JP3621345B2 - 複数のテレビジョン信号方式に対応可能な映像信号処理回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SECAM方式と、PAL方式及び/又はNTSC方式のテレビジョン信号方式の信号フォーマットが設定された映像信号を生成することができる複数のテレビジョン信号方式に対応可能な映像信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
アナログテレビジョン信号方式として、SECAM方式、PAL方式、そしてNTSC方式が使用されている。SECAM方式の放送エリアに設置されるテレビ受像機に、SECAM方式に対応する仕様が設定される。PAL方式の放送エリアに設置されるテレビ受像機には、PAL方式に対応する仕様が設定される。NTSC方式の放送エリアに設置されるテレビ受像機には、NTSC方式に対応する仕様が設定される。
【0003】
近年、アナログテレビジョン信号方式とは異なる、いわゆるMPEG方式を利用したデジタルテレビジョン信号方式のテレビジョン放送が実用化されている。アナログテレビジョン信号方式のみに対応するアナログ型テレビ受像機は、デジタルテレビジョン信号方式に基づいた再生を実行することができない。
【0004】
デジタルテレビジョン信号に基づいた再生を実行する場合、デジタルテレビジョン信号方式に対応したデジタル型テレビ受像機が使用される。また、アナログ型テレビ受像機の入力側に、デジタルテレビジョン信号をアナログテレビジョン信号に変換する変換装置(セットトップボックス)を設置することにより、アナログ型テレビ受像機によるデジタルテレビジョン信号に基づく再生を実行することができる。
【0005】
デジタルテレビジョン信号をアナログテレビジョン信号に変換する変換装置は、アナログ型テレビ受像機に設定されたテレビジョン信号方式に応じて、専用の物が用意される。SECAM方式のアナログ型テレビ受像機に対しては、デジタルテレビジョン信号を、SECAM方式のアナログテレビジョン信号に変換する変換装置が使用される。PAL方式のアナログ型テレビ受像機に対しては、デジタルテレビジョン信号を、PAL方式のアナログテレビジョン信号に変換する変換装置が使用される。NTSC方式のアナログ型テレビ受像機に対しては、デジタルテレビジョン信号を、NTSC方式のアナログテレビジョン信号に変換する変換装置が使用される。
【0006】
一方、SECAM方式では、ベースバンド信号の一つである色差信号のレベル毎に対応付けられた周波数で、周波数変調された色差信号が伝送される。この色差信号のレベルと変調する周波数との関係は、SECAM方式の信号規格で定義されているとおり、比例の関係にある。即ち、色差信号のレベルが低レベルから高レベルになるに従い、周波数変調する際の周波数は、比例して増加する。色差信号のレベルと彩度との関係では、レベルが中央部あたりでは低彩度色及び無彩色が割り当てられる。色差信号のレベルが中央部から増加もしくは低下するに従い、高彩度色になる。つまり、SECAM方式では、低彩度色及び無彩色(白黒部分)を含め、常時キャリア信号が存在する。このため、SECAM方式では、受信側におけるドット妨害、即ち輝度信号に対するキャリア信号のクロストーク現象が発生し、PAL方式及びNTSC方式よりも画像が見苦しくなる。SECAM方式では、この画像の見苦しさを回避するため、送出側で周波数変調後の色差信号に対して、無彩色付近の信号振幅を低減させている。具体的には、色差信号のレベルに応じて周波数変調された色差信号(振幅一定)を入力すると、無彩色付近の周波数変調された色差信号(振幅一定)に対し、無彩色付近の周波数変調されている色差信号の振幅を減衰させた信号を出力する、いわゆる、ベルフィルタが用いられる。このベルフィルタによる信号処理により、ドット妨害が目立つ無彩色付近で、周波数変調された色差信号の振幅(強度)が抑えられる。この結果、無彩色付近での色差信号による輝度信号への影響が抑えられ、ドット妨害が抑制される。
【0007】
図8は、ベルフィルタの特性図を示す。図の横軸は周波数を、縦軸は利得を示す。この特性図に示された曲線は、以下の数式、
G=M(1+j16F)/(1+j1.26F)
F=f/f−f/f (f=4.286MHz)
に基づいて生成される。ここでfは周波数であり、Mはピークホワイトの23%のレベルである。図において、周波数は3.906MHzから4.697MHzの範囲が割り当てられているが、この周波数の増加は、ベースバンド信号の一つである色差信号のレベルと比例関係となるように設定されている。同図において、f=4.286MHzでゲインGが最小となっている。この周波数、つまり、無彩色に対応した色差信号のレベルを中心に、ゲインGが減衰するように規定されている。このようにして、ベルフィルタは、周波数変調された色差信号(振幅一定)に対し、周波数毎に定められた振幅に補正するものである。
【0008】
ベルフィルタは、論理素子を備えるデジタルフィルタ(FIRフィルタ)により構築することができる。図9は、従来のベルフィルタ周辺の概念図である。図に示された入力信号Inputは、第1機能F1に示されるようなベースバンド信号を表す。このベースバンド信号は、第2機能F2に示されるような周波数変調キャリアと合成され、第3機能F3に示されるような周波数変調信号が生成される。周波数変調信号は、第4機能F4に示されるようなベル特性を持つベルフィルタにより、第5機能F5に示されるようなベル特性を持つ周波数変調信号、即ち特性周波数信号(出力信号Output)が生成される。
【0009】
図9に示されるようにベルフィルタBFは、10ビットの8個の乗算器と、14個の加算器と、15個のDフリップフロップと、1個の係数器(1/64)を備える。乗算器には、固定値(制御信号)C0〜C7が供給される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
PAL方式とNTSC方式の映像信号処理回路は、AM信号を取り扱うという点で回路の共有化が容易である。しかしながら、SECAM方式の映像信号処理回路は、FM信号を取り扱うため、PAL方式及びNTSC方式の映像信号処理回路との共有化は困難であった。
【0011】
また、ベルフィルタをFIRフィルタで構築した場合、回路構成が大規模且つ複雑になる。大規模及び複雑になる理由の一つは、高次(例えば13〜20タップ)のデジタルフィルタが必要となる。
【0012】
本発明は、PAL方式とNTSC方式、そしてSECAM方式の何れにも対応することができ、更に高次のデジタルフィルタを必要としない映像信号処理回路を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()付きで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0014】
本発明による映像信号処理回路は、色差信号を入力する入力部(22、23)と、第1選択信号(SW1)に応じて、入力部(22、23)に入力された色差信号として(R−Y)信号及び(B−Y)信号から SECAM 方式の周波数偏差を示すデビエーション信号を生成し、デビエーション信号に基づいて、入力部(22、23)に入力された色差信号にプリエンファシス処理を施す色信号前処理部(51)と、プリエンファシス処理が施された色差信号に対しSECAM方式で規定されている振幅を有する変調信号を出力するベルテーブル(1、55)と、第1選択信号(S)に応じて、入力部(22、23)に入力された色差信号と変調信号とのうちの変調信号を選択して出力し、第2選択信号(S)に応じて、入力部(22、23)に入力された色差信号と変調信号とのうちの入力部(22、23)に入力された色差信号を選択して出力する第1スイッチ(2、58)と、第1選択信号(S)に応じて、プリエンファシス処理が施された色差信号に対しSECAM方式で規定されている周波数を有するキャリア信号を生成して出力し、第2選択信号(S)に応じて、入力部(22、23)に入力された色差信号に対し PAL 方式及び/又は NTSC 方式で規定されている周波数を有するキャリア信号を生成して出力するキャリア生成部(5、6、7、59、29、32)と、第1スイッチ(2、58)キャリア生成部(5、6、7、59、29、32)の出力とを演算して色差変調信号を出力する演算処理回路(3、34)を備える。
【0015】
本発明による更なる映像信号処理回路は、キャリア生成部が、ループカウンタ(6)と、サインROM(7)を備える。
【0016】
本発明による更なる映像信号処理回路は、ループカウンタ(6)が、ラインリセット信号により走査線の開始点でリセットされる。
【0017】
本発明による更なる映像信号処理回路において、キャリア生成部は、位相器を備え、位相器は、SECAM方式の前記色差変調信号を生成するとき、3走査線毎にループカウンタの出力を反転する。
【0018】
本発明による更なる映像信号処理回路は、ベルテーブル(1)には、色差信号に対しSECAM方式の規格て定められているキャリア信号の周波数に対応するデータを入力とし、そのキャリア信号の周波数に対するSECAM方式の前記色差変調信号の振幅データが格納されている。
【0019】
本発明による更なる映像信号処理回路は、ループカウンタの動作周波数が、13.5MHz又は13.5MHZの整数倍に設定される。
【0020】
本発明による更なる映像信号処理回路は、ベルテーブル及び前記キャリア生成部に導かれるSECAM方式用の入力信号が、(R−Y)信号入力及び(B−Y)信号入力からSECAM方式の周波数偏差を示すデビエーション信号を生成する色信号前処理部を備え、色信号前処理部は、(R−Y)信号入力及び(B−Y)信号入力がITU−BT.601規格に従う場合、前記(R−Y)信号入力に対する0.416倍の乗算と、前記(B−Y)信号入力に対する−0.506倍の乗算と、前記(B−Y)信号及び前記(R−Y)信号入力に対するオフセット設定を実行する。
【0021】
本発明による更なる映像信号処理回路は、ベルテーブルの入力側のデータ幅が8ビット以上に設定され、ベルテーブルの出力側のデータ幅が8ビット以上に設定される。
【0022】
本発明による更なる映像信号処理回路は、第1選択信号(S、SW1)又は第2選択信号(S)を出力する方式選択回路と、第1選択信号(SW1)に応じて、入力されたベースバンド信号から SECAM 方式の周波数偏差を示すデビエーション信号を生成し、デビエーション信号に基づいて、ベースバンド信号にプリエンファシス処理を施す信号前処理部(51)と、ベースバンド信号と対応付けられた振幅を有する第1信号として、第1選択信号(S)に応じて、 SECAM 方式で規定された振幅を有する第1信号を生成して出力し、第2選択信号(S)に応じて、ベースバンド信号のレベルと同じ振幅を有する第1信号を生成して出力する振幅制御回路(1、2、55、58)と、ベースバンド信号と対応付けられた周波数を有するキャリア信号として、第1選択信号(S)に応じて、 SECAM 方式で規定された周波数を有するキャリア信号を生成して出力し、第2選択信号(S)に応じて、 PAL 方式又は NTSC 方式で規定された周波数を有するキャリア信号を生成して出力するキャリア信号生成回路(5、6、59、29)と、第1信号とキャリア信号とを演算してベースバンド信号の変調を行う変調回路(3、34)とを備える。
【0023】
本発明による更なる映像信号処理回路は、振幅制御回路(1、2、55、58)が、第1選択信号(S)に応じて、ベースバンド信号のレベルと対応付けられた振幅を有する第1信号を生成し、第2選択信号(S)に応じて、ベースバンド信号のレベルと同一の振幅を有する第1信号を生成するとともに、キャリア信号生成回路(5、6、59、29)は、第1選択信号(S)に応じて、ベースバンド信号のレベルと対応付けられた周波数を有するキャリア信号を生成し、第2選択信号(S)に応じて、ベースバンド信号のレベルと対応付けられた一定の周波数を有するキャリア信号を生成する。
【0024】
本発明による更なる映像信号処理回路は、振幅制御回路におけるベースバンド信号のレベルと第1信号の振幅の対応付け及びキャリア信号生成回路におけるベースバンド信号のレベルとキャリア信号の周波数の対応付けは、SECAM方式で規定された関係にあるとともに、キャリア信号生成回路における一定周波数は、PAL方式又はNTSC方式で規定された周波数である。
【0025】
本発明による更なる映像信号処理回路は、方式選択回路は、上記の第1選択信号(SW1)を信号前処理部(51)に出力するタイミング発生回路(39)を含む。
【0026】
本発明による更なる映像信号処理回路は、ベースバンド信号が、色差信号である。
【0027】
本発明による更なる映像信号処理回路は、振幅制御回路が、色差信号に対し、SECAM方式の規格で定められているキャリア信号の周波数に対応するデータを入力とし、そのキャリア信号の周波数とSECAM方式の規格で定められている色差変調信号の振幅データが格納されているベルテーブルを備える。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の映像信号処理回路の概念図である。図に示された映像信号処理回路100は、ベルテーブル1と、第1スイッチ2と、乗算器3と、加算器4と、第2スイッチ5と、ループカウンタ6と、サインROM7と、フリップフロップ10を備える。ループカウンタ6は、カウンタ用加算器11と、フリップフロップ12を備える。ループカウンタ6及びサインROM7は、本発明に係るキャリア生成部を形成する。
【0029】
加算器4には、入力信号(Input)S1及び第1定数(C)8が供給される。第2スイッチ5には、加算器4の出力及び第2定数(C)9が供給される。ベルテーブル1及び加算器4には、入力信号S1が供給される。第1スイッチ2には、ベルテーブル1の出力及び入力信号S1が供給される。
【0030】
第1スイッチ2の出力は、フリップフロップ10を介して乗算器3に供給される。第2スイッチ5の出力は、ループカウンタ6に供給される。ループカウンタ6の出力は、サインROM7を介して乗算器3に供給される。乗算器3からは、出力信号(Output)S2が出力される。
【0031】
ベルテーブル1は、SECAM方式の色差信号S1に対するベル特性処理を実行する。第1スイッチ2は、選択信号Sに応じて、ベルテーブル1の出力(第1入力)と、入力信号S1の選択を実行する。加算器4は、入力信号S1と第1定数8の加算を実行する。第2スイッチ5は、選択信号Sに応じて、加算器4の出力(第3入力)と定数9(第4入力)の選択を実行する。ループカウンタ6は、第2スイッチ5の出力の計数を実行する。サインROM7は、ループカウンタ6の出力信号に対するサイン処理を実行する。乗算器3は、第1スイッチ2の出力とサインROM7の出力の演算を実行する。乗算器3からは、出力信号S2が出力される。
【0032】
映像信号処理回路100は、PAL方式の色差信号、NTSC方式の色差信号又はSECAM方式の色差信号の何れかを受け入れる。映像信号処理回路100では、PAL方式の色差信号(若しくはNTSC方式の色差信号)を受け入れた場合(第1動作状態)、第1スイッチ2が第2入力を選択する。同様に第2スイッチ5は、第2入力を選択する。映像信号処理回路100では、SECAM方式の色差信号を受け入れた場合(第2動作状態)、第1スイッチ2が第1入力を選択する。同様に第2スイッチ5は、第1入力を選択する。
【0033】
ベルテーブル1は、ベル特性が記録されたROMテーブルで備される。ROMテーブルは、入力信号に応じて参照位置が変更され、参照された位置に格納されたデータが出力信号として出力される機能を持つ。ROMテーブルの入力側、即ちアドレス入力は、例えば9ビットのデータで表された色差信号のレベルが入力される。9ビットのデータにより、色差信号のレベルとSECAM方式の規格に従って対応付けられた変調周波数は、512段階の周波数偏差(−256〜+255)として表すことができる。ROMテーブルの出力側、即ち出力データは、例えば8ビットのデータで表される。8ビットのデータにより、256段階の振幅精度(0〜255)を表すことができる。この場合、ROMテーブルは、512ワード×8ビットの容量が設定される。ベルフィルタの作用は、入力周波数及びベル特性に応じた出力振幅の変位を意味する。このような作用は、周波数変調された信号を、更にベル特性に応じて振幅変調する作用に等しい。このROMテーブルは、ある周波数に相当する値(アドレス)を入力すると、その周波数に相当し且つベル特性を持った振幅を出力する構成である。即ち、ROMテーブルでは、周波数変調前のデータ(出力データ)が、予め所定のアドレス位置(周波数値)に記録される。このROMテーブルは、周波数と振幅が一対一に対応付けられた構成を備えるため、FIRフィルタのような複雑且つ大規模な論理構成が必要無い。
【0034】
ここで図2及び図3を参照して、本発明に係る第1動作状態(PAL,NTSC方式)及び第2動作状態(SECAM方式)について説明する。
【0035】
図2は、本発明に係る第1動作状態の概念図である。図に示された映像信号処理回路101は、図1に示された映像信号処理回路100の、乗算器3と、ループカウンタ6と、サインROM7を備える。映像信号処理回路101は更に、フリップフロップ10を備える。このフリップフロップ10は、PAL方式の色差信号の入力段、即ち入力信号S3が入力するように設けられる。
【0036】
以上の構成において、PAL方式の色差信号は、フリップフロップ10を介して乗算器3に入力する。一方、ループカウンタ6には、第2定数9が供給される。ループカウンタ6の出力は、サインROM7を介して、キャリア信号に変換され、そして乗算器3に供給される。乗算器3では、PAL方式の色差信号に対応する変調が実行される。乗算器3は、変調されたPAL方式の色差信号である出力信号S4を出力する。
【0037】
次に図3は、本発明に係る第2動作状態の概念図である。図に示された映像信号処理回路102は、図1に示された映像信号処理回路100の、ベルテーブル1と、乗算器3と、ループカウンタ6と、サインROM7を備える。映像信号処理回路102は更に、フリップフロップ10を備える。
【0038】
以上の構成において、入力信号S5、即ちSECAM方式の色差信号は、ベルテーブル1に入力する。ベルテーブル1の出力は、フリップフロップ10を介して乗算器3に入力する。一方、SECAM方式の色差信号は、加算器4に入力する。加算器4は、SECAM方式の色差信号と、第1定数8を加算する。加算器4の出力は、ループカウンタ6に入力する。ループカウンタ6の出力は、サインROM7を介して、キャリア信号に変換され、そして乗算器3に供給される。乗算器3では、ベル特性を持つSECAM方式の色差信号と、キャリア信号の乗算、即ち変調が実行される。乗算器3は、変調されたSECAM方式の色差信号である出力信号S6を出力する。
【0039】
上述の本発明に係る映像信号処理回路は、入力された色差信号のレベルに対してベル特性を有する振幅の出力信号(SECAM方式)が、入力信号のレベルに比例した振幅を有する出力信号(PAL,NTSC方式)か何れか一方を選択して出力する第1の制御回路と、入力された色差信号のレベルに対応した周波数のキャリア信号(SECAM方式)か、入力信号のレベルに依らず一定周波数のキャリア信号(PAL,NTSC方式)か何れか一方を選択して出力する第2の制御回路と、第1・第2の制御回路の出力を乗算器3で演算することにより、各方式に対応した色差変調信号を生成することが出来る。SECAM方式とPAL/NTSC方式の何れか一方を選択する選択信号Sにより、第1及び第2の制御回路は、各々、何れか一方の出力を乗算器3へ出力する。このように、入力信号である色差信号に対し、その振幅を制御する第1の制御回路と、入力信号の振幅に応じて目的とするキャリア信号を生成する第2の制御回路と、それら制御回路の出力を乗算する乗算器が各々一つあれば、SECAM方式とPAL,NTSC方式の各方式に適応した色差変調信号を生成することが出来る。更に言えば、入力されたベースバンド信号に対し、振幅とキャリア周波数の変調を行う映像信号処理回路において、ベースバンド信号の振幅を補正する振幅制御回路と、ベースバンド信号のキャリア信号を生成するキャリア信号生成回路と、振幅制御回路とキャリア信号生成回路の出力とを演算処理して、キャリア信号の変調を行う演算処理回路と、振幅制御回路における振幅値とキャリア信号生成回路におけるキャリア信号の周波数とを制御する制御回路とを有する映像信号処理回路を実現することが出来る。これにより、ベースバンド信号を振幅変調もしくは周波数変調する際、任意の振幅と周波数を持つ変調信号を生成することが可能となる。
【0040】
図4を参照して、本発明に係る映像信号処理回路のより具体的な構成を説明する。図4は、本発明に係る映像信号処理回路の構成図である。図に示された映像信号処理回路103は、PAL/NTSC方式に対応する映像信号処理回路をSECAM方式にも対応できるように変形した構成を備える。図に示された信号処理回路103は、ローパスフィルタ部21〜23と、第1〜3計数器24〜25と、第1加算器27と、SECAM対応回路28と、ループカウンタ29と、サインROM30と、位相器(PAL方式用)31と、コサインROM32と、第1及び2乗算器33,34と、第2加算器35と、リミッタ36,38と、加算器37と、タイミング発生回路39と、セレクタ43を備える。ループカウンタ29は、加算器40とフリップフロップ41とを備える。SECAM対応回路28は、色信号前処理部51と、加算器52と、係数器53と、トラップフィルタ部54と、ベルテーブル55と、セレクタ56〜59を備える。
【0041】
ローパスフィルタ部21〜23の入力段は、例えばITU−R BT.601規格に沿った10ビットに設定される。前段に結合されるシステムが8ビット対応の場合、下位2ビットに0を付加して10ビットのデータを生成する。色信号前処理部51の出力段は、例えば9ビットに設定される。オフセット加算値は、例えば12ビットの値を示す。係数器53は、14ビットのシフト操作(26ビット出力)を実行する。セレクタ59は、例えば26ビットのデータを受け入れる。サインROM30及び位相器31は、26ビット入力の内、例えば下位10ビットを受け入れる。位相器31には、セレクタ43を介して第1ライン交代信号LC1(010101・・・)及び第2ライン交代信号LC2(001001・・・)が供給される。
【0042】
ローパスフィルタ部21には、Y信号が供給される。ローパスフィルタ部22には、Cb信号(B−Y信号)が供給される。ローパスフィルタ部22には、Cr信号(R−Y信号)が供給される。加算器52には、オフセット値(SECAM方式用)60が供給される。セレクタ59の第1入力には、加算値(PAL方式及びNTSC方式用)42が供給される。セレクタ57の第2入力には、固定値61が供給される。タイミング発生回路39は、同期信号Sync及び切替信号SW1を出力する。同期信号Syncは、映像信号処理回路103の動作タイミングを設定する。切替信号SW1は、色信号前処理回路51が受け入れるべき信号、即ちCb信号とCr信号の切替タイミングを設定する。タイミング発生回路39には、セレクタ43,56〜59の切替制御を実行する切替信号が入力する。タイミング発生回路39がPAL方式及びNTSC方式の信号処理を実行する場合、セレクタ43,56〜59は、第1入力(P)を選択するように切替制御される。タイミング発生回路39がSECAM方式の信号処理を実行する場合、セレクタ43,56〜59は、第2入力(S)を選択するように切替制御される。
【0043】
ローパスフィルタ部21〜23では、1.5MHz以下に帯域が制限される。係数器24は、係数0.625の乗算を実行する。係数器25は、係数0.53125の乗算を実行する。係数器26は、係数0.75の乗算を実行する。
【0044】
以上の構成の映像信号処理回路103は、セレクタ56から、Y´信号が出力される。リミッタ38からは、コンポジット信号Compが出力される。リミッタ36からは、C´信号が出力される。ベルテーブル55は、図3において説明されたベルテーブル1に対応する。
【0045】
映像信号処理回路103の周辺回路として、SECAM方式用に走査線毎のキャリア整列手段(手段A)と3H毎のFMキャリア反転手段(手段B)が、PAL方式用にSECAM ID信号挿入手段及びカラーバースト信号挿入手段が必要である。なお、PAL方式用の2つの手段は、本発明においては重要ではないため、詳細な説明を省略する。
【0046】
ここで手段A,Bに係る説明を図6及び図7を参照して説明する。図6は、本発明に係る周辺回路の第1動作説明図である。図7は、本発明に係る周辺回路の第2動作説明図である。上述の手段A,Bは、最終的にSECAM方式の色差変調信号を作成する上で重要な手段である。PAL,NTSC方式における色差信号のキャリア信号を発生させるループカウンタを転用した場合、図6は本発明に係る周辺回路の第1動作説明図である。図中、横軸は時間、縦軸は走査線の順位を表す。図6(a)は、走査線毎のキャリア信号位相を示す。フリップフロップ41のラインリセット(LRの入力)を実行しない場合、色差変調信号のFMキャリアの生成は、フリップフロップ41がフリーラン(常にカウントアップ)であるため、各走査線毎のキャリア信号の位相が図6(a)に示されるように乱れる。
【0047】
正確なSECAM信号を生成するためには、図6(b)に示されるように、各走査線の先頭(色信号の無い部分)でキャリアを整列させ(図6(b))、更に3ライン毎に1回、反転する必要がある(図6(c))。図6(b)に示された整列は、フリップフロップ41にラインリセット信号LRを供給することにより実現する。図6(c)に示されたラインI+2における反転は、位相器31にライン交代信号LC2を供給することにより実現する。
【0048】
図7に示されるように、位相器31には、SECAM方式に対応する場合、信号001001・・・が供給される。同様にNTSC方式に対応する場合、信号000000・・・が、PAL方式に対応する場合、010101・・・が供給される。
【0049】
ここで図7を参照して、本発明に係る色信号前処理部の構成を説明する。図7は、本発明に係る色信号処理部の構成図である。色信号処理部104(図4の51)は、係数器70,71と、セレクタ72,73と、加算器74と、係数器75と、減算器76と、加算器77と、リミッタ78と、遅延器79と、リミッタ80と、係数器81を備える。
【0050】
係数器70は、係数0.416の乗算を実行する。係数器71は、係数0.506の乗算を実行する。係数器75は、係数4の乗算を実行する。係数器81は、係数0.75の乗算を実行する。
【0051】
係数器70,71の入力段から係数器75の入力段までは、10ビットのデータが伝送される。係数器75の出力段とリミッタ80の出力段から遅延器79の出力段までは、12ビットのデータが伝送される。減算器76の出力段及び加算器77の出力段は、13ビットのデータが伝送される。リミッタ78の出力段は、9ビットのデータが伝送される。
【0052】
セレクタ73には、固定値82(−48)と固定値83(+47)が供給される。セレクタ72,73は、切替信号SW1(図4に図示)により切替制御が実行される。この切替信号SW1は、一ライン毎に、信号LCb又は信号LCrが選択されるように設定される。信号LCb及び信号LCrは、ローパスフィルタ部22,23から出力される信号を意味する。
【0053】
この回路には、1.5MHzに帯域制限されたベースバンドの10ビット表現された信号LCb及び信号LCr、さらには、切替信号SW1が入力される。信号LCb及び信号LCrは、それぞれ係数器70,71において係数処理が施される。係数器70,71における係数は、REC601に準拠した10ビット信号に対応するSECAM方式におけるデビエーション範囲を考慮して設定される。
【0054】
次に、セレクタ72,73において、信号が選択される。この選択は、SECAM方式の特徴である、色の線順次送出(各走査線で、信号Cb又はCrの何れかの信号のみが選択される)に対応するために実行される。この選択は、タイミング発生回路39において、走査線毎にH/Lの切替を繰り返す信号が使用される。
【0055】
ところで、SECAM方式では、色信号を周波数変調する場合、信号Cb側と信号Cr側で中心周波数を変更する必要がある。信号Cb側は、中心周波数4.250000MHzが設定される。信号Cr側は、中心周波数4.406250MHzが設定される。本発明においては、セレクタ73に固定値82,83を供給して、中心周波数の変更を実行する。信号Cbに係る処理を実行する場合、固定値82が選択される。信号Crに係る処理を実行する場合、固定値83が選択される。
【0056】
SECAM方式の信号処理において、プリエンファシス処理が必要である。プリエンファシス処理は、信号に急峻なトランジェントを設定する処理を意味する。この処理は、加算器77と、リミッタ80と、係数器81と、遅延器79により形成される処理ループ(IIRフィルタ)により実行される。遅延器79の出力は、減算器76において減算処理される。
【0057】
減算器76の出力は、リミッタ78において、2´sコンプリメントの9ビット信号に制限される。出力信号Outの出力範囲は、−256〜+255の範囲をしめす。この値は、SECAM方式の周波数範囲に換算すると、3.900000〜4.756250MHzに対応する。この値は、固定値82,83を考慮した場合、SECAM方式の色差信号の帯域内に収まる。出力信号Outは、後段の周波数変調処理及びベル特性処理に使用される。
【0058】
ここで、係数器70,71の係数の根拠について説明する。75%カラーバーにおけるSECAM Db/Drの変調範囲は、Db:+/−230kHz、Dr:+/−280kHzと定義されている。回路の動作周波数が27MHzの14ビットループカウンタで75%カラーバーを表現する場合、ループカウンタに入力するデータの変化量(片側)は、
Db側:214×Δ230(kHz)/27(MHz)=139.567 (約140)
Dr側:214×Δ280(kHz)/27(MHz)=169.908 (約170)
となる。一方、カラーバーでCbが最小となるのは、イエローであり、Crが最小となるのは、シアンである。Cb/Cr入力信号のフォーマットが、ITU−R BT.601相当の場合、
75%イエローのCb入力( 8ビット): 44LSB=[ −84]+128
75%イエローのCr入力(10ビット):176LSB=[−336]+512
75%レッドのCb入力( 8ビット): 44LSB=[ −84]+128
75%レッドのCr入力(10ビット):176LSB=[−336]+512
(但し、[ ]内の値は、オフセットを除いた、0からの偏量を示す。)
で表される。従って、Cb/Cr入力のそれぞれが、[−336]+512のときに、それぞれの偏量が+140と−170を示すように設定される。このため、2つの係数器に設定される係数、即ちゲインは、
Cb側ゲイン:+140/336=+0.416
Cr側ゲイン:−170/336=−0.506
となる。
【0059】
次に、ループカウンタにおける加算値の概念について説明する。SECAM方式における規格周波数(kHz)は、最低周波数0.000、デビエーション(偏差)の最低周波数3900.000(許容誤差+/−18.000)、foB:Db(B−Y)基準周波数4250.000(許容誤差+/−2.000)、デビエーションの中央周波数4328.125、foR:Dr(R−Y)基準周波数4406.250(許容誤差+/−2.000)、デビエーションの最高周波数4756.250(許容誤差+/−18.000)が規定されている。
【0060】
ループカウンタにおける規格に対応する周波数計数値の最小値は0、最大値は4095である。なお、ループカウンタが表現可能な最高周波数は、6750.000kHz(計数値4095)である。
【0061】
ループカウンタにおける規格中央周波数に対応する値(計数値)は、2626(4328.125kHz)に設定される。デビエーション最低周波数は、2626−256=2370(3905.640kHz)で表される。デビエーションの最高周波数は、2626+255=2881(4747.742kHz)で表される。foBは、2626−48=2578(4248.413kHz)、foRは、2626+47=2673(4404.968kHz)で表される。なお、ループカウンタに供給される値(−48)、(+47)は、固定値82,83を意味する。
【0062】
なお、ループカウンタの計数値に対応する発生周波数の誤差は、デビエーション最低周波数に対しては+5.639、foBに対しては−1.586、foRに対しては−1.281、デビエーションの最高周波数に対しては−8.508である。これらの誤差は、何れも許容誤差の範囲に収まる。
【0063】
ところで、デジタルオシレータの動作周波数を27MHzに設定すると、表現できる周波数は、ナイキスト定理により、0〜13.5MHz未満になる。デジタルオシレータのループカウンタのビット幅を14ビットに設定した場合、ループカウンタの足し込み可能範囲は、0〜2(13−1)=8191レベル、即ち、13ビット幅の範囲を示す。実際の入り尊号処理で必要となる範囲は、6MHz未満であるため、足し込む値の範囲は、0〜2(12−1)=4095レベル、即ち12ビット幅に設定することができる。周波数精度は、27MHz/214レベル=1.648kHzレベルである。階調が不足する場合、単純にループカウンタのビット数を増やすか、分数を表現するカウンタ(DDA)によるインクリメントを実行する方法がある。本発明における実施例においては、上述の加算値の設定により、SECAM方式の色信号規格を十分満たすことが見出された。
【0064】
以上説明のように、本発明による映像信号処理回路は、入力する映像信号の規格、即ちSECAM方式、PAL方式、そしてNTSC方式に応じて、信号伝送経路を変更し、適宜対応することができるため、回路の共有化と、複数の方式への対応を両立することができる。
【0065】
実施例では、ベースバンド信号(色差信号)の振幅を方式によって変更するため、ROMテーブルの出力か入力された色差信号の何れかがスイッチ2により選択される。この制御、つまり色差信号の入力振幅と出力振幅の関係制御は、スイッチによる出力の切替以外にも可能である。必要なのは、入力信号の振幅に対する出力信号の振幅の補正量を可変とする制御回路である。また、色差信号の振幅に応じて、色差信号を変調するキャリア信号の周波数選択も、スイッチ5により選択されるが、これも同様に、入力信号の振幅に対するキャリア信号の周波数設定を可変とする制御回路であればよい。そして、両制御回路に対し、目的とする振幅補正量とキャリア周波数を出力するように制御する制御回路により、任意の変調が可能となる。
【0066】
本発明による映像信号処理回路は、放送信号波を、SECAM方式、PAL方式、そしてNTSC方式に変更して、これら方式に対応したテレビ受像機に信号を供給するセットトップボックス以外にも適用することができる。
【0067】
例えば、DVDビデオレコーダ等の映像記録再生装置の再生部に搭載することができる。この場合、記録時の方式(SECAM方式、PAL方式、そしてNTSC方式)と同一の方式で再生、または異なる方式で再生することができる。
【0068】
本発明による映像信号処理回路は、処理(再生)すべき信号方式の設定、即ち、第1及び2スイッチ2,5の設定を実行する制御信号は、例えば放送波に方式を特定する方式信号(SECAM方式、PAL方式、そしてNTSC方式を特定する規格コード、放送エリアコード等)が含まれる場合、この方式信号を参照して生成される。さらにこの制御信号は、セットトップボックス又は映像記録再生装置を操作するユーザによりハードウェア的又はソフトウェア的に設定される設定情報を参照して生成することもできる。
【0069】
【発明の効果】
本発明による映像信号処理回路は、PAL方式とNTSC方式、そしてSECAM方式の何れにも対応することができ、更に高次のデジタルフィルタを必要としない映像信号処理回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図は、本発明の映像信号処理回路の概念図である。
【図2】図は、本発明に係る第1動作状態の概念図である。
【図3】図は、本発明に係る第2動作状態の概念図である。
【図4】図は、本発明に係る映像信号処理回路の構成図である。
【図5】図は、本発明に係る色信号処理部の構成図である。
【図6】図は、本発明に係る周辺回路の第1動作説明図である。
【図7】図は、本発明に係る周辺回路の第2動作説明図である。
【図8】図は、ベルフィルタの特性図である。
【図9】図は、従来のベルフィルタの構成図である。
【符号の説明】
1:ベルテーブル
2:第1スイッチ
3:乗算器
4:加算器
5:第2スイッチ
6:ループカウンタ
7:サインROM
8:第1定数
9:第2定数
11:カウンタ用加算器
12:フリップフロップ

Claims (13)

  1. 色差信号を入力する入力部と、
    第1選択信号に応じて、前記入力部に入力された前記色差信号として(R−Y)信号及び(B−Y)信号から SECAM 方式の周波数偏差を示すデビエーション信号を生成し、前記デビエーション信号に基づいて、前記入力部に入力された前記色差信号にプリエンファシス処理を施す色信号前処理部と、
    前記プリエンファシス処理が施された前記色差信号に対しSECAM方式で規定されている振幅を有する変調信号を出力するベルテーブルと、
    前記第1選択信号に応じて、前記入力部に入力された前記色差信号と前記変調信号とのうちの前記変調信号を選択して出力し、第2選択信号に応じて、前記入力部に入力された前記色差信号と前記変調信号とのうちの前記入力部に入力された前記色差信号を選択して出力する第1スイッチと、
    前記第1選択信号に応じて、前記プリエンファシス処理が施された前記色差信号に対しSECAM方式で規定されている周波数を有するキャリア信号を生成して出力し、前記第2選択信号に応じて、前記入力部に入力された前記色差信号に対し PAL 方式及び/又は NTSC 方式で規定されている周波数を有するキャリア信号を生成して出力するキャリア生成部と、
    前記第1スイッチと前記キャリア生成部の出力とを演算して色差変調信号を出力する演算処理回路を備えた映像信号処理回路。
  2. 請求項1に記載の映像信号処理回路において、
    前記キャリア生成部は、
    ループカウンタと、サインROMを備える映像信号処理回路。
  3. 請求項2に記載の映像信号処理回路において、
    前記ループカウンタは、ラインリセット信号により走査線の開始点でリセットされる映像信号処理回路。
  4. 請求項2又は3に記載の映像信号処理回路において、
    前記キャリア生成部は、位相器を備え、
    前記位相器は、SECAM方式の前記色差変調信号を生成するとき、3走査線毎にループカウンタの出力を反転する映像信号処理回路。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の映像信号処理回路において、
    前記ベルテーブルには、前記色差信号に対しSECAM方式の規格て定められているキャリア信号の周波数に対応するデータを入力とし、そのキャリア信号の周波数とSECAM方式の前記色差変調信号の振幅データが格納されている映像信号処理回路。
  6. 請求項2乃至5の何れか一項に記載の映像信号処理回路において、
    前記ループカウンタの動作周波数が、13.5MHz又は13.5MHZの整数倍に設定される映像信号処理回路。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の映像信号処理回路において、
    前記色信号前処理部は、(R−Y)信号入力及び(B−Y)信号入力がITU-BT.601規格に従う場合、前記(R−Y)信号入力に対する0.416倍の乗算と、前記(B−Y)信号入力に対する-0.506倍の乗算と、前記(B−Y)信号及び前記(R−Y)信号入力に対するオフセット設定を実行する映像信号処理回路。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の映像信号処理回路において、
    前記ベルテーブルの入力側のデータ幅が8ビット以上に設定され、前記ベルテーブルの出力側のデータ幅が8ビット以上に設定される映像信号処理回路。
  9. 第1選択信号又は第2選択信号を出力する方式選択回路と、
    前記第1選択信号に応じて、入力されたベースバンド信号から SECAM 方式の周波数偏差を示すデビエーション信号を生成し、前記デビエーション信号に基づいて、前記ベースバンド信号にプリエンファシス処理を施す信号前処理部と、
    前記ベースバンド信号と対応付けられた振幅を有する第1信号として、前記第1選択信号に応じて、 SECAM 方式で規定された振幅を有する前記第1信号を生成して出力し、前記第2選択信号に応じて、前記ベースバンド信号のレベルと同じ振幅を有する前記第1信号 を生成して出力する振幅制御回路と、
    前記ベースバンド信号と対応付けられた周波数を有するキャリア信号として、前記第1選択信号に応じて、 SECAM 方式で規定された周波数を有する前記キャリア信号を生成して出力し、前記第2選択信号に応じて、 PAL 方式又は NTSC 方式で規定された周波数を有する前記キャリア信号を生成して出力するキャリア信号生成回路と、
    前記第1信号と前記キャリア信号とを演算して前記ベースバンド信号の変調を行う変調回路とを備える映像信号処理回路。
  10. 請求項9に記載の映像信号処理回路において、
    前記振幅制御回路は、前記第1選択信号に応じて、前記ベースバンド信号のレベルと対応付けられた振幅を有する前記第1信号を生成し、前記第2選択信号に応じて、前記ベースバンド信号のレベルと同一の振幅を有する前記第1信号を生成するとともに、前記キャリア信号生成回路は、前記第1選択信号に応じて、前記ベースバンド信号のレベルと対応付けられた周波数を有するキャリア信号を生成し、前記第2選択信号に応じて、前記ベースバンド信号のレベルと対応付けられた一定の周波数を有するキャリア信号を生成する映像信号処理回路。
  11. 請求項10に記載の映像信号処理回路において、
    前記振幅制御回路における前記ベースバンド信号のレベルと前記第1信号の振幅の対応付け及び前記キャリア信号生成回路における前記ベースバンド信号のレベルと前記キャリア信号の周波数の対応付けは、SECAM方式で規定された関係にあるとともに、前記キャリア信号生成回路における一定周波数は、PAL方式又はNTSC方式で規定された周波数である映像信号処理回路。
  12. 請求項9乃至11の何れか一項に記載の映像信号処理回路において、
    前記ベースバンド信号は、色差信号である映像信号処理回路。
  13. 請求項9乃至12の何れか一項に記載の映像信号処理回路において、
    前記振幅制御回路は、色差信号に対し、SECAM方式の規格で定められているキャリア信号の周波数に対応するデータを入力とし、そのキャリア信号の周波数とSECAM方式の規格で定められている色差変調信号の振幅データが格納されているベルテーブルを備える映像信号処理回路。
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