JP3620494B2

JP3620494B2 - Method for continuous casting of steel blooms and billets

Info

Publication number: JP3620494B2
Application number: JP2001316488A
Authority: JP
Inventors: 章裕山中
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 2001-10-15
Filing date: 2001-10-15
Publication date: 2005-02-16
Anticipated expiration: 2021-10-15
Also published as: JP2003117643A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼のブルームおよびビレットの連続鋳造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
連続鋳造された鋳片から、圧延または鍛造工程を経てユジーンセジュルネ法、マンネスマン法などによりシームレス鋼管を製造する工程において、鋳片にセンターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析といった内部欠陥が存在し、その程度が大きい場合には、その鋳片から製造したシームレス鋼管に内面疵が発生し、製品品質上の欠陥となりやすい。
【０００３】
鋳片のこれら内部欠陥の発生の防止を目的として、鋳片冷却の際の熱収縮を利用する二次冷却法が知られている。たとえば、特開平７−１０９６号公報には、鋳片の中心部の固相率が０．１ないし０．３になった時点で水量密度２５〜１００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）の水冷却による鋳片の表面冷却を開始し、鋳片の中心部の固相率が０．８以上になるまでこの水量密度による水冷却を継続する鋳片の冷却方法が提案されている。
しかし、鋳片の冷却過程のＡｒ_３変態に際し、低炭素鋼や含Ｃｒ低合金鋼のようなフェライト相の生成が多い鋼では、上記の公報に開示されたように凝固末期における鋳片の二次冷却を強化すると、かえって、センターキャビティや成分偏析などの内部欠陥の発生が助長される場合がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低炭素鋼や含Ｃｒ低合金鋼のように、鋳片の冷却過程のＡｒ_３変態に際し、フェライト相の生成が多い鋼においても、センターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析といった内部欠陥の発生を防止することができる鋼のブルームおよびビレットの連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記（１）および（２）に示す連続鋳造方法にある。（１）鋳片の二次冷却を行う工程が２つの工程からなり、第１の工程では鋳型直下で鋳片の二次冷却を行い、その後の第２の工程では凝固末期近傍において鋳片の二次冷却を行う連続鋳造方法であって、第２の工程で鋳片を二次冷却することによって、厚さ中心部の固相率が０．４である鋳片の位置から、さらに鋳片が冷却されて、厚さ中心部の温度が１２００℃となる鋳片の位置までの間における鋳造方向の任意の位置において、鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合が３％以下とする鋼のブルームおよびビレットの連続鋳造方法。
【０００６】
（２）Ｃ含有率が０．１質量％以下の炭素鋼、またはＣ含有率が０．２質量％以下、Ｃｒ含有率が０．５〜３．０質量％の含Ｃｒ低合金鋼の溶鋼を鋳造する上記（１）に記載の鋼のブルームまたはビレットの連続鋳造方法。
【０００７】
本発明で規定する「鋳片の二次冷却における第１の工程」とは、鋼のブルームまたはビレットの連続鋳造において、通常、採られている鋳片の二次冷却のことを意味する。すなわち、鋳型出口から抜けた鋳片の内部における凝固殻の厚さを増加させ、鋳片がバルジングすることを防止するための鋳片の二次冷却のことである。その際、通常、鋳型直下で鋳片がバルジングしない程度の水量密度で鋳片の二次冷却がおこなわれる。
【０００８】
本発明で規定する「鋳片の二次冷却における第２の工程」とは、第１の工程の後で、とくに凝固末期近傍において、鋳片の二次冷却を再開することを意味する。凝固末期近傍で鋳片の二次冷却を行うことにより、鋳片を積極的に収縮させ、センターキャビティを小さくし、またマクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析の発生を抑制する。
【０００９】
「鋳片の二次冷却における第１の工程」と「鋳片の二次冷却における第２の工程」との間において、鋳片の二次冷却をいったん中断してもよいし、連続して鋳片の二次冷却をおこなっても構わない。
【００１０】
本発明で規定する「固相率」、「鋳片の厚さ中心部の温度」および「鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合」は、一般的に用いられる非定常伝熱計算により求めることができる。
【００１１】
連続鋳造された鋳片が二次冷却され冷却される過程において、Ａｒ_３変態点でオーステナイト相からフェライト相が生成する鋼の場合には、これらの相の結晶構造の違いから、体積膨張が生じる。
【００１２】
Ｃｒ含有率が多く、Ｃ含有率が０．６質量％程度までの通常のシームレス鋼管などに用いられる鋼のブルームおよびビレットの連続鋳造では、鋳片が二次冷却され冷却される過程において、Ａｒ_３変態点でオーステナイト相からフェライト相が生成する。このような鋼の連続鋳造に際し、凝固末期に過度の二次冷却を行うと、極端な場合には、凝固完了した凝固殻の全てがＡｒ_３変態点に達し、オーステナイト相が全てフェライト相に変態し、大きな体積膨張が生じる。
【００１３】
Ａｒ_３変態点は通常９００℃近傍の温度であり、鋳片の凝固殻がこのような温度で大きな体積膨張を生じ、凝固殻が大きく膨張変形すると、９００℃近傍よりも高温で、変形抵抗の小さい鋳片の厚さ中心部近傍の凝固殻に体積膨張による変形が集中する。そのため、未凝固の溶鋼が存在する部分およびセンターキャビティが大きくなる。これは、鋼製のパイプが熱せられ、その外径が熱膨張で大きくなると、その内径も大きくなるのと同じである。未凝固の溶鋼が存在する部分およびセンターキャビティが大きくなると、凝固中のデンドライト樹間に存在するミクロ偏析した溶鋼が流動した後に、大きくなったセンターキャビティに集積し、新たなマクロ偏析、セミマクロ偏析などが生成する。
【００１４】
そこで、大きな体積膨張を抑制する方法として、凝固末期における鋳片の二次冷却の際に、Ａｒ_３変態点に達する凝固殻の割合を少なくする方法、すなわち、凝固末期の二次冷却を開始する前の鋳片温度をできるだけ高温とする方法も考えられるが、過度に温度を高くすると、凝固末期に鋳片の二次冷却をおこなって、鋳片を収縮させる効果が小さくなる。さらに、連続鋳造機内に鋳片の保温または加熱装置を配置する必要があり、過大な装置となるので現実的な方法ではない。
【００１５】
凝固末期における鋳片の二次冷却の際のＡｒ_３変態点に達する凝固殻の割合を適度とすることにより、センターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析の発生を効果的に防止することができる。
【００１６】
すなわち、凝固殻が大きな体積膨張を起こしても、凝固完了した凝固殻の割合によっては、センターキャビティの拡大を抑制できる。鋳片の厚さ中心部に十分な未凝固の溶鋼が存在し、かつ未凝固の溶鋼が流動可能な状態であれば、それを取り囲む凝固殻が体積膨張しても、大きくなった分だけ未凝固の溶鋼が鋳造方向の上流側より流入し、体積膨張した部分が未凝固の溶鋼で充満する。
【００１７】
また、凝固完了した凝固殻の割合によっては、凝固殻の強度が適正な大きさとなることによって、鋳片の外周側の凝固殻が体積膨張しても、内周側の凝固殻がセンターキャビティの拡大に対する抵抗力となり得る。
【００１８】
一方、鋳片の厚さ中心部に十分な未凝固の溶鋼が存在せず、また、未凝固の溶鋼が流動しにくい状態で、さらに、凝固完了した凝固殻の温度が高く、その強度が小さい場合であっても、凝固殻に大きな体積膨張を起こさせずに、かつ、適度な体積膨張をおこさせればよいこと、すなわち下記に示す方法を採れば、センターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析の発生を効果的に防止することができることがわかった。
【００１９】
厚さ中心部の固相率が０．４である鋳片の位置から鋳造方向の下流側の位置では、鋳片の厚さ中心部に十分な未凝固の溶鋼が存在せず、未凝固の溶鋼が流動しにくい状態にある。固相率が０．４以上で、未凝固の溶鋼が流動しにくくなることは、次の試験により確認した。すなわち、種々の化学組成の鋼の鋳造に際し、連続鋳造機内に設けたピンチロールを用いて、厚さ中心部の固相率が種々相違する鋳片を圧下し、鋳造後の鋳片の横断面サンプルを採取した。このサンプルをマクロエッチし、圧下時の成分偏析の濃化した溶鋼の流動状況を調査した。その結果、固相率が０．４以上で、未凝固の溶鋼が流動しにくくなることを確認した。また、鋳造後に厚さ中心部の温度が１２００℃となる鋳片の位置より鋳造方向の上流側の位置では、凝固完了した凝固殻の温度が高く、その強度が小さい。
【００２０】
本発明の方法では、厚さ中心部の固相率が０．４である鋳片の位置から、さらに鋳片が冷却されて、厚さ中心部の温度が１２００℃となる鋳片の位置までの間における鋳造方向の任意の位置において、鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合を３％以下とするので、センターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析の発生を効果的に防止することができる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の方法を適用する場合の連続鋳造機の例を示す模式図である。断面形状が円形で直径が２００〜３００ｍｍ程度の丸ビレットの湾曲型連続鋳造機の例を示す。
【００２２】
浸漬ノズル１を介して鋳型２内に供給された溶鋼３は、鋳型内で凝固殻４を生成する。凝固殻と未凝固の溶鋼５とで構成される鋳片６は、鋳型を抜けた直後から冷却スプレー７により二次冷却される。第１の工程Ａ１として、鋳型直下から、たとえば、鋳造方向に２ｍ長さの間、鋳片は二次冷却される。二次冷却はいったん中断し、たとえば、第２の工程Ａ２として、メニスカスから３０〜３６ｍの範囲の凝固末期の位置において、鋳片は二次冷却される。
【００２３】
鋳片の二次冷却は、エアーミストスプレーを用いて行うのが望ましい。効果的な鋳片の二次冷却を行うことができるからである。その際の水量密度（リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２））は、エアーミストを構成する水の水量密度で定義される。
【００２４】
本発明の方法では、鋳片の二次冷却を２つの工程に分けて行い、第１の工程では、鋳型直下で鋳片の二次冷却を行うとともに、その後の第２の工程では、凝固末期に鋳片の二次冷却を行う。
【００２５】
第１の工程では、鋳片がバルジングしない程度の水量密度で鋳片の二次冷却を行う。その際の水量密度は、鋳片の大きさ、鋳造速度などによって決めればよいが、直径が２００〜３００ｍｍ程度の丸ビレットの場合、１００〜３００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）程度が望ましい。
【００２６】
第２の工程では、凝固末期近傍の鋳片を適度に二次冷却することにより、鋳片を熱収縮させる。その際、オーステナイト相からフェライト相へ変態する凝固殻の面積を適度に抑制し、凝固殻の体積膨張を適度な膨張に抑制する。その際の水量密度は、鋳片の大きさ、鋳造速度などによって決めればよいが、直径が２００〜３００ｍｍ程度の丸ビレットの場合、５０〜３００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２
）程度が望ましい。
【００２７】
本発明の方法では、厚さ中心部の固相率が０．４である鋳片の位置から、さらに鋳片が冷却されて、厚さ中心部の温度が１２００℃となる鋳片の位置までの間における鋳造方向の任意の位置において、鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合を３％以下とする。
【００２８】
鋳片の厚さ中心部に十分な未凝固の溶鋼が存在せず、未凝固の溶鋼が流動しにくい時期から、凝固完了した凝固殻の温度が高く、その強度が小さい時期までの間において、Ａｒ_３変態点以下の凝固殻の領域の面積の割合を適正に小さく、すなわち、鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合を３％以下とするので、凝固殻の体積膨張を適度な膨張に抑制しつつ、鋳片を効果的に熱収縮させることができる。そのため、センターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析の発生を効果的に防止することができる。
【００２９】
鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合を３％以下とするための鋳片の二次冷却の方法の例を、具体的に、以下に説明する。
【００３０】
鋳片の冷却は、鋳型からの抜熱（一次冷却）、鋳型直下での二次冷却、凝固末期近傍での二次冷却、大気中への輻射放熱、ガイドロールなどとの接触冷却などによりおこなわれる。これらの条件の中で、鋳片の温度を決めるのは、鋳片の二次冷却の程度と鋳造速度である。通常、鋳片の大きさ、品質などから目標の鋳造速度は一定である。したがって、鋳片の温度は、鋳片の二次冷却の程度によって変化することになる。
【００３１】
鋼のブルームまたはビレットの鋳造中に、鋳片の二次冷却を変化させた場合、鋳片横断面積に対する外周部にある凝固殻の占める割合が大きいので、通常、鋳片厚さ中心部の温度の変化は小さく、鋳片の外周部近傍の温度が大きく変化する。つまり、鋳片の厚さ中心部近傍の温度をほとんど変えずに、鋳片の外周部近傍の温度を変化させることができる。
【００３２】
鋳型直下における第１の工程での鋳片の二次冷却が強い場合、凝固末期近傍の第２の工程での鋳片の冷却によって、鋳片の外周部の温度はさらに低下し、鋳片の外周部の凝固殻のうち、Ａｒ_３変態点以下の温度に達する凝固殻の割合が多くなる。その場合には、第１の工程の鋳片の二次冷却における水量密度を低下させ、冷却を弱くすればよい。
【００３３】
上記の方法を用いることにより、鋳片の大きさ、鋳造速度などに対応して、鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合が３％以下となる第１の工程および第２の工程の鋳片の二次冷却の具体的な水量密度を予め求めておくことができる。
【００３４】
さらに、その際、冷却の第２の工程の入側の位置および出側の位置において、予め鋳片の表面温度を放射温度計などを用いて計測して、標準の表面温度として求めておくことができる。
【００３５】
実際の鋳造時には、測定した鋳片の表面温度をプロセスコンピュータに入力し、非定常伝熱計算を実行することにより、凝固殻の温度分布、および鋳片の厚さ中心部の温度の推定を行うことができる。その結果をモニタリングすることで、鋳片の二次冷却の水量密度を調整することにより、より精度よく、鋳片の二次冷却を行うことができる。
【００３６】
本発明の方法が対象とする「鋼」は、連続鋳造された鋳片が二次冷却され冷却される過程において、Ａｒ_３変態点でオーステナイト相からフェライト相が生成する鋼を意味する。
【００３７】
さらに、Ｃ含有率が０．１質量％以下の炭素鋼、またはＣ含有率が０．２質量％以下、Ｃｒ含有率が０．５〜３．０質量％の含Ｃｒ低合金鋼の溶鋼を鋳造する際に、本発明の方法を適用するのが望ましい。
【００３８】
ここで、Ｃ含有率が０．１質量％以下の炭素鋼とは、質量％で、Ｃ：０．０２〜０．１％、Ｓｉ：０．０８〜０．４％、Ｍｎ：０．６〜１．６％、Ａｌ：０．００８〜０．０２％を含み、また必要に応じて、Ｃａ：０．００８％以下、Ｂ：０．００３％以下のうちの１種または２種を含み、残部がＦｅおよび不純物からなる鋼を意味する。Ｃ、ＳｉおよびＭｎは主として鋼の強度確保、Ａｌは主として溶鋼の脱酸のためにそれぞれ添加される。また、Ｃａは非金属介在物の形態制御、Ｂは鋼の焼入性向上のためにそれぞれ添加される。
【００３９】
また、Ｃ含有率が０．２質量％以下、Ｃｒ含有率が０．５〜３．０質量％の含Ｃｒ低合金鋼とは、質量％で、Ｃ：０．０２〜０．２％、Ｓｉ：０．０８〜０．４％、Ｍｎ：０．３〜１．０％、Ａｌ：０．００８〜０．０２％、Ｃｒ：０．５〜３．０％を含み、また必要に応じて、Ｍｏ：１．０％以下、Ｎｉ：１．０％以下、Ｃｕ：１．０％以下、Ｔｉ：０．２％以下、Ｎｂ：０．２％以下、Ｖ：０．２％以下、Ｃａ：０．００６％以下、Ｂ：０．００３％以下のうちの１種または２種以上を含み、残部がＦｅおよび不純物からなる鋼を意味する。Ｃ、Ｓｉ、ＭｎおよびＣｒは主として鋼の強度、靱性の確保、Ａｌは主として溶鋼の脱酸のためにそれぞれ添加される。また、Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃｕ、Ｔｉ、ＮｂおよびＶは、鋼の強度、靱性などの改善のため、Ｃａは非金属介在物の形態制御、Ｂは鋼の焼入性向上のためにそれぞれ添加される。
【００４０】
上記の炭素鋼および含Ｃｒ低合金鋼は、鋳片の冷却過程のＡｒ_３変態点において、オーステナイト相から生成するフェライト相が多いので、本発明の方法を適用する効果が著しく、したがって、センターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析といった内部欠陥の発生を防止する効果が大きい。
【００４１】
【実施例】
図１に示す構成の連続鋳造機を用い、表１に示す鋼の溶鋼を鋳造した。これら鋼のＡｒ_３変態点を熱分析により測定し、炭素鋼である鋼ａは８４５℃、鋼ｂは８５０℃、含Ｃｒ低合金鋼である鋼ｃは８８０℃であることを確認した。
【００４２】
鋼ａは、Ａｒ_３変態に際し、オーステナイト相からフェライト相が生成する鋼で、鋼ｂおよび鋼ｃは、Ａｒ_３変態に際し、オーステナイト相からフェライト相が多く生成する鋼である。
【００４３】
【表１】

【００４４】
鋳片は直径２００ｍｍの丸ビレットとし、鋳片の二次冷却の第１の工程は、鋳型直下から鋳造方向に２ｍ長さまでの間とし、第２の工程は、メニスカスから３０〜３６ｍの距離の６ｍ長さの範囲とした。二次冷却用の水スプレー装置としてエアーミストスプレーを用い、第１の工程では気水比３０、最大の水量密度３００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）とし、また、第２の工程では、気水比５０、最大の水量密度５００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）とし、それらの水量密度の範囲内で、それぞれ水量密度を変化させて試験した。
【００４５】
第１の工程および第２の工程における水量密度の組み合わせを種々変更することにより、鋳片の厚さ中心部の固相率が０．４になる時期から、鋳片の厚さ中心部の温度が１２００℃となる時期までの間における鋳造方向の任意の位置において、鋳片横断面における凝固殻の面積Ｓ_１中に占めるＡｒ_３変態点以下の部分の面積Ｓ_２の割合（後述する表２のＳ_２／Ｓ_１のうちロの値）を変化させて試験した。
【００４６】
また、上記のとおり、第１の工程および第２の工程における水量密度の組み合わせを種々変更することにより、鋳片の厚さ中心部の温度が、溶鋼温度になる時期から、鋳片の厚さ中心部の固相率が０．４（含まず）になる時期までの間における鋳造方向の任意の位置において、Ｓ_２／Ｓ_１の値（後述する表２のＳ_２／Ｓ_１のうちイの値）、および鋳片の厚さ中心部の温度が、１２００℃（含まず）になる時期から、７００℃になる時期までの間における鋳造方向の任意の位置において、Ｓ_２／Ｓ_１の値（後述する表２のＳ_２／Ｓ_１のうちハの値）を、それぞれ変化させて試験した。
【００４７】
その際、鋳片を構成する凝固殻の温度分布および鋳片の厚さ中心部の固相率は、非定常伝熱計算により求めた。この計算の精度がよいことを、鋳片の表面温度の測定、および鋳片の打鋲試験により事前に確認した。
【００４８】
この計算に基づいて、鋳片の厚さ中心部の固相率が０．４となる時期から、１２００℃となる時期までの間を含め、任意の鋳造時期において、鋳造方向の任意の位置における鋳片横断面の凝固殻の温度分布を求めた。また、凝固殻の温度分布をもとに、凝固殻内のＡｒ_３変態点以下の温度となる凝固殻の部分を特定して数値積分することにより、凝固殻内のＡｒ_３変態点以下の温度となる部分の面積Ｓ_２を求め、別途求めた凝固殻全体の面積Ｓ_１で除することによって、前述のＳ_２／Ｓ_１の値（後述する表２におけるイ、ロ、ハの値）を求めた。
【００４９】
図２は、鋳片横断面における凝固殻の温度分布の例を模式的に示す図である。符号Ｂ１は、温度がＡｒ_３変態点を超える高温の凝固殻、符号Ｂ２は、温度がＡｒ_３変態点以下の凝固殻、符号５は、未凝固の溶鋼を示す。符号Ｂ２の領域の面積がＳ_２であり、符号Ｂ１およびＢ２の合計の領域の面積がＳ_１である。
【００５０】
鋳造速度は、鋼ａについては２．５ｍ／ｍｉｎ、鋼ｂについては２．８ｍ／ｍｉｎ、鋼ｃについては２．６ｍ／ｍｉｎをそれぞれ目標の速度としたが、比較例の試験Ｎｏ．２１とＮｏ．２２を除く、その他の比較例の試験では、第１の工程における水量密度を増加させたので、凝固完了位置をその他の試験と同じ位置とするため、鋳造速度を鋼ａ、鋼ｂ、鋼ｃとも、それぞれ０．１ｍ／ｍｉｎだけ目標の速度より速くして鋳造した。なお、凝固完了位置を一定の位置とするのは、鋳片の内部品質を一定の良好な状態を確保するためである。
【００５１】
鋳造後、定常の鋳造状態における鋳片の部分から、長さ２ｍの鋳片を採取し、さらに、０．５ｍ間隔で厚さ５０ｍｍの３ケの横断面サンプルを採取し、センターキャビティの状況と成分偏析の状況を調査した。
【００５２】
横断面サンプルの軸心部の直径５０ｍｍ以内で目視観察されるセンターキャビティの大きさと数を調査し、センターキャビティの合計の面積を求め、観察した面積で除してその百分率の値を求め、センターキャビティ面積率Ｓｏ（％）を求めた。３ケの横断面サンプルの調査結果の平均を求め、センターキャビティの生成程度を評価した。
【００５３】
また、軸心部近傍で、軸心部を含む直径方向の５０ｍｍ以内の５ヶ所の位置から、直径４ｍｍのドリル刃で切り屑を採取し、Ｃの化学分析をおこない、平均した値をＣ含有率Ｃ_１（質量％）とし、レードルのＣ含有率Ｃ_０（質量％）で除した比、Ｃ_１／Ｃ_０（−）を成分偏析度として求め、成分偏析を評価した。試験条件および試験結果を表２に示す。
【００５４】
【表２】

【００５５】
本発明例の試験Ｎｏ．１〜Ｎｏ．６では、Ｃ含有率が０．１８質量％または０．０５質量％の炭素鋼である鋼ａまたは鋼ｂを用い、第１の工程における二次冷却の水量密度を１５０リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）として弱冷却をおこない、第２の工程における二次冷却の水量密度を５０〜３００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）の範囲内で変化させた。いずれも前述のＳ_２／Ｓ_１の値（表２のうちのロの値）は０．３〜３％の範囲内で、本発明で規定する範囲内の値であった。前述のＳ_２／Ｓ_１の値（表２のうちのハの値）のうち、一部は３％を超える値であった。
【００５６】
試験Ｎｏ．１およびＮｏ．２では、センターキャビティ面積率Ｓｏは０．０５％または０．０９％で、Ｃの成分偏析度Ｃ_１／Ｃ_０は１．１１または１．１２であった。センターキャビティ面積率、Ｃの成分偏析度はともに、後述する試験Ｎｏ．３〜Ｎｏ．６に比べて、やや悪かったが、後述する比較例に比べて、良好な結果であった。また、試験Ｎｏ．３〜Ｎｏ．６では、センターキャビティ面積率Ｓｏは０．０〜０．０４％で、Ｃの成分偏析度Ｃ_１／Ｃ_０は１．０３〜１．１０であり、ともに良好な結果であった。
【００５７】
本発明例の試験Ｎｏ．７〜Ｎｏ．１０では、含Ｃｒ低合金鋼である鋼ｃを用い、第１の工程における二次冷却の水量密度を２００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）として弱冷却をおこない、第２の工程における二次冷却の水量密度を５０〜２８０リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）の範囲内で変化させた。いずれも前述のＳ_２／Ｓ_１の値（表２のうちのロの値）は０〜２．９％の範囲内で、本発明で規定する範囲内の値であった。前述のＳ_２／Ｓ_１の値（表２のうちのハの値）のうち、一部は３％を超える値であった。
【００５８】
試験Ｎｏ．７〜Ｎｏ．１０では、センターキャビティ面積率Ｓｏは０．０〜０．０４％％で、Ｃの成分偏析度Ｃ_１／Ｃ_０は１．０５〜１．０８であり、ともに良好な結果であった。
【００５９】
比較例の試験Ｎｏ．１１〜Ｎｏ．２０では、それぞれ本発明例の試験Ｎｏ．１〜Ｎｏ．１０に対応させて、第１の工程における二次冷却の水量密度を３５０リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）または４００リットル／（ｍｉｎ・ｍ^２）として強冷却をおこなった。第２の工程における二次冷却の水量密度は、それぞれ本発明例の試験Ｎｏ．１〜Ｎｏ．１０と同じとした。いずれも前述のＳ_２／Ｓ_１の値（表２のうちのロの値）は３．１〜７．４％の範囲内で、本発明で規定する条件を外れて高い値であった。前述のＳ_２／Ｓ_１の値（表２のうちのイまたはハの値）のうち、３％を超えるのはわずかであった。
【００６０】
試験Ｎｏ．１１〜Ｎｏ．２０では、センターキャビティ面積率Ｓｏは１．１〜１２．３％で、Ｃの成分偏析度Ｃ_１／Ｃ_０は１．２４〜１．５３で、いずれも試験Ｎｏ．１〜Ｎｏ．１０に比べて悪かった。
【００６１】
比較例の試験Ｎｏ．２１およびＮｏ．２２では、第２の工程における二次冷却をおこなわなかった。センターキャビティ面積率Ｓｏは９．５％または８．５％で、Ｃの成分偏析度Ｃ_１／Ｃ_０は１．４４または１．４６で、ともに悪かった。
【００６２】
【発明の効果】
本発明の方法の適用により、低炭素鋼や含Ｃｒ低合金鋼のように、鋳片の冷却過程のＡｒ_３変態に際し、フェライト相の生成が多い鋼においても、センターキャビティや、マクロ偏析、セミマクロ偏析などの成分偏析といった内部欠陥の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の方法を適用する場合の連続鋳造機の例を示す模式図である。
【図２】鋳片横断面における凝固殻の温度分布の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
１：浸漬ノズル２：鋳型
３：溶鋼４：凝固殻
５：未凝固の溶鋼６：鋳片
７：冷却スプレー８：ガイドロール
９：ピンチロール
Ａ１：第１の工程
Ａ２：第２の工程
Ｂ１：温度がＡｒ_３変態点を超える高温の凝固殻、
Ｂ２：温度がＡｒ_３変態点以下の凝固殻[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for continuous casting of steel bloom and billets.
[0002]
[Prior art]
Internal defects such as center cavities, component segregation such as macro-segregation and semi-macro segregation in the slab in the process of producing seamless steel pipes from continuously cast slabs through the rolling or forging process by the Eugene Sejurune method, Mannesmann method, etc. If there is a large amount of this, the inner surface flaws are likely to occur in the seamless steel pipe manufactured from the slab, which is likely to cause defects in product quality.
[0003]
For the purpose of preventing the occurrence of these internal defects in the slab, a secondary cooling method using heat shrinkage during slab cooling is known. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 7-1096 discloses a water density of 25 to 100 liters / (min · m when the solid phase ratio at the center of a slab reaches 0.1 to 0.3.²  The cooling method of the slab has been proposed, in which the surface cooling of the slab is started by water cooling and the water cooling by this water density is continued until the solid phase ratio at the center of the slab becomes 0.8 or more. .
However, Ar during the slab cooling process₃  In steels such as low-carbon steels and Cr-containing low alloy steels with a lot of ferrite phase during transformation, if the secondary cooling of the slab at the end of solidification is strengthened as disclosed in the above publication, the center cavity And the occurrence of internal defects such as component segregation may be promoted.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the present invention, as in the case of low carbon steel and Cr-containing low alloy steel, Ar during the slab cooling process₃  To provide a continuous casting method for steel blooms and billets that can prevent the occurrence of internal defects such as center cavities and component segregation such as macro-segregation and semi-macro segregation even in steels with a lot of ferrite phase during transformation. With the goal.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention resides in the continuous casting method shown in the following (1) and (2). (1) The secondary cooling process of the slab consists of two processes. In the first process, the secondary cooling of the slab is performed directly under the mold, and in the subsequent second process, the slab is near the end of solidification. A continuous casting method in which secondary cooling is performed, and the slab is further cooled from the position of the slab having a solid phase ratio of 0.4 at the center of the thickness by secondary cooling of the slab in the second step. Is cooled, the area S of the solidified shell in the cross section of the slab at any position in the casting direction up to the position of the slab where the temperature at the center of the thickness becomes 1200 ° C.₁  Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂  A method for continuous casting of steel bloom and billet with a ratio of 3% or less.
[0006]
(2) Carbon steel having a C content of 0.1% by mass or less, or a molten steel of a Cr-containing low alloy steel having a C content of 0.2% by mass or less and a Cr content of 0.5 to 3.0% by mass A method for continuously casting a steel bloom or billet according to (1) above.
[0007]
The “first step in secondary cooling of a slab” defined in the present invention means secondary cooling of a slab that is usually employed in continuous casting of a steel bloom or billet. That is, it is secondary cooling of the slab in order to increase the thickness of the solidified shell inside the slab exiting from the mold outlet and prevent the slab from bulging. At that time, the secondary cooling of the slab is usually performed at a water density that does not bulge the slab directly under the mold.
[0008]
The “second step in secondary cooling of the slab” defined in the present invention means restarting the secondary cooling of the slab after the first step, particularly in the vicinity of the end of solidification. By performing secondary cooling of the slab near the end of solidification, the slab is actively shrunk, the center cavity is made smaller, and the occurrence of component segregation such as macro-segregation and semi-macro segregation is suppressed.
[0009]
Between the “first step in secondary cooling of the slab” and the “second step in secondary cooling of the slab”, the secondary cooling of the slab may be interrupted once or continuously. Secondary cooling of the slab may be performed.
[0010]
“Solid fraction”, “temperature at the center of the slab thickness” and “area S of the solidified shell in the cross section of the slab” defined in the present invention₁  Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂The “ratio” can be obtained by a generally used unsteady heat transfer calculation.
[0011]
In the process of continuously cooling and cooling the continuously cast slab, Ar₃  In the case of steel in which a ferrite phase is generated from an austenite phase at the transformation point, volume expansion occurs due to the difference in crystal structure of these phases.
[0012]
In continuous casting of steel blooms and billets used in ordinary seamless steel pipes with a high Cr content and a C content of up to about 0.6% by mass, in the process where the slab is secondarily cooled and cooled, Ar₃  A ferrite phase is formed from the austenite phase at the transformation point. In the continuous casting of such steel, if excessive secondary cooling is performed at the end of solidification, in an extreme case, all of the solidified shells that have been solidified are Ar.₃  The transformation point is reached, and the austenite phase is completely transformed into a ferrite phase, resulting in a large volume expansion.
[0013]
Ar₃  The transformation point is usually a temperature in the vicinity of 900 ° C. When the solidified shell of the slab undergoes a large volume expansion at such a temperature, and the solidified shell is greatly expanded and deformed, the casting temperature is higher than that in the vicinity of 900 ° C. Deformation due to volume expansion concentrates on the solidified shell near the thickness center of the piece. Therefore, the portion where the unsolidified molten steel exists and the center cavity become large. This is the same as when the steel pipe is heated and its outer diameter increases due to thermal expansion, its inner diameter also increases. When the part where the unsolidified molten steel exists and the center cavity become large, the microsegregated molten steel that exists between the solidified dendrite trees flows and accumulates in the enlarged center cavity, and new macrosegregation, semi-macrosegregation, etc. Produces.
[0014]
Therefore, as a method of suppressing a large volume expansion, Ar is subjected to secondary cooling of the slab at the end of solidification.₃  A method of reducing the ratio of the solidified shell that reaches the transformation point, that is, a method of making the slab temperature as high as possible before starting the secondary cooling at the end of solidification as possible, can be considered. The effect of contracting the slab by performing secondary cooling of the slab is reduced. Furthermore, it is necessary to arrange a slab heat-retaining or heating device in the continuous casting machine, which is not a practical method because it becomes an excessive device.
[0015]
Ar during secondary cooling of the slab at the end of solidification₃  By making the ratio of the solidified shell reaching the transformation point moderate, it is possible to effectively prevent the occurrence of component segregation such as center cavity, macro segregation, and semi-macro segregation.
[0016]
That is, even if the solidified shell undergoes a large volume expansion, expansion of the center cavity can be suppressed depending on the ratio of the solidified shell that has been solidified. If there is sufficient unsolidified molten steel in the center of the slab thickness and the unsolidified molten steel is in a flowable state, even if the solidified shell surrounding it expands in volume, Solidified molten steel flows in from the upstream side in the casting direction, and the volume-expanded portion is filled with unsolidified molten steel.
[0017]
In addition, depending on the ratio of the solidified shells that have been solidified, the strength of the solidified shells becomes appropriate, so that even if the solidified shells on the outer peripheral side of the slab expand, Can be a resistance to expansion.
[0018]
On the other hand, there is not enough unsolidified molten steel in the center of the thickness of the slab, and the solidified shell that has been solidified is high and its strength is low, while the unsolidified molten steel is difficult to flow. Even if it is a case, it is only necessary to cause an appropriate volume expansion without causing a large volume expansion in the solidified shell, that is, by adopting the method shown below, a center cavity, macro segregation, semi-macro segregation, etc. It has been found that the occurrence of segregation of components can be effectively prevented.
[0019]
At the position downstream of the casting direction from the position of the slab where the solid phase ratio at the center of the thickness is 0.4, there is not enough unsolidified molten steel in the center of the thickness of the slab, The molten steel is difficult to flow. It was confirmed by the following test that the solid phase ratio was 0.4 or more and the unsolidified molten steel was difficult to flow. That is, when casting steels of various chemical compositions, using a pinch roll provided in a continuous casting machine, the slabs with different solid phase ratios in the central part of the thickness are reduced, and the cross sections of the slabs after casting A sample was taken. This sample was macro-etched to investigate the flow of molten steel with concentrated component segregation during rolling. As a result, it was confirmed that the solid phase ratio was 0.4 or more, and the unsolidified molten steel became difficult to flow. Further, at the position upstream of the slab where the temperature at the center of the thickness becomes 1200 ° C. after casting, the temperature of the solidified shell that has been solidified is high and its strength is small.
[0020]
In the method of the present invention, from the position of the slab where the solid phase ratio at the center of the thickness is 0.4 to the position of the slab where the slab is further cooled and the temperature at the center of the thickness becomes 1200 ° C. Area S of the solidified shell in the cross section of the slab at any position in the casting direction between₁Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂  Therefore, the occurrence of component segregation such as center cavity, macro segregation, and semi-macro segregation can be effectively prevented.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a schematic view showing an example of a continuous casting machine when the method of the present invention is applied. An example of a round billet curved continuous casting machine having a circular cross section and a diameter of about 200 to 300 mm is shown.
[0022]
The molten steel 3 supplied into the mold 2 through the immersion nozzle 1 generates a solidified shell 4 in the mold. The slab 6 composed of the solidified shell and the unsolidified molten steel 5 is secondarily cooled by the cooling spray 7 immediately after passing through the mold. As the first step A1, the slab is secondarily cooled from directly under the mold, for example, for a length of 2 m in the casting direction. The secondary cooling is temporarily interrupted. For example, as the second step A2, the slab is secondarily cooled at the end of solidification range of 30 to 36 m from the meniscus.
[0023]
The secondary cooling of the slab is preferably performed using an air mist spray. This is because effective secondary cooling of the slab can be performed. Water density at that time (liter / (min · m²  )) Is defined by the water density of the water that constitutes the air mist.
[0024]
In the method of the present invention, the secondary cooling of the slab is performed in two steps. In the first step, the secondary cooling of the slab is performed directly under the mold, and in the second step thereafter, the final solidification stage. Secondary cooling of the slab is performed.
[0025]
In the first step, secondary cooling of the slab is performed with a water density that does not bulge the slab. The water density at that time may be determined by the size of the slab, the casting speed, etc., but in the case of a round billet having a diameter of about 200 to 300 mm, it is 100 to 300 liters / (min · m²  ) Degree is desirable.
[0026]
In the second step, the slab is thermally contracted by appropriately secondary cooling the slab near the end of solidification. At that time, the area of the solidified shell that transforms from the austenite phase to the ferrite phase is moderately suppressed, and the volume expansion of the solidified shell is suppressed to an appropriate expansion. The water density at that time may be determined by the size of the slab, the casting speed, etc., but in the case of a round billet having a diameter of about 200 to 300 mm, 50 to 300 liters / (min · m²
) Degree is desirable.
[0027]
In the method of the present invention, from the position of the slab where the solid phase ratio at the center of the thickness is 0.4 to the position of the slab where the slab is further cooled and the temperature at the center of the thickness becomes 1200 ° C. Area S of the solidified shell in the cross section of the slab at any position in the casting direction between₁Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂  The ratio is set to 3% or less.
[0028]
From the time when there is not enough unsolidified molten steel in the thickness center of the slab and the solidified molten steel is difficult to flow, until the solidified shell temperature after solidification is high and the strength is small, Ar₃  The ratio of the area of the solidified shell region below the transformation point is appropriately reduced, that is, the solidified shell area S in the cross section of the slab.₁  Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂  Therefore, the slab can be effectively thermally contracted while suppressing the volume expansion of the solidified shell to an appropriate expansion. Therefore, generation of component segregation such as a center cavity, macro segregation, and semi-macro segregation can be effectively prevented.
[0029]
Area S of solidified shell in the cross section of slab₁  Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂  An example of a method for secondary cooling of the slab to make the ratio of 3% or less will be specifically described below.
[0030]
The slab is cooled by removing heat from the mold (primary cooling), secondary cooling just below the mold, secondary cooling near the end of solidification, radiation heat radiation to the atmosphere, contact cooling with a guide roll, etc. It is. Among these conditions, it is the degree of secondary cooling of the slab and the casting speed that determines the temperature of the slab. Usually, the target casting speed is constant from the size and quality of the slab. Accordingly, the temperature of the slab varies depending on the degree of secondary cooling of the slab.
[0031]
When the secondary cooling of the slab is changed during casting of steel bloom or billet, the ratio of the solidified shell at the outer periphery to the slab cross-sectional area is large, so the temperature at the center of the slab thickness is usually Change is small, and the temperature in the vicinity of the outer periphery of the slab changes greatly. That is, the temperature in the vicinity of the outer peripheral portion of the slab can be changed without substantially changing the temperature in the vicinity of the thickness center portion of the slab.
[0032]
When the secondary cooling of the slab in the first step just under the mold is strong, the cooling of the slab in the second step near the end of solidification further reduces the temperature of the outer periphery of the slab, Of the solidified shell on the outer periphery, Ar₃  The proportion of solidified shell that reaches a temperature below the transformation point increases. In that case, the water density in the secondary cooling of the slab in the first step may be reduced to weaken the cooling.
[0033]
By using the above method, the area S of the solidified shell in the cross section of the slab corresponding to the size of the slab, the casting speed, etc.₁  Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂  The specific water amount density of the secondary cooling of the slab in the first step and the second step in which the ratio is 3% or less can be obtained in advance.
[0034]
Further, at that time, the surface temperature of the slab is measured in advance using a radiation thermometer or the like at the entry side position and the exit side position in the second cooling step, and is obtained as a standard surface temperature. Can do.
[0035]
During actual casting, the measured surface temperature of the slab is input to the process computer, and the temperature distribution of the solidified shell and the temperature at the center of the slab thickness are estimated by executing unsteady heat transfer calculation. be able to. By monitoring the result, the secondary cooling of the slab can be performed with higher accuracy by adjusting the water density of the secondary cooling of the slab.
[0036]
The “steel” targeted by the method of the present invention is a process in which Ar is continuously cooled in the process of secondary cooling and cooling.₃  It means steel in which ferrite phase forms from austenite phase at the transformation point.
[0037]
Further, a carbon steel having a C content of 0.1% by mass or less, or a molten steel of a Cr-containing low alloy steel having a C content of 0.2% by mass or less and a Cr content of 0.5 to 3.0% by mass. It is desirable to apply the method of the present invention when casting.
[0038]
Here, the carbon steel having a C content of 0.1 mass% or less is mass%, C: 0.02 to 0.1%, Si: 0.08 to 0.4%, Mn: 0.6 -1.6%, Al: 0.008-0.02% included, and, if necessary, Ca: 0.008% or less, B: One or two of 0.003% or less included And the balance means steel consisting of Fe and impurities. C, Si and Mn are mainly added for securing the strength of the steel, and Al is mainly added for deoxidation of the molten steel. Ca is added to control the form of non-metallic inclusions, and B is added to improve the hardenability of the steel.
[0039]
Further, the Cr-containing low alloy steel having a C content of 0.2% by mass or less and a Cr content of 0.5 to 3.0% by mass is expressed by mass%, C: 0.02 to 0.2%, Si: 0.08 to 0.4%, Mn: 0.3 to 1.0%, Al: 0.008 to 0.02%, Cr: 0.5 to 3.0%, and as necessary Mo: 1.0% or less, Ni: 1.0% or less, Cu: 1.0% or less, Ti: 0.2% or less, Nb: 0.2% or less, V: 0.2% or less, It means steel containing one or more of Ca: 0.006% or less and B: 0.003% or less, with the balance being Fe and impurities. C, Si, Mn and Cr are mainly added for securing the strength and toughness of the steel, and Al is mainly added for deoxidation of the molten steel. Mo, Ni, Cu, Ti, Nb and V are added to improve the strength and toughness of the steel, Ca is added to control the form of nonmetallic inclusions, and B is added to improve the hardenability of the steel. The
[0040]
The above carbon steel and Cr-containing low alloy steel are made of Ar during the slab cooling process.₃  At the transformation point, there are many ferrite phases generated from the austenite phase, so the effect of applying the method of the present invention is remarkable, and therefore the effect of preventing the occurrence of internal defects such as center cavities and component segregation such as macro-segregation and semi-macro segregation. Is big.
[0041]
【Example】
Using the continuous casting machine having the configuration shown in FIG. 1, molten steel shown in Table 1 was cast. Ar of these steels₃  The transformation point was measured by thermal analysis, and it was confirmed that steel a, which is carbon steel, was 845 ° C., steel b was 850 ° C., and steel c, which was a Cr-containing low alloy steel, was 880 ° C.
[0042]
Steel a is Ar₃  In the transformation, a steel in which a ferrite phase is generated from an austenite phase.₃  It is a steel in which a large amount of ferrite phase is generated from the austenite phase during transformation.
[0043]
[Table 1]

[0044]
The slab is a round billet with a diameter of 200 mm, the first step of secondary cooling of the slab is between 2 m in the casting direction from directly under the mold, and the second step is a distance of 30 to 36 m from the meniscus. The range was 6 m long. An air mist spray is used as a water spray device for secondary cooling. In the first step, the air / water ratio is 30 and the maximum water density is 300 liters / (min · m.²  In the second step, the air / water ratio is 50 and the maximum water density is 500 liters / (min · m).²  ), And the water density was changed within the range of the water density.
[0045]
By variously changing the combination of the water density in the first step and the second step, the temperature at the central portion of the slab thickness from the time when the solid phase ratio at the central portion of the slab becomes 0.4. The area S of the solidified shell in the cross section of the slab at an arbitrary position in the casting direction until the time when the temperature reaches 1200 ° C.₁  Ar in the inside₃  Area S of the portion below the transformation point₂  Ratio (S in Table 2 described later)₂  / S₁  The value of (b) was changed.
[0046]
In addition, as described above, the thickness of the slab is changed from the time when the temperature of the center portion of the slab reaches the molten steel temperature by variously changing the combination of the water density in the first step and the second step. At an arbitrary position in the casting direction until the time when the solid fraction of the central portion becomes 0.4 (not included), S₂  / S₁  Value (S in Table 2 described later)₂/ S₁  S) at an arbitrary position in the casting direction from the time when the temperature of the center portion of the slab becomes 1200 ° C. (not included) to the time when it reaches 700 ° C.₂  / S₁  Value (S in Table 2 described later)₂  / S₁  The value of c) was varied and tested.
[0047]
At that time, the temperature distribution of the solidified shell constituting the slab and the solid phase ratio at the center of the thickness of the slab were obtained by unsteady heat transfer calculation. The accuracy of this calculation was confirmed in advance by measuring the surface temperature of the slab and by a slab test.
[0048]
Based on this calculation, at any position in the casting direction at any casting time, including the period from when the solid phase ratio at the center of the slab thickness becomes 0.4 to when it reaches 1200 ° C. The temperature distribution of the solidified shell of the slab cross section was obtained. Based on the temperature distribution of the solidified shell, Ar in the solidified shell₃  By identifying and numerically integrating the solidified shell part at a temperature below the transformation point, Ar in the solidified shell is obtained.₃  Area S of the portion where the temperature is below the transformation point₂  The total area S of the solidified shell obtained separately₁  By dividing by S₂  / S₁  (Values a, b, c in Table 2 to be described later) were obtained.
[0049]
FIG. 2 is a diagram schematically showing an example of the temperature distribution of the solidified shell in the cross section of the slab. Reference B1 indicates that the temperature is Ar₃  The high-temperature solidified shell exceeding the transformation point, symbol B2, has a temperature of Ar₃  The solidified shell below the transformation point, symbol 5 indicates unsolidified molten steel. The area of the area B2 is S₂  And the area of the total area of the symbols B1 and B2 is S₁  It is.
[0050]
The casting speeds were 2.5 m / min for steel a, 2.8 m / min for steel b, and 2.6 m / min for steel c, respectively. 21 and no. In the tests of other comparative examples, except for No. 22, the water density in the first step was increased, so that the solidification completion position was the same as the other tests, so the casting speed was steel a, steel b, steel c Both were cast at a speed higher than the target speed by 0.1 m / min. The solidification completion position is set to a constant position in order to ensure a constant and good state of the internal quality of the slab.
[0051]
After casting, a slab with a length of 2 m is taken from the slab part in a steady casting state, and further, three cross-sectional samples with a thickness of 50 mm are taken at intervals of 0.5 m, and the situation of the center cavity The situation of component segregation was investigated.
[0052]
Investigate the size and number of center cavities visually observed within 50 mm in diameter of the axial center of the cross section sample, determine the total area of the center cavities, and divide by the observed area to obtain the percentage value. The cavity area ratio So (%) was determined. The average of the survey results of the three cross-sectional samples was obtained, and the degree of formation of the center cavity was evaluated.
[0053]
In addition, in the vicinity of the shaft center portion, chips were collected from 5 positions within 50 mm in the diameter direction including the shaft center portion with a 4 mm diameter drill blade, subjected to chemical analysis of C, and the average value was contained in C. Rate C₁  (Mass%) and C content of the ladle C₀  Ratio divided by (mass%), C₁  / C₀  (-) Was calculated | required as a component segregation degree and the component segregation was evaluated. Test conditions and test results are shown in Table 2.
[0054]
[Table 2]

[0055]
Test no. 1-No. 6, the steel a or steel b, which is carbon steel having a C content of 0.18% by mass or 0.05% by mass, is used, and the secondary cooling water density in the first step is 150 liters / (min · m²  ), And the secondary cooling water density in the second step is 50 to 300 liters / (min · m).²  ) Was changed within the range. Both of the above S₂  / S₁  (Value in Table 2) was within the range of 0.3 to 3%, and was within the range defined by the present invention. S mentioned above₂  / S₁  Some of the values (c values in Table 2) exceeded 3%.
[0056]
Test No. 1 and no. 2, the center cavity area ratio So is 0.05% or 0.09%, and the component segregation degree C of C₁  / C₀  Was 1.11 or 1.12. Both the center cavity area ratio and the component segregation degree of C were tested No. described later. 3-No. Although it was a little worse than 6, it was a favorable result compared with the comparative example mentioned later. In addition, Test No. 3-No. 6, the center cavity area ratio So is 0.0 to 0.04%, and the component segregation degree C of C₁  / C₀  1.03-1.10, both of which were good results.
[0057]
Test no. 7-No. No. 10, steel c, which is a Cr-containing low alloy steel, is used, and the water density of secondary cooling in the first step is 200 liters / (min · m²  ), And the water density of the secondary cooling in the second step is 50 to 280 liters / (min · m).²  ) Was changed within the range. Both of the above S₂/ S₁  (Value in Table 2) was in the range of 0 to 2.9%, and was within the range defined by the present invention. S mentioned above₂  / S₁  Some of the values (c values in Table 2) exceeded 3%.
[0058]
Test No. 7-No. 10, the center cavity area ratio So is 0.0 to 0.04%, and the component segregation degree C of C₁  / C₀  1.05 to 1.08, both of which were good results.
[0059]
Test No. of the comparative example. 11-No. No. 20, test no. 1-No. 10, the water density of the secondary cooling in the first step is 350 liters / (min · m²  ) Or 400 liters / (min · m²  ) Was subjected to strong cooling. The secondary cooling water density in the second step is the test No. of the present invention. 1-No. The same as 10. Both of the above S₂  / S₁  The value of (b in Table 2) was within a range of 3.1 to 7.4%, which was a high value outside the conditions defined in the present invention. S mentioned above₂  / S₁  Only a small percentage of the value (i or c in Table 2) exceeded 3%.
[0060]
Test No. 11-No. 20, the center cavity area ratio So is 1.1 to 12.3%, and the component segregation degree C of C₁  / C₀  Is 1.24 to 1.53, all of which are test Nos. 1-No. It was bad compared to 10.
[0061]
Test No. of the comparative example. 21 and no. In No. 22, secondary cooling in the second step was not performed. Center cavity area ratio So is 9.5% or 8.5%, C component segregation degree C₁  / C₀  Was 1.44 or 1.46, both bad.
[0062]
【The invention's effect】
By applying the method of the present invention, Ar in the slab cooling process, such as low carbon steel and Cr-containing low alloy steel.₃  During transformation, even in steels with many ferrite phases, internal defects such as center cavities and component segregation such as macro-segregation and semi-macro segregation can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an example of a continuous casting machine when applying the method of the present invention.
FIG. 2 is a diagram schematically showing an example of a temperature distribution of a solidified shell in a cross section of a slab.
[Explanation of symbols]
1: Immersion nozzle 2: Mold
3: Molten steel 4: Solidified shell
5: Unsolidified molten steel 6: Slab
7: Cooling spray 8: Guide roll
9: Pinch roll
A1: First step
A2: Second step
B1: Temperature is Ar₃  High-temperature solidified shell exceeding the transformation point,
B2: Temperature is Ar₃  Solidified shell below the transformation point

Claims

The secondary cooling process of the slab consists of two processes. In the first process, the secondary cooling of the slab is performed directly under the mold, and in the second process, the secondary cooling of the slab is performed near the end of solidification. In the continuous casting method, the slab is further cooled from the position of the slab where the solid phase ratio at the center of the thickness is 0.4 by secondary cooling of the slab in the second step. The portion below the Ar ₃ transformation point in the solidified shell area S ₁ in the cross section of the slab at an arbitrary position in the casting direction until the position of the slab where the temperature of the thickness center is 1200 ° C. continuous casting method of steel bloom and billet characterized in that the ratio of the area S ₂ of 3% or less.

Casting a carbon steel having a C content of 0.1% by mass or less or a molten steel of a Cr-containing low alloy steel having a C content of 0.2% by mass or less and a Cr content of 0.5 to 3.0% by mass. The method for continuous casting of steel bloom or billet according to claim 1.