JP3622364B2 - 液体貯蔵施設 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を貯蔵するための液体貯蔵施設に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、液体を貯蔵する際には、タンクが用いられる。タンクの構造は、その内部に貯蔵される液体の種類によって異なっており、特に油類のような危険物を貯蔵するタンクについては、その構造および強度について細かく仕様や基準が定められている。
【0003】
液体を大規模に貯蔵する施設としては、例えば地上型の重油タンクなどが挙げられるが、オリノコタールエマルジョンのような非危険物扱いされている液体を大規模に貯蔵する必要がある場合にも、このような既製の重油タンクの一部を改造して貯蔵が行われるのが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オリノコタールエマルジョンのような非危険物扱いの液体を貯蔵しようとする場合には、従来の重油タンクなどのような厳重な構造は必要なく、したがって、専用の貯蔵施設を建設しても、比較的安価に構成することが可能であると考えられる。特に、現在、オリノコタールは、その確認埋蔵量の膨大さや、安価であること、およびその低公害性などにより、石油代替エネルギーの一つとして脚光を浴びてきており、火力発電などにも利用されてきていることから、それ自体の貯蔵ニーズも発生してきている。
以上のようなことから、このような液体に対して、安価に建設が可能であるような専用の貯蔵施設を開発することが求められていた。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明においては、従来の油類の貯蔵構造に比べ安価に建設が可能であり、特にオリノコタールエマルジョンを貯蔵するのに好適な液体貯蔵施設を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の液体貯蔵施設は、内部に調整用液体が貯留される外殻体と、該外殻体内に前記調整用液体内に浸漬させて配設された可撓性材料からなる袋状タンクと、該袋状タンク内部に対して貯留液体の給排をなす給排設備と、前記外殻体内の調整用液体の水位を調整する調整手段とを備え、前記給排設備は、前記袋状タンク内に鉛直方向に向けて配置され、袋状タンク内に対し前記貯留液体の給排をなすパイプを有してなり、該パイプは、前記袋状タンクの膜部を介して前記外殻体の底面に支持されていることを特徴とする。
【0007】
この液体貯蔵施設においては、袋状タンクを外殻体の内部に貯留された調整用液体の中に浸漬することによって、調整用液体と貯留液体の比重が同程度の場合には、調整用液体と貯留液体の液面がほぼ同一になり、したがって袋状タンク内部の水位が調整用液体の水位を調節することで調整可能とされるとともに、袋状タンクには応力が発生しないこととなる。
また、この液体貯蔵施設においては、パイプが外殻体底面に支持されることにより、調整用液体と貯留液体の比重が異なる場合にも、袋状タンクが浮き上がったり沈んだりして不安定な状態となることがない。
【0008】
請求項2記載の液体貯蔵施設は、請求項1記載の液体貯蔵施設において、請求項1記載の液体貯蔵施設において、前記調整手段は、前記外殻体外部の水域と前記外殻体内との間に設置された調整パイプを通して、前記外殻体内に対して水を調整用液体として給排する設備であることを特徴とする。
この液体貯蔵施設においては、調整パイプを通して、例えば外殻体内に対して海水を給排することが可能とされており、したがって海水と比重がほぼ等しいオリノコタールエマルジョンを貯蔵するのに好適な施設が実現可能とされる。
【0010】
請求項記載の液体貯蔵施設は、請求項1または2記載の液体貯蔵施設において、前記外殻体は、掘削された地盤中に形成されていることを特徴とする。
この液体貯蔵施設においては、外殻体が地盤中に掘削されて形成されるため、施設そのものを地下構造物とすることが可能とされる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す図であり、符号1は、本実施の形態における液体貯蔵施設を示す。液体貯蔵施設1は、地盤2を掘削して建設された外殻体3と、袋状タンク4とを備えて構成されている。
【0012】
外殻体3の底面5および側面6はコンクリート壁から構成されるとともに、その内部には水からなる調整用液体7が貯留されている。さらに、外殻体3には、調整用液体7の水位を調整する調整手段8が設けられている。調整手段8は、調整ポンプ9と、調整ポンプ9から外殻体3内部および外部水域10に向けて設置された調整パイプ11から構成されている。なお、外部水域10は具体的には海であり、したがって調整手段8は、外部水域10から調整用液体7として外殻体3内部に水を揚水することが可能なように構成されるとともに、水を外部水域10との間で矢印で示したように給排することよって調整用液体7の水位を調整することが可能とされている。ここでは、調整用液体7の水位は、外部水域10における水位および地盤2における地下水位12と同一に保たれている。
【0013】
一方、袋状タンク4は、剛構造部13と、例えばゴムシートからなる可撓性材料によって構成された膜部14と、側面に複数の孔が設けられたパイプ15を備えて構成されている。図に示すように膜部14は、袋状に加工されるとともに剛構造部13の下端部外周に接着されており、その内部にはオリノコタールエマルジョンからなる貯留液体16が貯留されている。また、剛構造部13には、パイプ15および空気抜きパイプ17が挿通されており、その底部は貯留液体16を押さえる金属性のフタ18として構成されている。
パイプ15は図に示すように鉛直に配置されるとともに、その先端にはパイプ支持盤19が設けられている。このパイプ支持盤19は外殻体3の底面5によって膜部14を介して支持されており、パイプ15によって袋状タンク4が自立可能となるように構成されている。
また、図に示すように、パイプ15は給排設備20と接続されており、貯留液体16の給排が可能なように構成されている。給排設備20は、パイプ15と接続して袋状タンク4に貯留液体16を供給する供給パイプ21と、ポンプ22とを備えて構成されており、ポンプ22は、オイルタンカーなどの液体の供給源、およびバーナーなどの液体の供給先へ接続されている。
【0014】
以上が、本実施の形態における主要な構成であるが、次に本実施の形態の液体貯蔵施設1における作用を説明する。
貯留液体16は、オイルタンカー等の供給源から供給され、ポンプ22および供給パイプ21を経由して、袋状タンク4内に供給される。このとき、貯留液体16液面の水位は、調整用液体7と貯留液体16との比重が同一の場合には、貯留液体16の量にかかわらず、常に調整用液体7の液面に一致する。
【0015】
例えば、貯留液体16がオリノコタールエマルジョン、調整用液体7が海水の場合には、両者の比重は、ほぼ同程度であるため、袋状タンク4の膜部14において内側から作用する液圧と外側から作用する液圧は同一となる。袋状タンク4内に貯留液体16をさらに供給した場合には、貯留液体16の水位は瞬間的には上昇するが、このとき生じた水位差によって膜部14の内外において作用する液圧に差が生じ、この圧力差によって膜部14は袋状タンク4の外方に向かって移動することとなる。
【0016】
膜部14の位置が外方に向かって移動すると、袋状タンク4の横断面積が増えることとなり、そのため貯留液体16の水位は減少し、ついには調整用液体7と同位置となる。貯留液体16の水位が調整用液体7と同一になった場合には、もはや膜部14において液圧の内外差が生じなくなるため、膜部14の位置の移動は停止することになる。
【0017】
このように、いったん貯留液体16の水位が調整用液体7と同一になると、それ以上貯留液体16を袋状タンク4内に供給しても、貯留液体16の貯蔵量に応じて袋状タンク4の横断面積が変化するのみであり、したがって、調整用液体7の水位を調整手段8によって一定に保っておけば、袋状タンク4内の貯留液体16の水位もまた常に一定に保たれることとなる。また、逆に調整用液体7の水位を変化させることによって貯留液体16の水位を調整することが可能となる。
【0018】
また、このように袋状タンク4内に貯留された貯留液体16を取り出そうとする場合には、ポンプ22を稼働させることにより、貯留液体16をバーナーなどの供給先に送るようにすればよく、この場合には、膜部14の横断面積が縮小し貯留液体16の水位は調整用液体7の水位と同一に保たれることとなる。
【0019】
以上説明したように、本実施の形態における液体貯蔵施設1は、可撓性材料を用いて構成された袋状タンク4における膜部14を、外殻体3に貯留された調整用液体7に浸漬することによって、膜部14によって内部の貯留液体16を遮蔽し、貯蔵するものであり、膜部14は、その内外の液圧差に耐え得る強度のものとするのみでよい。したがって、従来、オリノコタールエマルジョンの貯蔵に用いられてきた重油タンクのような剛構造タンクに比べ、はるかに安価なコストで大容量の貯蔵機能が発揮できる施設を建設することができる。
【0020】
特に、液体貯蔵施設1を用いてオリノコタールエマルジョンを貯蔵しようとする場合には、海水と比重がほぼ同一であるというその特性を生かし、調整用液体7として海水を利用することが好適である。こうすることによって、調整用液体7と貯留液体16の液面をほぼ同一とすることが可能となり、したがって、膜部14には応力が作用せず、安全な状態で貯留液体16を貯蔵することができる。このように本実施の形態は、オリノコタールエマルジョンを貯蔵するのに好適な液体貯蔵施設1を実現可能とするものである。
【0021】
さらに、本実施の形態の液体貯蔵施設1においては、海である外部水域10と外殻体3内部との間を、調整手段8によって接続することによって、外殻体3内部の調整用液体7の水位が調節可能とされ、したがって、調整用液体7の水位を海水位または周辺の地盤2における地下水位12に合わせて一定としておくことによって、上述したような作用により、貯留液体16の水位を一定に調整することができる。
【0022】
このような本実施の形態における特徴は、貯留液体16としてオリノコタールエマルジョンを貯蔵しようとする場合に特に好適なものである。オリノコタールエマルジョンは、せん断力を受けた場合に、オリノコタールの平均粒径が大きくなり劣化する傾向にあるため、その輸送にあたっては、スクリューポンプのような輸送液体にせん断力が加わりにくいポンプが使用されるのが一般的であるが、この種のポンプはサクション力が弱いという欠点があった。しかしながら、本実施の形態においては、袋状タンク4内における貯留液体16の貯蔵容量にかかわらず、常にその液面を所望の位置に保つことができ、また本実施の形態のような地下貯蔵形式を採用した場合においても、液面を常に地上付近に位置させることが可能なため、ポンプを地上に配置することも可能である。このように本実施の形態は、ポンプに係る構成を従来に比べ簡略化するものであり、それにより、給排設備20を安価に構成することが可能とされる。
【0023】
また、本実施の形態の液体貯蔵施設1は、地盤2中に構築された地下構造物となっているため、地上部分を有効利用することが可能であり、この地上部分を緑地とすれば景観的にも好ましく、法的に求められる緑地面積に組み込むことも可能である。このように本実施の形態においては、敷地面積を効果的に利用することが可能である。
【0024】
さらに、何らかの予期せぬ理由により、袋状タンク4に破損箇所が生じ貯留液体16が漏洩した場合においても、外殻体3および周辺の地盤2そのものをバリアーとすることができ、これらによって貯留液体16の周囲に対する漏洩を防いでいる間に対策を取ることができ、したがって施設の安全性および信頼性が向上することとなる。
【0025】
また、解放点検時においても袋状タンク4を容易に地上に引き上げることが可能であり、検査作業の簡便化を図ることが可能である。また、場合によっては、袋状タンク4をそのまま調整用液体7の中においたまま気密試験を行うことも可能であり、この場合には、検査作業の簡便化および効率化をさらに図ることができる。
【0026】
また、本実施の形態においては、年間を通じて地上よりも温度変化が小さく、温度制御が簡単である。
さらに、地盤2中に掘削空間として設けられた外殻体3の内部に貯留液体16が貯留されているために、外殻体3の側面6に作用する土圧は、有効土圧分程度しか作用せず、したがって側面6の構造は、一般の土止め壁に比べ簡素化することができ、その建設コストも安価なものとすることが可能である。
【0027】
以上において本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、任意の液体の貯蔵に利用できるものであり、また、設置場所における制約等に対応して、その構造や形態その他の変更を行うことが可能である。
【0028】
例えば、上記実施の形態においては、調整用液体7および貯留液体16の比重がほぼ等しい場合の例を示したが、これらの比重は異なっていても差し支えない。
このような例として、図2に、貯留液体16の比重が調整用液体7の比重よりも大きい場合の例を示す。貯留液体16をオリノコタールエマルジョンとし、調整用液体7として真水を利用した場合が、この例に該当する。
貯留液体16の比重をρ、液深をhとし、調整用液体7の比重をρ、液深をhとすると、袋状タンク4の底部において内側から作用する液圧Pは、
【数1】
Figure 0003622364
となり、外側から作用する液圧Pは、
【数2】
Figure 0003622364
となる。
【0029】
貯留液体16を袋状タンク4内に供給していくと、最初は、膜部14の底部から貯留液体16が滞留していくこととなるが、
【数3】
Figure 0003622364
となった場合、すなわち、h
【数4】
Figure 0003622364
に達した以降は、PがPを上回ることになるため、膜部14は、限度いっぱいにまで膨れ、その底部から徐々に引張応力が作用することとなる。
【0030】
このとき、袋状タンク4の内外に作用する液圧をグラフとして示したのが、図3である。図3において、縦軸は、袋状タンク4の各位置における底面5からの高さhを示すものであり、横軸は、袋状タンク4の各位置においてその内側および外側から作用する液圧Pを示すものである。図中、一点鎖線によって示したのが、貯留液体16によって袋状タンク4の内側に加えられる液圧Pであり、実線として示したのが、調整用液体7によって袋状タンク4の外側に加えられる液圧Pである。
【0031】
図3に示すように、膜部14の上部においては、PがPを上回っており、したがって、膜部14の上部は図2に示すように収縮してパイプ15に被着するようになる。また膜部14の下部においては、PがPよりも下回っており、これに対応して図2に示すように膜部14の下部は膨張することとなり、また、PとPの差は膜部14に生じる引張応力によってバランスされる。
【0032】
また、この場合に生じる引張応力に対しては、膜部14の材料を適切に選択したり、また、膜部14に補強材を組み込むことによって、膜部14に対し、耐力を付与するようにするとよい。
【0033】
また、貯留液体16の比重ρが調整用液体7の比重ρよりも小さい場合の例を図4に示す。この場合においても、図3と同様に、袋状タンク4の内外に作用する液圧を図5においてグラフとして示している。図5のグラフにおける縦軸および横軸の示すところは、図3と同様であり、それぞれ、袋状タンク4の各位置における底面5からの高さh、および袋状タンク4の各位置においてその内側および外側から作用する液圧Pを表している。また、図中には、図3と同様に、一点鎖線によって袋状タンク4の内側に加えられる液圧Pを示し、実線によって、袋状タンク4の外側に加えられる液圧Pを示してある。袋状タンク4における膜部14の下部においては、図5に示すようにPがPを上回っているため、図4に示すように膜部14は収縮してパイプ15に被着しており、膜部14の上部および剛構造部13においては、図5に示すようにPがPを下回っているため、図5に示すように膜部14が膨張している。
【0034】
この場合、貯留液体16および調整用液体7の液面から、図4に示すように膜部14が膨張した部分の最下端までの液深をそれぞれh、hとすると、膜部14が膨張した部分の最下端においては、図5に示すように
【数5】
Figure 0003622364
が成立するので、したがって、貯留液体16および調整用液体7の液面の差Δhは、
【数6】
Figure 0003622364
によって表されることから、式(5)とから、
【数7】
Figure 0003622364
として表すことができる。
【0035】
また、この場合にも、先に述べたρ>ρの場合と同様に、膜部14には、引張応力が作用することとなるため、膜部14の材料を適切に選択したり、また、膜部14に補強材を組み込むことによって、膜部14に対し、耐力を付与するようにするとよい。
【0036】
以上、貯留液体と調整用液体の比重が異なる場合の例を説明したが、本発明はそのほかにも、使用される材質の変更、構造や設置場所の変更などが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、膜部14はゴムシート製とされているが、
そのかわりに、これを合成樹脂や繊維によって構成することも可能である。
【0037】
また、上記実施の形態においては、外殻体3の底面5および側面6は、コンクリート壁とされているが、これをシートパイルによって構成するようにしてもよい。また、これらは単に調整用液体7を貯留することが可能なように構成すればよいため、必ずしも止水構造になっていなくてもよい。したがって、調整用液体7の液深が比較的浅い場合には法面構造とすることも可能で、その場合には建設コストを安価に抑えることができる。さらに、外殻体3をケーソンによって施工することも考えられる。
【0038】
液体貯蔵施設1の設置場所は、地盤中とされる必要はなく、海中や湖水中にシートパイルや他の工法により壁を構築して外殻体3とし、その中に袋状タンク4を建て込むようにしてもよい。この場合には、調整手段8の構成を簡略化することが可能である。
【0039】
さらに、上記実施の形態においては、外部水域10は海であるとされているが、そのかわりに、湖や池であってもよく、その場合には、調整用液体として淡水を利用するようにしてもよい。また、外部水域10を供給源として調整用液体7を確保する必要はなく、例えば冬季には、発電所の冷却水を調整用液体7として活用するようにしてもよく、ヒータなどの設備費を軽減することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る液体貯蔵施設によれば、外殻体の内部に調整用液体が貯留され、その中に袋状タンクが浸漬されているため、袋状タンクは、その内外に作用する液圧に対して耐力をもつように構成すればよく、したがって従来の剛構造タンクなどにくらべ、安価な建設費で液体の貯蔵設備が実現可能とされる。
また、この液体貯蔵施設においては、特に、外殻体内部に貯留された調整用液体と袋状タンク内の貯留液体の比重が同じ場合には、袋状タンクの内外に液圧差が生じず、そのため袋状タンクの安全性が保たれることとなる。このように、貯留しようとする液体と同比重の液体を調整用液体として使用することによって、施設の安全性および信頼性を向上することができる。
また、この液体貯蔵施設においては、袋状タンクにおける給排設備としてパイプが備えられており、このパイプが外殻体の底面に支持されていることにより、袋状タンク自体が外殻体内部において自立可能となり、したがって、調整用液体と貯留液体の比重が異なる場合にも、袋状タンクが浮き上がったり沈んだりすることがなく、施設の安定性を実現することが可能となる。
【0041】
請求項2に係る液体貯蔵施設においては、調整手段によって、外殻体外部の水域と外殻体内との間に設置された調整パイプを通して、外殻体内部に対して水を調整用液体として給排することが可能であることから、貯留液体がオリノコタールエマルジョンである場合には、海から海水を調整用液体として供給することによって、貯留液体と調整用液体の比重がほぼ同一となり、したがって、請求項1に係る発明が良好に実現可能とされる。
このように、この液体貯蔵施設は、特にオリノコタールエマルジョン等のエマルジョンを貯蔵するのに好適なものである。
【0043】
請求項に係る液体貯蔵施設によれば、外殻体が地盤を掘削して形成されることから、施設を地下構造物とすることが可能となり、また、内部に調整用液体が貯留されることから、土圧を調整用液体の水圧で受けとめることができ、従来の土止め壁に比べ構造を簡素化することができる。また、施設を地下構造物とすることによって、地上部分の有効利用を図ることができ、季節ごとの温度差が小さいことを利用して施設の温度制御の容易化を図ることが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を模式的に示す液体貯蔵施設の断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す液体貯蔵施設の断面図である。
【図3】図2に示した液体貯蔵施設における、袋状タンクにその内外から作用する液圧を示すグラフである。
【図4】本発明の図2とは別の他の実施の形態を示す液体貯蔵施設の断面図である。
【図5】図4に示した液体貯蔵施設における、袋状タンクにその内外から作用する液圧を示すグラフである。
【符号の説明】
1 液体貯蔵施設
2 地盤
3 外殻体
4 袋状タンク
5 底面
7 調整用液体
8 調整手段
9 調整ポンプ
10 外部水域
14 膜部
15 パイプ
16 貯留液体
20 給排設備

Claims (3)

  1. 内部に調整用液体が貯留される外殻体と、該外殻体内に前記調整用液体内に浸漬させて配設された可撓性材料からなる袋状タンクと、該袋状タンク内部に対して貯留液体の給排をなす給排設備と、前記外殻体内の調整用液体の水位を調整する調整手段とを備え
    前記給排設備は、前記袋状タンク内に鉛直方向に向けて配置され、袋状タンク内に対し前記貯留液体の給排をなすパイプを有してなり、該パイプは、前記袋状タンクの膜部を介して前記外殻体の底面に支持されていることを特徴とする液体貯蔵施設。
  2. 請求項1記載の液体貯蔵施設において、前記調整手段は、前記外殻体外部の水域と前記外殻体内との間に設置された調整パイプを通して、前記外殻体内に対して水を調整用液体として給排する設備であることを特徴とする液体貯蔵施設。
  3. 請求項1または2記載液体貯蔵施設において、前記外殻体は、掘削された地盤中に形成されていることを特徴とする液体貯蔵施設。
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