、反応混合物を真空下に濃縮し、油状の残存物を酢酸エチルに溶解し、3N塩酸(2×30ml)、水(2×10ml)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮して所望の化合物(1.8g、42%)を得た。結晶化(酢酸エチル/ヘキサン)により、白色固体を得た。mp125〜128℃。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.0(br s,1H),7.4−7.2(m,5H),5.35(d,1H,J=9.2Hz,NH),4.65(m,1H),4.52(m,2H),3.70(m,1H),2.5−1.8(一連のm,3H),1.44(s,9H,tBu),0.98(d,3H,J=6.8Hz,CH3),0.92(d,3H,J=6.8Hz,CH3
c)N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ベンジルオキシプロリンアミド
窒素下−20℃の乾燥塩化メチレン(20ml)中の実施例5(b)の生成物(1.40g、3.30ミリモル)およびNMM(0.36ml、3.30ミリモル)の攪拌溶液に、イソブチルクロロホルメート(0.43ml,3.30ミリモル)を滴下添加した。20分後、4−アミノ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−5−メチル−3−ヘキサノン塩酸塩(840mg,3.30ミリモル)を添加し、その直後、等量のNMM(0.36ml、3.30ミリモル)を添加した。反応混合物を1時間−20℃で攪拌し、次に室温に戻し、冷希塩酸中に注ぎこみ、塩化メチレンで抽出した。有機抽出液を水、希水性炭酸水素ナトリウム、塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮し、白色固体として所望の化合物(2.0g、95%)を得た。mp91〜93℃。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.96(.5H,NH),7.33(m,5H),5.28(m,1H,NH),4.95(m,1H),4.83(m,1H),4.70(t,.5H),4.54(q,2H,CH2Ph),4.30(m,2H),4.07−3.9(m,1H),3.60(m,1H
,2.68(dt,.5H),2.49(dt,.5H),2.33(m,1H),2.2−1.88(m,3H),1.44(s,9H,tBu),1.09−0.86(m,12H,4×CH3
d)N−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ベンジルオキシプロリンアミド塩酸塩
塩化水素ガスを2分間アイスバス温度で、酢酸エチル(10ml)中の実施例5(c)の生成物(330mg、0.53ミリモル)の攪拌溶液中にバブリングした。次に反応混合物を1時間室温で攪拌し、真空下に濃縮し、酢酸エチルと共沸させて白色泡状物として所望の生成物(240mg、81%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.22(m,2H,NH2),7.33(m,5H),5.04(見かけのq,1H),4.88(dq,1H),4.52(q,2H,CH2Ph),4.33(m,1H),4.0−3.8(一連のm,4H),2.42−2.1(m,4H),1.09−0.86(m,12H,4×CH3
e)N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ベンジルオキシプロリンアミド(MDL104,865)
1,2−ジクロロエタン(20ml)中の4−(4−モルホリニルカルボニル)安息香酸(280mg、1.90ミリモル)およびペンジルトリエチルアンモニウムクロリド(2mg、0.004ミリモル)の攪拌懸濁液に、チオニルクロリド(0.15mg、1.90ミリモル)を添加し、反応混合物を還流下に加熱した。2時間後、反応混合物を室温に戻し、真空下に濃縮した。次に残存物を四塩化炭素と共沸させ、真空下に置き、明橙色の油状物として得られたモルホリノテレフタル酸クロリド(定量的)を更に精製することなく用いた。別のRBフラスコ中、塩化メチレン(15ml)中の実施例5(d)の生成物(558mg、1.0ミリモル)の攪拌溶液を−20℃に冷却した。NMM(0.40ml、4.0ミリモル)を添加し、その直後に、内部反応温度が−10℃以下に維持されるような速度で、塩化メチレン中のモルホリノテレフタル酸クロリド(5ml)を滴下添加した。添加終了後、反応混合物を室温に戻した。室温で2時間の後、反応混合物を塩化メチレン(20ml)で希釈し、1N塩酸(2×20ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(2×20ml)、塩水(1×20ml)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、真空下に濃縮して得られた粗製の泡状物を即座にフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤1:27メタノール−塩化メチレン)に付し、白色泡状物として所望の生成物(520mg、70%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.84(dd,2H,アリール),7.78(d,.5H,NH),7.45(dd,2H,アリール),7.29(m,5H),7.21(d,.5H,NH),6.87(d,1H,NH),4.98(m,1H),4.82(m,1H),4.69(t,.5H),4.54(dq,2H,CH2Ph),4.31(br s,1H),4.08(dq1H),3.9−3.25(一連のm,9H),2.69(dt,.5H),2.46(dt,.5H),2.34(m,1H),2.17(m,1H),1.02(m,9H,3×CH3).0.89(m,3H,CH3
13C NMR(CDCl3)δ193.1,172.9,172.2,170.7,170.4,169.3,166.2,138.4,137.5,137.4,135.2,128.5,128.4,128.2,127.9,127.8,127.78,127.73,127.71,127.5,127.4,127.3,119.5,115.76,107.1,106.6,71.4,71.2,66.7,59.6,59.4,58.7,58.0,56.0,52.6,52.3,48.14,48.11,48.10,48.0,42.6,42.57,42.52,42.4,33.5,32.4,31.8,29.1,28.6,20.0,19.8,19.4,19.3,17.8,17.6,16.3,16.1
19F NMR(CDCl3)δ−82.10,−82.13(s,CF3),−121.3,−122.9および−121.4,122.8(AB4重線,J=296Hz,CF2
MS(Cl/CH4)m/z(相対強度)767(M++29),740(10),739(MH+,27),632(11),520(7),492(5),424(18),423(100),403(3),345(5),317(30),289(4),218(3),176(11),91(2)
元素分析値C36H43F5N4O7・0.4H2O:
計算値:C57.95 H5.92 N7.54
測定値:C58.10 H5.84 N7.49
実施例6
Boc−Val−CF2CF3の調製の別法
Figure 0003623799
Boc−Val N−メチル−O−メチルヒドロキサミン酸288.0g(1.11モル)および無水ジエチルエーテル4.7lの混合物を攪拌し、温度計、ドライアイスコンデンサー、ガス分散管および連続窒素バージ器の付いた12l容の3つ首フラスコに入れた。得られた溶液を−60℃〜−65℃に冷却した。合計で885.2g(3.60モル)のC2F5Iを、温度を約−65℃に維持しながらBoc−Val N−メチル−O−メチルヒドロキサミン酸の溶液に約30分間かけてガス分散管から添加した。ガスの添加が終了した直後、反応温度を−52〜−58℃に維持しながら1時間かけてジエチルエーテル中1.5M CH3Li・LiBr合計2.39l(3.59モル)を添加した。CH3Li・LiBrの約1/3を添加した時点で沈殿が形成したが、添加終了時には完全な溶液であった。得られた溶液を1時間−52℃〜−58℃で攪拌した。反応はGCでモニタリング(MDL101,286のRt=1.3分、Boc−Val N−メチル−O−メチルヒドロキサミン酸のRt=5.1分)し、Boc−Val N−メチル−O−メチルヒドロキサミン酸7.2%を含有することが解った。反応温度を−52℃〜−58℃に維持しながら約15分かけて合計で255ml(3.47モル)のアセトンを添加し、得られた混合物を10分間攪拌した。あらかじめ約0℃に冷却しておいた0.75M硫酸水素カリウム4.7lの入った22lフラスコに混合物を入れてクエンチングした。有機層を分離させ、水3lで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム500gを用いて乾燥し、濾過し、乾燥剤を除去した。濾液を409gの半固体となるまで40℃/100torrで濃縮した。粗製の物質を45℃のヘキサン1.2lに溶解し、−25℃〜−30℃まで約30分かけてゆっくり冷却した。結晶化した固体を濾過し、−30℃のヘキサン250mlで洗浄した。得られたMDL101,286を真空乾燥(25度/100torr)し、176.7gを得た。濾液を35℃/100torrで濃縮し、153.5gの残存物とした。物質をKugelrohr蒸留装置に入れ、早期流出分を40℃/0.6torrで採取した。レシーバーを変え、合計で100.5gの粗製のMDL101,286を40℃〜60℃/0.6torrで採取した。粗生成物を約50℃のヘキサン500mlに溶解した。得られた溶液を−30℃に冷却した。結晶化した固体を濾過し、冷(−30℃)ヘキサン100mlで洗浄した。生成物を25℃/100torrで真空乾燥し、更にMDL101,286を68.0g回収し、合計の収量は244.7g(収率70%)となり、GCでは99.9%の純度であった。
元素分析値C12H18F5NO3(319.28):
計算値:C45.14 H5.68 N4.39
測定値:C45.30,45.49 H5.50,5.58 N4.26,4.35
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物の治療有効量を好中球関連炎症性疾患を有する患者に投与することを包含する上記患者の治療方法を提供する。「好中球関連炎症性疾患」とは炎症患部への好中球の移行および生体マトリックスの蛋白分解性崩壊におけるその関与により特徴づけられる疾患または症状を指す。式Iの化合物による治療が特に有用であるような好中球関連炎症性疾患には、気腫、嚢胞性繊維症、成人呼吸困難症候群、敗血症、多発性血管内凝固、痛風、関節リューマチ、慢性気管支炎および炎症性腸疾患が含まれる。好中球関連炎症性疾患の治療のために特に適する式Iの化合物以下のものを包含する。
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3、3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−L−2−アゼトアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4、4、4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−D,L−2−ピペコリンアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4、4、4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ヒドロキシプロリンアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−アセトキシプロリンアミド;
N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4、4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ベンジルオキシプロリンアミド。
本明細書においては、「患者」という用語は、特定の炎症性疾患状態にある哺乳動物のような温血動物を指す。モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジおよびヒトがこの用語の意味の範囲の動物の例である。
「治療有効量」とは、好中球関連炎症性疾患に伴う症状の緩和をもたらすような、患者に単回または複数回投与することにより有効となるような量を指す。本明細書では、呼吸疾患の「症状の緩和」とは治療しない場合に予測されるものよりも重症度を低減することを指し、必ずしも疾患の全体を排除することや治療することを指すわけではない。治療有効量または用量を決定する際には、診断担当者により多くの要因が考慮されるがそれには、哺乳類の種、大きさ、齢および前身状態、関与する特定の疾患、疾患の程度、関連性、または重症度、患者固体の応答、投与する特定の化合物、投与方法、投与製剤の生体利用性、選択する用法、併用薬剤の使用、およびその他の該当状況が含まれる。
式Iの化合物の治療有効量は、一日当たりkg体重当たり約0.1ミリグラム(mg/kg/日)〜約100mg/kg/日の範囲である。好ましい量は約0.5〜約10mg/kg/日と考えられる。
本発明の化合物はエラスターゼ、特にヒト好中球エラスターゼの協力な阻害剤である。本発明の化合物は酵素エラスターゼの阻害を介してその抑制作用を発揮し、これにより、エラスターゼ媒介疾患の緩解をもたらすが、そのような疾患の例としては、気腫、嚢胞性繊維症、成人呼吸困難症候群、敗血症、多発性血管内凝固、痛風および関節リューマチが包含される。しかしながら、本発明は、その最終用途における有効性を説明する特定の理論や考えられる機序に制約されない。
上記した疾患状態にある患者の治療を行なう際には、式Iの化合物は、経口、エアロゾルおよび非経腸経路を含む、有効量の化合物が生体利用されるような何れの形態や用法で投与することもできる。例えば、式Iの化合物は、経口、エアロゾル化、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、鼻内、直腸、局所等の経路で投与できる。経口またはエアロゾル投与が一般的に好ましい。製剤分野の技術者は、選択される化合物の特定の性質、治療対象疾患の状態、疾患の段階、およびその他の該当状況に応じて、容易に適切な剤形や投与方法を選択できる。Remington's Pharmaceutical Sciences,18版,Mack Publishing Co.(1990)を参照されたい。
化合物は単独で、または医薬上許容される担体または賦形剤と組合わせた医薬組成物の形体で投与でき、その比率と性質は、選択される化合物の溶解度や化学的性質、選択される投与経路、および標準的製薬慣行により決定される。本発明の化合物はそれ自体有効であるが、安定性、結晶化の都合、溶解度向上等の目的のために、その医薬上許容される塩の形態、例えば酸付加塩に製剤して投与してもよい。
別の実施態様において、本発明は、1つ以上の不活性担体との混合物またはその他の複合体として式Iの化合物を含有する組成物を提供する。これらの組成物は、例えば検定用標準物質、大量出荷用の好都合な手段、または医薬組成物として有用である。式Iの化合物の測定可能な量は当該分野でよく知られる標準的な検定操作および方法により、容易に測定できる量である。式Iの化合物の測定可能な量は一般的に、組成物の約0.001〜約75重量%である。不活性担体は式Iの化合物を分解したり、その他にこれと共有結合的に反応するようなものでなければ何れの物質であることもできる。適当な不活性担体の例は、水、HPLC分析で通常用いられているような水性緩衝液、アセトニトリル、酢酸エチルヘキサン等のような有機溶媒、および医薬上許容される担体または賦形剤である。
特に、本発明は、1つ以上の医薬上許容される担体または賦形剤との混合物またはその他の複合体として式Iの化合物治療有効量を含有する医薬組成物を提供する。
医薬上許容される組成物は製薬分野でよく知られた方法で調製する。担体または賦形剤は、活性成分のためのビヒクルまたは媒体として作用できるような固体、半固体、または液体の物質であってよい。適当な担体または賦形剤は、当該分野でよく知られている。医薬組成物は、経口、非経腸または局所用途としてよく、そして、錠剤、カプセル、坐薬、溶液、懸濁液等の形体で患者に投与してよい。
本発明の化合物は、例えば不活性の稀釈剤または可食担体と共に、経口投与してよい。それらはゼラチンカプセルに封入するか、または圧縮成形して錠剤とする。経口投与のためには、化合物は賦形剤と共に配合し、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース、チューインガムなどの形体で使用してよい。製剤には本発明の化合物である活性成分少なくとも4%が含有されていることが必要であるが、特定の剤形により変動してよく、そして好都合には、投与単位の4〜約70重量%であってよい。組成物中に存在する化合物の量は適当な用量が得られるようなものとする。本発明の好ましい組成物および製剤は、経口投与単位剤形が本発明の化合物5.0〜300ミリグラムを含有するように調製する。
錠剤、丸薬、カプセル、トローチ等は1つ以上の以下の補助剤:微結晶セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンのようなバインダー;澱粉または乳糖のような賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、コンスターチ等のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステロックス(Sterotex)のような潤滑剤;コロイド状二酸化ケイソのような滑剤;スクロースまたはサッカリンのような甘味料;ペパーミント、メチルサリシレートまたはオレンジフレーバーのようなフレーバーも含有してよい。単位錠剤がカプセルである場合は、上記種類の物質の他に、ポリエチレングリコールまたは油脂のような液体担体を含有してもよい。その他の単位剤形には、例えばコーティングのような投与単位の物理的形態を変える他の種々の物質を含有してよい。即ち、錠剤または丸薬は、砂糖、シェラック、または他の腸溶性コーティング剤でコーティングしてよい。シロップは、本発明の化合物の他に、甘味料としてのスクロース、および特定の保存料、染料および着色料およびフレーバーを含有してよい。これらの種々の組成物を調製する際に用いる物質は医薬上純粋であり、使用量において非毒性でなければならない。
非経腸投与のためには、本発明の化合物を溶液または懸濁液に配合してよい。これらの製剤は、本発明の化合物少なくとも0.1%を含有しなければならないが、0.1〜約50重量%に変動してよい。このような組成物中に存在する本発明の化合物の量は適当な用量が得られるようなものとする。本発明の好ましい組成物および製剤は、非経腸投与単位が本発明の化合物5.0〜100ミリグリムを含有するように調製する。
本発明の式Iの化合物は、エアロゾルで投与してもよい。エアロゾルという用語は、コロイド性の系から加圧容器よりなる系に渡る種々の系を指すものとする。供給は液化ガスまたは圧縮ガスによるか、または活性成分を分注できる適当なポンプ系により行なってよい。式Iのエアロゾル活性成分を供給するために単相、2相、または3相の系で供給してよい。エアロゾルの供給には、必要な容器、作動装置、弁、副容器等が含まれる。好ましいエアロゾルは当業者が決定することができる。
本発明の式Iの化合物または、局所投与してもよく、そのような場合は、担体は適宜、溶液、軟膏またはゲルの基剤を含有する。基剤は、例えば、1つ以上の下記物質:ペトロラタム、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱物油、水およびアルコールのような希釈剤、および乳化剤および安定化剤を含有してよい。局所用製剤は、式Iの化合物または医薬上許容されるその塩を約0.1〜約10%w/v(重量/単位容量)の濃度で含有してよい。
溶液または懸濁液は、1つ以上の以下の補助剤:注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗細菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン4酢酸のようなキレート剤;酢酸塩;クエン酸塩またはリン酸塩のような緩衝剤および塩化ナトリウムまたはできストロースのような浸透圧調節剤を含有してよい。非経腸製剤はアンプル、使い捨てシリンジまたはガラス製またはプラスチック製の多用量バイアル内に封入できる。
ヒト好中球エラスターゼは、基質として、市販のN−MeOSuc−Ala−Ala−Pro−Val−p−ニトロアニリドを用いてin vitroで検定する。検定緩衝液、pHおよび検定方法は、Mehdi等のBiochemical and Biophysical Research Communicatons,166,595(1990)に記載のものと同様である。酵素は最近では市販されているが、ヒト喀痰から精製する。直接阻害剤の動態特性化はDixonプロットにより行ない、遅延−および/または堅固−結合阻害剤の特性化は、WilliamsとMorrisonの検討したデータ分析方法を用いて行った。感度の高い好都合なエラスターゼ基質の合成および分析上の使用は、J.Bieth,B.SpiessおよびC.G.WermuthのBiochemical Medicine,11(1974)350−375に記載されている。表2は本発明の選択された化合物のエラスターゼを阻害する能力をまとめたものである。
Figure 0003623799
配列表
配列番号:1
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003623799
配列番号:2
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003623799
配列番号:3
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003623799
配列番号:4
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003623799

Claims (11)

  1. 下記式I
    Figure 0003623799
    〔式中、P4はAla、bAla、Leu、Ile、Val、Nva、bVal、Nleまたは結合であり;
    P3はAla、bAla、Leu、Ile、Val、Nva、bVal、Nleまたはイプシロンアミノ基上でモルホリノ−B−基で置換されたLysであり;
    P2はPro(4−OBzl)であり;
    R1はAla、Leu、Ile、Val、NvaまたはbValの側鎖であり;
    Kは
    Figure 0003623799
    {ただしここでZはNまたはCHであり、そしてBは下記式
    Figure 0003623799
    の基(ただしここでR′は水素またはC1-6アルキル基)である}である〕の化合物またはその水和物、または医薬上許容される塩。
  2. R1が−CH(CH3または−CH2CH2CH3である請求項1記載の化合物。
  3. Bは下記式:
    Figure 0003623799
    の基(ただしここでR′は水素またはC1-6アルキル基)である〕である請求項2記載の化合物。
  4. P3がIle、ValまたはAlaである請求項3記載の化合物。
  5. P4がAlaまたは結合である請求項4記載の化合物。
  6. R1が−CH(CH3である請求項5記載の化合物。
  7. P3がValである請求項6記載の化合物。
  8. P4が結合である請求項7記載の化合物。
  9. N−〔4−(4−モルホリニルカルボニル)ベンゾイル〕−L−バリル−N′−〔3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソブチル〕−トランス−4−ベンジルオキシプロリンアミドである請求項1記載の化合物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物からなるエラスターゼ阻害剤。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物および医薬上許容される担体を含有する、痛風、関節リューマチ、成人呼吸困難症候群、敗血症、慢性気管支炎、炎症性腸症患、多発性血管内凝固、襄胞性繊維症、または気腫から選ばれる好中球関連炎症性疾患の治療のための医薬組成物。
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