JP3623500B1 - 血糖値測定システム及び血糖値測定装置 - Google Patents

血糖値測定システム及び血糖値測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 温度測定に基づいて無侵襲に血糖値測定を行う。
【解決手段】 温度測定方式による無侵襲血糖値測定値を血中酸素飽和度と血流量で補正することにより測定データの安定化を図る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、採血せずに生体中のグルコース濃度を測定する無侵襲血糖値測定方法及び装置に関する。
Hilsonらは、糖尿病患者にグルコースを静脈注射すると、その後に顔面及び舌下温度が変化することを報告している(非特許文献1)。Scottらは、糖尿病患者と体温調節の問題を論じている(非特許文献2)。これらの研究知見に基づき、Choらは、採血を伴わずに、温度測定によって血中グルコース濃度を求める方法及び装置を提案している(特許文献1,2)。
また、採血を伴わないグルコース濃度の算出に関してはさらに様々な試みがなされている。例えば、測定部位へ3つの波長の近赤外光を照射して透過光強度を検出するとともに生体温度を検出し、吸光度の2次微分値の代表値を求め、予め定めた基準温度からの生体温度のずれに対応して上記代表値を補正し、補正された代表値に相当する血糖濃度を求める方法が提案されている(特許文献3)。また、測定部位において生体温度をモニタしながら加熱もしくは冷却を行い、温度が変化する瞬間に光照射に基づく減光度を測定して、減光度の温度依存性の原因となっているグルコース濃度を測定する装置が提供されている(特許文献4)。また、参照光と試料に照射した後の透過光との出力比を取り、出力比の対数と生体の温度との1次式からグルコース濃度を算出する装置が報告されている(特許文献5)。また、皮膚の近赤外スペクトルを測定して生体成分濃度を定量する場合に、被験者を皮膚性状に分類し、その分類毎に検量線を準備して、生態濃度成分の定量することが報告されている(特許文献6)。
Diabete & Metabolisme, "Facial and sublingual temperature changes following intravenous glucose injection in diabetics" by R.M. Hilson and T.D.R. Hockaday, 1982, 8, 15-19 Can. J. Physiol. Pharmacol., "Diabetes mellitus and thermoregulation", by A.R. Scott, T. Bennett, I.A. MacDonald, 1987, 65, 1365-1376 米国特許第5,924,996号明細書 米国特許第5,795,305号明細書 特開2000−258343号公報 特開平10−33512号公報 特開平10−108857号公報 特開2003−144421号公報
血液中のグルコース(血糖)は細胞内でグルコース酸化反応に使われ、生体の維持に必要なエネルギーを産生する。特に基礎代謝の状態においては、産生されたエネルギーの大部分は体温を維持するための熱エネルギーとなるのであるから、血中グルコース濃度と体温との間には何らかの関係があることは予想されるところではある。しかし、病気による発熱を考えれば明らかなように、体温は血中グルコース濃度以外の要因によっても変動する。従来、採血を伴わずに温度測定によって血中グルコース濃度を求める方法が提案されてはいたが、十分な精度を有するものとは言い難かった。
また、特許文献6には、個体差が大きい人間や生物の皮膚組織における生体成分濃度等の定量を、被験者を皮膚性状に分類してその分類毎に検量式を準備することにより、個体毎あるいは測定部分毎に検量式を作成することなく行う旨の記載がある。しかし、この方式を用いる場合には、近赤外スペクトルの測定時に、定量対象成分以外の他成分の影響を回避することが難しくなる。さらに、生体成分濃度等の定量とは別途に、超音波断層測定装置などを用いて予め被験者の皮膚性状(具体的には皮膚厚さ)について測定しておかなければならず、測定が煩雑化する。
本発明は、被験者の温度データをもとに採血を伴わずに高精度で血中グルコース濃度を求める方法及び装置を提供することを目的とする。
血糖は、血管系、特に毛細血管によって全身の細胞に供給されている。ヒトの体内には複雑な代謝経路が存在するが、グルコース酸化は、根源的には血糖と酸素が反応し、水と二酸化炭素とエネルギーを産生する反応である。ここでいう酸素とは血液から細胞へ供給される酸素であり、酸素供給量は血液中のヘモグロビン濃度と、ヘモグロビン酸素飽和度と、血流量によって決まる。一方、グルコース酸化によって体内で産生した熱は、対流、熱輻射、伝導等の形で体から奪われる。我々は、体温は体内でのグルコース燃焼によるエネルギー産生量、すなわち熱産生とこれら熱放散のバランスによって決まると考え、次のようなモデルを考えた。
(1)熱産生量と熱放散量とは同等視される。
(2)熱産生量は、血中グルコース濃度と酸素供給量の関数である。
(3)酸素供給量は、血中ヘモグロビン濃度と、血中ヘモグロビン酸素飽和度と、毛細血管内の血流量によって決まる。
(4)熱放散量は、主に熱対流と熱輻射とによって決まる。
このモデルに従い、体表を熱測定し、同時に血液中の酸素濃度に関するパラメータ及び血流量に関するパラメータを測定し、これらの測定結果を用いて血糖値を高精度に求めることができることを見出し、本発明を完成した。一例として、上記パラメータを求めるための測定は、ヒトの体の一部、例えば指先を測定対象として行うことができる。対流と輻射に関するパラメータは指先を熱測定することにより求めることができる。血中ヘモグロビン濃度および血中ヘモグロビン酸素飽和度に関するパラメータは、血液中のヘモグロビンを分光学的に測定し、酸素と結合しているヘモグロビンと結合していないヘモグロビンの比率により求めることができる。なお、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度に関するパラメータに関しては、特に測定を行わず予め記憶した定数を用いても測定精度を大きく損なうことはない。血流量に関するパラメータは、皮膚からの熱移動量を測定することにより求めることができる。
本発明による血糖値算出方法は、一例として、体表面に接触するプレートの温度を第1の温度として測定するステップと、プレートからプレートに接して設けられる第1の部材に伝導する熱を第2の温度として測定するステップと、体表面からの輻射熱を第3の温度として測定するステップと、プレートに向けて照射する光について照射した後に検出するステップと、第1の温度、第2の温度、第3の温度、及び光の検出結果についての複数のデータセットを統計処理により分類して得る演算式群から、第1の温度、第2の温度、第3の温度、及び光の検出結果に基づいて1の演算式を選択するステップと、第1の温度、第2の温度、第3の温度、及び光の検出結果と前記1の演算式とを用いて血糖値を算出するするステップとを有する。
本発明による血糖値算出方法は、他の例として、体表面に接触するプレートの温度を第1の温度として測定するステップと、プレートからプレートに接して設けられる柱状部材に伝導する熱を第2の温度として測定するステップと、体表面からの輻射熱を第3の温度として測定するステップと、第1の温度、第2の温度、及び第3の温度についての複数のデータセットを統計処理により分類して得る演算式群から、第1の温度、第2の温度、及び第3の温度に基づいて1の演算式を選択するステップと、第1の温度、第2の温度、及び第3の温度と前記1の演算式とを用いて血糖値を算出するするステップとを有する。
本発明による血糖値測定システムは、一例として、体表面に由来する複数の温度を測定し、体表面からの熱放散に関する対流伝熱量と輻射伝熱量との算出に用いる情報を得る熱量測定部と、体表面接触部と、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、体表面接触部と間接温度検出器とをつなげる熱伝導部材を具備しかつ血流量に関する情報を得る血流量測定部と、血中のヘモグロビン濃度、ヘモグロビン酸素飽和度を得る光学測定部とを具備し、血中酸素量に関する情報を得る酸素供給量測定部と、予め得た熱量測定部及び酸素供給量測定部による複数の測定値のセットについて複数のセットを統計処理により分類した測定値セット群、若しくは測定値セット群ごとに設定した演算式を記憶した第1の記憶部と、第1の記憶部から、複数の温度及び血中酸素量についての測定情報に基づいて1の前記演算式を選択する演算式選択手段と、前記1の演算式を記憶する第2の記憶部と、熱量測定部及び酸素供給量測定部から入力される複数の測定値と第2の記憶部に記憶された前記1の演算式とを用いて血糖値を演算する演算部と、演算部によって算出された結果を表示する表示部とを有する。
本発明による血糖値測定システムは、また、環境温度を測定する環境温度測定器と、体表面が接触する体表面接触部と、体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、熱伝導部材に隣接しかつ体表面接触部から離れた位置に設けられ、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、体表面接触部に向けて少なくとも2つの異なる波長の光を照射する光源と、光が体表面で反射されて生じる反射光を検出する光検出器と、予め得た間接温度検出器、環境温度測定器、輻射熱検出器及び光検出器各々の出力のセットについて複数のセットを統計処理により分類したセット群、若しくはセット群ごとに設定した演算式を記憶した第1の記憶部と、第1の記憶部から、間接温度検出器、環境温度測定器、輻射熱検出器及び光検出器各々の出力に基づいて1の演算式を選択する演算式選択手段と、前記1の演算式を記憶する第2の記憶部と、間接温度検出器、環境温度測定器、輻射熱検出器及び前検出器各々の出力と第2の記憶部に記憶された前記1の演算式とを用いて血糖値を演算する演算部と、演算部からの出力に基づく情報を表示する表示部とを備える。
本発明による血糖値測定システムは、他の構成例として、環境温度を測定する環境温度測定器と、体表面が接触する体表面接触部と、体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、熱伝導部材に隣接しかつ体表面接触部から離れた位置に設けられ、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、血中のヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度に関する情報を記憶した第1の記憶部と、予め得た間接温度検出器、環境温度測定器、及び輻射熱検出器各々の出力のセットについて複数のセットを統計処理により分類したセット群、若しくは前記セット群ごとに設定した演算式を記憶した第の記憶部と、第の記憶部から、間接温度検出器、環境温度測定器、及び輻射熱検出器各々の出力に基づいて1の演算式を選択する演算式選択手段と、前記1の演算式を記憶する第の記憶部と、間接温度検出器、環境温度測定器、及び輻射熱検出器各々の出力と第の記憶部に記憶された前記1の演算式とを用いて血糖値を演算する演算部と、演算部から出力に基づく情報を表示する表示部とを備える。
本発明の血糖値測定装置は、一例として、体表面に由来する複数の温度を測定し、体表面からの熱放散に関する対流伝熱量と輻射伝熱量との算出に用いる情報を得る熱量測定部と、血中酸素量に関する情報を得る酸素量測定部と、複数の温度及び血中酸素量に各々対応するパラメータと血糖値との関係を記憶した記憶部と、熱量測定部及び酸素量測定部から入力される複数の測定値を前記パラメータへ各々変換し、前記パラメータを記憶部に記憶した前記関係に適用して血糖値を演算する演算部と、演算部によって算出された血糖値を表示する表示部と、通信インタフェースと、記憶部に記憶した前記関係を通信インタフェースを通して取得した前記関係で置き換える制御部とを備え、酸素量測定部は、血流量に関する情報を得る血流量測定部と、血中のヘモグロビン濃度、ヘモグロビン酸素飽和度を得る光学測定部とを有し、血流量測定部は、体表面接触部と、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、体表面接触部と間接温度検出器とをつなげる熱伝導部材を有する。
本発明による血糖値測定装置は、他の構成例として、環境温度を測定する環境温度測定器と、体表面が接触する体表面接触部と、体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、熱伝導部材に隣接しかつ体表面接触部から離れた位置に設けられ、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、体表面接触部に向けて少なくとも2つの異なる波長の光を照射する光源と、光が体表面で反射されて生じる反射光を検出する光検出器と、間接温度検出器、環境温度測定器、輻射熱検出器及び光検出器各々の出力を各々パラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、演算部から出力される血糖値を表示する表示部と、通信インタフェースと、記憶部に記憶した前記関係を通信インタフェースを通して取得した前記関係で置き換える制御部とを備える。
本発明による血糖値測定装置は、また、環境温度を測定する環境温度測定器と、体表面が接触する体表面接触部と、体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、熱伝導部材に隣接しかつ体表面接触部から離れた位置に設けられ、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、血中のヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度に関する情報を記憶した記憶部と、間接温度検出器、環境温度測定器、輻射熱検出器の出力を複数のパラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、演算部から出力される血糖値を表示する表示部と、通信インタフェースと、記憶部に記憶した前記関係を通信インタフェースを通して取得した前記関係で置き換える制御部とを備える。
本発明によるシステムは、体表面の温度、体表面に接触する熱伝導部材の温度、体表面の輻射温度、環境温度から演算された複数のパラメータの値と、定法(酵素電極法)で測定された血糖値とを含む測定データセットを受信する受信部と、受信部で受信した複数の測定データセットを記憶した測定データ記憶部と、測定データ記憶部に記憶された各パラメータの平均値及び標準偏差値、並びに前記パラメータと血糖値との関係を表す関係式を記憶した関数データ記憶部と、測定データ記憶部に記憶された複数のデータセットを統計処理して、各パラメータの平均値及び標準偏差値、及び前記パラメータと血糖値との関係を表す関係式を求め、関数データ記憶部に格納する処理部と、関数データ記憶部に記憶した各パラメータの平均値及び標準偏差値、及び前記パラメータと血糖値との関係を表す関係式を送信する送信部とを備える。複数のパラメータは、体表面の温度、前記体表面に接触する熱伝導部材の温度、前記体表面の輻射温度、環境温度に加えて、体表面に照射された少なくとも2波長における吸光度から演算されたものであってもよい。
本発明によると、無侵襲測定でありながら従来の侵襲法と変わらない精度で血糖値を求めることが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
最初に、前記モデルの具体化について説明する。熱放散量について考えると、その主要な要因である対流熱伝達は、環境温度(室温)と体表温の間の温度差が関係し、他の主要な要因である輻射による熱放散量は、一例として体表温の4乗に比例するという、シュテファン・ボルツマンの法則より求めることができる。また別例として輻射熱そのものをセンサで測定することにより求めることができる。従って、人体からの熱放散量には、室温と体表温が関係していることが分かる。一方、熱産生量に関係するもう一つの要因である酸素供給量は、ヘモグロビン濃度と、ヘモグロビン酸素飽和度と、血流量の積として表される。
始めにヘモグロビン酸素飽和度及びヘモグロビン濃度について述べる。一例として、ヘモグロビン濃度は、酸素結合型ヘモグロビンと還元(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数が等しくなる波長(等吸光波長)の吸光度より測定できる。ヘモグロビン酸素飽和度は、上記の等吸光波長の吸光度と、酸素結合型ヘモグロビンと還元(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数の比が既知の最低限他の1波長の吸光度を測定し、連立方程式を解くことで測定できる。別の例として、酸素結合型ヘモグロビンと還元(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数が等しくなる波長の吸光度と、酸素結合型ヘモグロビンと還元(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数の比が既知の最低限他の1波長の吸光度を測定し、同時に既存の装置でヘモグロビン酸素飽和度を測定し、吸光度とヘモグロビン酸素飽和度の関係を多変量解析を行い、ヘモグロビン酸素飽和度と上記波長の吸光度の関係を示す検量線を得ておくことで測定できる。すなわち、ヘモグロビン濃度と、ヘモグロビン酸素飽和度は、最低2波長の吸光度測定によって得ることができる。
残るのは血液の流量である。血流量は種々の方法で測定することが可能であるが、その測定方法の一例について以下に説明する。
図1は、ある程度の熱容量を有する固体ブロックを体表面に一定時間接触してから離したときの、体表面からブロックへの熱移動を説明するモデル図である。ブロックの材質はプラスチック等の樹脂、例えば塩化ビニルとすることができる。ここでは、ブロックの体表面と接触した部分の温度Tの時間変化と、ブロック上の体表面から離れた位置における温度Tの時間変化に着目する。血流量は主に温度T(ブロック上の空間的に離れた点の温度)の時間変化を追跡することで推定することができる。以下に詳細を説明する。
ブロックが体表面と接触する前には、ブロックの2点の温度T,Tは室温Tに等しい。体表温Tが室温Tより高い場合、ブロックが体表面と接触すると、温度Tは皮膚からの熱移動によって速やかに上昇し、体表面温度Tに近づく。一方、温度Tは、ブロック内を伝導してきた熱がブロック表面から放熱されるため、Tよりも減衰され、かつ穏やかに上昇する。温度T,Tの時間変化は、体表面からブロックへの熱移動量に依存する。体表面からブロックへの熱移動量は、皮膚下を流れる毛細血管中の血流量に依存する。毛細血管を熱交換器とみなせば、毛細血管から周囲の細胞組織への熱伝達係数は、血流量の関数として与えられる。従って、温度T,Tの時間変化を追跡することによって、体表面からブロックへの熱移動量を測定すれば、毛細血管から細胞組織への熱伝達量を推定でき、これから血流量を推定することが出来る。従って、T,Tの温度変化を時間的に追跡することによって、体表面からブロックへの熱移動量を測定すれば、毛細血管から細胞組織への熱伝達量を推定でき、これから血流量を推定することが出来る。
図2は、ブロックにおける体表面と接触した部分の温度T、および体表面接触位置から離れたブロック上の位置の温度Tの測定値の時間変化を示す図である。ブロックを体表面に接触させるとT測定値は速やかに立ち上がり、離すと緩やかに立ち下がる。
図3には輻射温度検出器によって測定した温度Tの測定値の時間変化を示す。温度Tとしては体表面からの輻射による温度を測定するので、他のセンサよりも温度変化に対して敏感に反応する。輻射熱は電磁波として伝播するものであるから、瞬時に温度変化を伝えることができるものである。そこで、例えば、後述する図7に示すように、輻射温度検出器を体表面からの輻射熱を検出するべくブロックと体表面接触位置の近傍に設定すれば、温度Tの変化からブロックと体表面との接触開始時刻tstartおよび接触終了時刻tendを検出することができる。例えば、図3に示すように温度しきい値を設定し、温度しきい値を超えたときを接触開始時刻tstart、温度しきい値から下がったときを接触終了時刻tendとする。温度しきい値は、例えば32℃等の温度に設定する。
つづいて、時刻tstartと時刻tendの間のT測定値をS字曲線、例えばロジスティック曲線で近似する。ロジスティック曲線は温度をT、時刻をtとして、下記の式で表される。
Figure 0003623500
非線形最小二乗法により係数a,b,c,dを求めることで測定値を近似することができる。求めた近似式に対して、Tを時刻tstartから時刻tendで積分した値をSとする。
同様にして、T測定値から積分値Sを算出する。このとき、(S−S)が小さいほど、指表面からTの位置への熱移動量が大きいことを意味する。また、(S−S)は指接触時間tCONT(=tend−tstart)が長いほど大きくなる。そこで、aを比例係数として、a/(tCONT×(S−S))を血流量を示唆するパラメータXとする。
また、別の方法としてT測定値の変化量を使用できる。T測定値の変化量は指の温度がどれくらい早くブロックに伝わるかを示すものである。血液は体の各所に熱エネルギーを伝達する役割も担っており、血流量が多ければブロックに伝わる熱量も多くなり温度変化が急峻になる。
以上の説明から、前記モデルによって血中グルコース濃度を求めるために必要な測定量は、室温(環境温度)、体表面温度、体表面に接触されるブロックの温度変化、体表面からの輻射による温度及び最低限2波長の吸光度であることが分かる。
図4は、各種センサによる測定値と、それから導出されるパラメータとの関係を図示した説明図である。体表面と接触するブロックを用意し、その2箇所に設置した2個の温度センサよって2種類の温度TとTの時間変化を測定する。別途、体表面の輻射温度Tと室温Tを測定する。また、ヘモグロビンの吸収に関係する少なくとも2種類の波長で吸光度A,Aを測定する。温度T,T,T,Tから血流量に関するパラメータが得られる。温度Tから輻射伝熱量に関するパラメータが得られ、温度Tと温度Tから対流伝熱量に関するパラメータが得られる。また吸光度A及びAヘモグロビン酸素飽和度、ヘモグロビン濃度を示唆するパラメータが得られる。
次に、本発明の原理に従って無侵襲血糖値測定を実現する具体的な装置構成について説明する。
図5は、本発明による無侵襲血糖値測定装置の上面図である。この装置では、体表面として指先の腹の皮膚を使うが、他の体表面を使うことも可能である。
装置上面には、操作部11、測定対象となる指が置かれる測定部12、測定結果の表示、装置の状態や測定値などを表示する表示部13が設けられている。操作部11には、装置の操作を行うための4個の押しボタン11a〜11dが配置されている。測定部12にはカバー14が設けられ、カバー14を開けると(図はカバーを開けた状態を示す)、楕円型の周縁を持つ指置き部15がある。指置き部15の中には、輻射温度センサ部の開口端16と接触温度センサ部17と光学センサ部18がある。また、後述するようにして利用される書き換え可能な記憶部100及びインタフェース部110を備える。
図6に、装置の操作手順を示す。操作部のボタンを押し装置の電源を入れると、液晶表示器に「ウォーミングアップ」が表示され、装置内の電子回路がウォーミングアップされる。同時に、チェックプログラムが作動し、電子回路を自動的にチェックする。「ウォーミングアップ」が終了すると、液晶表示部に「指を置いてください」と表示される。指置き部に指を置くと、液晶表示部にカウントダウンが表示される。カウントダウンが終了すると、液晶表示部に「指を離してください」と表示される。指置き部から指を離すと、液晶表示部に「データ処理中」が表示される。その後、液晶表示部に血糖値が表示される。この時点で、表示された血糖値は、日時・時間とともにICカードに記憶される。表示された血糖値を読み取ったら、操作部のボタンを押す。装置は、約1分後に次の測定を待つ「指を置いてください」が液晶表示部に表示された状態になる。
図7は測定部の詳細を示す図であり、(a)は上面図、(b)はそのXX断面図、(c)はそのYY断面図である。
最初に、本発明の無侵襲血糖値測定装置による温度測定について説明する。被検部(指の腹)が接触する部分には熱伝導率の高い材料、例えば金でできた薄いプレート21が配置され、そのプレート21に熱的に接続されたプレート21より熱伝導率の低い材料、例えばポリ塩化ビニルからなる棒状の熱伝導部材22が装置内部に伸びている。温度センサとしては、プレート21の温度を測定し、被検部に対して隣接的な温度検出器であるサーミスタ23と、プレート21から一定距離だけ離れた熱伝導部材の部分の温度を測定し、被検部に対して間接的な温度検出器であるサーミスタ24とが設けられている。指置き部15に置かれた被検部(指の腹)を見通せる装置内部の位置に赤外線レンズ25が配され、赤外線レンズ25の下方に赤外線透過窓26を介して焦電検出器27が配置されている。また、焦電検出器27に近接して別のサーミスタ28が設置されている。
このように測定部の温度センサ部は4個の温度センサを有し、次の4種類の温度を測定する。
(1)指表面の温度(サーミスタ23):T
(2)熱伝導部材の温度(サーミスタ24):T
(3)指の輻射温度(焦電検出器27):T
(4)室温(サーミスタ28):T
次に、光学センサ部18について説明する。光学センサ部は、酸素供給量を求めるために必要なヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度とを測定するためのものである。ヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度を測定するには最低2波長での吸光度測定が必要であり、図7(c)は2個の光源33,34と1個の検出器35によって2波長測定を行うための構成例を示している。
光学センサ部18には、2個の光ファイバー31,32の端部が位置する。光ファイバー31は光照射用の光ファイバーであり、光ファイバー32は受光用の光ファイバーである。図7(c)に示すように、光ファイバー31は支線となるファイバー31a,31bにつながり、それらの末端には2つの波長の発光ダイオード33,34が配されている。受光用光ファイバー32の末端には、フォトダイオード35が配されている。発光ダイオード33は波長810nmの光を出射し、発光ダイオード34は波長950nmの光を出射する。波長810nmは、酸素結合型ヘモグロビンと還元型(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数が等しくなる等吸光波長であり、波長950nmは酸素結合型ヘモグロビンと還元型ヘモグロビンのモル吸光係数の差が大きい波長である。
2個の発光ダイオード33,34は時分割的に発光し、発光ダイオード33,34から発生された光は光照射用光ファイバー31から被検者の指に照射される。指に照射された光は、指の皮膚で反射し、受光用光ファイバー32に入射してフォトダイオード35によって検出される。指に照射された光が指の皮膚で反射されるとき、一部の光は皮膚を通して組織内部に侵入し、毛細血管を流れる血液中のヘモグロビンによる吸収を受ける。フォトダイオード35による測定データは反射率Rであり、吸光度は近似的にlog(1/R)で計算される。波長810nmと波長950nmの光について各々照射を行い、各々につきRを測定し、かつlog(1/R)を求めることにより、波長810nmの吸光度Aと波長950nmの吸光度Aが測定される。
還元型ヘモグロビン濃度を[Hb]、酸素結合型ヘモグロビン濃度を[HbO2]とすると、吸光度Aおよび吸光度Aは次式で表される。
Figure 0003623500
AHb(810nm)とAHb(950nm)、AHbO2(810nm)とAHbO2(950nm)はそれぞれ還元型ヘモグロビン、酸素結合型ヘモグロビンのモル吸光係数であり各波長で既知である。aは比例係数である。ヘモグロビン濃度[Hb]+[HbO2]、ヘモグロビン酸素飽和度[HbO2]/([Hb]+[HbO2])は上式から次のように求められる。
Figure 0003623500
なお、ここでは2波長による吸光度測定によってヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度を測定する例について説明したが、3波長以上で吸光度を測定することによって、妨害成分の影響を低減し測定精度を高めることも可能である。
図8は、装置内におけるデータ処理の流れを示す概念図である。本例の装置には、サーミスタ23,サーミスタ24,焦電検出器27,サーミスタ28、フォトダイオード35からなる5個のセンサがある。フォトダイオード35では波長810nmの吸光度と波長950nmの吸光度を測定するため、装置には6種類の測定値が入力されることになる。
5種類のアナログ信号は、それぞれA1〜A5の増幅器を経由して、AD1〜AD5のアナログ・デジタル変換器によってデジタル変換される。デジタル変換された値からパラメータx(i=1〜10)が計算される。xを具体的に表記すると以下のとおりとなる。(a〜aは比例係数)
Figure 0003623500
上記のように、ある物理量に対してそれを示唆するパラメータが複数存在する。本方式は各個人の生理学的な代謝を測定し、グルコース濃度を求める方法である。また、個人の代謝活動は性別、年齢、体重、病歴のような要因に影響されるため、各個人によってどちらのパラメータがグルコース濃度に影響を与えるか異なる。もしくは両方のパラメータを組み合わせたほうが良い可能性もある。これらの判断は多変量解析を行い各パラメータとグルコース濃度の相関を求め、各パラメータの寄与率を求めることで判断できる。この時使用する解析手法は線形重回帰分析や、主成分回帰分析、PLS回帰分析といった解析手法を取ることができる。以下では線形重回帰分析を使用した例を示す。
また、血流量や対流を示唆するパラメータは上記に限られたものではなく、より多く存在してもかまわない。例えば新規に血流量を示唆するパラメータが考案された場合、統計解析を行いそのパラメータの寄与率を評価することにより、新規パラメータの有効性を検証することができる。
つづいて、実際の多数の健常者および糖尿病患者のデータから患者毎に得られたパラメータxの平均値と標準偏差から正規化パラメータを算出する。各パラメータxから正規化パラメータX(i=1〜10)を次の式で計算する。
Figure 0003623500
前述の10の正規化パラメータX(i=1〜10)をもって、最終的な表示を行うためのグルコース濃度への変換計算が行われる。処理計算に必要なプログラムは、装置に組み込まれたマイクロプロセッサに内蔵されたROM及び/又は書き換え可能な記憶部に記憶されている。また、処理計算に必要なメモリー領域は、同様に装置に組み込まれているRAMに確保される。計算処理された結果は、液晶表示部に表示される。
ここでパラメータxiの平均値の正確さは、実際にデータを取得した健常者および糖尿病患者の数に依存する。これは、サンプル数nから求めた平均値が母集団の平均値をどのくらい正確に示すかは、統計学的にサンプル数nに依存するためである。例えばサンプル数10の平均値よりサンプル数100の平均値の方がより正確に母集団の平均値を示し、予想される平均値の精度も良くなるためである。このため、より正確な平均値算出には、十分な被験者からのデータ収集が必要である。
ROMには処理計算に必要なプログラム構成要素として、特にグルコース濃度Cを求めるための計算処理が入っており、書き換え可能な記憶部には係数ai(i=0〜10)及び使用するパラメータが入っている。この係数及びパラメータは以下のように定められたものである。まず、多数の健常者及び糖尿病患者のデータを取得する。このとき患者毎に正規化パラメータとグルコース濃度Cの関係を示す重回帰式を精度良く作成できるように、十分な多数のデータを取得する必要がある。その後、患者毎に以下に示す手順で正規化パラメータとグルコース濃度Cの関係を示す重回帰式を作成する。
まず、グルコース濃度Cは以下の式(1)で表現される。ai(i=0〜10)を求める手順は以下のとおり。
(1)正規化パラメータとグルコース濃度Cの関係を示す重回帰式を作成する。
(2)最小二乗法によって得られた式から正規化パラメータに関する正規方程式(連立方程式)を求める。
(3)正規方程式から係数ai(i=0〜10)の値を求め、重回帰式に代入する。
初めに、グルコース濃度Cと正規化パラメータX〜X10の関係を示す次の回帰式(1)を作る。
Figure 0003623500
つづいて、酵素電極法によるグルコース濃度測定値Cとの誤差が最小になるような重回帰式を求めるため、最小二乗法を用いる。残差の二乗和をDとすると、Dは次式(2)で表される。
Figure 0003623500
残差の二乗和Dが最小になるのは、式(2)をa,a,…,a10で偏微分してゼロとなるときなので、次式が得られる。
Figure 0003623500
C、X〜X10の平均値をCmean、X1mean〜X10meanとするとXimean=0(i=1〜10)であるので、式(1)から式(4)が得られる。
Figure 0003623500
また、正規化パラメータ間の変動・共変動は、式(5)で表され、正規化パラメータX(i=1〜10)とCとの共変動は式(6)で表される。
Figure 0003623500
式(4)(5)(6)を式(3)に代入して整理すると、連立方程式(正規方程式)(7)が得られ、これを解くことでa〜a10が求まる。
Figure 0003623500
定数項aは、式(4)を用いて求める。以上でベースとなる患者群の患者毎の重回帰直線を求めることができる。
次に、得られた患者毎の重回帰直線から一般化された検量線を求めるために、得られた重回帰直線に対してクラスター分析を行う。これにより接近している検量線同士をクラスター化し、患者のグループを作る事ができる。クラスター分析では、重回帰直線同士の類似度を評価する必要がある。その評価方法として、ユークリッド距離やミンコフスキー距離そして、マハラノビスの距離がある。本実施例ではマハラノビスの距離を使用した。
Figure 0003623500
このハマラノビスの距離は統計学での判別分析に使用され、この距離が小さいほど得られたサンプルが、既知の集合に属する確率が高いことを示す。
その後、グループ化された患者の全データを使用してクラスター毎の重回帰直線を求め、一般化された検量線を得る。この時のクラスター数は、得られているデータの数と最終的に得たいグルコース濃度算出の精度に依存する。得られているデータが十分多い場合は、グルコース濃度算出の精度により決定すれば良い。
クラスター毎の重回帰直線はここでは10パラメータの多項式となっている。これまで述べたように、生理学的な代謝は各個人で異なっており、ある特定のパラメータの寄与率が高い患者と低い患者とがいる。10パラメータの多項式をそのまま使用しても良いが、寄与率の低いパラメータを削除することで、実使用時の計算速度やプログラムを保管する素子を小さくすることができる。本実施例では寄与率の低いパラメータ5つを削除した。寄与率の低いパラメータを削除した場合は、クラスター毎の重回帰直線を、再度使用するパラメータを使用して求める必要がある。
新規の患者に対するクラスターの検量線割り当て方法及び手順例を以下に示し、システム構成を図9に、データの流れを図10に示す。
(1) 新規の患者から複数のパラメータデータと同時刻のグルコース濃度測定値(酵素電極法 )を取得する。パラメータデータは記憶部100に保存される。ここで取得するパラメータデータとグルコース濃度測定手順はいくつかある。例えば最初に採血しグルコース濃度を測定し、その後パラメータデータを3回測定する。その後、採血しグルコース濃度を測定するなどである。二つのグルコース濃度を比較することによりパラメータデータ取得中のグルコース変化が分かり、急峻なグルコース濃度変化のデータを避けることができる。これは急峻な濃度変化があると、パラメータデータとグルコース濃度の対応が悪くなり、クラスター割り当てに影響を与えるためである。また、パラメータデータを複数回測定することにより、偶発的な測定エラーが発生した場合のデータを識別し除外することができる。
(2) インタフェース110を介してパラメータデータを検量線、すなわちグルコース濃度を算出するための演算式を選択する手段である、演算式選択手段140へ送る。また、パラメータデータに対応するグルコース濃度は演算式選択手段140へ入力する。
(3) 演算式選択手段は得られたパラメータデータから新規患者の重回帰直線(演算式)を求める。
(4) 演算式選択手段はこの得られた重回帰直線がどのクラスターに属するのかを、クラスター化されたデータ群のデータベース150を使用して、判別分析(マハラノビスの距離の算出等による分析)にて求める。
(5) 決定されたクラスターに相当する演算式をクラスター化された演算式のデータベースから受け取る。具体的な受け取るデータは、そのクラスターの重回帰直線の係数 ai(i=0〜5)及び使用するパラメータである。
(6) 演算式選択手段140はクラスター化された演算式及びデータ群のデータベース150から受け取ったデータを、装置の書き換え可能な記憶部100に保存する。
(7) 装置による実際の測定は、測定値から求めた正規化パラメータX〜X10 記憶部100の保存された患者に適した係数及びパラメータを使用してグルコース濃度Cが算出される。
また、上記手順(3)及び(4)の判別分析のための手順は、以下の別の方法で行うこともできる。その場合のデータの流れを図11に示す。
(1) 上記手順の(1)を行う。
(2) 上記手順の(2)を行う。
(3) 演算式選択手段は140、得られたパラメータデータをクラスター化された演算式のデータベース150にある全ての演算式に代入し、グルコース濃度を算出する。
(4) 演算式選択手段は、算出されたグルコース濃度がどのクラスターに属するのかを、算出されたグルコース濃度と参照するグルコース濃度の相関係数(相関係数が最も高いものを採用する)を使用して求める。
(5) 上記手順の(5)〜(7)を行う。上記例のように、演算式選択手段はいくつかの手法により行うことができ、その内どれを使用しても良い。また、上記の例ではインタフェース110を介してパラメータデータを演算式選択手段140へ送ったが、装置内部に演算式選択手段を設け、装置とデータベース間で通信しながらクラスターの重回帰直線の係数 ai(i=0〜5)及び使用するパラメータを入手してもよい。
上記手順は病院及び薬局や専用の販売店で行うことができる。但し参照値として日常検査法などで測定したグルコース濃度が必要となるので、医師や看護婦などの資格を持った、採血が可能なスタッフが必要となる。このため病院内で行うことが一般的であるが、採血資格を持ったスタッフがいる薬局や専門店でも行うことが可能である。
また、割り当てたクラスターは有効期限がある。これは生理学上の代謝が時間と共に少しずつ変化することが考えられるためである。このため、クラスター判別は定期的に行うことが必要である。これは、実際の糖尿病患者が使用する場合、定期的に医師を訪問して血糖値のコントロールに関する指導を受けることにつながるため、病状の維持・改善に効果がある。
さらにクラスター判別を定期的に行うと、各患者のパラメータと参照となるグルコース濃度を定期的に全患者から収集することができる。このデータを収集し、ある一定のデータ量が集まった段階で再度クラスター分析を行うと、より精度の高いクラスターを得ることができる。この時のデータ収集方法の一例として、図12に示すサーバシステムを利用することができる。また、血糖値測定装置とサーバ120との間にデータ保管機160を入れ、病院や薬局、専門店等に設置すると実使用上、フィールドでデータを収集することが容易となる。データ保管機160は、血糖値測定装置によって測定された各種パラメータの値を血糖値測定装置のインタフェース部110を介して取得し、その時、酵素電極法で測定された被験者の血糖値と共に1つのデータセットとして記憶、収集する。収集されたデータは、通信手段を介してサーバ120に送信される。
また、クラスター分析に使用する患者の病歴を同時にアンケートや担当医師より入手し、クラスター毎の病態を調査すると、クラスターがある病態を示す可能性がある。このような調査を進めることにより、医師の診断の補助となるデータを提示できる。
上記の算出方法ではパラメータxiの平均値とai(i=0〜10)値の精度は前もって測定されたデータの数に依存する。そこで、患者個人が使用する血糖値測定装置で測定するパラメータを装置内に保管し、そのパラメータと当該パラメータ測定時に定法(酵素電極法)で測定した血糖値を収集することができれば血糖値測定装置の測定精度を向上することができる。その方法を以下に示す。
一例として、血糖値測定装置に、患者の通常使用時に算出されるパラメータを保管することができる書き換え可能な記憶部100を備える。この記憶部はRAMやEEPROMの様に装置内部に固定される記憶素子で構成されても、フラッシュメモリやEEPROM等を使用した着脱可能な外部記憶素子で構成されても良い。この保管したパラメータを現在の装置の血糖値算出式に使用した測定データが保管されているサーバ120に送信するインタフェース部110を、血糖値測定装置に備える(図5参照)。このインタフェース部は例えば無線LANやPHS、赤外線通信などの無線インタフェースでも、USBやRS232C、アナログ端子などの有線インタフェースでも良い。またインタフェースの接続先はパーソナルコンピュータや携帯端末、携帯電話などいずれでも良い。
図12により、データ収集及び分析の方法について説明する。なお、このようにして測定データを蓄積して検量線を更新していく手法は、クラスター分析によって複数の検量線を作成する方法のみならず、クラスター分析を行わず被験者全体に1つの検量線を適用する場合においても、検量線の精度を向上する方法として有効である。
サーバ120は、血糖値測定装置あるいは、病院や薬局等に設置されたデータ保管機160と通信してデータの受信、送信を行う送受信部121、演算処理等を行う処理部123、血糖値測定装置で測定された各パラメータと同時刻に酵素電極法で測定された血糖値の組を1つのデータセットとして記憶する測定データ記憶部124、各パラメータの平均値と標準偏差値、及び回帰式(1)の係数ai(i=0〜10)を記憶する関数データ記憶部125を備える。データセットと関数データとは共通の記憶部に記憶してもよい。
データ保管機160に収集したり、血糖値測定装置の記憶部100に保管された各種パラメータとグルコース濃度測定値(酵素電極法)は、サーバ120に送信され、サーバ120の受信部で受信されたデータは処理部123を介して測定データ記憶部124に追加記憶される。追加されたデータの数、あるいは測定データ記憶部124に記憶されているデータの数がある規定のデータ数に達したら、処理部123は、測定データ記憶部124に記憶されている全データを用いて各パラメータの平均値、標準偏差、及び回帰式(1)の係数ai(i=0〜10)を再計算する。再計算された値は関数データ記憶部125に格納され、関数データ記憶部125内に記憶されている各パラメータの平均値と標準偏差値、及び回帰式(1)の係数ai(i=0〜10)が更新される。次に、サーバ120が関数データ記憶部125内に保持している更新されたパラメータ平均値、標準偏差、係数ai(i=0〜10)は、血糖値測定装置に直接送信され、あるいはデータ保管機160に送信され、血糖値測定装置内に保持されているパラメータ平均値、標準偏差、係数ai(i=0〜10)、あるいはデータ保管機に保持されているパラメータ平均値、標準偏差、係数ai(i=0〜10)の値が更新されたパラメータ平均値、係数ai(i=0〜10)に置き換えられる。更新された値がデータ保管機に送信された場合には、データ保管機に血糖測定装置を接続することにより更新されたデータが血糖測定装置に移される。
以下にパラメータXの算出過程の具体例を示す。Xはパラメータx1を正規化したものである。パラメータの分布が正規分布であると仮定すると、正規化パラメータの95%は−2から+2の間の値をとる。いま、パラメータx1の値が1.74×103、パラメータx1の平均値が1.75×103、パラメータx1の標準偏差が167であるとして、具体的に正規化パラメータは以下の式で求めることができる。
Figure 0003623500
ここで、上記の式のパラメータの平均値がサンプル数20の平均値であるとすると、例えばx1の平均値の95%信頼区間を求めると以下となる。
Figure 0003623500
これに対し、サンプル数40の平均値であるとすると、x1の平均値の95%信頼区間は
Figure 0003623500
となり精度が向上する。これは正規化パラメータの精度が向上することと同じである。
さらに、サンプル数が60であるとすると、x1の平均値の95%信頼区間は
Figure 0003623500
とさらに精度が向上する。
以下に、グルコース濃度の算出過程の具体例を示す。21人の健常者および糖尿病患者に対して本装置を使用してデータ収集し、計算したパラメータからグルコース濃度を推定する重回帰直線を求めた。その後、クラスター分析を行い、接近している直線同士をグループ化した。この結果を表1に示す。
Figure 0003623500
この結果より、4つのクラスターが得られた。各クラスターに使用されるパラメータを表2に示す。参考として、クラスター分析を行わず、被験者全体を1つのグループとして重回帰分析を行い、採用した5つのパラメータを合わせて表2に示す。
Figure 0003623500
次に新規患者対し、本装置で5回測定してデータを収集し、同時に対照法としてのグルコース濃度を酵素電極法で測定した。得られたデータとグルコース濃度から多変量解析を行い、重回帰直線を求めた。その後、重回帰直線から各クラスターまでのマハラノビスの距離を計算し、最も近いクラスターをその患者のクラスターとした。この例ではクラスター3となった。その後、決定されたクラスターの係数を書き換え可能な記憶部に格納する。クラスター分析を行って得られた全グルコース算出式を以下に示す。
Figure 0003623500
参考として、被験者全体を1つのグループとして採用した5つのパラメータに対して再び重回帰分析を行って求めた回帰関数は次式のようになる。
Figure 0003623500
従来の測定方法である、採血によって得た血液を試薬と反応させ、この反応によって発生した電子量を測定して血糖値を測定する酵素電極法による測定結果と本発明の1実施例による測定結果について以下に述べる。
健常者の測定値の1例として、酵素電極法によるグルコース濃度が89mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=-0.06、X=0.10、X=0.04、X=0.03、X=0.05、X=-0.07、X=-0.12、X=-0.16、X=0.10、X10=-0.08を上記の全てに代入するとC=95mg/dl、C=95mg/dl、C=93mg/dl、C=98mg/dl、となる。またクラスター分けしない値はCT=96mg/dlとなる。
糖尿病患者の測定値の一例として、酵素電極法によるグルコース濃度が238mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=1.15、X=0.93、X=-0.93、X=-1.31、X=-0.83、X=-0.84、X=-0.91、X=-0.50、X=-1.24、X10=-0.93を上記の全てに代入するとC=193mg/dl、C=188mg/dl、C=214mg/dl、C=210mg/dl、となる。またクラスター分けしない値はCT=211mg/dlとなる。
図13は、縦軸をクラスター毎に異なる回帰関数を使用して本装置で算出したグルコース濃度、横軸を酵素電極法で同時測定したグルコース濃度として、3人の被験者について測定結果をプロットした図である。相関係数は0.934である。本図の各プロットに対して、直線y=Ax+B(yは縦軸、xは横軸)を最小二乗法によりフィッティングさせるとA=0.992、B=-6.07である。
一方、図14は、縦軸を被験者全体を1つのグループとして得た回帰関数を格納する本装置で測定したグルコース濃度、横軸を酵素電極法で同時測定したグルコース濃度として、80人の糖尿病患者および20人の健常者の合計100人について測定結果をプロットした図である。相関係数は0.901である。本図の各プロットに対して、直線y=Ex+F(yは縦軸、xは横軸)を最小二乗法によりフィッティングさせるとE=0.962、F=8.15である。
本装置による測定値と酵素電極法による測定値とは、近ければ近いほど本装置による測定精度が侵襲法に近いことを意味する。すなわち、これらの値のプロット図は、その相関係数が1に近いほど本装置による測定精度が高いことを意味する。よって、図13と図14の結果より、グループ毎に異なる回帰関数を適用して測定を行うことにより、全てのグループの被験者群の測定データ群から得た共通回帰関数を用いた測定と比べてより精度の高い測定が可能となることが分かる。
以上説明した実施例では、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度に関するパラメータを、血液中のヘモグロビンを分光学的に測定することにより求めた。ところで、ヘモグロビン濃度は、貧血、出血及び赤血球増加症などの症状が無い人であれば安定していること、また、ヘモグロビン濃度は男性で13〜18g/dL、女性で12〜17g/dLが正常値であり、ヘモグロビン濃度の正常値からの変化幅の範囲は5〜6%であること、前述の血糖値算出式で血流量に関する項の重みが他の項より小さいことから、定数として扱っても測定精度を大きく損なうことがない。同様に、ヘモグロビン酸素飽和度についても、大気圧下で空気呼吸を行い、安静にし、リラックスした状態であれば97〜98%で安定していることから、定数として扱うことが可能である。よってヘモグロビン濃度及びヘモグロビン酸素飽和度は定数として扱うことができ、酸素供給量はヘモグロビン濃度定数と、ヘモグロビン酸素飽和度定数と、血流量との積から求めることができる。
ヘモグロビン濃度及びヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱うことにより、血糖値測定に用いるセンサ構成について、光学センサ等を外して簡単化することができる。また光学的測定の時間及び光学的測定結果処理の時間を略することにより、血糖値測定一連の迅速化を図ることができる。
なお、ヘモグロビン酸素飽和度については特に安静時に安定した値となることから、ヘモグロビン濃度及びヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱えば、特に安静時の血糖値測定において測定精度を高め、かつ血糖値測定一連の迅速化を図ることができる。ここで、安静時とは、椅子に座ったり体を横たえたりすることにより体を殆ど動かさない状態で、5分程度経過した時のことをいう。
以下、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱う実施例について説明する。本実施例は、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱う点以外は、上記実施例と同様であるため、ここでは主として前述の実施例と異なる点について説明する。
本実施例は、図4の説明図におけるヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度を測定することなく、定数として扱うものである。従って、本実施例の測定部は、図15に示すように、図7に示した前述の実施例の測定部から光源33,34、フォトダイオード35及び光ファイバー31,32を除去した構造とする。本実施例で使用するパラメータは熱輻射を示唆するパラメータx,x、熱対流を示唆するパラメータx,x、及び酸素供給量を示唆するパラメータx,x10であり、これらのパラメータから前述のようにして正規化パラメータを算出し、例えばそのうちの3個の正規化パラメータXをもとにグルコース濃度を演算する。データ処理においては、前述の実施例では必要であった「光学計測データから正規化パラメータへの変換処理」(図8参照)を省略できる。
図16は、本実施例による装置の機能ブロック図である。この装置はバッテリー41で駆動される。温度センサで構成されるセンサ部43で測定した信号は各々の信号に対応して設置されるアナログ・デジタル変換器44(アナログ・デジタル変換器AD1〜AD4)へ入りデジタル信号へ変換される。マイクロプロセッサ45の周辺回路としては、アナログ・デジタル変換器AD1〜AD4、液晶表示器13、RAM42があり、これらは各バスライン46を介してマイクロプロセッサ45からアクセスされる。また、押しボタン11a〜11dはそれぞれマイクロプロセッサ45と接続されている。マイクロプロセッサ45はソフトウェアを格納するROMを内蔵している。またマイクロプロセッサ45は、ボタン11a〜11dを押すことによって、外部からの指令を受けることができる。
マイクロプロセッサ45に内蔵されたROM47は、処理計算に必要なプログラムを記憶する。すなわち、演算部の機能を有する。マイクロプロセッサ45はさらに、ヘモグロビン濃度の定数を格納するヘモグロビン濃度定数格納部48と、ヘモグロビン酸素飽和度の定数を格納するヘモグロビン酸素飽和度定数格納部49を内蔵している。計算プログラムは指の測定終了後、ヘモグロビン定数格納部48およびヘモグロビン酸素飽和度定数格納部49から最適定数を呼び出して計算する。また、処理計算に必要なメモリー領域は、同様に装置に組み込まれているRAM42に確保される。計算処理された結果は、液晶表示部に表示される。
ROMには処理計算に必要なプログラム構成要素として、特にグルコース濃度Cを求めるための関数が入っている。この関数は以下のように定められたものである。まず、Cは以下の式(8)で表現される。ai(i=0,1,2,3)は、複数の測定データから前もって決定されている。aiを求める手順は以下のとおり。
(1)正規化パラメータとグルコース濃度Cの関係を示す重回帰式を作成する。
(2)最小二乗法によって得られた式から正規化パラメータに関する正規方程式(連立方程式)を求める。
(3)正規方程式から係数ai(i=0,1,2,3)の値を求め、重回帰式に代入する。
初めに、グルコース濃度Cと正規化パラメータX,X,X(X,X,Xは、6個のパラメータx,x,x,x,x,x10のうちの3つのパラメータに対応する正規化パラメータ)の関係を示す次の回帰式(8)を作る。
Figure 0003623500
つづいて、酵素電極法によるグルコース濃度測定値Cとの誤差が最小になるような重回帰式を求めるため、最小二乗法を用いる。残差の二乗和をDとすると、Dは次式(9)で表される。
Figure 0003623500
残差の二乗和Dが最小になるのは、式(9)をa〜aで偏微分してゼロとなるときなので、次式が得られる。
Figure 0003623500
C、X〜Xの平均値をそれぞれCmean、X1mean〜X3meanとするとXimean=0(i=1〜3)であるので、式(8)から式(11)が得られる。
Figure 0003623500
また、正規化パラメータ間の変動・共変動は、式(12)で表され、正規化パラメータX(i=1〜3)とCとの共変動は式(13)で表される。
Figure 0003623500
式(11)(12)(13)を式(10)に代入して整理すると、連立方程式(正規方程式)(14)が得られ、これを解くことでa〜aが求まる。
Figure 0003623500
定数項aは、式(11)を用いて求める。以上で求めた ai(i=0,1,2,3)は装置製造時にROMに格納されている。装置による実際の測定では、測定値から求めた正規化パラメータX〜Xを回帰式(8)に代入することで、グルコース濃度Cが算出される。
以下にグルコース濃度の算出過程の具体例を示す。予め健常者および糖尿病患者に対して測定した多数のデータから回帰式(8)の係数が決められており、マイクロプロセッサのROMには下記のグルコース濃度の算出式が格納されている。この算出式は、前述のように、クラスター分析によって求めることができる。また、算出式の係数及びパラメータx〜xの平均値及び標準偏差は、サーバとの通信、あるいはデータ保管機との通信によって最新のデータに更新される。
Figure 0003623500
〜Xはパラメータx〜xを正規化したものである。パラメータの分布が正規分布であると仮定すると、正規化パラメータの95%は−2から+2の間の値をとる。
健常者の測定値の1例として、正規化パラメータX=-0.06、X=+0.04、X=+0.10 を上記の式に代入するとC=101mg/dlとなる。また、糖尿病患者の測定値の1例として、正規化パラメータX=+1.35、X=-1.22、X=-1.24 を上記の式に代入するとC=181mg/dlとなる。なお、上記の式ではヘモグロビン濃度を15g/dL、ヘモグロビン酸素飽和度を97%として定数化した。
従来の測定方法である、採血によって得た血液を試薬と反応させ、この反応によって発生した電子量を測定して血糖値を測定する酵素電極法による測定結果と本発明の1実施例による測定結果について以下に述べる。健常者の測定値の1例として、酵素電極法によるグルコース濃度が93mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=-0.06、X=+0.04、X=+0.10 を上記の式に代入するとC=101mg/dlとなる。また、糖尿病患者の測定値の例として、酵素電極法によるグルコース濃度が208mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=+1.35、X=-1.22、X=-1.24 を上記の式に代入するとC=181mg/dlとなる。この計算結果は約13%の誤差を示しているが、一般に血糖測定のための装置は通常15〜20%の誤差は許容されるものとして扱われているため、このレベルの精度であれば十分な精度と考えられる。上記の結果より、本発明による方法によって、高精度でグルコース濃度を求められることが確認された。
図17は、縦軸を本法によるグルコース濃度の算出値、横軸を酵素電極法によるグルコース濃度の測定値として、複数の患者に対してそれぞれの測定値をプロットした図である。本法の様に測定することで良好な相関が得られる(相関係数=0.8932)。
体表面からブロックへの熱移動を説明するモデル図。 温度Tおよび温度Tの測定値の時間変化を示す図。 温度Tの時間変化の測定例。 各種センサによる測定値と、それから導出されるパラメータとの関係を図示した説明図。 本発明による無侵襲血糖値測定装置の上面図。 装置の操作手順を示す図。 測定部の詳細図。 装置内におけるデータ処理の流れを示す概念図。 クラスター分析を行うためのシステム構成図。 クラスター分析を行うためのフロー図。 クラスター分析を行うためのフロー図。 本発明によるサーバシステムの概略図。 クラスター分けを行ったグルコース濃度算出値および酵素電極法によるグルコース濃度測定値のプロット図。 クラスター分けを行わないグルコース濃度算出値および酵素電極法によるグルコース濃度測定値のプロット図。 測定部の他の例を示す詳細図。 装置内におけるデータ保管場所を示す概念図。 本発明によるグルコース濃度算出値と酵素電極法によるグルコース濃度測定値のプロット図。
符号の説明
11…操作部、12…測定部、13…表示部、15…指置き部、16…輻射温度センサ部の開口端、17…接触温度センサ部、18…光学センサ部、21…プレート、22…熱伝導部材、23…サーミスタ、24…サーミスタ、25…赤外線レンズ、26…赤外線透過窓、27…焦電検出器、28…サーミスタ、31,32…光ファイバー、33,34…光源、35…フォトダイオード、100…書き換え可能な記憶部、110…インタフェース部、120…サーバ、123…処理部、124…測定データ記憶部、125…関数データ記憶部

Claims (18)

  1. 体表面に接触するプレートの温度を第1の温度として測定するステップと、
    前記プレートから、前記プレートに接して設けられる第1の部材に伝導する熱を第2の温度として測定するステップと、
    前記体表面からの輻射熱を第3の温度として測定するステップと、
    前記プレートに向けて照射する光について照射した後に検出するステップと、
    前記第1の温度、前記第2の温度、前記第3の温度、及び前記光の検出結果についての複数のデータセットを統計処理により分類して得る演算式群から、前記第1の温度、前記第2の温度、前記第3の温度、及び前記光の検出結果に基づいて1の演算式を選択するステップと、
    前記第1の温度、前記第2の温度、前記第3の温度、及び前記光の検出結果と前記1の演算式とを用いて血糖値を算出するするステップと、
    を有することを特徴とする血糖値算出方法。
  2. 請求項1記載の血糖値算出方法において、前記1の演算式は、前記第1の温度、前記第2の温度、前記第3の温度、及び前記光の検出結果と血糖値とを関係付ける演算式を得、前記関係付ける演算式に基づいて前記演算式群から選択されることを特徴とする血糖値算出方法。
  3. 体表面に接触するプレートの温度を第1の温度として測定するステップと、
    前記プレートから、前記プレートに接して設けられる柱状部材に伝導する熱を第2の温度として測定するステップと、
    前記体表面からの輻射熱を第3の温度として測定するステップと、
    前記第1の温度、前記第2の温度、及び前記第3の温度についての複数のデータセットを統計処理により分類して得る演算式群から、前記第1の温度、前記第2の温度、及び前記第3の温度に基づいて1の演算式を選択するステップと、
    前記第1の温度、前記第2の温度、及び前記第3の温度と前記1の演算式とを用いて血糖値を算出するするステップと、
    を有することを特徴とする血糖値算出方法。
  4. 請求項3記載の血糖値算出方法において、前記1の演算式は、前記第1の温度、前記第2の温度、前記第3の温度、及び前記光の検出結果と血糖値とを関係付ける演算式を得、前記関係付ける演算式に基づいて前記演算式群から選択されることを特徴とする血糖値算出方法。
  5. 体表面に由来する複数の温度を測定し、前記体表面からの熱放散に関する対流伝熱量と輻射伝熱量との算出に用いる情報を得る熱量測定部と、
    体表面接触部と、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、前記体表面接触部と前記間接温度検出器とをつなげる熱伝導部材を具備しかつ血流量に関する情報を得る血流量測定部と、血中のヘモグロビン濃度、ヘモグロビン酸素飽和度を得る光学測定部とを具備し、血中酸素量に関する情報を得る酸素供給量測定部と、
    予め得た前記熱量測定部及び前記酸素供給量測定部による複数の測定値のセットについて複数の前記セットを統計処理により分類した測定値セット群、若しくは前記測定値セット群ごとに設定した演算式を記憶した第1の記憶部と、
    前記第1の記憶部から、前記複数の温度及び前記血中酸素量についての測定情報に基づいて1の前記演算式を選択する演算式選択手段と、
    前記1の演算式を記憶する第2の記憶部と、
    前記熱量測定部及び前記酸素供給量測定部から入力される複数の測定値と前記第2の記憶部に記憶された前記1の演算式とを用いて血糖値を演算する演算部と、
    前記演算部によって算出された結果を表示する表示部とを有することを特徴とする血糖値測定システム。
  6. 環境温度を測定する環境温度測定器と、
    体表面が接触する体表面接触部と、
    前記体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、
    前記体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材に隣接しかつ前記体表面接触部から離れた位置に設けられ、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、
    前記体表面接触部に向けて少なくとも2つの異なる波長の光を照射する光源と、
    前記光が前記体表面で反射されて生じる反射光を検出する光検出器と、
    予め得た前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器及び前記光検出器各々の出力のセットについて複数の前記セットを統計処理により分類したセット群、若しくは前記セット群ごとに設定した演算式を記憶した第1の記憶部と、
    前記第1の記憶部から、前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器及び前記光検出器各々の出力に基づいて1の前記演算式を選択する演算式選択手段と、
    前記1の演算式を記憶する第2の記憶部と、
    前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器及び前記光検出器各々の出力と前記第2の記憶部に記憶された前記1の演算式とを用いて血糖値を演算する演算部と、
    前記演算部からの出力に基づく情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする血糖値測定システム。
  7. 請求項6記載の血糖値測定システムにおいて、
    前記体表面接触部に接する前記熱伝導部材の開口端を覆うプレートと、前記プレートの温度を検出する隣接温度検出器をさらに有し、
    前記セットは前記隣接温度検出器の出力を含み、
    前記演算式選択手段は、前記第1の記憶部から、前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器、前記光検出器及び前記隣接温度検出器の各々の出力に基づいて1の前記演算式を選択することを特徴とする血糖値測定システム。
  8. 環境温度を測定する環境温度測定器と、
    体表面が接触する体表面接触部と、
    前記体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、
    前記体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材に隣接しかつ前記体表面接触部から離れた位置に設けられ、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、
    血中のヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度に関する情報を記憶した第1の記憶部と、
    予め得た前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、及び前記輻射熱検出器各々の出力のセットについて複数の前記セットを統計処理により分類したセット群、若しくは前記セット群ごとに設定した演算式を記憶した第の記憶部と、
    前記第の記憶部から、前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、及び前記輻射熱検出器各々の出力に基づいて1の前記演算式を選択する演算式選択手段と、
    前記1の演算式を記憶する第の記憶部と、
    前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、及び前記輻射熱検出器各々の出力と前記第の記憶部に記憶された前記1の演算式とを用いて血糖値を演算する演算部と、
    前記演算部から出力に基づく情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする血糖値測定システム。
  9. 請求項8記載の血糖値測定システムにおいて、
    前記体表面接触部に接する前記熱伝導部材の開口端を覆うプレートと、前記プレートの温度を検出する隣接温度検出器をさらに有し、
    前記セットは前記隣接温度検出器の出力を含み、
    前記演算式選択手段は、前記第の記憶部から、前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器、及び前記隣接温度検出器の各々の出力に基づいて1の前記演算式を選択することを特徴とする請求項8に記載の血糖値測定システム。
  10. 体表面に由来する複数の温度を測定し、前記体表面からの熱放散に関する対流伝熱量と輻射伝熱量との算出に用いる情報を得る熱量測定部と、
    血中酸素量に関する情報を得る酸素量測定部と、
    前記複数の温度及び前記血中酸素量に各々対応するパラメータと血糖値との関係を記憶した記憶部と、
    前記熱量測定部及び前記酸素量測定部から入力される複数の測定値を前記パラメータへ各々変換し、前記パラメータを前記記憶部に記憶した前記関係に適用して血糖値を演算する演算部と、
    前記演算部によって算出された血糖値を表示する表示部と、
    通信インタフェースと、
    前記記憶部に記憶した前記関係を、前記通信インタフェースを通して取得した前記関係で置き換える制御部とを備え、
    前記酸素量測定部は、血流量に関する情報を得る血流量測定部と、血中のヘモグロビン濃度、ヘモグロビン酸素飽和度を得る光学測定部とを有し、
    前記血流量測定部は、体表面接触部と、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、前記体表面接触部と前記間接温度検出器とをつなげる熱伝導部材を有することを特徴とする血糖値測定装置。
  11. 請求項10記載の血糖値測定装置において、前記記憶部は前記各パラメータの平均値及び標準偏差値を記憶しており、前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記各パラメータの平均値及び標準偏差値を前記通信インタフェースを通して取得した各パラメータの平均値及び標準偏差値で置き換えることを特徴とする血糖値測定装置。
  12. 環境温度を測定する環境温度測定器と、
    体表面が接触する体表面接触部と、
    前記体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、
    前記体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材に隣接しかつ前記体表面接触部から離れた位置に設けられ、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、
    前記体表面接触部に向けて少なくとも2つの異なる波長の光を照射する光源と、
    前記光が前記体表面で反射されて生じる反射光を検出する光検出器と、
    前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器及び前記光検出器各々の出力を各々パラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、
    前記演算部から出力される血糖値を表示する表示部と、
    通信インタフェースと、
    前記記憶部に記憶した前記関係を、前記通信インタフェースを通して取得した前記関係で置き換える制御部とを備えることを特徴とする血糖値測定装置。
  13. 請求項12記載の血糖値測定装置において、前記記憶部は前記各パラメータの平均値及び標準偏差値を記憶しており、前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記各パラメータの平均値及び標準偏差値を前記通信インタフェースを通して取得した各パラメータの平均値及び標準偏差値で置き換えることを特徴とする血糖値測定装置。
  14. 環境温度を測定する環境温度測定器と、
    体表面が接触する体表面接触部と、
    前記体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、
    前記体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材に隣接しかつ前記体表面接触部から離れた位置に設けられ、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、
    血中のヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度に関する情報を記憶した記憶部と、
    前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器の出力を複数のパラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、
    前記演算部から出力される血糖値を表示する表示部と、
    通信インタフェースと、
    前記記憶部に記憶した前記関係を、前記通信インタフェースを通して取得した前記関係で置き換える制御部とを備えることを特徴とする血糖値測定装置。
  15. 請求項14記載の血糖値測定装置において、前記記憶部は前記各パラメータの平均値及び標準偏差値を記憶しており、前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記各パラメータの平均値及び標準偏差値を前記通信インタフェースを通して取得した各パラメータの平均値及び標準偏差値で置き換えることを特徴とする血糖値測定装置。
  16. 体表面の温度、前記体表面に接触する熱伝導部材の温度、前記体表面の輻射温度、環境温度から演算された複数のパラメータの値と、定法で測定された血糖値とを含む測定データセットを受信する受信部と、
    前記受信部で受信した複数の測定データセットを記憶した測定データ記憶部と、
    前記測定データ記憶部に記憶された各パラメータの平均値及び標準偏差値、並びに前記パラメータと血糖値との関係を表す関係式を記憶した関数データ記憶部と、
    前記測定データ記憶部に記憶された複数のデータセットを統計処理して、各パラメータの平均値及び標準偏差値、及び前記パラメータと血糖値との関係を表す関係式を求め、前記関数データ記憶部に格納する処理部と、
    前記関数データ記憶部に記憶した各パラメータの平均値及び標準偏差値、及び前記パラメータと血糖値との関係を表す関係式を送信する送信部とを備えるシステム。
  17. 請求項16記載のシステムにおいて、前記複数のパラメータは、体表面の温度、前記体表面に接触する熱伝導部材の温度、前記体表面の輻射温度、環境温度に加えて、前記体表面に照射された少なくとも2波長における吸光度から演算されたものであることを特徴とするシステム。
  18. 請求項16記載のシステムにおいて、前記処理部は、前記測定データ記憶部に追加記憶された測定データセットの数が所定数に達したとき、あるいは前記測定データ記憶部に記憶されたデータ数が所定数に達したとき、前記各パラメータの平均値及び標準偏差値、及び前記パラメータと血糖値との関係を表す関係式を再計算し、前記関数データ記憶部に記憶されているデータを更新処理することを特徴とするシステム。
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